昭和47(行ウ)21 売却処分無効確認等請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和55年6月18日 大阪地方裁判所 住民訴訟
ファイル
hanrei-pdf-17419.txt

タグ

判決文本文17,573 文字)

○ 主文一原告らの被告A及び同Bに対する訴を却下する。二被告Cは訴外阪南町に対し、別紙物件目録記載の(一)の土地についてされた別紙登記目録記載の(一)の登記を、同目録記載の(五)の登記に更正登記手続をせよ。三被告阪南町長は、被告Aに対し、別紙物件目録記載の(四)の土地について、所有権移転登記手続(原因昭和四五年一〇月七日売買)をしてはならない。四原告らのその余の請求を棄却する。五訴訟費用中、原告らと被告Cとの間に生じた部分は同被告の負担とし、その余の部分を五分し、その一を被告阪南町長の負担とし、その四を原告らの負担とする。○ 事実第一当事者の申立一原告ら(一) 阪南町に対し、(1) 被告Cは、別紙物件目録記載の(一)の土地についてされた別紙登記目録記載の(一)の、(2) 被告Dは、別紙物件目録記載の(二)の土地についてされた別紙登記目録記載の(二)の、(3) 被告Eは、別紙物件目録記載の(三)の土地についてされた別紙登記目録記載の(三)の、(4) 被告株式会社大阪銃砲商会は、別紙物件目録記載の(二)の土地についてされた別紙登記目録記載の(四)の、各所有権移転登記を、東鳥取町持分について抹消登記手続をせよ。(二) 被告阪南町長は、(1) 別紙物件目録記載の(四)の土地について、被告Aに対する所有権移転登記手続を、(2) 別紙物件目録記載の(五)の土地について、被告Bに対する所有権移転登記手続を、それぞれ行つてはならない。(三) 訴訟費用は被告らの負担とする。との判決。二被告阪南町長(本案前―原告らの申立第(二)項に対し)原告らの訴を却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。(本案)原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。三被告C、同D、同E、同A 申立第(二)項に対し)原告らの訴を却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。(本案)原告らの請求を棄却する。 れ行つてはならない。(三) 訴訟費用は被告らの負担とする。との判決。二被告阪南町長(本案前―原告らの申立第(二)項に対し)原告らの訴を却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。(本案)原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。三被告C、同D、同E、同A 申立第(二)項に対し)原告らの訴を却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。(本案)原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。三被告C、同D、同E、同A、同B、同株式会社大阪銃砲商会原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。との判決。第二当事者の主張一原告らの請求の原因事実(一) 原告らは、大阪府泉南郡<地名略>に居住していた住民である。<地名略>は、昭和四七年一〇月二〇日、大阪府泉南郡<地名略>と町村合併し、<地名略>となつた。(二) 売買契約 1 別紙物件目録記載の各土地(以下本件土地と総称し、各土地をいうときには本件土地(一)のように略称する)は、かつて東鳥取町及び南海町の共有地であり、東鳥取町の持分は、本件土地(一)ないし(三)についてはいずれも四分の一、本件土地(四)及び(五)についてはいずれも一〇〇万分の五七万〇、四七九であつた。2 東鳥取町長は、別表記載の売買の日欄記載の各日に、買受人欄記載の各買主に対し、目的物件欄記載の各土地の東鳥取町の持分を売り渡した。その売買価格は、各土地の共有持分を伺様に売り渡した南海町との契約についての分とを合計すると売買価額欄記載のとおりの各金額である。(三) 登記手続 1 本件土地(一)については、被告C名義の別紙登記目録記載の(一)の登記(以下単に(一)の登記という。(二)以下と同じ)、本件土地(二)については、被告D名義の(二)の登記及び被告株式会社大阪銃砲商会(以下被告会社という)名義の(四)の登記、本件土地(三)については、被告E名義の(三)の登記が、それぞれ経由されている。2 被告阪南町長は、本件土地(四)について、被告Aに、本件土地(五)について、被告Bに、いずれも前記各売買を原因とする所有権(持分)移転登 は、被告E名義の(三)の登記が、それぞれ経由されている。2 被告阪南町長は、本件土地(四)について、被告Aに、本件土地(五)について、被告Bに、いずれも前記各売買を原因とする所有権(持分)移転登記手続を行おうとしている。 (三)の登記が、それぞれ経由されている。2 被告阪南町長は、本件土地(四)について、被告Aに、本件土地(五)について、被告Bに、いずれも前記各売買を原因とする所有権(持分)移転登 は、被告E名義の(三)の登記が、それぞれ経由されている。