平成26年7月25日判決言渡平成24年(行コ)第412号,平成25年(行コ)第231号文書一部不開示決定処分取消等請求控訴事件,同附帯控訴事件 主文 1 1審被告の控訴に基づき,原判決中1審被告敗訴部分のうち次の各部分を取り消す。 (1) 原判決の主文第1項のうち,別紙「控訴の対象(処分目録1)」の「不開示決定」欄記載の各不開示決定について⑦欄記載の各部分を取り消すとした部分(2) 原判決の主文第2項のうち,上記⑦欄記載の各部分の開示決定をすべき旨を命ずる部分 2 上記1の(1)の取消しに係る部分につき1審原告らの請求をいずれも棄却する。 3 上記1の(2)の取消しに係る部分につき1審原告らの義務付けの訴えをいずれも却下する。 4 1審原告らの附帯控訴に基づき,原判決のうち,次の各部分を取り消す。 (1) 別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書の8枚目の黒塗り部分(「1908年~1944年の韓国における郵便貯金より生じた定期収入で日本大蔵省に移越した分」を試算した金額に係る情報)及び9枚目の各黒塗り部分(「終戦における朝鮮郵便貯金現在高」のうち「朝鮮人分推定額」に係る情報並びに終戦時の振替貯金現在高8552万7589円のうち朝鮮人分が占める比率及び試算額に係る情報)(2) 別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-160」の文書に係る⑥ 欄記載の部分 5 別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る④欄の原決定中上記4の(1)の各部分に係る部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る④欄の原決定中上記4の(2)の部分に係る部分を取り消す。 6 1審被告は,1審原告らに対 29」の文書に係る④欄の原決定中上記4の(1)の各部分に係る部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る④欄の原決定中上記4の(2)の部分に係る部分を取り消す。 6 1審被告は,1審原告らに対し,前項の取消しに係る部分を開示せよ。 7 1審原告らのその余の附帯控訴をいずれも棄却する。 8 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを2分し,その1を1審原告らの負担とし,その余を1審被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者が求めた裁判 1 控訴の趣旨(1) 主文第1項から第3項までと同旨(2) 訴訟費用は,第1,2審とも1審原告らの負担とする。 2 附帯控訴の趣旨(1) 原判決中1審原告らの敗訴部分のうち,別紙「附帯控訴の対象」①欄の各文書に関する⑥欄記載の部分を取り消す。 (2) 外務大臣が1審原告らに対して別紙「附帯控訴の対象」①欄の各文書についてした決定のうち⑥欄記載の各部分を不開示とした部分を取り消す。 (3) 外務大臣は,1審原告らに対し,別紙「附帯控訴の対象」①欄の各文書について⑥欄記載の部分を開示せよ。 (4) 訴訟費用は,第1,2審とも1審被告の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件は,1審原告らが,外務大臣に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき,日本と大韓民国(以下 「韓国」という。)との間で,昭和26年に開始し昭和40年に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」(以下「日韓基本条約」という。)の締結に至るまで約14年間にわたって実施された日韓国交正常化交渉(以下「日韓会談」又は「日韓交渉」という。)に係る行政文書の開示を請求したところ,外務大臣から当該各行政文書中の全部又は一部につき情報公開法5条3号,4号等所定 たって実施された日韓国交正常化交渉(以下「日韓会談」又は「日韓交渉」という。)に係る行政文書の開示を請求したところ,外務大臣から当該各行政文書中の全部又は一部につき情報公開法5条3号,4号等所定の不開示情報(以下「法定不開示情報」という。)に該当するとして開示しない旨の決定(以下「本件各処分」という。)を受けたため,1審被告に対し,本件各処分の取消しと不開示部分を開示することの義務付けを求める事案である。 原審は,上記請求に係る本件各処分の一部を取り消して当該不開示部分の開示決定をすべき旨を命じ,その余につき取消請求を棄却して義務付けの訴えを却下した。1審被告は,1審被告敗訴部分につき控訴し,当審口頭弁論終結時までに不服申立ての範囲を整理し,別紙「控訴の対象(処分目録1)」の「不開示決定」欄の不開示決定について「⑦控訴人が不服を申し立てる部分」欄記載の各部分を不服申立ての範囲として,原判決の取消し並びに1審原告らの請求の棄却及び義務付けの訴えの却下を求めるに至った。1審原告らは,1審原告敗訴部分につき附帯控訴し,当審口頭弁論終結時までに後記のとおり訴えの一部取下げをし,別紙「附帯控訴の対象」の「⑥附帯控訴の対象」欄記載の部分を不服申立ての範囲として,原判決の取消し並びに本件各処分の取消し及び不開示部分の開示決定をすべき旨を命ずることを求めるに至った。 当審係属中に原判決中別紙「控訴の対象(処分目録1)」の⑧欄の追加開示決定により追加開示がされ,これを受けて1審被告は不服申立ての範囲を縮小し,1審原告らは本件訴えのうち上記追加開示に該当する部分を取り下げ,1審被告はこの取下げに同意した。前記の1審被告の控訴に係る不服申立ての範囲及び1審原告の附帯控訴に係る不服申立ての範囲は,いずれも当審口頭弁論終結時におけるものであり 示に該当する部分を取り下げ,1審被告はこの取下げに同意した。前記の1審被告の控訴に係る不服申立ての範囲及び1審原告の附帯控訴に係る不服申立ての範囲は,いずれも当審口頭弁論終結時におけるものであり,上記訴えの一部取下げ及び附帯控訴の一部取下げ を反映している。以下,本件控訴又は附帯控訴において当事者間で法定不開示情報該当性について争いがある情報を,それぞれ「係争情報」という。 2 法令の定め(1) 情報公開法1条は,同法の目的について,「この法律は,国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」旨規定する。 (2) 情報公開法5条は,行政文書の開示義務について,「行政機関の長は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない」旨規定し,同条1号から6号までにおいて不開示情報について規定する。本件で該当性の有無が問題となる不開示情報についての定めは次のとおりである。 ア 1号個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただ の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。 ハ当該個人が公務員等(中略)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行情報の内容に係る部分イ 3号 公にすることにより,国の安全が害されるおそれ,他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報ウ 4号公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報エ 6号国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ(3) 情報公開法7条は,公益上の理由による裁量的開示について,「行政機関の長は,開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上 としての地位を不当に害するおそれ(3) 情報公開法7条は,公益上の理由による裁量的開示について,「行政機関の長は,開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し,当該行政文書を開示することができる」と規定する。 (4) 情報公開法は,上記のとおり,同法の目的について規定し,行政文書の開示請求があったときは,原則として行政文書を開示しなければならないと規定しつつ,その例外として不開示情報について規定しており,公益上の理由 による裁量的開示について規定するほかは,他に行政文書の開示又は不開示の判断の要件について規定していないから,不開示情報該当性の有無について判断するに当たっては,同法5条各号(本件では3号,4号及び6号)所定の要件に即して検討することとなる。 3 前提事実前提事実は,次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第 2 事案の概要」の「1 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに末尾記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)」(原判決2頁13行目から33頁18行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決11頁8行目の末尾に改行の上次のとおり加える。 (オ) 外務大臣は,原判決の結果や当審における1審原告らの主張などを踏まえ,平成25年3月29日,同年4月1日,同年11月26日及び平成26年3月24日,それぞれ本件各文書のうちの一部につき追加開示決定を行い,1審原告らに対しその旨の通知をした(乙A528~538,562,575)。 (カ) 1審原告らは,当審口頭弁論終結時までに,以上の追加開示に係る部分の全てにつき訴えの取下げ(一部取下げ)及び附帯控訴の取下げ(一部取 通知をした(乙A528~538,562,575)。 (カ) 1審原告らは,当審口頭弁論終結時までに,以上の追加開示に係る部分の全てにつき訴えの取下げ(一部取下げ)及び附帯控訴の取下げ(一部取下げ)をした。 (2) 原判決11頁9行目から13行目までを削る。 4 争点及び争点に関する当事者の主張(1) 本件の争点は,係争情報の法定不開示情報該当性である。その判断の前提として,法定不開示情報該当性(特に情報公開法5条3号及び4号関係)についての主張立証責任及び判断基準についても争いがある。 (2) 争点に関する当事者の主張は,次のほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の3(原判決34頁1行目から69頁4行目まで)のうち本件控訴及び本件附帯控訴のそれぞれ不服申立てに係る部分に記載のと おりであるから,これを引用する。 a 控訴の不服申立ての範囲に係る部分について別紙「控訴に係る係争情報についての主張対照表」に双方の主張の要旨を摘示するとともに,後記第3の4の(1)から(47)までの各ウに1審原告らの主張の骨子を摘示する。 b 附帯控訴の不服申立ての範囲に係る部分について別紙「附帯控訴に係る1審原告らの主張」に1審原告らの主張を摘示するとともに,後記第3の5の(1)から(67)までの各ウに1審原告らの主張の骨子を摘示する。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は,本件各処分のうち,(1) 本件控訴の不服申立ての範囲に係る部分について,1審原告らの取消しを求める請求はいずれも理由がなく,開示決定をすべき旨を命ずることを求める訴え(義務付けの訴え)はいずれも不適法であり,(2) 本件附帯控訴の不服申立ての範囲に係る部分について,1審原告らの取消しを求める請求は, ずれも理由がなく,開示決定をすべき旨を命ずることを求める訴え(義務付けの訴え)はいずれも不適法であり,(2) 本件附帯控訴の不服申立ての範囲に係る部分について,1審原告らの取消しを求める請求は,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書の8枚目の黒塗り部分(「1908年~1944年の韓国における郵便貯金より生じた定期収入で日本大蔵省に移越した分」を試算した金額に係る情報)及び9枚目の各黒塗り部分(「終戦における朝鮮郵便貯金現在高」のうち「朝鮮人分推定額」に係る情報並びに終戦時の振替貯金現在高8552万7589円のうち朝鮮人分が占める比率及び試算額に係る情報)並びに別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-160」の文書に係る⑥欄記載の部分の限度で理由があるが,その余は理由がなく,上記のとおり理由がある限度で開示決定をすべき旨を命じ,その余の開示決定をすべき旨を命ずることを求める訴え(義務付けの訴え)はいずれも不適法であると判断する。 その理由は,次のとおりである。 2 判断の前提として認められる事実前記のとおり補正の上引用する原判決の前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を併せると,次の事実が認められる。 (1) 竹島問題について竹島は,遅くとも江戸時代初期から我が国が領有し,韓国が実効支配した事実はないとして,明治38年(1905年)の閣議決定及び島根県告示により我が国の領土であることが確認されたが,終戦後,マッカーサーライン(連合軍が日本漁船の操業を制限する海域として定めた線)が竹島を同ラインの韓国側に位置するように定められた経緯もあり,韓国(李承晩大統領)は,サンフランシスコ平和条約締結に伴い同ラ ッカーサーライン(連合軍が日本漁船の操業を制限する海域として定めた線)が竹島を同ラインの韓国側に位置するように定められた経緯もあり,韓国(李承晩大統領)は,サンフランシスコ平和条約締結に伴い同ラインが失効するに際して竹島を韓国が領有するものとすることを希望したものの,連合国側に受け容れられなかったことなどから,昭和27年,同ラインに準じる線を排他的経済水域の境界線とする李ラインの設定を一方的に宣言し,同29年ころから竹島を自国領として占拠し,これに近づく日本船を銃撃したりするようになり,また,李ラインを越えた日本漁船を拿捕して多数の漁民を抑留したため,我が国は,これらに対して抗議するとともに,李ライン設定が国際法違反であること,竹島が古来我が国の領土であることを主張するなどしてその解決に取り組んだ。しかしながら,韓国は,1904年の日韓議定書及び日韓協約により日本は朝鮮の領土を占領することが可能な状態において竹島を日本領としたのであるから,竹島を日本領としたのは日本の韓国に対する侵略の始まりであり,それ以前には竹島は独島(又は于山島,石島など)と呼ばれて韓国の領土であったと主張し,その根拠として韓国側の古文書の記載等を指摘し,これに対し,我が国は,当該古文書の解釈・理解に誤りがあるなどと反論し,その後,日韓両国は,両国に遺る古文書や古地図のわずかな記載の解釈などをめぐり,相手国より自国の方が竹島(独島)との関わりが古く深 いこと,竹島(独島)が古くから自国の領土と認識されており相手国の領土であるとは認識されていなかったことなどを主張し合い,また,両国ではそれぞれ同様の主張を内容とする論文・書籍が刊行されるなどして今日に至っている。 我が国は,日韓基本条約締結に向けての交渉の中で,竹島問題解決のための見通しは得てお し合い,また,両国ではそれぞれ同様の主張を内容とする論文・書籍が刊行されるなどして今日に至っている。 我が国は,日韓基本条約締結に向けての交渉の中で,竹島問題解決のための見通しは得ておきたいとして交渉し,同条約締結と同時に定められた外務大臣と韓国の外務部長官との間の交換公文で,竹島問題を念頭に,「両国間の紛争について外交上の経路を通じて解決できない場合には両国政府が合意する手続に従い調停によって解決を図る」ことについて韓国との合意を得たが,その後,韓国は,同交換公文に定める紛争に竹島問題は含まれないと主張している。我が国は,それ以前から現在まで,韓国に対し,竹島問題を国際司法裁判所に付託することについての同意を求めたことがあったが(直近では李明博大統領の竹島上陸直後の平成24年8月),いずれも拒否されており,竹島問題は,両国政府及び国民が高い関心を寄せる現在も未解決の領土紛争問題である。 (2) 請求権問題についてア日韓請求権協定締結まで昭和20年(1945年)の敗戦に伴い,我が国及び国民は,朝鮮半島に有していた財産・請求権を事実上放置せざるを得ないこととなり,このうち米軍占領下の財産・請求権は,在韓米軍政庁の1945年12月6日付け軍令33号2条により同年9月25日付けで米軍政庁が取得する旨定められ(いわゆる「vestingdecree」),さらに韓国独立宣言後の1948年9月11日,「財政及び財産に関する米韓間の最初の取極」5条によりこれは米軍政庁から韓国政府に引き渡され,昭和26年(1951年), あった地域及びその住民(法人を含む。)と日本及び日本国民(法人を含む。)との間での財産・請求権の処理に関する問題(以下,これを「請求権問題」というが,「財産・請求権問題」ということもある。)は あった地域及びその住民(法人を含む。)と日本及び日本国民(法人を含む。)との間での財産・請求権の処理に関する問題(以下,これを「請求権問題」というが,「財産・請求権問題」ということもある。)は,日本と当該地域との間の「特別取極」によって行われるべきものとされた。 