- 1 -令和元年10月10日判決言渡平成30年(ネ)第10064号,平成31年(ネ)第10025号商標権侵害行為差止等請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成29年(ワ)第14637号)口頭弁論終結日令和元年8月1日判決 控訴人兼附帯被控訴人(一審原告) 株式会社タカギ(以下「一審原告」という。) 同訴訟代理人弁護士酒迎明洋同訴訟復代理人弁護士髙 木 美咲穂 被控訴人兼附帯控訴人(一審被告) 合同会社グレイスランド(以下「一審被告グレイスランド」という。) 被控訴人兼附帯控訴人(一審被告) 株式会社好友印刷(以下「一審被告好友印刷」という。) 被控訴人(一審被告) Y (以下「一審被告Y」という。)上記3名訴訟代理人弁護士中村正典林 友梨内 山 智映子- 2 -森 貴志河村潔俊綿貫敬典主文 1 本件控訴,一審原告の当審における訴えの変更並びに本件附帯控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。 ⑴ 一審被告らは,一審原告に対し,連帯して139万1757円及びうち13万8158円につき,一審被告グレイスランド及び一審被告Yについて平成29年5月25日から,一審被告好友印刷について同月24日から,うち125万3599円につき平成30年12月5日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 一審原告のその余の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その3を一審被告らの負 12月5日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 一審原告のその余の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その3を一審被告らの負担とし,その余を一審原告の負担とする。 3 この判決は,1(1)に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由以下,用語の略称及び略称の意味は,本判決で付するもののほかは,原判決に従い,原判決に「原告」とあるのを「一審原告」と,「被告グレイスランド」とあるのを「一審被告グレイスランド」と,「被告好友印刷」とあるのを「一審被告好友印刷」と,「被告Y」とあるのを「一審被告Y」と,「被告ら」とあるのを「一審被告ら」と読み替える。また,原判決の引用部分の「別紙」を全て「原判決別紙」と改める。 第1 当事者の求めた裁判 1 一審原告⑴ 原判決のうち一審原告敗訴部分を取り消す。 - 3 -⑵ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の被告ウェブサイト1を表示するための電子ファイルに,原判決別紙被告標章目録記載の被告標章1及び被告標章2をタイトルタグ及びメタタグとして,それぞれ記載してはならない。 ⑶ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の被告ウェブサイト1を表示するための電子ファイルの〈title〉及び〈metaname=“description” content=“〉から,原判決別紙被告標章目録記載の被告標章2を除去せよ。 ⑷ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の被告ウェブサイト1における広告を内容とする情報に原判決別紙被告標章目録記載の被告標章2を付して電磁的方法により提供してはならない。 ⑸ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサ 目録記載の被告ウェブサイト1における広告を内容とする情報に原判決別紙被告標章目録記載の被告標章2を付して電磁的方法により提供してはならない。 ⑸ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の被告ウェブサイト1における広告を内容とする情報から,原判決別紙被告標章目録記載の被告標章2を除去せよ。 ⑹ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の各被告ウェブサイトにおける広告を内容とする情報に原判決別紙被告標章目録記載の被告標章3を付して電磁的方法により提供してはならない。 ⑺ 一審被告グレイスランドは,原判決別紙被告ウェブサイト目録記載の各被告ウェブサイトから,原判決別紙被告標章目録記載の被告標章3を除去せよ。 ⑻ 一審被告らは,一審原告に対し,連帯して300万0518円及びうち249万2500円に対する一審被告グレイスランド及び一審被告Yについて平成29年5月25日から,一審被告好友印刷について同月24日から,うち50万8018円に対する平成30年12月5日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷⑴ 原判決のうち一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷の敗訴部分を- 4 -取り消す。 ⑵ 上記部分につき一審原告の請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要1(1) 本件は,浄水器及びその交換用カートリッジ等の製造及び販売等を業とする一審原告が,インターネット上のショッピングモールである楽天市場に設けられた仮想店舗において,一審被告らが,原告商標と類似し,また,一審原告の著名又は周知な商品等表示である本件カタカナ表示(タカギ)と類似する被告標章1~3を使用して家庭用浄水器の交換用ろ過カートリッジ(被告商品)を販売していると主 が,原告商標と類似し,また,一審原告の著名又は周知な商品等表示である本件カタカナ表示(タカギ)と類似する被告標章1~3を使用して家庭用浄水器の交換用ろ過カートリッジ(被告商品)を販売していると主張して,一審被告グレイスランドに対し,商標法36条1項及び不競法3条1項に基づき上記各標章の使用の差止め並びに商標法36条2項及び不競法3条2項に基づき被告ウェブサイトからの被告標章2,3の除去を求めるとともに,一審被告らに対し,民法709条及び同法719条1項前段に基づき(一審被告Yに対しては選択的に会社法429条1項及び同法597条に基づき),損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。 なお,原審においては,損害賠償の対象とされた行為の期間は,平成28年11月15日から平成29年4月14日までであり,一審原告は,この期間について249万2500円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めていた。 (2) 原判決は,平成28年11月1日から(タイトルタグ及びメタタグでの使用は15日から)平成29年3月22日までの間に被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグ並びに被告ウェブページに被告標章1及び2を記載した行為は,不競法2条1項1号にいう商品等表示の使用に該当するが,その他の被告標章1~3の使用は,同号における商品等表示の使用とはいえず,商標としての使用ともいえないなどとして,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷に対して平成28年11月15日から平成29年3月22日までの期間に係る不正競争行為に基づく損害賠償金として,連帯して28万4386円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一審原告の請求を認容し,その余の請求をいず- 5 -れも棄却したところ,一審原告が自己の敗訴部分につき控訴を提起するとともに, して28万4386円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一審原告の請求を認容し,その余の請求をいず- 5 -れも棄却したところ,一審原告が自己の敗訴部分につき控訴を提起するとともに,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷も同人らの敗訴部分につき附帯控訴を提起した。 なお,一審原告は,当審において,訴えの変更をして,平成28年11月15日から平成29年4月14日までの期間に係る損害賠償請求の額を原判決認容額まで減縮するとともに,平成28年11月1日から同月14日までと平成29年4月15日から平成30年11月30日までの期間に係る損害賠償請求をそれぞれ追加した。 2 前提事実当事者間に争いがないか又は証拠及び弁論の全趣旨によって認められる事実⑴ 当事者等(弁論の全趣旨)ア一審原告は,(以下略)を本店所在地として水栓及び浄水製品等の製造,販売等を業とする株式会社である。 イ一審被告グレイスランドは,(以下略) を本店所在地として浄水器の交換カートリッジの通信販売等を業とする,資本金50万円の合同会社である。 一審被告好友印刷は,(以下略) を本店所在地として印刷業等を業とする,資本金1000万円の株式会社である。 一審被告Yは,一審被告グレイスランドの唯一の業務執行社員で代表社員であり,かつ,遅くとも平成18年12月31日から一審被告好友印刷の代表取締役である。 ⑵ 原告商標権(争いがない)一審原告は,原判決別紙商標権目録に記載の原告商標について原告商標権を有している。 ⑶ 一審被告グレイスランドによる被告商品のインターネット上における販売等についてア楽天市場内の仮想店舗における被告商品の販売- 6 -一審被告グレイスランドは,遅くとも平成28年11月1日から現在までインターネット上 告商品のインターネット上における販売等についてア楽天市場内の仮想店舗における被告商品の販売- 6 -一審被告グレイスランドは,遅くとも平成28年11月1日から現在までインターネット上のショッピングモールである楽天市場内に自社の仮想店舗を設けており,同仮想店舗において,一審原告が製造販売する浄水器にのみ使用できる家庭用浄水器の交換用のろ過カートリッジ(被告商品)を販売している(甲4~17の各1,甲77~83,弁論の全趣旨)。 イ仮想店舗へのアクセス及び表示画面について一審被告グレイスランドが開設していた楽天市場内の仮想店舗には,平成30年3月まで,①パソコン,②携帯電話(スマートフォンではない,いわゆるガラケーと呼ばれるもの),③スマートフォン及び④タブレットの4種類の電子通信機器からアクセスすることが可能であったが,同年4月以降,上記②の携帯電話からのアクセスはできなくなった(弁論の全趣旨)。 上記仮想店舗に関して,パソコン及び携帯電話(ガラケー)から上記仮想店舗にアクセスした場合には,後記の被告ウェブページ1~6(被告ウェブサイト1)及び被告ウェブサイト2が表示される仕組みとなっていた(弁論の全趣旨)。 他方,スマートフォン及びタブレットから上記仮想店舗にアクセスした場合に表示されるウェブサイト(乙37。以下「スマホ・タブレット向けサイト」という。)は,被告ウェブサイトとは異なるものであり(弁論の全趣旨),スマホ・タブレット向けサイトにおける不正競争行為や商標法違反の有無については本件訴訟の審理の対象とはなっていない。 なお,スマホ・タブレット向けサイト内のウェブページの最下部には,「表示モード:モバイル|PC」として被告ウェブサイトへのリンクがあり,スマートフォンやタブレットから仮想店舗へとアクセスした者 。 なお,スマホ・タブレット向けサイト内のウェブページの最下部には,「表示モード:モバイル|PC」として被告ウェブサイトへのリンクがあり,スマートフォンやタブレットから仮想店舗へとアクセスした者は,上記リンクを利用することで,被告ウェブサイトを表示させることができ,また,スマホ・タブレット向けサイト内のウェブページの最上部にも「PC」という文字を○で囲んだ記号が表示されており,同表示も被告ウェブサイトへのリンクとなっている(甲89,弁論の全趣旨)。 - 7 -ウ被告ウェブサイトと被告ウェブページとの関係について被告ウェブサイト1は,被告ウェブページ1~6から構成されているものである(ただし,被告ウェブページ5,6は平成29年4月24日以降に新たに追加されたものである。甲4~17の各1・2,甲77~83,弁論の全趣旨)。 被告ウェブサイト2は,楽天市場において一審被告グレイスランドが開設している仮想店舗のトップページとして設定されているもので,被告ウェブサイト1のURLにアクセスすると被告ウェブサイト2にリダイレクトされる仕組みとなっている。 被告ウェブサイト2を訪れた者が,被告ウェブサイト2上に表示されている「標準タイプ(1本入り)のお買い求めはこちらから」などと記載されたリンクをクリックすると,被告商品の種類に応じて存在する被告ウェブページ1~6(被告ウェブサイト1)へと移動し,被告ウェブページ1~6で購入画面に移動するための「ご購入手続へ」というクリックボタンをクリックすることなどによって被告商品を購入することができる。 また,グーグル等の検索エンジンで得られた検索結果から被告ウェブサイト2を介さずに直接に被告ウェブページ1~6(被告ウェブサイト1)に移動することもできる。 (甲4~17の各1,甲1 できる。 また,グーグル等の検索エンジンで得られた検索結果から被告ウェブサイト2を介さずに直接に被告ウェブページ1~6(被告ウェブサイト1)に移動することもできる。 (甲4~17の各1,甲18,45,47,75,77~83,弁論の全趣旨)⑷ 一審被告グレイスランドによる被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグにおける被告標章1及び2の使用ア平成28年11月15日から平成29年3月22日まで一審被告グレイスランドは,遅くとも平成28年11月15日から平成29年3月22日までの間,被告ウェブページ1~4を表示するためのhtmlファイルのタイトルタグ及びディスクリプション・メタタグ(メタタグ)に原判決別紙1-1のタイトルタグ欄及びメタタグ欄のとおり記載した(甲4~7- 8 -の各1・2,弁論の全趣旨)。 