2 被告阪南町長は、本件土地(四)について、被告Aに、本件土地(五)について、被告Bに、いずれも前記各売買を原因とする所有権(持分)移転登記手続を行おうとしている。3 2の登記手続が行われると、阪南町に回復の困難な損害が生じるおそれがある。(四) 本件土地売却の違法本件土地についての前記各売買は、次の点で違法である。すなわち、 1 地方自治法(以下単に法という)九六条一項七号、同法施行令(以下単に令という)一二一条の二第二項、別表第二によると、町の所有する普通財産の処分のうち金七〇〇万円以上の財産の売払いについては、町議会の議決を必要とする。ところが、本件土地の売買契約における売買代金のうち東鳥取町共有持分に対するものは金七五三万七、一八一円であるのに、東鳥取町は、東鳥取町議会の議決を経ることなく売買契約を締結した。2 地方公共団体が行う売買は、法二三四条により、令一六七条の二所定の場合を除くほか一般競争入札によらなければならない。ところが、東鳥取町長は、右の除外事由がないのに随意契約の方法で本件売買契約を締結した。3 地方公共団体が、その所有財産を売却するにあたつては、不当に廉価で行つてはならないことは地方財政法八条により明らかである。ところが、東鳥取町がした本件売買における価格は不当に廉価である。その理由は、次のとおりである。(1) 本件土地の実測面積は、合計一九万七、五五六平方メートルであるにもかかわらず、本件売買契約は、合計九万一、六七四平方メートルとしてされた。(2) 本件土地の価格は、本件売買契約締結当時、少くとも坪当り金二、〇〇〇円を下らないにもかかわらず、本件売買契約では坪当り金二二〇円程度として価格が決められた。4 被告Cは、別表記載の(一)の売買 ) 本件土地の価格は、本件売買契約締結当時、少くとも坪当り金二、〇〇〇円を下らないにもかかわらず、本件売買契約では坪当り金二二〇円程度として価格が決められた。4 被告Cは、別表記載の(一)の売買契約を締結した当時、東鳥取町の監査委員であつて、町有財産の管理運営の監査を担当する職にあつたから、法二三八条の三によつて町有財産の譲受けが禁じられていた。 が決められた。4 被告Cは、別表記載の(一)の売買 ) 本件土地の価格は、本件売買契約締結当時、少くとも坪当り金二、〇〇〇円を下らないにもかかわらず、本件売買契約では坪当り金二二〇円程度として価格が決められた。4 被告Cは、別表記載の(一)の売買契約を締結した当時、東鳥取町の監査委員であつて、町有財産の管理運営の監査を担当する職にあつたから、法二三八条の三によつて町有財産の譲受けが禁じられていた。したがつて、同被告が、東鳥取町から本件土地(一)の持分を譲り受けたことは、法二三八条の三に違反し無効である。(五) 監査請求原告らは、昭和四六年一〇月二九日、本件土地の売却は違法であるとして東鳥取町監査委員に監査を求め、必要な措置を講ずべきことを請求した。監査委員は、同年一二月二七日、右監査請求には理由がない旨の監査結果を原告Fに通知した。(六) 結論原告らは、被告阪南町長、同A及び同Bに対しては、所有権(持分)移転登記手続を行うことの差止めを、被告C、同D、同E及び被告会社に対しては、原状回復としてすでになされた各所有権移転登記の抹消登記手続を求める。二被告らの答弁と主張(本案前―被告阪南町長)原告らの申立第(二)項についての訴は、以下の理由によつて不適法である。(一) 原告らが違法と主張して差止めを求めている被告阪南町長の行為は、本件土地(四)及び(五)の売却であるが、右売却行為は売買契約の締結によつて完結しているから、もはやその差止めはできない。(二) 所有権移転登記手続が売却の履行行為として差止めの対象たる行為に該当するとしても、原告らは、売買契約による法律関係が存在しない旨の確認を求める請求によつてその目的を達することができるから、差止め請求をなすべき訴の利益がない。(三) 法二四二条の二第一項ただし書によると、同項一号の差止めを求めるためには、当該行為により当該地方 を求める請求によつてその目的を達することができるから、差止め請求をなすべき訴の利益がない。(三) 法二四二条の二第一項ただし書によると、同項一号の差止めを求めるためには、当該行為により当該地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがあることを要するが、本件において被告阪南町長が所有権移転登記手続を履行することによつて阪南町に回復の困難な損害を生ずるおそれはない。(本案―被告全員)(一) 認否 1 (一)、(二)及び(三)の1、2の各事実は認める。 、差止め請求をなすべき訴の利益がない。(三) 法二四二条の二第一項ただし書によると、同項一号の差止めを求めるためには、当該行為により当該地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがあることを要するが、本件において被告阪南町長が所有権移転登記手続を履行することによつて阪南町に回復の困難な損害を生ずるおそれはない。(本案―被告全員)(一) 認否 1 (一)、(二)及び(三)の1、2の各事実は認める。(三)の3の事実は否認する。2 (四)は争う。ただし、同項1のうち東鳥取町長が同町議会の議決を経ることなく本件売買契約を締結したこと、同項2のうち本件売買契約が随意契約によつてされたこと、同項4のうち被告Cが売買契約締結当時、東鳥取町の監査委員であつたこと、以上のことは認める。