- 1 - 主文 1 処分行政庁が,原告に対し,平成21年9月15日付けでした,生活保護停止処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求の趣旨主文と同旨第2 事案の概要本件は,生活保護を受給していた原告が,生活保護の決定及び実施に関する事務を行う処分行政庁から,自宅を売却すること,自動車を処分すること及び持病治療の受診先を近隣の医療機関とすることを指示されたにもかかわらず,同指示に違反したことなどを理由として,平成21年9月15日付けで上記生活保護の停止処分を受けたため,同処分は,生活保護法27条1項に基づく書面による指導指示が行われていないなど違法な処分であると主張して,その取消しを求める事案である。以下,特に断らない限り,平成21年である。 1 関連規定等(1) 生活保護法(以下「法」という。)ア 27条(ア) 1項〔都道府県知事等の〕保護の実施機関は,被保護者〔現に保護を受けている者をいう。以下同じ。〕に対して,生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。 (イ) 2項前項の指導又は指示は,被保護者の自由を尊重し,必要の最少限度に止めなければならない。 (ウ) 3項 - 2 -1項の規定は,被保護者の意に反して,指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。 イ 62条(ア) 1項被保護者は,保護の実施機関が〔中略〕27条の規定により,被保護者に対し,必要な指導又は指示をしたときは,これに従わなければならない。 (イ) 3項保護の実施機関は,被保護者が前2項の規定による義務に違反したときは,保護の変更,停止又は廃止をすることができる。 (ウ) 4項保護の実施機関は,前項の わなければならない。 (イ) 3項保護の実施機関は,被保護者が前2項の規定による義務に違反したときは,保護の変更,停止又は廃止をすることができる。 (ウ) 4項保護の実施機関は,前項の規定により保護の変更,停止又は廃止の処分をする場合には,当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては,あらかじめ,当該処分をしようとする理由,弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。 (2) 生活保護法施行規則(以下「施行規則」という。)19条法62条3項に規定する保護の実施機関の権限は,法27条1項の規定により保護の実施機関が書面によって行った指導又は指示に,被保護者が従わなかった場合でなければ行使してはならない。 (3) 本件処分当時において,本件に関連する厚生労働省の通達は以下のとおりである。 ア 「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和36年4月1日厚生省発社第123号厚生省事務次官通知)第3「資産の活用」(乙13)最低生活の内容としてその所有又は利用を容認するに適しない資産は,次の場合を除き,原則として処分のうえ,最低限度の生活の維持のために活用させること。 - 3 -なお,資産の活用は売却を原則とするが,これにより難いときは当該資産の貸与によって収益をあげる等活用の方法を考慮すること 1 その資産が現実に最低限度の生活維持のために活用されており,かつ,処分するよりも保有している方が生活維持及び自立の助長に実効があがっているもの 2 現在活用されてはいないが,近い将来において活用されることがほぼ確実であって,処分するよりも保有している方が生活維持に実効があがると認められるもの 3 処分することができないか,又は著しく困難なもの 4 売却代金よりも売却に要する経費が高 用されることがほぼ確実であって,処分するよりも保有している方が生活維持に実効があがると認められるもの 3 処分することができないか,又は著しく困難なもの 4 売却代金よりも売却に要する経費が高いもの 5 社会通念上処分されることを適当としないものイ 「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知)第11-2-(4)(乙17)法27条による指導指示は,口頭により直接当該被保護者(これによりがたい場合は,当該世帯主)に対して行うことを原則とするが,これによって目的を達せられなかったとき,または目的を達せられないと認められるとき,及びその他の事由で口頭によりがたいときは,文書による指導指示を行うこととする。当該被保護者が,文書による指導指示に従わなかったときには,必要に応じて法62条により所定の手続を経たうえ,〔中略〕保護の変更,停止又は廃止を行うこと。 ウ 「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1日社保第34号厚生省社会局保護課長通知)第11問答1(乙18)被保護者が書面による指導指示に従わない場合には,必要と認められるときは,法62条の規定により,所定の手続を経たうえ,保護の変更,停止又は廃止を行うこととなるが,当該要保護者の状況によりなお効果が期待されるときは,これらの処分を行うに先立ち,再度,法27条により書 - 4 -面による指導指示を行うこと。