平成30年5月24日判決言渡平成28年(行ウ)第545号射撃教習資格不認定処分取消等請求事件主文 1 東京都公安委員会が原告に対して平成27年11月25日付けでした,射撃教習を受ける資格につき不認定とする処分を取り消す。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 主文1項と同旨 2 東京都公安委員会は,原告に対し,原告が平成25年11月15日付けでした射撃教習を受ける資格の認定申請に対する認定処分をせよ。 第2 事案の概要原告は,銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)4条1項1 号の規定による猟銃の所持の許可を受けようとする者が受けなければならないとされている同法9条の5第1項所定の射撃教習(教習射撃指導員が政令で定めるところにより教習用備付け銃を使用して行う猟銃の操作及び射撃に関する技能の教習をいう。以下同じ。)を受けるため,同条2項に基づき,射撃教習を受ける資格(以下「射撃教習資格」という。)の認定申請(以下 「本件申請」という。)をした。これに対し,東京都公安委員会(処分行政庁)は,原告が同法5条1項18号所定の欠格事由(他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者。以下「本件欠格事由」という。)に該当する(したがって,同法5条の4第1項ただし書に規定する者〔同法5条の許可の基準に適合しない ため猟銃の所持の許可を受ける資格を有しないと認められる者〕に該当する ことから,同法9条の5第2項に定める射撃教習資格の認定の除外事由に該当する。)ことを理由に,本件申請に係る射撃教習 ため猟銃の所持の許可を受ける資格を有しないと認められる者〕に該当する ことから,同法9条の5第2項に定める射撃教習資格の認定の除外事由に該当する。)ことを理由に,本件申請に係る射撃教習資格につき不認定とする処分(以下「本件処分」という。)をした。 本件は,原告が,①原告につき本件欠格事由に該当するとした東京都公安委員会の判断は誤りであること,②本件処分は行政手続法(以下「行手法」 という。)8条1項本文所定の理由提示義務に違反してされたものであることを理由に,本件処分の違法を主張して,その取消しを求める(以下,この請求を「本件取消請求」という。)とともに,本件申請に対する認定処分の義務付けを求める(以下,この請求を「本件義務付け請求」という。)事案である。 1 関係法令等の定め(1) 本件に関する銃刀法の定めは,別紙2記載のとおりである。 (2) 審査基準東京都公安委員会は,行手法5条3項に基づき,銃刀法9条の5第2項に定める射撃教習資格の認定申請に係る審査基準(以下「本件審査基準」とい う。)を公にしているところ,本件審査基準は,「法5条1項18号の『相当の理由』とは,銃砲又は刀剣類の所持の許可を受けた者の現時点及び過去の言動,生活環境や周囲の人間関係等から,当該所持の許可を受けた者が,銃砲又は刀剣類を使用して他人の生命,身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し,又は自殺をするおそれがあることが,社会的に見て客観的・合理 的に存在すると認められる場合等をいう。」と定めている(乙12)。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告は,昭和41年▲月▲日生まれの男性である(甲5)。 (2) 12)。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告は,昭和41年▲月▲日生まれの男性である(甲5)。 (2) 前回申請について ア原告は,平成24年4月3日,東京都公安委員会に対し,射撃教習資格 の認定申請(以下「前回申請」という。)をした。 イ警視庁石神井警察署(以下「石神井署」という。)生活安全課警部補F(以下,その後の役職の変動にかかわらず,当時の役職に従って「F警部補」という。)は,前回申請に関し,原告が銃刀法5条の4第1項ただし書に規定する者に該当するか否かについての調査(以下「前回調 査」という。)を開始したところ,原告には以下の犯罪歴があることが判明した。 (ア) 平成6年11月1日,道路交通法(以下「道交法」という。)違反により検挙され,罰金1万円の有罪判決を受けた。 (イ) 平成8年5月19日,軽犯罪法1条2号違反(凶器携帯)により検 挙された(刑事処分は不明)。 (ウ) 平成15年4月15日,運転免許の効力停止処分を受けていた期間中に車両を運転したため,道交法違反(無免許運転)により現行犯逮捕され,罰金20万円の有罪判決を受けた。 (エ) 平成19年3月18日,軽犯罪法1条2号違反(凶器携帯)により 検挙され,起訴猶予を理由とする不起訴処分を受けた。 (以下,上記の各犯罪歴を順次,「平成6年道交法違反」,「平成8年軽犯罪法違反」,「平成15年道交法違反」及び「平成19年軽犯罪法違反」という。)ウ原告は,平成24年5月23日,前回申請を取り下げた。 (3) 本件申請についてア原告は,平成25年11月15日,東京都 違反」及び「平成19年軽犯罪法違反」という。)ウ原告は,平成24年5月23日,前回申請を取り下げた。 (3) 本件申請についてア原告は,平成25年11月15日,東京都公安委員会に対し,銃刀法9条の5第2項に基づく射撃教習資格の認定申請(本件申請)をした。 イ東京都公安委員会(処分行政庁)は,平成27年11月25日付けで,原告に対し,本件申請に係る射撃教習資格につき不認定とする処分(本 件処分)をし,本件処分の理由につき次のとおり記載した書面によりこ れを通知した(甲1。以下,上記書面に記載された処分理由を「本件不認定理由」という。)。 「あなたは,粗暴な言動を繰り返しており,銃砲刀剣類所持等取締法第5条第1項第18号に規定する他人の生命,身体若しくは財産若しくは公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者 に該当すると認められることから,教習資格を認めない。」ウ原告は,平成28年1月14日,東京都公安委員会に対し,本件処分に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)をした。 エ東京都公安委員会は,平成28年9月2日,本件異議申立てを棄却するとの決定をした。 オ原告は,平成28年11月22日,本件訴えを提起した。 3 争点(1) 原告は本件欠格事由に該当するか(2) 本件処分は行手法8条1項本文所定の理由提示義務に違反してされたものか 4 争点に関する当事者の主張の要旨は,別紙3のとおりである(なお,別紙3において定義した略語は,本文中でも用いることとする。)。 第3 当裁判所の判断当裁判所は,本件取消請求については,原告は本件欠格事由に該当すると認められる(争点(1 である(なお,別紙3において定義した略語は,本文中でも用いることとする。)。 第3 当裁判所の判断当裁判所は,本件取消請求については,原告は本件欠格事由に該当すると認められる(争点(1))ものの,本件処分が行手法8条1項本文所定の理由提示 義務に違反してされたものである(争点(2))ことから,同違反による違法を理由に同請求を認容すべきものと判断し,他方,本件義務付け請求については,理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由の詳細は,以下のとおりである。 1 認定事実 前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認めら れる。 (1) 前回申請について(後掲の証拠に加え,乙21及び証人F)ア原告は,前回申請時に提出した経歴書(以下「前回経歴書」という。)