3 (五)の事実は認める。(二) 主張 1 法九六条一項七号、令一二一条の二第二項、別表第二違反の主張について本件売買契約が令一二一条の二第二項、別表第二に該当するかどうかは、処分の対象となる物件及び契約相手を基準に考えるべきところ、本件土地の各売買契約における代金のうち東鳥取町の持分に相当する金額は、いずれも金七〇〇万円を下回るから、処分にあたり法九六条一項七号にいう議会の議決を要しない。2 法二三四条違反の主張について本件土地の売却は、いずれも次のとおり令一六七条の二第一項の要件に該当するから、随意契約によつても法二三四条に違反しない。(1) 本件土地(一)ないし(三)及び(五)の売却昭和四九年政令二〇三号による改正前の令一六七条の二第一項一号にいう「その性質又は目的が競争人札に適しないもの」には、土地等を特別の縁故ある者に売り払う場合を含むと解すべきである。本件土地(一)は、通称魔所と呼ばれ、昭和 よる改正前の令一六七条の二第一項一号にいう「その性質又は目的が競争人札に適しないもの」には、土地等を特別の縁故ある者に売り払う場合を含むと解すべきである。本件土地(一)は、通称魔所と呼ばれ、昭和一五年七月一一日、訴外G及び同Hのため期間三〇年の樹木所有を目的とする地上権が、本件土地(二)は、通称赤土と呼ばれ、同年八月一日、右両訴外人及び訴外Iのため同期間同目的の地上権が、本件土地(三)は、通称瀧の尾と呼ばれ、同年七月一一日、訴外Jのため同期間同目的の地上権が、本件土地(五)は、通称二三ヤと呼ばれ、右同日、訴外Kのため同期間同目的の地上権が、それぞれ設定され、昭和四五年七月当時、本件土地(一)の地上権は被告C及び被告Dが、本件土地(二)の地上権は右両被告がIとともに、本件土地(三)の地上権は被告Eが、本件土地(五)の地上権は被告Bが、それぞれ相続等により承継取得していた。 地(三)は、通称瀧の尾と呼ばれ、同年七月一一日、訴外Jのため同期間同目的の地上権が、本件土地(五)は、通称二三ヤと呼ばれ、右同日、訴外Kのため同期間同目的の地上権が、それぞれ設定され、昭和四五年七月当時、本件土地(一)の地上権は被告C及び被告Dが、本件土地(二)の地上権は右両被告がIとともに、本件土地(三)の地上権は被告Eが、本件土地(五)の地上権は被告Bが、それぞれ相続等により承継取得していた。右各地上権は、昭和四五年七月、存続期間満了となるべきところ、それに先立ち、各地上権者から更新の申込がなされた。右各土地は、近畿圏の保全区域の整備に関する法律九条による近郊緑地保全区域に含まれており、森林法による保安林にも指定されていたため植林以外の用途に使用できる見込みはなかつた。そこで、右地上権を更新すべきであつたところ、東鳥取町の財政的必要もあつて、各地上権者に売却する案が有力となり、林野組合の意見も参考にしたうえで、これらの土地を各地上権者に売却することとなつたものである。その際、前記Iが本件土地(二)についての地上権を放棄したため、被告Cと同Dとで相談のうえ、権利関係を簡明にするため被告Cが本件土地(一)を、同Dが本件土地(二)を買い受けることにした。したがつて、右売却は、いずれも縁故者に対するもので競争入札に適しない場合であり、同時に、競争入札に付すること を簡明にするため被告Cが本件土地(一)を、同Dが本件土地(二)を買い受けることにした。したがつて、右売却は、いずれも縁故者に対するもので競争入札に適しない場合であり、同時に、競争入札に付することが不利と認められる場合(前記政令による改正前の令一六七条の二第一項三号)にも該当する。(2) 本件土地(四)の売却本件土地(四)は、通称ヌク原と呼ばれ、昭和一五年七月一一日、訴外Lのため期間三〇年の樹木所有を目的とする地上権が設定され、昭和四五年七月当時、同訴外人が地上権を有していたもので、前同様のいきさつによつて、東鳥取町は同訴外人に右土地を売却しようとした。ところが同訴外人が町の提案にかかる価格での買受けを拒否したため町は苦慮していたところ、被告Aが同訴外人のいい値の約五倍もの価格で買い受けたいと申し込んだため、同被告に売り渡すこととなつたものである。したがつて、右売却は、前記政令による改正前の令一六七条の二第一項三号の競争入札に付すことが不利と認められるとき及び同項四号の時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるときに該当する。 が同訴外人が町の提案にかかる価格での買受けを拒否したため町は苦慮していたところ、被告Aが同訴外人のいい値の約五倍もの価格で買い受けたいと申し込んだため、同被告に売り渡すこととなつたものである。したがつて、右売却は、前記政令による改正前の令一六七条の二第一項三号の競争入札に付すことが不利と認められるとき及び同項四号の時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるときに該当する。3 地方財政法八条違反の主張について本件土地の売却は、右のような事情のもとでなされた。右事情や本件土地の地形、位置などを考慮したとき、本件売買契約の売買価格は適正であつて、決して廉価ではない。第三証拠(省略)○ 理由一請求原因(一)、(二)、(三)の1、2及び(五)の各事実は当事者間に争いがない。二本件訴の適法性について判断する。