【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告人の上告理由第一点について。 原判決は、本件約束手形の振出人としての上告
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告人の上告理由第一点について。 原判決は、本件約束手形の振出人としての上告人の記名印およびその名下の印はいずれも上告人の妻Dによつて押捺されたものであるところ、同女は上告人に代つて右記名印、名下印の押捺の権限を与えられたことも約束手形の振出について上告人から代理権を与えられたこともなく、本件手形の振出人としての上告人名義部分は同女によつて偽造されたものといわなければならないと認定判示したうえ、右偽造にかかる本件約束手形の振出を上告人が追認した事実を認定して、該追認によつて本件振出行為の効力が遡及的に上告人に及ぶことを判示しているのである。 これに対し、論旨は、偽造による手形行為は無効であり、無効な行為は本人の追認によつても有効とするに由ないことは民法一一九条の明定するところであるとして、この点につき原判決に法律の解釈適用の誤りがあるという。 しかし、本件のごとき場合は、無権代理人によつて直接本人の記名捺印がなされた場合と同様であるから、追認によつて本件振出行為が当初より本人に効力を生ずるとした原審の前示判断は是認できて、原判決に所論違法はないものといわねばならない。よつて、論旨は採用できない。 同第二点について。 論旨は、原判決の理由不備をいうが、ひつきよう原審の専権に属する事実認定について異見を述べるにすぎないから、すべて採用できない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 - 1 -最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介 決する。 - 1 -最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -
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