平成20(ワ)958 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年4月21日 仙台地方裁判所
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判決文本文9,517 文字)

主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1当事者の求める裁判 請求の趣旨( )被告は,原告に対し,4267万2000円及びこれに対する平成20 年6月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ( )訴訟費用は,被告の負担とする。 ( )( )について仮執行の宣言 請求の趣旨に対する答弁主文と同旨第2事案の概要等 事案の概要本件は,原告が,平成17年5月31日付けで,当時の仙台市長(以下「仙台市長」という)から,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成17年法律。 第42号による改正前のもの。以下「法」という)7条5項4号ニ,同号リ。 。 ,(法14条5項2号イで準用される場合も含む)に該当するに至ったとして法7条の4第1項1号,9条の2の2第1項1号,14条の3の2第1項1号に基づき一般廃棄物収集運搬業許可,産業廃棄物収集運搬業許可等の各許可の取消処分(以下「本件各許可取消処分」という)を受けたところ,本件各許可。 取消処分は違法であり,仙台市長の故意又は過失によってなされたものであるとして,仙台市に対し,国家賠償法1条ないし不法行為に基づき,本件各許可取消処分によって生じた連続式高速発酵処理機のリース代相当額の損害である4267万2000円及びこれに対する平成20年6月20日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求 める事案である。 前提事実(証拠等を掲げたものを除き,当事者間に争いがない)。 ( )当事者 ア原告はA有限会社を組織変更したものであり,廃棄物の収集運搬及び処分等を目的とする株式会社である。 (弁論の全趣旨)イB株式会社(以下「B社」という)は,産業廃棄物事業 。 ( )当事者 ア原告はA有限会社を組織変更したものであり,廃棄物の収集運搬及び処分等を目的とする株式会社である。 (弁論の全趣旨)イB株式会社(以下「B社」という)は,産業廃棄物事業を行っていた会。 社(株式会社C)を買収し,その商号をD株式会社とした後,現在の商号に変更したものである。 ウE株式会社(以下「E社」という)は,環境事業等を目的とする会社で。 ある。 ( )B社に対する処分 埼玉県知事は,同県の産業廃棄物処分業の許可を有するB社に対して,聴聞手続を経て,平成17年2月21日付けで産業廃棄物処分業の許可取消処分(以下「本件B取消処分」という)を行った。 (甲3,4)。 ( )本件各許可取消処分 ア仙台市長は,平成17年5月31日付けで,原告に対し,一括して下記の許可をいずれも取り消すとの本件各許可取消処分を行った。 記ⅰ一般廃棄物収集運搬業許可(許可番号仙台市(環廃指)指令第○×号・許可年月日平成16年4月1日)ⅱ一般廃棄物処分業許可(許可番号仙台市(環廃指)指令第△□号・許可年月日平成16年4月1日)ⅲ一般廃棄物処理施設設置許可(許可番号仙台市(環廃指)指令第△○×号・許可年月日平成14年4月1日)ⅳ産業廃棄物収集運搬業許可(許可番号○△□×・許可年月日平成14年2月25日) ⅴ産業廃棄物処分業許可(許可番号△□×○・許可年月日平成14年3月18日)イ本件各許可取消処分の理由B社が産業廃棄物処分業の許可を取り消されたことにより,その株主であるE社が法7条5項4号ニに定める欠格要件に該当することになった。 原告の株主もまた,E社であるので,原告としても法7条5項4号リ,同法14条5項2号ニに定める欠格事由に該当することになった。そこで,上記ⅰないしⅲの一般 ニに定める欠格要件に該当することになった。 原告の株主もまた,E社であるので,原告としても法7条5項4号リ,同法14条5項2号ニに定める欠格事由に該当することになった。そこで,上記ⅰないしⅲの一般廃棄物の各許可については,法7条の4第1項1号,9条の2の2第1項1号により,上記ⅳ及びⅴの産業廃棄物の各許可については,法14条の3の2第1項1号により,取り消す。 (甲1)( )E社は,平成17年2月1日までは,原告及びB社の株式を100パー セント有していた。