なお,この場合において,保護の変更,停止又は廃止のうちいずれを適用するかについては,次の基準によること。 1 当該指導指示の内容が比較的軽微な場合は,その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと。 2 1によることが適当でない場合は保護を停止することとし,当該被保護者が指導指示に 。 1 当該指導指示の内容が比較的軽微な場合は,その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと。 2 1によることが適当でない場合は保護を停止することとし,当該被保護者が指導指示に従ったとき,又は事情の変更により指導指示を必要とした事由がなくなったときは,停止を解除すること。 なお,保護を停止した後においても引き続き指導指示に従わないでいる場合には,さらに書面による指導指示を行うこととし,これによってもなお従わない場合は,法62条の規定により所定の手続を経たうえ,保護を廃止すること。 エ生活保護行政を適正に運営するための手引きについて(平成18年3月30日社援保発第0330001号,厚生労働省社会・援護局保護課長通知)「Ⅱ 指導指示から保護の停廃止に至るまでの対応」(乙19) 1 法27条による指導指示(1) 口頭による指導ア生活上の義務,届出義務及び能力活用等に関して,定期的に助言指導を行ってもその履行が十分でなく,法27条による指導指示が必要である場合には,処遇方針,ケース記録,挙証資料,指導の経過等を踏まえ,組織として対応を協議する。 イその結果,法27条による指導指示が必要とされた場合は,具体的に指導指示を行い,それに対する本人の意見,対応状況等をケース記録に詳細に整理,記録する。 ウ指導指示は,長期的に漫然と行わず,具体的に指導指示の内容,期間等を明示して行う。 エ法27条による指導指示は,口頭により直接当該被保護者(これ - 5 -によりがたい場合は,当該世帯主)に対して行うことを原則とする。 (2) 文書による指導一定期間,口頭による指導指示を行ったにもかかわらず,目的が達成されなかったとき,又は達成されないと認められるときに文書による指導指示を行う。 ア文書での指導 する。 (2) 文書による指導一定期間,口頭による指導指示を行ったにもかかわらず,目的が達成されなかったとき,又は達成されないと認められるときに文書による指導指示を行う。 ア文書での指導指示や保護の変更,停止又は廃止等が将来的に必要になると判断される場合は,口頭による指導指示の方法に準じ,ケース診断会議等に諮り,組織として,指導指示の理由,内容,時期等を検討しケース処遇の全般を含めた具体的な方針を決定する。 イ文書による指導指示は,指導指示書により,指導指示を行う理由,内容,対象者等を分かりやすく,具体的に記載する。また必要に応じて,過去の指導状況を勘案しつつ,個別ケースに即して適切な履行期限を定める。 ウ指導指示書には,法的根拠を明示し,指導指示に従わないとき(履行期限を定めたときは,その期限までに履行されないとき)は,保護の変更,停止又は保護が廃止されることがある旨を記載する。 エ指導指示書は,当該被保護者(これによりがたい場合は世帯主)に読み聞かせる等十分に説明したうえ手交し,受取証に署名等をさせる(手交の際,担当ケースワーカーだけでなく査察指導員が同席することが望ましい)。これによりがたい場合には,内容証明し郵送により行う。 オ文書による指導指示後も,その履行状況の把握,必要な助言指導等を行いケース記録にその状況を記載する。 2 保護の変更,停止又は廃止文書による指示を行っても正当な理由なく文書指示に従わない場合には,さらにケース診断会議に諮る等組織的に十分検討のうえ,弁明の - 6 -機会を与える等法62条4項による所定の手続を経たうえで保護の変更,停止又は廃止を行う。〔以下省略〕 2 前提事実(証拠等の掲記のない事実は,当事者間において争いがない。)(1) 当事者等ア原告は,住 等法62条4項による所定の手続を経たうえで保護の変更,停止又は廃止を行う。〔以下省略〕 2 前提事実(証拠等の掲記のない事実は,当事者間において争いがない。)(1) 当事者等ア原告は,住所地で一人暮らしをする昭和▲年▲月▲日生まれの男性であり,平成▲年▲月にA病院において○の手術を受け,現在は,その術後後遺症である免疫力の低下する○の治療を受けている者である。 原告は,平成15年7月当時,住所地に所有する自宅(以下「本件自宅」という。),兵庫県多可郡α所在の不動産(以下,「本件物件」といい,本件自宅と併せて「本件不動産」という。)及び自動車(平成4年式B。 以下「本件自動車」という。)を所有していたが,平成19年2月16日付けで本件物件を売却し,生活保護開始当時は,本件自宅と本件自動車を所有していた。