の犯歴欄に,次の①及び②のとおり記載した。なお,前回経歴書の備考には,申請人が記載するに当たっての留意事項として,犯歴欄に罰金 以上の刑が定められた罪に当たる違法な行為について記載すべき旨が記載されている。(乙2)① (年月日の記載なし)(犯歴の内容として) 交通違反② (年月日として) 平成16年ごろ (犯歴の内容として) 軽犯十徳ナイフイ原告は,F警部補から,警察の取調べや検挙等の経験について聴取された際,交通違反で何度か切符を切られたことがある旨や,平成16年ころα駅で十徳ナイフを所持していたことを理由に取調べを受けた旨を述べたにとどまり,平成6年道交法違反及び平成15年道交法違反につい ては,言及しなかった(乙3)。 ウ前回調査に当たったF警部補は,原告の近隣住民や親戚,勤務先等の周辺者に対する聞き取り調査(以下「聞き取り調査」という。)を実施し, 年道交法違反につい ては,言及しなかった(乙3)。 ウ前回調査に当たったF警部補は,原告の近隣住民や親戚,勤務先等の周辺者に対する聞き取り調査(以下「聞き取り調査」という。)を実施し,10名前後の者から話を聞いたところ,以下の(ア)~(オ)のとおり,本件被聴取者ら5名(別紙3の1(1)イ①参照)が,原告に猟銃を所持させる ことに反対である旨の意見を述べた。その余の者は,原告に猟銃を所持させることにつき反対の意見を述べなかったが,賛成する意見も述べなかった。また,本件被聴取者らはいずれも,原告からの報復を恐れ,聴取内容を原告に知らせないようにしてほしい旨希望した。(乙3,4の3~7)(ア) 本件被聴取者Aは,平成24年4月17日及び同月28日の聴取に おいて,原告の性格は短気であり,物によく当たる,暴言を吐かれたこ とがある,人や動物を傷つけるなど非常識で危ない行動をする人である,銃を持たせたら危険なので絶対に許可をしないでほしい,逆恨みして仕返しされることが怖いので話したことは絶対に言わないでほしいなどと述べた(乙4の3)。 (イ) 本件被聴取者Bは,平成24年4月9日の聴取において,原告は気 が短く,罵声をしょっちゅう浴びせていた,動物を虐待しても何とも思わない性格である,自分勝手な性格で何をしでかすか分からない,銃で動物を傷つけたり,苛立つと人に銃を向けて危害を加えたりする可能性も十分にあると思うので,銃を持たせるのは危険であるなどと述べた(乙4の4)。 (ウ) 本件被聴取者Cは,平成24年4月9日の聴取において,原告は銃の管理をしっかりすることができるような性格ではなく,原告の銃の所持には反対であるなどと述べた(乙4の5)。 (エ) 本件被 ) 本件被聴取者Cは,平成24年4月9日の聴取において,原告は銃の管理をしっかりすることができるような性格ではなく,原告の銃の所持には反対であるなどと述べた(乙4の5)。 (エ) 本件被聴取者Dは,平成24年4月13日,同年5月6日及び同月11日の聴取において,原告が銃を持つことに不安を感じている,原告 は動物の命を何とも思っていないので,銃を持って人や動物に危害を加えることがあったら大変である,原告には法律を守ろうという気持ちはないと思う,何らかの理由でトラブルとなったことがある,原告の性格は短気でけんか早く,自分勝手な性格である,何かあってからでは遅いので絶対に許可しないでほしいなどと述べた(乙4の6)。 また,本件被聴取者Dが石神井署長に対して提出した平成24年5月11日付け書面(乙13)には,原告につき,「小さい頃から知っていますが,短気で自分勝手な性格で,話し合いもしっかりできません。」「過去には交通違反を何度も繰り返して免許が取り消しになったこと,(中略)動物の命を軽く見ていること等から,法律を守る性格ではなく, むしろ何をしてもおかしくない性格で,銃を持ったら人や動物に危害を 加える可能性は十分にあると思っています。」「何を考えているのか分かりません。」「今も昔と性格などはまったく変わっていません。」「絶対に銃の許可しないよう,お願い致します。」などと記載されている。 (オ) 本件被聴取者Eは,平成24年4月13日の聴取において,原告は とにかく自分勝手な性格で,ものの善し悪しの判断ができない,銃を持つことは原告の性格から非常に危ないので絶対反対である,絶対に許可しないようお願いする,何かあってからでは遅いなどと述べた(乙4の7)。 なお で,ものの善し悪しの判断ができない,銃を持つことは原告の性格から非常に危ないので絶対反対である,絶対に許可しないようお願いする,何かあってからでは遅いなどと述べた(乙4の7)。 なお,上記(ア)~(オ)の本件被聴取者らの陳述等は,上記のような各評 価に関わる原告の具体的な言動を明らかにした上でされたものであった(乙21及び証人F)。 (2) 本件申請について(後掲の証拠に加え,乙22及び証人G)ア原告は,本件申請時に提出した経歴書(以下「本件経歴書」という。)の犯歴欄に,次の①及び②のとおり記載した。なお,本件経歴書の備考 欄の記載は前回経歴書と同様である。(乙7)① (年月日として) 平成10年(犯歴の内容として) 練馬石神井免許取消し② (年月日として) 平成25年(犯歴の内容として) 交通違反・平成18年から平成25年無違反, 以前の記録経歴証明書記載なしイ本件申請に係る調査(以下「本件調査」という。)に当たったG巡査部長は,前回調査における被聴取者を含む15名前後の者に対して聞き取り調査を行ったところ,以下の(ア)~(オ)のとおり,本件被聴取者ら5名(前回調査において前記(1)ウのとおり回答した本件被聴取者A~Eと 同じ。)は,原告に猟銃を所持させることに引き続き反対である旨の意 見を述べた。その余の者は,原告に猟銃を所持させることにつき反対の意見を述べなかったが,賛成する意見も述べなかった。また,本件被聴取者らのうち約2名は,自ら積極的に,聴取内容を原告に知らせないようにしてほしいと懇願し,その余の者も,聴取内容を原告に知られない方がいいかとの質問に対し,聴取内容を原告に知らせてほしくない旨を 述べた。(乙8の1~5 積極的に,聴取内容を原告に知らせないようにしてほしいと懇願し,その余の者も,聴取内容を原告に知られない方がいいかとの質問に対し,聴取内容を原告に知らせてほしくない旨を 述べた。(乙8の1~5,14,証人G16頁)(ア) 本件被聴取者Aは,平成25年12月5日,平成26年1月10日及び平成27年2月28日の聴取において,原告は異常な性格で何を考えているのか分からないため,銃を持つことに絶対反対である,もともと短絡的で短気で粗暴な人間であり,自分に気にくわないことがあると, 怒鳴りつけたり,物に当たったりしていた,このような人に銃を持たせたら何をされるか分からず恐ろしいなどと述べた(乙8の1)。 (イ) 本件被聴取者Bは,平成26年1月15日,平成27年6月4日及び同年10月10日の聴取において,原告は短気な性格である,動物虐待の話などを聞くことがある,猫や鳩にエアガンを撃ったりしているの を実際に見たことがある,物を投げたり,何か壊したりするところをよく目にした,身勝手な性格は変わらないと思うし,思いつきで何をするかわからない人間である,銃で動物や物に危害を加えることも十分に考えられるので,原告に銃を持たせるのは危険なことだと思うなどと述べた(乙14)。 (ウ) 本件被聴取者Cは,平成25年12月5日の聴取において,原告は短気である,怒っているところを見た,原告の性格からして銃を持ったら何をするか分からない,原告の銃の所持には賛成できないなどと述べた(乙8の3)。 (エ) 本件被聴取者Dは,平成25年12月14日の聴取において,原 告は動物虐待を繰り返すなど素行に問題がある,トラブルを起こしたこ とがある,性格は自分勝手で,短気でけんか早い,原告が銃を持つこと は,平成25年12月14日の聴取において,原 告は動物虐待を繰り返すなど素行に問題がある,トラブルを起こしたこ とがある,性格は自分勝手で,短気でけんか早い,原告が銃を持つことについては絶対反対であるなどと述べた(乙8の4)。 (オ) 本件被聴取者Eは,平成25年12月24日の聴取において,原告は自分勝手な性格で,周りの意見に耳を傾けず,何を考えているのか分からない,怒鳴るなどの問題もある,原告の性格から銃を持たせること は危険である,銃を持たせたら何をするか分からない,原告の銃の所持について絶対反対であるなどと述べた(乙8の5)。 なお,上記(ア)~(オ)の本件被聴取者らの供述は,上記のような各評価に関わる原告の具体的な言動を明らかにした上でされたものであった(乙22及び証人G)。 ウ G巡査部長は,平成26年1月10日,原告に対する再聴取を行い,①経歴書における犯歴欄の記載が不備であったことに関する理由の確認,②経歴書に記載義務のない犯歴(平成8年軽犯罪法違反,平成19年軽犯罪法違反)の詳細の確認,③原告の素行についての追加調査等を行った。 上記①につき,G巡査部長から,犯歴照会の結果(罰金以上の刑が定められた犯罪歴として,平成6年道交法違反及び平成15年道交法違反があること)を指摘した上,本件経歴書の犯歴欄における記載内容(前記ア)との相違について質問したところ,原告は,(ア)違反はしたが,いつ頃違反をしたのか,いくら罰金を払ったのか,何回違反をしたのか全 然覚えておらず,真実と異なることを書いてはいけないと思い,書くことができなかった,(イ)警視庁のホームページによれば,欠格事由につき刑の執行から5年を経過していないものとされていたため,古い犯罪歴を えておらず,真実と異なることを書いてはいけないと思い,書くことができなかった,(イ)警視庁のホームページによれば,欠格事由につき刑の執行から5年を経過していないものとされていたため,古い犯罪歴を記載する必要はないと思ったなどと述べた。さらに,原告は,逮捕された事実について質問されると,泊まりはあったかもしれないが何の 違反のときだったか覚えていないと述べた。 上記②につき,原告は,平成8年軽犯罪法違反については,今回質問されるまで忘れていた,知人の家に行く途中で,やたら元気のいい年下の警察官に職務質問された,車にげんのうを積んでいたと思う,友達からもらったものを車に積みっぱなしにしていたなどと述べた。また,平成19年軽犯罪法違反については,α駅構内でスイス製の十徳ナイフを所 持していたが,持っていていけないものだとは夢にも思っていなかった,職務質問のときに年下の警察官から「おい,貴様」と言われ,警察官の扱いに腹が立ったなどと述べた。 上記③につき,原告は,おもちゃの銃は持っているかとの質問に対し,ハンドガンは友達にもらったりした,がらくたの中にあるかもしれない, 買ったことはないと回答し,長物を持っていたかとの質問に対しては,購入について濁して答えなかった。 そのほか,原告は,βにおいて,少年に絡まれ,トラブルになり,いきなり突き飛ばされて右太ももをナイフで刺されたことがあるなどと述べた。(以上につき,乙9の1及び2,原告本人) (3) 原告による動物虐待についてア F警部補及びG巡査部長は,本件訴訟において証人として出廷し,前回調査及び本件調査における聞き取り調査について証言したが,その際,本件被聴取者らからの具体的な聞き取り状況については,当該被聴取者の特 警部補及びG巡査部長は,本件訴訟において証人として出廷し,前回調査及び本件調査における聞き取り調査について証言したが,その際,本件被聴取者らからの具体的な聞き取り状況については,当該被聴取者の特定に至らないと考えられる限度において明らかにした。これらの証 言によれば,本件被聴取者のうち少なくとも3名は,原告による動物虐待の具体的な態様を述べており(証人G18頁),これには,前記(2)イ(イ)で本件被聴取者Bが述べたような猫や鳩にエアガンを撃つ行為が含まれており,また,虐待の対象となった動物に傷を負わせるような態様のものが含まれていた(証人F20頁,証人G19頁)。そして,上記 の3名によるこれらの供述は,それぞれが個別の具体的なエピソードを 伴うものであった(証人G17~18頁)。 イ前記(1)ウ及び(2)イのとおり,前回調査における聞き取り調査の対象となった本件被聴取者ら5名については,本件調査においても聞き取り調査の対象とされている上,前回調査において本件被聴取者Aにつき2回,同Dにつき3回の聴取が行われ,本件調査において本件被聴取者Aにつ き3回,同Bにつき3回の聴取が行われている。このように,1回の調査の中でも一部の被聴取者につき複数回の聴取が行われたのは,本件被聴取者らの供述のうち特に慎重な吟味を要するものについて,複数回にわたる聴取を通じてその供述内容に矛盾や不整合があるか否かを確認するためであった(証人F14頁)。 そして,このような慎重な吟味をしつつ本件被聴取者らに対する聞き取り調査が実施された結果,上記アのとおり,少なくとも3名の者から,原告による動物虐待の具体的な態様に関する供述が得られ,これらの供述には相互に矛盾や不整合は見られなかった(証人F18頁,証人G17頁 調査が実施された結果,上記アのとおり,少なくとも3名の者から,原告による動物虐待の具体的な態様に関する供述が得られ,これらの供述には相互に矛盾や不整合は見られなかった(証人F18頁,証人G17頁)。 これらの供述に接し,F警部補は,原告の行為に関するエピソードは背筋が凍るような気持ちを抱かせるものであるとの印象を受け,G巡査部長は,当該行為が目撃されたとしたら,その目撃者はびっくりし,近くにそういう人が住んでいると思うと怖いと感じるであろうとの印象を受けた(乙21,証人G19頁)。 ウ本件被聴取者らには,警察の聞き取り調査に対し虚偽の事実を述べて原告に対し殊更に不利益を与えようとする動機となるような事情はうかがわれない。なお,原告自身も,本件訴訟において,親戚や仕事仲間等の周辺者につき,原告に殊更に不利益となるような供述をする者の心当たりはない旨供述している(原告本人23頁,25頁)。 (4) 平成15年道交法違反について 平成15年道交法違反に係る原告の行為の態様は,運転免許の効力停止処分を受けていた期間中に車両を運転し,小学校のスクールゾーンにおいて,通学時間帯であったにもかかわらず,クラクションを鳴らしながら車両を暴走させたというものであった。なお,原告が無免許運転をした事実については,前回調査における犯罪歴の調査により判明したものであり(前提事実 (2)イ,乙4の2),具体的な走行態様については,前回調査における聞き取り調査によって判明したものである(証人F4頁)。 原告は,平成15年道交法違反によって現行犯逮捕され,警察署の留置施設に留置された後,罰金20万円の有罪判決を受けた(前提事実(2)イ(ウ),証人F5頁,原告本人13頁)。 )。 原告は,平成15年道交法違反によって現行犯逮捕され,警察署の留置施設に留置された後,罰金20万円の有罪判決を受けた(前提事実(2)イ(ウ),証人F5頁,原告本人13頁)。 2 事実認定の補足説明(1) 証人F及び証人Gの証言の信用性について証人F及び証人Gは,上記1の認定事実に沿う内容の供述をするところ,上記両証人において虚偽の供述をする動機となるような事情は見受けられない。そして,上記両証人とも銃の所持に関する申請に係る業務を相当数担当 したことがあるにもかかわらず,聞き取り調査の対象者が申請人の銃の所持に反対する旨の意見を述べた事案は原告の申請に係るもののみであったというのであり(証人F2頁,証人G7~8頁),原告の申請に係る聞き取り調査は上記両証人において強く印象に残ったものと考えられる。また,上記両証人は,聞き取り調査を行った際に,本件被聴取者らから聞き取った内容に つき,被聴取者ごとに聴取内容を記載した書面を作成しており(本件調査においては聴取日ごとに作成している。),上記両証人の証言する聞き取り調査の実施は,これらの書面によっても裏付けられているものといえる。