平成23(ネ)2651

裁判年月日・裁判所
平成25年4月18日 大阪高等裁判所
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判決文本文20,702 文字)

平成25年4月18日判決言渡し同日原本交付裁判所書記官平成23年第2651号 損害賠償請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成22年第2723号)口頭弁論終結日 平成24年12月19日判決              控訴人(一審被告) 株式会社ジェイビーエス              同訴訟代理人弁護士小松陽一郎              同川端さとみ              同山崎道雄              同大住 洋被控訴人(一審原告) 株式会社サンファミリー              同訴訟代理人弁護士千田 適              同藤澤泰子  主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。事実及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。第2 事案の概要(略称は,原判決に従う。)1 本件は,被控訴人が,控訴人に対し,控訴人の被告商品の販売が,不正競争防止法2条1項3号に該当することを理由に,損害賠償内金3000万円及びこれに対する不正競争行為の後である平成22年3月2日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。  原審が,被控訴人の請求を全 万円及びこれに対する不正競争行為の後である平成22年3月2日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。  原審が,被控訴人の請求を全部認容したため,控訴人が控訴した。 2 前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次ののとおり補正し,次ののとおり当審における控訴人の補充主張と被控訴人の反論を付加するほかは,原判決「事実及び理由」第2の1及び3並びに第3に記載のとおりであるから,同部分を引用する。  原判決の補正ア原判決2頁22行目の「同一である」の後に「(以下,原告商品と被告商品に共通する商品形態を「本件商品形態」という。)」を挿入し,同3頁3行目と11行目の「模倣したものか」の後に「等」を挿入する。 イ原判決6頁1行目を次の文章に改める。 「 また,上記原案図における「サンプル」との記載などからすれば,上記原案図作成当時,既に,原告商品と同一形状の商品が存在した。法2条1項3号の権利主体は,自ら資金,労力を投下して商品を開発した者と解すべきであるから,開発者ではない控訴人は,同号により保護されない。また,この点及び他の開発者の存在からすれば,被告商品の形態は,原告商品を模倣したものではない。」ウ原判決7頁2行目に「平成16年9月5日」とあるのを「平成16年末ころ」に改める。  当審における控訴人の補充主張とそれに対する被控訴人の反論ア争点1のC社商品について(控訴人の補充主張) 本件商品形態を持つC社の商品が原告商品に先立って製造・販売されていたことは,平成18年3月20日当時のアリババサイト(企業間のオンラインマーケットプレイス)におけるC社の紹介ページ(乙 本件商品形態を持つC社の商品が原告商品に先立って製造・販売されていたことは,平成18年3月20日当時のアリババサイト(企業間のオンラインマーケットプレイス)におけるC社の紹介ページ(乙の)において,本件商品形態を持つ商品(以下「C社商品」という。)の画像(以下「本件画像」という。)が掲載されていることが,インターネット・アーカイブによって確認できることによっても,裏付けられる。なお,インターネット・アーカイブの収集・保存した情報及びその日付については,事実認定の証拠資料として,高い証明力が認められる。 そして,C社商品と原告商品とは,その形態が偶然の一致とは考えられない程度にまで酷似しているから,原告商品がC社商品を模倣したものであることは,明らかである。  画像と商品名及び型番が異なることはアリババサイトにおいて散見されるものであり,実習生が誤ってアップロードした可能性もある。 また,C社作成の事情経過説明(乙の1・2)は,C社商品の存在を失念したか又は時期的な混同をして作成されたものと考えられる。 したがって,これらによって,前記本件画像掲載の事実を否定することはできない。 また,被控訴人の主張を前提にしても,外部サイト(本件ではアリババ社のサイト)の画像を差し換える必要性があるところ,控訴人を含む第三者において,その画像を差し換えることは不可能であり,差し換えられた蓋然性も認められない。 (被控訴人の反論) 控訴人の主張は争う。本件画像は,商品名及び品番が合致しておらず,C社作成の事情経過説明の内容とも矛盾するものであるから,平成18年3月20日より後に,画像が差し換えられたものであり,C社商品の製造・販売が開始されたのは,同年11月7日より後のことである。 社作成の事情経過説明の内容とも矛盾するものであるから,平成18年3月20日より後に,画像が差し換えられたものであり,C社商品の製造・販売が開始されたのは,同年11月7日より後のことである。  インターネット・アーカイブについては,利用規約に,記録内容の正確性について保証しない旨記載されている上,過去及び未来において削除することができるとされ,裁判例(知財高裁平成18年(行ケ)第10358号同19年3月26日判決)においても,現実と異なる内容が表示されている例が存在する旨指摘されており,信用性が乏しい。 