我が国と韓国は,この請求権問題を解決することを重要課題として,昭和26年から国交正常化交渉(日韓会談,日韓交渉)を行い,当初,我が国は,軍令33号の解釈として,これが財産・請求権を米軍政庁に終局的に帰属させるものとすれば,敵国私有財産の没収を禁じるハーグ陸戦法規第46条に違反し無効であるなどと主張し,日本国民が韓国に有していた財産・請求権又はその代償請求権が現存するものとして交渉に臨んでいたが,韓国はこの主張を争い対立が生じていたところ,米国政府は,昭和32年に「日本国との平和条約4条並びに在韓米軍政庁の関連指令及び措置により,韓国内の財産についての日本国及び日本国民のすべての権利,権原及び利益が取り去られていたのであり,日本国はこれらの資産又はこれらの資産に関する利益に対する有効な請求権を主張することはできないとする解釈を示し,日韓両国は昭和32年12月31日の合意議事録でこの解釈に同意した。 その後,韓国は朴正煕大統領の時代となり,日韓間では,互いに請求権を主張しないものとしつつ,我が国が韓国に対し経済協力を行うという解決方法が模索されるようになり,我が国は,昭和40年(1965年)6月22日,日韓基本条約の締結に付随して締結された日韓請求権協定により,3億ドル相当の無償供与と2億ドルの長期低利融資とを約束し(同協定1条。ただし,我が国はこれらを経済協力と位置付け,韓国は植民地支配等に対する賠償と同様のものと説明している。),同時に,同協定にお いて, 償供与と2億ドルの長期低利融資とを約束し(同協定1条。ただし,我が国はこれらを経済協力と位置付け,韓国は植民地支配等に対する賠償と同様のものと説明している。),同時に,同協定にお いて,両国は,請求権問題が完全かつ最終的に解決されたことを確認し,両国及びその国民は,従前の財産・請求権について,いかなる主張もすることができないものとする旨を定め(同協定2条),その解決を見た。 イ日韓請求権協定締結後その後,日韓両国は,上記の経済協力や民間での活発な貿易関係,投資関係の形成などを通じて関係を深めたが,韓国政府は,平成17年8月26日,「韓日会談文書公開後続対策関連官民共同委員会」を開催し,「日本軍従軍慰安婦問題等,日本政府と軍隊等,日本の国家権力が関与した反人道的不法行為については,日韓請求権協定で解決したと見ることができず,日本政府の法的責任が残っており,サハリン同胞の問題と原爆被害者問題も請求権協定の対象に含まれなかった」とする趣旨の表明を行い,日韓請求権協定の効力の及ぶ範囲について例外があるとする見解を示し,平成23年8月30日には,韓国憲法裁判所が,いわゆる従軍慰安婦問題等について,日韓請求権協定3条の紛争解決手続に進まなかった韓国外交通商部の不作為が韓国憲法に違反すると判示し,これを受け,韓国外交通商部が,同年9月15日及び同年11月15日,在韓日本大使館を通じて我が国に対し,同問題等について日韓請求権協定3条1項に基づく協議を行いたい旨の申入れを行い(乙A509の1・2,510),また,韓国大法院は,平成24年5月24日,第二次大戦中にP1又はP2の前身である会社に徴用されたとする韓国人がこれらの企業に対し損害賠償と未払賃金の支払を求めた事案において,個人の請求権は日韓請求権協定だけで当然に消滅したと見 月24日,第二次大戦中にP1又はP2の前身である会社に徴用されたとする韓国人がこれらの企業に対し損害賠償と未払賃金の支払を求めた事案において,個人の請求権は日韓請求権協定だけで当然に消滅したと見ることはできず,仮に同協定でその請求権に関する韓国の外交保護権が放棄され,日本の国内措置(「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第2条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律」の制定)でその請求権が日本国内において消滅したとしても,韓国がこれを外交的に保 護する手段を喪失することになるだけであるなどとして,日本国内で最高裁判所の上告棄却により確定していた判決の効力を韓国の公序良俗に反するものとして承認しないものとし,二審判決を破棄して差し戻す判決をし(乙A511の1ないし3,512ないし乙A515),その後である同年10月24日には,韓国において,同様の立場にある者らから新たにP2に対する損害賠償請求訴訟が提起されている(乙A516ないし518)。以上のとおり,韓国国内では,日韓請求権協定の効力は個人の請求権に及ばない,あるいは一定の種類の請求権について制限されるとする考え方,すなわち日韓請求権協定により請求権問題が完全かつ終局的に解決されたとすることを制限するような考え方を推し進めようとする動きが生じており,今後,この動きがどのような展開を見せるのかは,日韓関係における重要な問題の1つとして注視されている。 ウ北朝鮮との請求権問題上記アのとおり,日韓間の請求権問題は,日韓請求権協定により韓国との関係で解決されたものの,同協定は韓国及びその管轄下にある国民の財産・請求権について定められたもので,北朝鮮には効力が及ばないため,我が国は,北朝鮮との関係では,依然とし 韓請求権協定により韓国との関係で解決されたものの,同協定は韓国及びその管轄下にある国民の財産・請求権について定められたもので,北朝鮮には効力が及ばないため,我が国は,北朝鮮との関係では,依然としてサンフランシスコ平和条約4 平成14年9月17日,我が国の小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日国防委員長は,日朝平壌宣言により,日朝国交正常化交渉を再開すること,その中で,1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い,具体的に協議することを宣言したが,同宣言は,法的拘束力を生じる条約とは異なり,両国首脳が国交正常化交渉の方針としてそれぞれ宣言したにとどまるものであるから,これにより両国及びその国民が財産及び請求権を相互に放棄することが決定したものではなく,その処理は依然として今後の 交渉の結果に委ねられている。なお,その後,北朝鮮のP3新聞は,従軍慰安婦問題,強制徴用工問題などに関し,日本は謝罪と賠償を行うべきである旨の記事を掲載している(乙A571~573)。 北朝鮮との間で請求権問題について交渉が行われる場合,北朝鮮側の請求権についても,日本側の請求権についても,その内容である個々の請求権としてどのようなものがあるかということのほか,どのような基準で個々の請求権を北朝鮮の分として確定ないし算定するかという問題が生じ得る。このため,日朝両国にとって,日韓交渉時における請求権問題の検討資料や交渉経過が,日朝間の請求権問題交渉のための検討資料,参考資料として利用し得る関係にあるかどうかが,当事者間で争われている。 (3) 文化財問題について韓国及び北朝鮮は,終戦時までに我が国の側が保有するに至った朝鮮半島由来の文化財(書籍等を含む。)について,返還請 る関係にあるかどうかが,当事者間で争われている。 (3) 文化財問題について韓国及び北朝鮮は,終戦時までに我が国の側が保有するに至った朝鮮半島由来の文化財(書籍等を含む。)について,返還請求権があると主張しており,この主張に係る外交交渉(文化財問題)の状況は次のとおりである。 ア韓国との関係韓国は,日韓交渉の当初から日本所在の朝鮮半島由来の文化財の返還要求を請求権問題の重要な交渉事項の1つと位置付け,具体的な品目を示して返還を要求し,これに対し,我が国は,韓国の独立を祝賀し日韓友好に資するものとして積極的な対応を行うこととし,同文化財の現状と引渡しに適する文化財の選定について具体的な調査検討を行った。我が国は,昭和33年,閣議決定により多数の文化財を韓国に引き渡し,また,昭和40年の日韓基本条約と同時に文化財協定(文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)を締結し,これに基づき,同附属書記載の文化財を韓国に引き渡した。しかし,その後も韓国内では韓国由来の図書の返還を求める声があり,我が国は,これに応えて,平成22年,韓国と日韓図書協定(図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定)を 締結し,これに基づき,同附属書記載の古書籍を韓国に引き渡した。 しかしながら,韓国政府及び国民は,国外に存在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に強い関心を持ち,韓国国内では,現在も,我が国に所在する同文化財でこれまで韓国側に引き渡されなかったものについて,改めて引渡しの交渉の対象とされるべきであるとして,引渡しの実現に向けた活発な動きがあるため,こうした動きに押されて韓国政府としても我が国に対し再度引渡しを求めてくる可能性があると考えられる(乙A492ないし496,527,証人P4) あるとして,引渡しの実現に向けた活発な動きがあるため,こうした動きに押されて韓国政府としても我が国に対し再度引渡しを求めてくる可能性があると考えられる(乙A492ないし496,527,証人P4)。 イ北朝鮮との関係我が国と北朝鮮は,平成14年9月17日の日朝平壌宣言で,今後行われる国交正常化交渉における協議事項の1つとして文化財問題を掲げ,その後に行われた日朝国交正常化のための実務者協議においても文化財問題は話題とされている(乙A501)。また,北朝鮮のP3新聞(平成23年2月7日付け)は,日本は,朝鮮統治時代に民族の貴重な財宝である文化財を手当たり次第に破壊し略奪した,日本に存在する朝鮮半島由来の文化財は数十万点に及ぶ,日本は略奪した文化財を全て返還すべきである等と主張しているなど(乙A491の1,同号証の2),我が国に存在する朝鮮半島由来の文化財に対して強い関心とこれが返還されるべきものとの強い意識を有しており,我が国に存在する同文化財に関する入手可能な公開情報を収集しようとしている(乙A527,証人P4)。 北朝鮮との間で文化財問題に係る交渉が行われる場合,上記請求権問題と同様の問題状況にあり,文化財問題に係る日韓交渉における資料や交渉経過は,ほぼそのまま日朝間の交渉における検討資料,参考資料として利用しうる関係にあると考えられるが,文化財問題においては,引渡しが相当と判断されるものについて韓国と北朝鮮のいずれに引き渡すべきか,既に韓国に引渡済みのものなどとの関係から生じる韓国との取扱いとの公平 など,請求権問題以上に日韓交渉時の情報が交渉に影響を及ぼす可能性が高いと考えられる。 (4) 日韓関係について我が国と他国との間の相互の信頼関係は,双方の粘り強い努力によって構 など,請求権問題以上に日韓交渉時の情報が交渉に影響を及ぼす可能性が高いと考えられる。 (4) 日韓関係について我が国と他国との間の相互の信頼関係は,双方の粘り強い努力によって構築されていくべきものであるが,日韓両国間には長い歴史的経過の中で様々な出来事があり,韓国政府及び国民は,我が国による植民地支配など日韓間の歴史的経緯において多大な損害と苦痛を与えられたとの強い被害意識があり,上記のような竹島問題,請求権問題,文化財問題などにおける韓国側の主張にも,こうした被害意識が反映していると考えられる部分があることが窺われる。これに対し我が国の側は,このような被害意識とこれを反映していると考えられる主張とを過剰なものとして反発する向きもあり,他方,韓国側は,日本側に歴史認識に誤りがあるとしてさらに批判するなど,多くの場面で認識・見解の対立が生じている。こうして,両国間の相手国に対する国民感情は,文化的・学術的交流,貿易その他の経済的関係などを通じて一時的ないし部分的に友好関係が進むことがあっても,現在必ずしも良好とは言い難い状況が続いている。そうした中で,韓国政府及び国民は,我が国の要人等の発言に対して激しい反応を示すことが少なくなく,過去の発言が今日も問題とされ,さらにそれらに対する評価に関して両国国民の見解の対立が表面化する例がある。以上のような状況から,我が国としては,韓国及び韓国国民との信頼関係・友好関係を維持・増進する上で障害とならないようにするため,無用な議論を引き起こすような事柄に対して慎重であることが求められている状況にある。 (5) 北方領土問題について日本(当時は江戸幕府)とロシア(当時はロシア帝国)とは,1855年2月7日,日露和親条約で,択捉島以南が日本に属し,得撫島(ウルップ島 いる状況にある。 (5) 北方領土問題について日本(当時は江戸幕府)とロシア(当時はロシア帝国)とは,1855年2月7日,日露和親条約で,択捉島以南が日本に属し,得撫島(ウルップ島)以北がロシアに属すことを相互に確認したが,樺太については国境を定めず 日露混住の地とした。しかし,これがため樺太では日露両国国民間の紛争がしばしば生じたことから,1875年5月7日,日露間で,樺太をロシア領とし,得撫島以北の千島列島18島を日本領とする樺太千島交換条約が締結された。太平洋戦争末期の昭和20年(1945年)8月9日,ソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)は,当時まだ有効であった日ソ中立条約(大日本帝国及ソヴィエト社会主義共和国連邦間中立条約)に違反して対日参戦し,日本がポツダム宣言を受諾した後である同年8月18日から9月5日にかけて,千島列島に侵入して占領し,択捉島以南の4島(国後島,択捉島,歯舞群島,色丹島)についても占領し,今日までこれらを実効支配している。我が国はこれら4島を固有の領土であるとして返還を求め続けているが,ソ連ないしロシア連邦(ロシア)は,日本に返還していない。この領土問題を北方領土問題といい,現在においても我が国とロシアとの間の重要な外交課題の一つである。 (6) 外国との外交交渉に係る情報について一般に,利害を共有する国家間の外交交渉の過程で行われた意見交換等の内容は,それが当初から公表を予定して行われる場合でない限り,基本的には不開示として取り扱うのが国際慣行である。また,交渉当事国以外の国々から外交上参考となる情報等を入手することは,外交事務を遂行する上で重要な手段の1つであるが,機微な情報等について秘密保持を適切に行うことは,各国との率直な情報交換等を行う上で互いに不可欠の前提条 から外交上参考となる情報等を入手することは,外交事務を遂行する上で重要な手段の1つであるが,機微な情報等について秘密保持を適切に行うことは,各国との率直な情報交換等を行う上で互いに不可欠の前提条件として認識されている。さらに,重要な外交交渉では,これを促進し,実りあるものとするため,交渉担当者が互いに率直な提案を行えるように,交渉の場での意見交換における機微な情報については,安易に開示しないこととするのが外交担当者の慣行とされている。以上のような慣行を無視して外交上の情報を開示することは,相手国との信頼関係を損なうばかりでなく,他国からも機密保持を期待できない国とし信用を失い,その後の外交交渉,情報収集に 支障が生じることとなりかねない。(乙A527,証人P4) 3 本件控訴に係る係争情報及び本件附帯控訴に係る係争情報について適用が問題となる情報公開法の不開示情報に関する定めは,第2の2に摘示したとおりである。そのうち,情報公開法5条3号は「公にすることにより,国の安全が害されるおそれ,他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定し,同条4号は「公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定する。同条3号及び4号によれば,上記各おそれがあるかどうかについては行政機関の長に裁量に基づく第一次的な判断権があるが,同条は,行政機関の長に対し,各号に掲げる情報(不開示情報)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し当該行政文書を開示しなければならないとして開示 量に基づく第一次的な判断権があるが,同条は,行政機関の長に対し,各号に掲げる情報(不開示情報)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し当該行政文書を開示しなければならないとして開示義務を定め,これを原則としつつ,開示義務の例外として不開示情報が記録されている場合を定める構造を採っているのであり,不開示情報を定める同条3号及び4号において行政機関の長が上記各おそれがあると認めることにつき相当の理由があることを要することとしている趣旨に鑑みれば,行政機関の長が外務大臣である場合において外務大臣が同条3号所定のおそれがあると認めることにつき「相当の理由がある」といえるかどうかについていえば,我が国を取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に関する事実を総合的に踏まえて,他国又は国際機関との上記おそれの根拠があると合理的に判断することができる場合であることを要するものと解するのが相当である。その理由は次のとおりである。 法が処分を行政庁の裁量に任せる趣旨,目的,範囲は各種の処分によって一 様ではなく,これに応じて裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法とされる場合もそれぞれ異なるものであり,各種の処分ごとにこれを検討しなければならない。 出入国管理令(昭和56年法律第86号により出入国管理及び難民認定法に題名を改められる前のもの。以下同じ。)