平成12(ワ)4878 損害賠償請求事件(以下「甲事件」という。),営業禁止等請求(以下「乙事件」という。)

裁判年月日・裁判所
平成14年3月1日 名古屋地方裁判所
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判決文本文34,764 文字)

主文 1 甲事件原告らの請求をいずれも棄却する。 2 乙事件被告A及び同Bは,乙事件原告株式会社京たこに対し,連帯して金1451万2569円及びこれに対する乙事件被告Aは平成13年2月11日から,乙事件被告Bは同年同月12日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 乙事件被告Cは,乙事件原告株式会社京たこに対し,金263万9886円及びこれに対する平成13年2月11日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 4 乙事件被告株式会社D及び同Eは,乙事件原告株式会社京たこに対し,連帯して金872万4498円及びこれに対する平成13年2月11日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 5 乙事件被告株式会社F及び同Gは,乙事件原告株式会社京たこに対し,連帯して金335万8893円及びこれに対する平成13年2月16日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 6 乙事件被告A及び同Bは,乙事件原告株式会社京たこに対し,第2項の金員とは別に,連帯して金429万3438円及びこれに対する平成12年9月26日から各支払済みまで年2割1分9厘の割合による金員を支払え。 7 乙事件原告株式会社京たこの乙事件被告A,同C,同株式会社D,同E及び同株式会社Fに対するその余の請求を棄却する。 8 訴訟費用は,甲事件及び乙事件を通じてこれを4分し,その1を甲事件被告・乙事件原告株式会社京たこの負担とし,その余を甲事件原告・乙事件被告A,同C,同株式会社D,同株式会社F,甲事件原告株式会社H,乙事件被告B,同E,同Gの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件(甲事件原告A)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告Aに対し,金1288万9638円及びこれに対する平成12年8月2日から支払済みまで年5分の割合による金 及び理由第1 請求 1 甲事件(甲事件原告A)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告Aに対し,金1288万9638円及びこれに対する平成12年8月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (甲事件原告C)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告Cに対し,金415万円及びこれに対する平成12年8月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (甲事件原告株式会社H)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告株式会社Hに対し,金1656万9178円及びこれに対する平成12年8月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (甲事件原告株式会社D)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告株式会社Dに対し,金651万3674円及びこれに対する平成12年8月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (甲事件原告株式会社F)甲事件被告株式会社京たこは,甲事件原告株式会社Fに対し,金2056万1272円及びこれに対する平成12年9月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 乙事件(乙事件原告株式会社京たこ)(1) 乙事件被告A,同C,同株式会社D及び同株式会社Fは別紙1商標目録記載の商標,別紙2記載のたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォーム,若しくはこれらに類似するものを使用し,又は別紙6記載の商品を販売してたこ焼店及びこれに類似する店舗を営業してはならない。 (2) 主文第2項,第5項及び第6項と同旨(3) 乙事件被告Cは,乙事件原告株式会社京たこに対し,金552万7293円及びこれに対する平成13年2月11日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 (4) 乙事件被告株式会社D及び同E ) 乙事件被告Cは,乙事件原告株式会社京たこに対し,金552万7293円及びこれに対する平成13年2月11日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 (4) 乙事件被告株式会社D及び同Eは,乙事件原告株式会社京たこに対し,連帯して金1069万3947円及びこれに対する平成13年2月11日から各支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要甲事件原告・乙事件被告A(以下,単に「原告A」という。),甲事件原告・乙事件被告C(以下,単に「原告C」という。),甲事件原告株式会社H(以下,「原告H」という。),甲事件原告・乙事件被告株式会社D(以下,単に「原告D」という。)及び甲事件原告・乙事件被告株式会社F(以下,単に「原告F」という。)は,いずれもたこ焼店の経営に関し,フランチャイザーである甲事件被告・乙事件原告株式会社京たこ(以下,単に「被告会社」という。)との間で京たこチェーン加盟店契約(以下,単に「加盟店契約」という。)を締結した者である。 甲事件は,被告会社と加盟店契約を締結した上記原告Aら5名が,被告会社の詐欺行為(上記加盟店契約を締結するにあたって被告会社の担当者が売上予測等に関し虚偽の事実を告げた。)によって加盟店契約を締結したことにより損害を被ったと主張して,被告会社に対し,不法行為に基づく損害賠償として,①原告Aは,後記2の(1)ア主張の損害額合計2018万3076円から被告会社に対する食材の未払金729万3438円を控除した残金1288万9638円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年8月2日から支払済みまで民法所定の遅延損害金の支払,②原告Cは,後記2の(1)イ主張の損害額合計415万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年8月8日から民法所定の遅延損害金の支払,③原 2日から支払済みまで民法所定の遅延損害金の支払,②原告Cは,後記2の(1)イ主張の損害額合計415万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年8月8日から民法所定の遅延損害金の支払,③原告Hは,後記2の(1)イ主張の損害額のうち1656万9178円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年8月8日から支払済みまで民法所定の遅延損害金の支払,④原告Dは,後記2の(1)ウ主張の損害額合計700万円から被告会社に対する食材の未払金48万6326円を控除した残金651万3674円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年8月15日から支払済みまで民法所定の遅延損害金の支払,⑤原告Fは,後記2の(1)エ主張の損害額合計2163万1101円から被告会社に対する食材の未払金106万9829円を控除した残金2056万1272円及びこれに対する不法行為の後の日である平成12年9月25日から支払済みまで民法所定の遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。 乙事件は,被告会社が,!加盟店契約の当事者である原告A,原告C,原告D,原告Fに対し,被告会社が加盟店契約によって成立すると主張するフランチャイズ営業権に基づき別紙1商標目録記載の商標,別紙2記載のたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォーム,若しくはこれらに類似するものを使用し,又は別紙6記載の商品を販売してたこ焼店及びこれに類似する店舗を営業することの禁止,"加盟店契約の約定による競業避止義務違反あるいはフランチャイズ営業権の侵害を根拠とする損害賠償として,①原告A及び乙事件被告B(加盟店契約の連帯保証人。以下「被告B」という。)に対し,連帯して1451万2569円及びこれに対する乙事件訴状送達の日の翌日から各支払済みま 根拠とする損害賠償として,①原告A及び乙事件被告B(加盟店契約の連帯保証人。以下「被告B」という。)に対し,連帯して1451万2569円及びこれに対する乙事件訴状送達の日の翌日から各支払済みまで商事法定利率による遅延損害金,②原告Cに対し,552万7293円及びこれに対する乙事件訴状送達の日の翌日から支払済みまで商事法定利率による遅延損害金,③原告D及び乙事件被告E(加盟店契約の連帯保証人。以下「被告E」という。)に対し,連帯して1069万3947円及びこれに対する乙事件訴状送達の日の翌日から各支払済みまで商事法定利率による遅延損害金,④原告F及び乙事件被告G(加盟店契約の連帯保証人。以下「被告G」という。)に対し,連帯して335万8893円及びこれに対する乙事件訴状送達の日の翌日から各支払済みまで商事法定利率による遅延損害金の各支払,#原告A及び被告Bに対し,連帯して材料等の売買契約に基づく残代金合計729万3438円から被告会社の原告Aに対する加盟店契約の保証金返還債務計300万円を控除した残金429万3438円及びこれに対する最終支払期限の翌日から各支払済みまで年2割1分9厘(日歩6銭)の割合による約定遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。 なお,被告会社は,当初原告A,原告C,原告D,原告Fに対し,各加盟店契約の約定(第16条3項)に基づき,それぞれ加盟店契約終了の日から1年間たこ焼店及びこれに類似する店舗の営業をすることの禁止を求めていたが,上記1年間の経過によりその部分の訴えを取り下げた。 