令和6(ワ)57 国家賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年11月5日 宇都宮地方裁判所
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判決文本文9,950 文字)

主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、原告Aに対し、300万円及びこれに対する令和5年7月3日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、300万円及びこれに対する令和5年7月3日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、栃木県が設置する児童相談所の所長から委託を受けて里親として児童を養育していた原告らが、同所長が同児童について行った里親委託から児童養護施設への措置変更は違法であり、これにより精神的苦痛を負ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害賠償として慰謝料300万円及びこれに対する令和5年7月3日(同措置変更がされたと原告 らが主張する日)から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実以下の事実は当事者間に争いがないか、後掲証拠により容易に認められる。 (1) 当事者等 ア原告らは夫婦であり、原告らの間に子はない。(甲15、16)イ被告は、栃木県県南児童相談所(以下「本件児童相談所」という。)を設置する地方自治体である。 ウ訴外Cは、平成▲年▲月▲日生まれの女児である。(甲2)(2) 原告らは、令和3年3月からCとの面会等の交流を行い、同年10月27 日、本件児童相談所の所長(以下「本件所長」という。)から、Cの養育の 委託(里親委託)を受けた。(甲2、16、乙1)(3) 令和5年6月6日の夜、Cが、自宅で原告Bを蹴り続けるなどしていたため、原告 所長(以下「本件所長」という。)から、Cの養育の 委託(里親委託)を受けた。(甲2、16、乙1)(3) 令和5年6月6日の夜、Cが、自宅で原告Bを蹴り続けるなどしていたため、原告Aは、「叩かないと分からないのか」と叱りながらCの両頬を両手で挟む形で2回叩いた(以下「本件暴行」という。)。(甲15、16、乙1) (4) 原告Bは、翌7日、Cを学校に送り出した後、本件児童相談所に連絡を入れ、本件暴行等について報告した。本件児童相談所の職員は、同日、原告らに対するCの委託措置を停止し、Cを一時保護した。(甲4、16、乙1)(5) 本件所長は、同年8月1日、Cにつき、里親委託から児童養護施設への措置変更(以下「本件措置変更」という。)をした。(甲5) 3 争点及びこれに対する当事者の主張(1) 本件措置変更の違法性(争点1)(原告らの主張)深刻な愛着形成の問題を抱えているCの福祉の観点からは、できるだけ里親委託措置が継続できることが望ましく、措置の変更や解除は、多角的な面 からアセスメントを丁寧に行った上で、里親委託措置を継続してはCの福祉が害されることが明らかである場合に行われるべきであり、本件措置変更の国家賠償法上の違法性の判断においては、これまでの里親子関係、Cの問題行動に対する対応、本件児童相談所からの支援の有無、養育関係の変化などを考慮すべきである。 ア本件措置変更がCの福祉を害すること一般に、愛着の問題を抱える児童が愛着の対象との分離を余儀なくされる場合、当該児童は脱愛着の状況に陥り、将来的に対人関係がうまく構築できなくなり、性非行に走ったり、精神疾患を発症したりすることがある。そのため、愛着の問題を抱える児童と愛着対象たるキーパーソンとの 、当該児童は脱愛着の状況に陥り、将来的に対人関係がうまく構築できなくなり、性非行に走ったり、精神疾患を発症したりすることがある。そのため、愛着の問題を抱える児童と愛着対象たるキーパーソンとの 分離は慎重に判断すべきであり、当該児童が脱愛着に陥る可能性があるこ とを考慮してもなお当該里親に養育の委託を継続してしまうと当該児童の福祉が害されることが明らかである場合に限り里親委託からの措置変更の判断がされるべきである。 Cは、愛着の問題を抱えており、原告ら、特に原告Bとの間で愛着関係が構築されている途中であったため、引き続き原告らに監護養育されるこ とがCの福祉に最もかなっていたのであり、Cと原告らを分離すべきといえるほどの事情はなかった。 