21条3項に基づく「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由」があるかどうかを判断する場合にあっては,憲法上,外国人は,我が国に入国する自由を保障されているものではなく,在留の権利ないし引き続き在留するこ く「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由」があるかどうかを判断する場合にあっては,憲法上,外国人は,我が国に入国する自由を保障されているものではなく,在留の権利ないし引き続き在留することを要求しうる権利を保障されているものではなく,外国人が我が国に入国し在留することができるかどうかは,我が国の法律によって定められるべきものであるところ,出入国管理令は,在留外国人の在留期間の更新を権利として保障するものではなく,原則として一定の期間を限って外国人の我が国への上陸及び在留を許し,その期間の更新は法務大臣がこれを適当と認めるに足りる相当の理由があると判断した場合に限り許可することとし,もって,法務大臣に一定の期間ごとに当該外国人の在留中の状況,在留の必要性,相当性等を審査して在留の許否を決定させることをその趣旨とし,更新事由の有無の判断を法務大臣の裁量に任せ,その裁量権の範囲を広汎なものとしている。このように,法令上法務大臣の裁量権の範囲が広範なものとされていることから,その判断が全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるときに限り,裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となると解されており,裁判所は,法務大臣の判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等によりその判断が全く事実の基礎を欠くかどうか,又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等によりその判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理し,それが認められる場合に限り,その判断が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法であるとすることができるものと解されている(最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月 4日大法廷判決民集32巻7号1223頁)。 他方,旅 又はその濫用があったものとして違法であるとすることができるものと解されている(最高裁昭和50年(行ツ)第120号同53年10月 4日大法廷判決民集32巻7号1223頁)。 他方,旅券法13条1項5号(平成17年法律第55号による改正前のもの。 以下同じ。現行の同項7号)により旅券発給の申請者が「外務大臣において著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」にあたるとして外務大臣が旅券の発給を拒否するかどうかを判断する場合にあっては,憲法22条2項の外国に移住する自由には外国に一時旅行する自由も含まれるのであり(最高裁判所昭和29年(オ)第898号同33年9月10日大法廷判決民集12巻13号1969頁,最高裁判所昭和57年(行ツ)第70号同60年1月22日第三小法廷判決民集39巻1号1頁),一般旅券の発給を拒否すれば,憲法22条2項で国民に保障された基本的人権である外国旅行の自由を制限することになることから,上記の判断をするについて外務大臣に与えられた権限の範囲は広汎なものではなく,裁判所は,その処分当時の旅券発給申請者の地位,経歴,人柄,その旅行の目的,渡航先である国の情勢及び外交方針,外務大臣の認定判断の過程その他これに関する全ての事実を斟酌した上で,外務大臣の当該処分が同号の規定により外務大臣に与えられた権限をその法規の目的に従って適切に行使したかどうかを判断すべきものであって,その判断は,ただ単に当該処分が外務大臣の恣意によるかどうか,その判断の前提とされた事実の認識について明白な誤りがあるかどうか,又はその結論に至る推理に著しい不合理があるかどうかなどに限定されるものではないと解されている(最高裁昭和37年(オ)第752号同44年7月11日第二小法廷判決民集2 いて明白な誤りがあるかどうか,又はその結論に至る推理に著しい不合理があるかどうかなどに限定されるものではないと解されている(最高裁昭和37年(オ)第752号同44年7月11日第二小法廷判決民集23巻8号1470頁)。 情報公開法は,国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とし(同法1条),行政機関の長は,開示請求があったときは, 開示請求に係る行政文書に同条各号に掲げる情報(不開示情報)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し当該行政文書を開示しなければならないと規定しているのであり(同法5条),これを原則としつつ,開示義務の例外として不開示情報が記録されている場合を定める構造を採っているのであって,同法の上記趣旨目的及び規定の構造に鑑みれば,不開示情報を定める同条3号及び4号が行政機関の長が上記各おそれがあると認めることにつき「相当の理由がある」という要件を付加した趣旨は,出入国管理令21条3項に基づく「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由」があるかどうかを判断する場合のように行政庁に広汎な裁量をゆだねる趣旨ではなく,旅券法13条1項5号により旅券発給の申請者が「外務大臣において著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者」にあたるとして外務大臣が旅券の発給を拒否するかどうかを判断する場合のように法規の目的に従って所定の権限を適法に行使すべきものとしての限定を付する趣旨であると解するのが相当である。したがって ある者」にあたるとして外務大臣が旅券の発給を拒否するかどうかを判断する場合のように法規の目的に従って所定の権限を適法に行使すべきものとしての限定を付する趣旨であると解するのが相当である。したがって,行政機関の長は,情報公開法5条3号,4号所定の不開示情報にあたると判断して不開示処分をした場合において,当該不開示処分の取消訴訟が提起されたときは,当該判断の公正妥当を担保するに足りる,可能な限り具体的な事実関係に基づく合理的な根拠を示すことを要するものと解するのが相当である。外務大臣が同条3号所定のおそれがあると認めることにつき「相当の理由がある」といえるかどうかについて判断する場合にあっては,我が国を取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に関する事実を総合的に踏まえて,他国又は国際機関との上記おそれの根拠があると合理的に判断することができる場合であることを要するものと解するのが相当である。したがって,裁判所は,上記各事実を斟酌して上記の場合に該当するかどうかを判断すべきものであり,その 判断は,外務大臣の判断が全く事実の基礎を欠いているかどうか,又は事実に対する評価が明白に合理性を欠いているかどうかなどに限定されるものではないと解するのが相当である。したがって,外務大臣は,同条3号所定の法定不開示情報に該当すると判断して不開示決定をし,当該不開示決定の取消訴訟が提起された場合には,我が国を取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に関する 取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に関する事実について可能な限り具体的に主張立証し,これらを総合的に踏まえて,同条3号所定のおそれがあると合理的に判断する根拠があることを証明する必要があると解するのが相当である。また,外務大臣が同条4号所定の法定不開示情報に該当すると判断して不開示決定をし,当該不開示決定の取消訴訟が提起された場合についても,同条4号所定のおそれがあると合理的に判断することができる根拠が存在することを基礎付ける事実について可能な限り具体的に主張立証し,これらを総合的に踏まえて,同条4号所定のおそれがあると合理的に判断する根拠があることを証明する必要があると解するのが相当である。 本件においては,日韓国交正常化交渉関係文書に記録されている情報が情報公開法5条3号所定の不開示情報又は4号所定の不開示情報にあたるかどうかが問題となっており,判断枠組みは上記のとおりであるところ,1審被告は,開示請求のあった文書について可能な限り開示するという方針の下に努力を重ねて順次開示の範囲を広げてきており,新たに開示された部分を含む文書を証拠として提出した。また,当審において,1審被告から外務省アジア局北東アジア課長の陳述書が証拠として提出され,同課長の証人尋問も行われた。1審被告は,同条3号及び4号所定の不開示情報該当性の主張立証責任に関し,当裁判所が上記のとおり示した判断枠組みとは異なる見解を採っているが,上記のとおり可能な限り開示するという方針の下に努力を重ねて順次開示の範囲を 広げ,開示した文書又は部分を証拠として提出し,1審原告らからも主張立証が行われ,これら なる見解を採っているが,上記のとおり可能な限り開示するという方針の下に努力を重ねて順次開示の範囲を 広げ,開示した文書又は部分を証拠として提出し,1審原告らからも主張立証が行われ,これらによって,日韓国交正常化交渉当時及び現在の我が国を取り巻く国際情勢,我が国と韓国及び北朝鮮との当時及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,今後の交渉及び将来の関係の展望,韓国側及び北朝鮮側の国民感情,交渉方針等を相当程度知ることができたし,同課長の陳述書及び証言等により,必要な補充説明も行われた。以上のほか,原審及び当審において取り調べた関係証拠を総合すれば,本件において必要な審理は尽くされているものということができる。本件の審理の結果,第二次世界大戦後長期間にわたって辛抱強く行われた日韓国交正常化交渉により,日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約が締結,批准され,財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定その他の協定が締結されるに至ったのであり,既に50年近くが経過するが,日韓両国の関係は現在必ずしも良好とは言い難く,また,北朝鮮との国交正常化交渉はまだこれから行われるという状況にあり,本件の不開示情報該当性の判断の対象である情報には,日韓国交正常化交渉の過程において専ら我が国の政府内部での検討のために調査収集した資料や検討内容,政府高官等の率直ではあるが,韓国国民を刺激するおそれのある発言等が含まれ,また,外交上の信義の見地から,開示すれば他国との信頼関係の維持に悪影響を及ぼすなど問題があると考えられるものも含まれており,さらに,国の安全にかかわる情報も含まれていることが明らかとなっている。 以下,1審被告の控訴及び1審原告らの附帯控訴の当否について,順次判 ぼすなど問題があると考えられるものも含まれており,さらに,国の安全にかかわる情報も含まれていることが明らかとなっている。 以下,1審被告の控訴及び1審原告らの附帯控訴の当否について,順次判断することとする。 4 本件控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について1審被告が本件控訴において不服とする部分に係る当裁判所の判断は,以下のとおりである。 なお,以下でいう「控訴に係る係争情報」とは,情報開示請求の対象文書に 記録された情報のうち,原判決が外務大臣による不開示処分を取り消して開示を命じたのに対して,1審被告が本件控訴で当審口頭弁論終結時において不服を申し立てている部分に係る情報である(係争情報が複数の場合にも「控訴に係る係争情報」の語を用いるが,これを受けるときは「上記各係争情報」ということとする。)。 当事者の主張の要旨は,別紙「控訴に係る係争情報についての主張対照表」の①欄の通し番号に対応する⑦欄に摘示するとおりである。(1)から(47)までの各ウに1審原告らの主張の骨子を摘示する。 (1) 通し番号1-60の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C107,221,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-60の文書は昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書である。そのうち「宮内庁書陵部の統監本曾禰本の調査結果」と題する表(乙C107の-27-頁)については,「(2) P5博士が稀少本としたもの」欄,「(3) P6博士が稀少本としたもの」欄,「(4) 古鮮冊簿にないもの(P7説明)」欄及び「(5) 以上三者(2)~(4 107の-27-頁)については,「(2) P5博士が稀少本としたもの」欄,「(3) P6博士が稀少本としたもの」欄,「(4) 古鮮冊簿にないもの(P7説明)」欄及び「(5) 以上三者(2)~(4)の重複をのぞいたもの (6) (1)から(5)をのぞいたもの」欄に対応する「総数」欄,「統監本」欄及び「曾禰本」欄の各「部数」及び「冊数」欄の各記載部分が黒塗りされており,また,下部の「注以上の外に統監本に準貴扱いのもの(貴重本に準ずる扱い)」に続く箇所が黒塗りされている。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 統監本とは初代韓国統監であった伊藤博文が韓国統監府(後に総督府)の蔵書であった書籍を日本に持参したものであり,曾禰本とは二代目韓 国統監であった曾禰荒助が韓国内で蒐集し日本に持参した書籍であり,いずれもその後,皇室に献上され宮内庁書陵部の蔵書とされていたものである。統監本及び曾禰本はいずれも朝鮮出版になるものであるが,曾禰本の約半数は漢籍であり,曾禰本の他の半数及び統監本は朝鮮関係の著述(いずれも漢文)である。昭和38年3月当時宮内庁書陵部が所蔵していた統監本は11部90冊,曾禰本は152部762冊,合計163部852冊であった。宮内庁書陵部図書寮は蔵書を貴重書(国宝に相当),準貴重書及び普通書に3分類していたが,統監本及び曾禰本のうち貴重書に指定されたものが曾禰本中に2部あり,それ以外はすべて普通書として取り扱われていた。我が国は,韓国との文化財問題に係る交渉に当たり,昭和38年3月当時宮内庁書陵部が所蔵していた統監本及び曾禰本を構成する書籍の希少価値について改めて調査する必要があると判断し,朝鮮史の権威である専門家にこれら書籍の希少価値の調査を依頼し,朝鮮史の権威であるP8のP6博士及 部が所蔵していた統監本及び曾禰本を構成する書籍の希少価値について改めて調査する必要があると判断し,朝鮮史の権威である専門家にこれら書籍の希少価値の調査を依頼し,朝鮮史の権威であるP8のP6博士及びP9大学教授のP5博士が統監本及び曾禰本を構成する書籍の希少価値について調査し,希少本を選別した。P6博士及びP5博士がそれぞれ希少本と評価した書籍の部数及び冊数がまとめられた。また,これとは別に,「古鮮冊簿にないもの」の部数及び冊数も調査された。以上のほか,統監本については「準貴扱いのもの(貴重本に準ずる扱い)」があり,その部数又は冊数も明らかになっていた。 c 上記aの「宮内庁書陵部の統監本曾禰本の調査結果」と題する表の各黒塗り部分(乙C107の-27-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和38年3月当時宮内庁書陵部が所蔵していた統監本及び曾禰本についての情報のうち,① 韓国との文化財問題に係る交渉を行うにあたり我が国が依頼した朝鮮史の権威であるP8のP6博士及びP9大学教授のP5博士が調査した結果希少本と評価された ものの部数及び冊数に係る情報並びに② 「古鮮冊簿にないもの」の部数及び冊数に係る情報並びに③ 「準貴扱いのもの(貴重本に準ずる扱い)」(ただし,統監本に限る。)の部数又は冊数に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対し今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われる 今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。今後統監本及び曾禰本についても,北朝鮮の返還要求の対象となるのみならず,韓国からも返還を求められる可能性がある。他方,我が国は,日韓国交正常化交渉以来,韓国に対して相当と認めるものを贈与するという立場を採ってきている。我が国が朝鮮半島由来の文化財を所蔵するに至った経緯は様々であり,当該文化財と我が国の社会との結び付きの態様,程度も様々であって,文化財の価値も一様ではなく,我が国が韓国及び北朝鮮に対して当該文化財を贈与するかどうかは,上記の各点のほか,諸般の事情を総合的に考慮して判断されるべきものである。統監本及び曾禰本の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,統監本及び曾禰本は前記の経緯により宮内庁書陵部の蔵書となっているものであるから,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。 したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとするのは頷けるとこ ろ,上記アの認定事実に基づいて考えると,改めて調査された結果希少本(P6博士及びP5博士が選定した希少本並びに宮内庁書陵部において貴重本及びそれに準ずる価値を有する書籍と評価されたもの)と評価された書籍は数が比較的限られていることが推認されるのであり,上記各係争情報が公になれば,総監本及び曾禰本のうち外務省の調 陵部において貴重本及びそれに準ずる価値を有する書籍と評価されたもの)と評価された書籍は数が比較的限られていることが推認されるのであり,上記各係争情報が公になれば,総監本及び曾禰本のうち外務省の調査において希少本と評価された書籍の正確な部数及び冊数が北朝鮮や韓国に知られることとなり,北朝鮮及び韓国は,我が国との交渉にあたり,我が国に対し,総監本及び曾禰本のうち外務省の調査において希少本と評価された書籍を明確に特定し,かつ,これを引き渡すことを求めることになる可能性が十分に考えられるほか,これまで韓国に贈与した書籍の選定の仕方について非難するなど,我が国との交渉を自らに有利に進めるための材料とすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過に鑑みれば,上記各係争情報の公開が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかしながら,前記のとおり,統監本及び曾禰本を含む文化財については今後も北朝鮮や韓国との間で引渡しに関する交渉がありうると想定されるところ,今後統監本及び曾禰本を含む文化財の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引 渡しの対象及び数量等が判断されることになるのであり,文化財としての価値の高低は時の経過や時代の推移によって大きく変化するものでないこ 場合には,諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引 渡しの対象及び数量等が判断されることになるのであり,文化財としての価値の高低は時の経過や時代の推移によって大きく変化するものでないことからすれば,上記イのとおり判断されるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (2) 通し番号1-61の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C529,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-61の文書は,宮内庁が作成した「宮内庁書陵部所蔵目録」と題する文書である。「統監府蔵書」の部と「曾禰荒助献上本」の部から成り,いずれも古書籍の名称が順次記載されている目録である。 各部の目録記載の各古書籍の名称の左側(欄外)の箇所に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記のとおり,我が国は,韓国との文化財問題に係る交渉に当たり,昭和38年3月当時宮内庁書陵部が所蔵していた統監本及び曾禰本について,朝鮮史の権威であるP8のP6博士及びP9大学教授のP5博士にこれらを構成する書籍の希少価値の調査を依頼した。P6博士及びP5博士は,統監本及び曾禰本を構成する書籍の希少価値について調査し,希少本を選別した。また,P7宮内庁図書課長も同様の調査を行い,希少本を選別した。そのほか,宮内庁が準貴本として取り扱うものがある。 以上が希少本とされたものである。 c 上記文書中の上記各箇所(乙C529の-2-頁から-20-頁までの各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,統監本及び曾禰本を構成する各古書籍の希少価値に関する情報であり,個々の古書籍ごとに,当該古書籍が希少本(P6博士及びP5博士が選定 0-頁までの各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,統監本及び曾禰本を構成する各古書籍の希少価値に関する情報であり,個々の古書籍ごとに,当該古書籍が希少本(P6博士及びP5博士が選定した希少 本並びに宮内庁書陵部において貴重本及びそれに準ずる価値を有する書籍と評価されたもの)に該当するか又はそれ以外のものであるかを区別して示すものである。P6博士が希少本と評価したことを示す○印,P5博士が希少本と評価したことを示す△印,P7宮内庁図書課長が希少本と評価したことを示す□印又は宮内庁が準貴本(貴重本に準ずる書籍)と評価したことを示す◎印のいずれかが付されている古書籍は,外務省が希少本と評価したことを示しており,名称の左側に何も記載されていない古書籍は外務省がそれ以外のものと評価したことを示している。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対し今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。今後統監本及び曾禰本についても,北朝鮮の返還要求の対象となるのみならず,韓国からも返還を求められる可能性がある。統監本及び曾禰本の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,統監本及び曾禰本は前記の経緯により宮内庁書陵部の蔵書となっているものであるから,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮し は,統監本及び曾禰本は前記の経緯により宮内庁書陵部の蔵書となっているものであるから,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。 したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとするのは頷けるところ,前記のとおり,外務省が調査した結果希少本(P6博士及びP5博士が選定した希少本並びに宮内庁書陵部において貴重本及びそれに準ずる価 値を有する書籍と評価されたもの)と評価された書籍は数が比較的限られていることが推認されるのであり,上記係争情報は,当該古書籍が希少本(貴重本)に該当するか若しくはこれに準じるものに該当するか又はそれ以外のものであるかを区別して示す情報であり,外務省が希少本又は準貴本と評価した書籍を特定するものであるから,上記係争情報が公になれば,総監本及び曾禰本のうち外務省の調査において希少本と評価された書籍が北朝鮮や韓国に知られることとなり,北朝鮮及び韓国は,我が国との交渉にあたり,我が国に対し,総監本及び曾禰本のうち外務省の調査において希少本と評価された書籍を引き渡すことを求めることになる可能性が十分に考えられるほか,これまで韓国に贈与した書籍の選定の仕方について非難するなど,我が国との交渉を自らに有利に進めるための材料とすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該 て,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過,既に具体的な書名等は開示されていることに鑑みれば,上記係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,前記のとおり,統監本及び曾禰本を含む文化財については今後も北朝鮮や韓国との間で引渡しに関する交渉がありうると想定されるところ,今後統監本及び曾禰本を含む文化財の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの 対象及び数量等が判断されることになるのであり,文化財としての価値の高低は時の経過や時代の推移によって大きく変化するものでないことからすれば,上記イのとおり判断されるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (3) 通し番号1-62の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C221,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-62の文書は,昭和33年2月15日から同月16日にP10に掲載されたP11執筆の「郵便文化財の回収問題」と題する文書及びこれとともに綴られている,日本国内にある韓国の郵便文化財を韓国に引き渡す問題に関連する複数の文書である。控訴に係る係争情報が記録されている部分は,上記文書(乙C221)中の① 昭和40年5月4日付け「逓信文化財目録 いる,日本国内にある韓国の郵便文化財を韓国に引き渡す問題に関連する複数の文書である。控訴に係る係争情報が記録されている部分は,上記文書(乙C221)中の① 昭和40年5月4日付け「逓信文化財目録による処置総括調書」の1枚目(乙C221の-25-頁)の「B 引渡しできないもの」の区分の「1 滅失したもの」及び「2 引継をうけていないもの」に続く「3」の項目名,② 「(参考資料1)外務省から提示された韓国作成の「逓信文化財目録」中,現在郵政省逓信博物館で所蔵していない資料目録(この目録に登載の資料は,関東大震災および第2次世界大戦中に滅失したものと思われる。)」と題する目録の1枚目(乙C221の-26-頁)の「義州郵逓司小標札」の品名に対応する「備考」欄の記載,③ 「(参考資料3)郵政省逓信博物館所蔵の韓国関係逓信文化財目録」と題する目録の1枚目(乙C221の-28-頁)の表題名に続く部分及び「△永登浦郵逓司用諸印」の品名に対応する「備考」欄の記載(以上合計2か所),④ 昭和40年5月19日付け「逓信文化財目録による処置総括調書」 の1枚目(乙C221の-30-頁)の「B 引渡しできないもの」の区分の「1 滅失したもの」及び「2 引継をうけていないもの」に続く「3」の項目名,⑤ 上記②と同じ記載(乙C221の-33-頁)並びに⑥ 「(参考資料3)郵政省逓信博物館所蔵の韓国関係逓信文化財目録」と題する目録(乙C221の-35-頁)の表題名に続く部分及び「△雑印」の品名に対応する「備考」欄の記載(以上合計2か所)の各黒塗り部分である。 b 逓信博物館は,昭和36年12月16日付けで外務省アジア局北東アジア課韓国班P12事務官宛に逓信博物館所蔵資料中韓国に関する見本参考品に関する調書を送付した。外務大臣官房長は,郵政大臣官房 b 逓信博物館は,昭和36年12月16日付けで外務省アジア局北東アジア課韓国班P12事務官宛に逓信博物館所蔵資料中韓国に関する見本参考品に関する調書を送付した。外務大臣官房長は,郵政大臣官房長宛に昭和38年3月29日付け「逓信博物館所蔵の韓国関係資料に関する件」と題する書面を送付し,日韓会談の一環である文化財関係会合において韓国側が韓国文化財の返還を要求しており,返還請求目録中には逓信文化財として逓信博物館所蔵韓国関係資料を含めているので,韓国に対する贈与文化財の一部にこれを含めることができれば,本問題の円滑な解決に貢献するところが大きいと期待されること,ついては,郵政省においてもその贈与について協力してほしいこと等を通知し,逓信博物館所蔵韓国関係資料の贈与を依頼した。郵政大臣官房長は,外務大臣官房長宛に同年7月12日付け「逓信博物館所蔵の韓国関係資料の返還について」と題する書面を送付し,上記の件に原則的に賛成する旨を回答した。こうして,郵政大臣官房長は,外務大臣官房長宛に昭和40年5月4日付け「逓信博物館所蔵の韓国関係資料の引渡しについて」と題する書面を送付し,別紙に添付した「郵政省逓信博物館所蔵の韓国関係逓信文化財目録」記載の資料を引き渡すこととした旨の通知をした。 c 上記aの文書中の上記各箇所(乙C221の-25-頁,-26-頁,-28-頁,-30-頁,-33-頁,-35-頁)に記録されている 控訴に係る係争情報は,逓信博物館所蔵の韓国関係逓信文化財(郵便文化財)の帰属等に関する事項であり,昭和40年ころ,我が国が韓国から韓国由来のものとして返還請求を受けていた逓信文化財について,外務省が,それを返還するとした場合,その受領権限が韓国又は北朝鮮のいずれに帰属するのかを検討した内容等に係る情報であると認められ 国から韓国由来のものとして返還請求を受けていた逓信文化財について,外務省が,それを返還するとした場合,その受領権限が韓国又は北朝鮮のいずれに帰属するのかを検討した内容等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財に対して強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,これらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には朝鮮半島由来の文化財問題に関する交渉が行われることが想定されている。逓信文化財についても,北朝鮮の返還要求の対象となる可能性がある。そうすると,上記各係争情報が公になれば,個別の逓信文化財についてこれを返還するとした場合にその受領権限が韓国又は北朝鮮のいずれに帰属するのかを検討した内容等が北朝鮮に知られることとなり,北朝鮮は,上記文書中の上記各箇所の周辺に記録されている情報と合わせると,自らと関係する逓信文化財の品目や数量等のほか,我が国がその返還に関する受領権限が韓国又は北朝鮮のいずれに帰属するかにつきどのような検討を行っていたかを推測するための重要な材料を得ることになり,我が国との交渉にあたり,我が国に対し引渡しを請求する逓信文化財を選別する際の参考となり,これらの逓信文化財につき我が国に対して一方的かつ恣意的に強硬な引渡請求をしたり,我が国の対応を推測するために用いたりするなど,我が国との交渉を自らに有利に進めるための材料とすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそ ることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過,既に具体的な書名等は開示されていることに鑑みれば,上記係争情報の開示が北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない,既に開示されている文化財に係る地名の記載から北朝鮮と韓国のいずれに帰属すべきものと検討したかは推測できるなどと主張する。 しかし,上記のとおり,逓信文化財について今後北朝鮮との間で引渡しに関する交渉がありうると想定されるところ,上記係争情報は,韓国から韓国由来のものとして返還請求を受けていた逓信文化財について,外務省がそれを返還するとした場合にその受領権限が韓国又は北朝鮮のいずれに帰属するのかを検討した内容等であり,今後の我が国と両国との関係にも影響する可能性がある微妙な問題を含むものであって,上記各係争情報が既に開示されている逓信文化財の地名から推測されるものにとどまるとは直ちに認められないことからすれば,上記イのとおり判断されるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (4) 通し番号1-63の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C222,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-63の文書は「文化財会合記録(引渡し品目) 当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C222,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-63の文書は「文化財会合記録(引渡し品目)」と題す る文書(文化財会合記録(引渡し品目)①から同④まで)である。控訴に係る係争情報が記録されている部分は,上記文書(文化財会合記録(引渡し品目)①)の4枚目の「韓国側より,墓誌を全部ほしい旨述べたのに対し,」に続く黒塗り部分(乙C222の-4-頁の黒塗り部分)である。 b 昭和40年6月18日に日韓会談の文化財部会の会合が開催され,韓国側から墓誌全部の返還を求められたことから,日本側は,韓国側に対し,墓誌に係る調査を依頼した。依頼した内容は,日本に所在する朝鮮半島に由来する文化財等で我が国が韓国側に寄贈するものを選別するに際して考慮すべき要素に係るものとなっている。 c 上記文書(文化財会合記録(引渡し品目)①。乙C222)中の「-4-」頁の黒塗り部分に記録されている控訴に係る係争情報は,上記のとおり日本側が韓国側に依頼した依頼の内容に係る情報と,その調査結果いかんによって我が国が墓誌に係る韓国側の返還要求に対していかなる対応をするかについて言及したその言及の内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対し強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有し,これらが自国に返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定される。上記係争情報は,日韓会談当時,我が国に所在する朝鮮半島由来の れらが自国に返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定される。