平成29(行コ)107 道路占用更新許可処分の義務付け等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成30年1月30日 大阪高等裁判所 その他
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判決文本文38,243 文字)

平成30年1月30日判決言渡し平成29年(行コ)第107号道路占用更新許可処分の義務付け等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成26年(行ウ)第28号,第30号,第31号,第33号) 主文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は,控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 控訴人a株式会社(以下「控訴人a」という。)関係⑴ 被控訴人が平成26年1月17日付けでした控訴人aの道路占用更新許可申請に対する不許可処分を取り消す。 ⑵ 被控訴人は,控訴人aに対し,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで,原判決別紙1物件目録記載1の各区画の道路占用更新許可処分をせよ。 3 控訴人b関係⑴ 被控訴人が平成26年1月17日付けでした控訴人bの道路占用更新許可申請に対する不許可処分を取り消す。 ⑵ 被控訴人は,bに対し,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで,原判決別紙1物件目録記載2の各区画の道路占用更新許可処分をせよ。 4 控訴人c株式会社(以下「控訴人c」という。)関係⑴ 被控訴人が平成26年1月17日付けでした控訴人cの道路占用更新許可申請に対する不許可処分を取り消す。 ⑵ 被控訴人は,控訴人cに対し,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで,原判決別紙1物件目録記載3の各区画の道路占用更新許可処分を せよ。 5 控訴人d関係⑴ 被控訴人が平成26年2月7日付けでした控訴人dの道路占用更新許可申請に対する不許可処分を取り消す。 ⑵ 被控訴人は,控訴人dに対し,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで,原判決別紙1物件目録記載4の各区画の道路占用更新許可処分をせよ。 第2 事案の概要等 処分を取り消す。 ⑵ 被控訴人は,控訴人dに対し,平成26年4月1日から平成29年3月31日まで,原判決別紙1物件目録記載4の各区画の道路占用更新許可処分をせよ。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,大阪市e区のf高架橋の高架下(以下「f高架下」という。)に所在する原判決別紙1物件目録記載の各区画(以下「本件各区画」という。)を占用する控訴人らが,f高架橋の道路管理者である被控訴人に対し,占用期間を平成26年4月1日から平成29年3月31日とする本件各区画の占用の更新許可を求めて,それぞれ,道路法(ただし,平成26年法律第53号による改正前のもの。以下,特に断らない限り同じ。)32条1項に基づく道路占用更新許可申請をしたところ(以下「本件各申請」という。),f高架橋の耐震補強・補修工事(以下「本件耐震補強等工事」という。)の実施の必要性を理由とする不許可処分(以下「本件各不許可処分」という。)を受けたため(ただし,控訴人bが申請者であるかどうか,処分の名宛人であるかどうかには争いがある。),被控訴人を相手取り,①本件各不許可処分の取消し及び②平成26年4月1日から平成29年3月31日までの道路占用更新許可処分の義務付けを求める事案である。 原審は,控訴人bが申請者であり,不許可処分の名宛人であるとして,不許可処分の取消しを求める訴えは適法であると判断した上で,本件各不許可処分はいずれも適法であり,上記①の本件各不許可処分の取消し請求はいずれも理由がないとして棄却し,上記②の道路占用更新許可処分の義務付けを求める部 分は不適法であるとして却下したことから,これを不服とする控訴人らが控訴した。 2 関係法令等の定め及び前提となる事実は,次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1 不適法であるとして却下したことから,これを不服とする控訴人らが控訴した。 2 関係法令等の定め及び前提となる事実は,次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1,2(原判決3頁21行目から8頁15行目まで及び45頁から47頁まで〔別紙1~3〕)に記載のとおりであるから,これを引用する(以下の原判決の引用部分は,全て「事実及び理由」中のものであり,以下では,「事実及び理由」中のものである旨の記載を省略する。)。 ⑴ 原判決4頁21行目の「,69」を削除し,22行目から24行目にかけての「「高架道路の路面下の占用許可について」(平成17年9月9日付け国道利第6号国土交通省道路局長通知〔乙A15〕)」を「「高架道路の路面下の占用許可について」(平成17年9月9日付け国道利第6号大阪市長宛て国土交通省道路局長通知〔乙A15〕。以下「第6号通達」という。)」と改める。 ⑵ 原判決5頁11行目から13行目にかけての「「高架の道路の路面下及び道路予定区域の有効活用の推進について」(平成21年1月26日付け国道利第18号大阪市長宛て国土交通省道路局長通知〔乙A23〕」の次の「)」を「。以下「第18号通達」という。)」と改める。 ⑶ 原判決6頁3行目の「別紙2」を「原判決別紙2」と改める。 ⑷ 原判決6頁15行目,21行目,25行目,7頁2行目の各「別紙1」をいずれも「原判決別紙1」と改める。 ⑸ 原判決6頁16行目,21行目,26行目,7頁3行目の各「別紙3」をいずれも「原判決別紙3」と改める。 ⑹ 原判決6頁17行目,7頁9行目の各「原告a区画」をいずれも「控訴人a区画」と改める。 ⑺ 原判決6頁22行目,7頁18行目の各「原告b区画」をいずれも「控訴 人b区画」と改める。 ⑻ 原判決6頁26行目 行目,7頁9行目の各「原告a区画」をいずれも「控訴人a区画」と改める。 ⑺ 原判決6頁22行目,7頁18行目の各「原告b区画」をいずれも「控訴 人b区画」と改める。 ⑻ 原判決6頁26行目から7頁1行目,26行目の各「原告c区画」をいずれも「控訴人c区画」と改める。 ⑼ 原判決7頁3行目から4行目,8頁6行目の各「原告d区画」をいずれも「控訴人d区画」と改める。 ⑽ 原判決7頁23行目の「原告b不許可処分」を「控訴人b不許可処分」と改める。 ⑾ 原判決8頁11行目から15行目までを次のとおり改める。 「⑷ 本件訴えの提起等ア控訴人らは,平成26年2月17日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 イ被控訴人は,平成26年9月16日,控訴人ら及び控訴人らから占用物件を賃借している者達を被告として,占用許可に定められた本件各区画の占用期間が同年3月31日をもって終了したと主張し,本件各区画の所有権に基づく返還請求として,本件各区画の明渡し等を求めるとともに,不当利得返還請求(主位的請求)又は不法行為に基づく損害賠償請求(予備的請求)として,従前の占用期間の終了日の翌日である同年4月1日から各明渡済みまで占用料相当額の金員等の支払を求める訴訟(大阪地方裁判所平成26年(ワ)第8771号建物収去土地明渡等請求事件)を提起し(以下「別件明渡訴訟」という。),控訴人らを含む被告らは,被控訴人の請求がいずれも権利の濫用に当たる旨主張し争った。 大阪地方裁判所は,別件明渡訴訟につき,平成29年3月7日,被控訴人の請求を一部認容し,控訴人らに対し,本件各区画の明渡し及び占用料相当額の金員の支払等を命ずる判決を言渡し,控訴人らを含む被告らが控訴した(乙A73,弁論の全趣旨)。」 3 主たる争点及び当事者の主張の要旨は,次のと らに対し,本件各区画の明渡し及び占用料相当額の金員の支払等を命ずる判決を言渡し,控訴人らを含む被告らが控訴した(乙A73,弁論の全趣旨)。」 3 主たる争点及び当事者の主張の要旨は,次のとおり補正し,後記4において,当審において追加された本案前の主張を付加し,後記5において,当審において追加,補充された本件各不許可処分の適法性・裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無に関する主張を付加するほかは,原判決第3「主たる争点及び当事者の主張の要旨」の1,2(原判決8頁17行目から18頁20行目まで及び48頁から73頁まで〔別紙4,5〕)に記載のとおりであるから,これを引用する。 ⑴ 原判決8頁23行目,9頁3行目,5行目,9行目,20行目から21行目,23行目,10頁2行目,8行目の各「原告b区画」を「控訴人b区画」といずれも改める。 ⑵ 原判決8頁24行目から25行目の「原告b不許可処分」を「控訴人b不許可処分」と改める。 ⑶ 原判決10頁23行目の「別紙4」を「原判決別紙4」と改める。 ⑷ 原判決15頁1行目の「別紙5」を「原判決別紙5」と改める。 ⑸ 原判決56頁10行目から11行目にかけての「高架下占用者の」を「高架下占用者を」と改める。 4 当審において追加された本案前の主張(訴えの利益の有無)⑴ 被控訴人の主張ア期日や期間を予定してされた許可申請に対して拒否処分がなされた後,当該期日や期間が経過したために当該拒否処分を取り消しても意味がなくなった場合には,当該拒否処分の取消しにつき訴えの利益は消滅する。 本件各申請における占用期間は,いずれも平成26年4月1日から平成29年3月31日までであり,その終期が既に経過しているから,控訴人らには,本件各不許可処分を取り消す利益がない。したがって,本件訴えは,訴 請における占用期間は,いずれも平成26年4月1日から平成29年3月31日までであり,その終期が既に経過しているから,控訴人らには,本件各不許可処分を取り消す利益がない。したがって,本件訴えは,訴えの利益を欠き不適法である。 イ控訴人らは,後記⑵のとおり,本件各申請が更新許可申請であり,占用 期間を平成29年4月1日から平成32年3月31日までとする平成28年11月14日付け道路占用許可申請を行っているところ(以下「本件二次申請」という。),本件各不許可処分に対する司法判断が本件二次申請に対する不許可処分をも拘束するとして,本件訴えについて訴えの利益がある旨主張する。しかし,本件二次申請が更新申請としてなされたものであっても,これに対する不許可処分は道路法令上新たな処分であり,これを許可すべきか否かは改めて道路管理者である被控訴人の判断に委ねられるものであって,控訴人らの更新に対する期待は事実上のものに過ぎない。 また,控訴人らは,現在も本件各区画を退去することなく,本件二次申請にかかる不許可処分(以下「本件第二次処分」という。)について新たに訴訟(以下「本件二次訴訟」という。)を提起しているのであるから,本件各不許可処分にかかる事情は,本件二次訴訟において判断されれば足り,本件訴えにおいて,本件各不許可処分を取り消し,既に経過した平成26年4月1日から平成29年3月31日まで遡及して占用許可を義務付ける実益はない。 ⑵ 控訴人らの主張ア本件各区画の占用許可における占用期限は,条件等の見直しのために設定された更新時期であり,平成29年3月31日の期限の到来によって許可の効力が完全に失われるのではない。 本件各申請における占用期間が平成26年4月1日から平成29年3月31日までであったため,控訴人らは,被控訴人に り,平成29年3月31日の期限の到来によって許可の効力が完全に失われるのではない。 本件各申請における占用期間が平成26年4月1日から平成29年3月31日までであったため,控訴人らは,被控訴人に対し,平成28年11月14日付けで,占用期間を平成29年4月1日から平成32年3月31日までとする道路占用許可申請(更新)をしたところ(本件二次申請),被控訴人は,平成28年12月9日付けで,本件二次申請に対し,いずれも不許可処分をした(本件二次処分)。そこで,控訴人らは,被控訴人を被告として,本件二次処分の取消しと許可処分の義務付けを求めて訴訟を 提起した(大阪地方裁判所平成29年(行ウ)第44号他本件二次訴訟)。本件二次申請も,本件各申請と同様,新たな占用許可申請ではなく,本件各申請に対して許可処分がなされるべきことを前提とし,条件等の見直しのために設定された更新申請である。 以上のとおり,本件各申請及び本件二次申請は,新規の占用許可申請ではなく,当初の許可に引き続く更新申請であるから,本件各不許可処分に違法事由があるとして取り消され,義務付けがなされれば,その事由は,その後の許可にも引き継がれる。その結果,被控訴人は,本件二次申請について,判決の趣旨に従って応答する義務が課されるため,これと矛盾する理由により本件二次処分を行っている場合は,本件二次処分を取り消し,再度申請に対する処分をしなければならないという拘束を受ける。 イまた,控訴人らは,占用開始時より,被控訴人の商店街構想に基づく高架下空間の有効活用のために地域のまちづくりに貢献しており,近時においてもf高架下の有する特徴的な空間を生かした「まちづくり」を主導している。本件各不許可処分によって,控訴人らが長期間にわたり作り上げてきたf地区の有形無形の特徴的なまちづく 貢献しており,近時においてもf高架下の有する特徴的な空間を生かした「まちづくり」を主導している。本件各不許可処分によって,控訴人らが長期間にわたり作り上げてきたf地区の有形無形の特徴的なまちづくりが一瞬にして否定されるならば,控訴人らが被る損害は金銭的な損害賠償では賄うことができないものである。 ウ以上によれば,本件各申請の占用期間の終期である平成29年3月31日が経過しても,本件各不許可処分につき,取消しを求める訴えの利益は認められるものである。 5 当審において追加,補充された本件各不許可処分の適法性・裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無に関する主張⑴ 判断枠組み等についてア控訴人らの主張(ア) 本件各不許可処分の司法審査においては,①本来の用途(道路交通 及び道路管理)への支障,②使用目的の相当性,③使用の必要性,④期限付き占用許可の趣旨(更新拒絶に係る正当事由の有無),⑤信頼保護ないし信義則違反について総合考慮し,裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるかどうかを判断すべきである。これらの事項を考慮せず(要考慮事項の不考慮),又は考慮すべきでない事項を考慮し(他事考慮),又は重要な事実に誤認があり,社会通念に照らし著しく妥当性を欠く場合には,本件各不許可処分は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となる(行政事件訴訟法30条)。 そして,上記の①ないし⑤の考慮事項については,上記①を優先するなど,予め特定の考慮事項に特権的な地位を与えるのではなく,考慮すべき事情が考慮されているか,考慮すべきではない事情が考慮に入れられていないか,考慮に入れた場合において,事実誤認や評価に誤りがないかといった審査をする必要がある。 (イ) 道路の主目的が「交通」であることは当然であるが,交通の用 べきではない事情が考慮に入れられていないか,考慮に入れた場合において,事実誤認や評価に誤りがないかといった審査をする必要がある。 (イ) 道路の主目的が「交通」であることは当然であるが,交通の用途でなくとも,地域の活性化や賑わいの創出等の公益に資する有効活用は,交通に準ずる重要な目的である。 道路法の目的は,「交通の発達に寄与し,公共の福祉を増進すること」(1条)であり,交通は,公共の福祉を増進する手段であるから,道路を交通以外の用途に使用することが公共の福祉に適合する場合には,そのような使用を認める趣旨である。道路法が一般交通以外の用途である道路占用を明文で認め,「道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物」等の設置をも認めている(32条1項7号)のも同趣旨である。 同号が占用物件の指定を政令に委ねたのは,道路使用の要請は時代によって変化するからであり,道路法及び道路法施行令が認める一般交通以外の用途は,高架下の事務所,店舗,住宅,公園等,多種多様であり,交通以外での用途が広く認められている。また,道路法が「無余地性の 原則」(33条1項)を規定しており,かつては道路の主目的である「交通」を絶対視し,交通以外の目的での占用は極力抑制すべきであるとの解釈,運用がなされていた。しかし,道路を地域の活性化と賑わいの創出等に用いる社会的ニーズと価値観の高まりに伴い,このような解釈,運用は,平成17年以降の複数の通達(第17号通達等)によって実質的に修正され,道路法の平成26年改正によって,道路法33条2項が無余地性の原則の例外を広く認め,修正し,高架下占用については撤廃された。また,道路法の平成28年改正によって,道路協力団体制度(道路の維持管理と有効活用を民間に委託する制度)が創設されるなど,この方向性はさらに加速され く認め,修正し,高架下占用については撤廃された。また,道路法の平成28年改正によって,道路協力団体制度(道路の維持管理と有効活用を民間に委託する制度)が創設されるなど,この方向性はさらに加速されている。特に,高架下空間の有効活用が国政レベルで推奨されているのは,都市に残された数少ない広大な公的スペースとして,高架下空間の有効活用の必要性が高いからである。 以上のように,道路法は,交通以外の用途での道路使用を正面から認めた上で,交通のための使用とその他の用途での使用の調整を,道路管理者の許可にかからしめている。そして,「抑制の方針」は修正され,道路法は,「交通」を絶対視せず,交通以外の用途での占用も,それが公益に資する場合には,交通に準ずる重要な使用目的とする趣旨である。 このような道路法の趣旨からすれば,道路交通及び道路管理に少しでも支障がある場合に道路占用を認めないのではなく,支障が軽微である場合には,占用許可の審査の際に,支障の程度と占用の必要性等の諸事情を総合考慮すべきことになる。また,占用の許可に関する道路管理者の裁量は,全くの自由裁量ではなく,道路交通及び道路管理への支障,占用の必要性,公共の福祉(道路法1条)への適合性等の諸事情を慎重に総合考慮すべきである。加えて,占用の許可の判断に当たり,私人による占用を認める以上,公共の福祉の一内容として,占用者の利益をも考慮すべきである。 イ被控訴人の主張道路の本来の目的は,一般交通の用に供することであり(道路法2条),道路法は,道路の特別使用としての道路占用を,あくまでも,道路の本来的機能を阻害しない範囲内で例外的にのみ許容しているにすぎない(道路法32条,33条,道路法施行令9条ないし16条)。 控訴人らが「抑制の方針から有効活用への解釈・運用の変 ,あくまでも,道路の本来的機能を阻害しない範囲内で例外的にのみ許容しているにすぎない(道路法32条,33条,道路法施行令9条ないし16条)。 控訴人らが「抑制の方針から有効活用への解釈・運用の変更」などと指摘する通達や道路法改正についても,あくまで,道路管理上支障がない場合に限って占用を認めて「差し支えない」とされるにとどまり,上記の原則を翻すものではなく,特別使用としての道路占用が道路の本来的使用である交通機能を阻害しない範囲で認め得る二次的・副次的なものであることに変わりはない。なお,控訴人らは平成28年度改正で新設された道路協力団体ではない。 したがって,道路管理者の裁量判断は,①道路の占用を認めることによる道路管理上の支障の有無,程度を考慮した上で,副次的に,②道路占用の必要性ないし利益(占用を拒否されたことにより失われる利益)の性質及び程度等を考慮してなされるべきである。 ⑵ 本件耐震補強等工事の工法の選択についてア控訴人らの主張(ア) RC巻立て工法の問題点被控訴人が主張するRC巻立て工法では,既設橋脚の周囲にコンクリートを打設するための,型枠や足場の設置等の仮設工事が必須となる。 仮設工事のために工期が長くなるほか,高架下建築物の撤去が必要となる等,仮設工事に伴う工事上の制限が大きくなる。 また,橋脚が太くなり,道路高架下の活用可能な面積が減少し,かつ,高架下空間の使い勝手が悪化する。もっとも,面積の減少は大きくなく,実用上問題視すべきは高架下空間の不整形度が大きくなり,空間の有効 活用に影響を与えることである。 さらに,橋脚の巻立て部分の剛性(変形しにくさ)が大きくなり,せん断破壊の可能性が強まるため,地震時には非補強部分ばかりが大きく変形し,非補強部分が壊れやすくなる。橋脚や橋桁の全 えることである。 さらに,橋脚の巻立て部分の剛性(変形しにくさ)が大きくなり,せん断破壊の可能性が強まるため,地震時には非補強部分ばかりが大きく変形し,非補強部分が壊れやすくなる。橋脚や橋桁の全断面を均等に補強することは困難なので,RC巻立て工法により補強すると必ず非補強部分が残り,その非補強部分が新たな弱点となり補強が必要となる。特に,補強が難しい橋脚基部(橋脚地中部)や橋桁との接合部周辺が破壊されてしまうので,地面を掘削し地中部を補強するなど大がかりな耐震補強工事が必要となるが,橋脚地中部を補強しても非補強部分は残る。 加えて,RC巻立て工法は,巻立て材である鉄筋コンクリートの重量が大きいため,橋脚の自重が大幅に増加する。この自重の増加は地震力の増加につながるため,重厚な耐震補強を行えば行うほど,さらに橋脚に働く地震時水平力が増加することとなり,その分さらに補強が必要となるから,効率の良い耐震補強とはいえない。 また,RC巻立て工法では,配筋等の設計,コンクリートの品質,鉄筋かぶり厚確保等の施工精度に仕上がりが大きく左右され,RC巻立て工法でも劣化損傷しメンテナンスが必要となっている補強済橋脚は多い。 なお,RC巻立て工法は,上記のとおり,柱が太くなり,建築で用いると部屋が狭くなる上,非補強部分が破壊することや重量増が建物の耐震性に悪影響を及ぼすことなどから,建築分野では採用されない耐震補強工法となっている。鉄道分野でも,敷地の広さの問題の他,橋脚自重の増加が高架橋全体の耐震性能に悪影響を及ぼすこと,工期が長いことから,近年,RC巻立て工法の採用はない。 (イ) 包帯補強工法の利点控訴人らの主張する包帯補強工法は,RC巻立て工法と異なり,仮設工事が不要であり,占用物件を撤去することなく施工が可能であるから, 巻立て工法の採用はない。 (イ) 包帯補強工法の利点控訴人らの主張する包帯補強工法は,RC巻立て工法と異なり,仮設工事が不要であり,占用物件を撤去することなく施工が可能であるから, 工期が短く済む上,橋脚基部(橋脚地中部)の補強が不要である。 