(一) 法二四二条の二第一項一号の差止め請求の被告となりうべき者は、当該執行機関又は職員に限られると解するのが相当である。したがつて、本件土地(四)、(五)についての売買契約の履行行為たる所有権移転登記手続は、売主たる阪南町と買主たる被告A及び となりうべき者は、当該執行機関又は職員に限られると解するのが相当である。したがつて、本件土地(四)、(五)についての売買契約の履行行為たる所有権移転登記手続は、売主たる阪南町と買主たる被告A及び同Bの共同申請によつて行われるとはいえ、原告らが、この所有権移転登記手続の差止めを訴求するには、被告阪南町長を相手どれば必要にして十分であつて、被告A及び同Bには、被告適格がないとするほかはない。そこで、原告らの右両被告に対する申立第(二)項の訴を不適法として却下する。(二) 原告らの被告阪南町長に対する訴は適法であるが、その理由は、次のとおりである。原告らが違法と主張している東鳥取町長の行為は、本件土地(四)、(五)の売却行為であるが、右売却行為は、単に売買契約の締結によつて完結するものではなく、当該売買契約の履行、すなわち当該土地の所有権を完全に移転させることもこれに含まれる。したがつて、所有権移転登記手続を行うことは、当該土地の所有権を完全に移転させるについて重要な意味を有する行為であるから、差止めの対象とするに欠けるところはない。本件土地(四)、(五)の売却の違法を理由に被告阪南町長が被告A及び同Bに対し売買契約に基づく所有権移転登記手続を行う義務がないことの確認を求めることは、法二四二条の二第一項四号に基づいて可能である。 権を完全に移転させることもこれに含まれる。したがつて、所有権移転登記手続を行うことは、当該土地の所有権を完全に移転させるについて重要な意味を有する行為であるから、差止めの対象とするに欠けるところはない。本件土地(四)、(五)の売却の違法を理由に被告阪南町長が被告A及び同Bに対し売買契約に基づく所有権移転登記手続を行う義務がないことの確認を求めることは、法二四二条の二第一項四号に基づいて可能である。しかし、そうだからといつて、原告らが、同項一号に基づき所有権移転登記手続が行われることの差止めを求める訴の利益を欠くということにはならない。なぜならば、所有権移転登記手続の差止めを求めた方が、法律関係不存在確認を求めるより、より直接的であり、有効的であるからである。法二四二条の二第一項一号の差止め請求をするには、当該行政機関又は職員の違法な行為により普通地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合で より、より直接的であり、有効的であるからである。法二四二条の二第一項一号の差止め請求をするには、当該行政機関又は職員の違法な行為により普通地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合であることを要することは、同項ただし書の定めるところである。しかし、右要件は、差止め請求にかかる訴の適法要件ではなく、これを理由あらしめる一要件にすぎないと解するのが相当である。したがつて、このことの有無は、原告らの被告阪南町長に対する申立第(二)の訴を不適法と関係するものではない。三そこで本案に入つて、本件土地の売買契約の違法性について判断する。(一) 本案の判断に必要な事実の認定について成立に争いがない甲第二ないし第七号証、乙第一号証、第一〇、一一号証の各一、二、第一二号証の一ないし五、原告Fの本人尋問の結果によつて真正に作成されたものと認められる甲第一号証、証人Mの証言、被告Cの本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によつて真正に作成されたものと認められる乙第二号証の一ないし四、第三、四号証の各一、二、第五ないし第九号証、丙第二号証、証人M、同Oの各証言、原告F及び被告Cの各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められ、この認定に反する証拠はない。1 本件土地は、山の谷あいの最も奥地にある水源地であり、近畿圏の保全区域の整備に関する法律九条にいう近郊緑地保全区域内にあつて、かつ、森林法二五条による保安林指定のされている地区内にある。 第二号証の一ないし四、第三、四号証の各一、二、第五ないし第九号証、丙第二号証、証人M、同Oの各証言、原告F及び被告Cの各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められ、この認定に反する証拠はない。1 本件土地は、山の谷あいの最も奥地にある水源地であり、近畿圏の保全区域の整備に関する法律九条にいう近郊緑地保全区域内にあつて、かつ、森林法二五条による保安林指定のされている地区内にある。本件土地は、一部採石が行われているほかは、主として松の植林に供されており、今後も宅地などとしての開発が期待できない土地である。ただし、本件土地(三)は、通称ヌク原と呼ばれていて、山の南側斜面に位置していて日当りがよく、地盤は岩ばかりではなく土もあるため、本件土地のなかでは比較的樹木が育ちやすく、 期待できない土地である。ただし、本件土地(三)は、通称ヌク原と呼ばれていて、山の南側斜面に位置していて日当りがよく、地盤は岩ばかりではなく土もあるため、本件土地のなかでは比較的樹木が育ちやすく、良い土地で、しかも、昭和四五年当時は樹木は伐採してあつた。