上記両証人は,本件被聴取者らからの具体的な聞き取り状況について,当該被聴取者の特定に至らないと考えられる限度においてしか明らかにできないとい う制約はありながらも,本件被聴取者らのうち数名の者から聴取内容を原告 に知られないよう懇願された様子や,原告の言動につき聞き取った内容から受けた自己の印象について,率直に述べている(証人F7頁,20頁,証人G16~17頁,19頁)。 以上によれば,上記両証人の上記1の認定事実に係る各証言は,いずれも,本件被聴取者らからの聴取内容について正確な記憶に基づき供述 直に述べている(証人F7頁,20頁,証人G16~17頁,19頁)。 以上によれば,上記両証人の上記1の認定事実に係る各証言は,いずれも,本件被聴取者らからの聴取内容について正確な記憶に基づき供述しているも のと認められ,信用性が高いということができる。 (2) 原告の供述の信用性について原告は,本人尋問において,①猫や鳩にエアガンを撃ったことはなく,その他動物虐待といえるような行為もしたことがない,②平成15年道交法違反に係る行為態様につき,スクールゾーンの指定外の時間帯である午前8時 30分以降において走行したものであり,クラクションを鳴らしながら走行したこともない旨供述する。 しかしながら,上記①については,上記(1)のとおり信用性の認められる証人F及び証人Gの各証言及び前記1(3)の各事情に照らせば,原告が動物虐待を行った事実については少なくとも3名の者が供述しており,その中に は,エアガンを用いて猫や鳩を撃つという,動物虐待行為の具体的態様に関する供述も含まれていたのであり,しかも,本件聴取者らには殊更に原告に不利益となるような供述をする動機は見受けられず,本件被聴取者らの供述には相互に矛盾するような内容も見当たらないのであるから,これに反する原告の供述は信用することができない。 また,上記②については,原告は平成15年道交法違反によって現行犯逮捕され,20万円の罰金刑に処せられた(認定事実(4))にもかかわらず,本件調査における原告の再聴取において,道交法違反についてはその日時や回数等を全く覚えていないなどと述べていたこと(認定事実(2)ウ)に照らせば,平成15年道交法違反に係る車両の走行態様についてその詳細を述べ る原告の供述は信用し難い(なお,原告は,平成15年道交法違反の態様 ていないなどと述べていたこと(認定事実(2)ウ)に照らせば,平成15年道交法違反に係る車両の走行態様についてその詳細を述べ る原告の供述は信用し難い(なお,原告は,平成15年道交法違反の態様に つき記憶が曖昧であると主張していた〔原告第3準備書面〕ものであるところ,原告本人尋問において,突如として,上記②のような詳細な供述をするに至ったものである。)。他方,前記1(4)のとおり,平成15年道交法違反に係る車両の走行態様については,前回調査における聞き取り調査の結果判明したものであり,その聴取内容について虚偽であることをうかがわせる 事情が認められないことは前記1(3)ウのとおりである。したがって,原告の上記②の供述も信用することができない。 3 争点(1)(原告は本件欠格事由に該当するか)について(1) 銃砲刀剣類は,その利用目的が多様であり,社会生活上有用なものもあるが,人畜を殺傷する機能を有していることから,凶器として各種犯罪の手 段に使用される危険性があり,また,事故が発生した場合の危害が大きい。 このような危害を防止することを目的として,銃刀法は,銃砲刀剣類の所持,使用等に関する危害予防上必要な規制について定めており(1条),銃砲刀剣類の所持については,原則としてこれを禁止し,許可制とした上(3条1項3号,4条,7条の3),5条において,危害を予防する観点から,銃砲 刀剣類の所持を許可してはならない各種の事由(欠格事由)を定めている。 このうち,同条1項18号は,同項1号から17号までの類型的な事由に直接該当しない場合であっても,「他人の生命,身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し,又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」を欠格事由とするものである。 事由に直接該当しない場合であっても,「他人の生命,身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し,又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」を欠格事由とするものである。 上記のとおり,銃刀法の趣旨が銃砲刀剣類によりもたらされる危害の予防を目的とするものであり,銃刀法においては銃砲刀剣類の所持が原則として禁止されていること,また,同法5条1項1号から17号までにおいて規定されている類型的な欠格事由は危害発生の抽象的な可能性を示すものであることに照らすと,同項18号にいう,他人の生命,身体等を害する「おそ れ」とは,他人の生命,身体等に対する危害が具体的,現実的に発生する可 能性があることを要求するものではなく,将来において危害が発生する抽象的な可能性が存在することをもって足りると解するのが相当である。 また,銃刀法5条1項18号は,上記の「おそれ」につき,おそれがあると認めるに足りる「相当な理由がある」ことをもって欠格事由に当たると定めているところ,このような同号の文理と,公共の安全を確保するこ とが,個人の生命,身体及び財産の保護に任じ,犯罪の予防,鎮圧及び捜査等に当たる警察の責務と密接に関連するものであること(警察法2条1項)に照らすと,同号所定の欠格事由該当性の判断については,都道府県警察を管理するものとして置かれている都道府県公安委員会(同法38条3項)の合理的判断に委ねる趣旨であると解するのが相当である。 以上のとおりであるから,銃刀法5条1項18号所定の欠格事由があるといえるか否かについては,申請人につき,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害する抽象的な可能性が存在するとした都道府県公安委員会の判断が,合理的な根拠を有するものか否かという観点から審査する るか否かについては,申請人につき,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害する抽象的な可能性が存在するとした都道府県公安委員会の判断が,合理的な根拠を有するものか否かという観点から審査するのが相当である。 (2) 本件についてこれをみると,聞き取り調査の対象となった約15名(そのうち,前回調査及び本件調査を通じて対象となった者は約10名)のうち,5名の者(本件被聴取者ら)が,原告の性格につき,短気,自分勝手,粗暴,非常識,異常な性格,けんか早い,何をするか分からない,周りの意見に耳を傾けない,ものの善し悪しの判断ができない,法律を守る性格ではないな どと評した上で(被聴取者によって表現は異なるものの,原告の性格に関する評価はおおむね一致している。),原告に銃を持たせると危険であるなどとして,原告の銃の所持に反対する意見を述べている。そして,本件被聴取者らは,このような反対意見を述べるに当たり,原告の具体的な言動につき,暴言を吐いた,罵声をしょっちゅう浴びせていた,気にくわないことがある と怒鳴りつけたり,物に当たったりする,トラブルになったことがあるなど と指摘している。 特に,原告による動物虐待については,本件被聴取者らのうち少なくとも3名の者から,その虐待の具体的な態様に関し,それぞれ個別の具体的なエピソードを伴う供述が得られており,その中には,猫や鳩にエアガンを撃つ行為が含まれ,また,虐待の対象となった動物に傷を負わせるような態様の ものが含まれていた。