1 前提となる事実(1) 当事者ア被告会社被告会社は,たこ焼店の経営,たこ焼店の経営に関するフランチャイズチェーン店の加盟募集及び加盟店の指導業務,加工食品や調味料等の販売,食品加工機械の販売等を行う株式会社 当事者ア被告会社被告会社は,たこ焼店の経営,たこ焼店の経営に関するフランチャイズチェーン店の加盟募集及び加盟店の指導業務,加工食品や調味料等の販売,食品加工機械の販売等を行う株式会社であり,別紙1商標目録記載の商標を登録している者である(争いがない)。被告会社は,平成11年10月,いわゆる企業買収により,経営陣が交代した(争いがない)。 I(以下「I常務」という。)は,甲事件原告らが被告会社と各加盟店契約を締結した当時,同社のフランチャイズ加盟店開発担当常務取締役であったが,平成11年9月に退社した(乙1,証人I)。 J(旧姓K,以下「J」という。)は平成8年1月ころから被告会社の契約社員となり,その後平成9年に正社員となって同社のFC事業部次長として中部地区のフランチャイズ加盟店開発担当社員をしていたが,平成11年6月に退職した(乙2,証人J)。 Lは,フランチャイズ店の店長,スーパーバイザーなどを経た後,平成12年5月に被告会社に入社し,平成12年6月ころからフランチャイズチェーン店開発指導を担当していたが,平成13年8月末日に退社した(証人L)。 被告会社では,平成12年に直営店においてユニフォーム,メニューコルトン,メニューPOP,メニューを刷新したが,加盟店においては従来のユニフォーム等を使用し,また従来のメニューの商品を販売している店舗もある(甲66,72ないし74,76,乙9の2,証人L)。 イ原告A原告A(昭和31年6月26日生)は,大学中退後,土木建築業の現場作業員等を経た後,被告会社の加盟店の経営を始める前の4年間ほどは事務系の仕事を担当する会社員として働いており,700万円ほどの年収を得ていた。原告Aは,妻,2人の子,義母と共に暮らしている。(甲56,原告A)ウ原告H及び原 の経営を始める前の4年間ほどは事務系の仕事を担当する会社員として働いており,700万円ほどの年収を得ていた。原告Aは,妻,2人の子,義母と共に暮らしている。(甲56,原告A)ウ原告H及び原告C原告Hは,仏具の製造・販売,飲食店の経営等を目的とする株式会社であり,原告Cは同社の代表取締役である。同社は平成12年3月21日,有限会社M(代表取締役原告C)が組織変更により株式会社となったものである。(争いがない)原告C(昭和27年4月5日生)は,大学(商学部経営学科)を卒業した後,被告会社の加盟店の経営を始める前は,20年近くの間仏壇・仏具の製造の仕事に携わってきており,年収は650万円ほどであった。原告Cは,妻と2人の子,両親と共に暮らしている(甲57,原告C)。 エ原告D及び被告E原告Dは,飲食店業,食料品の販売等を目的とする株式会社であり,被告Eは同社の代表取締役である(争いがない)。 被告E(昭和31年5月11日生)は,大学(体育学部体育学科)を卒業した後,カーショップの従業員等の仕事を経て,原告Dが被告会社の加盟店となる約10年ほど前からは24時間年中無休のコンビニエンスストアを経営していた。 被告Eは,妻と2人の子,両親の6人家族である。(甲58,被告E)オ原告F及び被告G原告Fは,飲食店の経営等を目的とする株式会社であり,被告Gは同社の代表取締役である(争いがない)。 被告G(昭和28年6月30日生)は,高校を卒業して4年ほど経た後から,原告Fが被告会社の加盟店となる前まで静岡県の信用組合に勤めていた。被告Gは,妻と2人の子と共に暮らしている。(甲59,被告G)(2) 加盟店契約の締結ア原告A,原告C,原告H,原告D,原告F(以下,まとめて「甲事件原告ら」ともいう 用組合に勤めていた。被告Gは,妻と2人の子と共に暮らしている。(甲59,被告G)(2) 加盟店契約の締結ア原告A,原告C,原告H,原告D,原告F(以下,まとめて「甲事件原告ら」ともいう。ただし,原告Hについてはその前身である有限会社Mである。特にことわらない限り以下同様とする。)は,被告会社との間で,それぞれ別表のとおり被告会社が甲事件原告らに対し被告会社の加盟店であることを表示する商標やサービスマーク等を使用し,被告会社から経営ノウハウの提供を受けて営業する権利を与え,一方で甲事件原告らはたこ焼の材料等を被告会社から購入し,また被告会社に対して1か月5万円のロイヤリティを支払うことを内容とする加盟店契約を締結した。 イ別表の各加盟店契約には,加盟店が被告会社に対して支払うべき材料等の購入代金の支払を遅滞した場合には,加盟店は被告会社に対し支払期日の翌日から完済の日まで日歩6銭の割合による遅延損害金を支払うこととする旨の条項(第8条2項),加盟店は加盟店契約締結の際に150万円の保証金を支払うこととする旨の条項(第10条),加盟店契約の有効期間は契約締結の日から3年であるが,期間満了の3か月前までに書面による解約の申し入れがない場合は,自動的に更新される旨の条項(第13条),加盟店契約が終了した場合,加盟店の営業のため表示していた表示物件は即時に撤去抹消しなければならない旨の条項(第16条2項),加盟店契約終了後1年間は同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならない旨の条項(第16条3項),加盟店に契約違反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の条項(第23条)がある(争いがない,弁論の全趣旨)。 (3) 加盟店契約締結後の各加盟店の営業状況等ア原告Aは,別表 反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の条項(第23条)がある(争いがない,弁論の全趣旨)。 (3) 加盟店契約締結後の各加盟店の営業状況等ア原告Aは,別表①ないし③の各加盟店契約に基づき藤ヶ丘店(名古屋市以下略)を平成8年4月に,平針店(名古屋市以下略)を同年8月に,また小幡店(名古屋市以下略)を同年11月にオープンしたが,小幡店は平成11年7月末に閉店した(争いがない,原告A)。 原告Aは被告会社との加盟店契約に従い同社から材料等を購入したが,平成12年6月末日の時点で671万4273円の売買代金債務が未払であった。被告会社は,原告Aに対し,同年7月ころ,上記債務の支払を催告した。また,原告Aは,同年7月から8月にかけて被告会社から材料等を代金57万9165円で購入したが未払の状態である。 原告Aは,平成12年7月29日付の内容証明郵便をもって被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示と,上記未払の売買代金債務671万4273円を被告会社に対する損害賠償債権とその対当額で相殺する旨の意思表示をし,同書面は同年8月1日,被告会社に到達した。(争いがない,甲16の1・2)被告会社は,原告Aに対し,同年10月12日,債務不履行(材料等購入代金不払い)を理由として各加盟店契約を解除する旨の意思表示をした(争いがない)。 原告Aは,平成13年3月9日の口頭弁論期日において,上記未払の売買代金債務57万9165円を被告会社に対する損害賠償債権とその対当額で相殺する旨の意思表示をした(当裁判所に顕著な事実)。 イ原告C及び原告H(当時有限会社M)は,別表④及び⑤の各加盟店契約に基づいて江南店(愛知県江南市以下略),扶桑店(愛知県丹羽郡以下略)において営業を開始したが,扶桑店 当裁判所に顕著な事実)。 イ原告C及び原告H(当時有限会社M)は,別表④及び⑤の各加盟店契約に基づいて江南店(愛知県江南市以下略),扶桑店(愛知県丹羽郡以下略)において営業を開始したが,扶桑店は平成12年6月に閉店した(原告C)。 原告C及び原告Hは,平成12年8月4日付の内容証明郵便をもって被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をし,同書面は同年同月7日,被告会社に到達した(争いがない,甲19の1・2)。 被告会社は,原告Cに対し,平成13年2月10日送達の乙事件訴状をもって,同原告との加盟店契約を解除する旨の意思表示をした(当裁判所に顕著な事実)。 ウ原告Dは,別表⑥及び⑦の各加盟店契約に基づいて各務原店(岐阜県各務原市以下略),忠節店(岐阜市以下略)において営業を開始したが,両店とも平成12年6月に閉店した(被告E)。 原告Dは,被告会社との加盟店契約に従い同社から材料等を購入したが,48万6326円の売買代金債務が未払であった。 原告Dは,平成12年8月11日付の内容証明郵便をもって被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をし,同書面は同年同月14日,被告会社に到達した(争いがない,甲31の1・2)。 被告会社は,原告Dに対し,平成13年2月10日送達の乙事件訴状をもって同原告との各加盟店契約を解除する旨の意思表示をした(当裁判所に顕著な事実)。 エ原告Fは,別表⑧及び⑨の各加盟店契約に基づいて志賀本通店(名古屋市以下略),平安通店(名古屋市以下略)において営業を開始したが,平安通店は平成10年8月1日に閉店した(被告G)。 原告Fは,被告会社との加盟店契約に従い同社から材料等を購入したが,106万9829円の売買代金債務が未払 下略)において営業を開始したが,平安通店は平成10年8月1日に閉店した(被告G)。 原告Fは,被告会社との加盟店契約に従い同社から材料等を購入したが,106万9829円の売買代金債務が未払であった。 原告Fは,平成12年9月8日付の内容証明郵便をもって被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をし,同書面は同年同月11日,被告会社に到達した(争いがない,甲33の1・2)。 被告会社は,原告Fに対し,同年9月4日,債務不履行(材料等購入代金不払い)を理由として各加盟店契約を解除する旨の意思表示をした(争いがない)。 2 争点(1) 甲事件ア原告Aの請求について(ア) 責任原因ー被告会社担当者の詐欺の成否(原告Aの主張の要旨)被告会社の開発担当者であるJは,原告Aに対し開店後に売上が落ち着いた後も藤ヶ丘店は月商400万円以上,平針店は月商250万から300万円,小幡店は月商200万から250万円は必ず売上が見込める旨説明し,原告Aをしてその旨を誤信させ,各加盟店契約を締結させた。 Jは,実際には根拠がないのに確かな数字であるかのように売上高を示し,売上確保は間違いない事実であるかのように誤信させたものであり,その行為はセールストークの範囲を超え,売上は経営者の経営努力にかかっているとの論法で片づけることはできないものである。 (被告会社の主張の要旨)I常務は,加盟店開発にあたって具体的な売上予測を示したり利益保証をしないという方針を徹底しており,Jが原告Aに対し具体的な売上高の予測や保証を行った事実はない。 