- 1 -21む266広島地裁平成21・3・27316条の15第1項6号,7号棄却主文本件証拠開示命令請求を棄却する。理由 申立ての趣旨及び理由本件証拠開示命令請求の趣旨及び理由は,要するに,(1)A,B 及びC(以下「A ら」という。)の供述が記載された司法警察職員作成の捜査報告書は刑事訴訟法316 条の15 第1 項 6 号にいう「供述録取書等」に該当し,(2)被告人の供述内容が記載された司法警察職員作成の捜査報告書は同法316 条の15 第1 項7 号にいう「被告人の供述録取書等」に該当し,いずれもその他の開示の要件を満たしているのに,検察官はこれらの証拠を開示しないので,これらの証拠についての開示命令を求める,というものである。 当裁判所の判断そこで,まず,(1)の捜査報告書について検討するに,これは司法警察職員がA らから聴取した供述内容を記載して作成したものであるから,同法316 条の14 第2 号にいう司法警察職員が作成した「供述書」であって,同法316 条の15 第1 項6 号の「被告人以外の者の供述録取書等」に該当することは,弁護人が指摘するとおりである。しかしながら,同条項6 号においては,さらにその「被告人以外の者の供述録取書等」が,「検察官が特定の検察官請求証拠により直接証明しようとする事実の有無に関する供述を内容とするもの」であることが,開示すべき類型証拠の要件となっているところ,その趣旨は,被告人側が特定の検察官請求証拠の証明力を適切に判断できるようにするために,一般的にその証明力の判断をする上で重要であると認められる一定の類型の証拠の開示を認めようとした点に求められるのであって,「供述録取書等」が,供述者の署名若しくは押印により内容の正確性が担保されているか,機械的正確さによっ をする上で重要であると認められる一定の類型の証拠の開示を認めようとした点に求められるのであって,「供述録取書等」が,供述者の署名若しくは押印により内容の正確性が担保されているか,機械的正確さによって録取内容の正確性が保障されているものに限られていることをも考え併せると,同条項6 号にいう「事実の有無に関する供述」とは,当該事実の有無についての原供述を意味し,伝聞供述は含まれないと解するのが相当である。そして,(1)の捜査報告書の供述者である司法警察職員が供述するのは,「検察官がその請求に係るA らの検察官詞書(甲5 ないし7)によって直接証明しようとする強盗致傷事件の被害状況ないし犯行状況等について述べたA らの供述を聞き取ったこと」であり,これは原供述者であるA らの供述を聴取したことを述べる伝聞供述にすぎないから,(1)の捜査報告書は同条項6 号の類型には該当しない。 次に,(2)の捜査報告者について検討するに,これも(1)の捜査報告書と同様,司法警察職員の作成に係るものであるから,同条項7 号の「被告人の供述録取書等]ではなく,同条項6 号の「被告人以外の者の供述録取書等」に該当するというべきであって,同条項7 号を根拠とする(2)の捜査報告書の開示請求は,その前提において誤りがあり,失当というほかない。のみならず,(1)の捜査報告書において説示したところと同様の理由により,(2)の捜査報告書も同条項6 号の「事実の有無に関する供述」の類型に該当しないというべきであ- 2 -る。 結論 したがって,本件証拠開示請求には理由がないから,同法316 条の26 第1 項により,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官・奥田哲也,裁判官・結城剛行,裁判官・三貫納隼) 同法316 条の26 第1 項により,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官・奥田哲也,裁判官・結城剛行,裁判官・三貫納隼)
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