そして,包帯補強工法は,揺れを吸収するので損傷や変形が少なく,耐震性に優れ,さらに,工事後も広大な高架下空間を保持できるため,高架下空間の有効活用に資するし,占用料収入を確保でき,長い目でみれば経済的である。 なお,被控訴人はf高架橋の橋脚基部(橋脚地中部)の耐震性能が不足しており,いかなる工法を採用しても橋脚基部の耐震補強は必須であると主張するが,被控訴人が業者に委託して行った耐震診断は橋脚基部のモデルを簡略化して解析したものであるため,土中にある橋脚基部の耐震性能が不足するか判断できるものではない。また,橋脚に占用物件の壁が張り付いている場合でも,壁に包帯を通す穴を空けることにより,占用物件を撤去することなく施工が可能であり,f高架橋の供用物件の壁は橋脚にアンカーで固定されていることが確認されており,穴を空けても壁は問題なく自立する。 道路橋での施工実績があまりない点については,鉄道橋での施工実績が豊富であることから,道路橋での施工実績が豊富なRC巻立て工法と比較して同等の信頼性を有する。また,耐熱性,耐火性については,火災対策を当然に予定しており,耐火ボードを施工することは包帯補強工法自体の一部であり,RC巻立て工法において,鉄筋にコンクリートを打設することと同等である。なお,紫外線についても,当然に対策がとられており施工される耐火被覆により解決され,包帯補強工法の弱点ではない。さらに,漏水,破損等による補強効果の低下についても,当然に対策がとられており,漏水に なお,紫外線についても,当然に対策がとられており施工される耐火被覆により解決され,包帯補強工法の弱点ではない。さらに,漏水,破損等による補強効果の低下についても,当然に対策がとられており,漏水については表面保護材が水の侵入を防いでおり,むしろ,長期的にはRC巻立て工法の鉄筋コンクリートの方が漏水に弱いといえる。外部からの衝撃は,耐火ボードが受け止めるが,包帯材料も衝撃には強い。維持管理の費用と手間に関しても,RC巻立 て工法においてコンクリートのひび割れ等の健全性に注意を払うことになるので,包帯補強工法と何ら変わるものではない。また,RC巻立て工法と異なり,包帯補強工法は施工方法が容易で,仕上がりが施工業者の力量に左右されることがなく,設計においても包帯の巻き数を検討すればよく,ねらった耐震性能を安定して実現できる。このように包帯補強工法は,耐久性の点でも優れている。 (ウ) 劣化補修工事及び上部工の耐震・耐荷力増強工事についてf高架下の建築物のほとんどは内装工事を行っておらず,建物内部は橋脚の躯体がむき出しであり,上記の各工事の前提となる詳細調査については,建物内に入れば橋脚の目視点検をほぼ制限なく行うことができる。むしろ,内部に2階建て造作がある区画では,足場不要で橋桁や床版の点検を行うことが可能なので,より詳細調査を行いやすい。そして,控訴人らは協力を惜しまないところであり,f高架下の建築物の所有関係が詳細調査の妨げになることもない。また,ファイバースコープや超音波検査等の非破壊検査については,そのような点検手法が必要となるのは極一部であり,道路管理者に与える負担は大きくない。なお,目視検査は肉眼による直視という要素はなく,ファイバースコープによる検査も目視検査である。 また,上部工をジャッキアップ等 要となるのは極一部であり,道路管理者に与える負担は大きくない。なお,目視検査は肉眼による直視という要素はなく,ファイバースコープによる検査も目視検査である。 また,上部工をジャッキアップ等で仮支えして行う大規模な工事が必要かは未だ不明であり,仮定の工事を理由に立ち退きを認めることは不当である。 (エ) 被控訴人の高架下占用基準について第19号通達は,これまで活用されてこなかった高架下について,活用するに当たっての占用基準制定のための技術的助言であり,新規の占用許可のための基準であり,更新許可についても機械的に適用されるものではない。新規の占用許可と更新許可の違いは,現況の尊重の要否で あり,更新許可の場合は,それまでの占用による適法な現況があり,これを尊重する必要があるため,新規の占用許可と同じ判断基準で判断すべきではなく,同じ判断基準を用いるとしても現況を尊重するため積極的に例外を検討する必要がある。本件では,第19号通達が示す1.5メートルの離隔距離を機械的に要求するのではなく,点検方法の工夫により現況を尊重した離隔距離を求めるにとどめ,占用許可の更新を認めなければならない。 イ被控訴人の主張(ア) RC巻立て工法について① 本件耐震補強等工事としては,実績,耐火性,維持管理性,経済性等の諸点からして,被控訴人が主張するRC巻立て工法が他の工法に比べ総合的に優れ,合理的な工法であることは明らかである。なお,占用者の所有物である占用物件を道路の維持管理や工事に組み込むような工法は,道路管理者として採用できないし,占用物件の撤去を要せずに,橋脚基部や上部工を含め,耐震補強等工事を実施し得る工法はない。また,被控訴人は,占用者らの利益を考慮していないのではなく,f高架橋の長期間の占用の実態にも鑑み, ないし,占用物件の撤去を要せずに,橋脚基部や上部工を含め,耐震補強等工事を実施し得る工法はない。また,被控訴人は,占用者らの利益を考慮していないのではなく,f高架橋の長期間の占用の実態にも鑑み,工事方法や対応について慎重に検討し,占用者らの不利益にも配慮を尽くしてきた。 ② 控訴人らは,RC巻立て工法によると,工事中に仮設枠組みが必要になるとか,工事後の有効活用面積に影響を与えるなどと主張する。 しかし,RC巻立て工法は,上記のとおり,様々な観点から,他の工法と比較して総合的に優れており合理的であるところ,道路の本来的目的や道路占用の副次性等に鑑みれば,RC巻立て工法により有効活用面積に影響が出るとしても,それは工法選択に当たって重視すべき事情ではない。 また,控訴人らは,RC巻立て工法によると剛性が上がり,せん断 破壊の可能性が強まることに着目して工法選定を行うべきであるとか,自重の大きさによる補強効率の観点から不適当であると主張する。しかし,f高架橋のような鉄筋コンクリートラーメン構造を有する道路橋において,RC巻立て工法は,鋼板巻立て工法,繊維シート巻立て工法と並び標準的な工法であり,兵庫県南部地震を踏まえ,橋梁の被害を限定的な損傷にとどめ,円滑かつ迅速な応急活動を確保するため,耐震工法の選定を求める通達等においても,これらの工法によるべきことが求められている。被控訴人としても,上記の3つの工法を検討したほか,筋かい工法,耐震壁工法についても検討を行い,道路橋示方書の定める耐震性能に照らし,補強効果のほか,耐久性・維持管理性・コスト等においてRC巻立て工法が最も優れていると判断したのであり,かかる判断の合理性,相当性は明らかである。なお,控訴人らは,RC巻立て工法では,配筋等の設計,コンクリートの品質,鉄筋かぶり 性・コスト等においてRC巻立て工法が最も優れていると判断したのであり,かかる判断の合理性,相当性は明らかである。なお,控訴人らは,RC巻立て工法では,配筋等の設計,コンクリートの品質,鉄筋かぶり厚確保等の施工精度に仕上がりが大きく左右され劣化損傷しメンテナンスが必要となっている補強済橋脚は多い旨主張するが,通常の施工管理の水準により補強を行った場合は,工事後特段のメンテナンスを要することはなく,耐久性や耐火性の観点からも維持管理の容易性は明らかである。 (イ) 包帯補強工法について① 橋脚基部の耐震補強の要否について橋脚が土に埋まっている状態にあっても,将来的に地表面の高さは変わる可能性があるため,一般に,耐震設計上の地盤面より上方の土層については地盤抵抗を考慮しないこととされており,土中の橋脚につき,土中に埋まっている状態をモデル化して検討することはない。そして,f高架橋における耐震設計上の地盤面は,フーチング(基礎の底版部)下面であり,これより上部の土層による慣性力 は耐震性能に影響しないため,控訴人らの主張は失当である。 f高架橋の橋脚基部(橋脚地中部)の耐震性能が不足しており,いかなる工法を採用しても橋脚基部の耐震補強は必須であり,占用物件の撤去は必須である。 ② 施工時に穴を空けることについてf高架橋の占用物件はいずれも占用者の所有物であり,被控訴人において,その強度は調査・確認ができておらず,壁の崩落や損壊の危険性は否定できず,実際にも,本件各区画以外の占用区画における耐震補強等工事の際に壁の崩落などがあった。 被控訴人としては,自己の所有財産ではなく,また,強度や構造を把握し得ない占用者の財産にスリットや穴を空け補強工事を行うなどという工法は採用しがたい。 ③ 耐熱性,耐水性,紫外 落などがあった。 被控訴人としては,自己の所有財産ではなく,また,強度や構造を把握し得ない占用者の財産にスリットや穴を空け補強工事を行うなどという工法は採用しがたい。 ③ 耐熱性,耐水性,紫外線対策について包帯補強工法は熱に弱いが,耐震補強材に耐火性能は要求されておらず,必要に応じて別個に耐火被覆を行うこととされており,耐火ボード等の施工は包帯補強工法の一部ではなく,施工の手間,維持管理やコストが別途必要である。また,繊維材の巻付け工法であるという特性上,漏水・破損等による効果の減少は免れず定期的な再塗装等の管理を要することは明らかである。このように包帯補強工法においては,その性能を確保するに当たって,適切な被膜やその維持管理が必須であるところ,いつ発生するかわからない大震災に対し,今後長期間にわたって耐震補強性能を維持し続ける必要があることからすれば,被控訴人が,かような特段の施工や維持管理を要する工法をあえて選択すべき義務はないし,耐久性やコストの観点から,これを採用することは相当ではない。 ④ 施工実績について 包帯補強工法の施工例は,そのほとんどが通常の建物であるし,鉄道橋の実績があるとしても,道路と鉄道では利用形態が大きく異なり,鉄道橋の実績を直ちに道路橋に参照し得るものではない。とりわけ,f高架橋は極めて交通量が多く,災害時に真っ先に復旧すべき重要な避難路・緊急対策路であって,かように重要な道路橋の耐震補強等工事において,道路橋としての施工実績がない工法をとるべき義務はなく,それを採用することは相当ではない。 (ウ) 劣化補修工事及び上部工の耐震・耐荷力増強工事についてf高架橋は,橋脚と占用物件が接着し一体となっており,また,区画によっては天井や床板が設置されていたり,鋼板が設置されているた い。 (ウ) 劣化補修工事及び上部工の耐震・耐荷力増強工事についてf高架橋は,橋脚と占用物件が接着し一体となっており,また,区画によっては天井や床板が設置されていたり,鋼板が設置されているため,コンクリートの状況を目視できない箇所があり,占用物件を除却せずすべての箇所の詳細調査を実施することは不可能である。 また,上部工について,占用物件を除去することなく対応可能な合理的工法は見当たらない。 (エ) 被控訴人の高架下占用基準についてそもそも,第19号通達は,本件耐震補強等工事の完了後の占用の在り方について適用になるものであるから,本件耐震補強等工事のための明渡しの要否,適否に関わるものではなく,控訴人らの主張は議論の前提を欠く。 この点を措くとしても,控訴人らに対し,退去を求めた上で占用物件を除却する必要があるところ,道路管理の必要に照らせば,今後の占用許可に当たって,道路管理者として道路の予防保全のため適切な維持管理や目視による点検が望ましいことは明らかであり,本件耐震補強等工事が完了した後において,改めて第19号通達に反した占用状態を認めるべき必要はない。