藤ヶ丘店は実質的オーナーは被告Bであり,Jが原告Aに売上保証をして加盟店契約の締結を勧誘することはあり得ない。 Jは,平針店,小幡店の売上について原告Aが主張するような発 を行った事実はない。 藤ヶ丘店は実質的オーナーは被告Bであり,Jが原告Aに売上保証をして加盟店契約の締結を勧誘することはあり得ない。 Jは,平針店,小幡店の売上について原告Aが主張するような発言をしたことはない。仮に売上予測額に言及していたとしても,売上保証をしたものではない。 藤ヶ丘店はほとんどの月で月商400万円以上の売上を上げており,詐欺の主張は成り立たない。 (イ) 損害原告Aは被告会社の不法行為により以下のとおり合計2018万3076円の損害を被った旨主張し,被告会社はこれを争った。 ①加盟金 510万円②保証金 300万円③小幡店開業費用 608万3076円ⅰ 調理器具代 80万5171円ⅱ 店舗契約金 94万6910円ⅲ 駐車場契約金 1万6480円ⅳ 内外装工事 264万9160円ⅴ 厨房設備費 93万1995円ⅵ 看板工事費 73万3360円④フランチャイズ料(ロイヤリティ) 計600万円ⅰ 藤ヶ丘店 46か月分 230万円ⅱ 平針店 42か月分 210万円ⅲ 小幡店 32か月分 160万円イ原告C及び同Hの請求について(ア) 責任原因ー被告会社担当者の詐欺の成否(原告C及び同Hの主張の要旨)被告会社の開発担当者であるJ及びその上司であるI常務は,原告Cに対し開店後に売上が落ち着いた後も江南店は月商300万円,扶桑店は月商180万から200万円は確実である旨説明し,原告C の要旨)被告会社の開発担当者であるJ及びその上司であるI常務は,原告Cに対し開店後に売上が落ち着いた後も江南店は月商300万円,扶桑店は月商180万から200万円は確実である旨説明し,原告Cをしてその旨を誤信させ,各加盟店契約を締結させた。 JあるいはI常務は,実際には根拠がないのに確かな数字であるかのように売上高を示し,売上確保は間違いない事実であるかのように誤信させたものであり,その行為はセールストークの範囲を超え,売上は経営者の経営努力にかかっているとの論法で片づけることはできないものである。 (被告会社の主張の要旨)I常務は,加盟店開発にあたって具体的な売上予測を示したり利益保証をしないという方針を徹底しており,JあるいはI常務が原告Cに対し,売上について同人の主張するような発言を行った事実はない。 (イ) 損害原告Cは被告会社の不法行為により以下のとおり合計415万円の損害を被った旨主張し,被告会社はこれを争った。 ①加盟金 170万円②フランチャイズ料(ロイヤリティ)48か月分 240万円③再契約料 5万円また,原告Hは被告会社の不法行為により以下のとおり合計1695万8511円の損害を被った旨主張し,被告会社はこれを争った。 ①加盟金 170万円②扶桑店建築費 710万円③厨房設備費 266万9050円④看板工事費 199万4300円⑤指定道具費 221万8280円⑥宣伝広告費 39万9460円⑦フランチャイズ料(ロイヤリティ) 199万4300円⑤指定道具費 221万8280円⑥宣伝広告費 39万9460円⑦フランチャイズ料(ロイヤリティ) 87万7421円ウ原告Dの請求について(ア) 責任原因ー被告会社担当者の詐欺の成否(原告Dの主張の要旨)被告会社のI常務は,被告Eに対し,各務原店は最低でも300万円の売上が見込め,あたると800万円くらいいくかもしれないなどと説明をし,また,被告会社の開発担当者であるJは,被告Eに対し,各務原店及び忠節店について最低でも300万円は売上があるなどと述べて,被告Eをしてその旨を誤信させ,各加盟店契約を締結させた。 I常務あるいはJは,実際には根拠がないのに確かな数字であるかのように売上高を示し,売上確保は間違いない事実であるかのように誤信させたものであり,その行為はセールストークの範囲を超え,売上は経営者の経営努力にかかっているとの論法で片づけることはできないものである。 (被告会社の主張の要旨)I常務は,加盟店開発にあたって具体的な売上予測を示したり利益保証をしないという方針を徹底しており,I常務あるいはJが被告Eに対し,売上について同人の主張するような発言を行った事実はない。 (イ) 損害原告Dは,被告会社の不法行為により以下のとおり合計700万円の損害を被った旨主張し,被告会社はこれを争った。 ①加盟金 340万円②フランチャイズ料(ロイヤリティ)36か月分 360万円エ原告Fの請求について(ア) 責任原因ー被告会社担当者の詐欺の成否(原告Fの主張の要旨)被告会社のI常務は,被告Gに対し,志賀本通店は最終的には月商200万円で落ち着くが,爆発的に売れ 原告Fの請求について(ア) 責任原因ー被告会社担当者の詐欺の成否(原告Fの主張の要旨)被告会社のI常務は,被告Gに対し,志賀本通店は最終的には月商200万円で落ち着くが,爆発的に売れる可能性があるなどと説明をし,また,被告会社の開発担当者であるJは,平安通店について京たこは安定的売上200万円以上のところでないと許可は出さないので大丈夫である旨述べ,被告Gをしてその旨を誤信させ,各加盟店契約を締結させた。 JあるいはI常務は,実際には根拠がないのに確かな数字であるかのように売上高を示し,売上確保は間違いない事実であるかのように誤信させたものであり,その行為はセールストークの範囲を超え,売上は経営者の経営努力にかかっているとの論法で片づけることはできないものである。 (被告会社の主張の要旨)I常務は,加盟店開発にあたって具体的な売上予測を示したり利益保証をしないという方針を徹底しており,JあるいはI常務が被告Gに対し,売上について同人の主張するような発言を行った事実はない。 (イ) 損害原告Fは,被告会社の不法行為により以下のとおり合計2163万1101円の損害を被った旨主張し,被告会社はこれを争った。 ①加盟金 340万円②開店資金 1253万1101円ⅰ オープン器材(平安通店) 79万1524円ⅱ 内装工事等(平安通店) 740万1322円ⅲ オープンチラシ(平安通店) 32万8055円ⅳ 店舗斡旋手数料(平安通店) 17万円ⅴ 有線放送加盟金(平安通店) 7万0100円ⅵ 店舗保証金(平安通店) 102万円ⅶ 店舗権利金(平安通店) 257万500 店) 17万円ⅴ 有線放送加盟金(平安通店) 7万0100円ⅵ 店舗保証金(平安通店) 102万円ⅶ 店舗権利金(平安通店) 257万5000円ⅷ 仲介手数料(平安通店) 17万5100円③フランチャイズ料(ロイヤリティ) 計420万円ⅰ 志賀本通店 58か月分 290万円ⅱ 平安通店 26か月分 130万円④保証金 150万円(2) 乙事件ア商標等使用禁止請求について(ア) 商標等使用禁止請求の根拠(被告会社の主張の要旨)a フランチャイザーが保有するノウハウの中には商号使用権,商標権などの実定法上の権利に基づかない諸処の要素も含まれている。フランチャイズ契約とは,フランチャイザーが保有するノウハウの総体を使用することを対価を徴収してフランチャイジーに許諾する契約である。ノウハウの総体の使用を許諾する権利(フランチャイズ営業権)は,商慣習法(商法1条)を背景としてフランチャイズ契約によってフランチャイザーとフランチャイジーとの間に成立する慣習法上,契約法上の権利である。フランチャイジーがフランチャイザーとの契約終了後にフランチャイザーのノウハウを使用することは,契約上許されない。元フランチャイジーは,たとえそれが不正競争防止法に抵触しない行為であっても,フランチャイズ契約上の制約により契約終了後にフランチャイザーのノウハウを使用することは許されない。 b 原告A,同C,同D,同Fは(以下,同原告ら4名を「原告Aら」と総称する。),前記前提となる事実(3)記載のとおり,被告会社の詐欺を理由として各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をしたが,被告会社が詐欺を行った事実はなく,詐 は(以下,同原告ら4名を「原告Aら」と総称する。),前記前提となる事実(3)記載のとおり,被告会社の詐欺を理由として各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をしたが,被告会社が詐欺を行った事実はなく,詐欺を理由とする取消しの意思表示は無効である。もっとも,原告Aらはこれにより各加盟店契約を破棄したものとみるべきであり,被告会社との各加盟店契約は終了し,加盟店として営業をする権利を失った。仮に破棄による契約の終了にあたらないとしても少なくとも被告会社は,前記前提となる事実(3)記載のとおり原告Aらに対して解除の意思表示を行っており,これにより同人らは加盟店として営業する権利を失った。 c 原告Aらが各加盟店契約破棄後も別紙2記載のたこ焼用銅板等を使用してたこ焼店の営業を継続することは,被告会社のフランチャイズ営業権の侵害にあたる。 (原告Aらの主張)原告Aらは,前記前提となる事実(3)記載のとおり,被告会社との各加盟店契約を詐欺を理由に取り消しており,これにより各加盟店契約は遡及的に消滅するから,被告会社に対し,契約上の義務(被告会社のフランチャイズ営業権を侵害してはならない義務)は負わない。 (イ) 原告Aらの営業行為(被告会社の主張の要旨)原告Aらは,各加盟店契約破棄後も被告会社のノウハウの重要な要素である別紙1商標目録記載の商標,別紙2記載のたこ焼用銅板等を使用してたこ焼店の営業を継続している。 (原告Aらの主張の要旨)別紙2記載のたこ焼用銅板については使用しているものもあるが,これは原告Aらが被告会社から購入したものであり,同人らに所有権があるものであるし,被告会社から購入した銅板は一般に市販されているものと大差があるわけではない。 別紙6記載の商品について,原告Aらの店舗の中にはこれを売っている店舗もあるが,これらは一般 に所有権があるものであるし,被告会社から購入した銅板は一般に市販されているものと大差があるわけではない。 別紙6記載の商品について,原告Aらの店舗の中にはこれを売っている店舗もあるが,これらは一般にたこ焼店でよく見られるメニューであるし,むしろ現在被告会社にはこのメニューは存在しない。 イ原告Aらの不当営業行為を理由とする損害賠償請求について(ア) 不当営業行為(被告会社の主張)被告会社と原告Aらとの各加盟店契約締結により同人らは各加盟店契約終了後,契約終了日から1年間は各加盟店が営業した同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならないという競業避止義務を負った(加盟店契約書第16条3項)。 