上記タイトルタグ及びメタタグの記載の結果,グーグルで「タカギ浄水器カートリッジ」とキーワード検索すると,検索結果として,「【楽天市場】タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ...」という被告標章1を含むタイトルタグの一部がタイトルとして表示され,かつ,場合によっては,被告標章2を含む「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水カートリッジ (標準タイプ) ※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」というメタタグの全部が上記タイトルより小さく表示され,タイトル部分をクリックすることで被告ウェブページ1~4に移動することができた(甲18,47,弁論の全趣旨)。 上記タイトルタグ及びメタタグの記載の結果,楽天市場内における検索機能で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,検索結果表示画面に「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カ 上記タイトルタグ及びメタタグの記載の結果,楽天市場内における検索機能で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,検索結果表示画面に「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ(標準タイ...」又は「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ(高除去...」と被告商品の種類に応じた被告標章2を含む上記タイトルタグの一部がタイトルとして表示されるとともに,同タイトルの左横に被告商品の写真が表示され,タイトル部分をクリックすることで被告ウェブページ1~4に移動することができた(甲19,弁論の全趣旨)。 イ平成29年3月23日から同年4月12日までの間一審被告グレイスランドは,平成29年3月23日から同年4月12日までの間,被告ウェブページ1~4を表示するためのhtmlファイルのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-2のタイトルタグ欄及びメタタグ欄のとおり記載した(甲8~11の各1・2,弁論の全趣旨)。 上記タイトルタグやメタタグの記載の結果,楽天市場内における検索機能で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,検索結果表示画面に「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ(標準タイプ)- 9 -※当製品はメーカー純正...」,「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ(...」,「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ(標準タイプ)※当製品はメ...」と被告商品の種類に応じた被告標章2を含む上記タイトルタグの一部がタイトルとして被告商品の写真と共に表示され,タイトル部分をクリックすることで被告ウェブページ1~4に移動することができた(甲20,弁論の全趣旨)。 ウ平成29年4月13日から現在までの間一審被告グレイ 被告商品の写真と共に表示され,タイトル部分をクリックすることで被告ウェブページ1~4に移動することができた(甲20,弁論の全趣旨)。 ウ平成29年4月13日から現在までの間一審被告グレイスランドは,平成29年4月13日から(被告ウェブページ5及び6については同月24日から)現在に至るまで,被告ウェブページを表示するためのhtmlファイルのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-3及び1-4のタイトルタグ欄及びメタタグ欄のとおり記載している(甲12~17の各1・2,弁論の全趣旨)。 上記タイトルタグやメタタグの記載の結果,楽天市場内における検索機能で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,検索結果表示画面に「【標準タイプ1本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。...」,「【高除去タイプ1本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ...」,「【標準タイプ2本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。...」,「【高除去タイプ2本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。...」,「【高除去タイプ3本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ...」,「【標準タイプ3本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。...」と被告商品の種類に応じた被告標章2を含む上記タイトルタグの一部がタイトルとして被告商品の写真と共に表示され,タイトル部分をクリックすることで被告ウェブページ1~6に移動することができた(甲21,22,弁論の全趣旨)。 ⑸ 一審被告グレイスランドによる被告ウェブページにおける被告標章2の使- 10 -用ア をクリックすることで被告ウェブページ1~6に移動することができた(甲21,22,弁論の全趣旨)。 ⑸ 一審被告グレイスランドによる被告ウェブページにおける被告標章2の使- 10 -用ア平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間一審被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間,被告ウェブページ1~4の下部にある被告商品を購入するための「ご購入手続きへ」というクリックボタンのすぐ上,かつ被告商品の写真の横に,原判決別紙2-1のウェブサイトの記載欄のとおり「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ浄水カートリッジ (標準タイプ) ※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」などと被告商品の種類に応じた被告標章2を含む記載(以下「本件記載1」という。)を黒色の文字で記載していた(甲4~7の各1,弁論の全趣旨)。 イ平成29年3月23日から同年4月12日までの間一審被告グレイスランドは,平成29年3月23日から同年4月12日までの間,被告ウェブページ1~4の下部にある被告商品を購入するための「ご購入手続きへ」というクリックボタンのすぐ上,かつ被告商品の写真の横に,原判決別紙2-2のウェブサイトの記載欄のとおり「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ(標準タイプ)※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」などと被告商品の種類に応じた被告標章2を含む記載を黒色の文字でしていた(甲8~11の各1,弁論の全趣旨)。 ウ平成29年4月13日から現在まで一審被告グレイスランドは,平成29年4月13日以降(被告ウェブページ5及び6については同月24日以降),現在まで,被告ウェ 1の各1,弁論の全趣旨)。 ウ平成29年4月13日から現在まで一審被告グレイスランドは,平成29年4月13日以降(被告ウェブページ5及び6については同月24日以降),現在まで,被告ウェブページの下部にある被告商品を購入するための「ご購入手続きへ」というクリックボタンのすぐ上,被告商品の写真の横に,原判決別紙2-3及び2-4のウェブサイトの記載欄のとおり「【標準タイプ1本パック】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。 浄水器カートリッジ,浄水カートリッジと取付け互換性があります。 ■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」などと被- 11 -告商品の種類に応じた被告標章2を含む記載を黒色の文字でしている(甲12~17の各1,弁論の全趣旨)。 ⑹ 一審被告グレイスランドによる被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2における被告標章3の使用一審被告グレイスランドは,平成28年11月1日から(被告ウェブページ5及び6については平成29年4月24日から)平成30年12月28日までの間,別紙1記載のとおり,被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2の冒頭部分に3段に分けて,「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジをお探しの皆様へ」という被告標章3を含む記載(以下「本件記載2」という。)をしていた。 本件記載2は青色の文字で記載されており,その上方には,本件記載2より数倍程度大きなサイズの青色の文字で,平成29年3月22日までは「交換用浄水カートリッジ」と記載されていて,同月23日以降は「交換用カートリッジ」(なお,「カートリッジ」のフォントのサイズは「交換用」より大きい。)との表示がされ,その左側に青色の四角形の中に白色で「GRACELAND」と表示されていた。 また,本件記載2は 用カートリッジ」(なお,「カートリッジ」のフォントのサイズは「交換用」より大きい。)との表示がされ,その左側に青色の四角形の中に白色で「GRACELAND」と表示されていた。 また,本件記載2は,被告商品がその右側に配された写真画像中の左上方に表示されているもので,同画像中の下方には,本件記載2より数倍程度大きな黄緑色と青色の文字で平成29年4月12日までは「交換用浄水カートリッジ」,「ついに発売!!」と2段に分けて表示されており,同年4月13日以降は「交換用カートリッジ」,「ついに発売!!」と表示されていた(ただし,被告ウェブページ2,4については,同日以降も「交換用浄水カートリッジ」と表示されていた。 なお,「カートリッジ」の文字のサイズは「交換用」,「ついに発売」より大きい。)。 さらに,上記「交換用浄水カートリッジ(交換用カートリッジ) ついに発売!!」の上には白い文字で「待望の」という記載もされていた。 - 12 -(甲4~17の各1,甲45,77~83,弁論の全趣旨) 3 争点(1) 商標法に基づく請求ア原告商標と被告商標1~3が類似しているといえるか(争点1-1)イ本件での被告標章1~3の使用が商標法26条1項6号に該当するか(争点1-2)ウ原告商標権に基づく請求が権利の濫用に当たるか(争点1-3)(2) 不競法に基づく請求ア原告商標又はカタカナ3文字の「タカギ」(本件カタカナ表示)が,著名(不競法2条1項2号)又は周知性を有している(不競法2条1項1号)といえるか(争点2-1)イ原告商標又は本件カタカナ表示と被告標章1~3が類似しているといえるか(争点2-2)ウ一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等 イ原告商標又は本件カタカナ表示と被告標章1~3が類似しているといえるか(争点2-2)ウ一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等表示としての使用に該当するか(争点2-3)エ一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することにより一審原告の商品又は営業との間に混同を生じさせるか(争点2-4)(3) 一審被告グレイスランド,一審被告好友印刷及び一審被告Yの責任原因(争点3)(4) 一審原告に生じた損害及びその額(争点4)(5) 差止請求等の可否(争点5) 4 争点に関する当事者の主張原判決を以下の(1)のとおり補正し,以下(2)及び(3)のとおり,当審における当事者の主張を加えるほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の3に記載のとおりであるからこれを引用する。 (1) 原判決の補正- 13 -ア原判決6頁15行目「商標法36条1項及び2項に基づく請求について」を「商標法に基づく請求について」と改める。 イ原判決8頁14行目,15行目,22行目,24行目,9頁1行目,10頁17行目,18行目,23行目,26行目,14頁18行目,15頁21行目,23行目から24行目の各「被告ウェブページ」をそれぞれ「被告ウェブサイト」と改める。 ウ原判決13頁10行目から11行目の「6つ」を「六つ」と改める。 エ原判決14頁3行目から4行目,7行目から8行目,11行目から12行目の各「不競法2条1項1号」をそれぞれ「不競法2条1項1,2号」と改める。 オ原判決15頁2行目「インターネットのショッピングサイト」を「楽天市場」と改める。 カ原判決15頁11行目から12行目,18行目,18行目から19行目の各「打消し文言」をそれぞれ「打ち消し オ原判決15頁2行目「インターネットのショッピングサイト」を「楽天市場」と改める。 カ原判決15頁11行目から12行目,18行目,18行目から19行目の各「打消し文言」をそれぞれ「打ち消し表示」と改める。 キ原判決15頁22行目「被告」を「一審被告グレイスランド」と改める。 