また,本件耐震補強等工事後,f高架下を占用に供することがあり得るとしても,高架下の占用に当たっては,公共的・ 公益的な利用が優先され,手続の公平性・透明性が求められるのであるから,高架下の占用の判断に当たって,既存占用者の一部である控訴人らにつき,その既得権益を保護することは公平を欠き相当ではない。 ⑶ 本件耐震補強等工事完了後の控訴人らの占用継続についてア控訴人らの主張(ア) 道路占用は,占用が認められている限り継続するのであり,物理的に退去したから消滅するものではない。そして,仮にRC巻立て工法により本件耐震補強等工事が施行される てア控訴人らの主張(ア) 道路占用は,占用が認められている限り継続するのであり,物理的に退去したから消滅するものではない。そして,仮にRC巻立て工法により本件耐震補強等工事が施行されることによっても,f高架下の基本構造や占用区画の形状等が変動することはなく,独自の景観が損なわれる点を除くと,大きな変化としては,橋脚が太くなるだけである。最近,被控訴人は,本件各区画以外の相当部分について,RC巻立て工法による橋脚の耐震工事を終了したが,同工事により橋脚が太くなったことによる使用可能部分の面積の減少率は,3%強にとどまっており,占用者の意向次第で,物理的には工事前に準ずる占用が可能である。 したがって,控訴人らは,工事による退去がない形での占用継続を強く希望しているが,仮に,工事期間中の控訴人らによる占用物件の使用又は占用物件の存続自体が工事の支障になるのであれば,被控訴人は,控訴人らに対し,平成26年4月1日以降も,本件各区画の占用許可の行使を認め,控訴人らは従前からの占用を継続しつつ,工事中,物理的には一旦退去し,工事完了後に戻るという方法が認められるべきである。 (イ) また,高架下空間の有効活用の具体的な意味は,低コストによる保守管理とのセットである占用料収入の確保及び高架下を中心とする地域の活性化である。工事によって占用者が一旦退去後工事が終了した場合であっても,有効活用の必要性は変わりがなく,上記のとおり,占用区画の形状に変わりはなく,使用可能部分の面積の減少も小さいので,80年にわたり,f高架下の保守管理と有効活用を担ってきた実績を有す る控訴人らの占用を継続させることにより,工事のデメリットを最小に止め,工事後も有効活用を円滑に再開することができる。加えて,控訴人らは,同一形態の占用使用をただ維持 を担ってきた実績を有す る控訴人らの占用を継続させることにより,工事のデメリットを最小に止め,工事後も有効活用を円滑に再開することができる。加えて,控訴人らは,同一形態の占用使用をただ維持してきたわけではない。時代のニーズに合わせて,使用方法を変化させてきたのであり,近年は,f高架下の独自の雰囲気,景観,立地条件が注目され,映画のロケ地,写真撮影及びお洒落な飲食店等の人気スポットとなっているが,これらは,控訴人らをはじめとする占用者らが,高架下の治安及び衛生を確保しつつ,時代のニーズにかない,高架下に適した事業を誘致するか自ら実施した結果である。 よって,f高架下の有効活用という公益の観点からも,控訴人らの占用継続が認められるべきである。 イ被控訴人の主張(ア) RC巻立て工法は,前記のとおり,耐震補強工事の工法として,補強実績や耐火性,維持管理性,経済性等の諸点から総合的に優れ,また,詳細調査の必要性や劣化補修工事・上部工をも踏まえれば,同工法による限り占用物件の撤去を要する。包帯補強工法を含め,控訴人らが指摘した工法等については,いずれもf高架橋の耐震補強の工法としてRC巻立て工法に勝るものはない上,控訴人らの主張によっても,橋脚基部や上部工を含め,占用物件の撤去を要することなく,安全性や費用面も踏まえ,合理的に耐震補強工事等を実施しうる方法は見当たらない。 本件各不許可処分は,本件耐震補強等工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは工事ができないことを理由とするものであり,上記の諸点に照らせば,裁量逸脱はない。したがって,工事完了後の再占用の適否によって,適法性が左右されるものではない。 (イ) 控訴人らの主張は,工事のために退去する必要があるとしても,工事完了後再占用できる可能性がある限り,退 ない。したがって,工事完了後の再占用の適否によって,適法性が左右されるものではない。 (イ) 控訴人らの主張は,工事のために退去する必要があるとしても,工事完了後再占用できる可能性がある限り,退去中においても許可を更新 し継続させるべきであり,本件各不許可処分は違法であるという主張のようである。 しかし,道路の本来の目的は一般交通の用に供することであり,法令上,道路の特別使用としての道路占用は,道路の本来的機能を阻害しない範囲内で例外的にのみ許容されているにすぎず,したがって,占用許可には許可期間が法定されているほか(道路法施行令9条),道路管理者は,道路管理上やむを得ない必要が生じた場合,占用者の事情如何に関わらず,占用期間中であっても取り消す権限もあるのであって,道路管理者として,このような処分を行うことはできない。 もとより,本件耐震補強等工事後,f高架下を占用に供することがあり得るとしても,RC巻立て工法による橋脚の太さの増大による使用可能面積の減少のほか,今後の道路管理の必要に照らせば,本件耐震補強等工事完了後の占用許可に当たって,道路の予防保全のため,適切な維持管理や目視による点検を実施すべく1.5メートルの離隔を設けることが相当であり,従前と同規模の占用区画を提供することは不可能であるし,高架下の占用においては,公共的ないし公益的な利用が優先され,手続の公平性,透明性が求められるところ,控訴人らが主張する利益は単なる経済的私益にすぎず,控訴人らが退去して占用物件を収去し,耐震補強等工事を施工した後の状況において,このような既得権益のみを保護することが公平性,相当性を欠くことは明らかである。 ⑷ 控訴人らの経済的損失,貢献についてア控訴人らの主張(ア) 控訴人らの経済的損失について のような既得権益のみを保護することが公平性,相当性を欠くことは明らかである。 ⑷ 控訴人らの経済的損失,貢献についてア控訴人らの主張(ア) 控訴人らの経済的損失について控訴人らは,占用物件を賃貸に供し,賃料収入を得ているが,本件各不許可処分により,占用物件の撤去を余儀なくされると,賃料収入を失い,投下した資本も回収できず,多大の経済的損失を被る。 被控訴人は,占用物件の賃貸を把握した上で,長年にわたり多数回,占用許可を繰り返してきたのであり,占用物件の賃貸を正面から認めていた。また,本件各区画の従前の占用許可の条件は,被控訴人が必要と認められれば,どのような場合でも占用物件を撤去しなければならないかのような書きぶりではあるが,同条件は道路法71条2項1号を踏まえてのものである。そして,同号は「道路に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合」としており,本件では,工法次第で撤去が不要である以上,やむを得ない必要が生じたとはいえない。さらに,後記⑸アのとおり,本件各区画の占用の期限は更新時期と解され,期間満了の際の更新拒否は,許可の撤回に当たるから,裁量の幅は制限され,期間満了の際には原則として更新されるべきものであり,控訴人らが投下した資本はその存続が保護される。そして,控訴人らは,本件各区画をそのまま賃貸しているのではなく,造作を施し,様々な業種に対応可能となるよう創意工夫し,f高架下の需要を創出し,その発展に寄与している。また,控訴人らが被控訴人に支払っていた占用使用料については,f高架下の環境,設備,利便性の制約や被控訴人が固定資産税・都市計画税を負担していないという事情もあり,決して,近隣の賃料と比較して低廉ではなく,むしろ適正な賃料相場に近いというのが実情である。 (イ) 控訴 設備,利便性の制約や被控訴人が固定資産税・都市計画税を負担していないという事情もあり,決して,近隣の賃料と比較して低廉ではなく,むしろ適正な賃料相場に近いというのが実情である。 (イ) 控訴人らの貢献についてf高架下の有効活用は,本来的な利用であり,控訴人らによる継続的な努力の結果,広く市民の利便性,治安,衛生環境の改善のみならず,文化の発信基地となるなど,地域の活性化が進んでおり,控訴人らがこのような公益的な役割を果たし貢献してきたことは,占用更新許可の裁量判断の要素として重要である。しかも,被控訴人は,本件耐震補強等工事の終了後のf高架下の有効活用のための計画を何ら立てないまま,本件各不許可処分をしたものである。 なお,上記の貢献については,本件各区画を自ら維持管理しながら占用料を支払って被控訴人の財政に貢献するのみならず,本件各区画以外の高架下の供用空間の維持管理を担ってきたことを含むのであり,控訴人らは占用者の義務の範囲を超えた貢献を行ってきた。 イ被控訴人の主張(ア) 控訴人らの経済的損失について道路占用許可は,道路管理上,退去の必要があり得ることが前提となっており,また,控訴人らの利益は,単なる経済的利益にすぎず,しかも転貸等は占用許可条件や誓約書に反する行為である。加えて,占用料は近隣の賃料相場と比較して著しく低廉で,控訴人らは既に投下資本を回収するに足りる十分な利益を得ている。可及的速やかに,かつ,安全・確実に,経済的に実施すべき本件耐震補強等工事の要請を犠牲にしてまで,控訴人らに保護すべき利益はない。 (イ) 控訴人らの貢献についてf高架下の有効活用はあくまで本来的使用である交通機能を阻害しない範囲で認め得る二次的・副次的なものである。そして,控訴人らの主 訴人らに保護すべき利益はない。 (イ) 控訴人らの貢献についてf高架下の有効活用はあくまで本来的使用である交通機能を阻害しない範囲で認め得る二次的・副次的なものである。そして,控訴人らの主張する貢献については,占用料の支払いや占用区画の維持管理は占用者の当然の義務であり,また,共用部の維持管理も任意の協力にすぎず,特段の貢献というべきものはない。 ⑸ 本件各不許可処分に関する重大な手続違反の有無ア控訴人らの主張(ア) 許可の撤回(不利益処分)に際しての手続違反① 被控訴人の商店街構想に基づく高架下空間の有効活用のためには,数年単位の短期では使用目的を達することができないこと,占用者がf高架下に建築物を建築して長期使用することが前提とされており,実際にも,占用者によって建築物が建築され,2年又は3年の 短期間の更新が約80年にわたり繰り返され,その間,近年になっても,控訴人ら占用者,使用者によって多額の資本が投下されて事業が開始・継続され有効活用に貢献してきたこと等から,本件各区画の占用許可の期限は,条件等の見直しのために設定された更新時期であり,本件各不許可処分の法的性質は,「許可の撤回」である。また,本件各区画については,初代の占用者と被控訴人との間において,真にやむを得ない事情がない限り,被控訴人の一方的な都合で退去を求めることはしないという明示又は黙示の合意があった。 したがって,本件各不許可処分は,許可の撤回であり,行政手続法上の不利益処分(同法第三章)に当たる。 ② 本件各不許可処分が行政手続法上の不利益処分に当たる以上,同法で定められた告知・聴聞手続を行う必要がある(同法13条1項)。 しかるに,本件各不許可処分に関しては,法的位置づけの不明な説明会が一度開かれたきりであり 続法上の不利益処分に当たる以上,同法で定められた告知・聴聞手続を行う必要がある(同法13条1項)。 しかるに,本件各不許可処分に関しては,法的位置づけの不明な説明会が一度開かれたきりであり,その内容も,一方的に被控訴人が説明するだけの乱暴なものであり,告知・聴聞の一連の手続(同法15~28条)は全く行われておらず,控訴人らが所定の手続に則って文書閲覧,聴聞期日において意見陳述,証拠提出,行政庁の職員に対する質問をする等の機会は与えられなかった。 