主文 1 1審原告及び1審被告の控訴をいずれも棄却する。 ただし,原判決主文4項を「この判決の主文1項は仮に執行することができる。」と改める。 2 控訴費用は各控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 1審原告(1) 原判決を次のとおり変更する。 (2) 1審被告は,1審原告に対し,200万円及びこれに対する平成10年11月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 1審被告は,1審原告のために原判決別紙記載の謝罪広告を,同別紙記載の内容で1回掲載せよ。 (4) 訴訟費用は,第1,2審とも1審被告の負担とする。 2 1審被告(1) 原判決中,1審被告敗訴部分を取り消す。 (2) 上記取消しにかかる1審原告の請求を棄却する。 (3) 訴訟費用は,第1,2審とも1審原告の負担とする。 第2 事案の概要等 1 本件は,1審原告が,1審被告に対し,1審被告が通勤者らに「マンガ名張市民の情報」と題するビラを配布し,同ビラに記載された内容によって社会的名誉・信用を傷つけられたと主張して,慰謝料及び謝罪広告の掲載を求めた事案であり,原審が,慰謝料請求の一部のみ認容したため,1審原告及び1審被告の双方が控訴に及んだものである。 2 当事者の主張は,以下に当審主張を付加するほか,原判決「理由(ただし,「理由」とあるのを「事実及び理由」と改める。)」の1及び2に記載のとおりである。 3 1審原告の当審主張1審原告は謝罪広告を求めているのに対し,原判決はこれを棄却しているのであるが,原判決が謝罪広告を不要と考える根拠については全く理解できない。 (1) 原判決は「本件ビラは目につきやすいマンガの形式」をとっていること,「a牧場関係者と市長との不正な関係を直接間接に摘示」していること,「1000枚という える根拠については全く理解できない。 (1) 原判決は「本件ビラは目につきやすいマンガの形式」をとっていること,「a牧場関係者と市長との不正な関係を直接間接に摘示」していること,「1000枚という多数枚が配られ」「かなりの部分が通行人やその家族らの目に触れたと推認できること」及びその内容が「市長との過去のしがらみを利用して億単位もの多額かつ不正な利益を取得しようとしているものとして摘示されている」ことなどから,1審原告の精神的苦痛が小さくなかったことを充分に推測するに足りると指摘しているが,原判決の判示する様に,その内容において1審原告の名誉を毀損する内容のビラが1000枚という大量に,しかも一般人の目につきやすい形式を用いて配布されている以上,単に金銭の支払いだけでなく,1審原告の名誉を回復するに必要な処分こそが命じられなければならないはずである。 そもそも慰謝料というものは精神的な苦痛に対する金銭的な賠償であるが,本件のような場合慰謝料というのは全く擬制的なものであって,仮にいくばくかの金銭が慰謝料として支払われたからといって,そもそも被害者の対社会的に毀損された名誉が回復される訳のものではない。 もともと損害賠償とは不法行為がなかったと同様な状態を回復させる為の手段であることを考えれば,本件の如きビラの配布という対世的な行為によってなされた名誉毀損事件については,加害者自らによる「事実を一般に表明し,謝罪の意を一般に明らかにする」という行為によって,不完全ながらも被害者の名誉の回復がなされると考えるべきである。 即ち,本件の場合謝罪広告を命ぜられなければならないと1審原告は主張するが,それは次の理由による。 名誉毀損事件について,金銭的な慰謝料の支払いを命ぜられるだけでは,問題は当事者間だけで限定されてしまうこととなる。名誉 告を命ぜられなければならないと1審原告は主張するが,それは次の理由による。 名誉毀損事件について,金銭的な慰謝料の支払いを命ぜられるだけでは,問題は当事者間だけで限定されてしまうこととなる。名誉毀損が当事者間だけで成立するのではなく,対世的な不特定,多数の者に対して公然事実を適示することによってのみ成立するとされているのに対し,その法的効果が,当事者間だけでの慰謝料という金銭の支払だけで終了させてしまうならば,不特定,多数の者に印象づけられている被害者の名誉は回復できないのである。 