平成25(行ウ)46 固定資産評価審査委員会報酬返還請求事件(住民訴訟)

裁判年月日・裁判所
平成26年1月24日 大阪地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文9,089 文字)

平成26年1月24日判決言渡平成25年(行ウ)第46号固定資産評価審査委員会報酬返還請求事件(住民訴訟)主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,吹田市固定資産評価審査委員会の委員に対する吹田市報酬及び費用弁償条例2条1項6号に基づく月額報酬の支給に係る公金の支出をしてはならない。 2 被告は,Aに対して2万4000円を,B及びCに対して各2万3000円を,それぞれ吹田市に支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要本件は,吹田市の住民である原告が,吹田市報酬及び費用弁償条例(以下「本件条例」という。)の規定のうち吹田市固定資産評価審査委員会(以下「本件委員会」という。)の委員に月額報酬を支給することを定める規定が,地方税法423条7項に違反し,無効であるなどとして,吹田市の執行機関である被告に対し,地方自治法242条の2第1項1号の規定により,上記報酬の支給に係る公金の支出の差止めを求めるとともに,同項4号の規定により,本件委員会の委員に対して支給された平成24年1月分の報酬相当額の不当利得返還請求をすることを求める住民訴訟である。 1 法令の定め(1)本件条例の定め本件委員会の委員長である委員の報酬は月額2万4000円とし,本件委員会の委員長以外の委員の報酬は月額2万3000円とする(2条1項6号)。 (2)地方税法の定め 固定資産評価審査委員会の委員は,当該市町村の条例の定めるところによって,委員会の会議への出席日数に応じ,手当を受けることができる(423条7項)。 (3)地方自治法の定めア普通地方公共団体は,その委員会の委員等に対し,報酬を支給しなければならない(203条の2第1項)。当該報酬は, 数に応じ,手当を受けることができる(423条7項)。 (3)地方自治法の定めア普通地方公共団体は,その委員会の委員等に対し,報酬を支給しなければならない(203条の2第1項)。当該報酬は,その勤務日数に応じて支給するが(同条2項本文),条例で特別の定めをした場合は,この限りでない(同項ただし書)。 イ普通地方公共団体は,いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基づく条例に基づかずには,これを上記アの委員等に支給することができない(204条の2)。 2 前提となる事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる。 (1)当事者等ア原告は,吹田市の住民であり,吹田市議会議員である。(甲6)イ被告は,普通地方公共団体である吹田市の執行機関である。 ウ Aは,平成24年1月当時,本件委員会の委員長である委員であった者であり,B及びCは,いずれも,同月当時,本件委員会の委員長以外の委員であった者である。(甲2,8)(2)報酬の支給吹田市は,平成24年1月頃,本件委員会の同月分の委員報酬として,Aに対して2万4000円を,B及びCに対して各2万3000円を,それぞれ支給した。(甲2,8)(3)監査請求及び訴訟提起ア原告は,平成24年11月29日,吹田市監査委員に対し,本件委員会 の委員について月額報酬を定める本件条例の規定が地方税法に違反し,無効であるとして,本件条例を改正して本件委員会の委員の報酬を日額制に変更すること及び本件委員会の委員について会議への出席がなかった月に支払った報酬の返還請求を行うことを求める住民監査請求をした。(甲6)イ吹田市監査委員は,平成25年1月23日,上記アの住民監査請求を棄却し, 員会の委員について会議への出席がなかった月に支払った報酬の返還請求を行うことを求める住民監査請求をした。(甲6)イ吹田市監査委員は,平成25年1月23日,上記アの住民監査請求を棄却し,その旨を原告に通知した。(甲7)ウ原告は,同年2月21日,本件訴訟を提起した。(顕著な事実) 3 争点及び当事者の主張本件の争点は,本件条例の規定のうち本件委員会の委員に月額報酬を支給することを定める規定が,地方税法423条7項等に違反し,無効であるかであり,この点についての当事者の主張は以下のとおりである。 (原告の主張)いわゆる行政委員会の委員を含む非常勤職員一般については,地方自治法203条の2第2項が,日額報酬を原則としつつ(同項本文),条例で特別の定めをすることにより月額報酬とすることも可能としている(同項ただし書)が,固定資産評価審査委員会の委員については,地方税法423条7項が,会議への出席日数に応じて手当(報酬)を受けることができる旨を特に定め,同項は月額報酬を可能とする例外規定を設けていない。そうすると,固定資産評価審査委員会の委員については,地方税法423条7項が特別法として地方自治法203条の2第2項に優先すると解すべきであり,月額報酬を定める本件条例の規定は,地方税法423条7項に違反し,無効である(仮に,固定資産評価審査委員会に地方自治法203条の2第2項が適用されるとしても,同項ただし書については,行政委員会の全てをその対象として想定したものではなく,固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服の審査決定が唯一の役割である固定資産評価審査委員会の職務内容等に照らし,同委員会には適用されないと解すべきである。)。 仮に,固定資産評価審査委員会について地方自治法203条の2第2項ただし 定が唯一の役割である固定資産評価審査委員会の職務内容等に照らし,同委員会には適用されないと解すべきである。)。 仮に,固定資産評価審査委員会について地方自治法203条の2第2項ただし書が適用されるとしても,本件委員会に対する不服申立ては固定資産の評価替えの年以外は少なく(平成22年度及び平成23年度はいずれも0件であった。),委員の平成23年度の年間勤務日数は9日であり(これには本来業務に関係のない会議も含まれる。),会議のない月が複数あるのであって,月額報酬を支給することに合理性はない。また,同委員会の業務が全国一律であるにもかかわらず,全国特例市及び大阪府内の市の固定資産評価審査委員会の委員の報酬を年収換算すると,月額制の方が日額制よりもはるかに高くなり,不当である。 (被告の主張)地方税法が成立した昭和25年当時,同法における固定資産評価審査委員会は,常置の機関ではなく,審査のための会議の開催期間も限定されていたが,昭和28年の地方自治法改正により,同委員会は,「委員会」の一つと位置付けられて同法の規定の適用を受けるようになり,その後,同委員会の決定に不服がある場合には訴願ではなく裁判所への出訴によるべきとされ,審査のための会議も年間を通じて行われるようになるなどした。そうすると,昭和31年の改正で設けられた同法203条の2第2項ただし書の規定は,固定資産評価審査委員会の委員の報酬についても適用されると解すべきである。 そして,固定資産評価審査委員会は,①市長から独立し,独自の執行権限をもって審査決定に最終的な責任を負う立場にある上,②その委員は,会議や研修等の日以外にも,審査関係資料の検討など相当実質的な勤務が必要であるし,専門的な事案の審査を行うため,専門知識の習得,情報収集等に努めることが必要 な責任を負う立場にある上,②その委員は,会議や研修等の日以外にも,審査関係資料の検討など相当実質的な勤務が必要であるし,専門的な事案の審査を行うため,専門知識の習得,情報収集等に努めることが必要とされるのであって,会議に出席した日以外にも実質的な勤務をしている。 また,本件委員会の平成6年度から平成23年度までの18年間の平均開催回数は年17回であり,平成24年度の開催回数は15回であって,開催回数は総じて少ないという状況にはなく,審査申出件数も同様であるし,委員一人勤 務1回当たりの報酬も1万6416円であり,月額2万3000円又は2万4000円の報酬が不当に高いともいえない。よって,本件委員会の委員に対して月額報酬を支払うことには合理性があるといえる。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提となる事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。 (1)固定資産評価審査委員会についてア昭和28年法律第212号による改正(以下「昭和28年改正」という。)前の地方自治法には,固定資産評価審査委員会に関する規定はなく,同委員会は,当時,地方税法のみに根拠を有していた。