【DRY-RUN】主 文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告の趣旨及びその理由は別紙のとおりである。 よつて案ずるに、 一、 子の
主 文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告の趣旨及びその理由は別紙のとおりである。 よつて案ずるに、 一、 子の命名は命名権者において自由に文字を選んで命名することができるの が本則であるが、名はその人を特定する公の称呼であるから、いかなる名が付けら れるかについては本人自身はもちろん世人は利害関係をもつている。 したがつて、難解、卑猥(ひわい)使用の著しい不便、特定(識別)の困難など の名は命名することができないものと解すべく、戸籍法五〇条に常用平易な文字を 用うべき旨を定め、その文字の範囲を命令に委任し、同法規則六〇条にて一定範囲 の漢字、および変体がなを除く片かな又は平がなを用うべきこととしていることは 右解釈の現われである。 <要旨>二、 さて本件は、抗告人の妻が「A」なる名をもつているところ、抗告 人はその夫婦間に昭和三八年七月一</要旨>九日生れた長女を「<記載内容は末尾1 -(2)添付>」と命名して同年同月三一日尾西市役所に出生届をしたが、その届 出が同一戸籍内の命名として適法な届出であるか否かが問題点である。 三、 「A」と「<記載内容は末尾1-(2)添付>」は、文字全体の形におい て、又「A」は「B」とも「C」とも読まれるから、その読み方において異なつて いることは否定できない。 しかしながら、 (1) 「<記載内容は末尾1-(2)添付>」の名のうち「A」の部分はその 母体をなしていること、 (2) 漢字による子の名の届出の場合、ふりがなを付けない以上は、その読み 方は公に記録されるわけでないから、「A」なる名は格段にその正しい読み方を知 つていて注意を払わない限りは、世人は「B」或いは「C」などと己が感ずるとこ ろに従つて自由に読み、「A」と「<記載内容は末 方は公に記録されるわけでないから、「A」なる名は格段にその正しい読み方を知 つていて注意を払わない限りは、世人は「B」或いは「C」などと己が感ずるとこ ろに従つて自由に読み、「A」と「<記載内容は末尾1-(2)添付>」は音読上 同一になること、なお、一般に願書などの書類にはふりがなを付けることが要求さ れること多く、かかる場合、仮に事件本人である「<記載内容は末尾1-(2)添 付>」がその作成名義の願書などを提出すれば、抗告人の妻「A」の作成名義のも のでないと区別するには生年月日などの記載によつて始めて可能であること、 (3) 名にふりがなを付けることはもちろん許されているが、本件の場合には 右ふりがなを付けた趣旨は、正しい読み方をしてもらうことよりも、むしろ「<記 載内容は末尾1-(2)添付>」なる子の名を特定しようとの目的から出ているこ とは明らかであり、抗告人の右目的のため、仮に本件届出を許すとすれば、事件本 人は将来正式の各書類などに一々ふりがなを付した名を表わさねばならぬ煩雑を蒙 ることは免れないこと 以上の各事実が認められる。 四、 右各事実からして判断すれば、「<記載内容は末尾1-(2)添付>」と 「A」とはまぎらわしい名であつて世人が同一戸籍内の「A」なる者から「<記載 内容は末尾1-(2)添付>」を識別すること、すなわち「<記載内容は末尾1- (2)添付>」を特定することは困難である。 なお、事件本人も父である抗告人の右目的から生涯ふりがな付名のわずらわしさ の不便を避けることはできない。 しからば、本件出生届は、名の特定の困難な命名として、戸籍法に反する違法な 届出と云うべきである。 もつとも、尾西市長は三年前、抗告人がその長男を自己の名「D」に「<記載内 容は末尾1-(3)添付>」と、ふりがなして命名した出生届を受理しているが、 右出生 法に反する違法な 届出と云うべきである。 もつとも、尾西市長は三年前、抗告人がその長男を自己の名「D」に「<記載内 容は末尾1-(3)添付>」と、ふりがなして命名した出生届を受理しているが、 右出生届も元来違法のものであり、右届出が受理されたからとて本件出生届は適法 となるものでない。 したがつて、本件出生届を不受理とした尾西市長の処分は相当であり抗告人の本 件申立は失当としてこれを却下すべきである。 よつて、右と同じ判断をした原決定は相当であつて本件抗告は理由がないからこ れを棄却すべく、抗告費用の負担につき民訴九五条、八九条に則つて主文のとおり 決定する。 (裁判長裁判官 坂本収二 裁判官 西川力一 裁判官 渡辺門偉男)
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