よって,本件各不許可処分は,行政手続法13,15~28条に違反し,違法であり取消しを免れない。 (イ) 申請に対する処分に際しての手続違反① 仮に,本件各不許可処分が,行政手続法上の不利益処分ではなく,同法上の申請に対する処分(同法第二章)に当たるとしても,同法の手続上の瑕疵がある。 ② 行政庁には,申請に対する処分について,審査基準を定めるとともに,事前に公にしておく義務がある(行政手続法5条)。しかるに,本件各不許可処分についての審査基準は大阪市道路占用基準27条並びに平成21年1月26日付国道利第17号(第17号通達)及び第20号(第20号通達)であるにもかかわらず,被控訴人は,本件各不許可処分当時,大阪市道路占用基準27条において,既に廃止された平成17年9月9日付け国道利第6号(第6号通達)によると規定しており,他に審査基準を設けていなかった。 つまり,被控訴人は,本件各不許可処分当時,審査基準を定めていなかったか,少なくとも過去の審査基準を公開するのみであり,適用される審査基準を事前に公にしていなかった。 ③ また,行政庁は,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合には,同時にその理由を示さなければならない(行政手続法8条) のみであり,適用される審査基準を事前に公にしていなかった。 ③ また,行政庁は,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合には,同時にその理由を示さなければならない(行政手続法8条)。処分に付すべき理由の内容,程度としては,行政庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服の申立てに便宜を与えることになるという制度趣旨に鑑み,いかなる事実関係についていかなる法規及び審査基準を適用して当該処分を行ったかを,申請書においてその記載自体から了知しうるものであることを要する。 しかるに,本件各不許可処分決定通知に記された理由は,「平成26年度からf高架橋の補修・補強工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは当該工事ができないため。」というものであり,根拠となる規定も審査基準も示されていないし,いかなる事実関係につき法規・審査基準のどの項目を充たさないのかも,その記載自体からは不明である。 ④ よって,本件各不許可処分は,行政手続法5条1項又は3項に反す るとともに8条に違反し違法であり取消しを免れない。 イ被控訴人の主張(ア) 本件各不許可処分が許可の撤回(不利益処分)に当たるか否かについて控訴人らは,本件各不許可処分が許可の撤回であり,行政手続法上の不利益処分(同法第三章)に当たる旨主張する。 しかし,道路占用には,道路管理上の維持管理の必要性等に照らし,占用許可期間には法定の上限があり,本件各区画においては上限5年であるところ(道路法施行令9条2号),これに照らし,2~3年という占用期間は不相当に短期ではないし,本件における占用許可の目的は,倉庫業等のためにブロック壁やシャッター等を設置するというものであるが,控訴人らは約80年あまり 2号),これに照らし,2~3年という占用期間は不相当に短期ではないし,本件における占用許可の目的は,倉庫業等のためにブロック壁やシャッター等を設置するというものであるが,控訴人らは約80年あまりもの間,本件各区画を占用し,その間十分利益を回収してきたのであるから,当初の目的を達成するため必要かつ十分な期間が経過している。さらに,控訴人らの主張する資本の投下は,被控訴人の許可や了承等を得て行われたものではなく,本件各区画の占用許可において考慮すべき投下資本ではなく,保護に値しない。 したがって,本件各不許可処分は,許可の撤回に当たらず,本件各申請に対しこれを拒否する処分(行政手続法2条4号ロ)であり,行政手続法上の不利益処分に該当せず,告知聴聞の手続を要しない(同号但し書き)。 なお,控訴人らが主張する,初代の占用者と被控訴人との間において,真にやむを得ない事情がない限り,被控訴人の一方的な都合で退去を求めることはしないという合意は存在しない。 (イ) 申請に対する処分に際しての手続の遵守① 本件各不許可処分は,不利益処分ではなく,行政手続法上の申請に対する処分(同法第二章)に当たるが,被控訴人は,審査基準とし て大阪市道路占用許可基準のとおり具体的に定めるとともに公表しており,行政手続法5条違反はない。 この点,本件各不許可処分に当たっては,第20号通達が適用され,被控訴人も第20号通達に基づき審査していたところ,大阪市道路占用許可基準27条には,第17号通達により廃止された第6号通達の名称が記載されている。しかし,大阪市道路占用許可基準において,高架下の道路占用許可基準は国の通達に準じており,本件各不許可処分に際し,第20号通達が添付している第19号通達に拠るべきことは控訴人らと被控訴人との間に争いがなく,当時の 路占用許可基準において,高架下の道路占用許可基準は国の通達に準じており,本件各不許可処分に際し,第20号通達が添付している第19号通達に拠るべきことは控訴人らと被控訴人との間に争いがなく,当時の適用通達が第6号通達の廃止に伴い新たに発せられた第20号通達を意味することは明白である。また,第20号通達が前提とする第17号通達には第6号通達に添付されている「高架道路の路面下の占用許可について」(平成17年9月9日付け国道利第5号地方整備局長等宛て国土交通省道路局長通知。以下「第5号通達」という。)と同旨の,「道路管理上支障があると認められる場合を除き,当該高架下等の占用を認めて差支えない」との記載があり,また,第20号通達が添付している第19号通達には第5号通達と同旨の,「天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること」,「壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること」との記載がある等,本件各不許可処分において問題となる審査基準は,第6号通達と第20号通達で異なるところはなく,本件各不許可処分の適法性に何ら影響を及ぼさない。 さらに,審査基準の一部に公表されていない部分があるとしても,本件各不許可処分は,本件耐震補強等工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは工事を実施することができないた め,占用の解消を行うものであるところ,本件各不許可処分に先立ち,被控訴人は,控訴人らに対し,再々にわたり,その旨通知・公表するとともに説明してきたところであるから,控訴人らとの関係で審査基準の公表はなされている。 ② 本件各不許可処分決定通知に記された「平成26年度からf高架橋の補修・補強工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは当該工事がで ,控訴人らとの関係で審査基準の公表はなされている。 ② 本件各不許可処分決定通知に記された「平成26年度からf高架橋の補修・補強工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは当該工事ができないため。」という理由は,行政庁の恣意の抑制と相手方の不服申立てに対する便宜という行政手続法8条の制度趣旨に鑑み,かかる記載により控訴人らに対して十分な理由説明がなされているから,同条違反はない。 ⑹ 裁量行為における裁量基準の自己拘束力についてア控訴人らの主張行政手続法は,申請に対する処分と不利益処分を分け,前者については「審査基準」を定めて公開しなければならないとし(同法5条),後者についても,できるだけ「処分基準」を定めて公開するよう努めなければならないとする(同条12条)。これらの裁量基準は行政内部で作成された基準であって直ちに法的拘束力が認められるものではないが,裁量権行使の合理化を企図して策定された以上,その後は当該基準に従った事案処理が要請され,その意味で裁量基準は特段の事情のない限り行政自身を拘束するというべきである。 本件各不許可処分については,第17号通達及び第20号通達が裁量基準とされている。 しかるに,本件各不許可処分は,第17号通達1⑵の規定する「まちづくりや賑わい創出などの観点からの有効利用」に関する事項についての考慮が欠落しており,他方,同通達1⑶の「公共的ないし公益的な利用を優先する」との規定を過大に評価して,耐震対策や劣化補修の工事 を「利用」の中に含めている。第17号通達は,道路法33条の解釈について,高架下という空間の特性から具体的な裁量権行使の合理化を企図して策定されたものであって,その内容には合理性が認められるのであるから,当該基準に従った事案処理が要請され,その意味で同通達の について,高架下という空間の特性から具体的な裁量権行使の合理化を企図して策定されたものであって,その内容には合理性が認められるのであるから,当該基準に従った事案処理が要請され,その意味で同通達の定める裁量基準は特段の事情のない限り行政自身を拘束する。 したがって,同通達の規定する考慮事項を考慮せず,また,考慮事項の理解を誤った本件各不許可処分は,裁量基準に違反する違法な処分として取り消されるべきである。 イ被控訴人の主張そもそも,控訴人らの主張するまちづくりなる目的は後付けであり,かつ,それは控訴人らの私益の実現に過ぎない。また,このような観点があるとしても,高架下の有効利用は道路管理上支障がない限り,その占用を認めて「差支えない」とされる副次的な利益に過ぎず,本件においては,道路管理上の必要に照らし,占用を認めるべき理由とはならない。加えて,被控訴人は,第17号通達等の定める高架下の有効利用についても,本件耐震補強等工事完了後,地域の意見等を踏まえ検討することとしており,本件各不許可処分において,何ら上記通達に反した取り扱いを行っていない。なお,本件耐震補強等工事は,道路管理上の必要に基づくものであって,第17号通達1⑶の「公共的ないし公益的な利用」に当たるとの判断をしたものではない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人らの訴えのうち,本件各不許可処分の取消し請求は,本件各不許可処分がいずれも適法であるから理由がなくこれを棄却すべきであり,道路占用更新許可処分の義務付けを求める部分は,本件各不許可処分がいずれも適法であるため行政事件訴訟法37条の3第1項2号の要件を欠きいずれも不適法であるからこれを却下すべきものと判断する。その理由は,次のとおり 補正し,後記2のとおり当審で追加された被控訴人の本案前 であるため行政事件訴訟法37条の3第1項2号の要件を欠きいずれも不適法であるからこれを却下すべきものと判断する。その理由は,次のとおり 補正し,後記2のとおり当審で追加された被控訴人の本案前の主張に対する判断を付加し,後記3のとおり当審において追加,補充された本件各不許可処分の適法性・裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無に関する控訴人らの主張に対する判断を付加するほかは,原判決の「第4 当裁判所の判断1(原告bの訴えの適法性・本案前の争点)」の1,2(原判決18頁22行目から21頁7行目まで)及び「第5 当裁判所の判断2(本件各不許可処分の適法性・裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無)」の1から6まで(原判決21頁10行目から43頁16行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する(以下の人証調べの結果は全て原審におけるものであり,以下では,その旨の記載を省略する。)