ク原判決16頁14行目「過ぎない」を「すぎない」と改める。 ケ原判決16頁21行目「同法709条」を「民法709条」と改める。 コ原判決17頁9行目から21行目までを以下のとおり改める。 「(4) 一審原告に生じた損害及びその額(争点4)(一審原告の主張)ア損害額等について一審被告らが主張するとおり,平成28年11月1日から平成30年11月30日までの間に一審被告グレイスランドが楽天市場内で開設した仮想店舗全体における被告商品の売上げに対応する限界利益は,954万0740円であり,うちパソコン及び携帯電話(ガラケー)を経由してのアクセスに基づく被告商品の売上げに対応する限界利益(以下「パソコン等分利益」という。)は2- 14 -28万6033円である。 スマートフォン及びタブレットを経由したアクセスに基づく被告商品の売上げに対応する限界利益(以下「スマホ等分利益」という。)725万4707円(954万0740円―228万6033円)についても,①スマートフォンやタブレットから被告ウェブサイトを閲覧する消費者の存在が想定されていること,②より詳細な情報を求めて被告ウェブサイトを閲覧する消費者が一定程度いると推認されることからして,その5%については,被告ウェブサイトを閲覧した上で被告商品を購入した消費者によるものといえ,これも損害に含まれるべきものである。 したがって,商標法38条2項又は不競法5条2項 して,その5%については,被告ウェブサイトを閲覧した上で被告商品を購入した消費者によるものといえ,これも損害に含まれるべきものである。 したがって,商標法38条2項又は不競法5条2項により推定される一審原告の損害額は,合計で264万8768円(228万6033円+725万4707円×0.05)となる。また,一審被告らの不法行為と相当因果関係にある弁護士費用は,35万1750円である。 イ推定の覆滅について一審被告らは,被告商品を2回以上購入したリピーターによる売上げ,注意書き及び打ち消し表示の存在により,パソコン等分利益の全てが覆滅されると主張する。 しかし,リピーターについて誤認混同が生じるおそれがないとは評価できないし,仮に誤認混同を生じるおそれがないとしても,2回目以降の購入は1回目の購入があってはじめてされるものであるから,不正競争行為によって一審被告グレイスランドが得た利益といえる。また,注意書きや打ち消し表示は推定を覆滅させるものではない。 したがって,一審被告らの上記主張は理由がない。 ウ遅延損害金については,平成29年5月24日までに生じた損害については訴状送達の日の翌日から,同月25日以降に生じた損害(弁護士費用含む。)については控訴審における訴えの変更申立書送達の日の翌日からこれを請求する。 - 15 -(一審被告らの主張)アスマホ等分利益が損害賠償の対象とならないこと平成28年11月1日から平成30年11月30日までの間に楽天市場内で開設した仮想店舗全体における被告商品の売上げによって一審被告グレイスランドが得た限界利益は954万0740円であり,パソコン等分利益は228万6033円であるが,スマホ等分利益725万4710円は損害には含まれない。 ス る被告商品の売上げによって一審被告グレイスランドが得た限界利益は954万0740円であり,パソコン等分利益は228万6033円であるが,スマホ等分利益725万4710円は損害には含まれない。 スマホ等分利益が損害に含まれない理由は,次のとおりである。 まず,スマートフォン及びタブレットで,被告ウェブサイトを表示させることは容易ではない。被告ウェブサイトへのリンク二つあるものの,一つはウェブページの画面の最下部までスクロールダウンしないと表示されず,もう一つはPCという文字を丸で囲んだ記号であり,いずれも目に留まりにくいものである。 また,ウェブページの最下部にあるリンクは,二つのクリックボタンの表示によって隠されてしまい,リンクをタップすることができない場合がある。 そして,需要者が仮にスマートフォン又はタブレットからアクセスして被告ウェブサイトを表示させることが可能であることを認識していたとしても,被告ウェブサイトの方がスマホ・タブレット向けサイトよりも情報量が多いとか,一般的に閲覧しやすいとか,購入が容易といった事情はなく,被告ウェブサイトを閲覧しようといった誘因が働く余地はない。 さらに,被告ウェブサイトへのリンクは楽天市場のプログラムに沿って自動的に設定されるものであり,一審被告グレイスランドがスマホ・タブレット向けサイトからアクセスして被告ウェブサイトを表示させる需要者がいることを想定して設定したものではない。 上記に加え,打ち消し表示の存在等から被告ウェブサイトにおける被控訴人標章3の表示による誤信の可能性は考え難く,後記のリピート購入者についても誤認混同の可能性がないことも考慮すると,スマホ等分利益については損害に含まれるべきではない。 - 16 -イ推定の覆滅についてパソコン等分利益に関して, リピート購入者についても誤認混同の可能性がないことも考慮すると,スマホ等分利益については損害に含まれるべきではない。 - 16 -イ推定の覆滅についてパソコン等分利益に関して,平成29年1月から平成30年11月までの期間の売上げのうち,15.79%はリピーターによる購入である。リピーターは,被告商品が純正品でないことを知っているから,リピーターに係る利益は営業努力や被告商品の品質によるものであって,不正競争行為により一審原告が被った損害には当たらない。したがって,リピーターによる上記購入分については不競法5条2項の推定が覆滅されるべきである。 また,被告ウェブサイトにおいて,被告標章3の表示回数が1回であり,前記又は後記のような注意書きや打ち消し表示が存在することも推定を覆滅する事情として考慮すべきである。 したがって,パソコン等分利益については推定が全て覆滅される。 (5) 差止請求等の可否(争点5)(一審原告の主張)平成29年4月12日以前における被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグでの被告標章1及び2の使用態様について,今後も同じ使用態様により営業上の利益を侵害されるおそれは否定できないから,差止めを求める。 (一審被告らの主張)争う。 」(2) 当審における一審原告の補充主張ア一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等表示としての使用に該当するか(争点2-3)被告標章3が商品等表示として使用されていることある商品について「タカギ社製」と表示された場合,当該商品は「タカギ」の製造によるものと需要者は認識するから,「タカギ社製」は出所を示す表示 )被告標章3が商品等表示として使用されていることある商品について「タカギ社製」と表示された場合,当該商品は「タカギ」の製造によるものと需要者は認識するから,「タカギ社製」は出所を示す表示である。 また,被告標章3を含む本件記載2は,被告ウェブサイト上において,同一- 17 -のフォントで,「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジをお探しの皆様へ」と行頭を揃えた3段書きから構成されているところ,周知性を有する本件カタカナ表示と類似する被告標章3が文頭に単独で配置されているため,需要者は被告標章3に着目するし,被告標章3の直下の二行目は,「浄水蛇口の交換用カートリッジ」の文字が同一の行にひとまとまりに表示されているため,需要者は,被告標章3が「浄水蛇口」ではなく,「カートリッジ」を修飾していると認識する。 そして,別紙1記載のとおり,被告標章3の右にはカートリッジの画像が大きく掲載されているし,被告標章3の上にも「交換用カートリッジ」の文字が大きいサイズのフォントで表示されている。また,被告標章3の下には「待望の交換用カートリッジついに発売!!」のうち「交換用カートリッジ」の文字が大きいサイズのフォントで,かつ異なる色で記載されていて,被告標章3は,「カートリッジ」が前面に押し出された構成の下で使用されており(甲77~83),需要者は,被告標章3を「カートリッジ」と強く結び付けて認識する。 さらに,上記3行の表記において,片仮名で表記されている語は,「タカギ」と「カートリッジ」のみである。片仮名は画数が少なく直線的な形状をしているため,片仮名で表記された語は,漢字及び平仮名混じりで表記される表示中で視覚的に目立つという効果がある(甲84~87)から,上記3段書きの本件記載2に接した需要者は「タカギ」 直線的な形状をしているため,片仮名で表記された語は,漢字及び平仮名混じりで表記される表示中で視覚的に目立つという効果がある(甲84~87)から,上記3段書きの本件記載2に接した需要者は「タカギ」の「カートリッジ」と認識するというべきである。 以上からすると,需要者は,被告標章3を被告商品の出所を表示するものとして認識するというべきである。 - 18 -平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用も商品等表示としての使用に該当することa 被告標章1及び2の表示内容① 平成28年11月1日~平成29年3月22日「【楽天市場】タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ」「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ」② 平成29年3月23日~平成29年4月12日「【楽天市場】タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」③ 平成29年4月13日~現在「タカギの浄水器に使用出来る,取付け互換性のある交換用カートリッジ」b インターネット取引においてウェブサイトの表記は誤認を招き易いものである(甲64,65)。需要者は,一文字一文字認識して客観的に文章に記載された意味のとおりに理解するのではなく,目的や動機に関連するキーワードに着目して,文章中の文字を認識してしまうから,上記②及び③の文章についても,「タカギ」の表示は「交換用カートリッジ」以外のものを意味するとは理解しない。また,楽天市場において「タカギ」,「カートリッジ」という語をキーワードとして検索した場合,上記②及び③の文章を表示したウェブサイトが,一審原告以外の第三者によって販売される一審原告の製品と共に,検索結果の表示画面に表示される(甲19~22,乙1,2,4,9)から ドとして検索した場合,上記②及び③の文章を表示したウェブサイトが,一審原告以外の第三者によって販売される一審原告の製品と共に,検索結果の表示画面に表示される(甲19~22,乙1,2,4,9)から,上記②及び③の文章に接する需要者は,「タカギ」の「カートリッジ」であるという先入観をもって上記②及び③の文章を認識する。さらに,上記②及び③の文章において,片仮名で表記されている語は「タカギ」と「カートリッジ」のみである。前記のとおり漢字,平仮名及び片仮名から構成される日本語の文章において,片仮名は目立ち(甲84~87),語句の切れ目を表示する役割も果たすものである(甲86)から,「タカギ」の文字の後に「に」又は- 19 -「の」という助詞が付されているとしても,需要者が「タカギ」を商品等表示と認識しなくなるまでの質的な相違があるということはできない。 したがって,上記②及び③の文章に接した「タカギ」の「カートリッジ」に関心のある需要者が,被告標章1及び2を「交換用カートリッジ」の出所を表す言葉として認識する可能性が相当程度あるというべきである。 イ一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することにより一審原告の商品又は営業との間に混同を生じさせるか(争点2-4)被告標章3の使用により一審原告の商品又は営業との間に混同が生じることa 被告標章3の周辺において,被告標章3を除いて被告商品の出所を示す表示又は一審原告製の純正品でないことを示す打ち消し表示はない。 被告ウェブサイト上に表示された「GRACELAND」も,店舗名の英語表記であり,それのみで需要者が被告商品の出所を示す表示と認識するものではない。 被告ウェブページの下方には,メーカー純正品であることを打ち消す「タカギ社純正品ではございません」等の表示は存在す 語表記であり,それのみで需要者が被告商品の出所を示す表示と認識するものではない。 被告ウェブページの下方には,メーカー純正品であることを打ち消す「タカギ社純正品ではございません」等の表示は存在するが,一般に打ち消し表示は打ち消しの対象となる表示と同一視野になければならないものであるところ(甲88),上記表示は被告標章3が表示される部分から下にスクロールさせないと表示されない離れた位置にある。また,インターネット取引においてウェブサイトの表記は誤認を招き易いものであること(甲64,65)も併せると,このように離れた位置に打ち消し表示があることをもって混同のおそれを否定することはできない。 b 一審被告らが主張する打ち消し表示は,平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブサイト上にも存在していたが,原判決で混同のおそれが認められており,需要者の注意力からすると,誤認混同を解消するものではない。 乙36の1・2は,その作成日が平成30年10月23日である以上,同日よ- 20 -り前の商標権侵害行為及び不正競争行為に関する打ち消し表示の証拠とはなり得ない。乙36の1・2の「■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」というそれぞれの表示は,前記のように原判決で需要者に生じた誤認混同を解消するに足りるものではないと認定された各打ち消し表示と比較しても,需要者に着目されるような大きさや配置ではないし,上記表示は,被告商品を買い物かごに入れた後の購入手続に進む段階,すなわち,既に商品の購入を決定した段階で表示されるものにすぎず,読み飛ばされる可能性がより高い表示である。 