2 本件土地は、かつて地元各部落(旧<地名略>、<地名略>、<地名略>、<地名略>)の共有林である一筆の土地(<地名略>)の一部であつたが、部落の村民に植林のための権利が与えられていた。それと同時に、本件土地(一)では、被告Cの祖父訴外Pと被告Dの祖父訴外Hとが、本件土地(二)では、P、Hと訴外Iとが採石を行つていた。ところが昭和一五年七月になつて、期間三〇年の樹木所有を目的とする地上権が本件土地に設定されることとなり、同月一一日、通称魔所と呼ばれる本件土地(一)にPの子訴外G及びHが、同年八月一日、通称赤土と呼ばれる本件土地(二)に右両訴外人及びIが、同年七月一一日、通称瀧の尾と呼ばれる本件土地(三)に訴外Jが、同日、本件土地(四)(ヌク原)に訴外Lが、同日、通称二三ヤと呼ばれる本件土地(五)に被告Bの先代又は先々代にあたる訴外Kが、それぞれ前記の内容の地上権の設定を受けた。3 右各地上権は、昭和四五年、存続期間の満了をむかえることになつたが、そのころ、本件土地(一)の地上権は被告C及び同Dが、本件土地(二)の地上権は右両被告がIとともに、本件土地(三)の地上権は被告Eが、本件土地(五)の地上権は被告Bが、それぞれ相続等により承継取得しており、本件土地(四)の地上権者は、依然としてLであつた。 の先代又は先々代にあたる訴外Kが、それぞれ前記の内容の地上権の設定を受けた。3 右各地上権は、昭和四五年、存続期間の満了をむかえることになつたが、そのころ、本件土地(一)の地上権は被告C及び同Dが、本件土地(二)の地上権は右両被告がIとともに、本件土地(三)の地上権は被告Eが、本件土地(五)の地上権は被告Bが、それぞれ相続等により承継取得しており、本件土地(四)の地上権者は、依然としてLであつた。4 右各地上権者は、各地上権満了の一月ほど前になつて、東鳥取町から存続期間満了の旨の通知を受けたため、同町に地上権の更新を申し入れた。ところが、東鳥取町長は、折から小学校の増改築のための財 つた。4 右各地上権者は、各地上権満了の一月ほど前になつて、東鳥取町から存続期間満了の旨の通知を受けたため、同町に地上権の更新を申し入れた。ところが、東鳥取町長は、折から小学校の増改築のための財源確保に迫られていたので、本件土地を右地上権者に売却しようと考え、東鳥取町南海町林野組合(以下林野組合という)の議員のうち東鳥取町選出の議員らに非公式に打診した。同町長は、第三者への売却は、樹木の保全を考慮すると、望ましくないと考えた。林野組合は、本件土地を含む東鳥取町と南海町との共有林野の管理を目的に設立された組合で、議員は、いずれも町議会議員のうち林野関係に通じた者であり、東鳥取町から八名、南海町から七名選出されていた。本件土地の管理に関しては、もつぱら東鳥取町側でこれを行つていたので、本件土地売却についての協議は、東鳥取町側議員のみで行つた。5 議員らは、協議の結果、本件土地売却に同意した。右協議は、一回のみで、午後一ぱいを使つて行われた。その際、売買価格についても協議され、別表記載の売買価格欄の各価格が相当であるという結論に達した。もつとも、議員らには、本件土地の実測面積、近隣の土地の単価は明らかでなく、かつ、鑑定などの手段はとられず、もつぱら、訴外Qなどこの地域の山林に詳しい議員らが、本件土地(一)(魔所)は全体としてこの程度という具合に概算見積りで価格評価を行つたもので、右評価にあたつて考慮した要素としては、買主が地上権者であつて、地上に生育している樹木の所有者であるという事実だけが明らかである。6 林野組合は、昭和四五年九月一四日、右協議の結果にそつた提案を承認した。その際、本件土地の実測面積として示されたものは、地上権契約書に記載された面積であつた。 山林に詳しい議員らが、本件土地(一)(魔所)は全体としてこの程度という具合に概算見積りで価格評価を行つたもので、右評価にあたつて考慮した要素としては、買主が地上権者であつて、地上に生育している樹木の所有者であるという事実だけが明らかである。6 林野組合は、昭和四五年九月一四日、右協議の結果にそつた提案を承認した。その際、本件土地の実測面積として示されたものは、地上権契約書に記載された面積であつた。7 本件土地(一)を被告Cが、本件土地(二)を被告Dが、それぞれ単独で買い 協議の結果にそつた提案を承認した。その際、本件土地の実測面積として示されたものは、地上権契約書に記載された面積であつた。7 本件土地(一)を被告Cが、本件土地(二)を被告Dが、それぞれ単独で買い受けることになつたのは、本件土地(二)を現実に採石場として利用していたのが被告Dのみであつたことから、権利関係を簡明にするため東鳥取町と右両被告とが話合つた結果による。本件土地(四)については、地上権者であつたLが、最終的に金六〇万円以上で買い受けることを拒絶したため、東鳥取町長が苦慮していたところ、これを聞いた被告Aが金三〇〇万円で買い受けることを申込んだ。そこで、同町長は、同被告に売却することにしたが、同被告が、本件土地(四)をどのような利用目的で買い受けたかは明らかではない。8 被告Dは、同年九月一二日、本件土地(二)を他の一筆とともに被告会社に事前に転売しているが、転売価格は金七〇〇万円であつた。9 本件土地について、昭和五二、三年ころになつて、測量されたようであるが、その結果は明らかではない。