。 ⑴ 原判決19頁3行目の「昭和13年頃」を「昭和11年頃」と改める。 ⑵ 原判決19頁4行目,5行目から6行目の各「原告b区画」を「第14号を除く控訴人b区画」といずれも改める。 ⑶ 原判決19頁10行目,15行目,19行目,20頁2行目から3行目の各「原告b区画」を「控訴人b区画」といずれも改める。 ⑷ 原判決20頁8行目,24行目,26行目,21頁2行目から3行目,5行目の各「原告b不許可処分」をいずれも「控訴人b不許可処分」と改める。 ⑸ 原判決22頁1行目の末尾に次の文章を加える。 「なお,平成26年法律第53号による改正後の道路法33条2項1号により,高架下の占用につき許可要件が緩和されているが,飽くまでも道路管理上支障のない場合に限られるから,道路の占用が道路の本来の目的ないし機能を阻害しない範囲で認められるべきことに変わりはない。」⑹ ,高架下の占用につき許可要件が緩和されているが,飽くまでも道路管理上支障のない場合に限られるから,道路の占用が道路の本来の目的ないし機能を阻害しない範囲で認められるべきことに変わりはない。」⑹ 原判決23頁3行目から4行目の「別紙2」を「原判決別紙2」と改める。 ⑺ 原判決23頁10行目の「757の橋梁」を「760余りの橋梁」と改める。 ⑻ 原判決32頁20行目から33頁7行目までを次のとおり改める。 「 しかし,この主張は,控訴人らが占用物件を撤去し本件各区画から退去する必要性があることを前提とするものであり,控訴人らが従前から許可され本件各申請で更新許可を求めている占用とは根本的に矛盾しており,本件各申請と相容れないから,本件各申請を不許可とした本件各不許可処分の適法性を左右する主張とはいえない。また,この点をおくとしても,本件各不許可処分当時,f高架下の各区画に控訴人らが一時退避可能な区画があったとは認められないし,控訴人ら以外の占用者に対しては占用を認めず,控訴人らにのみ一時的退避のような特別の方法により占用を許可するといったように,控訴人らを他の占用者と特に区別して取り扱うべき合理的な理由もない。さらに,控訴人らを他の区画に一時退避させるといっても,占用物件の再築等を要するなど相当の費用と時間が必要になると考えられ,一斉施工と分割施工の費用の多寡を比較するまでもなく,前述のとおり早急に行われるべき本件耐震補強等工事において,このような方法を採用することが適切でないことは明らかである。控訴人らの主張は採用することができない。」⑼ 原判決33頁10行目から12行目までを次のとおり改める。 「 しかし,この主張も,控訴人らが占用物件を撤去し本件各区画から退去する必要性があることを前提とするものであり,控訴人らが ない。」⑼ 原判決33頁10行目から12行目までを次のとおり改める。 「 しかし,この主張も,控訴人らが占用物件を撤去し本件各区画から退去する必要性があることを前提とするものであり,控訴人らが従前から許可され本件各申請で更新許可を求めている占用とは根本的に矛盾しており,本件各申請と相容れないから,本件各申請を不許可とした本件各不許可処分の適法性を左右する主張とはいえない。」⑽ 原判決33頁26行目の「明らかである。」の次に「そして,f高架橋について,上記の離隔距離の確保を必要としない特段の事情は本件全証拠によっても認められない。」を加える。 ⑾ 原判決34頁3行目の末尾に次の文章を加える。 「そして,本件耐震補強等工事後,被控訴人がf高架下を占用に供すること があるとしても,RC巻立て工法による橋脚の太さの増大による使用可能面積の減少のほか,上記のとおり,新たに占用物件を建築する場合に橋脚等から占用物件まで1.5メートル以上の離隔距離を確保することが必要であり,従前と同規模の占用区画を提供することは不可能であるし,高架下の占用許可においては,公共的ないし公益的な利用が優先され,手続の公平性,透明性が求められるから,被控訴人において控訴人らに対し優先的に新たな占用を許可すべき拘束を受けるものとは認められない。」⑿ 原判決37頁2行目から38頁14行目までを次のとおり改める。 「 確かに,占用が許可されないことにより控訴人らが失う賃料収入の額は大きく,また,控訴人らは,占用物件の内装工事や維持管理等のために多額の支出をしてきたことが認められる。しかし,被控訴人において,占用物件が第三者に賃貸されていることを知りながらこれを黙認していたとみる余地もないではないものの,本来,控訴人らが占用物件を賃貸する行為は占用許可条件 ことが認められる。しかし,被控訴人において,占用物件が第三者に賃貸されていることを知りながらこれを黙認していたとみる余地もないではないものの,本来,控訴人らが占用物件を賃貸する行為は占用許可条件に違反する行為であり,控訴人らが被控訴人に提出した誓約書の趣旨にも反している(なお,控訴人aは,平成19年9月,被控訴人に要望書〔甲A17〕を提出し,口頭で控訴人a区画に飲食店をテナントとして入居させることの了承を得たなどと主張するが,上記要望書には占用物件を賃貸することは記載されていないし,その他の証拠をみても,被控訴人が上記のような了承をしたことを認めるに足りる証拠はない。)。 また,道路管理者は,占用許可の期間内であっても,道路に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合,占用許可を取り消すことができ(道路法71条2項1号),道路占用更新許可書の許可条件7項においても,道路管理又は道路工事等のため被控訴人が必要と認める場合には,占用許可の期間内であっても,占用者の負担で占用物件の撤去等を行なわなければならないとされており,しかも,控訴人らは,道路管理者が必要な場合は占用許可期間内であっても占用物件を無償で除却し,占用区画を原状に 回復して返還することを遵守する誓約書を自ら提出している。これらの点に照らせば,占用の更新許可がなされないことによる賃料収入や投下資本の喪失の危険は,本件各区画の占用許可において所与の前提とされていることであり,道路管理上の必要性が生じる限り,控訴人らにおいて受忍すべき性質の不利益であるといわざるを得ない。」⒀ 原判決39頁12行目の「占用許可条件に反してこれを第三者に賃貸し収入を得るか」を「被控訴人において黙認していたとみる余地もないではないものの,本来は占用許可条件に違反する第三者への賃貸により収 ⒀ 原判決39頁12行目の「占用許可条件に反してこれを第三者に賃貸し収入を得るか」を「被控訴人において黙認していたとみる余地もないではないものの,本来は占用許可条件に違反する第三者への賃貸により収入を得るか」と改める。 ⒁ 原判決40頁3行目の「原告ら」から4行目末尾までを「被控訴人において控訴人らの上記構想が実現するよう配慮すべき拘束を受けるものとは認められない。」と改める。 ⒂ 原判決41頁11行目の「道路占用許可」の前に「やむを得ない必要が生じた場合に」を加え,16行目の「道路管理上必要があれば,たとい」を「道路管理上やむを得ない必要が生じた場合であれば,」と改める。 ⒃ 原判決42頁7行目の「その性質上」から9行目の「得てきたものであり」までを「道路管理上の必要性が生じる限り,控訴人らにおいて受忍すべき性質の不利益であり」と改める。 2 当審で追加された被控訴人の本案前の主張に対する判断被控訴人は,本件各申請における占用期間は,いずれも平成26年4月1日から平成29年3月31日までであり,その終期が既に経過しているから,控訴人らには,本件各不許可処分を取消す利益がなく,本件訴えは,訴えの利益を欠き不適法である旨主張する(前記第2の4⑴)。確かに,一定の期日あるいは一定の期間を予定してされた行政財産の使用の許可申請に対して不許可処分がなされた後,当該期日や期間が経過したために,当該不許可処分を取り消しても意味がなくなった場合には,当該不許可処分の取消しにつ き訴えの利益は消滅する。 しかし,前記第2の2で補正の上引用した原判決第2の2の前提となる事実⑵,⑷,前記1で補正の上引用した原判決第4の1の認定事実によると,平成26年3月31日まで,控訴人aは控訴人a区画を,控訴人cは控訴人c区画を,控訴人dは控訴人d区 原判決第2の2の前提となる事実⑵,⑷,前記1で補正の上引用した原判決第4の1の認定事実によると,平成26年3月31日まで,控訴人aは控訴人a区画を,控訴人cは控訴人c区画を,控訴人dは控訴人d区画を,各自の名義で,被控訴人から道路占用更新許可を受けて,それぞれ占用し,さらに同年4月1日以降現在まで占用を継続していること,控訴人bは,平成26年3月31日まで,控訴人b区画を,lの名義で,被控訴人から,道路占用更新許可を受けて占用し,さらに同年4月1日以降現在まで占用を継続していること,被控訴人は,平成26年9月16日,別件明渡訴訟を提起し,控訴人らに対して,本件各区画の所有権に基づく返還請求として,本件各区画の明渡し等を求めるとともに,不当利得返還請求(主位的請求)又は不法行為に基づく損害賠償請求(予備的請求)として,従前の占用期間の終了日(平成26年3月31日)の翌日である同年4月1日から各明渡済みまで占用料相当額の金員等の支払を求めていることが認められる。これらの事実によると,控訴人らは,本件各申請において,平成26年3月31日まで道路占用更新許可を受けて本件各区画の占用を継続し,さらに,同年4月1日以降の占用の継続を望み,本件各申請において,同日から平成29年3月31日までの間に本件各区画を占用する権原を取得するために道路占用更新許可を求め,他方,本件各不許可処分により,上記の期間において本件各区画を占用しながら,その占用の権原を取得できない状態となっており,実際にも,被控訴人から,本件各区画の明渡等のほか,不当利得又は不法行為に基づき,上記の期間を含む平成26年4月1日から明渡済みまでの使用料相当額の金員の支払を求められている。 そうすると,上記の期間の終期が経過しており,本件各区画の明渡請求を排斥する根拠にはならないものの き,上記の期間を含む平成26年4月1日から明渡済みまでの使用料相当額の金員の支払を求められている。 そうすると,上記の期間の終期が経過しており,本件各区画の明渡請求を排斥する根拠にはならないものの,不当利得又は不法行為に基づく上記の期間の使用料相当額の金員の支払請求を排斥する等,上記の期間における占用の 権原の存否に起因する控訴人らと被控訴人との間の紛争を解決するためには,本件各不許可処分を取消し,さらに,この期間の道路占用更新許可処分を義務付けることに実益があるといえる。したがって,上記の期間が経過した現在でも,本件各不許可処分を取消し,さらに,この期間の道路占用更新許可処分の義務付けを求める訴えの利益は存在していると解されるから,被控訴人の主張は採用することができない。 3 当審において追加,補充された本件各不許可処分の適法性・裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無に関する控訴人らの主張に対する判断⑴ 判断枠組み等についてア控訴人らは,本件各不許可処分の司法審査において,考慮事項として本来の用途(道路交通及び道路管理)への支障を優先するなどして,予め特定の考慮事項に特権的な地位を与えるべきではない旨主張する(前記第2の5⑴ア(ア))。 