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昭和38(お)3 再審請求事件

裁判所

昭和38年10月3日 名古屋高等裁判所

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1,982 文字

主文 本件再審請求を棄却する。理由 本件再審請求の趣意は請求人本人名義及び弁護人大矢和徳、同小山斉両名共同名義の各控訴趣意書並びに小山斉名義の再審理由補充書に記載するとおりであるから、ここにこれを引用するが、これに対し当裁判所はつぎのように判断する。大矢、小山両弁護人の本件再審理由の要旨は第一、 原判決は被告人の有罪の証拠として第一審公判調書における相被告人Aの供述を挙示しているが、その供述は虚偽であるけれども、相被告人としての供述であるため偽証罪が成立せず、したがつて確定判決によりその虚偽であつたことの証明されえない場合として、刑事訴訟法第四三五条第二号、第四三七条の再審事由に該当し、第二、 原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したから、同法第四三五条第六号の再審事由があるというにある。一件記録を精査するに、まず所論第一点については、名古屋高等裁判所のなした原判決が被告人の断罪の証拠として第一審公判調書における相被告人Aの供述記載を挙示していることは所論のとおりである。<要旨>ところで、再審事由を規定している刑事訴訟法第四三五条第二号の原判決の証拠となつたいわゆる証言が証人</要旨>の証言自体だけではなく、証言を録取した証人尋問調書や公判調書を含むことは疑ないけれども、その「証言」は証人としてなされた証言(又はその供述調書)に限るべきものであつて、所論のような相被告人の公判廷における供述のごときものは、これに含まれぬものと解するのが相当である。(もつとも原判決の引用した証拠が相被告人の公判における供述であつても、控訴審においてその供述者を証人として尋問し、同趣旨の証言が得られ、控訴が棄却されたよらな場合は別個な考察がなさるべきであろう) (もつとも原判決の引用した証拠が相被告人の公判における供述であつても、控訴審においてその供述者を証人として尋問し、同趣旨の証言が得られ、控訴が棄却されたよらな場合は別個な考察がなさるべきであろう)けだし同条第六号がひろく包括的に再審事由を規定しているのに、同条第二号において証言などにつき、右のような個別的な喜審事由をとくに認めているのは、証人による虚偽の証言については、相被告人などの供述とは異り、偽証罪の制裁があり、この担保あるが故にこそ、証人の証言にはたかい証拠能力も認められているのであるが、それだけに証人によつて虚偽の証言がなされると、きわめて重大なる事実の誤認を招来するおそれもでてくるから、その証言が偽証罪の確定判決によつて虚偽であつたことが証明された場合を再審事由の一つとしてとくに規定したものと解されるからである。 るのは、証人による虚偽の証言については、相被告人などの供述とは異り、偽証罪の制裁があり、この担保あるが故にこそ、証人の証言にはたかい証拠能力も認められているのであるが、それだけに証人によつて虚偽の証言がなされると、きわめて重大なる事実の誤認を招来するおそれもでてくるから、その証言が偽証罪の確定判決によつて虚偽であつたことが証明された場合を再審事由の一つとしてとくに規定したものと解されるからである。してみると、本件にみるように原判決の引用した証拠が相被告人の供述(公判調書)であるような場合(控訴審において同人を証人として尋問した形跡もない)は、右の刑事訴訟法第四三五条第二号の証言にはあたらないものといわねばならない。そうだとすると、本件については同法第四三七条もその適用の余地のないことは多言を要しないから、所論はすでにその前提を欠き失当である。所論第二点については、その提出にかかる証拠書類中、法務技官B作成の診断書及び名古屋拘置所長C名義の回答書は前掲Aが低知能者ないし現在精神錯乱の疑あることを窺わしめるにとどまり、またDの求意見書と題する書類は請求人本人の陳述書に過ぎないのであつて、所論のように原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠とは認められない。弁護人の所論はいずれもとうてい首肯しがたく再審の事由あるものとはいえない。つぎに請求人本人の趣意書の要旨は、ただ原判決の証拠判断、 めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠とは認められない。弁護人の所論はいずれもとうてい首肯しがたく再審の事由あるものとはいえない。つぎに請求人本人の趣意書の要旨は、ただ原判決の証拠判断、事実認定を非難するにとどまり、刑事訴訟法第四三五条所定の再審事由のいずれの場合にも該当しないし、関係記録を検討しても、同条所定の再審事由に該当するいかなる事由も見いだし得ない。よつて本件再審請求は理由かないので、同法第四四七条第一項に則りこれを棄却すべきものとし主文のとおり決定する。(裁判長判事小林登一判事成田薫判事斎藤寿)

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