別紙物件目録に記載された本件土地(一)ないし(三)の面積は、公簿上の面積であり、同目録に記載された本件土地(四)及び(五)の実測として表示された面積は、売買契約書記載の面積である。この地域の土地のいわゆる縄延びは、約三倍程度のようであるが、正確には明らかではない。10 訴外南海電鉄は、昭和四五年ころ、<地名略>で土地買収を行つたが、その際の坪単価は約八、〇〇〇円であつた。ただし、買収地は本件土地より交通の便のよい位置にあり、丘陵地帯であつて、宅地開発が可能な場所である。(二) 法二三八条の三違反の主張について 1 被告Cが、本件土地(一)の売買契約締結当時、東鳥取町の監査委員であつたことは、当事者間に争いがない。 程度のようであるが、正確には明らかではない。10 訴外南海電鉄は、昭和四五年ころ、<地名略>で土地買収を行つたが、その際の坪単価は約八、〇〇〇円であつた。ただし、買収地は本件土地より交通の便のよい位置にあり、丘陵地帯であつて、宅地開発が可能な場所である。(二) 法二三八条の三違反の主張について 1 被告Cが、本件土地(一)の売買契約締結当時、東鳥取町の監査委員であつたことは、当事者間に争いがない。2 法二三八条の三は、公 開発が可能な場所である。(二) 法二三八条の三違反の主張について 1 被告Cが、本件土地(一)の売買契約締結当時、東鳥取町の監査委員であつたことは、当事者間に争いがない。2 法二三八条の三は、公有財産に関する事務に従事する職員が、その取扱いに係る公有財産を譲り受けることを禁止し、これに違反した行為を無効としている。ところで、町の監査委員は、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理を監査する(法一九九条一項)事務に従事するものであつて、違法又は不当な町有財産の処分、契約の締結、履行の監査がその重要な職務である (法二四二条)。したがつて、町の監査委員は、町有財産に関する事務に従事する職員に該当するから、監査の対象となり得るすべての町有財産の譲受けが禁止されていることになる。そうして、この禁止は、たとえ監査委員が公用財産を適正な価格で買い受けた場合にも、解除されないのである。なぜならば、この禁止規定は、監査委員の職務の執行の公正さはもとより、公正らしさまでも担保する趣旨であるからである。3 本件土地(一)は、売却される場合、監査の対象となり得る町有財産であるから、監査委員であつた被告Cがこれを買い受けたことは違法であり、法二三八条の三第二項により無効である。したがつて、原告らの被告Cに対する請求は、その余の点についての判断をするまでもなく理由があることに帰着する。4 原告らは、同被告に対し、同被告が阪南町に負担している(一)の登記の東鳥取町の持分についての抹消登記手続をするよう訴求している。しかし、前共有者である南海町の持分(四分の三)についての移転登記の記載に触れることなく、東鳥取町の持分に対する関係でのみ抹消登記手続を行うことは登記技術上できない(甲第五号証の甲区欄三、四番参照)から、右移転登記を真実に合致させるべ 分の三)についての移転登記の記載に触れることなく、東鳥取町の持分に対する関係でのみ抹消登記手続を行うことは登記技術上できない(甲第五号証の甲区欄三、四番参照)から、右移転登記を真実に合致させるべくその更正登記として(五)の登記手続を求める限度で原告らのこの請求を認容することとする。 のみ抹消登記手続を行うことは登記技術上できない(甲第五号証の甲区欄三、四番参照)から、右移転登記を真実に合致させるべ 分の三)についての移転登記の記載に触れることなく、東鳥取町の持分に対する関係でのみ抹消登記手続を行うことは登記技術上できない(甲第五号証の甲区欄三、四番参照)から、右移転登記を真実に合致させるべくその更正登記として(五)の登記手続を求める限度で原告らのこの請求を認容することとする。(三) 本件土地(二)ないし(五)について、法九六条一項七号、令一二一条の二第二項、別表第二の各法条に違反したとの主張について 1 本件土地の売却について、東鳥取町議会の議決がなかつたことは、当事者間に争いがない。2 前掲の各法条及び東鳥取町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(同町昭和三九年条例第二号)三項によると、同町が土地を売却する場合、一件五、〇〇〇平方メートル以上の土地については、予定価格が金七〇〇万円以上であれば、町議会の議決を要することが明らかである。そうして、右制限の該当性を判断する単位について、明文の定めはないが、売却の対象となつた土地の一体性を基準にして議会の議決の必要性の有無を判断すべきものと解するのが相当である。そのわけは、次のとおりである。(1) 回数や買主の数を基準にしたとき、こま切れにして土地を売却することによつて、たやすく上記の法条を潜脱することができる。(2) 本件のように同一の機会に複数の一体性のある土地を売却するとき、その価格の適否は、各一体性のある土地について個別的に検討されるべきである。したがつて、全体の合計額だけで判断することは、不当に売買の実態を抽捨してしまうことになる。