主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人Aの弁護人早川晴雄外6名の上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人Bの弁護人鈴木淳二,同野崎崎研二の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 記録を精査しても,被告人両名の間で授受された1000万円の現金を賄賂と認定した原判決に,事実誤認があるとは認められない。 なお,【要旨】私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律73条1項は,公正取引委員会は,同法違反の犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならないと定め,同法96条1項は,同法89条から91条までの罪は,同委員会の告発を待って,これを論ずると定めているところ,公務員が,請託を受けて,公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について,同委員会の委員長に対し,これを告発しないように働き掛けることは,同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし,適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから,平成7年法律第91号による改正前の刑法197条ノ4にいう「職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク」あっせんすることに当たると解すべきである。これと同旨の原判決の判断は,相当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官福田博裁判官北川弘治裁判官亀山継夫裁判官梶谷玄裁判官滝井繁男)- 1 - 梶谷玄裁判官 滝井繁男
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