(乙1~3,弁論の全趣旨)イ処分行政庁は,生活保護の実施機関である兵庫県知事の管理に属する行政庁として,同知事から委任を受けて,生活保護処分の決定及び実施に関する事務を行っている機関である。(弁論の全趣旨)(2) 本件保護原告は,6月26日,処分行政庁に対し,生活保護の申請を行い,同申請は,7月6日,兵庫県北播磨県民局加東健康福祉事務所(以下「本件事務所」という。)において受理された。(乙4,弁論の全趣旨)処分行政庁は,本件保護を開始するに当たり,原告に対し,①本件自宅を処分し,転居すること,②本件自動車を処分すること,③公共交通機関により受診可能な近隣医療機関に転院することなどの指導指示を行う旨の援助方針(以下,上記①~③項目を「本件誓約事項」という。)を決定し,原告は,8月10日,処分行政庁に対して本件誓約事項を遵守する旨の誓約書を提出した。(乙1(16,19枚目),6,8) - 7 -処分行政庁は,8 ③項目を「本件誓約事項」という。)を決定し,原告は,8月10日,処分行政庁に対して本件誓約事項を遵守する旨の誓約書を提出した。(乙1(16,19枚目),6,8) - 7 -処分行政庁は,8月11日,原告に対して,生活保護の開始時期を6月26日とする旨の保護開始決定(以下,当該決定に基づく生活保護を「本件保護」という。)を行った。(乙7)(3) 本件処分処分行政庁は,9月8日,原告に対し,原告が本件事務所の職員やβ町職員,地区民生委員ら(以下,これら本件保護に係る手続を担当した者らを併せて「担当職員ら」という。)との面会を忌避し,本件誓約事項も遵守していないとして,弁明の機会を付与する旨の通知を行った。 処分行政庁は,9月15日,原告の弁明の聴取を実施し,原告に対し,本件保護を停止する旨の処分(以下「本件処分」という。)を行った。(本件処分は争いがなく,その余は乙11)(4) 審査請求等原告は,10月7日,兵庫県知事に対し,本件処分に対する審査請求を行ったところ,兵庫県知事は,平成22年3月5日,同審査請求を棄却する旨の裁決をした。 原告は,同年4月5日,厚生労働大臣に対し,本件処分に対する再審査請求を行ったところ,厚生労働大臣は,同年8月25日,同再審査請求を棄却する旨の裁決をした。 (5) 訴訟提起原告は,同年12月15日,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著) 3 争点本件の争点は,本件処分の違法性であるが,主として次の点が争われている。 (1) 施行規則19条違反が,本件処分の取消事由となるか(争点1)(2) 本件自動車の処分に係る指導指示は違法か(争点2)(3) 転院に係る指導指示違反の事実があるか(争点3)(4) 本件処分が比例原則に反するか(争点4) - 8 - 4 争点に対す (2) 本件自動車の処分に係る指導指示は違法か(争点2)(3) 転院に係る指導指示違反の事実があるか(争点3)(4) 本件処分が比例原則に反するか(争点4) - 8 - 4 争点に対する当事者の主張(1) 争点1(施行規則19条違反)【被告の主張】ア本件では,担当職員らの経験不足もあり,原告に対して,書面による指導指示をすることなく,弁明の機会を付与し,本件処分を行っている。 イ(ア) この点につき,法27条に基づく指導指示を行うには書面で行わなければならないとする施行規則19条の趣旨は,法27条に基づく指導指示の違反が,保護の変更,停止又は廃止(以下「保護の変更等」という。)という法的効果をもたらすことから,実施機関において,指導指示の必要性及び内容の検討を慎重ならしめるとともに,指導指示を受けた者に対し,指導指示の存在及び内容を正確に知らしめる必要がある点にあると解される。 (イ) これを本件についてみると,原告は,本件保護開始以前から,再三にわたり,本件保護を受けるためには,本件自動車の処分や転院について指導指示等を遵守しなければならない旨の説明を受けていた。そして,担当職員らが,原告に対し,生活を改めない場合には生活保護を停止する旨を告げても,原告は,A病院への通院を希望し,本件自動車が必要である旨の弁明をしていたものである。 また,本件処分をする際には,A病院における主治医の意見等も徴した上で,担当職らによるケース診断会議が重ねられ,慎重に対応が検討されていた。 さらに,本件は,本件自動車を保有しながら生活保護を受けることが認められない事案であって,原告は,本件自動車の処分手続を行うことを約束した上で本件保護を受けたものであるが,現在に至るまで,適正に生活保護を受けるための対応をとっていない。 生活保護を受けることが認められない事案であって,原告は,本件自動車の処分手続を行うことを約束した上で本件保護を受けたものであるが,現在に至るまで,適正に生活保護を受けるための対応をとっていない。 (ウ) これらの事情に照らせば,本件処分は,原告にとっておよそ見当の - 9 -つかないものであったとか,これを回避するための機会が全くなかったという事情が見当たらない上,担当職員らが慎重に対応した結果下された処分であることがうかがわれるのであって,処分行政庁において書面による指導指示を求める施行規則19条の趣旨を潜脱する事情は,何ら存在しない。 