そして,これらの供述における虐待行為の態様は,調査に当たったF警部補及びG巡査部長をして,当該行為を目撃する者を驚かせ,背筋が凍るような気持ちを抱かせるものであるとの印象や,当該行為をするような者が近隣に居住していると思うと怖 行為の態様は,調査に当たったF警部補及びG巡査部長をして,当該行為を目撃する者を驚かせ,背筋が凍るような気持ちを抱かせるものであるとの印象や,当該行為をするような者が近隣に居住していると思うと怖いと感じるであろうとの印象を抱かせるようなものであった。 本件被聴取者らによるこれらの供述は,前回調査に続いて本件調査においても本件被聴取者らにつき重ねて聞き取り調査が行われた上,1回の調査の中でも一部の者につき複数回の聴取を実施するなどの慎重な方法によりその供述内容が吟味された結果,相互に矛盾や不整合は見られなかったことや,また,本件被聴取者らのいずれにおいても殊更に原告の不利益となるような 虚偽の供述をする動機がうかがわれないことに照らせば,信用性があるということができる。 以上によれば,本件被聴取者らの供述する原告の具体的な言動,原告の性格に対する評価及び原告の銃の所持に対し反対する旨の意見は,原告につき,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害するおそれの存在を基礎 付けるものといえる。 (3) また,原告は,4件もの犯罪歴を有しており,そのこと自体,法令を遵守しようとする態度に欠けることを示すものといえるところ,そのうち2件(平成6年道交法違反及び平成15年道交法違反)については罰金刑に処せられ,特に平成15年道交法違反に係る行為の態様は,運転免許の効力停止 処分を受けていた期間中に車両を運転し,小学校のスクールゾーンにおいて, 通学時間帯であったにもかかわらず,クラクションを鳴らしながら車両を暴走させたという悪質かつ危険なものであり,その余の2件についても軽犯罪法違反(凶器携帯)を被疑事実とするものであって,いずれも原告につき他人の生命,身体等を害するおそれの有無を検討する上 ら車両を暴走させたという悪質かつ危険なものであり,その余の2件についても軽犯罪法違反(凶器携帯)を被疑事実とするものであって,いずれも原告につき他人の生命,身体等を害するおそれの有無を検討する上で軽視することができないものといえる。 さらに,前回経歴書及び本件経歴書の犯歴欄に平成6年道交法違反及び平成15年道交法違反を記載すべきであったのにこれらを記載しなかったことは,所定の手続を遵守しなかったことを示すのみならず,原告が前回調査時及び本件調査時においてこれらの違反行為や逮捕された事実についてほとんど覚えていなかったために上記の記載をしなかったと述べていることや,上 記の犯罪歴に係る行為について反省する態度も見られないこと(認定事実(2)ウ)に照らし,原告の規範意識が希薄であったことをうかがわせるものといえる。 (4) 以上のとおり,前回調査及び本件調査における本件被聴取者らに対する聞き取り調査の結果や,原告の犯罪歴及びこれに関する原告の認識等を考慮 すれば,原告につき,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害するおそれが存在し,銃刀法5条1項18号の欠格事由(本件欠格事由)に該当するものとした東京都公安委員会の判断は合理的な根拠を有するというべきであるから,その判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用は認められないというべきである。 4 争点(2)(本件処分は行手法8条所定の理由提示義務に違反してされたものか)について(1) 行手法8条1項本文が,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合に,申請者(名宛人)に対し,同時に当該処分の理由を示さなければならないとしている趣旨は,不利益処分(同法2条4号)の場合につい て定める同法14条1項本文と同様に,行政庁の判 処分をする場合に,申請者(名宛人)に対し,同時に当該処分の理由を示さなければならないとしている趣旨は,不利益処分(同法2条4号)の場合につい て定める同法14条1項本文と同様に,行政庁の判断の慎重と合理性を担保 してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解されるところ,同法8条1項本文に基づいてどの程度の理由を提示すべきかについても,同法14条1項本文に基づく理由の提示と同様に,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当 該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきものと解するのが相当である(平成23年最高裁判決参照)。また,提示すべき理由の内容及び程度は,特段の理由のない限り,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して当該処分がされたのかを,処分の相手方においてその記載自体から了知し得るものでなければならず,単に抽象的に処分の根拠 規定の該当条項を示すだけでは,それによって当該規定の適用の原因となった具体的な事実関係をも当然に知り得るような例外の場合を除いては,行手法の要求する理由の提示として十分ではないというべきである(最高裁昭和45年(行ツ)第36号同49年4月25日第一小法廷判決・民集28巻3号405頁参照)。 (2)ア銃刀法5条1項18号は,欠格事由につき,「他人の生命,身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し,又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」と定めているところ,いかなる場合に上記の「おそれ」があるといえるかは,上記の文言からは直ちに明らかではなく,本件審査基準(第2の1(2))も上記の「相当の理 ると認めるに足りる相当な理由がある者」と定めているところ,いかなる場合に上記の「おそれ」があるといえるかは,上記の文言からは直ちに明らかではなく,本件審査基準(第2の1(2))も上記の「相当の理由」につ き,「現時点及び過去の言動,生活環境や周囲の人間関係等から(中略)おそれがあることが,社会的に見て客観的・合理的に存在すると認められる場合をいう。」と定めるにとどまるから,申請に係る射撃教習資格につき不認定とする処分の理由として同号の欠格事由に該当する旨を指摘し又はその文言を記載しただけでは,具体的な事案においていか なる事実関係がこれに該当すると判断されたのかが明らかになるものと はいえず,いかなる事実関係に基づき当該処分がされたのかを申請者(名宛人)においてその記載自体から了知し得るとはいえない。 他方で,前記3(1)でみたとおり,銃砲刀剣類は凶器として各種犯罪の手段に使用される危険性があり,また,事故が発生した場合の危害が大きいことから,銃刀法は,5条1項1号から17号までの類型的な事由 に加え,同項18号において上記の欠格事由を定め,将来における危害が発生する抽象的な可能性が存在する場合には銃砲刀剣類の所持を許可してはならないこととし,その可能性の有無については都道府県公安委員会の合理的な判断に委ねているのであり,都道府県公安委員会又はその管理下にある都道府県警察において,当該申請者に係る犯罪歴を調査 したり,当該申請者やその周辺者から事情を聴取するなどして,上記判断の基礎となる情報を的確に収集することが前提とされていると解される。そして,このように収集される情報のうちには,情報収集の目的が上記のような将来における危害発生の可能性の有無の判断に関するものであるという事柄の性質からして 集することが前提とされていると解される。