前記ア(ア)(被告会社の主張の要旨)で述べたとおり,被告会社と原告Aらとの各加盟店契約は同人らの破棄により終了したのであり,詐欺により取り消されたものではないから,同人らの競業避止義務は消滅しない。 原告Aらは,何ら解除・取消原因がないのに不当に各加盟店契約を破棄し,その後も被告会社の開発したノウハウ(別紙1商標目録記載の商標,別紙2記載のたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォーム)を用いて実質的に被告会社のチェーン店としての営業を行った。 なお,被告会社独自のたこ焼の粉(ベース)は被告会社のノウハウの重要な要素であるが,原告Aは,被告会社と同様の粉を仕入れ,これを使用して営業を継続している。 (原告Aらの主張)原告Aらは,詐欺によって各加盟店契約を取り消したのであり,各加盟店契約は遡及的に消滅し,被告会社に対して何ら義務を負わない。 また,原告Aらは,被告会社のノウハウを用いずに独自の経営を行っており,被告会社チェーン店としての営業を行っていない。 のであり,各加盟店契約は遡及的に消滅し,被告会社に対して何ら義務を負わない。 また,原告Aらは,被告会社のノウハウを用いずに独自の経営を行っており,被告会社チェーン店としての営業を行っていない。 たこ焼を作るにあたって使用する「ベース」と呼ばれる粉は,被告会社本部から購入することになっているが,粉の調合は加盟店の経営者には全く分からないようになっている。原告Aらは,各加盟店契約を詐欺により取り消した後は被告会社のベースを購入することはできず,市販されている粉等の食材を使用し,独自の味を作り独自の経営方針で営業している。 (イ) 損害被告会社は,原告Aらの不当営業行為によって,ロイヤリティ及び材料等売買利益に相当する得べかりし利益を失ったとして,加盟店に違約があった場合には3か月分の売上金を違約金とする旨の加盟店契約の損害賠償額の予定条項(第23条)に基づき,原告A(及び連帯保証人である被告B)に対しては1451万2569円(契約破棄前6か月間の同原告の自己申告による1か月平均の売上高483万7523円の3倍),原告Cに対しては552万7293円(契約破棄前6か月間の材料等の売上から推計される1か月の平均売上高184万2431円の3倍),原告D(及び連帯保証人である被告E)に対しては1069万3947円(前同様の推計による1か月の平均売上高356万4649円の3倍),原告F(及び連帯保証人である被告G)に対しては335万8893円(前同様の推計による1か月の平均売上高111万9631円の3倍)の損害金を請求できる旨主張し,原告Aらはこれを争った。 ウ原告A及び被告B(連帯保証人)に対する材料の売掛金残金の請求について不法行為債権による相殺の可否(原告A及び被告Bの主張)原告Aは,被告会社に対する未払の売買代金債 を争った。 ウ原告A及び被告B(連帯保証人)に対する材料の売掛金残金の請求について不法行為債権による相殺の可否(原告A及び被告Bの主張)原告Aは,被告会社に対する未払の売買代金債務729万3438円のうち671万4273円については前記前提となる事実(3)ア記載のとおり平成12年8月1日原告Aの被告会社に対する不法行為債権をもって対当額で相殺する旨の意思表示をし,うち57万9165円については平成13年3月9日の口頭弁論期日において原告Aの被告会社に対する不法行為債権をもってその対当額で相殺する旨の意思表示をした。 (被告会社の主張)原告Aが相殺の意思表示をしたことは認めるが,原告Aの被告会社に対する不法行為債権の発生は争う。 第3 当裁判所の判断(甲事件に対する判断) 1 原告Aの請求について(1) 事実経過第2の1の前提となる事実(1),(2),(3)ア,関係証拠(甲2,3,4,16の1・2,28,55,56,63ないし65,75,83,乙1,2,3の1・2,4の1,5,8,14,証人J,同I,同L,原告A)並びに弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。ただし,甲56,75,乙1,2,3の1・2,8,証人J,同I,同Lの各証言,原告Aの供述のうち以下の認定に沿わない部分は採用しない。 ア契約締結過程から平成12年8月1日まで原告Aは,会社員として働いていたが,いわゆる脱サラをして事業を始めることを考えていたときに同人の姉の夫である被告Bの紹介で被告会社を知り,被告会社の開発担当者であるJから説明を受けた。 Jは,被告会社の社員となる前は,空気清浄機の販売営業の仕事をしていたが,当時の仕事を介して知り合った知人が被告会社の加盟店となるに際して物件を紹介したことがきっかけ るJから説明を受けた。 Jは,被告会社の社員となる前は,空気清浄機の販売営業の仕事をしていたが,当時の仕事を介して知り合った知人が被告会社の加盟店となるに際して物件を紹介したことがきっかけで被告会社の仕事に関わりを持ち,被告会社の出店に適した物件を探すようになり,藤ヶ丘店となる物件を発見してオーナーとなる人物を探していたところ,知人を介して被告Bを紹介された。被告Bは,藤ヶ丘店の物件を見たうえで出店に前向きの姿勢を示したしたが,しばらくして実際の経営を行う者として原告Aを紹介した。Jは,被告Bに出会った当初は被告会社の社員ではなかったが,平成8年1月ころ,被告会社の契約社員として中部地区の開発を担当することになり,同時にN社長とI常務に藤ヶ丘店の物件を見せ,藤ヶ丘店出店の承認を受けた。 Jは,原告Aに対し,FC加盟店募集と書かれたパンフレット(甲55参照)や「投資額概要と収益モデル」(甲28参照)を渡し,I常務の予測に基づいて藤ヶ丘店は開店後に売上が落ち着いた後も月商400万円以上は間違いのない店舗である旨の説明をした。 Oこと原告Aは被告会社と平成8年1月30日,藤ヶ丘店について加盟店契約を締結した(甲2)。 原告Aは平成8年4月12日に藤ヶ丘店をオープンした。 藤ヶ丘店をオープンしてしばらくたったころ,Jは,被告会社が多店舗の経営を積極的に勧める方針であり,原告A自身も複数店舗の経営に積極的であったことから,I常務の予測に基づいて平針店は月商250万円から300万円程度,小幡店は200万円から250万円程度の安定的な売上が認められる立地である旨述べ原告Aに両店舗の開店を勧誘した。原告AはJの勧誘にしたがって平針店,小幡店を開店することを決め,平成8年6月1日に各加盟店契約を締結し,平針店を同年 程度の安定的な売上が認められる立地である旨述べ原告Aに両店舗の開店を勧誘した。原告AはJの勧誘にしたがって平針店,小幡店を開店することを決め,平成8年6月1日に各加盟店契約を締結し,平針店を同年8月に,小幡店を同年11月にそれぞれオープンした(甲3,4)。各店舗の出店に際して被告会社では特別な立地調査を行っておらず,出店するか否かはI常務の判断で決定されていた。 藤ヶ丘店は,開店直後の平成8年5月に980万円を超える売上を記録し,その後平成11年5月までは月商が一度も400万円を下回ることはなく,平成11年6月以降も平成12年4月までの間に月商売上が400万円を下回ったのは4か月だけであった。平針店の売上は,オープンした平成8年8月に月商が300万円を超えた後,同年10月に月商200万円を下回ったが,平成12年4月までは同年2月を除いて月商が100万円を超えていた。小幡店の売上は,オープン直後の平成8年12月に月商が220万円を超えた後,翌月から月商が200万円を下回るようになったが,平成11年2月までは平成10年3月を除いて月商が100万円を超えていた。 小幡店は平成11年7月末に閉店した。 各加盟店契約の期間を通じてI常務,Jやスーパーバイザーは特別な指導等を何もしなかった。 原告Aは,被告会社に対し,各店舗につき150万円の保証金のほかロイヤリティの支払等を行い,被告会社からたこ焼用銅板を購入したが,契約時に買い戻しの話はなかった。 イ平成12年8月1日以降原告Aは,被告会社に対し,平成12年8月1日,被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,藤ヶ丘店及び平針店と同一の場所において京たこ等の名称を取り除き,「P」という店名に変えたうえ,両店舗において京たこの文字の入った提灯(ただし,「 て上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,藤ヶ丘店及び平針店と同一の場所において京たこ等の名称を取り除き,「P」という店名に変えたうえ,両店舗において京たこの文字の入った提灯(ただし,「京」の字を隠したもの)を使用し,藤ヶ丘店に関してインターネットのホームページに京たこの文字をかかげ,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙5記載のユニフォームを使用し,また平針店においては被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトンを使用し,両店舗において別紙6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の営業を継続していた。もっとも,提灯,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームについては,被告会社が仮処分の申立て(当庁平成12年(ヨ)第1126号営業禁止等仮処分命令申立事件)をした後,平成12年末ころにはその使用を止め,ホームページも平成12年12月28日に削除した。 (2) 被告会社の担当者の詐欺の成否についてア前記(1)のアで認定した事実によれば,たしかに,Jは,原告Aに対し,開店後に売上が落ち着いた後も藤ヶ丘店は月商400万円以上,平針店は月商250万から300万円,小幡店は月商200万から250万円の売上が確実であるかのような発言をして勧誘しており,開店後も適切な指導を行う旨説明している。また,Jの各店舗の月商に関する発言は,おおむねI常務の収益予測に基づくものであることがうかがわれるところ,I常務の収益予測は,特別な立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし,もともと店舗の売上予測はあくまで予測であって,経営者の個々の努力によっても大きく左右さ 立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし,もともと店舗の売上予測はあくまで予測であって,経営者の個々の努力によっても大きく左右される不確実な金額であり,売上が保証できる性質のものではなく,本件においてもJあるいはI常務が原告Aに対していわゆる「売上保証」をしたことを認めるに足りる証拠はない。