【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人元林義治の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。 論旨第一点に対する判断。 原審第一回公判調書によると、被告
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人元林義治の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。 論旨第一点に対する判断。 原審第一回公判調書によると、被告人は、裁判長から、検事の被告人に対する聴取書第五項を読みきかせられて問われたのに対し、その通りであると答えているのであり、右聴取書第五項には、Aの頭部をめがけて斧を打ち下したが、大した手答がなく、同人は中腰に起き上つて組みついてきたので、再び頭部をねらつて斧を打ち下したが、暗かつたのと、同人が体をかわしたのとで、それが外れ肩に斧の柄が当つて折れてしまつたという趣旨の供述が記載されているのであるから、被告人は原審公判廷において、所論の点につき、原判示と同趣旨の供述をしているわけである。従つて原判決の証拠説示には何等所論のような違法はなく、論旨は理由がない。 同第二点に対する判断。 所論第一審証人Bの訊問調書には、Aの傷は前頭部左側の裂創と左肩の擦過傷とであるが、手当をした結果、一週間位で肉が上り、三週間位で完全治癒したという趣旨の供述が記載せられているから、原判決が所論受傷の部位、程度の点を右訊問調書を引用して認定したことにも、何等違法はなく、論旨は採用できない。 同第三点に対する判断。 所論鑑定人Cの鑑定書によれば、被告人が本件犯行当時、心神耗弱と解すべき精神状態にあつたという原審の認定は、充分これを肯認できるのであつて、所論のように、心神喪失の状態にあつたものと認めるのでなければ経験則に反するということはないし、また右鑑定人の第一審公判廷における所論のような供述も、原審の右のような認定の妨げとなるわけではない。所論は結局、被告人の精神状態に関する- 1 -原審の事実認定を争うことに帰着するから、これを採用することができない。 同第四点 所論のような供述も、原審の右のような認定の妨げとなるわけではない。所論は結局、被告人の精神状態に関する- 1 -原審の事実認定を争うことに帰着するから、これを採用することができない。 同第四点に対する判断。 原判決は、被告人は犯行当時心神耗弱の状態にあつたから刑法三九条、六八条二号によつて減軽すると説示しているのであるから、刑法三九条二項を適用したものであることが明白である。従つて原判決の擬律に、所論のような不分明の点はなく、論旨は理由がない。 同第五点に対する判断。 未遂による減軽はこれを為すと否とは原審の裁量の範囲に属する処であるから原審がこれをしなかつたからといつて違法ではない。従つて論旨は理由がない。 よつて旧刑訴四四六条に従つて主文のとおり判決する。 以上は裁判官全員一致の意見によるものである。 検査官福島幸夫関与昭和二六年四月三日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介- 2 -
▼ クリックして全文を表示