原告から仙台市長に対し,平成17年4月15日付けで,同年2月2日付けでE社が原告の株式の一部(60パーセント)を上野信之に譲渡した旨の届出が提出されており,本件B取消処分が行われた平成17年2月21日当時,E社は,原告の株式の40パーセント,B社の株式の100パーセントを有していた。 ( )本件各許可取消処分については,平成19年4月23日,仙台地方裁判 所平成17年(行ウ)第21号事件において,これを取り消す旨の判決(以下「地裁取消判決」という)がなされたので,被告がこれを不服として控訴。 したが,平成19年9月20日,仙台高等裁判所平成19年(行コ)第12号事件においても,控訴棄却の判決がなされ,被告は再度不服として上告したが,平成20年2月1日,最高裁判所第二小法廷平成19年(行ツ)第332号・同年(行ヒ)第370号事件において,上告棄却及び上告不受理の決定がなされ,地裁取消判決が確定した。 争点及び主張 ( )争点1-本件各許可取消処分の違法性及び仙台市長の故意・過失 (原告の主張)ア本件各許可取消処分は,一定比率以上の株主であれば,当然に法7条5項4号ニが定める欠格要件である「法人に対し業務を執行する社員,取締,役,執行役又はこれらに準ずる者と同 失 (原告の主張)ア本件各許可取消処分は,一定比率以上の株主であれば,当然に法7条5項4号ニが定める欠格要件である「法人に対し業務を執行する社員,取締,役,執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者(以下「法人に対し支配力を有するものと認められる者」とい」う)に該当するとして行われており,仙台市長は,黒幕規定の趣旨に従っ。 た具体的な事情の判断を怠ったものである。したがって,理由なく故意又は過失により行った本件各許可取消処分の違法性は明らかである。 イ本件各許可取消処分は,法人に対し支配力を有するものと認められる者が自然人を指すことは明らかであるにもかかわらず,法人であるE社がこれに該当するとしてなされたものである。また,その法人格が否認される場合には,背後にある支配者をもって,法人に対し支配力を有するものと認められる者に該当すると判断することは許されるが,E社が法人格を否認できる存在でないことは明らかである。したがって,本件各許可取消処分には,仙台市長の故意又は過失により,法の適用を誤った明白な違法がある。 (被告の主張)ア法人に対し支配力を有するものと認められる者について,この者を自然人に限定し,またはこの者から法人を除外する明文の規定はない。従前は,自然人及び法人を区別することなく該当性の判断がなされていた。 イまた,法人に対し支配力を有するものと認められる者には,一定比率以上の株式を保有する株主等も該当すると解するのが妥当であるし,環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長名での各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛の「行政処分の指針について(通知」と題する平成13年5月15日付け通知文書(以下「平成13年指) 針」という)によれば,発行済株式総数の10 各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛の「行政処分の指針について(通知」と題する平成13年5月15日付け通知文書(以下「平成13年指) 針」という)によれば,発行済株式総数の100分の5以上の株式を有す。 る株主は,通常,法人に対し支配力を有するものと認められる者に該当すると解されるとしていた。 ウさらに,仙台市長は,本件各許可取消処分をするにあたって,環境省より,40パーセントの株式を保有する株主が法人に対し支配力を有しないということは考えられないとの技術的助言を得ている。 エその上で,仙台市長は,E社が原告に対し支配力を有すると実質的に判断した上で,本件各許可取消処分を行ったのである。 オ以上のことからすれば,仙台市長に故意又は過失が一切存在しないことは明らかである。 ( )争点2-原告の損害 (原告の主張)原告は,本件各許可取消処分により,平成17年6月1日から同20年2F月1日まで,産業廃棄物処理の操業を停止せざるを得なかった。原告は,から,産業廃棄物処理のための機械として連続式高速発酵処理機2台の転リースを受けていたが,この2台の転リース代は,月額133万3500円であり,平成17年6月1日から同20年1月31日までの32か月間の転リース代は合計4267万2000円である。 そして,転リース契約を中途解約すると,残リース全額の解約清算金の支払義務が発生するので中途解約は不可能である。 したがって,原告は,本件各許可取消処分により,連続式高速発酵処理機2台を使用し得ないにも関わらず,そのリース代金債務を負担し続けなければならなかったのであり,同額(合計4267万2000円)の損害が発生した。 (被告の主張)原告において平成17年6月1日から同20年2月1日まで,産業廃棄物 処理の操業を停止して し続けなければならなかったのであり,同額(合計4267万2000円)の損害が発生した。 (被告の主張)原告において平成17年6月1日から同20年2月1日まで,産業廃棄物 処理の操業を停止していたことは認めるが,その余はすべて不知ないし争う。 ( )争点3-債権譲渡の有無 (被告の主張)原告は,平成19年1月23日付けで,本訴に係る損害賠償請求債権を訴外会社に債権譲渡したことを被告に通知している。したがって,そもそも原告は,被告に対し,本訴において支払請求をなし得る立場にない。 (原告の主張)上記債権譲渡通知は,原告の担当者の過誤により発送されたものであり,通知の前提となる債権譲渡の事実はない。 第3当裁判所の判断 争点1について( )原告は,本件各許可取消処分は,法人に対し支配力を有するものと認め られる者は自然人を指すことが明らかであるし,E社は法人格を否認される存在でもないのに,法人である同社を,法人に対し支配力を有するものと認められる者に該当するとしてなされたものであるから,仙台市長の故意又は過失によりなされた違法なものである旨主張する。 ( )そこで,まず,法人に対し支配力を有するものと認められる者に法人が 含まれるか否かについて検討するに,法7条5項4号ニは,一般廃棄物処理業のうち収集業又は運搬業の欠格要件を定めたものであり,この要件に該当すれば一般廃棄物収集運搬業の許可は取り消されることになる(法7条の4第1項1号)から,この不利益の重大さを考慮すれば,法の規定する欠格要件も厳格に解すべきところ,法人に対し支配力を有するものと認める者として法が例示しているのは「法人に対し業務を執行する社員,取締役,執行,役」であって,このことからすると「これらに準ずる者と同等以上の支配力,を有するものと認めら 支配力を有するものと認める者として法が例示しているのは「法人に対し業務を執行する社員,取締役,執行,役」であって,このことからすると「これらに準ずる者と同等以上の支配力,を有するものと認められる者」も自然人を予定したものとみるのが相当であり,したがって,法人に対して支配力を有するものと認められる者は自然人 に限られ,法人を含むものではないと解するのが相当というべきである(仙台高裁平成19年(行コ)第12号・平成19年9月20日判決参照。 )そして,本件各許可取消処分は,仙台市長が,法人であるE社が法人に対し支配力を有するものと認められる者に該当するとしてなされたものである上,本件全証拠に照らしても,E社に対して法人格否認の法理を適用しその法人格を否認することを相当と認めるに足りる事情もうかがわれないから,上記法解釈に反してなされた違法なものというほかない。 ( )次に,仙台市長に上記のとおりの違法な本件各許可取消処分を行うにつ いて,故意又は過失があったか否かについて検討する。 ア前記前提事実に証拠(甲6,8,24,乙3,9,11,14)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められ,この認定を覆すに足りる証拠はない。 (ア)法7条5項4号ニは,平成9年法律第85号による改正前の7条3項4号ニに相当するものであるが,上記改正により,改正前にはなかった「当該許可を取り消された者が法人である場合においては,当該取消(しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があつた日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者をいい,相談役,顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,法人に対し業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者と同等以上 業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者をいい,相談役,顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,法人に対し業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号において同じ)であった者で。 当該取消しの日から5年を経過しないものを含む」との文言が付加さ。)れた。