上記係争情報は,日韓会談当時,我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財で韓国側に寄贈するものを選別するに際して我が国が考慮していた要素をうかがい知ることができるものであり,これは,北朝鮮との文化財問題に関する交渉においても北朝鮮側に参考となりうる情報であると考 えられる。したがって,上記係争情報が公になれば,日韓会談当時我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財で韓国側に寄贈するものを選別するに際して我が国が考慮していた要素を北朝鮮に知られることとなり,北朝鮮は,これにより,我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財等に関する交渉における日本側の見解や立場,具体的方針,関心事項,ひいては日本に所在する朝鮮半島由来の文化財等で韓国側に寄贈したものの選別基準をうかがい知ることができることになり,自らが返還を求める文化財を選別するための参考資料とし,あるいは自らとの交渉時における我が国の対応を予測するのに用いたり,過去の我が国の検討内容を所与の前提としてこれに沿う要求をしたりするなど,我が国との交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過などに鑑みれば,上記係争情報を開示したとして 当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過などに鑑みれば,上記係争情報を開示したとしても北朝鮮との文化財問題に係る交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかし,文化財の引渡しに係る我が国の方針は,時の経過や時代の推移によって大きく変化するものでないと考えられることからすれば,上記イのとおり判断されるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (5) 通し番号1-69の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示 情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A108,乙A527,乙C108,乙D108,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-69の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録総説八」と題する内部文書である。この文書の「Ⅶ 軍事政権の成立と第6次日韓会談」の部の「8 政治折衝と請求権問題」の「(3)池田総理の下の勉強会と請求権金額について大蔵・外務両省の試算」中に請求権問題に関して作成された一覧表が編綴されている。上記一覧表には,①「要綱」欄,②「請求項目」欄,③「韓国側請求額」欄,④「試算額」欄と「試算の根拠」欄とから成る「大蔵省案」欄及び⑤「試算額」欄と「注」欄とから成る「外務省案」欄が設けられている。上記④「試算額」欄と「試算の根拠」欄とから成る「大蔵省案」欄及び⑤「試算額」欄と「注」欄とから成る「外務省案」欄はいずれも黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D108の-179-頁から-186-頁までの各黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 我が国は韓国との請求権問題の処理のために 欄はいずれも黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D108の-179-頁から-186-頁までの各黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 我が国は韓国との請求権問題の処理のために検討を行っていたが,昭和37年1月9日,池田総理大臣の下に日韓会談の進め方に関する勉強会が開かれ,大平官房長官,小坂外務大臣,P13アジア局長,P14条約局長,P15参事官が出席し,外務省側から「日韓会談今後の進め方に関する件」を説明して,政治折衝を行う必要性を強調した。池田総理大臣は,この説明を聞いた後に,純請求権の金額について事務当局としての最終案を作るよう指示し,大蔵・外務両省の数字が一致しなくてもよいから,両省からそれぞれの案を出すよう指示した。池田総理大臣の指示に基づき,大蔵省及び外務省が韓国側の個別の請求項目ごとに韓国側の対日請求額についてそれぞれ試算した結果,同月10日,上記一 覧表(第18表韓国側対日請求額および大蔵省・外務省試算額(1962年1月)(大蔵省理財局・外務省アジア局))が作成された。大蔵省案は1600万ドル,外務省案は7077万ドルであり,その試算表とともに,大蔵省理財局,外務省アジア局の名で請求権問題処理に当たっての問題点がまとめられた。 c 上記一覧表の④「試算額」欄と「試算の根拠」欄とから成る「大蔵省案」欄及び⑤「試算額」欄と「注」欄とから成る「外務省案」欄の黒塗り部分(乙D108の-179-頁から-186-頁までの各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,請求権問題処理のために,昭和37年1月,韓国側の個別の請求項目ごとに韓国側の対日請求額について我が国の大蔵省及び外務省が試算(査定)した試算額(査定額)に係る情報並びに大蔵省及び外務省が請求項目ごとにそのような試算(査 昭和37年1月,韓国側の個別の請求項目ごとに韓国側の対日請求額について我が国の大蔵省及び外務省が試算(査定)した試算額(査定額)に係る情報並びに大蔵省及び外務省が請求項目ごとにそのような試算(査定)をした具体的かつ詳細な根拠等に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性日韓両国間の請求権問題は,前記2の(2)に認定したとおりであり,解決までに長年月を要する困難な問題であって,経済協力方式により決着を見たが,前記認定のとおり,今後の日朝国交正常化交渉において,請求権問題が交渉の対象となる可能性があるところ,上記各係争情報が公にされた場合,韓国側の個別の請求項目ごとに韓国側の対日請求額について我が国の大蔵省及び外務省が試算(査定)した試算額(査定額)並びに大蔵省及び外務省が請求項目ごとにそのような試算(査定)をした具体的かつ詳細な根拠等を北朝鮮に知られることとなり,北朝鮮は,韓国側の個別の請求項目ごとの韓国側の対日請求額と上記係争情報とを比較対照することにより,我が国が韓国側の請求額に対してどのような割合で試算(査定)したか,試算(査定)の方針,方法,具体的かつ詳細な根拠を知ることとなり,我が国との交渉に際して,これを利用して事前に我が国の対応を推測ない し分析し,我が国が韓国側の個別の請求項目ごとの韓国側の対日請求額に対して示した査定額や査定割合を所与のものとして,これを逆手にとって更に上乗せした額を自らの要求内容として請求するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性がある。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条 性がある。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,既に開示されている理財局外債課作成名義の「日韓関係想定問答(未定稿)」と題する文書(甲164)の37頁以下などから上記係争情報の内容は推測可能であること,日朝平壌宣言で経済協力方式によることの基本的合意があること,40年以上の時の経過があることなどから,上記各係争情報を開示したとしても北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 証拠(甲164)及び弁論の全趣旨によれば,理財局外債課作成名義の「日韓関係想定問答(未定稿)」と題する文書(甲164)には,上記係争情報と同じ理由から不開示とすべき情報が記録されているのに,1審被告側が誤って開示した部分が含まれており,そのため,上記係争情報の内容が一定程度推測可能となっていることが認められるが,上記文書は上記各係争情報を含む文書とは体裁が異なる明らかに別の文書であり,上記文書に記録されている情報も上記各係争情報と全く同一のものとまでは認められないこと,同一の情報が複数の公文書に記載されているか否かによって当該情報の信憑性に差異が生じると考えられることなどからすれば,上記文書に記録されている情報が開示されていることを考慮してもなお,上 記各係争情報を開示することで他国との交渉上不利益を生じるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があるというべきである。また,日朝平壌宣言で経済協力方式によることについて合意が成立しているとはいえ,日韓両国間の請求権問題が解決に至るまでの間,韓国側 あると外務大臣が認めることにつき相当の理由があるというべきである。また,日朝平壌宣言で経済協力方式によることについて合意が成立しているとはいえ,日韓両国間の請求権問題が解決に至るまでの間,韓国側の「対日請求要綱八項目」をめぐって,基本的な立場を異にする両国間で長期間にわたって検討と交渉を重ね,ようやく経済協力方式により決着を見たという経過に鑑みれば,来るべき日朝国交正常化交渉においても,交渉妥結に至るまでの過程においては同様の展開をたどり,その交渉過程における検討内容が最終的な経済協力方式による解決の中身に影響する可能性は小さくないと考えられるのであるから,両国間で請求権問題に係る交渉が行われる余地がないとはいえず,請求権問題は,北朝鮮との関係で我が国の未解決の外交課題の1つとして残存していると考えられるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (6) 通し番号1-74の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A231,乙A503,乙A527,乙C231,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-74の文書は,昭和28年10月23日付け「韓国文化財の提供について」と題する文書とともに綴られている,日本国内にある韓国の文化財を韓国に引き渡す問題に関連する複数の文書(昭和32年2月21日付け「韓国文化財について」と題する文書,昭和33年2月6日付け文化財保護委員会作成名義の「韓国関係文化財参考資料」と題する文書並びにその別紙として添付されている昭和32年2月28日付け文化財保護委員会作成名義の「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録及び昭和33年2月6日付け文化財保護委員会作成 名義 びにその別紙として添付されている昭和32年2月28日付け文化財保護委員会作成名義の「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録及び昭和33年2月6日付け文化財保護委員会作成 名義の「東京国立博物館保管の朝鮮古墳出土美術品のリスト」と題する目録等)である。そのうち① 上記「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録については,個々の品名に対応する「受理年月日」欄,「受理区分」欄及び「備考」欄が黒塗りされているほか,末尾に黒塗りされている部分がある。また,② 上記「東京国立博物館保管の朝鮮古墳出土美術品のリスト」と題する目録の表題以外の部分は黒塗りされている。さらに,③ これに続く3頁分が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 韓国は,日韓交渉の当初から我が国所在の韓国関係文化財のいわゆる「返還」を強く主張していた。これを受け,外務省は,文部省文化財保護委員会に対し,昭和27年7月に調査依頼をし,さらに,昭和28年5月に詳細な目録を示して調査依頼をした。この目録は,「日本所在韓国国宝美術工芸品目録」と題するもので,外務省が在日韓国代表部から同月14日に受領したものである。この目録には,文化財保護委員会関係のものとして東京国立博物館所蔵韓国所出品(468件)が含まれている。文化財保護委員会は,いずれも購入又は寄蔵による正規の手続を経て入手したもので,学術上貴重な資料として不可欠のものである旨を外務省に回答した。昭和32年2月28日付け文化財保護委員会作成名義の「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録は,上記の経過で文化財保護委員会が東京国立博物館所蔵韓国関係文化財について行った調査の結果を記載したものである。 c 上記「東京国立博物 東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録は,上記の経過で文化財保護委員会が東京国立博物館所蔵韓国関係文化財について行った調査の結果を記載したものである。 c 上記「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録の個々の品名に対応する「受理年月日」欄,「受理区分」欄及び「備考」欄の黒塗り部分(乙C231の-12-頁から-21-頁までの黒塗り部分。 ただし-21-頁の左端4行の黒塗り部分を除く。)に記録されている控訴に係る係争情報は,上記のとおり韓国側が日本に所在する韓国関係 文化財として我が国に対して調査を依頼した物品の目録に記載された東京国立博物館所蔵の468点について,昭和32年当時,外務省から同博物館に対する依頼に基づき,同博物館が調査し,同博物館がそれらの文化財を所蔵するに至った年月日,入手方法,その他の特記事項について個別に調査,検討した結果に係る情報である。それらの所蔵品の中には,日本が韓国に対して寄贈していない品目も含まれている。 また,上記「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録の末尾(乙C231の-21-頁の左端4行の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,日本側が,韓国の依頼に基づかずに独自に調査し,朝鮮半島由来の文化財であると確認した同博物館所蔵の物品の種類,入手時期,入手方法,入手先等に係る情報であり,これまで韓国側に対して明らかにされていないものである。 さらに,上記「東京国立博物館保管の朝鮮古墳出土美術品のリスト」と題する目録の表題以外の黒塗りされている部分及びこれに続く3頁分の不開示部分に記録されている控訴に係る係争情報(乙C231の-22-頁の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分)は,日本側が,昭和33年1月15 れている部分及びこれに続く3頁分の不開示部分に記録されている控訴に係る係争情報(乙C231の-22-頁の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分)は,日本側が,昭和33年1月15日のP16新聞の記事を参考に,同博物館所蔵の朝鮮半島由来の文化財等を確認,照合し,韓国側が引渡しを請求してくると予想される物品について日本側が調査した結果(品名,個数,当該物品の概要,性質,特徴,状態,入手時期,入手方法等)に係る情報である。北朝鮮に対しても,韓国に対しても,これまでに開示したことのない日本側内部における独自の調査結果に係る情報であり,日本が韓国に対して引き渡していない文化財等に係る情報も多数含まれている。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴 史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財等に対して今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,また,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。今後東京国立博物館所蔵韓国関係文化財についても,北朝鮮の返還要求の対象となるのみならず,韓国からも返還を求められる可能性がある。東京国立博物館所蔵韓国関係文化財の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,東京国立博物館所蔵韓国関係文化財は,文化財保護委員会がいずれも購入又は寄蔵による正規の手続を経て入手したもので,学術上貴重な資料として不可欠のものである旨を回答したものであるから,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものでは がいずれも購入又は寄蔵による正規の手続を経て入手したもので,学術上貴重な資料として不可欠のものである旨を回答したものであるから,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。 したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとするのは頷けるところ,上記各係争情報は,文化財の品目ないし種類,数量のみならず,当該文化財の概要,性質,特徴,状態,入手時期,入手方法等,我が国が当該文化財等について独自に調査,確認した事項に係る情報であるから,これらを公にして北朝鮮又は韓国がこれらを入手した時には,学術上貴重な資料を含めた東京国立博物館所蔵の朝鮮半島由来の文化財の全容が明らかになり,北朝鮮又は韓国が,今後我が国との交渉を行うにあたり,学術上貴重なものをはじめとして当該文化財等が自らに帰属すべきものであると主張する手がかりを与えることになり,我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性がある。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国 との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過,既に具体的な書名等が開示されていることに鑑みれば,上記各係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,前記(1)のイで説示したとおり,我が国は,日韓国交正 に具体的な書名等が開示されていることに鑑みれば,上記各係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,前記(1)のイで説示したとおり,我が国は,日韓国交正常化交渉以来,韓国に対して相当と認めるものを贈与するという立場を採ってきているところ,我が国が朝鮮半島由来の文化財を所蔵するに至った経緯は様々であり,当該文化財と我が国の社会との結び付きの態様,程度も様々であって,文化財の価値も一様ではなく,我が国が韓国及び北朝鮮に対して当該文化財を贈与するかどうかは,上記の各点のほか,諸般の事情を総合的に考慮して判断されるべきものである。上記各係争情報の内容は前記のとおりであって,上記各係争情報は,北朝鮮又は韓国が返還要求の手がかりとするおそれがあるものであることは上記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (7) 通し番号1-75の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A232,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-75の文書は,昭和35年4月6日付け北東アジア課長作成名義の「韓国文化財に関する件」と題する文書である。この文書には別添4としてP17(前北東アジア課長)作成名義の昭和34年1月 16日付け「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書が添付されており,その3枚目(「-16-」頁)の2行目以下が黒塗りされている。この黒塗り部分(乙A232の-16-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和35年4月6日,我が国所在の韓国文化財の引渡問題に関し,外務省アジア局長,同局北東アジア課長,文部省文化財保 A232の-16-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和35年4月6日,我が国所在の韓国文化財の引渡問題に関し,外務省アジア局長,同局北東アジア課長,文部省文化財保護委員会の担当者らが会合を開き,これまでの経緯及び現状について情報交換,意見交換がされた。上記「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書は,その参考資料とされたものである。 c 上記「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書の3枚目(「-16-」頁)の2行目以下の黒塗り部分(乙A232の-16-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,我が国が文化財問題解決のため韓国側に引き渡す旨を提案することを検討中の文化財の所在及び個数と,我が国が引渡しを検討中の文化財の数量に対する韓国側の認識を推測した内容,我が国の提案に対して予想される韓国側の対応,これらを踏まえた我が国の対応とこれに関する問題点,我が国がある種別の文化財を引き渡すに当たっての問題点と必要となる措置等に係る情報である。これには,それを実施する上での弱点とも捉えられかねない機微にわたる問題点の検討内容等が含まれている。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財に対し強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有し,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものであることを主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める 可能性がある。上記係争情報は,韓国側に寄贈するものの選別基準ないしそれに準ずるものというべきであり,我が国 が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める 可能性がある。上記係争情報は,韓国側に寄贈するものの選別基準ないしそれに準ずるものというべきであり,我が国の弱点とも捉えられかねないような機微にわたる問題点の検討内容等をも含むものであるから,上記係争情報を公にして北朝鮮や韓国がこれを知ることになれば,将来の交渉に際して我が国の対応やその意図を推測ないし分析するなどして,交渉を自らに有利に進めるための資料として使用することが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性がある。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,そもそも文化財問題の具体的な問題点及びその解決策について政府部内で検討した内容,経過等を秘匿することについては何ら外交上の正当性がない,上記係争情報がたった1頁程度のもので,簡単な検討内容に過ぎないものと考えられるから,仮に日本側の弱点と捉えられかねない内容を含むとしても,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過からすれば,上記係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,前記(1)のイで説示したとおり,我が国は,日韓国交正常化交渉以来,韓国に対して相当と認めるものを贈与するという立場を採ってきているところ,我が国が朝鮮半島由来の文化財を所蔵するに至った経緯は様々であり,当該文化財と我が国の社会との結び付きの態様,程度も様々であって,文化財の価値も めるものを贈与するという立場を採ってきているところ,我が国が朝鮮半島由来の文化財を所蔵するに至った経緯は様々であり,当該文化財と我が国の社会との結び付きの態様,程度も様々であって,文化財の価値も一様ではなく,我が国が韓国及び北朝鮮に対して当該文化財を贈与するかどうかは,上記の各点のほか,諸般の事情を総 合的に考慮して判断されるべきものである。そして,外交交渉に係る政府部内の検討の内容,経過が我が国のいわば手の内に相当するものである場合に,これを秘匿することに正当性がないとはいえず,それが日本側の弱点とも捉えられかねないものであれば,日本側に不利となる蓋然性を否定できない。以上のことは,今後も交渉の対象となることが想定しうる文化財問題に関しては,時の経過や時代の推移によっても大きな変化がないというべきである。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (8) 通し番号1-80の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A237,乙A527,乙C237,乙E237,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-80の文書は,外務省が作成した昭和27年2月18日付けの「文化財保護委員会P18氏との会見報告」と題する文書及びこれとともに綴られている,我が国所在の朝鮮由来の文化財に関連する複数の文書である。そのうち控訴に係る係争情報に直接関係するのは,外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)が,文部省文化財保護委員会委員長及び文部事務次官に対し,同年7月19日付け亜二合第1142号「韓国書籍,美術工芸品調査依頼の件」と題する文書をもって,日本国内にある韓国書籍について関係機関等に書籍名(若しくは美術 護委員会委員長及び文部事務次官に対し,同年7月19日付け亜二合第1142号「韓国書籍,美術工芸品調査依頼の件」と題する文書をもって,日本国内にある韓国書籍について関係機関等に書籍名(若しくは美術工芸品名),学術的(美術的)価値の簡単な説明,評価見込額,現所有者(公私の別),入手経路及び入手年月日,韓国より日本に到来した経路の調査を依頼した文書及びその回答文書等である。そのうち,① 昭和27年8月21日付け市立米澤図書館長作成名義の文部省大学学術局長宛ての「韓国書籍の調査報告」と題する文書に添付されている 別紙「朝鮮版書籍目録」と題する目録については,表題以外の部分が黒塗りされている。また,② 昭和27年8月21日付け国立国会図書館一般考査部長作成名義の文部省大学学術局情報室宛ての「韓国書籍の調査」と題する文書の3枚目以降11頁分が不開示とされている。さらに,③ 昭和27年8月23日付け名古屋市の蓬左文庫(尾張徳川家の旧蔵書を所蔵する施設)主事作成名義の文部省大学学術局情報室宛ての韓国書籍調査の件についての報告文書に添付されている別紙「書籍名(蓬左文庫所蔵朝鮮本目録)」と題する目録中個々の書名に対応する「評価見込」欄及び「備考」欄については黒塗りされている。上記各黒塗り部分(乙E237の-26-頁及び-30-頁から-40-頁までの各黒塗り部分)並びに不開示部分(乙E237の-28-頁の「次頁以下11頁不開示」の記載に該当する部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省は,日韓国交正常化交渉における文化財問題について政府部内で検討するための資料を収集するため,昭和27年7月21日付け外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)名義の「韓国書籍,美術工芸品調査依頼の件」と題する文書をもって,文部省文化 政府部内で検討するための資料を収集するため,昭和27年7月21日付け外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)名義の「韓国書籍,美術工芸品調査依頼の件」と題する文書をもって,文部省文化財保護委員会委員長及び文部事務次官宛に,日本国内にある韓国書籍について関係機関等に調査を依頼した。これを受けて関係機関等は調査を行い,その結果を文部省大学学術局宛に報告した。文部省大学学術局は,報告を受けた調査結果を外務省アジア局に伝達した。 c 上記aの① 昭和27年8月21日付け市立米澤図書館長作成名義の文部省大学学術局長宛ての「韓国書籍の調査報告」と題する文書に添付されている別紙「朝鮮版書籍目録」と題する目録の黒塗り部分(乙E237の-26-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,山形県の市立米澤図書館に所蔵されている韓国書籍の具体的な書名 及び冊数に係る情報である。 また,上記aの② 昭和27年8月21日付け国立国会図書館一般考査部長作成名義の文部省大学学術局情報室宛ての「韓国書籍の調査」と題する文書の3枚目以降11頁分の不開示部分(同-28-頁の「次頁以下11頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,国会図書館に所蔵されている韓国書籍の具体的な書名,冊数,著者名,発行地,発行所及び刊年等に係る情報である。 さらに,上記aの③ 昭和27年8月23日付け名古屋市の蓬左文庫(尾張徳川家の旧蔵書を所蔵する施設)主事作成名義の文部省大学学術局情報室宛ての韓国書籍調査の件についての報告文書に添付されている別紙「書籍名(蓬左文庫所蔵朝鮮本目録)」と題する目録中個々の署名に対応する「評価見込」欄及び「備考」欄の各黒塗り部分(乙E237の-30-頁から-40-頁までの各黒塗 ての報告文書に添付されている別紙「書籍名(蓬左文庫所蔵朝鮮本目録)」と題する目録中個々の署名に対応する「評価見込」欄及び「備考」欄の各黒塗り部分(乙E237の-30-頁から-40-頁までの各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,名古屋市の蓬左文庫(尾張徳川家の旧蔵書を所蔵する施設)に所蔵されている韓国書籍の書名,冊数及び評価見込額のほか,一部書籍について入手経路ないし朝鮮半島から到来した経緯等の概要に係る情報である。控訴に係る係争情報にはどの書籍が当該概要で述べられた内容に該当するかが特定できる情報も含まれている。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対し今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが予想され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。今後学術上貴重な資料を含めた市立米 澤図書館所蔵の韓国書籍,東京国立博物館所蔵の韓国書籍及び名古屋市の蓬左文庫所蔵の韓国書籍についても,北朝鮮の返還要求の対象となるのみならず,韓国からも返還を求められる可能性がある。これらの韓国書籍の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を いて諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとするのは頷けるところ,上記各係争情報が公になり,北朝鮮及び韓国がこれらを知るときには,学術上貴重な資料を含めた市立米澤図書館所蔵の韓国書籍,東京国立博物館所蔵の韓国書籍及び名古屋市の蓬左文庫所蔵の韓国書籍の全容が明らかになり,北朝鮮及び韓国が,今後我が国との交渉を行うにあたり,学術上貴重なものをはじめとして当該書籍等が自らに帰属すべきものであると主張し,その返還要求を理由付ける手がかりを与えることになり,交渉を自らに有利に展開しようとして,我が国が交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は書籍等に関する客観的事実を含むものであるから,秘匿することについて何ら外交上の正当性がない,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,40年以上の時の経過からすれば,上記各係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(6)のウにおいて説示したところと同様であり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (9) 通し番号1-81の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア証拠(証人P4,弁論の全趣旨)によれば,証拠(乙A 主張を採用することはできない。 (9) 通し番号1-81の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア証拠(証人P4,弁論の全趣旨)によれば,証拠(乙A238,乙A527,乙E238,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-81の文書は,外務省が作成した昭和28年5月20日付けの「韓国関係文化財調査に関する打合」と題する文書及びこれとともに綴られている,我が国所在の朝鮮由来の文化財に関連する複数の文書である。そのうち控訴に係る係争情報に直接関係するのは,外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)が,文部事務次官及び文部省文化財保護委員会委員長に対し,同月19日付け亜二合第1112号「韓国関係文化財調査依頼の件」と題する文書をもって,日本国内にある韓国関係文化財について関係機関等に調査を依頼した文書及びその回答文書等である。そのうち,① 「京都大学文学部陳列館所蔵韓国出土遺物」の目録については,各遺物毎の「品名」欄,「数量」欄,「出土地」欄,「受入年」欄,「入手経路」欄及び「購入時の代価」欄が黒塗りされている。また,② 「名古屋市蓬左文庫所蔵韓国図書に関する調査報告」と題する文書添付の「蓬左文庫所蔵韓国図書目録」については,「図書名」欄,「刊写年代」欄及び「冊数」欄の各記載部分は開示されているが,各図書に対応する上記各欄に続く「原(旧)蔵者および入手経路」欄の記載部分は黒塗りされている。上記各黒塗り部分(乙E238の-15-頁の黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の記載に該当する部分並びに同-18-頁から-27-頁までの各黒塗り部分(ただし,書籍等の経済的評価の部分を除く。))に控訴に係る係争情 報が記録されている。 b 外 以下4頁不開示」の記載に該当する部分並びに同-18-頁から-27-頁までの各黒塗り部分(ただし,書籍等の経済的評価の部分を除く。))