確かに、Cの一時保護のきっかけになった本件暴行は身体的虐待に該当するものの、原告らがCに対して身体的虐待をしたのは本件暴行が初めてであり、本件暴行の程度も比較的軽微であって、原告Aが本件暴行後すぐ にCに謝罪し、真摯に反省していること、原告らが虐待をしてしまった親向けの民間のプログラムを受講していることなどからすると、本件暴行のような事態が再発する可能性は低かったといえる。また、原告らは、Cの特性について無理解だったわけではなく、原告Bの疲労が過度になっていない時には、Cの問題行動に適切に対処できていたのであるから、適切な 里親支援がされていれば原告らがCの問題行動に適切に対処することが期待できる状況であった。 したがって、原告らが引き続きCを養育するのがCの福祉にかなうものであり、Cと原告らとを分離することはかえってCの福祉を害するものであるから、本件措置変更は違法である。 イ本件児童相談所の原告らに対する支援が不足していたこと児童相談所に のであり、Cと原告らとを分離することはかえってCの福祉を害するものであるから、本件措置変更は違法である。 イ本件児童相談所の原告らに対する支援が不足していたこと児童相談所には、児童福祉法上、養育困難の兆候が見られた里親に対してレスパイトや一時保護を積極的に促すという支援を行う義務がある。厚生労働省が策定した里親ガイドラインによれば、児童相談所がこうした適切な里親支援を行ってもなお解決が見込めず、アセスメントによってやむ を得ない場合と判断される場合に、里親委託の措置停止を行うものとされ ている。 原告Bは、発達や愛着に問題を抱えるCの養育などによって心身共に疲弊しており、Cの養育に困難があることについて本件児童相談所の職員に対して複数回相談していたほか、ECBI(子どもの行動上の問題と親の育児困難感を同時に評価するもの)の結果、カットオフ値を超える数値が 出ていたのであるから、本件児童相談所は、原告Bに対し、レスパイトや一時保護の利用を積極的に促し、必要な手続を行う義務があった。 それにもかかわらず、本件児童相談所は、原告Bに対してレスパイトの利用を認めず、原告らに対して適切な里親支援をしなかったため、本件措置変更は上記ガイドラインに違反するものであり、本件措置変更の違法性 を基礎付ける。 ウ Cの問題行動には生い立ち(愛着障害)だけでなく発達障害も影響していると考えられるにもかかわらず、本件児童相談所の職員は生い立ちが原因であると断定した上、原告らに対してそれを前提としたアドバイスをし、原告らのCに対する理解が不十分であると評価したことは不当であ る。 (被告の主張)ア本件暴行は、原告らがCの試し行動に対して適切に対処できずに追い込まれた結果起きたも バイスをし、原告らのCに対する理解が不十分であると評価したことは不当であ る。 (被告の主張)ア本件暴行は、原告らがCの試し行動に対して適切に対処できずに追い込まれた結果起きたものであって、本件暴行の前後を通じて、原告らがCの養育について自信がない趣旨の発言をしていたこと、本件暴行後もCの特 性に対する原告らの理解が十分でなかったことなどからすると、原告らがCの養育を続けたとしても、Cの試し行動に適切に対処できる保証はなく、更なる暴行等の問題が生じるおそれを払拭できなかった。こうした事情を踏まえると、本件措置変更は、Cの福祉等の観点から合理性があったというべきであり、本件所長の裁量判断の範囲を逸脱したものではない。 イ里子の福祉の観点から措置の必要性が高い場合であっても、里親への支 援が十分でないことを理由に措置が違法になるというのは、里子の福祉を著しく軽視するものであって妥当でないから、本件措置変更の違法性の判断において、原告らに対する支援が十分であったか否かを考慮すべきでない。 また、本件児童相談所の職員が原告Bに対してレスパイトではなくPC IT(親子相互交流療法。親子で遊んでもらい、その中で、親の対応について児童心理司が助言を行い、親子の関係改善を図るプログラムのこと。)を勧めたのは、Cが宿泊を嫌がっていたため、レスパイトを実施すると、原告らとの愛着関係の形成過程においてCが見捨てられ感を抱き、Cの試し行動の激化を招く懸念があったことと、原告Bが新たな里親先を 探すためという誤った認識に基づいてレスパイトを希望していたことによる。 (2) 原告らの損害(争点2)(原告らの主張)本件措置変更により原告らが被った精神的損害を慰謝するには一人当たり という誤った認識に基づいてレスパイトを希望していたことによる。 (2) 原告らの損害(争点2)(原告らの主張)本件措置変更により原告らが被った精神的損害を慰謝するには一人当たり 300万円を下らない。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (1) 原告らは、所定の研修を受け、令和3年3月2日、栃木県知事から養育里親及び養子縁組里親に認定された。