(甲9,10)イ固定資産評価審査委員会は,昭和28年改正により,地方自治法上,執行機関として市町村に設置しなければならない委員会の一つとして規定された。(甲9,10)ウ昭和31年法律第147号による改正(以下「昭和31年改正」という。)前の地方自治法は,普通地方公共団体の議会の議員,委員会の委員等の普通地方公共団体の非常勤の職員に対しては報酬を支給し費用を弁償するものとし,その額及び支給方法については条例で定めることとしていたが,固定資産評価審査委員会の委員については,地方税法において,昭和28年改正以前から 常勤の職員に対しては報酬を支給し費用を弁償するものとし,その額及び支給方法については条例で定めることとしていたが,固定資産評価審査委員会の委員については,地方税法において,昭和28年改正以前から,現在の同法423条7項と同内容の規定が設けられていた。 エ昭和31年改正によって,地方自治法には現在の同法203条の2第2項に相当する規定が設けられたが,上記ウの地方税法の規定は改正されなかった。 オ固定資産評価審査委員会は,3名以上の委員によって構成され(地方税法423条2項),その委員は,当該市町村の住民,市町村税の納税義務 がある者又は固定資産の評価について学識経験を有する者のうちから,当該市町村の議会の同意を得て,市町村長が選任する(同条3項)。 カ固定資産評価審査委員会は,固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服の審査決定その他の事務を行い(地方自治法202条の2第5項,地方税法423条1項),審査決定の手続においては,申出の形式審査・受理,弁明書・反論書等による書面審理,口頭意見陳述の機会付与,口頭審理,参考人の陳述等の要求,実地調査,審査の決定(決定審理,決定書の作成)等を行う(同法433条)。(甲7)キ固定資産評価審査委員会は,独自の執行権限を持ち,その担任する事務の管理及び執行に当たって自ら決定を行いこれを表示し得る執行機関であり(地方自治法138条の3,138条の4,180条の5第3項2号),普通地方公共団体の長から独立してその事務を自らの判断と責任において誠実に管理し執行する立場にあり(同法138条の2),その処分又は裁決に係る市町村を被告とする訴訟について,当該市町村を代表する権限を有する(地方税法434条の2)。 (2)本件委員会についてア本件委員会の委員の報酬については の2),その処分又は裁決に係る市町村を被告とする訴訟について,当該市町村を代表する権限を有する(地方税法434条の2)。 (2)本件委員会についてア本件委員会の委員の報酬については,本件条例上,日額報酬制が定められていたが,昭和53年に行われた改正により,月額報酬制に変更された。 なお,吹田市特別職報酬等審議会は,平成25年4月5日付けで取りまとめた「行政委員会の委員等の報酬の額等について(答申)」において,本件委員会の委員の報酬については委員長である委員につき日額1万1000円,委員長以外の委員につき日額1万円とすることが適当であるとし,これに沿う本件条例の改正案が吹田市議会に提出されたが,吹田市議会は,同年9月頃,同改正案を否決した。(甲11,乙1,2)イ本件委員会に対する平成10年度から平成23年度までの年間審査申出件数(土地1筆,家屋1棟,償却資産1種ごとに1件とするもの)は0~ 206件(平均約39.9件)であり,本件委員会の平成6年度から平成23年度までの委員会開催日数に研修等(北摂七市審査委員会連合協議会総会及び研究会,固定資産評価審査運営研修会等)の日数を加えた年間勤務日数は9~38日(平均約17.1日)であった(なお,委員会開催日数に限れば,8~35日(平均14.5日)となる。)。(甲16,17,乙5~7) 2 検討(1)判断枠組みア前記法令の定めのとおり,固定資産評価審査委員会の委員の報酬については,地方税法423条7項が,当該市町村の条例の定めるところにより委員会の会議への出席日数に応じて手当を受けることができる旨を規定しており,同法上,月額報酬制その他の日額報酬制以外の報酬制度を採る条例の規定を許容する明文の規定は存在しない。 イしかしながら,前記認定のとおり 出席日数に応じて手当を受けることができる旨を規定しており,同法上,月額報酬制その他の日額報酬制以外の報酬制度を採る条例の規定を許容する明文の規定は存在しない。 