に控訴に係る係争情 報が記録されている。 b 外務省は,日韓国交正常化交渉における文化財問題について政府部内で検討するための資料を収集するため,外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)名義の文部事務次官及び文部省文化財保護委員会委員長宛同月19日付け亜二合第1112号「韓国関係文化財調査依頼の件」と題する文書をもって,日本国内にある韓国関係文化財について関係機関等に調査を依頼した。上記事務次官文書は,上記(8)の昭和27年7月19日付け亜二合第1142号「韓国書籍,美術工芸品調査依頼の件」と題する文書に続き,更に韓国関係文化財について,a 現所有者名,入手年月日,入手方法及び経路,b 日本渡来の経緯(日本渡来当時の所有者及び朝鮮人最後の所有者名(判明する限りその南北鮮別を注記のこと),渡来の年代,渡来の方法及び経路),c 各文化財の内容性質(各文化財についての簡単な説明(製作年代,作者名,原所在地,形状等),文化的価値(国宝,重要美術品,重要文化財,あるいは学術的貴重性等),経済的価値)等の調査を依頼するものである。これを受け,京都大学文学部,愛知県教育委員会等の関係機関が調査を行い,その結果を文部省を通じて提出した。 c 上記aの① 「京都大学文学部陳列館所蔵韓国出土遺物」の目録の各遺物毎の「品名」欄,「数量」欄,「出土地」欄,「受入年」欄,「入手経路」欄及び「購入時の代価」欄の各黒塗り部分(乙E238の-15-頁の黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,「京都大学文学部陳列館所蔵韓国出土遺物」の目録のうち,各遺物毎の品名, 欄の各黒塗り部分(乙E238の-15-頁の黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,「京都大学文学部陳列館所蔵韓国出土遺物」の目録のうち,各遺物毎の品名,数量,出土地,受入年,入手経路及び購入時の代価に係る情報である。また,上記aの② 「名古屋市蓬左文庫所蔵韓国図書に関する調査報告」と題する文書添付の「蓬左文庫所蔵韓国図書目録」の「原(旧)蔵者および入手経路」欄の黒塗り部分(同 -18-頁から-27-頁までの各黒塗り部分。ただし,書籍等の経済的評価の部分を除く。)に記録されている控訴に係る係争情報は,蓬左文庫所蔵韓国図書目録のうち,各書籍毎の原(旧)所有者及び入手経路に係る情報である(なお,経済的評価に係る情報は,原判決が不開示を相当と判断し,これに対して1審原告らは附帯控訴を申し立てている。 後記5の(12)において判断するとおりである。)。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,日本にある朝鮮半島由来の文化財に対し今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが予定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。そうすると,上記各係争情報が公になり,北朝鮮及び韓国が上記回答当時の京都大学文学部陳列館所蔵の韓国出土遺物及び名古屋市蓬左文庫所蔵の韓国図書の調査結果を知ることとなれば,北朝鮮及び韓国は,今後我が国との交渉を行うにあたり,当該文化財の原所有者及び入手経路等が上記各情報どおりであることを前提として,当該文化財が自らに帰属すべきものであると主張したり,我が国が韓国に引き渡した文化財 ,今後我が国との交渉を行うにあたり,当該文化財の原所有者及び入手経路等が上記各情報どおりであることを前提として,当該文化財が自らに帰属すべきものであると主張したり,我が国が韓国に引き渡した文化財と引き渡さなかった文化財とを比較検討したりして,返還請求の対象を選別したり範囲を決定したりするための資料とし,返還請求を理由付ける手がかりとし,さらには日本の対応を推測したりして,交渉を自らに有利に展開しようとし,我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は,日本側の調査結果としての日本国内に所在する韓国文化財及び書籍等に関する客観的事実に過ぎず,文書作成後の時の経過や社会情勢の変化等を考慮すると,これを開示したとしても北朝鮮や韓国との交渉上不利益を生ずるおそれはないなどと主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(6)のウにおいて説示したところと同様である。上記各係争情報は,客観的事実であっても公開することにより外交交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないし,時の経過等によりその不利益のおそれが低減又は消滅したと認めるべき証拠もない。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (10) 通し番号1-82の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A239,乙A506,乙A527,乙C239,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認 記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A239,乙A506,乙A527,乙C239,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-82の文書は,外務省が作成した昭和28年6月5日付けの「P19について」と題する文書,同月10日付けの「P20蔵書について」と題する文書及び同年7月15日付けの「韓国関係古書籍について」と題する文書である。そのうち,同年6月10日付けの「P20蔵書について」と題する文書の4枚目以降10頁分が不開示とされており,ここに控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省は,昭和28年5月14日に韓国側から我が国所在の韓国関係古書籍について調査を依頼され,内閣文庫,宮内庁書陵部図書寮,P21,蓬左文庫,P20,P19,P22及び水戸家について調査を行った。同年6月9日P20(加賀前田家が所蔵していた古文書等を保存管理している施設)の長から聞き取り調査をした。その結果をまとめた文 書が同月10日付けの「P20蔵書について」と題する文書である。P20の蔵書は,前田利家以来前田家5代にわたって収集されたものであり,大正15年に財団法人P23(後の財団法人P24に寄付されたものである。 c 上記aの昭和28年6月10日付けの「P20蔵書について」と題する文書中の不開示部分(乙C239の-6-頁の「次頁以下10頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,韓国側から外務省に対する調査依頼を受け,P20について行った朝鮮半島由来の蔵書に関する詳細な調査結果であり,P20蔵書の品目,数量,撰者,抄本であること等の参考事項を内容とする情報である。これまで韓国側に対して明らかにしたことがな け,P20について行った朝鮮半島由来の蔵書に関する詳細な調査結果であり,P20蔵書の品目,数量,撰者,抄本であること等の参考事項を内容とする情報である。これまで韓国側に対して明らかにしたことがない朝鮮半島由来のP20蔵書の全容に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対し今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。上記のとおり,上記係争情報は,これまで韓国側に対して明らかにしたことがない朝鮮半島由来のP20蔵書の全容に係る情報であり,上記蔵書が両国からの返還交渉の対象となる可能性は大である。上記係争情報が公になり,韓国がこれを知り,朝鮮半島由来のP20蔵書の全容と韓国が我が国に返還を請求した書籍及び寄贈を受けた書籍等とを比較照合すれば,我が国が韓国に寄贈した書籍と寄贈しなかった書籍の種類,内容等を分析することが可能となり,韓国が我が国の これまでの対応を一方的に非難し,新たに強硬に返還要求をすることになる可能性がある。また,北朝鮮が上記係争情報を知れば,同様の比較照合,分析を行い,我が国との交渉にあたり,これを我が国の対応や意図を推測ないし分析するために用い,自らの返還要求を理由付けるための手掛かりとするなど,交渉を自らに有利に進めるために利用することが考えられる。 以上,北朝鮮及び韓国が上記係争情報を知れば,我が国との交渉にあたり,これを ために用い,自らの返還要求を理由付けるための手掛かりとするなど,交渉を自らに有利に進めるために利用することが考えられる。 以上,北朝鮮及び韓国が上記係争情報を知れば,我が国との交渉にあたり,これを我が国の対応や意図を推測ないし分析するために用い,自らの返還要求を理由付けるための手掛かりとするなど,交渉を自らに有利に進めるために利用することが考えられるから,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報であり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報は,日本側の調査結果としての日本国内に所在する韓国文化財及び書籍等に関する客観的事実に過ぎないこと,当該文書作成後の時の経過や社会情勢の変化等を考慮すると,これを開示しても北朝鮮や韓国との交渉上不利益を生ずるおそれはないなどと主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(6)のウにおいて説示したところと同様である。上記係争情報は,客観的事実であっても公開することにより外交交渉上不利益となる蓋然性があることは否定できないし,時の経過等によりその不利益のおそれが低減又は消滅したとは認められないから,公にすることにより我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報であり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。1審原告らの上記主張を 採用することはできない。朝鮮半島由来のP20の引渡しをするかどうかは,今後そのことをめぐって外交交渉が行われる場合に,我が国が諸般の事情を総合考 示情報に該当する。1審原告らの上記主張を 採用することはできない。朝鮮半島由来のP20の引渡しをするかどうかは,今後そのことをめぐって外交交渉が行われる場合に,我が国が諸般の事情を総合考慮して判断すべき問題である。 (11) 通し番号1-84の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A241,乙A527,乙C241,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-84の文書は,「東京国立博物館所蔵韓国所出品」と題する文書である。その別紙として,① 文化財保護委員会作成の「東京国立博物館所蔵韓国所出品」と題する目録及び② 昭和32年2月28日付け文化財保護委員会作成名義の「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録を外務省において筆写したものと思われる同名の目録が添付されている。そのうち上記①の目録については,個々の品名に対応する「発見場所」欄,「受理年月日」欄,「受理区分」欄,「納入者」欄及び「備考」欄の各記載が黒塗りされている(ただし,冒頭の「斧頭」に対応する「受理年月日」欄,「受理区分」欄,「納入者」欄及び「備考」欄の各記載は開示されている。)。また,上記①の目録の末尾に黒塗りされている部分がある。次に,上記②の「東京国立博物館所蔵韓国関係文化財一覧」と題する目録については,個々の品名に対応する「受理年月日」欄,「受理区分」欄及び「備考」欄が黒塗りされている。また,上記②の目録の末尾に黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(6)のアのbの記載を引用する。 c 上記aの①の目録の黒塗り部分(乙C241の-2-頁から-19-頁までの各黒塗り部分。ただし 黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(6)のアのbの記載を引用する。 c 上記aの①の目録の黒塗り部分(乙C241の-2-頁から-19-頁までの各黒塗り部分。ただし-19-頁の左側の黒塗り部分を除く。) に記録されている控訴に係る係争情報①-1は,韓国側が昭和28年5月に日本側に提示した目録(韓国が日本に所在する韓国関係文化財として我が国に対して調査を依頼した物品の目録)に記載された同博物館所蔵の468点について,昭和32年当時,外務省からの調査依頼に対して東京国立博物館が回答した調査結果から成る情報であり,同博物館が上記468点の文化財を所蔵するに至った年月日,入手方法,納入者,その他の特記事項に係る情報である。上記468点の物品には,日本が韓国に対して寄贈していない品目も含まれている。 また,上記aの①の目録の末尾の黒塗り部分(乙C241の-19-頁の左側の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報①-2は,我が国が,韓国側からの調査依頼によらずに独自に調査し,朝鮮半島由来の文化財であると確認した同博物館所蔵の物品の種類,入手時期,入手方法,入手先等に係る情報であり,その内容は韓国側に明らかにされていない。 次に,上記aの②の黒塗り部分(乙C241の-20-頁から-30-頁までの各黒塗り部分。ただし-30-頁の左端の黒塗り部分を除く。)に記録されている控訴に係る係争情報②-1は控訴に係る係争情報①-1とほぼ同様の内容であり,また,上記aの②の目録の末尾の黒塗り部分(乙C241の-30-頁の左端の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報②-2は控訴に係る係争情報①-2と同一の内容である。 イ法定不開示情報該当性及び1審原告らの主張について前記(6 1の-30-頁の左端の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報②-2は控訴に係る係争情報①-2と同一の内容である。 イ法定不開示情報該当性及び1審原告らの主張について前記(6)のイ及びウの記載を引用する。 (12) 通し番号1-85の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容 証拠(乙A527,乙C530,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-85の文書は,外務省アジア局が作成した「韓国関係重要文化財一覧」と題する文書(作成時期不詳)である。そのうち「指定年月日」欄,「品目」欄,「員数」欄,「所有者」欄及び「備考」欄が黒塗りされているほか,末尾に続く次頁分が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示部分(乙C530の-1-頁から-8-頁までの黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省は,文化財保護法所定の重要文化財の指定又は旧重要美術品等の保存に関する法律2条1項に基づく認定を受けた文化財等(以下「重要文化財」という。)を調査し,そのうち,日本国内に所在する朝鮮半島由来のものであることを確認した重要文化財について,重要文化財指定日,品目,数量,所有者,日本に渡来した経緯等を調査してその結果を目録形式でまとめた。こうして作成されたのが上記aの韓国関係重要文化財の一覧表である。 c 上記aの各黒塗り部分及び不開示部分(乙C530の-1-頁から-8-頁までの黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,外務省が重要文化財を調査し,そのうち,日本国内に所在する朝鮮半島由来のものであることを確認した 8-頁までの黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,外務省が重要文化財を調査し,そのうち,日本国内に所在する朝鮮半島由来のものであることを確認した重要文化財について調査した重要文化財指定日,品目,数量,所有者,日本に渡来した経緯等に係る情報である。このような調査結果は韓国側にも開示されていない。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,日本にある朝鮮半島由来の文化財に対し今な お強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。重要文化財もその対象となる可能性が十分に考えられる。上記各係争情報が公になり,北朝鮮及び韓国がこれを知り,我が国に所在する朝鮮半島由来の重要文化財に係る調査結果と我が国が韓国に寄贈した文化財とを比較照合すれば,我が国が我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財等で韓国に寄贈するものを選別するに当たり,当該文化財等が重要文化財であることや,上記調査に際して併せて確認した事項等を,どのように,どの程度考慮したのかなどを分析することが可能となり,我が国が韓国に対してどの程度の数量の重要文化財を寄贈したかなどを分析することも可能となる。