20む458松山地裁平成21・1・13316条の15第1項1号,6号,316条の20第1項棄却 主文 本件証拠開示命令請求を棄却する。 理由 第1当事者の主張等 本件証拠開示命令請求の趣旨及び理由本件証拠開示命令請求の趣旨及び理由は,弁護人作成の平成20年12月5日付け「証拠開示命令請求書」,同月10日付け「平成20年12月5日付証拠開示命令請求書に関する補充書面」,同月19日付け「意見書」及び同月22日付け「補正書」に記載のとおりである。 これによると,弁護人が開示を求めるものは,(1)「平成16年10月前後のA市のBの実家(C宅)あるいはA市のD宅から警察への通報記録」,(2)「被告人がA市のD宅に居候していたときの状況が記載されている捜査報告書等の書面」,(3)「E及び被告人両名のF株式会社及びG株式会社における面接状況,面接結果,派遣先での稼働状況,退職理由等を内容とする捜査報告書等の書面」,(4)「E及び被告人両名の友人(H,株式会社I時代の同僚等)のE・被告人間の交友関係等を内容とする供述録取書等の書面」及び(5)「E及び被告人両名がJ中学校に在籍した当時における教師(K等)のE・被告人間の交友関係等を内容とする供述録取書等の書面」である。 そして,その理由について,弁護人は,((1),(2)について)検察官請求のL及びBの各供述調書において,被告人がD宅に居候していたことが原因で,D家の人間が警察に通報したとの供述が含まれており,(1)の証拠は,刑事訴訟法316条の15第1項1号,(2)の証拠は同項6号所定の類型に該当し,上記L及びBの上記各供述の証明力を判断するに当たって重要である,((3)ないし(5)について)詐欺事件の最大の争点は,被告人がEに金員を貸し付けていたか否かであり,被告人とEの関 定の類型に該当し,上記L及びBの上記各供述の証明力を判断するに当たって重要である,((3)ないし(5)について)詐欺事件の最大の争点は,被告人がEに金員を貸し付けていたか否かであり,被告人とEの関係が重要であるところ,弁護人は,中学時代の同級生であったEと被告人とが同じ職場で稼働するなどして親交を深めていったことを主張するとともに,被告人がEに対して暴行脅迫を加えて金銭を得ていたとの検察官の主張を争う予定であるところ,(3)ないし(5)の各証拠は,同予定主張と関連し,被告人の防御の準備のために高い必要性が認められるとする。 検察官の意見検察官の意見は,平成20年12月12日付け「意見書」,同月24日付け「意見書(補充)」及び平成21年1月8日付け「意見書(補充)」に記載のとおりであるところ,要するに,(1)ないし(5)に関し,開示(任意に開示したものも含む。以下同じ。)した以外に類型証拠ないし主張関連証拠として開示すべき証拠はない,というのである。 第2当裁判所の判断 (1)について当事者の主張等を勘案すると,弁護人の指摘するD家関係者から警察への通報は,平成16年10月20日ころの出来事であると認められるところ,検察官の主張を踏まえ,検察官から証拠の標目に加え,同日の状況について捜査した状況に関する平成19年11月4日付け司法警察員作成の捜査報告書(開示済み)の提示を求め,検討したが,弁護人が主張するような通報記録の存在は認められない。 (2)について検察官から弁護人に対し,現時点までに,関係者の供述調書や捜査報告書が多数開示されており,検察官から提示を受けた証拠の標目等を検討しても,弁護人が主張するような事情が記載された書面が他に存在するとは認め難い。 なお,Eから事情聴取した内容を記載した捜査報告書2通があるが,これは れており,検察官から提示を受けた証拠の標目等を検討しても,弁護人が主張するような事情が記載された書面が他に存在するとは認め難い。 なお,Eから事情聴取した内容を記載した捜査報告書2通があるが,これは,実質的にはEの供述内容を録取した書面であるから,その者の署名,押印がない以上,その内容を問題とする限り,刑事訴訟法316条の15第1項6号の書面としての要件を満たさないと解される(この点に関する東京高裁平成18年10月16日決定,判例タイムズ1229号204頁参照)。付言するに,L及びBに加えて,Eについても,既に各検察官調書及び各警察官調書が相当通数開示されているのであるから,主張関連証拠としてはともかく,類型証拠として上記報告書2通を開示する必要性はそもそも低い。 (3)について検察官の主張及び検察官から提示を受けた証拠の標目を検討しても,Eの稼働状況に関する証拠の存在は認められず,被告人の稼働状況や携帯電話の使用等に関する証拠は既に開示されているのであって,(3)に関し開示すべきと思料される証拠は認められない。 (4)について検察官の主張及び検察官から提示を受けた証拠の標目を検討しても,既に開示された以外に証拠があるとは認められない。 (5)について検察官から証拠の標目及びKの司法警察員に対する供述調書の提示を求めて検討したが,同供述調書には,被告人とEとの交友関係に関する供述はなく,その内容を見ても,弁護人の主張との関連性は極めて薄い。他方,その記載には,被告人の在学時の状況に関する内容が含まれており,これを開示することによる弊害も考えられるところである。したがって,同供述調書を開示することは相当ではない。そして,(5)に関し他に開示すべきと思料される証拠は認められない。 第3 結論 以上によれば,本件証拠開示命令請求は理 も考えられるところである。したがって,同供述調書を開示することは相当ではない。そして,(5)に関し他に開示すべきと思料される証拠は認められない。 第3 結論 以上によれば,本件証拠開示命令請求は理由がないから,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・村越一浩,裁判官・西前征志,裁判官・杉本敏彦)
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