また,前記(1)ア認定のとおり,藤ヶ丘店については現実に開店後3年間にわたって月商400万円以上の売上が確保できていたものであり,平針店や小幡店についても開店後の現実の売上高に照らしてI常務の収益予測がことさら過大な数字であったとはいえず,Jにおいても勧誘する各店舗について実際には自己の発言どおりの売上が達成できないとの認識を持ちながら原告Aを勧誘したとは認められない。 前記(1)アの事実経過及び上記の判断に照らすと,JあるいはI常務が原告Aから加盟店契約に伴って被告会社に支払われる金員を詐取する目的で採算の合わない店舗をあえて開発したとは考えられず,いずれにしても被告会社の担当者に原告Aを欺罔する認識即ち詐欺の故意があったとは認められない。 したがって,被告会社に原告A主張の詐欺の事実は認められない。 イよって,その余の点について判断するまでもなく原告Aの被告会社に対する請求は理由がない。 2 原告C及び同Hの請求について(1) 事実経過第2の1の前提となる事実(1),(2),(3)イ,関係証拠(甲17,18,28,55,57,76,79の1ないし5,乙2,4の2,証人J,同I,原告C)並びに弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。ただし,甲57,76,乙2,証人J,同Iの各証言,原告Cの供述のうち以下の認定に沿わない部分は採用しない。 ア契約締結過程から I,原告C)並びに弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。ただし,甲57,76,乙2,証人J,同Iの各証言,原告Cの供述のうち以下の認定に沿わない部分は採用しない。 ア契約締結過程から平成12年8月7日まで原告Cは,有限会社Mにおいて仏壇・仏具の製造の仕事に携わっていたが,仏壇・仏具の製造は斜陽産業であった。そこで,平成8年ころ新しい仕事を始めるために被告会社の加盟店である小牧店のオーナーから話を聞き,被告会社に連絡をした。被告会社の開発担当者であるJは,原告Cと数回にわたって面談し,江南店となる物件を探してきて江南店出店について上司であるI常務の承認を取り,原告Cに紹介した。Jは,原告Cに対し,「投資額概要と収益モデル」(甲28参照)やFC加盟店募集と書かれたパンフレット(甲55参照)を交付して加盟店となることを勧誘し,江南店は駅前なので乗降客も3万人以上あり,非常に安定した収入が得られ,開店当時は500万円から600万円,落ち着いた後も300万円は毎月の売上が見込める旨説明して出店を勧め,I常務も売上が落ち着いた後の江南店の月商について同じ趣旨の発言をしていた。 その際,売上が落ち着く具体的時期については示されず,原告Cがこの点について確認することもなかった。 原告Cは,被告会社と平成8年3月27日江南店について加盟店契約を締結し,同年4月初めころ江南店をオープンした(甲17)。 江南店を開店してしばらく経過したころ,J及びI常務は,原告Cに対し,江南店から5キロメートルほどの距離にある扶桑店の開店を勧誘し,同店は月商180万から200万円は見込め,原告Cが経営しないのであれば被告会社の本部が直営店として経営する旨述べた。 原告CはJ及びI常務の勧誘にしたがって扶桑店を開店すること 店を勧誘し,同店は月商180万から200万円は見込め,原告Cが経営しないのであれば被告会社の本部が直営店として経営する旨述べた。 原告CはJ及びI常務の勧誘にしたがって扶桑店を開店することにし,平成9年12月20日,原告Cが代表取締役を務める有限会社Mにおいて被告会社と加盟店契約を締結し,平成10年9月に扶桑店をオープンした(甲18)。 各店舗の出店に際して特別な立地調査は行われておらず,収益予測や出店するか否かはI常務の判断に基づくものであった。 原告C提出にかかる売上・仕入・材料比率表(甲79の1ないし5)によれば,江南店の売上は,開店した翌月の平成8年5月には月商440万円を超え,その後,平成8年6月から平成10年3月までの間に,月商が300万円を超えたのは1か月のみであったが,月商290万円から300万円の売上があった月が7か月(有限会社Mが扶桑店について加盟店契約締結した平成9年12月の売上も月商290万円を超えていた。),月商280万円から290万円の売上があった月が6か月あった。上記の証拠によれば,平成10年4月以降の数か月間は月商200万円台前半で売上が推移し,扶桑店が開店した翌月である平成10年10月以降平成12年3月までの売上は1か月220万円を超える月があった以外は月商100万円台で推移し,平成12年4月以降は月商100万円を切っている。 また,扶桑店の売上も,上記の証拠(甲79の1ないし5)によれば,開店した平成10年9月には月商450万円を超えたが,その後下落し,平成10年の間の月商は200万円台,平成11年には同年3月を除いて月商150万円以下となり,その後は月商100万円を下回る月が多くなってきた。 江南店は平成12年3月に店舗を3分の1の規模に縮小し,扶桑店は平成12年6月に建物を撤収して廃業した は同年3月を除いて月商150万円以下となり,その後は月商100万円を下回る月が多くなってきた。 江南店は平成12年3月に店舗を3分の1の規模に縮小し,扶桑店は平成12年6月に建物を撤収して廃業した。 各加盟店契約の期間を通じてI常務,Jやスーパーバイザーは多店舗経営を勧める程度で特別な指導はしなかった。 原告C及び同Hは,被告会社に対し,各店舗につき150万円の保証金のほかロイヤリティの支払等を行い,被告会社からたこ焼用銅板を購入した。 イ平成12年8月7日以降原告C及び同Hは,被告会社に対し,平成12年8月7日,被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,江南店と同じ場所で被告会社から購入したたこ焼用銅板を使用してたこ焼店の営業を続けているが,別紙1商標目録記載の商標,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームは使用しておらず,別紙6記載の商品と同種の商品は販売していない。 原告Cが加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした際,被告会社の担当者から銅板の返還の請求があったが,原告Cが被告会社から購入したものである旨告げたところ,それ以降たこ焼用銅板の返還の請求はなかった。 (2) 被告会社の担当者の詐欺の成否についてア前記(1)のアで認定した事実によれば,たしかに,JやI常務は,原告Cに対し,開店後に売上が落ち着いた後も江南店は月商300万円以上,扶桑店は月商180万から200万円は確実であるかのような発言をして勧誘している。また,Jの月商に関する発言は,おおむねI常務の収益予測に基づくものであることがうかがわれるところ,I常務の収益予測は,特別な立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし ねI常務の収益予測に基づくものであることがうかがわれるところ,I常務の収益予測は,特別な立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし,もともと店舗の売上予測はあくまで予測であって,経営者の個々の努力によっても大きく左右される不確実な金額であり,売上が保証できる性質のものではなく,本件においてもJあるいはI常務が原告Cあるいは原告Hに対していわゆる「売上保証」をしたことを認めるに足りる証拠はない。また,前記(1)ア認定のとおり江南店については開店後相当期間は現実に月商300万円近い売上が確保でき,扶桑店についても開店後平成10年中は現実に月商200万円を超える売上が確保できたのであるから,Iの収益予測がことさら過大な数字であったということもできず,I常務やJが勧誘した店舗について自己の発言どおりの売上が達成できないとの認識を持ちながら原告Cを勧誘したとは認められない。 前記(1)のアの事実経過及び上記の判断に照らすと,JあるいはI常務が原告Cあるいは原告Hから加盟店契約に伴って被告会社に支払われる金員を詐取する目的で採算の合わない店舗をあえて開発したとは考えられず,いずれにしても被告会社の担当者に原告Cあるいは原告Hを欺罔する認識即ち詐欺の故意があったとまでは認められない。 したがって,被告会社に原告C及び同Hが主張する詐欺の事実は認められない。 イよって,その余の点について判断するまでもなく原告C及び同Hの被告会社に対する請求は理由がない。 3 原告Dの請求について(1) 事実経過第2の1の前提となる事実(1),(2),(3)ウ,関係証拠(甲28ないし30,31の1・2,55,58,77,80の1・2,87,88,乙1,2,4の2,8,証人J,同I,被告 ) 事実経過第2の1の前提となる事実(1),(2),(3)ウ,関係証拠(甲28ないし30,31の1・2,55,58,77,80の1・2,87,88,乙1,2,4の2,8,証人J,同I,被告E)並びに弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。ただし,甲58,77,乙1,2,8,証人J,同Iの各証言,被告Eの供述のうち以下の認定に沿わない部分は採用しない。 ア契約締結過程から平成12年8月14日まで被告Eは,原告Dが被告会社と加盟店契約を締結する10年ほど前から24時間年中無休のコンビニエンスストアを経営してきたが,営業時間を限定できる仕事を検討する中で被告会社と連絡をとるようになり,たこ焼店の経営を考えるようになった。被告会社の開発担当者であるJは,被告Eに対し,FC加盟店募集と書かれたパンフレット(甲55参照)や「投資額概要と収益モデル」と書かれた表を見せ,月間売上に占める原材料費の割合は表では33パーセントとなっているが,実際は30パーセントである旨説明し,30パーセントと書き込みをした表(甲28)とパンフレットを被告Eに渡した。被告Eが探してきた各務原店の候補地について,I常務,Jは,被告Eに対し,各務原店は最低でも300万円の売上が見込める旨の発言をした。また,被告Eは,Jから忠節店を紹介され,I常務やJから忠節店は最低でも300万円は売上があるなどと説明を受け,さらに,Jは,被告Eがやらないのであれば他の人にやってもらう旨強調した。 各店舗の出店に際して特別な立地調査は行われておらず,収益予測や出店するか否かはI常務の判断に基づくものであった。 被告Eは,平成9年6月17日,被告会社の加盟店となるにあたって原告Dを設立し,同日,同社は被告会社と各務原店及び忠節店について加盟店契約を締結し か否かはI常務の判断に基づくものであった。 被告Eは,平成9年6月17日,被告会社の加盟店となるにあたって原告Dを設立し,同日,同社は被告会社と各務原店及び忠節店について加盟店契約を締結し同年同月各務ヶ原店を,2週間遅れて忠節店をオープンした(甲29,30)。 