そして,このように収集される情報のうちには,情報収集の目的が上記のような将来における危害発生の可能性の有無の判断に関するものであるという事柄の性質からして,申請者の粗暴性や反社会性に関する 情報も含まれ得ることが当然に想定されるものといえる。このような情報について第三者から任意の提供を受ける場合には,提供を受けた内容を申請者(名宛人)に明らかにすると,当該第三者が,申請者(名宛人)から報復を受け,あるいは,報復を受けることに対する恐怖を抱きながら生活することを余儀なくされるなど,当該第三者の権利利益や生 活の平穏を害するおそれがあり,ひいては,将来,同種の処分をする際に,このようなおそれを懸念する第三者から有用な情報を的確に収集することができなくなるおそれも否定できない。そうすると,射撃教習資格の認定申請に対し銃刀法5条1項18号の欠格事由に該当するとして不認定処分をするに当たり,処分行政庁である都道府県公安委員会にお いて,上記のような第三者の権利利益等が害されないように配慮をし, 処分理由の告知においてもそのような配慮から情報提供をした第三者の特定につながるような事実関係の伝達を差し控えることにも,一定の合理性があるものということができる。また,上記のような将来における危害発生の可能性の有無の判断の基礎となる情報には,申請者の性格や生活状況,日常における言動など,その日時,場所や態様等を個別具体 的に明らかにすることが困難な情報も含まれ得ることが想定され,このことからも,申請者(名宛人)に告知される処分理由においてその事実関係の詳細を明らかにすることには,一定の限界を伴う面があることを否定できないものといえる。 イ以上のような銃刀法5条1項 ことからも,申請者(名宛人)に告知される処分理由においてその事実関係の詳細を明らかにすることには,一定の限界を伴う面があることを否定できないものといえる。 イ以上のような銃刀法5条1項18号及び本件審査基準の規定内容,射撃 教習資格の認定申請に関する処分の性質,処分に当たり収集される情報及びその収集方法(特に第三者からの情報収集)等に照らすと,申請に係る射撃教習資格につき不認定とする処分の理由として,単に同号に該当する旨を指摘し又はその文言を記載するだけでは,行手法8条1項本文に定める理由の提示として十分ではない一方,任意の情報を提供する 第三者の権利利益等の保護への配慮が必要な場合や,申請者の言動につきその日時,場所や態様等を個別具体的に明らかにすることが困難な場合もあり得ることを踏まえると,事実関係の詳細まで常に記載しなければならないということもできず,行政庁の恣意を抑制し,不服の申立てに便宜を与えるという理由提示の趣旨から,少なくとも,同号の欠格事 由該当性を基礎付ける事実関係につき,申請者の言動が問題とされているとすればそれがいかなるものであるのかが,抽象的であっても明らかにされることを要し,また,行政庁が処分に当たって考慮した事実関係の中に,情報提供者の保護への配慮を要しないもの(例えば,犯罪歴,申請者の供述,警察官によって現認された申請者の言動等)がある場合 には,これらに係る具体的内容(その日時,場所や態様等を含む。)に ついても,可能な範囲で明らかにされることを要するものと解するのが相当である。 ウ以上を踏まえて検討すると,本件処分の際に原告に対して提示された本件不認定理由は,銃刀法5条1項18号の欠格事由に該当する旨を指摘し,同号の文言を記載しているほかは,原 するのが相当である。 ウ以上を踏まえて検討すると,本件処分の際に原告に対して提示された本件不認定理由は,銃刀法5条1項18号の欠格事由に該当する旨を指摘し,同号の文言を記載しているほかは,原告が粗暴な言動を繰り返していた旨 を記載しているにすぎない(第2の2(3)イ)ところ,ここで問題とされている原告の粗暴な言動とはいかなるものであるかということが,抽象的にも明らかにされているとはいえないから,いかなる事実関係に基づき本件処分がされたのかを,処分の相手方である原告においてその記載自体から了知し得るとはいえないものと評価せざるを得ない。 また,本件不認定理由に記載された「粗暴な言動」という文言は,その通常の意味内容に照らして,本件処分の理由として被告により主張されている事実関係のうち,経歴書の犯歴欄への不正確な記載等の事情(被告主張事実⑤)を含むものと解することは困難であって,この点においても,いかなる事実関係に基づき本件処分がされたのかを,原告においてその記 載自体から了知し得るとはいえない。 したがって,本件不認定理由は行手法8条1項が要求する理由の提示として十分ではないといわざるを得ず,本件処分は同項本文の定める理由提示義務に違反してされた違法な処分であるというべきである。 (3) これに対し,被告は,本件被聴取者らが原告から報復されないよう,本 件不認定理由は本件被聴取者らを特定することができないような記載にとどめる必要があったと主張する。 しかしながら,本件訴訟において被告が主張する本件処分の処分理由のうち,原告の犯罪歴や,前回調査及び本件調査における原告の供述等については,これらを具体的に記載したとしても,本件被聴取者らの権利利益等を害 するおそれがあるとはいえない。 件処分の処分理由のうち,原告の犯罪歴や,前回調査及び本件調査における原告の供述等については,これらを具体的に記載したとしても,本件被聴取者らの権利利益等を害 するおそれがあるとはいえない。また,本件被聴取者らに対する聞き取り調 査によって得られた情報についても,原告の言動に係る日時,場所や態様等を個別具体的に明らかにしなくても,周辺者に対する聞き取り調査の結果,原告の銃の所持に反対の意見を述べる者が複数存在したこと,これらの者から,原告の性格につき短気,自分勝手といった指摘がされるとともに,原告の言動についても,人を怒鳴り付ける,物に当たるなどの指摘のほか,動物 虐待の具体的な指摘があったことなどの点については,これらの事実が現に本件訴訟において被告の主張立証を通じて明らかにされており,これにより本件被聴取者らの権利利益等が害されるおそれもうかがわれないことに鑑みれば,このような記載をすることに支障があったということはできない。 したがって,被告の上記主張は,本件処分について理由提示義務違反であ るとする上記判断を左右するものとはいえない。 (4) そのほか,被告は,原告が過去に粗暴な言動を繰り返した事実はない旨を主張して本件異議申立て及び本件訴えを提起していることからしても,本件不認定理由の提示が,名宛人による不服申立てに便宜を与えるという行手法8条1項本文の趣旨を没却しているとはいえない上,本件処分によって制 限される原告の権利利益は,将来における猟銃の所持という比較的軽微なものにとどまる旨主張する。 しかしながら,行手法8条1項本文は処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えるのみならず,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するという趣旨に出たものであるところ する。 しかしながら,行手法8条1項本文は処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えるのみならず,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するという趣旨に出たものであるところ,本件不認定理由 の記載によっては行政庁の判断の慎重と合理性が担保されているとはいえず,このことは原告が本件異議申立て及び本件訴えを提起したことをもって左右されるものではない。また,本件においては,上記(3)のとおり,原告につき本件欠格事由に該当するとの判断の基礎となった具体的な事実関係を了知し得るような記載をすることができた以上,本件処分によって制限される原 告の権利利益が被告主張のような性質のものであることによって,前記(2) の判断が左右されるものではない。 