【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人戸倉嘉市の上告趣旨は末尾添附別紙記載の通りである。 論旨第一点に対する判断。 証人申請を適当に取捨選択すること
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人戸倉嘉市の上告趣旨は末尾添附別紙記載の通りである。 論旨第一点に対する判断。 証人申請を適当に取捨選択することは、事実審の裁量権に属することがらであるから、被告人と共犯の疑がある者で、当初所在不明のため捜査当局の取調を受けなかつた者の所在が明らかとなつたからといつて、必ずその者を証人として取り調べなければならないというわけのものではない。本件の場合、原審はすでに他の多くの証拠を取り調べているほか、被告人側が事件の主謀者であると主張したAをも証人として尋問しているのであるから原審が、所論証人Bの尋問を必要がないと認め、一旦した証拠決定を取り消して、その申請を却下したことは、何等不合理な措置ではなく、これをとらえて、所論のように弁護人の弁護権乃至被告人の防禦権を不法に制限した違法があると非難することはできない。論旨は採用し難い。 同第二点は、量刑不当の主張であるから、刑訴応急措置法一三条二項により、適法な上告理由にならない。 同第三点に対する判断。 被告人は原審公判廷で、所論の点に関しては、代金は全部払わなくても、いくらかの金はやるつもりで、自分達のほうで品物を処分してから、向うで値を安くすれば払う考だつたが、思い切つて値切れば向うで応ずるかどうかわからなかつた、と述べているのであつて、約定代金の一部を支払うだけで、全額を支払意思のなかつたことは、明らかにこれを自認しているのである。従つて原判決が、被告人の原審公判廷における供述を、「代金は銀行の保証小切手にして現品と引換えに即時支払う約束であつたことは知らなかつたと弁疏する外判示同趣旨の供述」として引用し- 1 -たことは何等不当ではない。そうして右供述その他原判決挙示の各証拠を綜合すれば、原判決 て現品と引換えに即時支払う約束であつたことは知らなかつたと弁疏する外判示同趣旨の供述」として引用し- 1 -たことは何等不当ではない。そうして右供述その他原判決挙示の各証拠を綜合すれば、原判決の事実認定は充分にこれを肯認することができるのであつて、すこしも所論のような理由のくいちがいはない。論旨は採用できない。 よつて旧刑訴第四四六条に従つて主文の通り判決する。 以上は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官田中巳代治関与昭和二六年三月二〇日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介- 2 -
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