この改正の趣旨は,改正前の規定では,法人としての業の許可を取り消された場合であっても,当該法人を解散し,全く同じ構成員のまま別法人を設立して新たな許可を取得したり,許可を取り消されて欠格要件に該当する者が,役員としてではなく実質的に裏から経営の実権を 掌握したりするなど,欠格要件を巧妙に回避する例が見られたことから,許可を取り消された法人の役員を欠格要件に追加するとともに,いわゆる「黒幕」規定を設け,法人に対して役員と同等以上の支配力を有するものと認められる者は,欠格要件の適用にあたって,役員と同様の取扱とすることにしたものと解される。 このような改正法の理念を実現し,欠格要件の審査を厳格に行うため,施行規則も改正され「申請者が法人である場合において,発行済み株式,総数の100分の5以上の株式を有する株主又は出資の額の100分の5以上の額に相当する出資をしている者があるときは,当該株主又は者の氏名又は名称,住所及び当該株主の有する株式の数又は当該者のなした出資の金額を記載した書類」が許可申請書の添付書類とされ(施行規則9条の2第2項8号,さらに,平成12年6月13日厚生省令101)号により改正された施行規則においては,上記記載を申請事項そのものとして要求することにした(施行規則9条の2。 )上記のような法及び施行規則の改正の趣旨を受け,平成17年8月12日,環境省大臣官房廃棄 より改正された施行規則においては,上記記載を申請事項そのものとして要求することにした(施行規則9条の2。 )上記のような法及び施行規則の改正の趣旨を受け,平成17年8月12日,環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長名での各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛の「行政処分の指針について(通知」と題する平成17年8月12日付け通知文書(以)下「平成17年指針」という)が通知されるまでの間,平成13年指針。 のとおり,発行済株式総数の100分の5以上の株式を有する株主又は出資額の100分の5以上の額に相当する出資をしている者は,自然人及び法人の区別をすることなく,法人に対し業務を執行する社員等と同等以上の支配力を有するものと認められる者に該当する,との行政解釈(以下「従前行政解釈」という)がなされてきた。 。 (イ)環境省も,平成17年指針を通知するまでは,従前行政解釈に従って,各自治体からの相談に応じていたものであり,平成17年4月18 日,被告の職員が,環境省に対し,40パーセントの株式を保有している株主が,法人に対し支配力を有するものと認められる者に当たるか否かに関して相談したところ,40パーセントも有していれば,一般的には支配力があると考えるのが普通である旨の回答をした。その際,環境省は,上記株主が法人か自然人であるかということについて指摘等をしなかった。 (ウ)横浜市は,E社が60パーセントの株式を有する横浜エコポート株式会社について,同社が本件B取消処分がなされた平成17年2月21日以前に廃棄物処理業の許可を受けていたにもかかわらず,その許可を取り消さなかった。 (エ)しかし,平成15年にいわゆる欠格要件への該当を理由とする取消処分を義務化する改正がされた後,処理業の許可及び処理施設の設置 業の許可を受けていたにもかかわらず,その許可を取り消さなかった。 (エ)しかし,平成15年にいわゆる欠格要件への該当を理由とする取消処分を義務化する改正がされた後,処理業の許可及び処理施設の設置許可の取消処分数が激増し産業廃棄物処理業者や経済界などから欠格要件の在り方及びその運用や,義務化された取消が厳格に過ぎ,規制緩和の方針に反するのではないかとして,欠格要件の在り方やその運用を見直すべきではないかといった要望がされたのを受け,政府は,平成17年6月,学識経験者からなる「欠格要件の在り方検討会」を設けた。 「欠格要件の在り方検討会」は,産業廃棄物処理業者,経済界及び地方公共団体の意見を踏まえつつ欠格要件の在り方及びその運用について検討を重ねた結果,いわゆる黒幕条項については,従前,発行済株式総数の5%以上の株式を保有する株主又は出資額の5%以上の額に相当する出資をしている者は自然人及び法人の区別をすることなく業務を執行する社員等と同等以上の支配力を有すると解釈していたが,これを自然人に限る(法人は除く)こととし,かつ,総合的に判断するのが相当であるとの意見を取りまとめて報告した。 (オ)上記「欠格要件の在り方検討会」での検討の結果を踏まえ,平成1 7年指針において,法人に対し支配力を有するものと認められる者に該当する者は自然人に限られるとの行政解釈が示された。 