5 小括以上によれば,本件処分には行手法8条1項本文所定の理由提示義務に違反してされた違法があるから,本件取消請求は理由がある。他方,前記1でみたとおり,原告は本件処分当時において本件欠格事由に該当すると認められ,現 在までに本件欠格事由該当の基礎となる事情に変化があったことはうかがわれないから,東京都公安委員会が本件申請に対する認定処分をしないことがその裁量権の範囲を超え又はその濫用となる(行政事件訴訟法37条の3第5項)とは認められず,本件義務付け請求は理由がない。 第4 結論 よって,本件取消請求については認容し,本件義務付け請求については棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法64条本文,61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官清水知恵子 裁判官村松悠史 を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官清水知恵子 裁判官村松悠史 裁判官和田山弘剛は,転補につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官清水知恵子 (別紙1省略) (別紙3)争点に関する当事者の主張の要旨 1 争点(1)(原告は本件欠格事由に該当するか)について(1) 被告の主張の要旨 ア銃刀法は銃砲刀剣類によりもたらされる危害の予防を目的とするものであり,同法においては銃砲刀剣類の所持が原則として禁止されていること,また,同法5条1項1号から17号までにおいて規定されている類型的な欠格事由は危害発生の抽象的な可能性を示すものであることに照らすと,同項18号にいう「他人の生命,身体若しくは財産若しくは公 共の安全を害するおそれ」とは,将来における危害が発生する抽象的な可能性が存在することをもって足りると解される。 また,同項18号は,同号所定の「おそれ」につき,それがあると認めるに足りる「相当な理由がある」ことをもって,欠格事由に当たると定めているところ,このような同号の文理に加え,公共の安全を確保する ことが,警察法2条1項に定められている個人の生命,身体及び財産の保護に任じ,犯罪の予防,鎮圧及び捜査等その他公共の安全と秩序の維持に当たるという警察の責務と密接に関連するものであることに照らすと,本件欠格事由の有無の判断については,同法38条 ,身体及び財産の保護に任じ,犯罪の予防,鎮圧及び捜査等その他公共の安全と秩序の維持に当たるという警察の責務と密接に関連するものであることに照らすと,本件欠格事由の有無の判断については,同法38条3項に基づいて都道府県警察を管理する公安委員会の合理的判断に委ねる趣旨であると 解するのが相当である。 イ原告には,以下の①~⑥の事実(以下「被告主張事実①」などという。)が認められ,これらを総合的に考慮すれば,本件欠格事由に該当することは明らかである。 ① 前回調査に当たったF警部補が原告の素行を知る複数の者から意見聴 取をした際,原告に猟銃を所持させることに反対である旨の意見を述べ た5名の者(以下「本件被聴取者ら」といい,個別に表記する場合には「本件被聴取者A」などという。)が,原告の性格等について,短気,非常識で危ない行動をする,短絡的などと評価している事実② 本件被聴取者らが,原告の過去の粗暴な言動について,気にくわないことがあると,怒鳴りつけたり,物に当たったりしていた,猫や鳩にエ アガンを撃ったりしていたなど,具体的な事例を挙げていたという事実③ 本件被聴取者らが,原告に銃を持たせたら,何をされるか分からず恐ろしいなどの意見を添えて,反対の意思表示をしていた事実④ 原告は,本件申請当時,4件の犯罪歴を有し,そのうちの2件については道交法違反により有罪判決(罰金刑)を受け,また,その余の2件 についても,軽犯罪法1条2号違反(凶器の携帯)を被疑事実とするものであったという事実(なお,平成15年道交法違反は,原告が,平成15年4月15日,無免許運転を行ったため現行犯逮捕されたというものであり,その態様は,スクールゾーンにおいて,小学生の通学時間帯であ であったという事実(なお,平成15年道交法違反は,原告が,平成15年4月15日,無免許運転を行ったため現行犯逮捕されたというものであり,その態様は,スクールゾーンにおいて,小学生の通学時間帯であったにもかかわらず,クラクションを鳴らしながら車両を暴走させ たというものであった。)⑤ 原告が,平成15年道交法違反により現行犯逮捕された経歴を有するにもかかわらず,前回申請及び本件申請に係る各経歴書の犯歴欄にその旨を記載せず,その上,石神井署のG巡査部長(以下,その後の役職の変動にかかわらず,当時の役職に従って「G巡査部長」という。)から その不記載の理由について問われた際には,覚えていないと述べていた 事実 ⑥ 原告が,βで発生した無差別殺傷事件より前に,βにおいて,少年に絡まれてトラブルとなり,いきなり突き飛ばされて右太ももをナイフで刺されたことがある旨を述べていた事実 ウ被告主張事実①~③は,原告の素行を知る本件被聴取者らが原告の猟銃 所持に反対する理由を具体的に述べ,このうち4名が原告の粗暴な言動として具体的事例を述べたものであるから,前記アのような抽象的な可能性の有無を判断するに当たって,原告に対する評価,認識及び意見が考慮されるのは当然である。 また,被告主張事実⑤は,原告の遵法精神の欠如をうかがわせる具体的 な事実であり,また,被告主張事実⑥は,結果的に原告が被害に遭ったことを踏まえても,原告が他人とトラブルを起こしたことに変わりはなく,原告の粗暴性をうかがわせる具体的な事実であるから,本件処分に当たって考慮されることは当然である。 なお,原告は,本件被聴取者らの意見等につき,担当官による誘導の疑 いを指摘するが,本件被聴取者らか がわせる具体的な事実であるから,本件処分に当たって考慮されることは当然である。 なお,原告は,本件被聴取者らの意見等につき,担当官による誘導の疑 いを指摘するが,本件被聴取者らから意見を聴取したF警部補及びG巡査部長は,聴取内容をありのまま乙4の3~7及び乙8の1~5に記載したものであり,このことは本件被聴取者Dが提出した上申書(乙13)の内容からも裏付けられている。 (2) 原告の主張の要旨 ア被告主張事実①~③は,本件被聴取者らの評価,認識,意見を述べるものにすぎず,被告が主張する原告の粗暴な言動は何ら特定されていないから,本件欠格事由を基礎付ける事情とはなり得ない。 そもそも,原告は,猫や鳩にエアガンを撃ったりしたことはない。原告が所持していたエアガンはガスが入っておらず,使用不可能なものであっ た上,そのような事実があれば,原告は動物の愛護及び管理に関する法律違反で立件されているはずである。 被告が主張の根拠とする本件被聴取者らの供述については,これらがいずれもF警部補及びG巡査部長の伝聞にすぎないこと,本件被聴取者らが特定されていないこと,その供述内容を記載した書面はいずれも大部 分がマスキングされており,文意を把握できないことなどからすれば, 証拠価値はないといわざるを得ない。 なお,原告の職場の先輩に当たるHは,石神井署の担当者から電話による事情聴取を2回受けたところ,これらの事情聴取において,原告につきトラブルや問題となる点がないか,執拗に質問を受けたものであり,同担当者が原告の問題点をどうにかして挙げようとしていたことがうか がわれる。このことからすると,本件被聴取者らの供述は,石神井署の担当者による誘導を受けたものであるとの疑いがある。 り,同担当者が原告の問題点をどうにかして挙げようとしていたことがうか がわれる。