また,インターネット・アーカイブに記録された画像に関しては,画像のURLのみが保存されている場合と,URLのみならず画像そのものが保存されている場合があり,本件は前者であるが,このような場合,リンクされた外部サイトの画像データを差し換えることにより,アーカイブされた後日であっても別画像への差換えが可能である。 イ争点1のE社商品(D社製造品)について(控訴人の補充主張)D社保管のE社商品の設計図が記載された書面(乙。以下「乙の書面」という。)のファックス送信日の記載,中立的な第三者の陳述,E社商品が平成17年6月から同年8月までに1万6064本を売り上げたことを示す出荷伝票(乙58 の1)などからすれば,E社商品は,遅くとも平成16年9月5日までに設計されたものであると認められ,原告商品に先行して設計,製造及び販売されたものである。 そして,E社商品は,その形態が原告商品と酷似しており,どちらか一方が他方を模倣したと考えざるを得ない関係にあるから,原告商品はE社商品の模倣品である。 (被控訴人の反論)控訴人の主張は否認する。なお,控訴人主張の出荷伝票等は,本件商品形態と同一の 方が他方を模倣したと考えざるを得ない関係にあるから,原告商品はE社商品の模倣品である。 (被控訴人の反論)控訴人の主張は否認する。なお,控訴人主張の出荷伝票等は,本件商品形態と同一の商品を売っていたことを示すものとはいえない。 ウ争点2のうち,原告商品がありふれた形態であるか否かについて(控訴人の補充主張)原告商品の形態がありふれたものであることは,ダイヤモンドシャープナーの分野では,本件商品形態とほぼ同一の形態を備えるといってよい商品が多数存在し,全体の印象を同じくする商品にまで範囲を広げると,その数は極めて多数に及ぶこと,そもそもダイヤモンドシャープナーの柄部の形状についての選択の幅は,極めて限られていることなどから,明らかである。 (被控訴人の反論)控訴人の主張は否認する。家庭用包丁研ぎ器において,他の商品との差別化を図るには,刃部の形状,持ち手部の形状及び刃部と持ち手部の連結形状を工夫するしかない。そして,被控訴人が原告商品の販売を始めるまで,持ち手部を波形とする家庭用包丁研ぎ器は存在しなかった。 これらからすれば,原告商品の形態はありふれたものではない。 エ争点3について(控訴人の補充主張)控訴人は,輸入業者として,国内の特許権,実用新案権,商標権及び意匠権については,自らIPDLにアクセスし,弁理士を通じて調査を行っているし,インターネットで容易に検索できたり,大型販売店に行けば確認できたりする範囲において,同様の形態があるか,あるとして権利侵害となる可能性があるかといった調査を行っている。 しかし,輸入業者に,それ以上に,我が国で販売されている商品全てをチェックして権利侵害の可能性を検討することまでは,社会通念上要求されていない。 そ あるかといった調査を行っている。 しかし,輸入業者に,それ以上に,我が国で販売されている商品全てをチェックして権利侵害の可能性を検討することまでは,社会通念上要求されていない。 そして,被控訴人の得意先が50数社ほどであり,範囲も極めて限定された地域であること,インターネット上で「ダイヤモンドシャープナー」という名称で検索を行っても原告商品がヒットすることはないこと,原告商品が大々的に宣伝広告されたといった事情はなく,地域,規模が不明な新聞広告が一度なされただけであること,ダイヤモンドシャープナーの分野では,同業他社が多数存在し,同種商品が無数に存在することなどからすれば,控訴人が原告商品を発見することは,全国中の小売業者に問い合わせをしない限り不可能であり,輸入業者に課せられる注意義務を尽くしても,結果回避可能性はなかったといえる。 さらに,原告商品は,極めて単純かつありふれた形態であることに加え,被告商品の販売時には同一の形状の商品が市場に出回っており,原告商品のみが法2条1項3号で保護されるとは考え難い状況にあったから,偶然に原告商品を発見できたとしても,権利の抵触といった想定は不可能であり,やはり結果回避可能性はなかった。 なお,同号の保護については,取引者の予測可能性を担保し,取引の安全を図るための公示制度が存在しないことから,法19条1項5号ロにおいて適用除外を規定したことに照らすと,同号ロの重過失が認められるためには,少なくとも,商品形態が独占的保護を得ていることにつき,不動産登記制度や,特許等の知的財産権登録制度と比肩するだけの公示・周知が図られていることを要するというべきである。しかるに,原告商品にはほとんど知名度がない上,被告商品販売当時,原告商品と全く同一の形態及び近似し 特許等の知的財産権登録制度と比肩するだけの公示・周知が図られていることを要するというべきである。しかるに,原告商品にはほとんど知名度がない上,被告商品販売当時,原告商品と全く同一の形態及び近似した形態の商品が複数社から販売されていたから,原告商品について,各種公示制度と比肩するだけの十分な公示・周知が図られていたとはいえない。 したがって,控訴人は,模倣の事実につき,善意・無重過失である。 (被控訴人の反論)控訴人の主張は否認する。被控訴人は,雑貨業界においては大手に属する会社であり,原告商品を全国176社に卸売り販売し,被告商品の販売までに1万4000本以上売り上げており,継続して商品カタログに載せているし,販売先がそれぞれインターネット等で広告し販売していたから,同じ雑貨業界に身を置く控訴人が,原告商品の存在を知らないはずはないし,インターネット上や量販店で販売されていることも容易に知り得た。また,被告商品は,株式会社ドウシシャ(以下「ドウシシャ」という。)という商社を介して販売されたが,それ以前から,被控訴人は,原告商品をドウシシャに販売していたのであり,控訴人が被告商品を販売するに当たり,当然,ドウシシャとの間で原告商品の話が出ていたはずである。 オ争点4のうち,法5条1項ただし書に該当する事情に相当する数量について(控訴人の補充主張)次の侵害品の価格(),侵害品の販売ルート(),競合品の存在()及び商品形態の寄与度()等の各事情に照らせば,多くても被告商品の譲渡数量の1%である978個が,被控訴人が販売し得た数量であり,それ以外を被控訴人が販売することはできなかったと解するのが相当である。