しかし,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の1),道路は,一般交通の用に供される道であり,国民生活を支える普遍的かつ基礎的な社会資本であって高度の公共性を有するものであって,道路法32条1項及び33条1項の規定の趣旨及び文言等によれば,同法は,道路を特定の者が占用しようとする場合には,当該占用が道路の本来の目的ないし機能を阻害しないものでなければならないことを前提とし,その判断を道路管理者に委ねつつ,占用が最低限満たすべき要件を定めて,その裁量権を限定し,道路管理上好ま には,当該占用が道路の本来の目的ないし機能を阻害しないものでなければならないことを前提とし,その判断を道路管理者に委ねつつ,占用が最低限満たすべき要件を定めて,その裁量権を限定し,道路管理上好ましくない道路占用を排除することとしたものと解される。加えて,道路管理者は,道路に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合等においては,道路占用許可の取消し等をすることができるとされていること(同法71条2項)等に鑑みると,道路の占用を許可するかどうかは,道路管理上の政策的,技術的な観点に基づく道路管理者の広範な裁量判断に委ねられており, かつ,その裁量判断は,①道路の占用を認めることによる道路管理上の支障の有無及び程度等を考慮した上で,副次的に,②道路占用の必要性ないし利益の性質及び程度等をも考慮してなされるべきものと解される。したがって,控訴人らの主張は採用することができない。 イまた,控訴人らは,交通の用途でなくとも,地域の活性化や賑わいの創出等も交通に準ずる重要な目的である旨主張する(前記第2の5⑴ア(イ))。 しかし,道路の本来の目的は,一般交通の用に供することであり(道路法2条),原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の1),道路法は,道路占用を,あくまでも,道路の本来的機能を阻害しない範囲内で例外的にのみ許容しているにすぎない(道路法32条,33条,71条2項等)。また,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の3⑵ア),控訴人らが指摘する第17号通達や道路法改正においても,控訴人らが主張する地域の活性化や賑わいの創出や高架下の有効活用といった利益は,あくまで,道路管理上支障がない場合に限り副次的に考慮される利益として位置付けられているにすぎない。したがって,控訴人ら 訴人らが主張する地域の活性化や賑わいの創出や高架下の有効活用といった利益は,あくまで,道路管理上支障がない場合に限り副次的に考慮される利益として位置付けられているにすぎない。したがって,控訴人らの主張は採用することができない。 ⑵ 本件耐震補強等工事の工法の選択についてア RC巻立て工法について控訴人らは,RC巻立て工法によると,仮設工事が必須となり工期が長期化し占用物件の撤去が必要であり,また,橋脚が太くなり,空間の有効活用に影響を与える,RC巻立て工法によると剛性が上がり,せん断破壊の可能性が強まる,自重の大きさによる補強効率の観点から不適当である,配筋等の設計,コンクリートの品質,施工精度等に大きく仕上がりが左右されるなどと主張する(前記第2の5⑵ア(ア))。 しかし,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑶ア),RC巻立て工法は,道路橋の耐震補強の工法として標準的な工法の中で,補強効果の信頼性が最も高く,耐久性に優れ,維持管理も容易であり,経済性にも優れており,被控訴人がRC巻立て工法を選択したことに不合理な点はない。 そして,上記の控訴人らの主張の内,占用物件の撤去の点については,原判決を引用して認定説示し(原判決第5の2⑶ウ),さらに,後記イで説示するとおり,f高架橋の橋脚は地中の基部に至るまで所定の耐震性能を欠いているから,仮に,控訴人らが主張する包帯補強工法等を採用したとしても,橋脚の基部の耐震補強を行うため占用物件の撤去は必要となるのであり,RC巻立て工法の採用の合理性を左右するものではない。また,仮設工事が必須となり工期が長期化する点や橋脚が太くなる点も,総合的に評価して,上記のRC巻立て工法の優位性を左右するものではない。さらに,剛性が上がる,自重が増加するとの主張は,抽象的 い。また,仮設工事が必須となり工期が長期化する点や橋脚が太くなる点も,総合的に評価して,上記のRC巻立て工法の優位性を左右するものではない。さらに,剛性が上がる,自重が増加するとの主張は,抽象的でありf高架橋に則した具体的な検討を前提とするものとはいえないし,RC巻立て工法に対する総合的,全体的な評価を踏まえたものともいえない。設計,品質,施工精度で仕上がりが大きく左右されるとの主張も,工法の問題ではなく,設計施工の問題であって,上記のRC巻立て工法の優位性を左右するものとはいえず,いずれも採用することはできない。 イ包帯補強工法について控訴人らは,包帯補強工法が,鉄道橋での施工実績が豊富であり,仮設工事が不要で占用物件を撤去することなく施工が可能で工期が短く,橋脚基部の補強も不要であり,耐震性,耐久性,耐火性でも優れているなどと主張する(前記第2の5⑵ア(イ))。 しかし,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑶ イ),包帯補強工法は,道路橋の耐震補強に係る標準的な工法ではなく,道路橋での施工実績もほとんどなく,耐火性,耐熱性について耐火被覆等の対策が可能としても特段の対策を要しないRC巻立て工法に劣り,また,漏水,破損等による補強効果の低下の危険性もあって耐久性にも問題があり,経済性の点でもRC巻立て工法より優れているとはいえない。 占用物件の壁に穴を空けるだけで施工が可能であるから占用物件の撤去が不要であるとの主張についても,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑶イ),個々の占用物件の壁の構造や強度が不明であり,相当の費用と手間をかけて調査しない限り,壁に多数の穴を空けることによる壁の崩落,損壊の危険性がある上,占用物件は被控訴人の所有財産ではないため工事完成後の維持管理に支 壁の構造や強度が不明であり,相当の費用と手間をかけて調査しない限り,壁に多数の穴を空けることによる壁の崩落,損壊の危険性がある上,占用物件は被控訴人の所有財産ではないため工事完成後の維持管理に支障が出る可能性を否定し難い。 また,橋脚基部の補強が不要とする点についても,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑶ウ),f高架橋の橋脚は地中の基部に至るまで所定の耐震性能を欠いているのであるから,仮に,控訴人らが主張する包帯補強工法等を採用したとしても,橋脚の基部の耐震補強を行うため占用物件の撤去は必要となる。この点について,控訴人らは,被控訴人が業者に委託して行った耐震診断は橋脚基部のモデルを簡略化して解析したものであるため,土中にある橋脚基部の耐震性能が不足するか判断できるものではない旨主張する。しかし,橋脚が土に埋まっている状態にあっても,将来的に地表面の高さは変わる可能性があるため,一般に,耐震設計に当たっては,設計上の地盤面より上方の土層については地盤抵抗を考慮しないこととされており,土中の橋脚につき,土中に埋まっている状態をモデル化して検討することはない。f高架橋における耐震設計上の地盤面は,フーチング(基礎の底版部)下面 であり,これより上部の土層による慣性力は耐震設計上考慮しなくてよいとされているのであるから(乙A74,弁論の全趣旨),控訴人らの主張は採用することができない。のみならず,包帯補強工法等の工法をすれば基部の耐震補強が不要になるという点について,十分な立証がなされたと認めがたいことは原判決を引用して説示したとおりであるから(原判決第5の2⑶ウ),いずれにせよ控訴人らのこの点についての主張は理由がない。 ウ劣化補修工事及び上部工の耐震・耐荷力増強工事について控訴人らは,上記の各工 て説示したとおりであるから(原判決第5の2⑶ウ),いずれにせよ控訴人らのこの点についての主張は理由がない。 ウ劣化補修工事及び上部工の耐震・耐荷力増強工事について控訴人らは,上記の各工事の前提となる詳細調査については,占用物件を撤去することなく,建物内に入れば橋脚の目視点検をほぼ制限なく行うことができ,ファイバースコープや超音波検査等の非破壊検査については,そのような点検手法が必要となるのは極一部であり,道路管理者に与える負担は大きくない,上部工をジャッキアップ等で仮支えして行う大規模な工事が必要かは未だ不明であり,仮定の工事を理由に立ち退きを求めることは不当であるなどと主張する(前記第2の5⑵ア(ウ))。 しかし,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑴ウ,⑷),f高架橋は,老朽化が進んでおり,橋脚と占用物件が接着し一体となっていることから,十分な点検調査がなされておらず,損傷の有無やコンクリートの健全性等について慎重かつ確実な調査を行う必要があり,しかも,道路橋については5年に1回の近接目視による点検が基本とされ,非破壊検査には相応の費用と手間がかかることも考慮すると,非破壊検査が適切とはいえず,調査の障害となる占用物件を撤去して必要な点検調査を実施する必要がある。 また,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑷),上部工について,占用物件を除去することなく対応可能な合理的な工法 が存在するとは認められず,この点からも占用物件を撤去する必要がある。 エ被控訴人の高架下占用基準について控訴人らは,本件各申請の許否の判断において,第19号通達が示す1.5メートルの離隔距離が機械的にそのまま適用されるものではなく,点検方法の工夫により現況を尊重した離隔距離を求めるにとどめ,占用許 控訴人らは,本件各申請の許否の判断において,第19号通達が示す1.5メートルの離隔距離が機械的にそのまま適用されるものではなく,点検方法の工夫により現況を尊重した離隔距離を求めるにとどめ,占用許可の更新を認めなければならない旨主張する(前記第2の5⑵ア(エ))。 しかし,そもそも第19号通達は,本件耐震補強等工事の完了後の占用の在り方について適用になるものであるから,本件耐震補強等工事の実施のためになされた本件各不許可処分の適法性に関わるものではなく,控訴人らの主張は失当である。 ⑶ 本件耐震補強等工事完了後の控訴人らの占用継続について控訴人らは,仮に,工事期間中の控訴人らによる占用物件の使用又は占用物件の存続自体が工事の支障になるのであれば,RC巻立て工法による使用可能面積の減少もわずかであり,また,f高架下の有効活用という公益の観点からも,被控訴人は,控訴人らに対し,平成26年4月1日以降も,本件各区画の占用許可の行使を認め,控訴人らは従前からの占用を継続しつつ,工事中,物理的には一旦退去し,工事完了後に戻るという方法が認められるべきである旨主張する(前記第2の5⑶ア)。 