平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用により一審原告の商品又は営業との間に混同が生じることタイトルタグやメタタグにおいて,前記② すぎず,読み飛ばされる可能性がより高い表示である。 平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用により一審原告の商品又は営業との間に混同が生じることタイトルタグやメタタグにおいて,前記②及び③の文章に続く文章の最後には,打ち消し表示が記載されてはいるものの,限られたスペースであるタイトルを表示する箇所に表示されず(甲75),メタタグの表示についても限られたスペースのため打ち消し表示は表示されない(甲20,21)。 被告ウェブページ上における打ち消し表示についても,被告ウェブページでは,被告ウェブページ右下に現れるポップアップウィンドウ(甲75)内に存在する購入ボタン(以下「右下購入ボタン」という。)から簡単に購入を実行できてしまうこと,打ち消し表示がスクロールさせないと表示できない離れた位置に表示されていること,バナー広告などの注意力を散漫にさせる情報が表示されていることから(甲75),需要者が誤認し易く(甲64,65),打ち消し表示があったとしても,購入時点において混同のおそれがあることは否定できない。分かり難く表示された打ち消し表示は,打ち消し表示の体をなしておらず,混同のおそれが生じる可能性を否定するに足りないというべきである。 ウ一審被告Yの会社法429条又は同法597条の責任(争点3)「タカギ」と表示して非純正品を販売する業者は,一審被告グレイスランドを除いて株式会社水環境電池が存在するのみであり(乙9),一審被告グレイスランドと同様の態様で「タカギ」と表示して非純正品を販売する業者が多数- 21 -存在しているわけではない。 また,合同会社の業務執行社員はその業務執行において,株式会社の代表取締役はその職務執行において,法令を遵守する義務を負っているから(会社法593条2項,355条),法律的 しているわけではない。 また,合同会社の業務執行社員はその業務執行において,株式会社の代表取締役はその職務執行において,法令を遵守する義務を負っているから(会社法593条2項,355条),法律的判断を含む事項であることをもって,代表取締役や業務執行社員の責任が軽減されるものでもない。 そして,会社法429条又は同法597条の責任について,加害目的その他の不正目的自体が必要とされるものでもない。 一審被告Yは,一審被告グレイスランドの唯一の業務執行社員である上,遅くとも,平成18年12月31日から一審被告好友印刷の代表取締役でもある。 したがって,一審被告Yは,被告ウェブサイトの設置及び運営を含む被告商品の製造・販売について,自ら決定し,業務を遂行している者である。 さらに,一審被告Yは,一審原告から「対象製品をタカギ製品と混同するクレームがユーザーからタカギになされて」いること等を指摘する平成28年12月19日付け警告書の送付を受け,平成29年2月2日に一審原告と面談し,同月28日には,「一審被告グレイランド Y」名義の「件名:ご要望事項の検討結果について」と題する書面を一審原告に提出している(甲42,43)。 したがって,本件における不正競争行為該当性が難しい法律問題であるとしても,一審被告Yは,遅くとも,一審原告の警告を受け,専門家に相談するための十分な検討期間を経た上で実施された面談日である平成29年2月2日以降は,被告ウェブサイト上における不正競争行為について,悪意又は重過失であると認められるべきである。 (3) 一審被告らの主張ア一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等表示としての使用に該当するか(争点2-3)被告標章3が商品等表示として使用されていない 張ア一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等表示としての使用に該当するか(争点2-3)被告標章3が商品等表示として使用されていないこと被告標章3は,以下の理由により商品等表示として使用されていない。 - 22 -a 一連の呼びかけといえる文言であること「タカギ社製浄水蛇口の交換カートリッジをお探しの皆さまへ」という本件記載2は,その下部に「待望の交換用カートリッジついに発売!!」という表示があることなどにより,全体として一連の呼びかけといえる文言であると自然に受け取れるものである。 b 2行目は「浄水蛇口」から始まること需要者が文頭に着目するとの一審原告の理論からすると,2行目の文頭は「浄水蛇口」であるから,被告標章3が修飾する文言についても,2行目文末の「交換カートリッジ」ではなく,文頭の「浄水蛇口」に着目するというのが自然な解釈である。 c 「浄水蛇口『の』」という助詞が付されていること「タカギ社製浄水蛇口」の次にある「の」の助詞は,「タカギ社製浄水蛇口」という文字と「交換カートリッジ」という文字を繋げる役割を果たしており,その結果,「タカギ社製浄水蛇口」という文字と「交換カートリッジ」という文字とが並列するものとして視覚的に目に留まる結果,「タカギ社製」は「浄水蛇口」を修飾するものとして読まれるのが自然である。 一般的な文章の理解として,「タカギ社製」の「浄水蛇口の交換カートリッジ」という読み方をして,被告標章3を一審被告の商品である交換カートリッジの出所を示す表示として理解する方が困難である。 d 片仮名表記が特別に保護される結果となるのは不当であること一般に日本語の文章を読む際に,通常の日本語の文章読解能力を有する者は,片仮名の部分だ 出所を示す表示として理解する方が困難である。 d 片仮名表記が特別に保護される結果となるのは不当であること一般に日本語の文章を読む際に,通常の日本語の文章読解能力を有する者は,片仮名の部分だけをとらえて文章の意味を理解しようとすることはない。 「タカギ社製浄水蛇口の交換カートリッジをお探しの皆様へ」という日本語の文章は短く平易なものであり,「タカギ社製浄水蛇口に適合する交換カートリッジをお探しの皆様へ」という意味であることは,一読して容易に理解できる。 「タカギ」と「カートリッジ」という片仮名が,漢字及び平仮名よりも目立つ- 23 -から,「タカギ」の「カートリッジ」として認識するという一審原告の主張が認められるようなことがあると,片仮名の標章の方が平仮名や漢字の標章に比して識別力が高いこととなり,ひいては片仮名標章のみが他の標章に比して不競法上の保護が高まるという結果を招来し,不当である。 平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用が商品等表示としての使用に該当しないことa 被告標章1及び2の出所に関する需要者の認識について一般に市場には純正品も非純正品も販売されていて,楽天市場などでの検索結果表示画面にも純正品と非純正品が混在しているであろうことは周知の事実といえ,検索結果表示画面に,非純正品のほかに純正品も表示されることをもって,需要者が,全ての商品が「タカギ」の「カートリッジ」であるとの先入観を抱くということはない。 また,「タカギ」,「カートリッジ」というキーワードで検索する者の中には,非純正品のみを探している者,あるいは純正品に加えて非純正品も選択的に探している者も多数存在するから,それらの者が,検索結果表示画面に第三者が販売する純正品を見たとしても,全ての商品が「タカギ」の「カートリッジ」で している者,あるいは純正品に加えて非純正品も選択的に探している者も多数存在するから,それらの者が,検索結果表示画面に第三者が販売する純正品を見たとしても,全ての商品が「タカギ」の「カートリッジ」であるとの先入観は抱かない。 一審原告の製品のみを探す者が,「タカギ」,「カートリッジ」のキーワードで検索し,その検索結果表示画面から,何らかの先入観を抱いたとしても,漢字,平仮名,片仮名等が混在した日本語の文章読解能力を有している者である以上,「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」又は「タカギの浄水器に使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」との表記を目にした際に,片仮名部分だけを注目し,片仮名部分よりも文字数にして倍以上にも及ぶ,片仮名部分に続いて表記されている「に使用出来る取り付け互換性のある交換用」との部分や「の浄水器に使用出来る,取り付け互換性のある交換用」との部分を読み飛ばすことは想定できない。 - 24 -また,片仮名が視覚的に目立つから商品の出所を表す言葉として認識する可能性が高まるとの一審原告の理論の不当性については,被告標章3についての反論で既に述べたとおりである。 b 助詞の付加による表示の効果について平成29年3月22日までの「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ」という表記から,助詞「に」が付加されたことにより,通常の文章読解能力を有する者ならば「タカギに使用出来る」という文字のまとまりで意味を認識する結果,「タカギ」という単語が「交換用カートリッジ」の商品等表示であると認識する可能性は消失した。 通常の文章読解能力を有する者が,片仮名部分だけを注目して全体の文章を理解しようとする読み方をすることはないし,助詞の「に」又は「の」が付加されたことにより,視覚的な効果と る可能性は消失した。 通常の文章読解能力を有する者が,片仮名部分だけを注目して全体の文章を理解しようとする読み方をすることはないし,助詞の「に」又は「の」が付加されたことにより,視覚的な効果として,需要者の認識に大きな変化を与えたことは明らかである。 c 不競法2条1項1号の趣旨からの考察不競法第2条1項1号の趣旨は,周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止することにより,事業者間の公正な競争を確保することにあるところ,そのような趣旨からすると,平成29年3月23日以降の被告標章1及び2に関する表示は,「タカギに使用出来る」,「タカギの浄水器に使用できる」というように,「タカギ」という言葉を被告商品の適合機種としての浄水器メーカー名を示すために使用しているものであり,需要者である一般消費者に対し,純正品を販売するものと誤認混同させるための商品等表示としての使用されているものではない。仮に,このような販売商品の適合機種として,そのメーカーを示すための表示が違法であるとするならば,適合機種についての説明は不能となり,非純正品の販売行為自体を根絶させる事態に陥ることとなる。 イ一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することにより一審- 25 -原告の商品又は営業との間に混同を生じさせるか(争点2-4)被告標章3の使用により一審原告の商品又は営業との間に混同を生じないことa 打ち消し表示が,打ち消し対象となる表示と同一視野になければならないというのは,不当景品類及び不当表示防止法における規制であり,不競法において当然に妥当するものではない。上記規制の趣旨は,打ち消し表示を打ち消し対象となる表示と同一視野に表示することにより,必ず消費者の目に留まらせ 品類及び不当表示防止法における規制であり,不競法において当然に妥当するものではない。上記規制の趣旨は,打ち消し表示を打ち消し対象となる表示と同一視野に表示することにより,必ず消費者の目に留まらせるようにし,もって消費者が誤認混同することを防止する点にあり,打ち消し表示が必ず消費者の目に留まらせる形で明確に示されるものである場合には,必ずしも同一視野になくても,消費者の誤認混同の防止を図るという趣旨は全うされる。 被告ウェブサイトでは,①需要者の関心が最も高い商品価格表の下に,ピンク地に白文字で「お買い求めの前に」と題した欄に「標準タイプ・高除去タイプとともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は,『浄水器にこだわり,じっくりろ過する設計』を採用しておりますので,あらかじめご理解のうえお買い求めください。」との注意書きがあり,②下方にスクロールすると「ご購入の前にお読みいただき,ご了承のうえお買い求めください」との黒地に白文字で表記された枠内に「当社製品はタカギ社純正品ではございません。」,「当社製品グレード名,互換との表現は,タカギ社製品と同一性能を示すものではございません。」との打ち消し表示がある(甲75)。さらに,③上記②の表示の下方に表示される「ご購入手続きへ」と記載されたクリックボタンの直前の位置においても,「当製品はタカギ社純正品ではございません」との打ち消し表示がある(甲75)。 しかも,上記③の文言は,白色の画面を背景として,黒の太字で,周りの文字よりもかなり大きなフォントサイズで表示されているとともに,「■■」という目立つ黒色の四角の二つの印が,打ち消し表示の前と後に付されており,打ち消し- 26 -表示であることを強調する工夫が施されている。 このような打ち消し表示は,その文字の大きさ, 「■■」という目立つ黒色の四角の二つの印が,打ち消し表示の前と後に付されており,打ち消し- 26 -表示であることを強調する工夫が施されている。 このような打ち消し表示は,その文字の大きさ,バランス,配置箇所,背景との区別といった観点からみて,需要者の目に留まりやすい効果を有しており,需要者は,上記①~③の表示を,繰り返し目にすることにより,被告ウェブサイトにおいて販売されている被告商品が一審原告の製品ではないことを容易に認識できるから,需要者が被告ウェブページ下方の購入ボタンをクリックする時点において,被告商品が一審原告の製品であると混同するおそれはない。 b 被告ウェブページにおいては,平成29年3月頃から右下購入ボタンからも被告商品を購入できるところ,右下購入ボタン上に打ち消し表示は表示されない。