したがって,損害額は,978個に原告商品の単位数量当たりの利益742.5円を ある978個が,被控訴人が販売し得た数量であり,それ以外を被控訴人が販売することはできなかったと解するのが相当である。したがって,損害額は,978個に原告商品の単位数量当たりの利益742.5円を乗じた金額を超えることはない。  被告商品の販売価格帯は原告商品のそれの4割から5割程度であり,他社商品と比べても,被告商品は安価な部類である。  控訴人は,被告商品を,ドウシシャに販売していたところ,被告商品の販売数量は,巨大な販売力を誇るドウシシャの営業努力によって達成し得たものであり,商品形態を消費者が重視した結果ではない。  被告商品の製造販売が開始された平成20年4月から平成21年7月19日までの間,市場には商品形態が非常に類似したものも含め,多数のダイヤモンドシャープナーが出回っており,原告商品の競合品が市場には多数存在していた。  そして,その当時,原告商品の知名度よりも,他社製のダイヤモンドシャープナーの知名度の方が高かったことが窺われ,原告商品のダイヤモンドシャープナー市場におけるシェアは,多くても10%を超えることはなかった。また,研ぎ器全体の市場におけるシェアを考えると,原告商品の市場占有率はさらに低下する。 したがって,控訴人の被告商品の販売行為がなくても,被控訴人以外の他の企業が市場占有率90%以上に沿った販売をなしていたはずであり,その分については,被控訴人は原告商品を販売することができなかった事情が存在するというべきであるから,この要因のみによっても,少なくとも90%については推定の覆滅が認められるべきである。  本件では,侵害品の譲渡数量に占める寄与度は,原告商品の形態の顧客吸引力の有無強弱を検討することになるところ,原告商品の用途は包丁,はさみ等の研磨という実用的なものであり れるべきである。  本件では,侵害品の譲渡数量に占める寄与度は,原告商品の形態の顧客吸引力の有無強弱を検討することになるところ,原告商品の用途は包丁,はさみ等の研磨という実用的なものであり,消費者が最も着目するのは費用対効果であって,形態そのものに対する着目度は通常低いと考えられること,本件商品形態のうち持ち手の波形部分以外は,極めてありふれた形状であり,原告商品や被告商品のパッケージの記載にも,本件商品形態の審美性や機能性への言及はないこと,持ち手の波形部分についても,特に審美性や機能性は問題とならず,購入者にとって購入動機となるほどの重要な形態ではないことからすると,消費者は,本件商品形態ではなく,値段や性能に着目して購入するのであって,本件商品形態が商品購入の動機付けになったとはいえず,被告商品の譲渡数量に占める本件商品形態の寄与度は全くないか,あったとしても極めて微々たるものにすぎない。 (被控訴人の反論)控訴人の主張は否認ないし争う。前記のとおり,被控訴人も,控訴人 より前にドウシシャに原告商品を販売しており,控訴人が被告商品をドウシシャに販売するようになった結果,同社との取引はほとんどなくなったから,控訴人の上記行為がなければ,控訴人がドウシシャに販売したと同じような数量を被控訴人は販売できたかもしれない。また,競合品については,被控訴人が原告商品の開発を企画した平成18年4月当時,日本国内には,刃部をダイヤモンド粒子で表面にコーティングした家庭用包丁研ぎ器は,ほとんどなかったし,あっても商品形態を全く異にしたり,非常に高額であるなど,原告商品と競合するものではなかった。また,控訴人が本件商品形態の包丁研ぎ器を選んで輸入したことや,現在,原告商品と同様の形態の包丁研ぎ器が多数販売されている 全く異にしたり,非常に高額であるなど,原告商品と競合するものではなかった。また,控訴人が本件商品形態の包丁研ぎ器を選んで輸入したことや,現在,原告商品と同様の形態の包丁研ぎ器が多数販売されている事実は,本件商品形態がデザインとして優れ,消費者に購買意欲を湧かすからに他ならない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(被告商品の形態は,原告商品の形態を模倣したものか等)について当裁判所も,原告商品は,被控訴人が開発し,製造販売したものと認められる一方,これと実質的に同一性のある先行商品が存在していた事実は認められないから,被控訴人は,法2条1項3号により保護される者であり,被告商品は,原告商品に依拠して作成された模倣品であると認められると判断する。その理由は,次ののとおり補正し,次ののとおり控訴人の補充主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」第4の1に記載されたとおりであるから,同部分を引用する。 原判決の補正ア原判決12頁22~23行目及び17頁10行目の「甲1の1・2」の後にいずれも「,89」を,16頁20行目,17頁20行目及び18頁19行目の「乙23の1」の後にいずれも「,35」をそれぞれ挿入し,18頁19行目に「 」とあるのを「 」に改める。イ原判決13頁24行目末尾の後に,改行して,次の文章を挿入する。「 また,控訴人は,前項の認定を争い,被控訴人提出の原案図における「サンプル」との記載などからすれば,上記原案図作成当時,既に,原告商品と同一形状の商品が存在したなどと主張するところ,確かに,上記原案図には,「材質刃物部:サンプル通り」「このサイズのサンプルは15日Pが訪中の際お持ちいたします」といった記載があり(甲1の1,),被控訴人がダークホ たなどと主張するところ,確かに,上記原案図には,「材質刃物部:サンプル通り」「このサイズのサンプルは15日Pが訪中の際お持ちいたします」といった記載があり(甲1の1,),被控訴人がダークホース社とのやり取りの中で同社から送られた書面には,「日本の最後のオリジナルサンプルは,工場を捜すとき,切って送ってサンプルさせたため,完璧なサンプルありません。