主文 本件上告を棄却する。理由 弁護人平野智嘉義、同武藤一駿の上告趣意は、判例違反をいうが、所論の点については、すでに最高裁判所の判例(昭和二五年(れ)第一三三五号同二六年五月一一日第二小法廷判決・刑集五巻六号一一〇二頁)があるから、大審院判例を引用ナる所論判例違反の主張は、不適法である。原判決の判示するところによると、被告人は、昭和四七年一二月一一日午後一一時五〇分ころ、東京都荒川区東尾久八丁目一番一号所在の警視庁尾久警察署熊野前派出所において、同警察署勤務司法巡査Aが被告人の運転免許証不携帯について交通事件原票(いわゆる交通反則切符)を作成する際、行使の目的で、道路交通法違反現認認知報告書のとおり違反したことに相違ない旨を記載した同原票中の「供述書(甲)」欄の末尾に、当時既に死亡していた友人の氏名を冒用してBと署名し、もつて事実の証明に関する文書一通を作成したというのであるから、被告人の行為は、一般人をして名義人が実在していると誤信きせるような私文書を偽造したものと認あるのが相当であり、たとえその作成当時名義人が死亡していたとしても、刑法一五九条一項所定の私文書偽造罪を構成するものと解すべきである(前記第二小法廷判決及び昭和二七年(あ)第一三四二号同二八年一一月一三日第二小法廷判決・刑集七巻一一号二〇九六頁参照)。これと同旨の原判決の判断は、正当である。また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。昭和四九年二月九日最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官大塚喜一郎裁判官岡 主文のとおり決定する。昭和四九年二月九日最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官大塚喜一郎裁判官岡原昌男裁判官小川信雄裁判官吉田豊- 2 -
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