しかし,右下購入ボタンをクリックするのは,過去に被告ウェブサイトの商品説明を読んで被告商品を購入した経験があり,商品説明を改めて確認する必要のないリピーターが,被告ウェブページのスクロールをショートカットして直ちに購入手続を進めることを希望するような場面に限られるから,右下購入ボタンに打ち消し表示がないことをもって被告商品を純正品と混同することは,通常あり得ない。 c 被告ウェブページ下方の購入のためのクリックボタン及び右下購入ボタンのいずれをクリックしても,その次には,一審被告グレイスランドの仮想店舗の買い物かごに購入予定の商品が入った状態にあることを示す画面が現れ,同画面上において,「■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」という打ち消し表示が表示される仕様となっていた(乙36の1)。 さらに,上記買い物かごの確認画面上にある「ご購入手続き」というボタンをクリックすることで現れる注文内容の確認画面上においても,同 という打ち消し表示が表示される仕様となっていた(乙36の1)。 さらに,上記買い物かごの確認画面上にある「ご購入手続き」というボタンをクリックすることで現れる注文内容の確認画面上においても,同様に仮想店舗開設当初から「■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」という打ち消し表示が表示されることとなっていた(乙36の2)。この注文内容の確認画面上で,需要者は,ボタンをクリックして注文を確定させるかどうかを慎重に判断する機会が与えられるから,打ち消し表示を含め同画面上の記載を特に注意して読- 27 -むものと考えられる。 上記の2段階の打ち消し表示は,一審被告グレイスランドが仮想店舗を楽天市場に開設した当初からされているものである。 d 以上のように,被告ウェブページ上では,商品説明を読まずに誤って右下購入ボタンを使用した場合であってさえも,需要者は,注文を確定させるまでの間に,打ち消し表示の表示を最低2回は目にするし,通常想定される被告ウェブページ下方の購入のためのクリックボタンを使用する場合には,3種の打ち消し表示を最高6回も繰り返し目にすることになるため,同一視野に1か所だけ打ち消し表示が表示されている場合よりも一層,打ち消し表示が目に留まりやすくなっている。 平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用が一審原告の商品又は営業との間の混同のおそれを生じさせないこと前記のとおり,被告ウェブサイトにおいては何度も打ち消し表示が表示される仕組みとなっていることから,平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用が,需要者に混同のおそれを生じさせるものではない。 ウ一審被告Yの会社法429条又は同法597条の責任(争点3)会社法429条及び同法597条における重過失について任務懈怠について 使用が,需要者に混同のおそれを生じさせるものではない。 ウ一審被告Yの会社法429条又は同法597条の責任(争点3)会社法429条及び同法597条における重過失について任務懈怠についての重過失が認められるには,任務懈怠について故意と同視できる程度に善管注意義務に著しく違反する事情が存在する必要がある。しかし,一審被告Yは,平成29年3月22日までの間に,消費者に分かりやすいものとするため,被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグ並びに被告ウェブページにおける被告表示1及び2に関わる部分の表記の変更を検討し,同月23日に,「タカギ」と「取付互換性」との間に,「に使用出来る」という文字を付加する表記に改めており,一審被告Yは,原判決で不正競争に当たるとされた行為をそれと知りつつ放置していたわけではないから,故意と同視できる程度に善管注意義務に著しく反する事情は存せず,任務懈怠の程度はごく軽微なものといえ,重過- 28 -失があったとはいえない。 一審原告からの警告書(甲42)には,水漏れがあった場合の品質保証の責任の所在と被告商品の品質に関する不競法2条1項14号違反の疑いの指摘があったのみで,原判決で認定された不正競争行為については一切記載されておらず,その後の平成29年2月2日の面談においても,そのような指摘は全くされなかった。 第3 当裁判所の判断 1 事実関係(1) 一審原告は,家庭用浄水器事業,家庭用散水事業及びプラスチック射出成形用の金型事業を主たる事業として行っており,家庭用浄水器事業では,原告が開発した蛇口一体型浄水器(以下「本件浄水器」という。)を製造,販売し,これを「みず工房」というブランドの下で展開している(争いがない)。 本件浄水器には,浄水カートリッジが内蔵されているが,同 開発した蛇口一体型浄水器(以下「本件浄水器」という。)を製造,販売し,これを「みず工房」というブランドの下で展開している(争いがない)。 本件浄水器には,浄水カートリッジが内蔵されているが,同カートリッジは使用するにつれて浄水性能が低下していき,最終的には交換が必須となる消耗品である(争いがない)。 一審原告は,本件浄水器の交換用カートリッジを「定期交換メンバー」にメンバー登録した者に対して販売しているが,楽天市場等においては,上記で販売された物の余剰品とも考えられる一審原告の製造販売した交換用カートリッジが一審原告以外の第三者によって販売されており,そのような一審原告の製品(余剰品)である交換用カートリッジを販売するウェブサイトは複数存在している(乙1,2,4,9)。 (2) 被告商品は,本件浄水器にのみ使用することができる交換用のろ過カートリッジであり,浄水の流量等が異なる標準タイプ,高ろ過タイプやその本数に応じて複数の種類の商品がある(争いがない)。 (3) 被告ウェブサイトに関して,被告商品が一審原告の製品ではないことを示す表示やそれに関する事実としては,前記第2の2(4),(5)の事実のほか,以下- 29 -のとおりのものがある(甲4~17の各1,甲77~83,乙24,乙36の1・2.弁論の全趣旨)。 ア被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2の下方には,ピンク地に白文字で「お買い求めの前に」と記載した欄に「標準タイプ,高除去タイプともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は,『浄水力にこだわり,じっくり“ろ過”する設計』を採用しておりますので,予めご理解の上お買い求め下さい。」との表示がある。また,被告ウェブページの更に下方には,灰色の枠で囲まれた中に「ご購入の前にお読みいただき, り,じっくり“ろ過”する設計』を採用しておりますので,予めご理解の上お買い求め下さい。」との表示がある。また,被告ウェブページの更に下方には,灰色の枠で囲まれた中に「ご購入の前にお読みいただき,ご了承のうえお買い求めください」と灰色の地に白文字で記載された表示があり,同表示の下に黒色で,かつ上記の表示より小さな文字で「当社製品はタカギ社純正品ではございません。」,「標準タイプ・高除去タイプという当社製品グレード名,互換との表現は,タカギ社製品と同一性能を示すものではございません。」との表示がされている。 イ被告ウェブページ上に表示される「ご購入手続きへ」というクリックボタンをクリックすると被告商品が楽天市場の買い物かごに入ったことを示すウェブページに移動するところ,平成30年2月2日及び同年10月23日当時,同ページ上では被告商品の画像の横に「【高除去タイプ1本パック】 タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。 浄水器カートリッジ,浄水カートリッジと取付け互換性があります。 ■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」などとして黒色の文字で記載された表示がされていた。 ウさらに,上記イのウェブページ上にある「ご購入手続き」というクリックボタンをクリックすると,支払方法や配送方法等の情報を入力する画面を経由して,注文内容の確認のためのウェブページに移動するところ,平成30年10月23日当時,同ウェブページ上では被告商品の画像の横に「【高除去タイプ1本パック】 タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ。 浄水器カートリッジ,浄水カートリッジと取付け互換性があります。 - 30 -■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」として黒色の文字で記載された表示が 換性のある交換用カートリッジ。 浄水器カートリッジ,浄水カートリッジと取付け互換性があります。 - 30 -■■当製品はタカギ社純正品ではございません■■」として黒色の文字で記載された表示がされていた。 エ平成29年3月以降は,被告ウェブページから被告商品を購入しようとする場合,必ずしも被告ウェブページを下方までスクロールして,そこにあるクリックボタンをクリックする必要はなく,被告ウェブページの右下方に表示されるポップアップウィンドウ内にある「ご購入手続きへ」というクリックボタン(右下購入ボタン)をクリックすることでも,上記イのウェブページに移動することができた。 (4) 被告商品は,一審原告が製造販売する交換用カートリッジと比較すると,使用時における水の勢い(流量)が3分の1程度である。被告商品を一審原告の製品であると誤認して購入した顧客から,平成28年11月から平成29年3月にかけて,一審原告に対して流量が少ないなどといったクレームが複数寄せられた。それらの顧客の中には,一審原告の担当者から一審被告グレイスランドから購入した商品が一審原告の製造販売した商品でないことを知らされ,驚き,「タカギ」と書いてあるから一審原告の商品であると思った,ポイントが付くため楽天市場で購入したなどと述べた者もいた。 (争いがない。なお,クレームや顧客の回答の内容について,甲37)(5) 一審原告は,遅くとも昭和63年12月頃から,本店所在地にある建物や工場等の本社施設の外壁に原告商標を大きく掲示している(甲23,24,弁論の全趣旨)。 また,一審原告の商品,パッケージ等には,原告商標や原告商標の図形表示部分と文字表示部分の間に株式会社という文字を挿入した表示がされたものがあり,他方,一審原告は,現在,一審原告のロゴマークとし また,一審原告の商品,パッケージ等には,原告商標や原告商標の図形表示部分と文字表示部分の間に株式会社という文字を挿入した表示がされたものがあり,他方,一審原告は,現在,一審原告のロゴマークとして,青色又は白色の英語の小文字のアルファベットで「takagi」とあり,その「a」という文字の上部から「i」の文字の右上部まで,水色又は白色の小さな円形が六つ連なっているものも使用していて,これを一審原告のウェブサイトの冒頭に表示したり,商品- 31 -のパッケージに表示したりもしている。(争いがない。なお,ロゴマークの表示について,甲34~36,乙12)。 一審原告は,平成26年度から平成28年度にかけて,家庭用浄水器事業に係る宣伝広告費として,平成26年度は2億9775万2000円を,平成27年度は5億8578万5000円を,平成28年度は4億6123万7000円を,それぞれ支出した(甲33)。 一審原告は,北海道札幌市,宮城県仙台市,新潟県新潟市,埼玉県さいたま市北区,同市見沼区,東京都中野区,世田谷区,神奈川県横浜市,静岡県静岡市,愛知県名古屋市,大阪府吹田市,京都府京都市,広島県広島市,岡山県岡山市,香川県高松市,福岡県北九州市,福岡県福岡市,熊本県熊本市及び鹿児島県鹿児島市にそれぞれ支店又は営業所を置き,その一部には原告製の家庭用浄水器のPRのために誰でも自由に見学できるショールームを設置しているほか,海外生産拠点としてベトナム北部にタカギベトナムが存在している(甲34~36)。 平成28年度における蛇口一体型浄水器の市場は家庭用浄水器市場全体との対比において本体出荷金額の割合が約13.9%,本体出荷台数の割合が約6. 7%であるところ,一審原告は蛇口一体型浄水器の市場において2位以下の企業に大差をつけて出荷台数及び売 庭用浄水器市場全体との対比において本体出荷金額の割合が約13.9%,本体出荷台数の割合が約6. 7%であるところ,一審原告は蛇口一体型浄水器の市場において2位以下の企業に大差をつけて出荷台数及び売上高で首位を維持している(甲61)。 一審原告が平成28年に実施した消費者調査の結果,浄水器のメーカーと聞いて思い浮かべるものという質問に対する一審原告の純粋想起率(質問に対する選択肢が用意されていない状況で想起された割合)は,広島エリアでは5.2%で2位,福岡エリアでは19.6%で1位,鹿児島エリアでは12.3%で1位であり,カタカナ表記の「タカギ」と欧文字表記の「TAKAGI」を比較すると,上記各エリアのいずれでも大多数の消費者が「タカギ」という表記を連想した(甲69~73)。 (6) 一審被告好友印刷は,一審被告グレイスランドが被告商品を販売するためのパッケージ印刷及び被告ウェブサイトの制作を担当している(争いがない)。 - 32 - 2 争点2-1(本件カタカナ表示が著名又は周知性を有しているか)について(1) 一審原告は,本件カタカナ表示は,家庭用浄水器市場で一審原告の占めているシェアや消費者調査の結果等からすると著名であり,そうでないとしても周知性を有すると主張する。 まず,本件カタカナ表示が著名であるか否かを検討すると,前記1(5)で認定した事実によっても,全国的な範囲において本件カタカナ表示が著名であると認めるには足りない。その他,本件カタカナ表示が著名であると認めるに足りる証拠は見当たらず,本件カタカナ表示が著名であるとは認められない。 次に,本件カタカナ表示が周知性を有しているか否かを検討すると,一審被告グレイスランドはインターネット上のショッピングモールである楽天市場で仮想店舗を展開しており,その営業活動は日 認められない。 