ウそうだとすれば,本件保護開始後に書面による指示がなされていないとしても,そのことによって,本件処分が取り消されるべき違法性を有するとはいえない。 【原告の主張】施行規則19条によれば,法62条3項に基づく保護の実施機関の権限は,法27条1項の規定に従い書面によって行った指導又は指示に被保護者が従わない場合に限り行使できる。 不利益処分手続においては,何が原因で不利益処分が課されようとしているのか,不利益処分を回避するために何をすればいいのかについての予測可能性を担保するための所定の手続が極めて重要であるが,本件では書面による指導指示そのものが存在しない。被保護者に対して不利益処分を課すためには,書面による指導指示が存在することが制度上不可欠であって,これは弁明の機会付与の通知書の送付や被告が主張する事情によって代替されるものではない。 このように,書面による指導指示は,生存権確保に直結する重要な手続要件であるから,その欠缺は決して軽微な瑕疵ではなく,これを欠いた本件処分は,取消しを免れない。 (2) 争点2(自動車の処分に係る指導指示の違法性)【被告の主張】ア原告は する重要な手続要件であるから,その欠缺は決して軽微な瑕疵ではなく,これを欠いた本件処分は,取消しを免れない。 (2) 争点2(自動車の処分に係る指導指示の違法性)【被告の主張】ア原告は,現代社会において自動車保有が必要不可欠である旨主張するが,低所得者層(平均年収127万1000円以下の世帯)の半分以上の世帯 - 10 -は公共交通機関等を利用して日常生活を送っている。また,自動車を保有した場合,燃料費や駐車場代,保険料等の費用負担が必要となるが,これらの費用は相当額に上る。 かかる事情からすれば,自動車保有は,「最低限度の生活の維持のために」(法4条1項)必要不可欠であるとまではいえないから,原則として認められず,例外的に,当該自動車の処分価値が小さく,それを使用する高度の必要性があり,かつ当該自動車の維持費を他からの援助等により賄うことが可能であるような場合に限り認めるのが相当である。 イ A病院の主治医の意見書(乙15)によれば,原告は,本件自宅近隣の市立C病院においても○の治療が可能であって,A病院まで通院しなければならない理由がなく,公共交通機関を利用して市立C病院に通院することが可能である。 原告は,ほかの乗客との接触を避けるために公共交通機関の利用を控えなければならないほどの易感染性の症状が認められず,現に,A病院においても市立C病院においても一般外来を受診している。 ウ原告は,生活保護費以外の年金収入から本件自動車の維持費等を賄うことができる旨主張するが,かかる主張は補足性の原理(法4条)に抵触する。原告が受給している年金収入は,最低生活費に充てることが予定されたものであるから,これを本件自動車の維持費等に充てることはできない。 【原告の主張】ア現代社会において,自動車は生活必需品に類する 告が受給している年金収入は,最低生活費に充てることが予定されたものであるから,これを本件自動車の維持費等に充てることはできない。 【原告の主張】ア現代社会において,自動車は生活必需品に類する物といえ,原告のように僻地で生活する者にとって,移動を確保する手段として自動車を保有する権利は,幸福追求権(憲法13条)ないし生存権(同25条)の観点から可能な限り保障されなければならない。 イ本件自動車は,1(3)アの厚生省事務次官通知に照らすと,その保有が認められるものである。○の通院治療のために本件自動車が必要なこと(密 - 11 -閉されたバスの中で他人といること,長時間バス停で待つこと自体,健康に障害がある。),原告が一人暮らしであること,本件自動車には処分価値がないこと,公共交通機関が極めて脆弱であること,本件自動車の維持費等は生活保護費以外の年金収入から賄うことができることなどの事情からすれば,本件自動車の保有は認められるべきである。 ウ実務上,自動車保有を認めるか否かが問題となる場合,実施機関は,県本庁や厚生労働省に情報提供の上判断していく必要があるが,本件処分において,それが実行されていない。 (3) 争点3(転院に係る指導指示違反の有無)【被告の主張】ア原告は,本件保護の開始後にA病院を2回受診し,市立C病院の診療内容が信用できないとしてA病院での治療を希望し,同病院への通院のために必要であると主張して本件自動車の処分を拒否している。 これらの事実からすれば,原告が転院に係る指示に違反していることは明らかであるし,原告の言動からすれば,転院に係る指導指示違反の事実は決して軽微とはいえない。 イ原告が本件保護の開始から市立C病院を受診したのは,原告の主張するとおり2回だけであり,同病院に転院したと あるし,原告の言動からすれば,転院に係る指導指示違反の事実は決して軽微とはいえない。 イ原告が本件保護の開始から市立C病院を受診したのは,原告の主張するとおり2回だけであり,同病院に転院したとはいえない。 