原告D提出にかかる3年度比較純売上高推移グラフ(甲80の1・2)によれば,各務原店の売上は,平成9年7月に月商400万円を超える売上を記録した後,同年11月までの売上は月商300万円台で推移し,同年12月以降は月商300万円を下回るようになり,その後も全体として下落傾向が続き,平成11年2月以降の売上は月商200万円を下回るようになった。また,上記証拠(甲80の1・2)によれば,忠節店の売上は,平成9年8月及び同年9月に月商300万円を超えた後,下落傾向が続き,平成10年8月以降の売上は月商200万円を下回るようになった。 上記2店について,I常務,J,スーパーバイザーは多店舗経営を勧める程度で特別な指導等はしなかった。 原告Dは,被告会社に対し,各店舗につき150万円の保証金のほかロイヤリティの支払等を行い,被告会社からたこ焼用銅板を購入した。 イ平成12年8月14日以降原告D(代表者被告E)は,3年間の契約期間が満了するころ,契約の更新をせずに加盟店を脱退する旨を口頭で被告会社に伝え,さらに被告会社に対し,平成12年8月14日,被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,各務原店,忠節店と同一の場所において,看板に別紙1商標目録記載の商標と類似の商標を使用し別紙目録6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の経営を続けていたが,その後類似商標部分を抹消し,また,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載 紙1商標目録記載の商標と類似の商標を使用し別紙目録6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の経営を続けていたが,その後類似商標部分を抹消し,また,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームは使用していない。被告会社の加盟店としての営業をやめるに際して,被告会社の担当者は,京たこと表示のある物の使用はやめるように要求したが,備品の使用はかまわない旨述べ,銅板の返還を請求することはなかった。また,店構えについては最終的に被告会社本部の担当者によりチェックする旨述べたが,その後被告会社は被告Eに対して直接明確な差し止めを請求するに至らなかった。 (2) 被告会社の担当者の詐欺の成否についてア前記(1)のアで認定した事実によれば,たしかに,JやI常務は,被告Eに対し,各務原店と忠節店について最低でも月商300万円以上の売上が上がるかのような発言をして勧誘をしている。また,Jの月商に関する発言は,おおむねI常務の収益予測に基づくものであることがうかがわれるところ,I常務の収益予測は,特別な立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし,もともと店舗の売上予測はあくまで予測であって,経営者の個々の努力によっても大きく左右される不確実な金額であり,売上が保証できる性質のものではなく,本件においてもJあるいはI常務が原告Dあるいは被告Eに対していわゆる「売上保証」をしたことを認めるに足りる証拠はない。また,前記(1)ア認定のとおり各務原店においても忠節店においても開店直後は短期間とはいえ現実に月商300万円を超える売上を確保できたのであるから,I常務の収益予測がことさら過大な数字であったとはいえず,I常務やJが勧誘した店舗について実際に ても忠節店においても開店直後は短期間とはいえ現実に月商300万円を超える売上を確保できたのであるから,I常務の収益予測がことさら過大な数字であったとはいえず,I常務やJが勧誘した店舗について実際には自己の発言どおりの売上が達成できないとの認識を持ちながら被告Eを勧誘したとは認められない。 前記(1)のアの事実経過及び上記の判断に照らすと,JあるいはI常務が被告Eを欺罔して原告D(代表者被告E)から加盟店契約に伴って被告会社に支払われる金員を詐取する目的で採算の合わない店舗をあえて開発したとは考えられず,いずれにしても被告会社の担当者に被告Eを欺罔する認識即ち原告Dに対する詐欺の故意があったとまでは認められない。 したがって,被告会社に原告Dが主張する詐欺の事実は認められない。 イよって,その余の点について判断するまでもなく原告Dの被告会社に対する請求は理由がない。 4 原告Fの請求について(1) 事実経過第2の1の前提となる事実(1),(2),(3)エ,関係証拠(甲28,33の1・2,55,59,78,81,乙1,4の2,7,証人J,同I,被告G)並びに弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。ただし,甲59,78,乙1,7,証人J,同Iの各証言,被告Gの供述のうち以下の認定に沿わない部分は採用しない。 ア契約締結過程から平成12年9月11日まで被告Gは,静岡県の信用組合に努めていたがいわゆる脱サラを考えていたところ,平成7年,被告会社の加盟店の経営者からの紹介で被告会社に連絡をとった。被告会社のI常務は,被告会社は利益率がよく,経営者は店に入らなくても利益が上がるとして多店舗展開を勧めた。 被告Gは,被告会社の加盟店となるにあたって平成7年7月,原告Fを設立し,名古屋市以下略に事務所を構える 告会社は利益率がよく,経営者は店に入らなくても利益が上がるとして多店舗展開を勧めた。 被告Gは,被告会社の加盟店となるにあたって平成7年7月,原告Fを設立し,名古屋市以下略に事務所を構えると共に,I常務の協力を得ながら店舗開店に適した物件を探してまわり,I常務の意見をふまえ,最終的に志賀本通店となる場所に店舗を出すことにした。I常務は,勧誘の際には「投資額概要と収益モデル」という資料(甲28参照)を渡し,原材料費は33パーセントでオーナーは店に入らなくてもよく,人件費は21パーセント程度で,志賀本通店については最終的には月商200万円に落ち着くが,爆発的に売れる可能性もあるなどと説明をした。 原告Fは,平成7年10月ころ,被告会社と志賀本通店について加盟店契約を締結し,同年同月6日志賀本通店をオープンした。 志賀本通店は,建て替えの可能性があったこともあり,当初賃料は無料であった。 被告Gは,志賀本通店オープン後の平成8年1月,同店の店舗の貸主から建て替えのための明け渡しの可能性を告げられ,Jに相談したところ,志賀本通店から1キロメートルほどの距離にある平安通店を紹介された。 その後,建て替えの話はなくなったが,JとI常務は,被告Gに対し,両方の店舗の経営を勧め,I常務が志賀本通店と同じくらいは売れる旨述べたこともあり,被告Gは,志賀本通店と平安通店の両店舗を経営していくことにし,原告Fにおいて,平成8年5月ころ,平安通店について被告会社と加盟店契約を締結し,同月26日平安通店をオープンした。 各店舗の出店に際して特別な立地調査は行われておらず,収益予測や出店するか否かはI常務の判断に基づくものであった。 原告F提出にかかる売上表(甲81)によれば,志賀本通店は,開店後平成7年10月から平成8年1月までの4 特別な立地調査は行われておらず,収益予測や出店するか否かはI常務の判断に基づくものであった。 原告F提出にかかる売上表(甲81)によれば,志賀本通店は,開店後平成7年10月から平成8年1月までの4か月間は400万円を上回る月商を記録し,その後平成10年3月までは月商が200万円を下回ることはなかったし,平安通店は,開店直後の平成8年6月に月商320万円を超える売上を記録した後,平成9年12月までほぼ月商200万円台で売上が推移した。 名古屋市以下略の事務所は平成8年12月には閉鎖され,平安通店は平成10年8月1日には,閉店した。 被告Gは,売上の低迷について被告会社に相談したが,I常務は被告Gが従前から行っていたソフトクリームの販売を勧めた程度で,その他に被告会社から特別な指導等はなかった。 原告Fは,被告会社に対し,各店舗につき150万円の保証金のほかロイヤリティの支払等を行い,被告会社からたこ焼用銅板を購入した。 イ平成12年9月11日以降原告F(代表者被告G)は,被告会社に対し,平成12年9月11日,被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,志賀本通店と同一の場所で,別紙1商標目録記載の商標のついた油差し,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙4記載のメニューコルトンの一部を使用し,別紙6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の営業を続けていたが,その後別紙1商標目録記載の商標のついた油差しは撤去した。 (2) 被告会社の担当者の詐欺の成否についてア前記(1)のアで認定した事実によれば,たしかに,I常務は同人自身の売上予測に基づき,被告Gに対し,志賀本通店について将来的に月商200万円は確実であるかのような発言をし,平安通店については志賀本通店と同じくらいは売れ した事実によれば,たしかに,I常務は同人自身の売上予測に基づき,被告Gに対し,志賀本通店について将来的に月商200万円は確実であるかのような発言をし,平安通店については志賀本通店と同じくらいは売れる旨述べて勧誘している。I常務の収益予測は,特別な立地調査に基づくのではなく,同人の経験に基づく直感的な判断に留まるものであったことは否定できない。 しかし,もともと店舗の売上予測はあくまで予測であって,経営者の個々の努力によっても大きく左右される不確実な金額であり,売上が保証できる性質のものではなく,本件においてもI常務が原告Fあるいは被告Gに対していわゆる「売上保証」をしたことを認めるに足りる証拠はない。また,前記(1)ア認定の志賀本通店及び平安通店の開店後の現実の売上高に照らしてもI常務の収益予測がことさら過大な数字であったとはいえず,I常務が勧誘する店舗について自己の発言どおりの売上が達成できないとの認識を持ちながら被告Gを勧誘したとは認められない。 前記(1)のアの事実経過及び上記の判断に照らすと,I常務あるいはJが被告Gを欺罔して原告F(代表者被告G)から加盟店契約に伴って被告会社に支払われる金員を詐取する目的で採算の合わない店舗をあえて開発したとは考えられず,いずれにしても被告会社の担当者に被告Gを欺罔する認識即ち原告Fに対する詐欺の故意があったとまでは認められない。 したがって,被告会社に原告Fが主張する詐欺の事実は認められない。 イよって,その余の点について判断するまでもなく原告Fの被告会社に対する請求は理由がない。 (乙事件に対する判断) 1 原告A及び被告Bに対する請求について(1) 原告Aに対する商標等使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲事件に対する判断の1の(2)のとおりであり,原告A する判断) 1 原告A及び被告Bに対する請求について(1) 原告Aに対する商標等使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲事件に対する判断の1の(2)のとおりであり,原告Aが平成12年8月1日に行った詐欺取消しの効力は認められないが,少なくとも原告Aの上記行為によって,同原告のみならず被告会社も各加盟店契約を継続する意思を失っていたのであり,原告Aと被告会社との各加盟店契約は,同年同月同日をもって終了したとみるのが相当である。 前記甲事件に対する判断の1の(1)イ認定のとおり,原告Aは藤ヶ丘店と平針店と同一の場所においてたこ焼店の営業を継続してはいるが,既に藤ヶ丘店においても平針店においても「P」と店名を変え,ホームページも削除する等京たこの商標,名称の表れたものはすべて削除しており,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームの使用も止めている。 もっとも,原告Aは,被告会社から購入したたこ焼用銅板を使用し,別紙6記載の商品と同種の商品を販売していることが認められるが,被告会社が主張するフランチャイズ営業権についてはそれ自体法的根拠や内容が不明確であり,少なくとも加盟店契約書第16条3項の競業禁止期間である契約終了から1年を経過した後に,その権利侵害を理由として使用や販売を差し止められるほど具体的な権利とは認められないし,実質的にみても,上記の銅板については原告Aが被告会社から買い取ったもので,契約終了時における返還の合意や買い戻し条項(藤ヶ丘店についての加盟店契約書第24条・甲2)の実行があったことを認めるに足りる証拠はなく,銅板の技術的特性についても証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Aに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終 2)の実行があったことを認めるに足りる証拠はなく,銅板の技術的特性についても証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Aに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求についてア原告Aが,平成12年8月1日に被告会社の詐欺を理由として各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,藤ヶ丘店と平針店と同一の場所において京たこ等の名称を取り除き,「P」と店名を変えたうえ,両店舗において京たこの文字の入った提灯(ただし,「京」の字を隠したもの)を使用し,藤ヶ丘店に関してインターネットのホームページに京たこの文字をかかげ,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙5記載のユニフォームを使用し,また平針店においては被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトンを使用し,両店舗において別紙6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の営業を継続していたことは,前記甲事件に対する判断の1の(1)イ認定のとおりである。 イ原告Aの上記のたこ焼店営業行為が,加盟店契約書の,加盟店は加盟店契約終了後1年間は同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならない旨の条項(第16条3項)に違反することは明らかである。被告会社は加盟店に契約違反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の契約条項(第23条)を根拠として,原告A及び連帯保証人である被告Bに対して1451万2569円(契約破棄前6か月間の同原告の自己申告による1か月平均の売上高483万7523円を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,その算定根拠(乙14参照)に不合理な点は見当たらない。 上記の加盟店 契約破棄前6か月間の同原告の自己申告による1か月平均の売上高483万7523円を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,その算定根拠(乙14参照)に不合理な点は見当たらない。 上記の加盟店契約終了後の1年間の競業禁止条項及び違約金条項はフランチャイズ契約としてそれなりの合理性を持つものであり,原告Aの詐欺による契約取消の主張が認められないことも前記のとおりであって,その他本件において上記各条項の適用を否定すべき事情についての適切な主張・立証もない。 ウしたがって,被告会社の原告Aの契約終了後の営業行為を根拠とする同原告及びその連帯保証人である被告Bに対する損害賠償請求は理由がある。 (3) 食材の売買にかかる原告A及び被告Bに対する請求について原告Aが被告会社に対して合計729万3438円の材料等の未払の売買代金債務を負っていることは前記前提となる事実(3)ア記載のとおりであり,被告会社が自認する加盟店契約の保証金返還債務300万円を控除すると残金は429万3438円となる。 したがって,被告会社の原告A及びその連帯保証人である被告Bに対する売買代金残金429万3438円及びこれに対する最終支払期限の翌日である平成12年9月26日から各支払済みまで年2割1分9厘の割合による約定遅延損害金の支払を求める請求は理由がある。 なお,原告Aは,甲事件における被告会社に対する請求債権をもって相殺した旨主張するが,原告Aの詐欺の主張が認められないことは前記甲事件に対する判断の1の(2)認定のとおりであり,被告会社に対する不法行為債権は発生していないから,原告Aの行った相殺の効力は認められない。 2 原告Cに対する請求について(1) 原告Cに対する商標等の使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲 権は発生していないから,原告Aの行った相殺の効力は認められない。 2 原告Cに対する請求について(1) 原告Cに対する商標等の使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲事件に対する判断の2の(2)のとおりであり,原告Cが平成12年8月7日に行った詐欺取消しの効力は認められないが,少なくとも上記原告Cの行為によって,同原告のみならず被告会社も加盟店契約を継続する意思を失っていたのであるから,原告Cと被告会社との加盟店契約は,同年同月同日をもって終了したとみるのが相当である。 前記甲事件に対する判断の2の(1)イのとおり,原告Cは江南店と同一の場所においてたこ焼店の営業を継続してはいるが,既に京たこの商標,名称の表れたものはすべて削除しており別紙1商標目録記載の商標,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームは使用しておらず,別紙6記載の商品と同種の商品を販売していない。 もっとも,原告Cは,被告会社から購入したたこ焼用銅板を使用してたこ焼店の営業を継続しているが,前述したとおり,被告会社が主張するフランチャイズ営業権についてはそれ自体法的根拠や内容が不明確で,少なくとも加盟店契約書第16条3項の競業禁止期間である契約終了から1年を経過した後に,その権利侵害を理由として使用や販売を差し止められるほど具体的な権利とは認められないし,実質的にみても,上記の銅板については原告Cが被告会社から買い取ったもので,契約終了時における返還の合意を認めるに足りる証拠はなく,銅板の技術的特性についても証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Cに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求についてア原告Cが平成12年8月7日 も証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Cに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求についてア原告Cが平成12年8月7日に被告会社の詐欺を理由として加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,江南店と同じ場所で被告会社から購入したたこ焼用銅板を使用してたこ焼店の営業を続けていることは,前記甲事件に対する判断の2の(1)イ認定のとおりである。 イ原告Cの上記のたこ焼店営業行為が,加盟店契約書の,加盟店は加盟店契約終了後1年間は同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならない旨の条項(第16条3項)に違反することは明らかである。被告会社は加盟店に契約違反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の契約条項(第23条)を根拠として,原告Cに対して552万7293円(契約破棄前6か月間の材料等の売上から推計される1か月の平均売上高184万2431円を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,上記の加盟店契約終了後の1年間の競業禁止条項及び違約金条項はフランチャイズ契約としてそれなりの合理性を持つものであり,詐欺による契約取消の主張が認められないことも前記のとおりあって,その他本件において上記各条項の適用を否定すべき事情についての適切な主張・立証もない。 もっとも,原告Cが被告会社に支払うべき違約金の額については,前認定の原告Cと被告会社との加盟店契約の終了日である平成12年8月7日の直前の平成12年2月から同年7月までの6か月間の江南店の売上は,原告C提出にかかる売上・仕入・材料比率表(甲79の1ないし5)によれば,総額527万9777円,1か月平均売上額は87万9962円となるので,確実なところでその3か月分 6か月間の江南店の売上は,原告C提出にかかる売上・仕入・材料比率表(甲79の1ないし5)によれば,総額527万9777円,1か月平均売上額は87万9962円となるので,確実なところでその3か月分の263万9886円と定めることとする。 ウしたがって,被告会社の原告Cに対する契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求は263万9886円とこれに対する遅延損害金の限度で理由がある。 