また,本件の場合,仮に1審被告に謝罪広告を命じたとしても,謝罪広告に要する費用は訴訟物の価格からも明らかなように多大のものではなく,過大な負担をかけるものではない。 (2) 原判決は「本件ビラは市長の方針に反対する者の手になることは,記載内容から明らかである」から「読む者の目には客観的な事実の摘示というよりは怪文書的な不確かな内容のものと受け取られる可能性もあった」こと,「a牧場という匿名の記載とされたこと(名指しで摘示されるのと比べて精神的苦痛が小さかった)」等の理由を挙げている。これらのことが1審被告の責任を判断するうえで,責任を軽くする事情と考えられたのであろう。 しかしながら,市長反対派の怪文書ということは市政そのものに対する批判としては通常ありうることであるが,本件では1審被告は「怪文書」といった不真面目な気持ちで作成したものでないことは原審における主張等からして明白なことである(1審被告はいかにして事実を読者に印象づけうるかということを熟慮してビラを作成している)。 また,怪文書的なものとして受け取られる可能性があったとしても,そのことと1審原告の名誉とは別個に考えられるべきである。即ち,怪文書的なものとして受け取られる可能性とは別に,名 を作成している)。 また,怪文書的なものとして受け取られる可能性があったとしても,そのことと1審原告の名誉とは別個に考えられるべきである。即ち,怪文書的なものとして受け取られる可能性とは別に,名誉毀損事件においては書かれたことは書かれたこととして別個に一人歩きをするものであるから,そのような一人歩きをする性質を有する情報が1審原告の名誉を毀損した場合には,対社会的な意味で1審原告の名誉の回復が図られなければならない。 換言するならば,仮に怪文書的なものであったとしても,或いはそうでなかったとしても,事実を捏造して不特定多数の者に知らしめた者は,その事実が誤っていた旨を不特定多数の者に告知する義務があるものというべきである。そうでなければ,即ち,わずかばかりの慰謝料の支払を命ぜられるだけでは,無責任な中傷が後を絶たないことになってしまうであろう。 4 1審被告の当審主張(1) 原判決が問題とするまんが(15コマ)は「前からの深いつながりがあって,この牧場を買わなければならないようなことらしいよ」と記載するのみである。 原判決は,「深いつながり」をもって,A牧場と市長との「不正なつながり」と(推定)し,これをもって名誉毀損とするが,不当である。 「深いつながりがあって,牧場を買わなければならないようなことらしいよ」との文言は,牧場を買う動機が不明瞭であり,そこに従来からの名張市長とA牧場の関係がある。常軌を逸した斎場建設の取引がなされるのには,その関係は不明瞭ではあるが,一般市民と異なる人間関係があったこと,常軌を逸する取引がされること,その間での推測である。 名張市長とA牧場との間に通常より深いつながりがあり,名張市が牧場土地について常軌を逸した取引をすることとの間についての推測は,それ自体なんら違法な推測ではない。 政治家が経 間での推測である。 名張市長とA牧場との間に通常より深いつながりがあり,名張市が牧場土地について常軌を逸した取引をすることとの間についての推測は,それ自体なんら違法な推測ではない。 政治家が経営したり顧問をする会社その他関係者と公的団体との間で取引がなされることは少なからずあるが,市民が提供した税金の使途や用法について推測を含めた意見や批判をすることは当然民主主義の政治においては許されたことであり,また必要なことである。 「深いつながり」と記載する事実については,A牧場の関係者と名張市長との関係は,一般市民とは異なる深い関係が古くからあることは原判決も一部認めており,明らかである。 「深いつながり」が,原判決の「不正なつながり」になるとすることは,出鱈目な判決と評する他ない。 原判決の判断基準に立てば,「不当な政治である」との批判記事は,その政治家と取引相手方との「深いつながり」を記載すれば,名誉毀損となってしまう。そんな馬鹿なことはあり得ない。 「深いつながり」と「裏のつながり」「市長に働きかけて不当な利益を得ようとしている」,「不正なつながり」とは,全く異なることは明らかである。 原判決は,市民の名張市長に対する市政の批判,常軌を逸した取引,市財政の乱費に対する批判について,これをねじ曲げて偏見を持って,事実を推認し,捏造して,有責とさせるものである。 (2) そもそも「不正なつながり」を「具体的事実の摘示」とすることが次の2点で明らかに誤りである。 1点は,1審被告は「不正なつながり」と記載した事実はない。夫婦・親子などいかなる緊密な関係があっても,それ自体犯罪や「不正なつながり」になるものでもなく,1審被告が「不正なつながり」があることを表示した証拠もなければ,そのような事実もない。1審被告が記載したのは前述のとおり る緊密な関係があっても,それ自体犯罪や「不正なつながり」になるものでもなく,1審被告が「不正なつながり」があることを表示した証拠もなければ,そのような事実もない。1審被告が記載したのは前述のとおり「深いつながり」としたのみである。 2点は,「深いつながり」は,名誉毀損事実でもなく,また「具体的事実の摘示」とはいえない。 1審被告が指摘をした具体的事実は,斎場建設地として不適切なA牧場を選んだこと,取引相手方はA牧場であること,A牧場には約6億円が入ること,この取引が,市政,市財政から見て非常識なものであることの評価を加えるものである。 不正について,具体的に虚偽の犯罪や不法行為を摘示しているならば,これも「具体的事実の摘示」に当たるということになろうが,単に「不正」とか「つながり」自体は具体的事実とは言えず,「具体的事実の摘示」の要件には当たらないというべきである。 (3) 名張市の斎場計画は,経済性,利便性,市民の意志に反し,市民に秘密にして,市民を欺くような所為を重ねて推進されてきた。そして膨大な借金を負う市財政をさらに破綻に追い込むようなものである。 この名張市の利益に大きく反すると言わざるを得ない施策は,一体何を目的としているのか。 客観的に見て,市民の利便性や経済性や意見を無視して,名張市を経済的苦境に追い込むような,極端に言えば,名張市を潰すようなことをして誰が利益を受けるのか,と言えば,A牧場である。 名張市即ちB名張市長とA牧場の疑惑や癒着を,疑うことは必然である。 これが,本件問題となっている「マンガ名張市民の情報」である。 名張市が,上記のとおり,斎場問題を秘密裏に欺瞞的に進める中で,数十コマのマンガで,市民に,斎場問題を説明し,名張市とa牧場(A牧場)には癒着の疑惑があるのではないか,との問題を広く知っ である。 名張市が,上記のとおり,斎場問題を秘密裏に欺瞞的に進める中で,数十コマのマンガで,市民に,斎場問題を説明し,名張市とa牧場(A牧場)には癒着の疑惑があるのではないか,との問題を広く知ってもらうためのものである。 名張市の斎場問題は,常軌を逸した計画である。 名張市,ないし名張市長とA牧場との特殊な関係がなければ,このような異常な取引を説明すべき合理的根拠を見いだすことは難しい。 マスコミ,議員,市民らの,斎場計画の市政に関する疑惑や批判のとおり,A牧場とB市長との間に特殊な関係や癒着があるのではないか,との疑念を抱くことは,常識,且つ当然のことである。 「マンガ名張市民の情報」は,斎場問題の内容を明らかにして,市長とa牧場(A牧場)の癒着の疑惑を表示して,市民に配られたものである。 その中には虚偽性は認められず,客観的にその癒着に対する疑惑をそのまま市民に知らせるものである。 (4) 斎場をA牧場に建設することは,b地区からの要望であったとの認定は不当であり,A牧場の経営者,B市長,b地区区長の間で先に決められていたと推定される。 (5) 「市長になる前からの深いつながり」とは,親密な人間関係であって,その具体的内容は分らないが,一般より親密で,以下のとおり個人的人間関係があったことは事実である。 ① B市長は,かつて名張中学の教師をしていたが,株式会社ファームAの代表取締役かつ斎場予定土地の殆んどの所有者のAはその教え子であった。 ② B市長は,地元新聞「名張新聞」の発行をしていたが,かつてA牧場の紹介記事を大きく掲載し(乙96),事実上A牧場の広告の機能を持たせてきた。 また,B氏が市長になった後も,以下のとおりAとは深い人間関係が存在することも事実である。 ① B市長は,その選挙についてA牧場関係者の支援を受けてきた ),事実上A牧場の広告の機能を持たせてきた。 また,B氏が市長になった後も,以下のとおりAとは深い人間関係が存在することも事実である。 ① B市長は,その選挙についてA牧場関係者の支援を受けてきた。 ② Aの妹が名張市の秘書室に務めているが,政界などで取り上げられるような関係の有無は別にして,同じ職場で働く親しい関係にある。 名張市の斎場問題は,不合理な用地選択を行って高価な価格で牧場を買収する異常な取引であることは明らかである。 この取引は,「B市長からA牧場を斎場にしたいとの申入れが(b地区に)あった」(Cb区長,乙83)もので,A牧場の土地を異常に高額に買収することとして,あえて市民の多くの反対を押し切って,市長からb地区の区長に求めたのであり,このような市長の行動は,市長とA牧場の特殊な関係を推測せざるをえない。 個人的に親しい人間関係から「買収せざるを得ないような」特殊な関係を推測する(「ことらしいよ」)もので,その疑惑を表示するものである。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,1審原告の本訴請求は,慰謝料50万円を求める限度で理由があるから認容し,その余は失当として棄却すべきものと判断するが,その理由は,以下に原判決を加除訂正し,当審主張に対する判断を付加するほか,原判決「理由」の3及び4に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決の加除訂正(1) 原判決4頁2行目の「被告人」を「1審被告」と改める。 (2) 同6頁3行目末尾の後に改行して「請求原因事実1(5)は当事者間に争いがない。」を加える。 (3) 同6頁9行目の「まず」から17行目末尾までを,次のとおり改める。 「当該文書の記載内容が客観的に名誉毀損にあたるかどうかを決すべきであり,その記載内容は,その叙述の方法が端的に記載の対象とされた者に関して一定の事実が から17行目末尾までを,次のとおり改める。 「当該文書の記載内容が客観的に名誉毀損にあたるかどうかを決すべきであり,その記載内容は,その叙述の方法が端的に記載の対象とされた者に関して一定の事実があることを摘示するものであるか,あるいはうわさ,風聞,疑惑等の存在を指定して間接的に一定の事実があることを表現するものであるかにかかわりなく,当該文書の配布対象となりあるいはこれを目にすることが通常予想される読み手において,当該記載が摘示し,あるいは間接的に表現すると読みとることのできる内容をいうものと解するのが相当である。」(4) 同7頁7行目の「以上によれば」から11行目の「い。」までを,次のとおり改める。 「そして,市長が『買収せざるを得ない』という表現は,a牧場の関係者から市長へ買収を求める働きかけがあり,市長はこれを拒むことができないことを暗に表現しているものと解されるから,『マンガ名張市民の情報』には,a牧場の関係者が以前からの市長との深いつながりを利用して市長に働きかけ,同牧場を買収させて不当な利益を得ようとしていると読みとることができる部分があるというべきであり,本件ビラには,a牧場すなわちA牧場の経営者たる1審原告の名誉を毀損する部分があるといわざるを得ない。」(5) 同7頁15行目の「だからといって」から18行目の「阻却されるものではない。」までを「そのことから直ちに,a牧場の関係者の名誉を毀損する事実の摘示につき,その違法性が否定されるものではない。」と改める。 (6) 同7頁23行目の「原告と市長との不正なつながりがあること」を「1審原告が市長に働きかけて不当な利益を得ようとしていること」と改める。 (7) 同8頁10行目の「これ」を「摘示された事実」と,同16行目の「9月4日」を「9月9日」と,同20行目の「それ」を を「1審原告が市長に働きかけて不当な利益を得ようとしていること」と改める。 (7) 同8頁10行目の「これ」を「摘示された事実」と,同16行目の「9月4日」を「9月9日」と,同20行目の「それ」を「摘示された事実」と,それぞれ改める。 (8) 同9頁2行目の「かえって」から5行目末尾までを削除し,同6行目から7行目にかけての「a牧場関係者と市長との裏のつながりなるもの」を「a牧場関係者が市長に働きかけたという事実」と改め,同7行目の「証拠はない」の後に「なお,」を加え,同7行目から8行目にかけての「裏のつながり」を「深いつながり」と改める。 (9) 同9頁22行目から23行目にかけての「市長とA牧場関係者との間に不正な関係があること」を「A牧場関係者が市長に働きかけたこと」と改める。 (10) 同10頁2行目の「思われ,」から3行目の「ものである。」までを「思われる。」と改める。 (11) 同10頁10行目の「被告は」から11行目の「信じたものとは」までを「1審被告が本件記載に係る事実が真実であることを信ずるに足りる相当な理由があったものとは」と改める。 (12) 同10頁20行目の「原告と市長との不正なつながり」を「A牧場関係者が市長に買収を求める働きかけをしたこと」と改める。 (13) 同11頁11行目の「過去のしがらみ」を「以前からのつながり」と,同12行目の「不正な」を「不当な」と,同13行目から14行目にかけての「十分にに」を「十分に」と,同19行目の「『怪文書』的な不確かな内容のもの」を「政治的な批判文書」と,それぞれ改める。 2 1審被告の当審主張に対する判断(1) 同(1)及び(2)について引用にかかる原判決の認定判断(加除訂正部分を含む。)のとおり,1審被告は,本件ビラにおいて「a牧場の関係者が以前からの市長との深いつな 告の当審主張に対する判断(1) 同(1)及び(2)について引用にかかる原判決の認定判断(加除訂正部分を含む。)のとおり,1審被告は,本件ビラにおいて「a牧場の関係者が以前からの市長との深いつながりを利用して市長に働きかけ,同牧場を買収させて不当な利益を得ようとしている」旨の事実を摘示したものと解されるところ,1審被告の上記主張は,本件ビラの記載の文言を個々的に取り上げて,その文言の一般的意味から,原審のような認定が誤りである旨原判決を非難するに過ぎないものであって,いずれも採用できない。 (2) 同(3)について仮に,本件ビラが,A牧場とB市長の以前からの関係を指摘して,何らかの癒着があるのではないかと推測し,論評するものにとどまっていたならば,1審原告の名誉を毀損したものとはいえないと解されるものの,実際には,上記のとおり,本件ビラにおいては,a牧場の関係者が市長に買収を働きかけ不当な利益を得ようとしていることまで暗に摘示されているものというべきであるから,この事実の摘示は,1審原告の名誉を毀損するものといわざるをえず,1審被告の上記主張も採用できない。 (3) 同(4)について証拠(甲35,乙47,83)中には,上記主張に副う部分があるが,反対趣旨の甲38,原審における1審原告の供述に照らすと,直ちに上記主張にかかる事実を認めるには足りない。 (4) 同(5)についてB市長と1審原告及びその子らとの親しい人間関係及び市長の斎場用地買収問題に関連しての行動などから,1審被告が,市長と1審原告との間の特殊な関係を推測し,その疑惑を表示することの当否はともかく,上記のとおり,本件ビラは,単に「買収せざるを得ないような」特殊な関係を推測し,その疑惑を表示するに止まるものではないと解されるので,1審被告の上記主張は採用できない を表示することの当否はともかく,上記のとおり,本件ビラは,単に「買収せざるを得ないような」特殊な関係を推測し,その疑惑を表示するに止まるものではないと解されるので,1審被告の上記主張は採用できない。 (6) その他,1審被告はるる主張し,証拠(乙71ないし97,枝番号を含む。)を提出するが,引用にかかる原判決の認定判断(訂正・削除後のもの。)及び上記認定判断を覆すに足りない。 3 1審原告の当審主張に対する判断1審原告は,謝罪広告の請求は認容されるべきであると主張する。 しかし,引用にかかる原判決認定の事実(訂正・削除後のもの。)によれば,本件ビラは,B名張市長の市政を批判することを主たる目的とする政治的な批判文書であって,1審原告に対する言及も表現に適切さを欠いたため,生じたものと解する余地もあるものである。このことに,本件に現われた諸般の事情を総合考慮すると,本件において,1審被告に謝罪広告をさせるまでの必要性は認められないものというべきであるから,上記主張は採用できない。 第4 結論よって,原判決は相当であって,本件各控訴はいずれも理由がないからこれらを棄却し,控訴費用は各控訴人に負担させることとして,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第3部裁判長裁判官福田晧一裁判官倉田慎也裁判官内田計一は,転補につき署名押印することができない。 裁判長裁判官福田晧一
▼ クリックして全文を表示