3 この視点に立つて本件を観ると、本件土地(二)ないし(五)は、昭和四五年の売却までは<地名略>の一筆の土地の一部であつたが、昔から、それぞれ「赤土」「瀧の尾」「ヌク原」「二三ヤ」と通称され、近隣の住民は容易に境界を確 件を観ると、本件土地(二)ないし(五)は、昭和四五年の売却までは<地名略>の一筆の土地の一部であつたが、昔から、それぞれ「赤土」「瀧の尾」「ヌク原」「二三ヤ」と通称され、近隣の住民は容易に境界を確定することのできる個別独立の土地であり、それぞれに地上権者を異にしており、本件土地(二)ないし(五)の買主は、それぞれの地上権者であること(ただし、本件土地(四)をのぞく)が、前記認定の事実から明らかである。 観ると、本件土地(二)ないし(五)は、昭和四五年の売却までは<地名略>の一筆の土地の一部であつたが、昔から、それぞれ「赤土」「瀧の尾」「ヌク原」「二三ヤ」と通称され、近隣の住民は容易に境界を確定することのできる個別独立の土地であり、それぞれに地上権者を異にしており、本件土地(二)ないし(五)の買主は、それぞれの地上権者であること(ただし、本件土地(四)をのぞく)が、前記認定の事実から明らかである。そうすると、本件土地の売却にあたつては、本件土地(二)ないし(五)をそれぞれ一体性のある別個の土地として、前記の制限の該当性を判断するのが、右法条の法意に合致するといわなければならない。ところで、本件土地の売買予定価格は別表記載の売買価格欄のとおりであり、うち東鳥取町持分に相当する価格は、別表記載の持分相当額欄のとおりである。したがつて、本件土地の売却は、いずれも、一件五、〇〇〇平方メートルに満たないか、予定価格が金七〇〇万円に満たないかのいずれかであることが明らかである。4 まとめ本件土地(二)ないし(五)の売却には、東鳥取町議会の議決を必要としないから、原告らのこの点に関する主張は採用しない。(四) 法二三四条違反の主張について 1 本件土地の売却が随意契約によつて行われたことは、当事者間に争いがない。被告阪南町長は、本件土地(二)、(三)、(五)の売却については、改正前の令一六七条の二第一項一号、三号の、本件土地(四)の売却については、同項三号、四号の各事由があつたとして、その正当性を主張している。2 普通地方公共団体が公有財産の売却を随意契約によつて行うことのできる場合を定める法二三四条二項、昭和四九年政令二〇三号による改正前の令一六七条の二第一項一号は、「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」について、随意契約をするこ 随意契約によつて行うことのできる場合を定める法二三四条二項、昭和四九年政令二〇三号による改正前の令一六七条の二第一項一号は、「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」について、随意契約をすることを許容している。ところで、この「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するかどうかの判断にあたつては、随意契約が、処分の公正さを担保する競争入札の例外であることを念頭に、当該財産の性質、規模を考慮にいれるべきことはもちろんであるが、そのほかに売却のいきさつあるいは売却によつて得られあるいは損われうる公共的利益への副次的効果も処分の公正さの保持とのかねあいの中で勘案されるべきことはいうまでもない。 ている。ところで、この「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するかどうかの判断にあたつては、随意契約が、処分の公正さを担保する競争入札の例外であることを念頭に、当該財産の性質、規模を考慮にいれるべきことはもちろんであるが、そのほかに売却のいきさつあるいは売却によつて得られあるいは損われうる公共的利益への副次的効果も処分の公正さの保持とのかねあいの中で勘案されるべきことはいうまでもない。3 ところで、本件では、本件土地(二)、(三)及び(五)は、いずれも山奥の山林で、地上権者によつて植林がなされていたが、植林が最も有効な使途であり、かつ、その植林状態が将来にわたつて続くことが水源地としての環境保全の趣旨も含め、行政規制とのかねあいからも望ましいこと、各地上権者は、三〇年間、それぞれの土地上に植林をしてきたもので、右期間満了後も地上権更新を期待し、その旨を申し入れたところ、町の側の財政的事情で売却することになつたこと、右地上権者以外の者に売却した場合、一旦は生育中の樹木が伐採されるおそれがあること、管理にあたつていた林野組合の議会の議決を経ていること、以上のことがある。そこで、これらの事情とりわけ、地上権者が各土地を買い受けることに着目したとき、本件(二)、(三)及び(五)の土地の売却が、前記条項にいう「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するとしなければならない。そうすると、東鳥取町が、本件土地(二)、(三)及び(五)を随意契約によつて売却したことには、なんらの瑕疵がない。その他、本件に顕われた証拠を仔細に に適しないもの」に該当するとしなければならない。そうすると、東鳥取町が、本件土地(二)、(三)及び(五)を随意契約によつて売却したことには、なんらの瑕疵がない。その他、本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、本件土地(二)、(三)及び(五)の売却をするに当り随意契約の方法をとつたことが、処分の公正さに反したりそれを疑わせることが認められる証拠はない。