(甲1、15、16)(2) 原告らは、同年5月13日、Cとマッチング(子と里親候補者との適合性を判断するために行う交流プログラム)を開始し、25回の交流を経て、同 年10月27日、本件所長からCについて里親委託を受け、Cの養育を開始 した。Cの養育は主に原告Bが担当した。(甲9、16)(3) 原告らがCの養育を開始した当時から、Cには乱暴な言動が見られ、原告らが飼っている猫をいじめたり、原告Bの足を踏んだりすることもあった。 Cが令和5年4月に小学校に入学した頃からそうした問題行動は激しくなり、原告Bは、本件児童相談所の職員に対し、同月28日には、Cの養育は 原告らの家庭ではなくてもよいのではないかと述べ、同年5月15日には、Cの暴言暴力がひどく、原告らの言うことを聞かなくなり、このままでは家族3人が幸せになれないだろうという結論に至った、レスパイトをするのであればそこからCに合う里親又は施設にお願いした方がよいのではないか、などと述べた。原告Bに対応した本件児童相談所の職員は、原告Bに対し、 大変な子を見てもらって感謝する、Cが原告ら宅にいたいという思いが伝わってくるなどと原告らを労う旨の言葉をかけ、レスバイトは里親が休む 。原告Bに対応した本件児童相談所の職員は、原告Bに対し、 大変な子を見てもらって感謝する、Cが原告ら宅にいたいという思いが伝わってくるなどと原告らを労う旨の言葉をかけ、レスバイトは里親が休むために利用するものであり、異なる里親に移行するためのものではないとの説明をし、レスパイトをするとCの反動がより出てしまうかもしれないなどとして、PCITを実施し、親子関係の構築を図っていくほうがよいのではな いかと提案し、原告Bはこれに同意した。(甲16、乙1)(4) 原告Bは、同月23日、本件児童相談所を訪れ、PCITを実施した。この際のECBIの数値は、強度178、問題15であった。この数値は、子どもの行動上の問題が高く、親の育児困難感が強いことを示す。(乙1、4) (5) 同年6月6日夜、Cは、原告Aに遊んでもらいたい様子であったものの、原告AがCの求めに応じなかったため、Cは、原告Aを蹴り始めた。その後、Cは、原告Bを蹴ったり、原告Bに対して暴言を吐いたりし、原告Bが夕食の片づけをするため台所に移動した後もそのような行動が続いたため、原告Bは「もう疲れているから寝よう」と述べ、Cの身体を引きずるように して階段の下まで連れて行き、一緒に階段を上って寝室に連れて行った。 寝室に入っても、Cの原告Bに対する暴力は収まらなかった。これを見た原告Aは、「叩かないと分からないのか」と叱りながらCの両頬を両手で挟む形で2回叩いた(本件暴行)。Cは泣き出し、原告Bは、原告Aに対して、Cを叩いたことについて注意し、原告AもCに謝罪した。この際、原告Bは、Cに対し、「蹴られるのは嫌だし、怒りたくないから、違う所に行き なさい。児童相談所に行って、叩かれたから他の所に行きたいと言いなさい」と述べた。 、原告AもCに謝罪した。この際、原告Bは、Cに対し、「蹴られるのは嫌だし、怒りたくないから、違う所に行き なさい。児童相談所に行って、叩かれたから他の所に行きたいと言いなさい」と述べた。 (甲15、16、乙1)(6) 原告Bは、翌7日、Cを学校に送り出した後、本件児童相談所に連絡を入れ、前日の出来事について報告した。 本件所長は、同日、Cの委託措置を停止し、本件児童相談所の職員は、Cを一時保護し、その旨を原告Bに伝えた。 本件児童相談所の職員は、同日の夕方、原告らと面談し、本件暴行についてあってはならない行為である旨伝えた。この際、原告Aは、職員に対し、今後もCを養育しても、3人では幸せになれないと思っている、3人で幸せ になることを考えたときに、もう面倒を見ることができないという考えに至った、Cも今のうちから違う里親のところで生活するのがいいかもしれない旨述べた。 (甲4、16、乙1)(7) 原告Bは、同月9日、本件児童相談所の職員に対し、Cの養育について、 自信はない、また同じことを繰り返すと思うし、またこんな気持ちになると思うと耐えられない旨述べた。(乙1)(8) 原告Aは、同月12日、本件児童相談所の職員に対し、本件暴行について反省しており、できるだけCを原告らのもとに返してもらい、もう一度里親としてCを養育したい旨述べた。(乙1) 2 争点1(本件措置変更の違法性)について (1) 里親委託の解除は、児童相談所所長の児童育成に関する専門的判断に基づく合理的裁量に委ねられているというべきであるから、これが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるのは、当該措置が里子である児童の福祉等の観点から著しく不合理であって、その委ねられた 判断に基づく合理的裁量に委ねられているというべきであるから、これが国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるのは、当該措置が里子である児童の福祉等の観点から著しく不合理であって、その委ねられた裁量判断の範囲を逸脱したと認められる場合に限られるというべきである。 (2) 原告らは、Cの養育を開始した直後からCの問題行動に悩まされており、本件暴行前にはCの養育を別の里親や施設に任せるべきではないかと述べ、本件暴行後にもCを養育する自信がなく、本件暴行と同様のことを繰り返すと思う旨述べていた(認定事実(3)、(4)、(6)、(7))。こうした事実経過からすると、原告Aが本件暴行に至ったのは、Cの継続的な問題行動により原 告らが強度のストレスを受けて追い詰められた結果であるといえ、本件暴行後も依然としてCに適切に対処することを原告らに期待することが困難な状況であったといえる。 そうすると、本件暴行が偶発的なものであり、その態様が悪質とまではいえないこと、原告らが本件暴行について直ちに本件児童相談所に報告したこ と(認定事実(6))、原告Aが本件暴行について反省していたこと(認定事実(8)、原告A本人)を踏まえても、原告らがCの養育を続けた場合に、Cに対する再度の身体的虐待が発生し、Cに重大な結果が生じる可能性が想定される状況であったといえるから、本件所長が本件措置変更によって原告らによるCの養育を中止したことは、Cの福祉の観点から著しく不合理であるとは 評価し難い。 したがって、本件措置変更は国家賠償法上、違法であるとはいえない。 (3) 原告らの主張についてア原告らは、愛着対象である原告らと分離されることによるCへの影響が深刻である旨主張する。 しかし、仮に本件措置変更による原告らとの離別によ はいえない。 (3) 原告らの主張についてア原告らは、愛着対象である原告らと分離されることによるCへの影響が深刻である旨主張する。 しかし、仮に本件措置変更による原告らとの離別によりCに何らかの影 響が生じ得るとしても、上記(2)のとおり、原告らがCの養育を継続することにより、Cに対する再度の身体的虐待が発生し、それによってCに重大な結果が生じる可能性が想定される状況であった以上、原告らによるCの養育を中止するという判断がCの福祉の観点から著しく不合理とはいえない。 したがって、原告らの上記主張は採用できない。 イ原告らは、原告らのCに対する理解が不十分であるという誤った評価を基礎としてされた本件措置変更は違法である旨主張する。 しかし、仮に本件暴行以前の原告らの対応に対する本件児童相談所の評価が誤っていたとしても、原告らが実際にCの問題行動に適切に対処でき ず本件暴行に及んだ以上、本件暴行以前の対応の適切性にかかわらず、Cに対する再度の身体的虐待が行われる可能性が想定される状況であったといえるから、原告らによるCの養育を中止するという判断がCの福祉の観点から著しく不合理とはいえない。 したがって、原告らの上記主張は採用できない。 ウ原告らは、本件児童相談所の原告らに対する支援が十分であったか否かも、本件措置変更の違法性について判断する際の考慮要素になる旨主張する。 しかし、里親制度は子のための制度であるから、児童相談所長の行った措置変更の違法性は子の福祉の観点から検討すべきであって、里親に対す る支援が十分であったか否かを独立の要素として考慮することは相当でない。 原告らは、本件児童相談所の原告らに対する十分な支援が実施されれば、原告らはCの問題行動に適切に対処でき 里親に対す る支援が十分であったか否かを独立の要素として考慮することは相当でない。 原告らは、本件児童相談所の原告らに対する十分な支援が実施されれば、原告らはCの問題行動に適切に対処でき、再度の身体的虐待の可能性は低い状況であったとも主張する。しかし、レスパイト等の実施には受入 れ先の施設等との調整が必要であり、必ずしも里親の希望する時期にレス パイト等を実施することができるとは限らないと考えられるから、原告らに対する支援を充実させたとしても、原告らの負担が直ちに軽減するとは限らない。また、レスパイト等を実施すればCに対する再度の身体的虐待が発生しないというのは単なる予測にすぎず(本件児童相談所の職員が、レスパイトを実施することでむしろCの反発が強くなる恐れがあると懸念 していたことは、前記のとおりである。)、そのような予測をもって、再度の身体的虐待が発生するおそれを否定すべきであったとは言い難い。 したがって、仮に本件児童相談所の原告らに対する支援が原告らの求めるものに達しておらず不十分であったとしても、それをもって、本件措置変更の判断が著しく不合理とはいえない。 