Pさんが日本から5~6個の同じオリジナルサンプル送ると言いましたが,後で,手に入らない事でした。」というような記載がある(甲3)。しかしながら,上記のような記載からすれば,上記原案図の作成時に製品製作の参考とすべきサンプルが存在したことは窺われるが,上記記載だけから,被控訴人担当者であるPが中国に持ち込んだサンプルが,原告商品と,持ち手部も含め同一形状のものであったとまで認めることはできない。そして,Pは,上記サンプルは,工具用の,刃の部分が平面状ないし板状で,ダイヤモンドの加工がされ,四角い形の持ち手がついた商品であり,実際にダイヤモンドコーティングがされた商品を,その加工ができる工場を探してもらうために持っていた旨供述する(証人P4,5頁)ところ,この供述は,「材質刃物部:サンプル通り」や「工場を捜すとき,切って送ってサンプルさせた」などの記載内容にも合致し,十分信用できる。そうすると,上記原案図に記載されたサンプルは,刃物部分がダイヤモンド加工されたものにすぎないと考えられ,これが本件商品形態を有するものであったとは認められない。なお,上記「このサイズのサンプル」との記載は,刃物部分の大きさが概ね合致するものという趣旨と考えられ,また,工具用の商品でも,全く同じ商品が手に入らなくなることもあり得るから,上記供述の信用性を左右するものではない。かえって,当 ,刃物部分の大きさが概ね合致するものという趣旨と考えられ,また,工具用の商品でも,全く同じ商品が手に入らなくなることもあり得るから,上記供述の信用性を左右するものではない。かえって,当時,中国内において本件商品形態を有する商品が出回っており,被控訴人がこれを模倣したのであれば,日本からその商品を持ち込む必要性があったとは考え難いともいえる。これらによれば,控訴人の上記主張は採用できない。 」ウ原判決19頁12行目の「ウェブサイト」の後に「ないしアリババサイトにおけるE社のページ」を挿入し,同行「甲58」の後に「,67の4,72,95」を挿入する。エ原判決20頁14行目の「乙20の1・2]。」の後に「なお,新盛鎖業作成の「補足説明」と題する書面(乙)も,客観的な裏付けを欠き,その内容を直ちに信用することはできず,これによっても,新盛鎖業が取り扱った商品が本件商品形態を有していたと認めることはできない。」を挿入する。オ原判決21頁20行目末尾の後に,「したがって,被控訴人は,法2条1項3号により保護される者であるといえる。」を挿入する。 控訴人の補充主張に対する判断ア C社商品について 証拠(甲,,, の1・2, の1, ないし ,  ないし , ないし,乙の1・2,,の1ないし, ないし, ないし,, の1・2, の1・2, )及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる(各項に認定に用いた主な証拠を記載した。)。a インターネット・アーカイブは,電子資料の保存を支援し,研究者・歴史家等のためのインターネットライブラリを構築すること等を目的とする,米国に本部が置かれている団体であり,「 た。)。a インターネット・アーカイブは,電子資料の保存を支援し,研究者・歴史家等のためのインターネットライブラリを構築すること等を目的とする,米国に本部が置かれている団体であり,「ウェイバックマシン」という名称のウェブアーカイブサービス(ウェブページを収集してアーカイブ(保存)し,収集時点の情報を見ることができるとされるサービス)を運営している。(乙 ないし)b アリババサイトは,中国の企業(アリババドットコム)が運営する,企業間電子商取引のオンライン・マーケットであり,売りたい製品を持った企業がアリババサイト上に自社のページを持ち,製品を掲載することで,取引先の企業を探すものである。C社は,アリババサイト上にC社のページを持っており,C社の担当者は,自社製品の情報や画像をアリババドットコムのサーバーにアップロードすることができる。(乙,,)c 現在のC社のホームページにおいては,本件商品形態と同じ形態のC社商品が,商品名が「  」,型番が「 」として掲載されている(乙,)。そして,前記ウェイバックマシンによれば,平成18年3月20日当時のアリババサイトにおけるC社のページをアーカイブしたものにおいて,C社商品の画像(本件画像)が表示されるページ(乙の)が存在し,同じページには「 !"#"$ⓒ  」(2006年は平成18年)との表示も存する。もっとも,本件画像の右横の文字による商品説明においては,商品名が「%&'」(「ペンチ」「やっとこ」の意味),型番が「&(& 」と表示されている。また,本件画像は,「' 像の右横の文字による商品説明においては,商品名が「%&'」(「ペンチ」「やっとこ」の意味),型番が「&(& 」と表示されている。また,本件画像は,「''」という分類が存在するにもかかわらず,「"&'」という分類のページに表示されており,「''」又は「)&'」という分類のページには,C社商品の画像は表示されていない。なお,同様に,前記ウェイバックマシンによれば,平成18年3月20日,同年4月13日及び同月18日当時のアリババサイトにおけるC社のページをアーカイブしたものにおいて,C社商品の画像が「%&'」という商品名とともに表示されるページ(乙 の1・2, の1・2)が存在する。また,C社の製品で,商品名を「%&'」,型番を「&(& 」とするペンチ(C社商品とは全く異なるもの。甲 の資料3)が存在する。(甲, の1・2,乙の1ないし, )d ウェイバックマシンにおけるアーカイブ上の画像については,画像のURLのみが保存されている場合と,URLのみならず画像そのものが保存されている場合がある。前者の場合,同画像のURLはアーカイブの外部に存在するデータにリンクしており,リンク先の外部のデータがアーカイブ上に表示される。