- 1 -主文原判決のうち上告人敗訴部分を破棄する。 前項の部分につき,本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人川上忠徳,同岩佐豊の上告受理申立て理由について 固定資産税の納税義務者である被上告本件は,兵庫県西宮市所在の各土地の人X,同X,同X,同X,同X,承継前被上告人A(以下「被上告人ら」と いう。)が,それぞれ,その所有する各土地につき,西宮市長により決定され土地課税台帳に登録された平成12年度の価格を不服として上告人に対して審査の申出をしたところ,上告人からこれを棄却する旨の決定(以下「本件各決定」という。)を受けたため,その取消しを求めている事案である。 原審の確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。 兵庫県知事は,西宮市の全域を含む阪神間都市計画区域につき,昭和45(1)年10月31日付けの都市計画決定(以下「本件都市計画決定」という。)により市街化区域及び市街化調整区域を定め,これによって同市a地区のうち約38.73㏊が市街化区域とされた(以下,この区域を「本件区域」という。)。 被上告人らは,別表記載のとおり,同表A欄記載の各土地をそれぞれ所有している。上記各土地は,本件区域内に在り,その中には,同表B欄ないしD欄記載のとおり,市街化区域農地,原野及び雑種地が含まれている(以下,同表記載の各市街化区域農地,各原野及び各雑種地を順次,「本件各市街化区域農地」,「本件各原野」及び「本件各雑種地」といい,これらを併せて「本件各土地」という。)。 (2)ア地方税法附則19条の2第1項は,昭和47年度以降の各年度に係る賦- 2 -課期日に所在する市街化区域農地に対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格については,当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準 47年度以降の各年度に係る賦- 2 -課期日に所在する市街化区域農地に対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格については,当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準とされる価格に比準する価格によって定められるべき旨を規定している。 イ固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号。平成12年自治省告示第217号による改正前のもの。以下「評価基準」という。)は,市街化区域農地等の評価について次のとおり定めている。 (ア)市街化区域農地市街化区域農地の評価については,沿接する道路の状況,公共施設等の接近の状況その他宅地としての利用上の便等からみて,当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の価額を基準として求めた価額から当該市街化区域農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除した価額によってその価額を求める方法による(評価基準第1章第2節の2)。 (イ)宅地宅地の評価は,各筆の宅地について評点数を付設し,当該評点数を評点1点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法による。各筆の宅地の評点数は,市町村の宅地の状況に応じ,主として市街地的形態を形成する地域における宅地については,市街地宅地評価法によって,主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については,その他の宅地評価法によって,それぞれ付設する。ただし,市町村の宅地の状況に応じ必要があるときは,主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地についても,市街地宅地評価法によって各筆の宅地の評点数を付設することができる(評価基準第1章第3節)。 (ウ)原野,雑種地- 3 -その売買実例から評定する適正な時価によって原野,雑種地の評価については,その価額を求める方法によるが,市町村内 数を付設することができる(評価基準第1章第3節)。 (ウ)原野,雑種地- 3 -その売買実例から評定する適正な時価によって原野,雑種地の評価については,その価額を求める方法によるが,市町村内に原野又は雑種地の売買実例価額がない場合には,原野又は雑種地の位置,その利用状況等を考慮し,付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法(以下,後者の方法を「近傍地比準方式」という。)