昭和45(オ)780 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和46年3月18日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所 昭和44(ネ)451
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判決文本文1,338 文字)

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告人らの上告理由一について。原審の確定した事実関係のもとにおいては、上告人A1の過失によつて本件事故が発生した旨の原判決の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用することができない。同二について。原審の確定した事実関係のもとにおいては、上告人A2に連行供用者としての責任がある旨の原判決の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用することができない。同三について。原判決に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官岩田誠の反対意見があるほか裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。裁判官岩田誠の反対意見は、次のとおりである。職権によつて案ずるに、原判決は、Dが本件事故によつて被つた損害は、傷害の治療費等として金一六万六六六七円、得べかりし利益の喪失として金五〇万円、慰藉料として金一〇〇万円の合計一六六万六六六七円であるところ、同人はすでに自動車損害賠償保障法による保険金三〇万円を受領しているので、これを控除した残額およびその所定の遅延損害金が、同人が上告人らに対して請求することのできる権利であると判示したうえ、同人が本件第二審係属中である昭和四四年六月一二日- 1 -死亡したので、被上告人らが右権利を法定相続分に応じて相続した旨判示し、被上告人らの本訴請求を右の限度で認容しているのである。しかしながら、慰藉料請求権は、一身専属的なものであつて、その個人的・主観的色彩の減退のため、通常の金銭債権と同視しう じて相続した旨判示し、被上告人らの本訴請求を右の限度で認容しているのである。しかしながら、慰藉料請求権は、一身専属的なものであつて、その個人的・主観的色彩の減退のため、通常の金銭債権と同視しうべきものに転化した場合をのぞき、相続性を有しないものと解すべきところ、本件においては、一人の本件事故に基づく慰藉料請求権は、同人の死亡当時いまだ通常の金銭債権と同視しうべきものに転化していたといえないことは明らかである。 旨判示し、被上告人らの本訴請求を右の限度で認容しているのである。しかしながら、慰藉料請求権は、一身専属的なものであつて、その個人的・主観的色彩の減退のため、通常の金銭債権と同視しうべきものに転化した場合をのぞき、相続性を有しないものと解すべきところ、本件においては、一人の本件事故に基づく慰藉料請求権は、同人の死亡当時いまだ通常の金銭債権と同視しうべきものに転化していたといえないことは明らかである。したがつて、原判決はこの点について法令の解釈を誤つたもので、破棄を免かれないと考える。その理由の詳細は、当裁判所昭和三八年(オ)第一四〇八号同四二年一一月一日大法廷判決、民集二一巻九号二二四九頁において私の同調した裁判官松田二郎の反対意見と同一であるから、それをここに引用する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官長部謹吾裁判官岩田誠裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三裁判官下田武三- 2 -

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