イ前記前提事実及び上記アに認定した事実に照らすと,本件各許可取消処分がなされた平成17年5月31日の時点においては,実務上,従前行政解釈に基づいて,欠格要件の審査やいったんされた許可の取消しがされてきたことがうかがわれるところ,仙台市長も環境省から教示を受けた上で,従前行政解釈に基づいて本件各許可取消処分を行ったものであることが認められる。他方,横浜市のように必ず された許可の取消しがされてきたことがうかがわれるところ,仙台市長も環境省から教示を受けた上で,従前行政解釈に基づいて本件各許可取消処分を行ったものであることが認められる。他方,横浜市のように必ずしも従前行政解釈に沿った処分を行わない自治体も存在したが,平成17年5月31日時点では,本件全証拠に照らしても,法人に対し支配力を有するものと認められる者は自然人に限られるとの明確な見解が判例や学説により示されていた事実は認め難い。 このように,ある事項に関する法律解釈につき明確な判例・学説がなく,実務上の取扱いも分かれている状況においては,一方の見解に立つ行政解釈が示されている以上,公務員がその行政解釈に従って公務を執行することは理由があるというべきであるから,後に,その執行が違法と判断された場合であっても,そのことから直ちに当該公務員に故意又は過失があったと即断することは相当ではない。特に,本件の場合,上記行政解釈は,平成9年法律第85号による改正法の理念を実現し,欠格要件の審査を厳格に行う必要があるという考え方の下に採られたものであって,法の定める欠格要件を巧妙に回避する事例が見られたという社会的事実を踏まえた合理性の裏付けも存在したものであるから,仙台市長が従前行政解釈に従って本件各許可取消処分を行ったことには相当の理由があったということができる。 そして,上記改正法施行後,取消処分を義務化する法改正や取消処分数の激増という運用実態,産業廃棄物処理業者や経済界などからの意見を踏まえて平成17年6月から「欠格要件の在り方検討会」が開催され,平成 17年8月12日には,法人に対し支配力を有するものと認められる者は自然人に限られるとの行政解釈が示されたものの,これはいずれも本件各許可取消処分を行った平成17年5月31日以降のことであり 17年8月12日には,法人に対し支配力を有するものと認められる者は自然人に限られるとの行政解釈が示されたものの,これはいずれも本件各許可取消処分を行った平成17年5月31日以降のことであり,仙台市長が従前行政解釈に従って本件各許可取消処分を行ったことについてはやむを得ない事情があったといえる。そのほか本件各許可取消処分にあたって,仙台市長に故意又は過失があったことを認めるに足りる証拠はない。以上のことからすれば,仙台市長が本件各許可取消処分を行うにあたって,故意又は過失があったと認めることは困難というべきである。 ( )また,原告は,本件各許可取消処分は,一定比率以上の株主であれば, 当然に欠格要件の「法人に対し支配力を有するものと認められる者」に該当するとして行った処分であるから,法で要求される黒幕規定の趣旨に従った具体的な事情の判断を怠ったものである旨主張するが,前記前提事実のとおり,本件各許可取消処分がなされた当時,E社は原告の株式のうち40パーセントを有しており,従前行政解釈に示された5パーセント以上という基準を大幅に超えていたこと,仙台市長は,環境省から,40パーセントも有していれば一般的には支配力があると考えるのが普通である旨の技術的助言を得た上で本件各許可取消処分を行ったものであること,法は欠格要件への該当を理由とする取消処分を義務化しており,地方自治体の裁量判断の余地を認めていないこと等の事情にかんがみれば,本件全証拠に照らしても,仙台市長が法で要求される黒幕規定の趣旨に従った具体的な事情の判断を怠ったものと認め難いし,その判断にあたって仙台市長に故意又は過失があったと認めることも困難というべきである。したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。 ( )以上のとおりであるから,争点1に関する原告 難いし,その判断にあたって仙台市長に故意又は過失があったと認めることも困難というべきである。したがって,この点に関する原告の主張は採用できない。 ( )以上のとおりであるから,争点1に関する原告の主張には理由がない。 したがって,その余の点について検討するまでもなく,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条を適用 して,主文のとおり判決する。 仙台地方裁判所第1民事部裁判官近藤幸康裁判官髙橋幸大裁判長裁判官潮見直之は転補のため署名押印できない。 裁判官近藤幸康

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