次に,本件カタカナ表示が周知性を有しているか否かを検討すると,一審被告グレイスランドはインターネット上のショッピングモールである楽天市場で仮想店舗を展開しており,その営業活動は日本国内全域を対象としているといえるところ,前記1(5)で認定したとおり,一審原告は,蛇口一体型浄水器市場の販売シェアでは2位以下に大差を付けて全国1位であったこと,福岡及び鹿児島エリアで純粋想起率が1位であったほか,九州地方以外に所在する広島でも純粋想起率は5%を上回り2位であったこと,一審原告が相当の費用をかけて広告宣伝をしていることも併せて考慮すると,本件カタカナ表示は,家庭用浄水器やその関連商品を購入しようとする需要者を基準とした場合,商品の出所を表すものとして識別力を有し,かつ,日本国内全域において周知性を有しているものと認められる。 (2) 一審被告らは,一審原告がシェアを有する蛇口一体型浄水器は家庭用浄水器市場全体から見るとマイナーな存在であることなどを理由として本件カタカナ表示は周知性を有していないと主張する。 確かに,家庭用浄水器市場全体の中における蛇口一体型浄水器の出荷台数の割合は約6.7パーセントにとどまるものの,家庭用浄水器市場全体における上記の割合は相当程度の規模を有するものであると評価し得るものであって,蛇口一- 33 -体型浄水器の市場における一審原告の販売シェア等の前記1(5)で認定した事実に照らし,一審被告らの上記主張は採用できず,一審被告らが主張するところは,いずれも上記判断を左右するものではない。 (3) 以上によると,本件カタカナ表示は,一審被告グレイスランドが営業活動を行う日本国内全域において著名であるとは認められないが,周知性を有していると認められる。 3 争点2-2(原告商標及び本件カ ) 以上によると,本件カタカナ表示は,一審被告グレイスランドが営業活動を行う日本国内全域において著名であるとは認められないが,周知性を有していると認められる。 3 争点2-2(原告商標及び本件カタカナ表示と被告標章1~3が類似しているといえるか)について⑴本件カタカナ表示と被告標章2は,いずれも「タカギ」という片仮名からなるものであって,外観及び称呼は同一であり,人の姓としての「タカギ」という観念が生じる上,前記2のとおり,家庭用浄水器及びその関連商品との関係では,蛇口一体型浄水器において大きなシェアを占める一審原告という観念も生じるものであって同一の標章である。 ⑵被告標章1及び3について,被告標章1の「【楽天市場】」の部分及び被告標章3の「社製」の部分は,いずれも識別力がないか乏しい部分であるから,被告標章1及び3からは,いずれも要部として「タカギ」の文字部分を抽出できる。 そして,本件カタカナ表示と上記「タカギ」の文字部分は,上記(1)と同様に,称呼及び観念を同じくする。外観についても,本件カタカナ表示と上記「タカギ」の文字部分は同一である。 したがって,本件カタカナ表示と被告標章1及び3は類似する。なお,被告標章3は青色で記載されているが,この点は,上記判断を左右するものではない。 ⑶以上のとおり,本件カタカナ表示と被告標章1~3は同一又は類似している。 4 争点2-3(一審被告グレイスランドが被告標章1~3を使用することが不競法2条1項1,2号にいう商品等表示としての使用に該当するか)について⑴ 被告標章1及び2について- 34 -ア平成28年11月1日から平成29年3月22日までタイトルタグ及びメタタグにおける被告標章1及び2の使用前提事実(4)アのとおり,一審被告グレイスランドが, び2について- 34 -ア平成28年11月1日から平成29年3月22日までタイトルタグ及びメタタグにおける被告標章1及び2の使用前提事実(4)アのとおり,一審被告グレイスランドが,平成28年11月15日から平成29年3月22日までの間,被告ウェブページ1~4のタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-1のタイトルタグ欄及びメタタグ欄のとおり記載していたこと,その結果,①グーグルや楽天市場でキーワード検索した場合に,検索結果を表示する画面にタイトルとして被告標章1又は2が表示され,空白部分を挟んで「取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ」として商品の種類が表示され,②楽天市場では,タイトルの横に被告商品の画像が表示され,さらに,③グーグルでは,場合によって,タイトルの下に被告標章2を含む「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ浄水カートリッジ(標準タイプ)※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」などの表示がされていたことが認められる。 上記のような態様で被告標章1及び2を使用した場合,需要者は,独立して表示された被告標章1及び2及びその後に空白を挟んで表示されている語句(「取付互換性のある交換用カートリッジ」,「浄水器カートリッジ」,「浄水カートリッジ」)や被告標章1及び2の近くにある被告商品の写真から,被告標章1及び2が被告商品の出所を示していると認識するといえる。 そして,このような表示は,タイトルタグやメタタグの記載によって実現されているものであるから,タイトルタグやメタタグに被告標章1及び2を記載することは,被告標章1及び2を,商品を表示する商品等表示として使用(不競法2条1項1号)するものと認められる。 被告ウェブページ1~4にお るから,タイトルタグやメタタグに被告標章1及び2を記載することは,被告標章1及び2を,商品を表示する商品等表示として使用(不競法2条1項1号)するものと認められる。 被告ウェブページ1~4における被告標章2の使用前提事実(5)アのとおり,平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間,被告ウェブページ1~4の下方に,原判決別紙2-1のウェブサイトの記載欄のとおり,上記と同様に,「タカギ」との被告標章2が表示され,空白部分- 35 -を挟んで「取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ(標準タイプ)※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」などの被告商品の種類に応じた被告標章2を含む表示(本件記載1)がされており,さらにその横には被告商品の写真が表示されていたものと認められる。 本件記載1中に独立して表示された被告標章2は,被告標章2の後に空白を挟んで記載された語句や被告標章2の近くにある写真が示す被告商品の出所を示すものとして用いられているものと認められ,商品等表示に該当するものであると認められる。 一審被告らは,「取付互換性のある交換用カートリッジ」や「当製品はメーカー純正品ではございません」といった記載があること及び被告ウェブページ1~4における被告商品の外観写真が一審原告の純正品とは異なるものであることなどを挙げて,タイトルタグ,メタタグ及び被告ウェブページ1~4において,被告標章1及び2は,商品の出所を表示するものとして使用されていないと主張する。 しかし,「互換性」という用語は,製造販売者が同じ商品間でも用いられるもの(甲46)である上,「取付互換性」の語の意味は明確ではなく,需要者が「取付互換性」という語から直ちに被告標章1及び2が商品の出所を示すものと 」という用語は,製造販売者が同じ商品間でも用いられるもの(甲46)である上,「取付互換性」の語の意味は明確ではなく,需要者が「取付互換性」という語から直ちに被告標章1及び2が商品の出所を示すものとして使用されていないと認識するとはいえない。 また,「当製品はメーカー純正品ではございません」という記載については,被告商品が一審原告の製品とは異なることを端的に述べたものではなく分かりにくい記載となっている上,需要者がウェブサイトの記載を注意深く読むとは限らず,当該記載が末尾に記載されていることからすると,それが常に認識されるとはいえないし,被告商品と一審原告の製品との外観上の差異(乙10)についても,本件浄水器に使用される交換用カートリッジが普段露出しているものではなく,需要者が被告商品と一審原告製品との外観上の差異を明確に認識できるとは限らないから,需要者が被告標章1及び2が商品の出所を示すものとして使用されて- 36 -いないと認識するとはいえない。 したがって,一審被告らの上記主張は上記の判断を左右するものとはいえない。 イ平成29年3月23日以降平成29年3月23日以降の被告ウェブページ並びにそのタイトルタグ及びメタタグにおける被告標章1及び2の使用は,以下のとおり,そのいずれもが出所表示機能,自他商品識別機能を有する態様での使用とはいえず,商品等表示としての使用に該当しない。 平成29年3月23日から同年4月12日まで前提事実(4)イのとおり,一審被告グレイスランドは,平成29年3月23日から同年4月12日までの間,被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-2のタイトルタグ及びメタタグ欄のとおり記載していたこと,その結果,楽天市場で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,「タカ での間,被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-2のタイトルタグ及びメタタグ欄のとおり記載していたこと,その結果,楽天市場で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」との表現を含むタイトルが被告商品の写真と共に検索結果を表示する画面に表示されるようになっていたことが認められる。また,弁論の全趣旨によると,グーグルで同様に検索した場合にも,「【楽天市場】タカギに使用できる出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」という被告標章1を含む記載のあるタイトルが表示されるなどしていたと認められる。さらに,前提事実(5)イのとおり,被告ウェブページにおいては,上記期間,その下方に「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」との記載を含む表示がされていたことが認められる。 上記各表示は,いずれも「タカギ」というカタカナ3文字の後に「に」という助詞が付加され,当該商品が一審原告製の本件浄水器に使用できるカートリッジであるという,被告商品の商品内容を説明するまとまりのある文章と理解できるものである。そうすると,需要者が上記各表示に接したとしても,「タカギ」との表示を,当該商品自体の出所を表示するものとして認識するとは認められない。 - 37 -したがって,上記各表示における被告標章1及び2の使用が,商品等表示としての使用に該当するとは認められない。 平成29年4月13日以降前提事実(4)ウのとおり,一審被告グレイスランドは,平成29年4月13日以降,被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-3及び1-4のタイトルタグ及びメタタグ欄のとおり記載していたこと,その結果,楽天市場で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると, 降,被告ウェブページのタイトルタグ及びメタタグに原判決別紙1-3及び1-4のタイトルタグ及びメタタグ欄のとおり記載していたこと,その結果,楽天市場で「タカギカートリッジ」とキーワード検索すると,「タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表現を含むタイトルが被告商品の写真と共に検索結果を表示する画面に表示されるようになっていることが認められる。また,弁論の全趣旨によると,グーグルで同様に検索した場合にも,「【楽天市場】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」という被告標章1を含む記載があるタイトルが表示されるなどしていると認められる。さらに,前提事実(5)ウのとおり,平成29年4月13日以降,被告ウェブページにおいては,その下方で「タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表現を含む表示がされるようになっていることが認められる。 と同様に,「タカギの浄水器に使用できる」という文章は,被告商品が一審原告製の本件浄水器に使用可能であるという商品内容を説明するものであると需要者に理解されるものと認められ,被告商品の出所を表示するものとして使用されているとは認められないから,上記各表示における被告標章1及び2の使用が,商品等表示の使用に該当するとは認められない。 一審原告の主張について一審原告は,①誤認を招きやすいインターネット取引において,キーワード検索をする需要者は,「タカギカートリッジ」というキーワードに着目して表示を理解してしまう上,検索結果を表示する画面で被告標章1及び2を用いた文章が一審原告の製品の写真と共に表示されることからすると,需要者は「タカギ」の- 38 -「カートリッジ」であるという先入観をもって各表示を理解すること,②片 する画面で被告標章1及び2を用いた文章が一審原告の製品の写真と共に表示されることからすると,需要者は「タカギ」の- 38 -「カートリッジ」であるという先入観をもって各表示を理解すること,②片仮名で表記されているのが,「タカギ」と「カートリッジ」のみであるところ,片仮名は目立ち,語句の切れ目を表示する役割も果たすことからすると,平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用も商品等表示としての使用に当たると主張する。 