3 小括よって、争点2について判断するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がない。 4 文書提出命令申立てについて(1) 本件児童相談所に係る文書提出命令申立て ア原告らは、①Cと原告らとの関わりが家族同然の愛情深いものであったこと及び②本件措置変更によりCの福祉に深刻な影響が生じたことなどを要証事実として、本件児童相談所が所持する、Cに係る児童記録票、精神科医師所見、心理診断報告書、社会診断記録票、行動診断記録票、医学診断記録票、誓約書、相談受付台帳、受理会議録、各部門業務日誌、判定会 議録 本件児童相談所が所持する、Cに係る児童記録票、精神科医師所見、心理診断報告書、社会診断記録票、行動診断記録票、医学診断記録票、誓約書、相談受付台帳、受理会議録、各部門業務日誌、判定会 議録、援助方針会議録、一時保護児童台帳、観察会議録、給食日誌、児童相談所業務日誌、子供の所持物及び遺留物の保管台帳並びにその他Cに関する一切の記録の提出命令を申し立てた(令和6年(モ)第10159号)。 イ被告は上記①の事実については特段争っておらず、同事実は原告らの尋 問の結果から認められる。また、上記2(3)アのとおり、上記①の事実を踏 まえても本件措置変更は著しく不合理とはいえないから、上記①の事実を証明するために、上記文書を取り調べる必要性は認められない。 原告らは、上記②の具体的な事実として、Cが原告らに対して強い愛着を示しており、一時保護後も、原告らとともに生活することを希望していたことを主張するものと解される。しかし、上記2(3)アのとおり、本件措 置変更によりCが原告らと離別することによってCに不利益が生じ得ることを考慮してもなお本件措置変更は著しく不合理とはいえないのであるから、仮に原告らが主張する上記事実が認められたとしても、本件措置変更がCの福祉の観点から著しく不合理とはいえない。したがって、上記②の事実を証明するために上記文書を取り調べる必要性は認められない。 (2) 自治医科大学附属病院に係る文書提出命令申立てア原告らは、①Cが自閉スペクトラム症と診断された事実及び②原告らがCの特性を理解しようと努めていた事実を要証事実として、自治医科大学附属病院が所持する、令和3年10月27日から令和5年6月6日までに作成された、Cに係る診療記録全て、診療録(カルテ)、検査記録・ Cの特性を理解しようと努めていた事実を要証事実として、自治医科大学附属病院が所持する、令和3年10月27日から令和5年6月6日までに作成された、Cに係る診療記録全て、診療録(カルテ)、検査記録・検査 成績表、エックス線写真、画像(CT・MRI・エコー)及び看護記録の提出命令を申し立てた(令和6年(モ)第10169号)。 イ上記①の事実は診断書(甲11)により認められ、また、上記②の事実は当事者間に争いがないから、上記①及び②の事実を証明するために上記文書を取り調べる必要性は認められない。 (3) 独協医科大学病院に係る文書提出命令申立てア原告らは、①原告らがCに対して適切な養育を行っていた事実、②Cが自閉スペクトラム症と診断された事実及び③原告らがCの特性を理解しようと努めていた事実を要証事実として、独協医科大学病院が所持する、令和3年10月27日から令和5年6月6日までに作成された、Cに係る診 療記録全て、診療録(カルテ)、検査記録・検査成績表、エックス線写 真、画像(CT・MRI・エコー)及び看護記録の提出命令を申し立てた(令和6年(モ)第10169号)。 イ本件暴行及び本件暴行前後の原告らの言動を踏まえると、たとえそれ以外の養育状況が適切であったとしても本件措置変更がCの福祉の観点から著しく不合理とはいえないことは上記2(3)イのとおりであるから、上記① の事実を証明するために上記文書を取り調べる必要性は認められない。 上記②の事実は診断書(甲11)により認められ、また、上記③の事実は当事者間に争いがないから、上記②及び③の事実を証明するために上記文書を取り調べる必要性は認められない。 (4) よって、本件文書提出命令申立てはいずれも却下することとする。 上記③の事実は当事者間に争いがないから、上記②及び③の事実を証明するために上記文書を取り調べる必要性は認められない。 (4) よって、本件文書提出命令申立てはいずれも却下することとする。 第4 結論以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 宇都宮地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官永田早苗 裁判官吉岡あゆみ 裁判官小島惇史

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