【原告の主張】ア原告は,本件保護開始後である▲月▲日及び▲月▲日,指導指示に従って市立C病院に通院しており,既に転院している。原告がA病院に通院したのは,▲月▲日,▲日の2回だけであり,転院直後に従前通っていた病院に通うことはあり得ることである。また,近隣の医療機関での治療が可能であるとしても,手術後遺症である○の治療のために手術の事情等をよく知るA病院への通院を望むのは当然である。 イしたがって,原告には,転院に係る指導指示違反の事実は認められず, - 12 -仮に違反したとしても極めて軽微であるから,本件処分を基礎づける理由とはならない。 (4) 争点4(比例原則違反)【被告の主張】ア実務上,法27条に基づく指導指示の違反を理由として保護の変更等の処分を行う場合,当該指導指示の内容が比較的軽微な場合には保護の変更を行い,保護の変更によることが適当でない場合は,保護を停止し,保護を停止した後においても指導指示に従わないでいる場合には,更に書面による指導指示を行った上で,保護を廃止するとされている。 イ本件において,担当職員らは,再三にわたり指導指示をしたにもかかわらず,原告が生活保護を受給するための前提要件である本件誓約事項を一つも守らなかったことから,原告に対し,本件自動車の処分及び転院に係る指導指示をしたものである。かかる指導指示は補足性の原理に関するものであるから,それに対する違反は,重大である。 原告は,比例原則違反を主張するが,本件処分は,保護の廃止ではなく,保護を一時的に停止して原告の たものである。かかる指導指示は補足性の原理に関するものであるから,それに対する違反は,重大である。 原告は,比例原則違反を主張するが,本件処分は,保護の廃止ではなく,保護を一時的に停止して原告の生活態度の改善を促すものであるし,本件処分に至るまでの原告の違反状況等に照らせば,決して重い処分とはいえない。 ウ原告は,担当職員らの指導指示にかかわらず,買物や通院の利便を理由として本件自動車の処分を拒み続け,かえって本件自動車の保有ができなければ生活保護の受給を辞退する旨述べていたほか,市立C病院は信用できないとしてA病院での治療を希望するなど,処分行政庁による指示に従う意思がないことを明らかにしていた。 このような原告に対して,更なる指導指示を行ったとしても,原告が本件自動車を処分したり,転院することが期待できる状態にあったとはいえないから,処分行政庁が本件処分を選択したことはやむを得なかったとい - 13 -うべきである。 【原告の主張】ア処分行政庁は,本件処分の理由として,本件自動車の処分に係る指導指示違反,転院に係る指導指示違反に加えて,本件自宅の処分に係る指導指示違反,調査忌避をあげている。しかし,少なくとも後ろの2つの理由については,審査請求における裁決で,本件処分の理由としては認められない旨指摘されているのであるから,保護の停止という過酷な処分をする基礎事情が欠けている。 イ本件自動車の保有が認められないとしても,原告には酌むべき事情も存すること,処分行政庁が本件自動車の保有が認められるか否かを適正な手続で検討していないこと,A病院への通院回数はわずかであって,原告の病状に鑑みればやむを得ないものであること,処分行政庁が原告に対し,本件保護の申請段階から本件自宅の売却や誓約書の提出などの誤った助言指導 していないこと,A病院への通院回数はわずかであって,原告の病状に鑑みればやむを得ないものであること,処分行政庁が原告に対し,本件保護の申請段階から本件自宅の売却や誓約書の提出などの誤った助言指導を繰り返してきたことなどの事情に照らせば,生活保護の停止という本件処分は比例原則に反する。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(施行規則19条違反)について(1) 認定事実前提事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる。 ア平成21年までの保護を求める動き(ア) 原告は,平成15年7月31日,兵庫県多可郡γ町(当時。現在のβ町γ区)の役場(当時。現在のβ町γ地域局)を訪れ,担当職員らに対し,生活保護の相談をした。担当職員らは,原告が本件不動産を所有していたことから,同不動産の売却等を促し,就労に関して助言指導した。(乙1(1,2枚目),弁論の全趣旨) - 14 -(イ) 原告は,平成16年9月28日及び平成17年1月20日,本件事務所等を訪れ,担当職員らに対し,生活保護の相談をした。担当職員らは,原告に対し,本件不動産の売却や求職活動をするように助言指導した。(乙1(3~6枚目),弁論の全趣旨)(ウ) 原告は,平成18年9月20日,▲年▲月に○の手術を受け,その後も通院していることから働くことができないとして,生活保護の申請について相談するために本件事務所を訪れた。担当職員らは,原告に対し,本件不動産や本件自動車を売却して生活費に充てること,及び町で他の福祉施策を相談することを助言指導した。(乙1の7,8枚目)イ本件保護の開始に至る経緯(ア) 原告は,6月11日,本件事務所に電話をかけ,生活保護を受けたいと申し出た。