主文 被告人を懲役2年及び罰金100万円に処する。 この裁判が確定した日から4年間その懲役刑の執行を猶予する。 その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,分離前の相被告人A1,同A2,同A3,同A4,同A5,同A6,同A7,同A8,A9及びA10株式会社(以下「A10社」という。)会員らと共謀の上,いずれも法定の除外事由がないのに,別表記載のとおり,平成28年7月22日頃から平成29年8月30日頃までの間,17回にわたり,不特定かつ多数の相手方であるB1等8名から,岡山市(住所省略)等において,上記A3が現金の交付を受ける方法等により,元本及び所定の配当金を支払うことを約して現金合計1億円を受け入れ,もって業として預り金をした。 (法令の適用)被告人の行為は包括して刑法60条,出資法8条3項1号,2条1項に該当するので,所定刑中懲役刑及び罰金刑を選択し,所定の刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役2年及び罰金100万円に処し,情状により刑法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から4年間その懲役刑の執行を猶予し,同法18条によりその罰金を完納することができないときは金1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置することとする。 (量刑の理由)被告人は,共犯者らとともに,連鎖的な勧誘によりピラミッド構造からなるA10社の会員組織を構築し,会員に対して,元本保証や高額配当をうたって,業として,不特定多数の顧客8名から預り金を繰り返し受け入れており,本件は,組織的かつ継続的に行われた犯行である。被告人が受け入れた現金は合計1億円に上っており,その 金額はこの種事案の中でも 業として,不特定多数の顧客8名から預り金を繰り返し受け入れており,本件は,組織的かつ継続的に行われた犯行である。被告人が受け入れた現金は合計1億円に上っており,その 金額はこの種事案の中でも高額である。配当金等を差し引いてもほとんどの預り金が返還されておらず,一般市民の財産の保護を図ろうとした出資法の趣旨は大きく損なわれている。被告人自身,現金受入れのスキームの考案に関与したほか,A10社の代表取締役に就任し,毎月開催されるディレクター会議で司会進行役等を担うなど,その果たした役割は重要であった。また,被告人は,顧客から現金の受入れを続ける中で顧客勧誘の成功に伴うバックマージン等を得ており,その犯行は強い利欲的動機に基づくものといえる。以上によると,その刑事責任は軽視できず,被告人に対しては懲役刑と罰金刑を併科するのが相当である。 もっとも,被告人が犯行を認めて反省の言葉を述べ,民事上の責任を取る意向も示していることや前科がないこと等の事情も考慮すると,被告人に対しては社会内における更生の機会を与えるのが相当であり主文のとおり量刑した。 (求刑-懲役2年及び罰金100万円)令和元年11月8日名古屋地方裁判所刑事第3部 裁判長裁判官吉井隆平 裁判官細野高広 裁判官澤田真里
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