このことからすると,本件被聴取者らの供述は,石神井署の担当者による誘導を受けたものであるとの疑いがある。 イ被告主張事実④は,本件不認定理由には全く記載されていなかったから,本件欠格事由を基礎付ける事情となり得ない。そもそも平成8年軽犯罪法違反及び平成19年軽犯罪法違反の2件は経歴書に記載する必要がなく, また,平成6年道交法違反及び平成15年道交法違反の2件はいずれも本件申請から10年以上も前のものであって,現在,原告は優良運転者の記載のある運転免許を有している。 なお,平成15年道交法違反に係る車両の走行は,スクールゾーンの指定外の時間帯(午前8時半以降)におけるものであり,クラクションを鳴 らしながら車両を走行させたこともない。被告が主張する走行態様は,本件被聴取者らの供述に基づくものと推測されるが,本件被聴取者らへの聞き取り調査が行われたのは平成15年道交法違反の9年以上も後であり,本件被聴取者らが正確な記憶を有しているはずがない。そもそも,平成15年当時に問擬されていない走行態様を本件において主張すること自体失 当である。 ウ被告主張事実⑤は,経歴書に正確な記載をしなかったというにとどまり,粗暴な言動を繰り返していたとの本件不認定理由とは関係がない。また,犯罪歴について,原告自身,正確な内容を覚えていなかったので,警察が把握している犯罪歴を見せてもらった上で,正確な記載をしようと考えて いたにもかかわらず,これを見せてもらうことができなかったため正確な 内容を記載できず,また,誤った内容を記載することにも問題があったため,その認識どおりに覚えていないと述べたものにすぎない。原告が犯罪 ,これを見せてもらうことができなかったため正確な 内容を記載できず,また,誤った内容を記載することにも問題があったため,その認識どおりに覚えていないと述べたものにすぎない。原告が犯罪歴を正確に記憶していない点を捉えて,法手続を軽視する傾向があると評価することはできない。 なお,原告は,前回申請当時,反則金と罰金の違いをよく理解していな かったが,交通違反によって金銭の納付を求められ,これを納付したことについては担当者に伝えていた。 エ被告主張事実⑥は,原告が右太ももをナイフで刺されるという被害を受けたものであって,本件欠格事由を基礎付ける事情とはなり得ない。 2 争点(2)(本件処分は行手法8条1項本文所定の理由提示義務に違反してさ れたものか)について(1) 原告の主張の要旨ア最高裁平成21年(行ヒ)第91号同23年6月7日第三小法廷判決・民集65巻4号2081頁(以下「平成23年最高裁判決」という。)に照らせば,行手法8条1項本文は,行政庁の判断の慎重と合理性を担保し てその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨に出たものと解される。したがって,提示される理由は,抽象的,一般的なものでは足りず,申請者が拒否の理由を明確に認識し得るものであることが必要である。 被告は,行手法8条1項本文に基づきどの程度の理由を提示するかにつ いては行政庁に一定の裁量が認められている旨主張するが,そのような理解は一般的ではなく,むしろ,処分が裁量処分である場合には,裁量統制の観点から,より詳細かつ丁寧な理由提示が求められるというべきである。 イ本件不認定理由は,銃刀法5条1項18号の文言を除けば「粗暴な言動を繰り返しており」としか記載されて ある場合には,裁量統制の観点から,より詳細かつ丁寧な理由提示が求められるというべきである。 イ本件不認定理由は,銃刀法5条1項18号の文言を除けば「粗暴な言動を繰り返しており」としか記載されておらず,原告が,いつ,誰に対し, どのような形で,具体的にどのような言動をしたのかといった基本的な事 実関係が全く明らかにされていない。 被告は,複数にわたる事実の全てを個別具体的に示すことは現実的でないなどと主張するが,複数の事実のうち主要なものを処分理由として提示する方法や,別紙に箇条書きでその概要を示す方法などが考えられ,これらは東京都公安委員会に何ら困難を強いるものではない。また,原告の犯 罪歴については,本件被聴取者らの特定やプライバシーと何ら関係がない。 ウしたがって,本件処分は,行手法8条1項本文所定の理由提示義務に違反してされた違法なものである。 (2) 被告の主張の要旨ア平成23年最高裁判決に照らせば,行手法8条1項本文に基づきどの程 度の理由を提示するかについては,一義的に定まるものではなく,当該処分の性質や内容,又は処分の理由となる事実関係の内容等に応じ,同項の趣旨を没却しない限度において,行政庁に一定の裁量が認められているものと解すべきである。 イ本件の調査において,本件被聴取者らの中には,原告から報復されるお それがあるので調査の際に述べた内容は絶対に原告に知らせないようにしてほしい旨を懇願する者がおり,調査の過程で判明した原告の粗暴性等を踏まえると,本件被聴取者らを保護する必要性が認められたことから,本件不認定理由においては本件被聴取者らを特定することができないような記載にとどめたものであり,このような判断は,行手法8条1項本文の趣 旨を踏まえても,必要 する必要性が認められたことから,本件不認定理由においては本件被聴取者らを特定することができないような記載にとどめたものであり,このような判断は,行手法8条1項本文の趣 旨を踏まえても,必要かつ合理的なものであったといえる。また,銃刀法5条1項18号所定の欠格事由に該当するといえるためには将来における危害が発生する抽象的な可能性をもって足りるところ,本件処分は,単一の事実を理由としてされたものではなく,調査の過程で判明した原告の性格,原告がこれまでに繰り返してきた粗暴な発言や行動,原告の素行を知 る者らの意見,原告の犯罪歴や申請手続における態度からうかがい知るこ とのできる原告の遵法精神の在り方といった,調査の過程で判明した一切の事項を総合的に検討した結果としてされたものであるから,原告が,いつ,誰に対し,どのような形で,具体的にどのような表現あるいは行動をとったのかを明記することによって網羅できるような性質のものではなく,調査の過程で判明した複数にわたる事実の全てを個別具体的に示さなけれ ばならないとすることは現実的ではない。この点について,本件処分の主たる理由となった被告主張事実①~③については,その内容を具体的に記載することによって本件被聴取者らが報復を受けるおそれが認められたから具体的な記載を控えざるを得ない事情が存した一方,従たる理由となった被告主張事実④~⑥のみを不認定の理由として記載することは,原告に 対し,あたかも被告主張事実④~⑥だけが本件処分の理由であるとの誤解を与えることとなり,相当でなかった。 また,本件不認定理由の文言からすれば,原告は,自身がこれまでに繰り返してきた粗暴な発言や行動全体を理由として銃刀法5条1項18号に該当するものと認められたことを容易に了知することが でなかった。 また,本件不認定理由の文言からすれば,原告は,自身がこれまでに繰り返してきた粗暴な発言や行動全体を理由として銃刀法5条1項18号に該当するものと認められたことを容易に了知することができるという べきである。原告が過去に粗暴な言動を繰り返した事実はない旨を主張して,本件異議申立て及び本件訴えを提起していることからしても,本件不認定理由の提示が,処分の理由を名宛人に知らせて不服申立てに便宜を与えるという行手法8条1項本文の趣旨を没却しているとはいえない。そして,射撃教習資格につき不認定とする処分によって受ける被処 分者の不利益は,憲法で保障される基本的人権の侵害とは異なり,将来における猟銃の所持ができなくなることにとどまるものである。 ウしたがって,本件処分は行手法8条1項本文所定の理由提示義務に違反してされたものとはいえない。 以上
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