イしかしながら,前記認定のとおり,固定資産評価審査委員会は,昭和28年改正により,地方自治法上,執行機関として市町村に設置しなければならない委員会(いわゆる行政委員会)の一つとして位置付けられ,同法には,その後の昭和31年改正により,普通地方公共団体は「その委員会の委員」等に対して報酬を支給しなければならず,当該報酬はその勤務日数に応じて支給するが,条例で特別の定めをした場合はこの限りでないとする規定(現在の同法203条の2第2項)が設けられているところ,上記の「委員会」から固定資産評価審査委員会を除外する旨の規定は設けられていない。 また,行政委員会の委員を含め,職務の性質,内容や勤務態様が多種多様である普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。以下「非常勤職員」という。)に関し,どのような報酬制度が当該非常勤職員に係る人材確保の必要性等を含む当該普通地方公共団体の実情等に適合す るかについては,各普通地方公共団体ごとに,その財政の規模,状況等との権衡の観点を踏まえ,当該非常勤職員の職務の性質,内容,職責や勤務の態様,負担等の諸般の事情の総合考慮による政策的,技術的な見地からの判断を要するものということができること等からすれば,同法203条の2第2項は,普通地方公共団体の委員会の委員等の非常勤職員について,その報酬を原則として勤務日数に応じて日額で支給するとする一方で,条例で定めることによりそれ以外の方法も採り得ることとし,その方法及び金額を含む内容に関しては,上記のような事柄について最もよく知り得る立場にある当該普通地方公共団体の議決機関である とする一方で,条例で定めることによりそれ以外の方法も採り得ることとし,その方法及び金額を含む内容に関しては,上記のような事柄について最もよく知り得る立場にある当該普通地方公共団体の議決機関である議会において決定することとして,その決定をこのような議会による上記の諸般の事情を踏まえた政策的,技術的な見地からの裁量権に基づく判断に委ねたものと解するのが相当であるところ,このような判断の必要性の点において,固定資産評価審査委員会の委員の報酬制度について別異に解すべき事情はうかがわれない(この点,原告は,固定資産評価審査委員会は,納税者からの申出を受けて審査決定を行うことのみが設置目的である点等において特殊であり,他の行政委員会と区別される旨主張するが,仮にある行政委員会の職務等に特殊性があるとしても,そのような特殊性をも踏まえた政策的,技術的な見地からの判断の必要性自体が否定されるものではない。)。 そして,地方税法423条7項の規定の内容が,地方自治法203条の2第2項本文の規定の内容と実質的に同じであること,昭和31年改正の際に,固定資産評価審査委員会を他の行政委員会と別異に取り扱うべきであるとの前提で,改正後の上記規定と現在の地方税法423条7項に相当する規定との関係を整理した形跡が認められないこと等をも併せ考慮すれば,同項の規定が,固定資産評価審査委員会の委員の報酬について,地方自治法203条の2第2項の規定の適用を排除する趣旨であるとまでは解することができない。 ウこの点,原告は,地方自治法203条の2第2項は行政委員会の委員を含む非常勤職員一般についての規定であるのに対し,地方税法423条7項は固定資産評価審査委員会について特に定めた規定であるから,固定資産評価審査委員会の委員については後者が特別法として前者 の委員を含む非常勤職員一般についての規定であるのに対し,地方税法423条7項は固定資産評価審査委員会について特に定めた規定であるから,固定資産評価審査委員会の委員については後者が特別法として前者に優先すると解すべきであると主張するが,上記イのとおり,地方税法423条7項の規定が地方自治法203条の2第2項の特別法として同項に優先して適用される(同項の適用を排除する)とまではいうことができない。また,原告は,仮に,固定資産評価審査委員会に地方自治法203条の2第2項が適用されるとしても,同項ただし書については,行政委員会の全てをその対象として想定したものではなく,固定資産評価審査委員会の職務内容等に照らし,同委員会には適用されないと解すべきであると主張するが,同項の文言や上記イの同項の趣旨等に照らすと,同項ただし書が一定の行政委員会には適用されないと解することはできない。よって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。 