による(評価基準第1章第9節,第10節一)。 に基づいて土地を評価するための評価事務の要領としてウ西宮市は,評価基準西宮市土地評価要領(以下「評価要領」という。)を定め,評価基準及び評価要領に基づいて土地の評価を行うこととしている。評価要領は,市街化区域農地の評価について前記イ(ア)と同様の評価方法を定めるとともに具体的な造成費相当額を定め,宅地の評価については,各筆の宅地の評点数は市街地宅地評価法によって付設する旨定めている。また,本件各土地が所在する地区の市街化区域内の原野及び雑種地の評価については,付近の宅地の単価に造成費相当比準率及び地積をそれぞれ乗じてその価格を求める旨を定めている。 (3)西宮市長は,本件各土地の平成12年1月1日における価格を,それぞれ,以下の算定方法により第1審判決別紙評価決定目録中の本件各土地に係る各価格欄記載のとおり決定し,土地課税台帳に登録した。 ア本件各市街化区域農地の価格の算定方法市街地宅地評価法により本件区域西宮市長は,評価基準及び評価要領に基づき,標準宅地として選定し街路に路線価を付設しこれを基礎として画地計内の宅地を各算法を適用した上,評価要領所定の造成費相当額の評点数を控除して当該市街化区域農地の評点数を付設し,この評点数に評点1点当たりの価額(1円)を乗じて,本件各市街化区域農地の価格をそれぞれ 宅地を各算法を適用した上,評価要領所定の造成費相当額の評点数を控除して当該市街化区域農地の評点数を付設し,この評点数に評点1点当たりの価額(1円)を乗じて,本件各市街化区域農地の価格をそれぞれ算出した。 - 4 -本件各原野及び本件各雑種地の価格の算定方法イ西宮市長は,評価要領に基づき,市街地宅地評価法により標本件区域内の宅地を準宅地として選定し各街路に路線価を付設しこれを基礎として画地計算法を適用した上,評価要領所定の造成費相当比準率を乗じて当該原野又は雑種地の評点数(1㎡当たりのもの)を求め,これに地積を乗じて当該原野又は雑種地の評点数を付設し,この評点数に評点1点当たりの価額(1円)を乗じて,本件各原野及び本件各雑種地の価格をそれぞれ算出した。 (4)ア本件区域は,西宮市の北部,六甲山系の北側の斜面にあり,他の市街地から離れた飛び地の市街化区域である。本件区域には,南北に主要地方道b線が,東西に主要地方道c線が走り,本件区域の中央部分で両道路が交差し,b線は,d有料道路に接続している。 イ本件区域において,建物の多くは二つの主要地方道及びこれに近い旧道の比較的平坦な部分に集まっており,建物の連たんしている地域は約38.73㏊の,本件区域の約2割であって,その余の地域は建物がまばらに存するにすぎず,おおむね田園又は山野の状況にあり,本件区域全体として市街地を形成していない。 ウ平成12年の西宮市全体の人口密度は44.47人(1㏊当たり)であるのに対し,平成14年12月時点の本件区域内の人家の数は88戸,人口は290人,人口密度は7.49人(1㏊当たり)にとどまる。 a地区(面積約916㏊)の人口及び世帯数は,昭和40年エ本件区域を含む以降増加傾向にあり(昭和40年の人口は669人,昭和45年の人口は679人で 口密度は7.49人(1㏊当たり)にとどまる。 a地区(面積約916㏊)の人口及び世帯数は,昭和40年エ本件区域を含む以降増加傾向にあり(昭和40年の人口は669人,昭和45年の人口は679人である。),特に昭和45年から昭和55年にかけて増加したが,その後,核家族化に伴い世帯数こそ増えたものの,人口は昭和60年に856人に達した後は減少- 5 -傾向に転じ,平成16年の人口は739人にとどまっている。 オ本件区域内の市街化区域農地,原野又は雑種地が宅地への転用を前提として又は宅地に準ずる価格で取引された事例として上告人が指摘するものは,本件都市計画決定から約35年間で13例にとどまり,その大半が主要地方道b線沿いに所在する土地に係るものである。 原審は,上記事実関係等の下において,要旨次のとおり判断し,本件各決定のうち本件各土地に係る部分をいずれも取り消すべきものとした。 市街化区域農地を宅地の価格に準じて評価する評価基準所定の前記評価方(1)法,本件区域内の原野及び雑種地を宅地の価格に準じて評価する評価要領所定の前記各評価方法は,いずれも,市街化区域農地,市街化区域内の原野及び雑種地の適正な時価への接近方法として合理的なものであるが,その合理性は,当該土地の存する市街化区域が都市計画法7条2項所定の市街化区域としての実態を有することを前提として初めて成り立つものであるから,当該市街化区域が上記実態を有しておらず,その区域内の市街化区域農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況に至っていない場合には,前記各評価方法の合理性を維持することはできない。 