したがって,アーカイブされた後であっても,リンク先の外部のデータが変更されれば,アーカイブ上に表示される画像も変更されることになる。前記cにおけるアーカイブ上の各C社商品の画像表示部分は,いずれも画像のURLのみが保存されている場合に当たり,アリババサイトのサーバーの画像データにリンクしている。したがって,アリババサイトのサーバーの画 るアーカイブ上の各C社商品の画像表示部分は,いずれも画像のURLのみが保存されている場合に当たり,アリババサイトのサーバーの画像データにリンクしている。したがって,アリババサイトのサーバーの画像データが変更されれば,アーカイブ上の画像表示も変更されることになる。(甲 ないし)e 原判決「事実及び理由」第4の1ウのとおり,原審で控訴人から提出された,C社の代表者作成の「事情経過説明」という書面(乙の1・2)には,C社は,平成17年3月10日にC社商品()を開発し,同月からその製造・販売を開始したこと,平成18年11月6日に,ダークホース社の代表取締役と部長がサンプルを持ってC社工場を訪れ,原告商品の製造依頼をしたことが記載されており,その内容は,同日の時点では,C社において,本件商品形態を持つ商品は未だ開発計画中であったことを前提とするものである。また,前記ウェイバックマシンによれば,平成17年3月ころ当時から平成19年1月ころ当時にかけてのC社のホームページをアーカイブしたものにおいて,C社商品の画像は存在しない。(甲 ないし ) 前項の認定事実を基に判断する。控訴人は,前記cの本件画像から,C社商品が,平成18年3月20日当時存在した旨主張する。しかしながら,前記dのとおり,本件画像は,同日より後の時点においても,アリババサイトのサーバーの画像が変更されることにより,変更され得るものである。そして,前記bによれば,C社の担当者であれば,アリババサイトのサーバーの画像の変更をすることができると考えられるところ,控訴人は,C社の代表者から「事情経過説明」と題する書面(乙の1)を受領するなど,C社と接触し得る立場にあり,控訴人がC社に頼んで画像を変更し ーの画像の変更をすることができると考えられるところ,控訴人は,C社の代表者から「事情経過説明」と題する書面(乙の1)を受領するなど,C社と接触し得る立場にあり,控訴人がC社に頼んで画像を変更してもらった可能性も皆無とはいえないし,控訴人とは関係なく,何らかの理由により,C社の担当者が,画像を変更してしまった可能性も考えられる。そして,本件画像の文字による商品説明(なお,この部分の表示は,アーカイブされた当時から変更されることはないと考えられる。)における商品名と型番が,C社商品とは全く異なるもので,実在する別のC社の商品名・型番と一致すること,本件画像が,本来の分類とは異なる「"&'」という分類のページに表示されていること,前記eのとおり,C社の代表者が作成したという「事情経過説明」という書面(乙の1・2)における説明内容は,同年3月時点では,まだC社商品が開発されていなかったことを前提とするものであることなどに照らすと,本件画像は,同月20日時点では,型番を「&(& 」とするペンチの画像が表示されていたものが,後に,C社商品の画像と入れ替わったものと考えるのが自然であるといえる。そして,そのように入れ替わる可能性があることは,上記のとおりである。これらからすれば,本件画像などから,C社商品が平成18年3月20日時点で存在したと認めることはできず(なお,同年4月13日及び同月18日の時点でも同様である。),被控訴人がダークホース社との間のやり取りを経て原告商品を開発したという前記認定を左右するものではないし,原告商品に先立ってC社商品が開発されたとは認められない。なお,C社商品の型番は Bであり,平成17年3月10日に開発されたというC社商品の型番( 右するものではないし,原告商品に先立ってC社商品が開発されたとは認められない。なお,C社商品の型番は Bであり,平成17年3月10日に開発されたというC社商品の型番()より前の番号であるが,型番 の商品は,柄部の形状が異なるものが複数存在しており*乙,),刃部が三角形ではあるが本件商品形態と同一ではない商品がC社商品より先に開発されていたにすぎない可能性も十分にあるから,型番の点から,原告商品に先立ってC社商品が開発されたと認めることもできない。イ E社商品(D社製造品)について 控訴人は,乙の書面のファックス送信日の日付,中立的な第三者の陳述,E社商品が平成17年6月から同年8月までに1万6064本を売り上げたことを示す出荷伝票等からすれば,E社商品は,遅くとも平成16年9月5日までに設計された旨主張するので検討する。  まず,乙の書面には,原告商品の寸法と酷似した,柄部に板が取り付けられる前のダイヤモンド研ぎ器の設計図面とともに,平成19年1月6日にE社からファックス送信されたものであることを示す日付,送信元及びファックス番号が印字されているほか,送信元及びファックス番号は不明であるが,平成16年9月5日に送信されたものであることを示す日付も印字されており(乙),証拠(乙)及び弁論の全趣旨によれば,後者の印字が既にされた書面を,平成19年1月6日に,E社がD社にファックス送信したものと認められる。 しかしながら,後者の印字につき,日時については,簡単に希望する日時を設定することができ,何らかの事情によって実際の日時と異なる日時が設定されていた可能性もあること,送信元や送信先が不明であり(控訴人は,乙の書面には,手書きで,「To: ては,簡単に希望する日時を設定することができ,何らかの事情によって実際の日時と異なる日時が設定されていた可能性もあること,送信元や送信先が不明であり(控訴人は,乙の書面には,手書きで,「To:」との記載の後に,E社のファックス番号が記載されていることから,E社に送信されたものである可能性が高いとするが,後者の印字部分との関連性が明らかとはいえない。),たまたま後者の印字がなされた書面にコピーしたりすることも考えられることなどに照らすと,乙の書面から,直ちに平成16年9月5日時点で乙の書面に記載された設計図が存在したと認めることはできないというべきである。 