昭和55(行ツ)82 寄附金管理違法確認

裁判年月日・裁判所
昭和58年7月15日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄自判 東京高等裁判所 昭和53(行コ)21
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。      被上告人の本件訴えを却下する。      訴訟の総費用のうち補助参加によつて生じた部分は被上告補助参加人ら の負担とし、その余

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判決文本文2,940 文字)

主文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 被上告人の本件訴えを却下する。 訴訟の総費用のうち補助参加によつて生じた部分は被上告補助参加人らの負担とし、その余は被上告人の負担とする。 理由 上告代理人中嶋忠三郎の上告理由第二点について本件記録によれば、被上告人の訴えの提起及びその変更の経緯は、次のとおりである。被上告人は、昭和四九年一一月一九日、所沢市監査委員から本件祝い金に関する監査の結果の通知を受けたが、これを不服として、第一審裁判所に対し、同年一二月一七日、被告の表示として「所沢市監査委員」及び「所沢市長A」、事件の表示として「地方自治法二四二条の二第一項三号による違法確認」、請求の趣旨として「被告所沢市長Aが所沢市南部浄水場落成式に際し、所沢市に対しなされた寄附金の管理が違法であることを確認する。」と記載した本件訴状を提出し、昭和五〇年五月一四日、所沢市監査委員に対する訴えの取下書及び請求の趣旨を「被告所沢市長Aは、所沢市に対し、金七万七四三一円及び内金四万三一六五円に対する昭和四四年一一月一二日から、内金二万一〇〇〇円に対する同年一二月八日からそれぞれ支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。」と訂正する旨の請求の趣旨訂正申立書を提出し、昭和五〇年六月八日、被告を「所沢市長A」から上告人の「A」に変更する旨の被告変更許可の申立書を提出した。第一審裁判所は、所沢市監査委員及び所沢市長に対する訴状送達をしないまま、同月一八日、右被告の変更を許可する旨の決定をなし、同月二一日、上告人に対し、訴状副本、請求の趣旨訂正申立書副本及び被告変更許可決定正本を送達した。 被上告人の上告人に対する本件訴えは、所沢市監査委員の監査の結果を不服とし- 1 -て地方自治法 同月二一日、上告人に対し、訴状副本、請求の趣旨訂正申立書副本及び被告変更許可決定正本を送達した。 被上告人の上告人に対する本件訴えは、所沢市監査委員の監査の結果を不服とし- 1 -て地方自治法二四二条の二第一項四号の規定に基づき提起する訴訟であるから、同条二項一号の規定により、被上告人が監査の結果の通知を受けた昭和四九年一一月一九日から三〇日以内に提起しなければならない。被上告人は、右の出訴期間内に本件訴状を提出したが、その記載内容に徴すれば、本件訴状は、所沢市監査委員及び所沢市長を被告として、同条一項三号の違法確認を求めるもので、上告人のA個人を被告とするものではないと認めるほかなく、本件訴状の提出により上告人に対する本件訴えの提起がなされたものということはできない。被上告人は、本件訴状の提出に続き、所沢市監査委員に対する訴えの取下書及び請求の趣旨訂正申立書を提出し、更に被告変更許可の申立書を提出した。被告に対する訴状送達前であれば、裁判所の決定をまつまでもなく、訴状訂正の形式により請求及び被告を変更することが可能であるから、本件訴状記載の訴えは、被上告人の右各書面の提出により、上告人に対する本件訴えに変更されたものということができる。そして、出訴期間の遵守については、民訴法二三五条の規定の趣旨に従い、右各書面提出の時に本件訴えの提起があつたものと解すべきである。右各書面の中では、請求の趣旨訂正申立書が所沢市監査委員に対する訴えの取下書とともにまず提出され、その後に被告変更許可の申立書が提出されているが、地方自治法二四二条の二第六項並びに行政事件訴訟法四三条三項、四〇条二項及び一五条の規定の準用により、出訴期間の遵守については、本件訴えは、請求の趣旨訂正申立書提出の時に提起されたものと解するのが相当である。しかし、それ以前にさか 行政事件訴訟法四三条三項、四〇条二項及び一五条の規定の準用により、出訴期間の遵守については、本件訴えは、請求の趣旨訂正申立書提出の時に提起されたものと解するのが相当である。しかし、それ以前にさかのぼつて本件訴えの提起があつたものと解することは、民訴法二三五条の規定の趣旨に違背し許されないものというべきである。この点に関し、原審は、本件訴状の請求の原因欄の記載によれば、本件訴状記載の訴えの本旨が本件祝い金の管理に関する上告人の違法行為について損害賠償の責任を追及する趣旨を含むものであることが看取され、これが請求の趣旨訂正申立書等によつて具体化、明確化されたものと解することができるとした上、本- 2 -件訴状記載の訴えと本件訴えとは、形の上で被告の変更はあるが、上告人の本件祝い金に関する違法行為の責任を追及する限りにおいて同一性を有すると認められるから、本件訴えは出訴期間の遵守に欠けるところがない、と判断した。原審の右判断が、本件訴状は上告人をも被告としていると解したのか、あるいは、本件訴状は上告人を被告とするものではないにしても、上告人の責任を追及する趣旨の記載を含んでいる以上、本件訴状提出の時から本件訴えの提起があつたものと同様に取り扱うべきものと解したのか、必ずしも明らかでない。しかしながら、本件訴状がその記載内容からして上告人を被告としていると解することができないことは、前述のとおりである。また、本件訴状において被告とされた所沢市監査委員及び所沢市長は所沢市の行政機関であり、一方、上告人は私人であつて、前者に対する判決の既判力が後者に及ぶ関係にもなく、両者は当事者として形式的にも実質的にも同一性を欠いているから、前者を被告とする本件訴状の中に後者の責任を追及する趣旨の記載が含まれていたとしても、そのことをもつて後者に対する訴え 及ぶ関係にもなく、両者は当事者として形式的にも実質的にも同一性を欠いているから、前者を被告とする本件訴状の中に後者の責任を追及する趣旨の記載が含まれていたとしても、そのことをもつて後者に対する訴えの提起と同一視することはできず、本件訴状提出の時にさかのぼつて本件訴えの提起があつたものと同様に取り扱うべき理由はない。以上のように、出訴期間の遵守については、本件訴えは請求の趣旨訂正申立書提出時の昭和五〇年五月一四日に提起されたものと解すべきところ、被上告人に対し監査の結果の通知があつたのは昭和四九年一一月一九日であるから、本件訴えは出訴期間を徒過して提起された不適法なものというべきである。なお、上告人は第一審において右の点を主張することなく応訴しているが、そのことにより出訴期間徒過の瑕疵が治癒されるものではない。そうすると、本件訴えを適法と判断した原判決には、法令の解釈を誤つた違法があり、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由がある。原判決は破棄を免れず、第一審判決を取り消して被上告人の本件訴えを却下すべきである。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条一号、三九六条、三八六条、九六- 3 -条、八九条、九四条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官宮崎梧一裁判官木下忠良裁判官鹽野宜慶裁判官大橋進裁判官牧圭次- 4 - 判官 大橋進 裁判官 牧圭次

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