3 原告D及び被告Eに対する請求について(1) 原告Dに対する商標等の使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲事件に対する判断の3の(2)のとおりであり,原告Dが平成12年8月14日に行った詐欺取消しの効力は認められないが,少なくとも上記原告Dの行為によって,同原告のみならず被告会社も各加盟店契約を継続する意思を失っていたのであるから,原告Dと被告会社との各加盟店契約は,同年同月同日をもって終了したとみるのが相当である。 前記甲事件に対する判断の3の(1)イのとおり,原告Dは各務原店と忠節店と同一の場所においてたこ焼店の営業を継続してはいるが,既に京たこの商標,名称の表れたものはすべて削除しており類似商標を使用した看板も抹消するなどして別紙1商標目録記載の商標,別紙3記載のメニューPOP,別紙4記載のメニューコルトン,別紙5記載のユニフォームは使用していない。 もっとも,原告Dは,被告会社から購入したたこ焼用銅板を使用し,別紙6記載の商品と同種の商品を販売しているものと認められるが,前記のとおり,被告会社が主張するフランチャイズ営業権についてはそれ自体法的根拠や内容が不明確で,少なくとも加盟店契約書第16条3項の競業禁止期間である契約終了から1年を経過した後に,その権利侵害を理由として使用や販売を差し止められるほど具体的な権利とは認 はそれ自体法的根拠や内容が不明確で,少なくとも加盟店契約書第16条3項の競業禁止期間である契約終了から1年を経過した後に,その権利侵害を理由として使用や販売を差し止められるほど具体的な権利とは認められないし,実質的にみても,上記の銅板については原告Dが被告会社から買い取ったもので,契約終了時における返還の合意を認めるに足りる証拠はなく,銅板の技術的特性についても証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Dに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求についてア原告D(代表者被告E)が平成12年8月14日に被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,各務原店,忠節店と同一の場所において,看板に別紙1商標目録記載の商標と類似の商標を使用し別紙目録6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の経営を続けていたことは,前記甲事件に対する判断の3の(1)イ認定のとおりである。 イ原告Dの上記のたこ焼店営業行為が,加盟店契約書の加盟店は加盟店契約終了後1年間は同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならない旨の条項(第16条3項)に違反することは明らかである。被告会社は加盟店に契約違反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の契約条項(第23条)を根拠として,原告D及び連帯保証人である被告Eに対して1069万3947円(契約破棄前6か月間の材料等の売上から推計される1か月の平均売上高356万4649円を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,上記の加盟店契約終了後の1年間の競業禁止条項及び違約金条項は,フランチャイズ契約としてそれなりの合理性を持つものであり,詐欺による契約取消の主張が認め を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,上記の加盟店契約終了後の1年間の競業禁止条項及び違約金条項は,フランチャイズ契約としてそれなりの合理性を持つものであり,詐欺による契約取消の主張が認められないことも前記のとおりであって,その他本件において上記各条項の適用を否定すべき事情についての適切な主張・立証もない。 もっとも,原告D及び被告Eが被告会社に支払うべき違約金の額については,前認定の原告Dと被告会社との加盟店契約の終了日である平成12年8月14日に近接する平成11年12月から平成12年5月までの6か月間の各務原店と忠節店の売上は,原告D提出にかかる3年度比較純売上高推移グラフ(甲80の1・2)によれば,2店合計で総額1744万9000円,1か月平均売上額は290万8166円となるので,確実なところでその3か月分の872万4498円と定めることとする。 ウしたがって,被告会社の原告Dの契約終了後の営業行為を根拠とする同原告及び連帯保証人である被告Eに対する損害賠償請求は,872万4498円とこれに対する遅延損害金の限度で理由がある。 4 原告F及び被告Gに対する請求について(1) 原告Fに対する商標等の使用禁止請求について被告会社に詐欺が認められないことは前記甲事件に対する判断の4の(2)のとおりであり,原告Fが平成12年9月11日に行った詐欺取消しの効力は認められないが,少なくとも上記原告Fの行為によって,同原告のみならず被告会社も各加盟店契約を継続する意思を失っていたのであり,原告Fと被告会社との各加盟店契約は,遅くとも同年同月同日をもって終了したとみるのが相当である。 前記甲事件に対する判断の4の(1)イのとおり,原告Fは志賀本通店と同一の場所においてたこ焼店の営業を継続しており,既に別紙1商標目録記載の商 くとも同年同月同日をもって終了したとみるのが相当である。 前記甲事件に対する判断の4の(1)イのとおり,原告Fは志賀本通店と同一の場所においてたこ焼店の営業を継続しており,既に別紙1商標目録記載の商標使用はやめているが,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙4記載のメニューコルトンの一部を使用し,別紙6記載の商品と同種の商品の販売は継続している。 しかしながら,前述したとおり,被告会社が主張するフランチャイズ営業権についてはそれ自体法的根拠や内容が不明確で,少なくとも加盟店契約書第16条3項の競業禁止期間である契約終了から1年を経過した後に,その権利侵害をもって使用や販売を差し止められるほど具体的な権利とは認められない。実質的にみても,別紙4記載のメニューコルトンについては,形式的には加盟店契約第16条2項の「加盟店の営業のために使用していた表示物件」にあたる余地があるが,被告会社は既にメニューコルトンを刷新しており,現時点において別紙4記載のメニューコルトンの一部の使用をもってただちに被告会社の商品との誤認を与えるおそれがあるとまではいえないし,上記の銅板についても,原告Fが被告会社から買い取ったもので,契約終了時における返還の合意を認めるに足りる証拠はなく,銅板の技術的特性についても証拠上必ずしも明らかでない。 したがって,被告会社の原告Fに対する商標等の使用禁止請求は理由がない。 (2) 契約終了後の営業行為を根拠とする損害賠償請求についてア原告F(代表者被告G)が平成12年9月11日に被告会社の詐欺を理由として上記各加盟店契約を取り消す旨の意思表示をした後も,志賀本通店と同一の場所で,別紙1商標目録記載の商標のついた油差し,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙4記載のメニューコルトンの一部を使用し,別紙6記載の商品と同種の商 旨の意思表示をした後も,志賀本通店と同一の場所で,別紙1商標目録記載の商標のついた油差し,被告会社から購入したたこ焼用銅板,別紙4記載のメニューコルトンの一部を使用し,別紙6記載の商品と同種の商品を販売するなどしてたこ焼店の営業を続けていたことは,前記甲事件に対する判断の4の(1)イ認定のとおりである。 イ原告Fの上記のたこ焼店営業行為が,加盟店契約書の加盟店は加盟店契約終了後1年間は同一の場所においてたこ焼店及びそれに類似する店舗の営業をしてはならない旨の条項(第16条3項)に違反することは明らかである。被告会社は加盟店に契約違反があった場合には被告会社に対し売上の3か月分を違約金として支払うべき旨の契約条項(第23条)を根拠として原告F及び連帯保証人である被告Gに対して335万8893円(契約破棄前6か月間の材料等の売上から推計される1か月の平均売上高111万9631円を根拠として算出)の損害金の支払を求めるが,上記の加盟店契約終了後の1年間の競業禁止条項及び違約金条項はフランチャイズ契約としてそれなりの合理性を持つものであり,詐欺による加盟店契約取消の主張が認められないことも前記のとおりであって,その他本件において上記各条項の適用を否定すべき事情についての適切な主張・立証もない。 また,原告F及び被告Gが被告会社に対して支払うべき違約金の額についても,上記の被告会社の請求金額335万8893円の算定根拠となる推計売上額が前認定の原告Fと被告会社との加盟店契約終了の日である平成12年9月11日直前ころの原告F提出にかかる売上表(甲81)による志賀本通店の売上高と概ね一致しており,不合理とはいえない。 ウしたがって,被告会社の原告Fの契約終了後の営業行為を根拠とする同原告及び連帯保証人である被告Gに対する損害賠償請求は理由 1)による志賀本通店の売上高と概ね一致しており,不合理とはいえない。 ウしたがって,被告会社の原告Fの契約終了後の営業行為を根拠とする同原告及び連帯保証人である被告Gに対する損害賠償請求は理由がある。 (結論)以上のとおりであり,甲事件における原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却し,乙事件における被告会社の請求は主文第2項ないし第6項の限度で理由があるからこれを認容し(仮執行宣言については相当でないのでこれを付さないこととする。),その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第6部裁判長裁判官氣賀澤耕一裁判官目代真理裁判官藤田敏は転補につき署名・押印できない。 裁判長裁判官氣賀澤耕一(別紙省略)(別表)【加盟店契約者】 【契約店舗】【契約締結年月日】  【連帯保証人】①原告A 藤ケ丘店平成8年1月30日被告B②原告A 平針店平成8年6月1日被告B③原告A 小幡店平成8年6月1日被告B④原告C 江南店平成8年3月27日⑤原告H 扶桑店平成9年12月20日 Q⑥原告D 各務原店平成9年6月17日被告E⑦原告D 忠節店平成9年6月17日被告E⑧原告F 志賀本通店平成7年10月6日被告G⑨原告F 平安通店平成8年5月26日被告G(以上) 志賀本通店平成7年10月6日被告G⑨原告F 平安通店平成8年5月26日被告G(以上)

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