この点,控訴人は,乙の書面は,同日に,作成者からE社にファックス送信されて送信記録が印字され,その後,平成19年1月6日に,E社からD社にファックス送信されたものであり,その間の平成16年末ころに,同じものが一度E社からD社に送信されているとし,これに沿うD社及びE社関係者作成の陳述書(乙70,71)を提出する。 しかし,元々の設計図はE社が設計会社に外注して作成したものであるとのE社関係者作成の陳述書(乙71)の記載が,「上記設計図はE社が作成したものに間違いなく,当時はCADソフトもなく一部手書きでE社がこの図面を作成した」旨のE社関係者がしたという説明(乙29)や,「このFAXの図面は当工場で設計したものと確定し…証明する」旨記載した乙71 号証の陳述書と同じE社関係者作成の「証明」と題する書面(乙62)と食い違っているなど,本件でD社及びE社関係者の陳述書等として提出された証拠の信用性は,総じて低いものといわざるを得ない。そして,D社において,同年末に設計図を送信してもらい,金型も作成して保管していた(乙64)のに,同じ設計図を再度送信してもらう必要 して提出された証拠の信用性は,総じて低いものといわざるを得ない。そして,D社において,同年末に設計図を送信してもらい,金型も作成して保管していた(乙64)のに,同じ設計図を再度送信してもらう必要があったのかは疑問であり,最初に送ってもらった設計図はD社において処分したが,しばらくぶりにE社から注文を受けた際に,商品を特定する関係で再度設計図を送ってもらったとの上記各陳述書(乙70,71)の記載も,原審ではそのような説明がなかったこと(乙の1・2)なども考慮すると,直ちには信用し難いものである。なお,上記設計図を平成16年に作成したとの中国の設計エンジニア作成の陳述書(乙93)の記載も,同様に直ちには信用し難い。  また,控訴人は,E社の平成17年の出荷伝票及び総勘定元帳(乙 58 の1ないし3,59)に記載された「大半元」がE社商品のことである旨主張する。しかし,「大半元」はダイヤモンドシャープナーのことを指す中国語ではなく(弁論の全趣旨),ウェブサイト上も,E社商品が「大半元」とは表示されていないこと(乙61 の2)や,上記主張に沿うE社関係者作成の陳述書等(乙60,71)が存在するものの,上記のとおりその信用性が低いといわざるを得ないこと,前記ウェイバックマシンによれば,平成18年5月21日,同年11月11日及び同年12月13日当時のアリババサイトにおけるE社のページをアーカイブしたものにおいて,E社商品を確認できないこと(甲67 の1ないし3)などに照らすと,上記出荷伝票等に記載された「大半元」が,E社商品を指すと認めることはできず,上記出荷伝票等から,平成17年にE社商品が販売されたと認めることはできない。  さらに,平成17年7月ころに,D社が製造した数種類の包丁研ぎ器のサンプルを受け取ったが,その中にE社商品 できず,上記出荷伝票等から,平成17年にE社商品が販売されたと認めることはできない。  さらに,平成17年7月ころに,D社が製造した数種類の包丁研ぎ器のサンプルを受け取ったが,その中にE社商品があった旨の藤原産業株式会社商品部課長の事情説明書(乙)によっても,そのサンプルがE社商品と同一のものであるか疑問があり,また,控訴人代表者の陳述書(乙の1)によれば,同会社がその商品の注文をしたのが平成20年で,販売を開始したのは平成21年というのであり,サンプルを受領したのが本当に平成17年のことであったのかも疑問がある。  これらからすれば,当審提出分を含むE社商品(D社製造品)に関する証拠関係によっても,被控訴人がダークホース社との間のやり取りを経て原告商品を開発したという前記認定を左右するものではないし,また,原告商品に先行してE社商品が存在したという事実を認めることはできない。 2 争点2(被告商品の形態は,商品の機能を確保するために不可欠な形態か)について当裁判所も,被告商品の形態のみが,商品の機能を確保するために不可欠な形態であるということはできず,原告商品の販売開始時において,原告商品の形態がありふれたものであったとも認められないと判断する。その理由は,原判決22頁3行目の「乙21」の後に「,乙40の1ないし 」を挿入するほかは,原判決「事実及び理由」第4の2に記載されたとおりであるから,同部分を引用する。なお,原告商品の販売が開始された平成18年7月当時,本件商品形態と同一又は類似した形態の商品が存在したことを認めるに足りる証拠はないし,その後に,本件商品形態と同一又は類似した形態の商品が販売されたからといって,それは原告商品を模倣したにすぎないと考えられるから,同月当時,その形 の商品が存在したことを認めるに足りる証拠はないし,その後に,本件商品形態と同一又は類似した形態の商品が販売されたからといって,それは原告商品を模倣したにすぎないと考えられるから,同月当時,その形態がありふれたものであったと認めることはできない。控訴人が類似商品として挙げるもののうち平成18年7月以前から販売されていた商品(乙の・・・・・・ )は,いずれも柄部などの形が本件商品形態とは大きく異なっているものである。 3 争点3(控訴人は,被告商品の輸入時に,被告商品の形態が原告商品の形態を模倣したものであることを知らず,かつ,知らないことにつき重大な過失がなかったか)について 当裁判所も,控訴人が,被告商品の輸入時に,被告商品の形態が原告商品の形態を模倣したものであることを知らず,かつ,知らないことにつき重大な過失がなかったとは認められないと判断する。その理由は,次のとおり控訴人の補充主張に対する判断を付加するほか,原判決「事実及び理由」第4の3に記載されたとおりであるから,同部分を引用する。 