本件区域は,現に市街地を形成していないだけでなく,今後人口の増加に(2)より市街化が図られることも見込めず,本件都市計画決定から35年後も,いまだ都市計画法7条2項 を維持することはできない。 本件区域は,現に市街地を形成していないだけでなく,今後人口の増加に(2)より市街化が図られることも見込めず,本件都市計画決定から35年後も,いまだ都市計画法7条2項にいう「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とはかけ離れた状況にあり,同項の要件を満たすものということはできない。本件区域は,一般的には,その区域内の市街化区域農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況にはないといわざるを得ず,西宮市長が前記- 6 -各評価方法により決定した本件各土地の前記各価格は,いずれも,当該土地の適正な時価を上回ると認められるから,本件各決定のうち本件各土地に係る部分は違法。 である しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。 (1)本件各市街化区域農地について市街地を形成している区域又はおア市街化区域は,都市計画区域のうち,既におむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として,都市計画に市街化調整区域との区分が定められた区域とされている(都市計画法(平成12年法律第73号による改正前のもの)7条1項,都市計画法7条2項)。市街化区域については,都市計画において用途地域を定め,都市施設のうち少なくとも道路,公園及び下水道を定めるものとされている(都市計画法(上記改正前のもの)13条1項2号,6号)ほか,市街地開発事業を施行することができることとされる(同項7号,8号)など,都市計画法上優先的かつ計画的に市街化を図るための諸施策が講じられることとされている。特に,宅地造成等の開発行為については,市街化調整区域における開発行為が市街化の抑制の見地から規制を受けるのに対し(同法29条,33条及び34条),市街化区域において 策が講じられることとされている。特に,宅地造成等の開発行為については,市街化調整区域における開発行為が市街化の抑制の見地から規制を受けるのに対し(同法29条,33条及び34条),市街化区域においては,政令所定の規模未満の規模の開発行為は同法29条1項の開発許可を受けることなく行うことができ(同項1号),開発許可を受けることを要するものについても市街地として最低限度必要な水準を確保するために設けられた基準に適合すれば許可すべきものとされ(同法33条),市街化調整区域における開発行為に比べ,その規制の程度は緩やかなものとされている。 - 7 -市街化区域農地は,都市計画法上,上記のように位置付けられている市街化区域に在って,農地法4条1項又は5条1項の許可を受けることを要せず,あらかじめ農業委員会に届け出ることによって,農地以外のものに転用し又はそのために同法3条1項本文所定の権利を設定し若しくは移転することができるものとされている農地であるから(同法4条1項5号,5条1項3号),宅地化の需要が生じやすい区域に在り,かつ,宅地への転用が容易な農地であり,取引される場合には宅地に転用される可能性が高く,その意味で,宅地としての潜在的価値を有する農地ということができる。そして,このことは,正常な条件の下に成立する市街化区域農地の取引において前提とされることが通常であるから,その客観的な交換価値を算定する上で必ず考慮されなければならない要素というべきである。 イ地方税法附則19条の2第1項は,上記アのことなどから,市街化区域農地の適正な時価は,一般に,これに状況が類似する宅地の適正な時価に準じた水準に課税の公平及び市街化区域における宅地の供給の促進のあるとの理解に基づいて,対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格に見地から,市街化区 ,これに状況が類似する宅地の適正な時価に準じた水準に課税の公平及び市街化区域における宅地の供給の促進のあるとの理解に基づいて,対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格に見地から,市街化区域農地については,当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準とされる価格に比準する価格によって定められるべき旨を規定していると解される。評価基準所定の市街化区域農地の評価方法は,上記規定に従うものであり,市街化区域農地の適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものということができる。また,前記事実関係等によれば,評価要領は,評価基準所定の上記評価方法を前提として,市街化区域農地と状況が類似する宅地の価格を算定する際その評点数を市街地宅地評価法により付設する旨を定めるとともに,市街化区域農地を宅地に転用する場合に通常必要と認められる造成費相当額を具体的に定める- 8 -ものであって,その定める市街化区域農地の評価方法は,評価基準の定めを具体化するものとして一般的な合理性があるということができる。 そうすると,西宮市長が決定した本件各市街化区域農地の前記各価格は,評価基準及び評価要領に従って決定されたものと認められる場合には,それらの定める評価方法によっては本件各市街化区域農地の価格を適切に算定することのできない特別の事情の存しない限り,その適正な時価であると推認するのが相当である。 前記アの事情は本件区域内の市街化区域農地にももとより妥当し,また,本件区域内の市街化の程度は本件区域内の宅地の価格にも反映されることに照らせば,前記2(4)の事実関係等からうかがわれる本件区域全体の市街化の程度,見込みのみ宅地に準じた価格で取引をもって直ちに,本件区域内の市街化区域農地が一般的にされる状況にないということはできず, ば,前記2(4)の事実関係等からうかがわれる本件区域全体の市街化の程度,見込みのみ宅地に準じた価格で取引をもって直ちに,本件区域内の市街化区域農地が一般的にされる状況にないということはできず,評価基準及び評価要領所定の前記評価方法によっては本件各市街化区域農地の価格を適切に算定することのできない特別の事情があるということはできない。 (2)本件各原野及び本件各雑種地について評価基準所定の近傍地比準方式は,市町村内に原野又は雑種地の売買実例価額がない場合における原野又は雑種地の適正な時価を算定する方法として,一般的な合西宮市長が決定した本件各原野及び本件各雑理性があるということができるから,本件各土地が所在する地区の市街化区域内の種地の前記各価格は,評価要領所定の評価方法が評価基準所定の近傍地比準方式を具体化し原野及び雑種地に係る前記各ということができ,かつ,上記各価格がたものとして一般的な合理性を有するものこれに従って決定されたものと認められる場合には,上記評価方法によっては本各件各原野及び本件各雑種地の価格を適切に算定することのできない特別の事情の存- 9 -しない限り,その適正な時価であると推認するのが相当である。 市街化区域に在る原野及び雑種地は,前記(1)アのように宅地化の需要が生じやすい区域に在る上に,宅地への転用については市街化区域農地のように農地法による規制を受けることもなく,宅地への転用が容易であり,宅地に転用される可能性本件区域内の原野及び雑種地についてもが高い土地ということができる。そして,上記事情が妥当し,本件区域内の市街化の程度は本件区域内の宅地の価格に反映されることに照らせば,前記2(4)の事実関係等からうかがわれる本件区域全体の市宅地街化の程度,見込みのみから直ちに,本件区域内の原野及 当し,本件区域内の市街化の程度は本件区域内の宅地の価格に反映されることに照らせば,前記2(4)の事実関係等からうかがわれる本件区域全体の市宅地街化の程度,見込みのみから直ちに,本件区域内の原野及び雑種地が一般的に付近の宅地の単価を基礎としてその価格をに準じた価格で取引される状況になく,求める旨を定める評価要領所定の前記各評価方法評価基準所定の近傍地比準方式がに反するものということはできず,また,評価基準所定の近傍地比準方式によって本件各原野及び本件各雑種地の価格を適切に算定することのできない特別の事情はがあるということもできない。 (3)そうすると,原審は,他に首肯するに足りる認定説示をすることなく,西本件各土地の価格がその適正な時価を上回るとして,本件宮市長が決定した前記各ものであり,その判各決定のうち本件各土地に係る部分を取り消すべきものとしたには,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるというべきである。 断 以上によれば,論旨は上記の趣旨をいうものとして理由があり,原判決のうち上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,西宮市長が決定した本件各土地の前定めに正しく従って算出されたものか,評価基準所定の評価記各価格が評価基準の方法によっては当該土地の価格を適切に算定することのできない特別の事情が存す審理を尽くさせるため,上記部分につき,本件を原審に差し戻るか等について更に- 10 -すこととする。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官今井功,同中川了滋の補足意見がある。 裁判官今井功,同中川了滋の補足意見は,次のとおりである。 地方税法附則19条の2第1項は,都市計画法7条1項に規定する市街化区域内の農地のうち所定のものについて,その固定資産税の課税標準価格は,類似宅地の 今井功,同中川了滋の補足意見は,次のとおりである。 