担当職員らは,翌12日,原告に対し,本件不動産等の財産処分を行いその費用 枚目)イ本件保護の開始に至る経緯(ア) 原告は,6月11日,本件事務所に電話をかけ,生活保護を受けたいと申し出た。担当職員らは,翌12日,原告に対し,本件不動産等の財産処分を行いその費用を生活費に充てた後で再度相談するように助言指導した。(乙1の9枚目)(イ) 原告は,6月23日,本件事務所を訪れて,生活保護の申請について相談し,収入が少なく,A病院に通院しており医療費もかかると述べた。(乙1の10,11枚目)(ウ) 6月24日,β町議会のD議員から,本件事務所に対して,生活保護の申請書を原告に渡してほしい旨の電話連絡があった。担当職員らは,同日,原告宅に赴いて,原告に対し,生活保護の申請書を手渡した。(乙1の12枚目)(エ) 担当職員らは,原告に係る金融機関等の関係先調査,A病院の主治医からの近隣医療機関での治療が可能である旨の意見等を踏まえ,7月31日,原告の生活保護の申請につき,ケース診断会議を実施した。同会議では,原告に対する生活保護を受給する場合には,①本件自宅の売却等を不動産業者に依頼すること,②受診医療機関を,A病院から市立 - 15 -C病院に変更すること,③本件自動車の処分を行うこと等について指導指示を行う等の方針を立て,同方針に基づいて,原告本人と面接を行うことを決定した。(乙5の1,2枚目)(オ) 担当職員らは,8月6日,原告と面接し,原告に対し,本件誓約事項を含む生活保護のための条件を書面で提示して説明し,生活保護を受けるためには,上記条件を承諾し,誓約してもらう必要がある旨を伝えた。 原告は,本件自動車がなくなると不便になる,買物にも不自由する旨主張し,上記条件を承諾して生活保護を受給するかについては明確な意思表示をしなかったため,担当職員らは,原告の返答期限を8月10日ごろ 原告は,本件自動車がなくなると不便になる,買物にも不自由する旨主張し,上記条件を承諾して生活保護を受給するかについては明確な意思表示をしなかったため,担当職員らは,原告の返答期限を8月10日ごろまでと定めて,面接を終了した。(乙1の14~17枚目)(カ) 原告は,8月10日,担当職員らと面接し,同日,「自宅を処分し転居します」,「自動車を処分します」,「受診する医療機関について近くの機関に転院します」と記載された誓約書(乙6)を提出した。(乙1(19,20枚目),6)ウ処分行政庁は,8月11日,原告に対して,生活保護の開始時期を6月26日とする旨の保護開始決定をした。 エ本件処分に至る経緯(ア) 原告は,8月12日,担当職員らに対し,「自分の車に乗ってはいけないのなら,他人の車を借りたい」旨の申出をした。担当職員らは,事故を起こしたときのことを考えると他人の車でも運転は認められないと考えていた。(乙9の1枚目)(イ) 担当職員らは,8月19日,D議員から,原告が▲月▲日に市立C病院で受診した際に本件自動車を運転したこと,市立C病院は自分に合わず,A病院に行くには自動車が必要であると主張したこと,これに対し,D議員が原告に対して,生活保護を受けるためには一定の制約があ - 16 -るのは仕方ないことであると諭したものの,原告が自動車に乗れないなら生活保護を受けるのをやめると主張したこと等の報告を受けた。 担当職員らは,同日,本件自宅を訪問したところ,在宅している様子であったものの,呼び鈴や声掛けには応答がなく,原告は姿を見せなかった。(乙9の2,3枚目)(ウ) 担当職員らは,8月20日,β町γ地域局を訪れた原告に対し,本件誓約事項について説明し,遵守するよう求めたが,原告は,市立C病院での受診には消極的な姿 見せなかった。(乙9の2,3枚目)(ウ) 担当職員らは,8月20日,β町γ地域局を訪れた原告に対し,本件誓約事項について説明し,遵守するよう求めたが,原告は,市立C病院での受診には消極的な姿勢を示し,本件自動車に乗車して帰宅した。 (乙9の4枚目)担当職員らは,同日,本件事務所においてケース診断会議を開き,本件誓約事項の不遵守は許し難いと断じ,今後,本件保護に当たり原告に協力していたD議員や民生委員の意見を聴いた上で,原告に対する指導指示の方針を決定していくこと,場合によっては保護の停止等も視野に入れて検討することが確認された。(乙5の3,4枚目)(エ) 担当職員らは,原告が保護費を取りに来ず,その真意が不明であることから,8月25日,β町γ地域局においてケース診断会議を開いた。 当該会議では,D議員から(イ)と同様の報告がなされ,担当職員らは,D議員等から意見を聴いた上で,今後の方針として,原告が生活保護の継続を求めた場合には,本件誓約事項を遵守して生活するように口頭で指導指示を行うこと,改善が見られなければ,法27条に基づく書面による指導指示を行い,それでも本件誓約事項を遵守できなければ保護の停止又は廃止を行うこと等の方針を決定した。(乙5の5~7枚目)上記ケース診断会議終了後,担当職員らは,本件自宅を訪問した。在宅している様子であったものの原告の応答がないため,担当職員らは,連絡を求める連絡票を残した。