控訴人の補充主張についてア証拠(甲4ないし,,,の1・2,ないし,の1ないし,,,,,ないし, , ,84 の1・2,乙8,40の1ないし70,82 の1ないし3,控訴人代表者)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められる(認定に用いた主な証拠を末尾に記載した。)。  平成18年7月21日から平成20年3月20日までの間の原告商品の売上数量は13万9325本である(同日までの返品数量を除くと13万6919本)。(甲の1ないし) 原告商品は,国内の電子商店街大手の楽天市場において,遅くとも平成18年8月から販売されていた。 また,被控訴人 本である(同日までの返品数量を除くと13万6919本)。(甲の1ないし) 原告商品は,国内の電子商店街大手の楽天市場において,遅くとも平成18年8月から販売されていた。 また,被控訴人は,原告商品を,同年9月,平成19年3月,同年9月及び平成20年3月発行の被控訴人のカタログに載せていた。また,平成19年2月14日,読売新聞紙上に,原告商品の広告が掲載され,同年7月ころ,生活協同組合の組合員向けに原告商品の広告が行われた。(甲4ないし8,,, ) 被控訴人は,商社であるドウシシャや通信販売会社であるセシールにも原告商品を販売していたが,控訴人も,ドウシシャに被告商品を販売しており,また,セシールは,ドウシシャから被告商品を購入してこれを取り扱っていた。セシールは,被告商品を取り扱うようになるのと同時に,被控訴人との原告商品の取引をやめた。 (甲,,,,,,,乙8,控訴人代表者) 平成20年4月以前に日本国内で売られていたと認められる,本件商品形態と同一又は類似といえる商品としては,原告商品以外には,平成19年4月ころまでには発売されていたダイヤモンドデラックスシャープナー(乙の)と,同年8月ころまでには発売されていたイージーシャープナー(乙の)があり(それ以外に存在したとは認められない。),前者の販売本数は1000本以下,後者の販売本数は1万本以下である。被控訴人は,前者を販売していた会社に対し,同年4月に警告書を送付し,その会社から,そのころ,今後,当該商品の輸入はしない旨の回答を得,また,後者を販売していた会社に対し,同年8月に警告書を送付し,その会社から,そのころ,当該商品を今後輸入し販売する予定はない旨の回答を得た。(甲ないし, ,,乙 の1ない 回答を得,また,後者を販売していた会社に対し,同年8月に警告書を送付し,その会社から,そのころ,当該商品を今後輸入し販売する予定はない旨の回答を得た。(甲ないし, ,,乙 の1ないし ) 被控訴人は,控訴人に対し,平成20年12月8日,被告商品が原告商品をデッドコピーしたものであり,被告商品の販売行為は法2条1項3号に当たる旨記載した「警告書」と題する書面を送付し,同書面は同月9日控訴人に到達した。(甲の1・2) 被控訴人は,美容雑貨・ヘルシーグッズ・アイデア商品等を販売しており,年商が平成23年度で37億円あった。控訴人は,日用品・アイデア品・雑貨等の企画,開発,輸出入等を事業内容としている。 (甲4ないし9,  の1・2,乙  の1ないし3)イ前項の認定事実を基に判断する。 控訴人は,輸入業者として調査を行ったと主張する。 しかし,控訴人が意匠権等の調査を行ったのは,被控訴人から前記アの書面を送付されてからのことである(控訴人代表者頁)し,また,本件商品形態の商品が日本で売っていることは調査したが,どこが売っていたかは覚えていないというのであり(控訴人代表者頁),結局,前記引用部分記載のとおり,被告商品の輸入に当たり,控訴人が,商品の権利関係について自ら何らかの調査を行った事実は認められない。  控訴人は,控訴人が原告商品を発見することは不可能であり,輸入業者に課せられる注意義務を尽くしても,結果回避可能性はなかったといえ,さらに,原告商品は,極めて単純かつありふれた形態であることに加え,被告商品の販売時(平成20年4月)には同一の形状の商品が市場に出回っており,原告商品のみが法2条1項3号で保護されるとは考え難い状況にあったから,偶然に原告商品を発見できたとし あることに加え,被告商品の販売時(平成20年4月)には同一の形状の商品が市場に出回っており,原告商品のみが法2条1項3号で保護されるとは考え難い状況にあったから,偶然に原告商品を発見できたとしても,権利の抵触といった想定は不可能であり,やはり結果回避可能性はなかったなどと主張する。 しかしながら,原告商品は,その販売時から被告商品の販売時までの1年8か月ほどの間に14万本近い売上げがあり,それが少ない販売本数であるとは到底いえないし,楽天市場などを通じ全国的に販売がされており,被告商品を販売したドウシシャやその転売先であるセシールにも販売されていたと認められるから,控訴人が,その想定し得る販路を調査すれば,原告商品を発見することは容易であったといえる(なお,乙号証によれば,平成23年10月時点で,「google」による「ダイヤモンドシャープナー」という名称での画像検索をしても,原告商品は表示されないが,そのことをもって,平成20年4月当時,家庭用包丁研ぎ器の分野において,原告商品の知名度が低かったと認めることはできない。)。また,確かに,本件商品形態を持つ商品が原告商品の他に2つ販売されていたことが認められるが,そもそも,形態を模倣した商品が既に存在していたことをもって,注意義務を軽減する根拠にはなり難いというべきであるし,実際にも,そのような商品は2つだけであり,販売本数も原告商品よりは相当少なく,しかも,その販売者に対し,被控訴人から警告書が送付され,販売者も,今後販売しないことを認めている状況にあったのであるから,控訴人が調査を行っていれば,被控訴人が法2条1項3号で保護される者であることは容易に認識し得たといえる。これらによれば,控訴人の上記主張は採用できない。 