4 前記令一六七条の二第一項三号の「競争入札に付することが不利と認められる」とは、不誠実なものが競争に参加するなどによつて競争原理が働かず、逆に悪用される場合をいうものと解するのが相当である。ところで、本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、本件土地(四)の売却についてそのような事情が認められる証拠はない。 随意契約の方法をとつたことが、処分の公正さに反したりそれを疑わせることが認められる証拠はない。4 前記令一六七条の二第一項三号の「競争入札に付することが不利と認められる」とは、不誠実なものが競争に参加するなどによつて競争原理が働かず、逆に悪用される場合をいうものと解するのが相当である。ところで、本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、本件土地(四)の売却についてそのような事情が認められる証拠はない。また、被告Aの本件土地(四)の買受価格は、東鳥取町が森林組合の意見を参考にしてきめた見積額金三〇〇万円であるが、この額で同被告に売却することが、前記令一六七条の二第一項四号の「時価に比して著しく有利な価格」と断ずるのは無理である。成る程、本件土地(四)の地上権者であつたLが、右土地を金六〇万円をこえる価格で買い受けることを拒絶したことは、前記認定のとおりであるが、この事実だけで被告Aの買受価格である金三〇〇万円が、時価を著しく上回つているとすることはできないし、他にこれを認めるに足りる証拠がない。5 まとめそうすると、東鳥取町が、本件土地(四)を被告Aに随意契約によつて売却したことについて、前記第一項三号、四号の除外事由がないことに帰着し、右随意契約による売却は、法二三四条二項、令一六七条の二第一項三、四号に違反するとしなければならない。ところで、法二四二条の二第一項一号の差止めを請求するには、阪南町に「回復の困難な損害が生じるおそれがある場合に限」られているが、本件で、被告阪南町 二第一項三、四号に違反するとしなければならない。ところで、法二四二条の二第一項一号の差止めを請求するには、阪南町に「回復の困難な損害が生じるおそれがある場合に限」られているが、本件で、被告阪南町長が本件土地(四)の所有権(持分権)移転登記手続をしてしまえば、これを得た被告Aが他に転売して第三者名義に所有権移転登記手続をすます可能性があり、そのうえ、同被告は地上権者ではないから、本件土地(四)をどのように利用するか判然としないのである。したがつて、原告らの差止めには、回復の困難な損害が生じるおそれがある場合に該当するといわなければならない。(五) 地方財政法八条違反の主張について 1 本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、本件土地(二)、(三)及び(五)の売却が、不当に廉価であつたことが認められる的確な証拠はない。 ます可能性があり、そのうえ、同被告は地上権者ではないから、本件土地(四)をどのように利用するか判然としないのである。したがつて、原告らの差止めには、回復の困難な損害が生じるおそれがある場合に該当するといわなければならない。(五) 地方財政法八条違反の主張について 1 本件に顕われた証拠を仔細に検討しても、本件土地(二)、(三)及び(五)の売却が、不当に廉価であつたことが認められる的確な証拠はない。2 却つて、前記認定の事実からすると、本件土地(二)、(三)及び(五)の実測面積や縄延びの割合は明らかでなく、また、売買価格は、実測面積と単価を考慮して定められたものではなく、むしろ、山林に通じたものの概算に基づいて決定されたものである。また、本件土地(二)が他の一筆とともに被告会社に転売されているが、転売価格は売買価格を上回るものではない。したがつて、これらの事情のもとでの本件土地の売却が不当に廉価であるとすることはできない。なお、南海電鉄の土地買収価格は、本件売買とは目的土地の事情を全く異にするから、これから本件の売却価格が不当に安いとすることはできない。(六) まとめ本件土地(二)、(三)及び(五)の売却については、原告らが主張する違法な点は認められない。四むすび原告らの被告A及び同Bに対する訴を却下し、原告らの被告Cに対する請求を、主文第二項掲記の範囲で正当として認容し、原告らの被告阪南町長が被告Aに対し本 主張する違法な点は認められない。四むすび原告らの被告A及び同Bに対する訴を却下し、原告らの被告Cに対する請求を、主文第二項掲記の範囲で正当として認容し、原告らの被告阪南町長が被告Aに対し本件土地(四)の所有権移転登記手続をすることの差止めを求める請求を正当として認容し、原告らのその余の請求をすべて失当として棄却したうえ、訴訟費用の負担につき民訴法人九条、九二条、九三条に従い、主文のとおり判決する。(裁判官古崎慶長寺田逸郎小佐田潔)別紙物件目録(省略)登記目録(一) 大阪法務局尾崎出張所昭和四六年五月一二日受付第六一四九号所有権移転登記(二) 同法務局同出張所同年同月二一日受付第六一四八号所有権移転登記(三) 同法務局同出張所同年同月二一日受付第六一五〇号所有権移転登記(四) 同法務局同出張所同年六月二三日受付第七五九二号所有権移転登記(五) 泉南郡南海町持分全部移転所有者持分四分の三泉南郡<地名略>C

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る