平成15(ハ)88860 立替金等請求

裁判年月日・裁判所
平成16年5月20日 東京簡易裁判所
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判決文本文2,821 文字)

平成16年5月20日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成15年(ハ)第88860号立替金等請求事件口頭弁論終結日平成16年4月22日判決 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,21万3776円及び内金9240円に対する平成15年6月28日から支払済みまで年14.6パーセントの,内金20万円に対する平成15年6月28日から支払済みまで年26.28パーセントの各割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 請求原因の要旨(1) 原告は被告との間の平成15年5月12日クレジットカード(Aカード) 利用契約(以下「本件契約」という。)に基づき,被告がカードを利用して,① 平成15年5月13日に加盟店B横浜西口店から購入した商品の代金(2 回以下払分)を原告が立替払いした9240円及びこれに対する平成15年 6月28日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による遅延損害金② 平成15年5月12日に2回にわたって原告から借り受けた合計金20万円,利息制限法所定の制限内の確定利息4536円及び残元金20万円に対する平成15年6月28日から支払済みまで年26.28パーセントの割合による遅延損害金の各支払を求める。 (2) 予備的主張ー1(名義貸し・追認)ア名義貸し訴外Cは,本件契約申込書(甲1,3)に被告名義の署名をして作成し,原告に差し入れた。被告は,これに先立ち,訴外Cに頼まれて本件契約の申込人になること及び訴外Cが代行して同申込書を作成し原告に差し入れることを許諾したから,被告は原告との間で本件 署名をして作成し,原告に差し入れた。被告は,これに先立ち,訴外Cに頼まれて本件契約の申込人になること及び訴外Cが代行して同申込書を作成し原告に差し入れることを許諾したから,被告は原告との間で本件契約を締結した。 イ追認被告は,平成15年6月14日午後2時25分頃,原告の電話による問い合わせに際し,本件契約を追認した。また,同年8月26日午後5時30分頃,被告が原告事業所D横浜西口店に来店した際,被告は,原告従業員Eに対し,被告が訴外Cに被告の国民健康保険証(以下「保険証」という。)を貸与し,訴外Cに名義を貸して本件契約を締結したことを追認した。 (3) 予備的主張ー2(不法行為)被告が訴外Cに保険証を貸与し,訴外Cが保険証を利用して本件契約を締結していることから,被告の原告に対する不法行為が成立する。 2 被告の主張本件契約は,訴外Cが,被告の承諾を得ないで保険証を利用し,被告名義で締結したものである。被告は本件契約を追認したことはない。 第3 当裁判所の判断証拠及び弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 1 本件契約について本件契約は,原告事業所D横浜西口店において,平成15年5月12日本件契約申込書(甲1,3)により締結されている。本件契約申込書には被告の印鑑は押印されていない。同日,前記横浜西口店の従業員Fは保険証だけで本人確認をしており,顔写真添付の身分証明書等による本人確認はしていない(甲3の身分証明書欄)。保険証による本人確認をしたとしても,そのことにより直ちに契約が全て有効に成立し,後は本人確認の資料を提供した者の責任になるものではない。また,原告は,本件契約申込書に記載されている被告の自宅や勤務先に電話をする等の被告の在籍確認はしていない。本件契約申込書の被告の署名と被 し,後は本人確認の資料を提供した者の責任になるものではない。また,原告は,本件契約申込書に記載されている被告の自宅や勤務先に電話をする等の被告の在籍確認はしていない。本件契約申込書の被告の署名と被告作成の出頭カード,宣誓書,答弁書における被告の署名を対比すると,その特徴のある筆跡から,全く別人の筆跡であると認められる。 前記各事実から,本件契約は被告本人との間でなされていないことは明らかである。 2 名義貸しについて被告は,現在62歳であるが,中学卒業後20歳頃まで工員や作業員として働いた経験があるが,事務職の経験がない。以後今日まで職業に就いていない。家計は夫が管理しており,被告は毎月決められた現金を夫から貰い生活している。被告は被告名義の郵便貯金通帳を持っているが,それ以外の銀行等の通帳は作ったことはない。カードは恐い物として郵便局のものも含めて一枚も持ったことがなく,夫のカードも含めて使ったこともない。日常生活は現金で済ませており,クレジット契約や金融機関等から融資を受けた経験はなく,どのようにしたら金融機関等からカード類が発行されるのか理解していなかった。被告は,6年前ころ交通事故に遭い,以来,脳に血液が溜まる障害により手紙も十分に書けない状態である。本件保険証は,被告が,銭湯で知り合ったCという70歳位の女性に,「医者に行きたいが,保険代が払えなくて,国民健康保険証が止められている。保険証を貸してくれ。」と言われ,かわいそうに思い,平成15年5月12日,2時間ないし3時間程貸したものである。被告には,訴外Cが,保険証を使って本件契約を締結するとの認識はなかった。 次に,原告は,①平成15年6月14日午後2時25分頃,電話による問い合わせに対し,被告は,「夫に内緒で本件カード契約の申込みを行っており,本件カードを作 て本件契約を締結するとの認識はなかった。 次に,原告は,①平成15年6月14日午後2時25分頃,電話による問い合わせに対し,被告は,「夫に内緒で本件カード契約の申込みを行っており,本件カードを作っていないと夫にとぼけて一大事になった,申し訳ない。」と謝罪した。②同年8月26日午後5時30分頃,被告が,原告事業所D横浜西口店に来店した際,原告従業員Eに対し,被告が第三者に保険証を貸与し本件契約を締結したことを認諾し,その上で本件契約締結の事実を夫に隠していると述べたと主張する。しかし,①については,証人等の証拠による証明はなされていなく,②についても,被告は,訴外Cに保険証を貸した事実だけを認め,訴外Cが被告になりすまし,保険証を使って本件契約をしたのではないかという原告従業員Eの一方的な推測話に対し,「うん,うん。」と言っただけであったと認められる。 前記各事実から,本件においては被告が訴外Cに対し名義使用の承諾をしたと認めるに足りる証拠はなく,他にこれを認めるに足りる証拠はない。また,被告が,本件契約を追認したという事実も認めるに足りる証拠はない。 3 不法行為責任について前記1,2の各事実から,原告の被告に対する不法行為責任の主張は,主張自体失当である。 4 よって,主文のとおり原告の請求を棄却することとする。 東京簡易裁判所民事第2室裁判官堀田隆

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