地方税法附則19条の2第1項は,都市計画法7条1項に規定する市街化区域内の農地のうち所定のものについて,その固定資産税の課税標準価格は,類似宅地の課税標準とされる価格に比準する価格によって定められるべきものとし,いわゆる宅地並み評価をするものとしている。市街化区域農地につき宅地並み評価,宅地並み課税がされる理由は,当該農地が宅地としての潜在的価値を有することから,課税の公平及び市街化区域における宅地の供給の促進を図ることにあり,一般的には,当該農地について宅地並み評価,宅地並み課税をすることには合理性があるということができる。しかし,市街化区域に区分されていても,その実質を全く欠くような区域に在る市街化区域農地について宅地並みの評価をすることは,場合によっては,適正な時価を超える評価をすることとなるであろう。その場合にまで,宅地並み評価による価格の決定が違法でないとはいえない。 都市計画法7条2項は,「市街化区域は,すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。」としている。 本件区域は,昭和45年10月31日に市街化区域に区分された。本件区域は,西宮市の北部,六甲山系の北側の斜面にあり,他の市街地から離れた飛び地であり,東西と南北に主要地方道が走り,本件区域の中央部分で両道路が交差しているが,建物の多くは,2つの主要地方道及びこれに近い旧道の比較的平坦な部分に集- 11 -まっており,本件区域全体として市街地を形成していない。本件区域の面積は,約38.73㏊であるが,平成14年12月時点の本件区域内の人家の数は88戸,人口は290人,人口密度は7.49人(1㏊当たり)にとどまる。本件区域を含むa地区(面積約916㏊)でみても,昭 積は,約38.73㏊であるが,平成14年12月時点の本件区域内の人家の数は88戸,人口は290人,人口密度は7.49人(1㏊当たり)にとどまる。本件区域を含むa地区(面積約916㏊)でみても,昭和45年の人口は,679人であり,その後若干の増減があったが,平成16年の人口は739人にとどまっている。このような事実関係からすれば,市街化区域に区分された昭和45年当時,本件区域が「既に市街地を形成している区域」に該当しなかったことには,異論はなかろうし,昭和45年から30年を経過した平成12年当時においても,本件区域が,昭和45年当時と比べて若干の変化はあるとしても,「既に市街地を形成している区域」の実質を備えていないことも明らかである。また,「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」に該当するか否かについては,将来の見通しの問題であるから,不確定要素が入ることはやむを得ないが,区分後30数年を経過した現在までの状況を見ると,現時点においてもこれを肯定することには大きな疑問があるといわなければならない。 土地課税台帳に登録された価格が,当該土地の適正な時価を上回るときは,当該価格の決定は違法となると解すべきところ,原審は,本件区域が市街化区域の実質を備えていないから,本件区域内の市街化区域農地等が宅地に準じた価格で取引される状況にないとし,宅地並み評価の方法により算定された本件各土地の登録価格は,その適正な時価を上回るものとした。しかし,上記のように,本件区域が市街化区域としての実質を備えているかについては大きな疑問があるけれども,本件区域が市街化区域の実質を備えていないとしても,そのことから原判決のいうように当然に本件各土地の登録価格がその適正な時価を上回ることになるとは,必ずしも- 12 -いえない。私たちは, ども,本件区域が市街化区域の実質を備えていないとしても,そのことから原判決のいうように当然に本件各土地の登録価格がその適正な時価を上回ることになるとは,必ずしも- 12 -いえない。私たちは,そのような趣旨から,法廷意見に同調するものである。 (裁判長裁判官今井功裁判官中川了滋裁判官古田佑紀裁判官竹内行夫)(別表)以下の表においては,各土地を第1審判決別紙物件目録記載の番号で表示する。 また,B欄の「市街化区域農地」とは,地方税法附則19条の2第1項所定のものをいう。 A所有するB市街化区C原野D雑種地土地(共有持域農地分を有する土地を含む。)1の41の17(1),1の被上告人X1の1ないし 1の252の4,2の5被上告人X2の1ないし 2の263の1ないし33の7,3の1被上告人X3の1ないし の6,3の8ない23の15し3の114の14の6ないし44の13被上告人X4の1ないし の8,4の104の135の8,5の14被上告人X5の1ないし 5の246の1ないし6の承継前被上告6の1ないし 人A6の12
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