(乙9(5,6枚目),弁論の全趣旨)担当職員らは,原告からの連絡を受けて,同日,本件自宅において原 - 17 -告と面接した。原告が,「どうしても自動車だけは認めてもらえないか」などと主張したため,担当職員らは,本件自動車の保有は認められない旨を伝えた。(乙9の7枚目)(オ) 担当職員らは,8月28日,本件 面接した。原告が,「どうしても自動車だけは認めてもらえないか」などと主張したため,担当職員らは,本件自動車の保有は認められない旨を伝えた。(乙9の7枚目)(オ) 担当職員らは,8月28日,本件自宅を訪問したが,在宅している様子であったものの原告の応答がなかった。 担当職員らは,8月31日,原告に対し,生活保護を受けるのであれば,本件誓約事項を遵守しなければならない,本件誓約事項が守れず生活保護を受給しないで生活するつもりであれば,生活保護の辞退届を提出することも考えるように電話口で説明したところ,原告は,「辞退届は出さない」「後のことはD議員に全て任せている」と述べた。(乙9の8,9枚目)(カ) 担当職員らは,9月3日,本件自宅を訪問したが,在宅している様子であったものの原告の応答がなかった。そこで,担当職員らは,「生活保護の取扱いについて直接お会いして話をしたいと思いますので,必ず事務所又はγ地域局にご連絡下さい。正当な理由なく連絡なき場合,保護の停廃止(医療も含む)もありえます。ご留意下さい。必ず連絡下さい。ご自身の事です。」と記載された連絡票を投かんした。(乙9の9~11枚目)(キ) 担当職員らは,9月4日,治療のためA病院を訪れていた原告に対し,市立C病院の診療が信用できないというのは偏見にすぎず,誓約を守って同病院に通院すること,誓約だけでなく事故の危険もあることから本件自動車を処分することを求め,このままでは保護の継続が困難であると説明し,職権で保護の停廃止を行う可能性を伝えた。これに対し,原告は,「車に乗るな等のわずらわしい指導を受けるなら保護を止めてもらってよい」,「保護は止めてもらってかまわない。」等と述べた。 (乙9の10~15枚目) - 18 -担当職員らは,同日,本件事務所においてケース診 わずらわしい指導を受けるなら保護を止めてもらってよい」,「保護は止めてもらってかまわない。」等と述べた。 (乙9の10~15枚目) - 18 -担当職員らは,同日,本件事務所においてケース診断会議を開き,そこでは,速やかに本件誓約事項を遵守するよう,原告に対して法27条に基づく書面による指導指示を行うこと,期限内に書面指示に基づく事項が守られない場合には,本件保護を停止すること等の方針が確認された。(乙5の8,9枚目)(ク) 担当職員らは,9月7日,弁明の機会の付与の通知をもって書面による指導指示を兼ねることができるものと誤認し,原告が本件誓約事項を守らないこと(法62条1項に規定する指示等に従う義務違反)により生活保護(生活扶助,医療扶助)を停止することとし,同条4項の規定による弁明の機会を与えるため,原告に対してその旨の通知をすることにし,同月8日付けで弁明の機会付与の通知書を発付した。(乙9(15枚目),10,弁論の全趣旨)担当職員は,本件保護を開始してから弁明の機会の付与の通知書を送付するまで,書面によって本件誓約事項を指導指示することはなかった。 (弁論の全趣旨)(ケ) 担当職員らは,9月15日,原告から生活保護の停止に係る弁明を聴取し,原告は,担当職員らに対して,自身の○の治療はA病院でなければできないこと,買物や病院に行くには本件自動車がどうしても必要であること等を述べ,担当職員らが,本件誓約事項を遵守できないのであれば生活保護を停止する旨伝えたところ,「約束を守っていないし仕方ない」などと述べた。(乙11)(2) 判断ア施行規則19条によれば,保護の実施機関が保護の変更等をするには,書面による指導指示が必要である。しかし,本件処分は,書面による指導指示がないまま行われた。 イ(ア) 同条 (2) 判断ア施行規則19条によれば,保護の実施機関が保護の変更等をするには,書面による指導指示が必要である。しかし,本件処分は,書面による指導指示がないまま行われた。 イ(ア) 同条の趣旨について,被告は,保護の実施機関において,指導指示 - 19 -の必要性及び内容の検討を慎重ならしめるとともに,指導指示を受けた被保護者に対し,指導指示の存在及び内容を正確に知らしめることにあるとした上で,本件では,処分行政庁において本件処分の決定に至るまで慎重な検討作業が行われていたこと,原告は,自分に対していかなる内容の指導指示が行われているのか,当該指導指示に違反した場合どのような処分が行われているのかを正確に認識できていたことから,同条の趣旨は実質的に充足されているというべきであり,本件処分に取り消しうべき瑕疵があるとはいえない旨主張する。 しかし,かかる主張は採用できない。その理由は以下のとおりである。 (イ) 法は,憲法25条に規定する理念に基づき,国民に対し,生活の困窮の程度に応じて必要な保護を行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長することを目的とし(1条),生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として保護が行われるという補足性の原則をかかげ(4条),保護は,厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち,その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとすること(8条1項)など保護の諸原則を定め(第2章),それを前提として,保護の実施機関は,被保護者に対し,生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができ(27条1項),被保護者はこれに従わな ど保護の諸原則を定め(第2章),それを前提として,保護の実施機関は,被保護者に対し,生活の維持,向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができ(27条1項),被保護者はこれに従わなければならず,これに違反したときは,保護の変更等をすることができるものとする(62条1,3項)。そして,施行規則19条は,保護の変更等の法的効果をもたらし得る法27条に基づく指導指示について単に書面によることと定めるだけではなく,書面による指導指示に従わなかった場合でなければ保護の変更等をすることを禁止しており,これは,生活保護を受ける権利が生存権に由来する重要な権 - 20 -利であることに鑑み,法27条に基づく指導指示を間接的に強制する法62条3項の保護の変更等を実施するための要件として,弁明の機会の付与(法62条4項)とともに定められたものと解される。そして,第2の1(3)イないしエの厚生労働省の通達によれば,実務上,法62条3項に基づく保護の変更等の処分を行うためには,まず口頭による指導指示を行い,それによっては目的が達成されないと認められた場合に書面による指導指示が許され,被保護者がかかる指導指示に従わない場合に,弁明の機会を付与するものとされ,各段階において,被保護者に対して指導指示の内容を十分に説明すること,及びケース診断会議に諮る等組織的に十分な検討をすることが求められている。 これらの規定に上記の実務上の運用も併せ考慮すると,法は,法62条3項に基づく保護の変更等の処分を行う場合において,口頭による指導指示,書面による指導指示,弁明の機会の付与という段階的な手続を設け,各段階において,指導指示の内容等に関する慎重な検討を行うとともに,被保護者が置かれている状況を明確に理解させて指導指示に従う機会を与えることで,被保 示,弁明の機会の付与という段階的な手続を設け,各段階において,指導指示の内容等に関する慎重な検討を行うとともに,被保護者が置かれている状況を明確に理解させて指導指示に従う機会を与えることで,被保護者の権利保護の要請と指導指示の実効性の要請との調和を図るものと考えられる。 そうすると,施行規則19条は,被告の主張する趣旨にとどまらず,被保護者の権利保護を図るための手続的規定と解すべきであるから,その違反は,保護の変更等の取消原因となる瑕疵に当たるというべきである。 ウそして,本件処分は書面による指導指示を欠いており,9月4日の段階では,書面による指導指示を行い,期限内に指示事項が守られない場合には本件保護を停止する旨,ケース診断会議で確認されたのに,同月7日には,担当職員らが,弁明の機会の付与の通知をもって書面による指導を兼ねることができるものと誤認し,書面による指導指示のないまま,本件誓 - 21 -約事項の不遵守を理由に本件保護を停止することにして,弁明の機会付与の手続に至っているのであり,書面による指導指示をしなかったことについて首肯すべき事情があったとはいい難い。 前記認定事実によれば,本件処分につき慎重な検討作業が行われていたこと,原告は指導指示に違反した場合にどのような処分が行われるのか正確に理解していたこと,それにもかかわらず,原告は本件自動車の保有を固執していたことがそれぞれ認められるものの,上記趣旨に照らすと,そのことをもって書面による指導指示をしなかったことを正当化できるものではない。 エしたがって,書面による指導指示を欠いてなされた本件処分には,取り消しうべき瑕疵があるといわざるを得ない。 第4 結論以上の次第で,その余の争点について判断するまでもなく,本件処分は違法であり,原告の請求には理 よる指導指示を欠いてなされた本件処分には,取り消しうべき瑕疵があるといわざるを得ない。 第4 結論以上の次第で,その余の争点について判断するまでもなく,本件処分は違法であり,原告の請求には理由があるから,これを認容することとして,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官栂村明剛 裁判官木太伸広 裁判官小西俊輔
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