エ以上によれば,固定資産評価審査委員会の委員の報酬についても,地方自治法203条の2第2項ただし書の規定により,月額報酬制その他の日額報酬制以外の報酬制度を採る条例の規定が許容される余地があるというべきである。 そして,上記イのような議会の裁量権の性質に鑑みると,普通地方公共団体の委員会の委員を含む非常勤職員について月額報酬制その他の日額報酬制以外の報酬制度を採る条例の規定が地方自治法203条の2第2項に違反し違法,無効となるか否かについては,当該非常勤職員の職務の性質,内容,職責や勤務の態様,負担等の諸般の事情を総合考慮して,当該規定の内容が同項の趣旨に照らした合理性の観点から上記裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものであるか否かによって判断すべきものと解するのが相当である(最高裁平成23年1 の事情を総合考慮して,当該規定の内容が同項の趣旨に照らした合理性の観点から上記裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものであるか否かによって判断すべきものと解するのが相当である(最高裁平成23年12月15日第一小法廷判決・民集65 巻9号3393頁参照)。 (2)具体的検討ア本件委員会の委員の職務の性質,内容,職責等について見ると,前記認定のとおり,本件委員会は,行政委員会の一つである固定資産評価審査委員会として,独自の執行権限を持ち,普通地方公共団体の長から独立してその事務を自らの判断と責任において誠実に管理し執行する立場にあり,その処分又は裁決に係る市町村を被告とする訴訟について当該市町村を代表する権限を有するなど,その事務について最終的な責任を負う立場にあるのであって,その委員についても,上記の職責等や,一定の水準の知識経験や資質等を確保するための基準及び手続が法定されていること等に照らせば,その業務に堪え得る一定の水準の適性を備えた人材の一定数の確保が必要となるというべきである。そして,固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服の審査決定を中心とする固定資産評価審査委員会の業務内容に照らせば,その委員については,公正中立性に加えて,一定の専門性が求められるものということができる。 イまた,勤務の態様,負担等については,前記認定のとおり,本件委員会の近年の委員会開催日数に研修等の日数を加えた年間勤務日数は平均約17.1日(月約1.4回)であるところ,前記認定のような業務について執行権者として決定をするには,各般の決裁文書や資料の検討等のため,上記勤務日数以外にも相応の実質的な勤務が必要となるものといえる。さらに,上記のような業務の専門性に鑑み,その業務に必要な専門知識の習得,情報収集等に努めることも必 の決裁文書や資料の検討等のため,上記勤務日数以外にも相応の実質的な勤務が必要となるものといえる。さらに,上記のような業務の専門性に鑑み,その業務に必要な専門知識の習得,情報収集等に努めることも必要となることを併せ考慮すれば,固定資産評価審査委員会である本件委員会の委員の業務については,形式的な勤務日数のみをもって,その勤務の実質が評価し尽くされるものということはできない。 ウなお,原告は,本件委員会に対する不服申立ては固定資産の評価替えの 年以外は少ないなどと主張するが,上記の不服の審査決定に係る業務について,一時期は申立て等が少ないとしても,恒常的に相当数の申立てを迅速かつ適正に処理することができる体制を整備しておく必要があることは否定し難い。よって,上記の点を殊更に重視することはできないというべきである。 エ以上の諸般の事情を総合考慮すれば,本件委員会の委員について月額報酬制を採り,その月額を,委員長である委員につき2万4000円とし,委員長以外の委員につき2万3000円とする旨を定める本件条例の規定は,その内容が地方自治法203条の2第2項の趣旨に照らして特に不合理であるとは認められず,市議会の裁量権の範囲を超え,又はこれを濫用するものとはいえないから,同項及び地方税法423条7項に違反し違法,無効であるということはできない。 3 結論以上のとおりであって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官西田隆裕 裁判官山本 拓 裁判官佐 藤 しほり 裁判官山本拓 裁判官佐藤しほり

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