しかし,上記,で検討した各表示(「タカギに使用出来る取り付け互換性のある交換用カートリッジ」,「タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」)は,まとまりのある文章として,それが被告商品の説明であることが容易に理解できるものであるから,需要者の注意力がそれほど高くなく,かつ「タカギカートリッジ」というキーワード検索を経ていて,一審原告の製品が共に表示されることがあるからといって,需要者が,「タカギ」と「カートリッジ」のみに着目して,一審原告の主張するような先入観をもって上記各表示を理解するとは認められない。 また,必ずしも片仮名が平仮名や漢字に比して注意を引きつけるとまではいえない。 したがって,一審原告の上記主張は,上記の判断を左右するものではない。 ⑵ 被告標章3についてア前提事実(6)のとおり,平成28年11月1日から平成30年12月28日までの間に,被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2の冒頭部分には,被告標章3を含む本件記載2がされていた。 被告標章3である「タカギ社製」は,それが修飾する商品が「タカギ社」の製造に係るものであること,すなわち,当該商品が一審原告の出所に係ることを示す語句であるといえる。 そして,被告標章3(タカギ社製)を含む本件 る「タカギ社製」は,それが修飾する商品が「タカギ社」の製造に係るものであること,すなわち,当該商品が一審原告の出所に係ることを示す語句であるといえる。 そして,被告標章3(タカギ社製)を含む本件記載2は,「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジをお探しのお客様へ」と3段に分けて記載されている- 39 -ものであって,文章の内容だけからしても,「タカギ社製」が,「浄水蛇口」ではなく,「交換用カートリッジ」を修飾していると理解することが可能なものである。 また,前提事実(6)のとおり,本件記載2の上方及び下方の2か所に,本件記載2より明らかに大きなサイズの文字で,より目立つように「交換用カートリッジ」,「交換用カートリッジついに発売!!」などと表示され,かつ,交換用のカートリッジそのものである被告商品の写真画像も併せて表示されているから,それらの表示に接した需要者は,冒頭に独立して記載された「タカギ社製」の文字を,カートリッジに結びつけて理解しやすいといえる。 以上に加えて,前記2で検討したとおり,被告標章3(タカギ社製)の要部であるタカギの文字部分が家庭用浄水器及びその関連商品の需要者の間で周知なものであること並びに需要者の注意力がそれほど高くないことといった事情も併せ考えると,需要者が,本件記載2の中で独立して最上段に記載されている「タカギ社製」が,本件記載2中の「交換用カートリッジ」を修飾する語句であると理解することは十分にあり得るものと認められる。 そうすると,本件記載2中の被告標章3(タカギ社製)は,被告商品について,商品等表示として使用されているものと認められる。 イ一審被告らは,①本件記載2が一連の呼びかけといえる文言であること,②本件記載2の2行目が「浄水蛇口」から始まり,かつ「浄水蛇口」の次に 商品等表示として使用されているものと認められる。 イ一審被告らは,①本件記載2が一連の呼びかけといえる文言であること,②本件記載2の2行目が「浄水蛇口」から始まり,かつ「浄水蛇口」の次に「の」という助詞が付されていることからすると,需要者は,被告標章3(タカギ社製)は「浄水蛇口」を修飾するものとして理解すると主張する。 しかし,上記①について,本件記載2が呼びかけといえる文言であるからといって,被告標章3が商品等表示として使用されていないということにはならないし,上記②についても,一審被告らの主張する事情を考慮しても,上記アのとおり,需要者が,被告標章3(タカギ社製)が「交換用カートリッジ」を修飾する語句であると理解することは十分にあり得るということができるから,一審被告らの上記主張は採用することができない。 - 40 -⑶ 小括以上の検討のとおり,①平成28年11月15日から平成29年3月22日までの間,前提事実(4)アで認定した態様で被告ウェブページ1~4のタイトルタグ及びメタタグで被告標章1及び2を使用した行為,②平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間,前提事実(5)アで認定した態様で被告ウェブページ1~4で被告標章2を使用した行為並びに③平成28年11月1日から平成30年12月28日までの間,前提事実(6)で認定した態様で被告標章3を使用した行為は,それぞれ不競法2条1項1号にいう商品等表示の使用に該当する。 5 争点2-4(一審原告の商品又は営業との間に混同を生じさせるか)について(1) 不競法2条1項1号の「混同を生じさせる行為」であるためには,現実に混同が生じることまでは必要でなく,需要者に混同を生じさせるおそれがあることをもって足りる。 (2) 平成28年11月15日から平成29 2条1項1号の「混同を生じさせる行為」であるためには,現実に混同が生じることまでは必要でなく,需要者に混同を生じさせるおそれがあることをもって足りる。 (2) 平成28年11月15日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブページ1~4のタイトルタグ及びメタタグにおける被告標章1及び2の使用について前提事実(4)のとおり,楽天市場内の検索結果を表示する画面において,被告商品の写真の横に,タイトルとして前記2のとおり全国的に周知性が認められている本件カタカナ表示と同じ被告標章2が表示されるところ,その後に空白部分があり,さらにその後に商品について説明する語句が表示される一方で,一審原告のでないことを示す説明は表示されなかった。 前提事実(4)のとおり,グーグルによる検索結果の表示画面においても,タイトルにおいて,本件カタカナ表示を含む被告標章1の後に空白部分があり,その後,商品について説明する語句が表示される一方,タイトルにおいては一審原告の製品でないことを示す説明は表示されなかった。また,グーグルで検索した場合,検索結果を表示する画面でメタタグの内容が表示される場合でも,そこにあるメ- 41 -ーカー純正品でないと説明する記載のフォントのサイズは,タイトルのそれよりも小さいものであった。 以上のような検索結果の表示画面に接した需要者は,被告標章1及び2の使用によって被告商品について出所の混同を生じるおそれがあると認められる(以下,平成28年11月15日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブページ1~4のタイトルタグ及びメタタグに被告標章1及び2を記載した行為を「本件不競法該当行為1」という。)。 (3) 平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブページ1~4における被告標章2の使用について タグに被告標章1及び2を記載した行為を「本件不競法該当行為1」という。)。 (3) 平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブページ1~4における被告標章2の使用について平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間に被告ウェブページ1~4でされていた被告標章2(タカギ)を含む本件記載1は,「タカギ取付互換性のある交換用カートリッジ浄水器カートリッジ浄水カートリッジ(標準タイプ)※当製品はメーカー純正品ではございません。ご確認の上,お買い求めください。」などというものである。 本件記載1の末尾には「当製品はメーカー純正品ではございません。」との記載があるが,①前記2のとおり本件カタカナ表示(被告標章2)には周知性があること,②上記の「当製品はメーカー純正品ではございません。」という記載は,被告商品が一審原告の製品とは異なることを端的に述べたものではなく,分かりにくい記載となっていること,③上記の「当製品はメーカー純正品ではございません。」という記載は,黒色の文字で被告商品についての他の記載と一続きになってその末尾に記載されているものであることからすると,上記の「当製品はメーカー純正品ではございません。」という記載は,混同のおそれを解消するのに十分なものとはいえない。 したがって,平成28年11月1日から平成29年3月22日までの間の被告ウェブページ1~4における被告標章2の使用(以下「本件不競法該当行為2」という。)についても,需要者をして,被告商品を一審原告の製品と混同させるお- 42 -それがあるものと認められる。 (4) 平成29年11月1日から平成30年12月28日までの被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2における被告標章3の使用について平成29年11月1日から平成30年1 あるものと認められる。 (4) 平成29年11月1日から平成30年12月28日までの被告ウェブページ及び被告ウェブサイト2における被告標章3の使用について平成29年11月1日から平成30年12月28日までの被告標章3の使用行為についても,前記4(2)アで検討した使用態様に加えて,証拠(甲75)によると,パソコン等の設定によっては,被告標章3が表示されている部分と同一画面内に打ち消し表示が一切現れない場合がある(なお,本件記載2の上部に「GRACELAND」という表示がされているが,これは,それ自体では何の表示か明らかではないから,打ち消し表示として機能しているとは認められない。)ことからすると,需要者をして,被告商品を一審原告の製品と混同させるおそれがあるものと認められる(以下,平成29年11月1日から平成30年12月28日までの被告標章3の使用行為を「本件不競法該当行為3」といい,本件不競法該当行為1~3を併せて「本件不競法該当行為」という。)。 (5) 一審被告らの主張について一審被告らは,①被告商品の写真に現れた外観が一審原告の製品の外観と異なっていること,②被告商品の需要者が,消費者一般ではなく,純正品に代わる交換用カートリッジを探す限定的な消費者であること,③タイトルタグ及びメタタグに打ち消し表示や「取付互換性のある・・・」という記載があること,④被告ウェブサイトにおいて,需要者は被告商品を購入するまでに最高6回,最低でも2回打ち消し表示に接することから,混同のおそれは生じないと主張する。 ア上記①について,前記4で検討したとおり,需要者が被告商品と一審原告の製品の外観上の差異を認識しているとは限らないから,混同のおそれの存在を否定するものとはいえない。 イ上記②について,インターネットで「タカギ浄水器カー したとおり,需要者が被告商品と一審原告の製品の外観上の差異を認識しているとは限らないから,混同のおそれの存在を否定するものとはいえない。 イ上記②について,インターネットで「タカギ浄水器カートリッジ」などとキーワード検索して被告商品を販売している被告ウェブサイトにたどり着く需要者の全てが,当初より非純正品を購入することを目的としているとはいえ- 43 -ないから,一審被告らの主張は採用することができない。 ウ上記③について,「取付互換性のある」という記載は,被告商品が一審原告の製品と異なるものであることを示す表示とはいえず,また,メタタグのメーカー純正品でないことを示す説明については,グーグルで検索した場合であっても表示されない場合があることやタイトルの下にタイトルより目立たないように表示されることからすると,混同のおそれの存在を否定するものとはいえない。 エ上記④について,被告商品が一審原告の製品とは異なるものであることを示す表示は,前記1(3)のとおりであるが,パソコンの設定等によっては,画面をスクロールしたり,別画面に移ったりすることによって表示されるものである上,①被告商品がそれほど高額なものではない上,被告ウェブサイトには被告商品の品質・性能・取付方法についての記載など多くの情報が盛り込まれているから,一般消費者の需要者が注意深く被告ウェブサイトの記載を読んで被告商品が一審原告の製品と異なるものであることを示す表示を認識するとは限らないこと,②一審被告らのいう打ち消し表示に接しているはずの複数の需要者が,被告商品を一審原告の製品であると実際に誤認混同していた上,誤認混同したが,相談やクレームに至らないケースもあると推認されることなどを考え併せると,一審被告らのいう打ち消し表示の存在によって混同のおそれが 品を一審原告の製品であると実際に誤認混同していた上,誤認混同したが,相談やクレームに至らないケースもあると推認されることなどを考え併せると,一審被告らのいう打ち消し表示の存在によって混同のおそれが生じなくなるものとはいえない。 なお,一審被告らは,右下購入ボタンを利用する者はリピーターに限られていて混同が生じていないと主張するが,新規購入者が右下購入ボタンを利用することがないとはいえず,一審被告らの主張を認めることはできない。 オしたがって,一審被告らの上記主張は採用することができず,上記アの認定判断は左右されない。 6 争点2についての総括等(1) 以上によると,一審被告グレイスランドは,平成28年11月15日から平成29年3月22日まで本件不競法該当行為1を,平成28年11月1日から- 44 -平成29年3月22日まで本件不競法該当行為2を,平成28年11月1日から平成30年12月28日まで本件不競法該当行為3を行っていたと認められ,一審原告は,これらの行為によって営業上の利益を侵害されたものと認められる。 (2) 一審被告グレイスランドの不正競争行為について,一審原告は,原告商標と被告標章1~3の類似に基づく主張もする。同主張は本件カタカナ表示と被告標章1~3の類似に基づく主張と選択的なものであると解されるところ,平成28年3月23日以降の被告標章1及び2の使用が商品等表示としての使用に該当しないことは,原告商標との関係での不正競争行為の場合でも異なることはない。 (3) 一審原告は,商標法に基づく請求もしており,同請求は不競法に基づく請求と選択的な請求であると解されるところ,平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用は,前記4で検討したのと同様の理由により商標的使用に当たらない。また,商標法に基づ 同請求は不競法に基づく請求と選択的な請求であると解されるところ,平成29年3月23日以降の被告標章1及び2の使用は,前記4で検討したのと同様の理由により商標的使用に当たらない。また,商標法に基づく損害賠償金の額が,後記の不競法に基づく損害賠償金の額を超えるものとは認められない。 7 争点3(一審被告グレイスランド,一審被告好友印刷及び一審被告Yの責任原因)について⑴ 一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷の責任前記1(6)で認定したとおり,一審被告グレイスランドは被告ウェブサイトにおいて被告商品を販売し,一審被告好友印刷はその被告ウェブサイトの制作を担当しているのであるから,一審被告グレイスランドと一審被告好友印刷の行為は客観的に関連共同しているというべきである。 また,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷は,被告ウェブサイトにどのような表示がされていたのかについて知っていたものと認められる上,楽天市場やグーグルでの検索結果の表示画面でタイトルタグ等の記載がどのように表示されるかについても知っていたか,少なくとも知り得べきであったことからすると,両者には少なくとも本件不競法該当行為についての過失が認められる。 したがって,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷は,本件不競法該- 45 -当行為について,民法709条及び同法719条1項前段に基づき損害賠償責任を負う。 ⑵ 一審被告Yの責任前提事実(1)のとおり,一審被告Yは,一審被告グレイスランドの唯一の業務執行社員であり,また,遅くとも平成18年12月31日から一審被告好友印刷の代表取締役であった。そして,これらの会社のその資本金額や一審原告との交渉に一審被告Y自らが当たっていること(甲42,43)などからすると,一審被告グレイスランド及び一審被告 から一審被告好友印刷の代表取締役であった。そして,これらの会社のその資本金額や一審原告との交渉に一審被告Y自らが当たっていること(甲42,43)などからすると,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷は,いずれも小規模な会社であると認められる。これに加えて,一審被告らが,前記第2の4(3)Yが自ら被告ウェブページ1~4の表記の変更を検討し,平成29年3月23日にそれを実行したことを自認していることも考え併せると,被告ウェブページ1~6及び被告ウェブサイト2における被告標章1~3の使用については,一審被告Yが自ら意思決定をしていたものと推認することができる。したがって,一審被告Yは,少なくとも過失により本件不競法該当行為を行ったということができるから,民法709条及び同719条1項に基づき,本件不競法該当行為について,一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷と共に損害賠償責任を負う。 8 争点4(一審原告に生じた損害及びその額)について⑴ ア以上の検討のとおり,本件不競法該当行為がされた期間は,平成28年11月1日から平成30年12月28日であるところ,一審原告はそのうち平成28年11月1日から平成30年11月30日までの間の損害賠償を請求している。 証拠(乙26の1~6,乙27,28,乙29の1・2,乙30,乙31の1~7,乙32~35,乙38の1~22,乙39の1~22,乙40の1~20,乙41の1~3,乙43の1~20)及び弁論の全趣旨によると,上記期間に対応する各月ごとのパソコン等分利益,パソコン等分利益及びスマホ等分利益の合計額は,別紙2~4のとおりであると認められる。 - 46 -また,上記期間に対応する①パソコン等分利益の合計額が228万6033円,②パソコン等分利益及びスマホ等分利益の合計額が95 益の合計額は,別紙2~4のとおりであると認められる。 - 46 -また,上記期間に対応する①パソコン等分利益の合計額が228万6033円,②パソコン等分利益及びスマホ等分利益の合計額が954万0740円であることについては当事者間に争いがない。そして,上記パソコン等分利益228万603円については不競法5条2項にいう「侵害行為による利益」に当たるものと認められる(なお,推定の覆滅については(2)で後述する。)。 イ一審原告は,スマホ等分利益725万4707円(954万0740円―228万6033円=725万4707円)のうち5%についても「侵害行為による利益」に含まれると主張する。 しかし,前提事実(3)イのとおり,スマホ・タブレット向けサイト内のウェブページの最下部には,「表示モード:モバイル|PC」として被告ウェブサイトへのリンクがあり,スマートフォンやタブレットから仮想店舗へとアクセスした者は,上記リンクを利用することで,被告ウェブサイトを表示させることができ,また,スマホ・タブレット向けサイト内のウェブページの最上部にも「PC」という文字を○で囲んだ記号が表示されており,同表示も被告ウェブサイトへのリンクとなっているものの,このようなスマホ・タブレット向けウェブサイトにおける被告ウェブサイトへのリンクの表示位置や表示の態様からすると,同リンクは需要者が相当注意しないと気付かないような目立たないものである上,スマホ・タブレット向けサイトの下方にあるリンクについては,他の表示に隠れてタップできない場合がある(甲87,弁論の全趣旨)。そして,スマホ・タブレット向けウェブサイトと本件訴訟の対象となっている被告ウェブサイトとの間に見やすさや情報量の点で差があることなどにより,スマートフォン及びタブレット経由で仮想店 論の全趣旨)。そして,スマホ・タブレット向けウェブサイトと本件訴訟の対象となっている被告ウェブサイトとの間に見やすさや情報量の点で差があることなどにより,スマートフォン及びタブレット経由で仮想店舗にアクセスした需要者が敢えて被告ウェブサイトを表示させる積極的な要因があるとも認められない。これらのことからすると,スマホ等分利益が,本件不競法該当行為によって生じたものとは認められず,一審原告の上記主張は採用することができない。 ウ以上からすると,不競法5条2項にいう「侵害行為による利益」に当- 47 -たるのはパソコン等分利益228万6033円のみであると認められる。 ⑵ 不競法5条2項における推定の覆滅については,侵害者が主張立証責任を負うものであり,侵害者が得た利益と周知な商品等表示の主体が受けた損害との相当因果関係を阻害する事情がこれに当たると解される。 この点について,一審被告らは,①被告商品を2回以上購入したリピーターによる購入が全体の売上げの約15%を占めているところ,リピーターについては誤認混同が生じていないこと,②被告標章3の表示回数が1回であり,注意書きや打ち消し表示が多数されていることからすると,不競法5条2項に基づく推定が全て覆滅されると主張する。 ア上記①について,確かに証拠(乙42)によると,被告商品についてリピーターによる購入が一定割合あることは認められるが,リピーターであるからといって,そのことから直ちに本件不競法該当行為とは無関係に被告商品を購入したということはできないから,リピーターによる購入であることを理由として推定の覆滅を認めることはできない。 イ次に,上記②について,前記4(1)ア及び(2)アのとおり,平成28年11月1日から平成29年3月22日までは,被告ウェブページ1~4 であることを理由として推定の覆滅を認めることはできない。 イ次に,上記②について,前記4(1)ア及び(2)アのとおり,平成28年11月1日から平成29年3月22日までは,被告ウェブページ1~4において,被告標章2が商品等表示として使用され,かつ被告ウェブページ1~4及び被告ウェブサイト2の冒頭部分に被告標章3が商品等表示として使用されていた上,平成28年11月15日から平成29年3月22日まではタイトルタグ及びメタタグにおいて,被告標章1及び2が商品等表示として使用されていたところ,これに対して,一審被告らが打ち消し表示と主張するものについては,前記5(2)~(5)のとおり決して十分なものということはできないから,需要者が本件不競法該当行為とは無関係に被告商品を購入したとはいい難く,推定の覆滅は認められない。 他方,前記4(1)イのとおり,平成29年3月23日以降,被告ウェブページ並びにそのタイトルタグ及びメタタグにおいて,被告標章1及び2は,商品等表示- 48 -としては使用されておらず,前記4(2)アのとおり,被告標章3が被告ウェブページ1~6及び被告ウェブサイト2において商品等表示として使用されたのみであるから,本件不競法該当行為とは無関係に被告標章を購入した者も一定数存在したものと認められ,一定の推定の覆滅を認めることができる。その割合はこれまで認定した諸般の事情に照らすと,5割と認めるのが相当である。 ⑶ 以上からすると,不競法5条2項により一審原告の損害として推定されるべき額は,以下の計算式とおり,119万1757円であると認められ,弁護士費用としては,本件に表れた一切の事情を勘案して20万円を相当と認める。 したがって,一審被告らによる不正競争行為(本件不競法該当行為)によって一審原告に生じた損害額の合計は, ると認められ,弁護士費用としては,本件に表れた一切の事情を勘案して20万円を相当と認める。 したがって,一審被告らによる不正競争行為(本件不競法該当行為)によって一審原告に生じた損害額の合計は,139万1757円(119万1757円+20万円=139万1757円)であると認められる。 (計算式)平成28年11月1日から平成29年3月22日までのパソコン等分利益9万7481円(一円未満四捨五入。以下同じ。)3万7292円[平成28年11月分のパソコン等分利益]+3万4638円[平成28年12月分のパソコン等分利益]-35円[平成29年1月分のパソコン等分利益]+9733円[平成29年2月分のパソコン等分利益]+2万2338円[平成29年3月分のパソコン等分]×22÷31≒9万7481円 平成29年3月23日から平成30年11月30日までのパソコン等分利益の5割 109万4276円(228万6033円―9万7481円)÷2=109万4276円) 合計 119万1757円(9万7481円+109万4276円=119万1757円)⑷ 遅延損害金の起算日については,以下の計算式により求められる平成29- 49 -年5月24日までに生じた損害13万8158円については訴状送達の日の翌日(一審被告グレイスランド及び一審被告Yについて平成29年5月25日から,一審被告好友印刷について同月24日から)とし,同月25日以降に生じた損害である125万3599円(139万1757円―13万8158円=125万3599円。なお,弁護士費用については,一審原告の主張に従って,平成29年5月25日以降に生じたものとする。)については,訴えの変更申立書送達の日の翌日(平成30年 円―13万8158円=125万3599円。なお,弁護士費用については,一審原告の主張に従って,平成29年5月25日以降に生じたものとする。)については,訴えの変更申立書送達の日の翌日(平成30年12月5日)とするのが相当である。 (計算式)(2万2338円[平成29年3月分のパソコン等分利益]×9÷31+3万2824円[平成29年4月分のパソコン等分利益]+5万4309円[平成29年5月分のパソコン等分利益]×24÷31)÷2+9万7481円≒13万8158円)⑸ 商標権侵害に基づく損害賠償の額が上記の不競法に基づく損害賠償の額を超えるとは認められない。 9 争点5(差止請求等の可否)について前提事実(4)~(6)のとおり,本件不競法該当行為1及び2がされたのは,平成29年3月22日までであり,また,本件不競法該当行為3がされたのは,平成30年12月28日までであって,当審における口頭弁論終結時において本件不競法該当行為は全て終了している。 また,前記6で検討したとおり,本件不競法該当行為以外の一審被告グレイスランドによる被告標章1及び2の使用行為は商標的使用に当たらないもので,商標権侵害とはならないものである。 そして,一審被告グレイスランドが再び本件不競法該当行為をするおそれがあるというべき事情は認められない。 したがって,被告標章2及び3の除去並びに被告標章1~3の使用の差止めを求める一審原告の請求は,いずれも理由がない。 - 50 -第4 結論以上によると,一審原告の請求(当審における追加請求を含む。)は,一審被告らに対し,連帯して損害賠償金139万1757円及びこれに対するうち13万8158円につき,一審被告グレイスランド及び一審被告Yについて平成29年5月25日から,一審被告好友印刷について同月2 被告らに対し,連帯して損害賠償金139万1757円及びこれに対するうち13万8158円につき,一審被告グレイスランド及び一審被告Yについて平成29年5月25日から,一審被告好友印刷について同月24日から,うち125万3599円につき平成30年12月5日から,各支払い済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却すべきである。よって,一審原告の本件控訴及び当審における訴え変更並びに一審被告グレイスランド及び一審被告好友印刷の本件附帯控訴に基づき原判決を本判決の主文1項のとおりに変更することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官森 義之 裁判官眞 鍋 美穂子 - 51 - 裁判官熊谷大輔
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