なお,控訴人は,法19条1項 ,控訴人が調査を行っていれば,被控訴人が法2条1項3号で保護される者であることは容易に認識し得たといえる。これらによれば,控訴人の上記主張は採用できない。 なお,控訴人は,法19条1項5号ロの重過失が認められるためには,商品形態が独占的保護を得ていることにつき,不動産登記制度や特許等の知的財産権登録制度と比肩するだけの公示・周知が図られていることを要すると主張する。しかし,控訴人において,輸入業者としての基本的な注意義務さえ怠っていたと評価できる以上,そのような周知性までが要件になるとは解されず,その主張は採用できない。 4 争点4(損害額)について当裁判所も,被控訴人の損害は,5083万5708円と認めるのが相当であると判断する。その理由は,次ののとおり補正し,次ののとおり控訴人の補充主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」第4の4に記載されたとおりであるから,同部分を引用する。 原判決の補正原判決25頁18行目に「被告商品の販売先の1つである」とあるのを「被告商品を取り扱っていた」に改める。 控訴人の補充主張に対する判断販売することができないとする事情に関し,控訴人は,侵害品の価格(),侵害品の販売ルート(),競合品の存在()及び商品形態の寄与度()等の各事情に照らせば,多くても被告商品の譲渡数量の1%である978個が,被控訴人が販売し得た数量であり,それ以外を被控訴人が販売することはできなかった旨主張する。 しかし,上記に関し,控訴人は,被告商品の販売数量は,巨大な販売力を誇るドウシシャの営業努力によって達成し得たとするが,前記のとおり,被控訴人も,原告商品をドウシシャに販売していたのであるから,原告商品と被告商品の販売ルートは重なる部分があり 量は,巨大な販売力を誇るドウシシャの営業努力によって達成し得たとするが,前記のとおり,被控訴人も,原告商品をドウシシャに販売していたのであるから,原告商品と被告商品の販売ルートは重なる部分があり,被告商品の販売がなければその分原告商品を販売し得た可能性があるともいえるのであって,本件で,販売ルートの点を,「販売することができないとする事情」として考慮すべきであるとは認められない。 また,上記に関し,確かに,平成20年4月から平成21年7月19日までの間,原告商品の競合品が市場には多数存在していたことが認められるが,その間であっても,原告商品は,約6万本を売り上げていたと認められる(甲のないし)。そして,原告商品の市場占有率を認めるに足りる的確な証拠はない上,仮に,原告商品のダイヤモンドシャープナーという商品の中での市場占有率が10%であり,研ぎ器全体の市場における市場占有率がさらに低かったとしても,原告商品と被告商品との形態が全く同一であり,似たようなパッケージで売られていたこと(甲12)を考えると,価格の点を除けば,原告商品と被告商品の購入希望者層はほぼ一致するはずであるから,被告商品の販売がなかった場合,その購入者の10%以下にしか原告商品を販売できなかったという関係にあるとはいえない。したがって,競合品の存在は,「販売することができないとする事情」において考慮すべきではあるが,控訴人が主張するほどにこれを重視することはできず,上記の価格差(上記引用部分で認定したように,被告商品の販売価格帯は原告商品の販売価格帯の4割ないし5割という価格差)の点と併せても,譲渡数量分の3割程度を超えることはないという前記判断を左右しない。 さらに,上記に関し,確かに,商品レビューなどで,原告商品の形態に直接言及 いし5割という価格差)の点と併せても,譲渡数量分の3割程度を超えることはないという前記判断を左右しない。 さらに,上記に関し,確かに,商品レビューなどで,原告商品の形態に直接言及しているものは証拠上見当たらないし,原告商品のような実用品である包丁研ぎ器については,研ぐ性能や価格が商品購入の動機付けにとって重要であることは否めない。しかし,柄部や刃部の形状も,購入動機の形成に影響するものであることは,控訴人が,本件商品形態を有する商品が販売されていることを知りながら,それと同じ形態の被告商品を輸入し販売したことや,本件商品形態と同一又は類似する商品が他にも複数販売されたこと(乙40 の1ないし),実際に,原告商品が,インターネット上で,刃部の先端の細い部分が「細かい部分にも対応」し,刃部の根元の広い部分が「広範囲に」様々な形状の刃に対応し,柄部が「手にしっかりフィットする形状で使いやすい!」などとして宣伝されており(甲の1ないし4),本件商品形態を持つ別の商品の中にも,「ハンドル部は握りやすく作業がしやすい形状!」と宣伝されているものがある(乙40 の5)ことなどに照らし,明らかといえる。したがって,被告商品の譲渡数量に占める本件商品形態の寄与度がないとか,微々たるものにすぎないなどということはできず,価格差や競合品の存在と併せて,商品形態の寄与度の点も「販売することができないとする事情」として考慮したとしても,譲渡数量分の3割程度を超えることはないという前記判断を左右しない。 5 以上によれば,被控訴人の請求は理由があるからこれを認容すべきであり,これと同旨の原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。大阪高等裁判所第8民事部裁判長裁判官小 るからこれを認容すべきであり,これと同旨の原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。大阪高等裁判所第8民事部裁判長裁判官小松一雄        裁判官横路朋生 裁判官平井健一郎は,転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官小松一雄

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