しかし,上記の主張は,控訴人らが占用物件を撤去し本件各区画から退去する必要性があることを前提とするものであり,控訴人らが従前から許可され本件各申請で更新許可を求めている占用とは根本的に矛盾しており,本件各申請と相容れないから,本件各申請を不許可とした本件各不許可処分の適法性を左右する主張とはいえない。なお,付言すれば,本件耐震補強等工事後,被控訴人がf高架下を占用に供することがあるとしても,原 判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の2⑸イ),RC巻立て工法による橋脚の太さの増大による使用可能面積の減少のほか, 占用に供することがあるとしても,原 判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の2⑸イ),RC巻立て工法による橋脚の太さの増大による使用可能面積の減少のほか,新たに占用物件を建築する場合に橋脚等から占用物件まで1.5メートル以上の離隔距離を確保することが必要であり,従前と同規模の占用区画を提供することは不可能であるし,高架下の占用においては,公共的ないし公益的な利用が優先され,手続の公平性,透明性が求められるから,被控訴人において控訴人らに対し優先的に新たな占用を許可すべき拘束を受けるものとは認められない。 ⑷ 控訴人らの経済的損失,貢献についてア控訴人らは,占用物件を賃貸に供し,賃料収入を得ているが,本件各不許可処分により,占用物件の撤去を余儀なくされると,賃料収入を失い,投下した資本も回収できず,多大の経済的損失を被るなどと主張する(前記第2の5⑷ア(ア))。 しかし,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の3⑴),占用の更新許可がなされないことによる賃料収入や投下資本の喪失の危険は,本件各区画の占用許可において所与の前提とされていることであり,道路管理上の必要性が生じる限り,控訴人らにおいて受忍すべき性質の不利益であるといわざるを得ない。そして,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の2⑹),f高架橋については,耐震・耐荷力補強及び劣化補修を早急に行う必要があるところ,控訴人らに本件各区画の占用を認めると,被控訴人において適切な調査方法や工法を選択することができず,道路管理上著しい支障を生ずるものと認められるところであるから,控訴人らの主張は採用することができない。 イ控訴人らは,占用者の義務の範囲を超えた控訴人らによる継続的な努力 択することができず,道路管理上著しい支障を生ずるものと認められるところであるから,控訴人らの主張は採用することができない。 イ控訴人らは,占用者の義務の範囲を超えた控訴人らによる継続的な努力の結果,広く市民の利便性,治安,衛生環境の改善のみならず,文化の発信基地となるなど,地域の活性化が進んでおり,控訴人らは公益的な役割 を果たし貢献してきたなどと主張する(前記第2の5⑷ア(イ))。 しかし,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の3⑵ア),まちづくりや賑わい創出などの観点からの高架下の有効活用は,道路管理上支障のない限り,副次的に考慮される利益として位置付けられており,他方,控訴人らに本件各区画の占用を認めると,道路管理上著しい支障を生ずるものと認められるところである。 また,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の3⑵イ),占用物件の維持管理は占用者の義務とされ,控訴人らの主張する行為の多くは,控訴人らにおいて必要な行為を行っていたものにすぎないし,仮に占用者としての義務の範囲を超える行為があったとしても将来にわたりこれを控訴人らに委ねなければならないものでもない。 ⑸ 本件各不許可処分に関する重大な手続違反の有無についてア控訴人は,本件各不許可処分の法的性質は,「許可の撤回」であり,行政手続法上の不利益処分に当たるから,同法に定める告知・聴聞手続を行う必要があるのに,これを行っていない違法があるなどと主張する(前記第2の5⑸ア(ア))。 しかし,道路占用には,道路管理上の維持管理の必要性等に照らし,占用許可期間には法定の上限があり,本件各区画については5年以内とされているところ(道路法施行令9条2号),従前から許可されてきた2~3年という占用期間は不相当 管理上の維持管理の必要性等に照らし,占用許可期間には法定の上限があり,本件各区画については5年以内とされているところ(道路法施行令9条2号),従前から許可されてきた2~3年という占用期間は不相当に短期とはいえない。また,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の3⑴イ),道路管理者は,占用許可の期間内であっても,道路に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合,占用許可を取り消すことができ(道路法71条2項1号),道路占用更新許可書の許可条件7項においても,道路管理又は道路工事等のため被控訴人が必要と認める場合には,占用許可の期間内であっても,占用者の負担で占用物件の撤 去等を行なわなければならないとされており,しかも,控訴人らは,道路管理者が必要な場合は占用許可期間内であっても占用物件を無償で除却し,占用区画を原状に回復して返還することを遵守する誓約書を自ら提出しているのである。なお,原判決を引用して認定説示したとおり(原判決第5の3⑶ア),控訴人らが主張する,初代の占用者と被控訴人との間において,真にやむを得ない事情がない限り,被控訴人の都合で一方的に退去を求めることはしないという合意がなされたとの事実は本件全証拠によっても認められない。これらの点に照らせば,本件各不許可処分は,許可の撤回に当たらず,本件各申請に対しこれを拒否する処分(行政手続法2条4号ロ)であり,行政手続法上の不利益処分には該当しないから,告知聴聞の手続を要せず(同号但し書き),控訴人らの主張は採用することができない。 イ控訴人らは,本件各不許可処分が行政手続法上の申請に対する処分に当たるとしても,審査基準を定めるとともに,事前に公にしておく義務があるところ(同法5条),本件各不許可処分についての審査基準 イ控訴人らは,本件各不許可処分が行政手続法上の申請に対する処分に当たるとしても,審査基準を定めるとともに,事前に公にしておく義務があるところ(同法5条),本件各不許可処分についての審査基準は大阪市道路占用基準27条並びに第17号通達及び第20号通達であるにもかかわらず,被控訴人は,本件各不許可処分当時,大阪市道路占用基準27条において,既に廃止された第6号通達によると規定しており,他に審査基準を設けておらず,本件各不許可処分当時,審査基準を定めていなかったか,少なくとも過去の審査基準を公開するのみであり,適用される審査基準を事前公開していなかった違法がある旨主張する(前記第2の5⑸ア(イ)①,②,④)。 しかし,被控訴人は,上記のとおり,本件各不許可処分の審査基準として大阪市道路占用許可基準を具体的に定めるとともに公表している。 そして,本件各不許可処分に当たっては,当時の大阪市道路占用許可基準27条に第17号通達により廃止された第6号通達の名称が記載され ているものの,大阪市道路占用許可基準において,高架下の道路占用許可基準が国の通達に準じていることはその記載からも明らかであるし,第20号通達が前提とする第17号通達には,第6号通達に添付されている第5号通達と同旨の,「道路管理上支障があると認められる場合を除き,当該高架下等の占用を認めて差支えない」との記載があり,また,第20号通達が添付している第19号通達には,第5号通達と同旨の,「天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること」,「壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること」との記載がある等,本件各不許可処分において問題となる審査基準は,第6号通達と第20号通達で異なるところはなく(乙 架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること」との記載がある等,本件各不許可処分において問題となる審査基準は,第6号通達と第20号通達で異なるところはなく(乙15,23,30),第6号通達の名称が記載されていることをもって本件各不許可処分を取り消すべき瑕疵があるとはいえない。控訴人らの主張は採用することができない。 ウ控訴人らは,本件各不許可処分決定通知に記された理由には,根拠となる規定も審査基準も示されていないし,いかなる事実関係につき法規・審査基準のどの項目を充たさないのかも,その記載自体からは不明であるから,行政手続法8条に違反する違法がある旨主張する(前記第2の5⑸ア(イ)①,③,④)。 しかし,道路法32条1項に基づく本件各申請に対する本件各不許可処分の決定通知には「平成26年度からf高架橋の補修・補強工事を実施する必要があり,占用物件が存在したままでは当該工事ができないため。」(甲B1の2他)という理由が記載されているところ,その記載自体から,被控訴人が本件各区画の占用を認めないこととした法令や事実関係及び理由が了知できるから,行政庁の恣意の抑制と相手方の不服申立てに対する便宜という行政手続法8条の制度趣旨に鑑み,かかる記載により控訴人らに対して十分な理由説明がなされていると認められ, 同条に違反する違法はない。 ⑹ 裁量行為における裁量基準の自己拘束力について控訴人らは,第17号通達が本件各不許可処分の審査基準であり,被控訴人を拘束するところ,本件各不許可処分は,第17号通達の規定する考慮事項を考慮せず,また,考慮事項の理解を誤っており違法であるなどと主張する(前記第2の5⑹)。 しかし,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の 第17号通達の規定する考慮事項を考慮せず,また,考慮事項の理解を誤っており違法であるなどと主張する(前記第2の5⑹)。 しかし,原判決を補正の上引用して認定説示したとおり(前記1による補正後の原判決第5の3⑵ア),第17号通達が大阪市道路占用規則9条及び大阪市道路占用基準27条により,第20号通達と同様に,道路占用許可に係る審査基準と位置付けられるかどうかについては議論があり得るが,控訴人らが主張する「まちづくりや賑わい創出」,「高架下の有効活用」は,第17号通達においても,道路管理上支障がない場合に限り,副次的に考慮される利益として位置付けられているにすぎず,他方,控訴人らに本件各区画の占用を認めると,道路管理上著しい支障を生ずるものと認められるところであるから,本件各不許可処分の判断過程に違法があるとは認められず,控訴人らの主張は採用することができない。 4 結論以上の次第で,本件の訴えのうち,道路占用更新許可処分の義務付けを求める部分はいずれも不適法であるからこれを却下すべきであり,本件各不許可処分の取消し請求は,いずれも理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,原判決は相当であり,本件控訴は,理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第5民事部 裁判長裁判官藤下健 裁判官黒野功久 裁判官金子 隆 雄

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