そうすると,北朝鮮及び韓国が,我が国との交渉に当たり,これを我が国の対応や意図を予測するために利用し,自らの主張の根拠に使用し,特に北朝鮮においては韓国に寄贈したと同程度の数量の重要文化財の引渡しを求め,韓国との交渉時と同様の対応を我が国に 当たり,これを我が国の対応や意図を予測するために利用し,自らの主張の根拠に使用し,特に北朝鮮においては韓国に寄贈したと同程度の数量の重要文化財の引渡しを求め,韓国との交渉時と同様の対応を我が国に求めるなど,返還要求を理由付けるための根拠として,交渉を自らに有利に進めるために利用することが考えられるから,それにより我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報であり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過を考えれば,上記各係争 情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 この点に関する当裁判所の判断は前記(6)のウにおいて説示したところと同様である。上記各係争情報が北朝鮮及び韓国が今後我が国と交渉する上で両国にとって有利に利用しうる情報であり,我が国にとって不利となりうる情報であることは否定できないのであり,1審原告らの主張を採用することはできない。 (13) 通し番号1-86の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A242,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-86の文書は,昭和37年12月24日付け「韓国文化財の現状等に関する調書」と題する文書及びその添付文書(昭和34年1月16日付け「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書)である。そ 1-86の文書は,昭和37年12月24日付け「韓国文化財の現状等に関する調書」と題する文書及びその添付文書(昭和34年1月16日付け「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書)である。そのうち① 昭和37年12月24日付け「韓国文化財の現状等に関する調書」と題する文書の3枚目(乙A242の-3-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載があり,これに続く2頁分が不開示とされている。② 上記文書の通し12頁(乙A242の-10-頁)にも2箇所黒塗りされている部分がある。また,③上記文書の通し16頁(乙A242の-14-頁)にも2箇所黒塗りされている部分がある。さらに,④ 上記昭和34年1月16日付け「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書の2枚目(乙A242の-17-頁)に「次頁不開示」の記載があり,これに続く頁が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省アジア局北東アジア課は,同課保管の資料限りで韓国文化財の現状等に関して調査し,その結果を調書にまとめた。こうして作成されたのが上記aの昭和37年12月24日付け「韓国文化財の現状等に関する調書」と題する文書である。 c 上記aの①に記載した昭和37年12月24日付け「韓国文化財の現状等に関する調書」と題する文書の3枚目の黒塗り部分(乙A242の-3-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報①-1は,朝鮮総督府により搬出された韓国文化財のうち不開示とされている特定の場所(塚,古墳等)から出土した品について南北鮮の別,国有民有の別,現在の所蔵場所,所蔵するに至った由来等の現状に係る情報であり,上記文書の3枚目に続く2頁分(乙A242の-3-頁の「次頁以下2頁不 所(塚,古墳等)から出土した品について南北鮮の別,国有民有の別,現在の所蔵場所,所蔵するに至った由来等の現状に係る情報であり,上記文書の3枚目に続く2頁分(乙A242の-3-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報①-2とともに,北朝鮮に関係するとの主張が予想される文化財等の品目ないし種別,数量,そのような主張が予想される理由に係る情報である。 上記aの②に記載した上記文書の通し12頁(乙A242の-10-頁)に2箇所黒塗りされている部分に記録されている控訴に係る係争情報②は,東京国立博物館所蔵の韓国文化財及び京都大学所蔵の韓国文化財に係る情報であり,北朝鮮に関係するとの主張が予想される文化財等の品目ないし種別,数量,そのような主張が予想される理由に係る情報である。 また,上記文書の通し16頁(乙A242の-14-頁)の2箇所黒塗りされている部分に記録されている控訴に係る係争情報③は,我が国が,当該文化財等が北朝鮮,韓国のいずれに関係する文化財等と判断するかという点についての判断基準がうかがわれる内容に係る情報である。 さらに,上記aの④の昭和34年1月16日付け「国有の朝鮮関係文化財の現状について」と題する文書の2枚目(乙A242の-17-頁)に続く頁で不開示とされている部分に記録されている控訴に係る係争情報④は,前記(7)に記載した通し番号1-75の文書中の係争情報(乙A232の-16-頁の黒塗り部分の内容)と同じ内容,すなわち我が国が文化財問題の解決のための方針として韓国側に引き渡す旨を提案することを検討中の文化財の所在,個数,我が国が引渡しを検討中の文化財の数量に対する韓国側の認識を推測した内容,我が国の提案に対して予想される韓国側の対応, ための方針として韓国側に引き渡す旨を提案することを検討中の文化財の所在,個数,我が国が引渡しを検討中の文化財の数量に対する韓国側の認識を推測した内容,我が国の提案に対して予想される韓国側の対応,それを踏まえた我が国の対応,我が国がある種別の文化財を引き渡すに当たっての問題点と必要となる措置等に係る情報であり,我が国の基本的な方針についての問題点や機微な検討内容をも含むものである。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財に対して今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。前記のとおり,控訴に係る係争情報①-1及び同①-2並びに同②は,北朝鮮に関係するとの主張が予想される文化財等の品目ないし種別,数量,そのような主張が予想される理由等に係る情報であり,控訴に係る係争情報①-1及び同①-2は,さらに所有者,現状等の情報も含み,控訴に係る係争情報③は,我が国として,北朝鮮に関係する文化財等と判断するか,韓国に関係する文化財等と判断するかという問題についての判断基準が窺われる内容に係る情報であることから,これ らの情報を北朝鮮が知ることとなれば,北朝鮮側が自らの要求を理由付ける手掛かりとしてこれを利用し,我が国との交渉を自らに有利に展開することが考えられる。 また,控訴に係る係争情報④は,上記のとおり,通し番号1-75の文書中の係争情報と同一の内容であるから,これについての法定 してこれを利用し,我が国との交渉を自らに有利に展開することが考えられる。 また,控訴に係る係争情報④は,上記のとおり,通し番号1-75の文書中の係争情報と同一の内容であるから,これについての法定不開示情報該当性の判断は,前記(7)で示したとおりである(なお,通し番号1-75の文書では,乙A232の-16-頁1行目のとおり,「と称している。」の部分が開示されているが,この部分は独立した情報として意味があるものとは認められないから,上記判断を左右しない。)。 したがって,上記各係争情報は,公にすれば,我が国が将来の北朝鮮等との交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が北朝鮮等との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉時の文化財問題について政府部内で検討した内容,経過等を秘匿することについては何ら外交上の正当性がないばかりでなく,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,40年以上の時の経過を考えれば,上記各係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 この点に関する当裁判所の判断は前記(7)のウにおいて説示したところと同様である。上記各係争情報を公にすると北朝鮮や韓国との交渉上我が国が不利益を被るおそれがある情報であることは否定できないのであり,1審原告らのこの主張を採用することはできない。 (14) 通し番号1-87の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示 情報該当性についてア係争情報の内 定できないのであり,1審原告らのこの主張を採用することはできない。 (14) 通し番号1-87の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示 情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A243,乙A527証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-87の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和38年3月18日付け「P8P6博士との懇談記録」と題する文書である。同文書の6頁(乙A243の-6-頁)の宮内庁図書の蔵書に関する記述の2箇所が黒塗りされており,これに続く7頁(乙A243の-7-頁)の上部3行分の記載箇所も黒塗りされている。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省北東アジア課の担当事務官は,昭和38年3月15日,韓国典籍についてP8主査P6博士と非公式に懇談を行った。P6博士は,P8,京都大学河合文庫,寺内文庫,宮内庁図書寮にそれぞれ所蔵されている蔵書について,韓国典籍の冊数,そのうちマイクロフィルムに撮影した冊数,韓国側の返還請求や指摘,蔵書を所蔵するに至った経緯,貴重な資料の存在等について語った。寺内文庫の蔵書,宮内庁書陵部図書寮の蔵書文学部陳列館所蔵韓国出土遺物上記aの同月18日付け「P8P6博士との懇談記録」と題する文書は,P6博士の発言の要点を記載したものである。 c 上記aの昭和38年3月18日付けで作成した「P8P6博士との懇談記録」と題する文書中の各黒塗り部分(乙A243の-6-頁,-7-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,P6博士が保有する宮内庁図書寮の蔵書に係る資料を政府部内で分析,検討した結果であり,具体的には,同資料に記載された情報の概要及び同資料をP6博士が保有した経緯 記録されている控訴に係る係争情報は,P6博士が保有する宮内庁図書寮の蔵書に係る資料を政府部内で分析,検討した結果であり,具体的には,同資料に記載された情報の概要及び同資料をP6博士が保有した経緯に加え,同資料に記載された宮内庁図書寮における朝鮮半島由来の書籍の蔵書量と,別途宮内庁から外務省に交付さ れた宮内庁図書寮の目録に記載された朝鮮半島由来の書籍の蔵書量とを比較した結果に係る情報である。上記係争情報により,宮内庁図書寮には当該目録に記載されていたのと異なる量の朝鮮半島由来の書籍が所蔵されていたことが窺われ,また,P6博士が同資料を保有した経緯については,同資料と同一の情報を入手するための手掛かりとなる情報を含むものである。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の古書を含む文化財に対して今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しているのであって,今後の我が国と北朝鮮との国交正常化交渉の際には,文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求めてくる可能性がある。今後宮内庁図書寮の蔵書も交渉の対象とされる可能性が十分に考えられる。 宮内庁図書寮の蔵書の引渡しをめぐって外交交渉が行われる場合には,我が国が北朝鮮又は韓国の一方的な要求に応じなければならないものではなく,外交交渉において諸般の事情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとす 情を総合考慮して引き渡すかどうか,引渡しの対象及び数量等を判断すべきものである。したがって,外務大臣が,外交交渉が行われる場合に備え,あらかじめ外交交渉上不利益を被ることになる事態を避けようとするのは頷けるところ,上記のとおり,P6博士が保有していた資料には宮内庁図書寮の蔵書量として外務省に交付された目録とは異なる蔵書量が記載されており,同目録以外にも書籍が所蔵されていたことが窺われることから,韓国や北朝鮮がこれを知れば,両国は,我が国に対し,書籍名が特定できなくても,朝鮮半島由来の書籍に関するものであることを理由に,一方的に上記資料に関する調査結果の提出を求 め,さらには,当該資料に記載された書籍全てについて引渡請求や代償請求を強く行い,あるいはその所在等の調査を強く求めるなどして我が国の側が対応に窮することとなるおそれがある。さらに,P6博士がその資料を保有した経緯に関する情報を韓国や北朝鮮が知れば,その元となった資料を入手する手がかりとなり,これによって上記のようなおそれがさらに強まることが考えられる。以上によれば,我が国が交渉上不利益を被ることとなる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報は,たった数行の情報であり,しかも,蔵書量に関する数量の違いが分かるだけのいわば客観的データにすぎないものであるから,北朝鮮や韓国がこれを知ることになっても,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,40年以上の時の経過を考えれば,1審被告が主張する不利益は抽象的にす けのいわば客観的データにすぎないものであるから,北朝鮮や韓国がこれを知ることになっても,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,40年以上の時の経過を考えれば,1審被告が主張する不利益は抽象的にすぎ,北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(1),(2)及び(8)の各ウにおいて説示したところと同様である。客観的データにすぎないものであっても,外交交渉上我が国の不利益となる蓋然性が認められる情報であれば法定不開示情報に該当することは否定できないのであり,上記係争情報は,上記のとおり外交交渉上我が国の不利益となる蓋然性が認められるものであるから,1審原告らの上記主張を採用することができない。 (15) 通し番号1-88の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A244,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-88の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和40年9月18日付け「文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定付属書説明」と題する文書である。その2枚目(乙A244の-2-頁)及び3枚目(乙A244の-3-頁)に黒塗り部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省は,昭和40年9月18日,文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定批准の審議を行う国会に提出する「文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定附属書説明」を作成した。上記aの文書はその内部決裁文書であり,上記協定附属書説明が添付されている。 c 上記aの昭和40年9月18日付け「文化財及び文化 化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定附属書説明」を作成した。上記aの文書はその内部決裁文書であり,上記協定附属書説明が添付されている。 c 上記aの昭和40年9月18日付け「文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定付属書説明」と題する文書中の黒塗り部分(乙A244の-2-頁及び-3-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,韓国側に引き渡されることとなった東京国立博物館所蔵の朝鮮半島由来の文化財の品名及び数量を特定し,その出土場所を始めとする具体的な由来に関する外務省アジア局北東アジア課内のやり取りのほか,文化協力協定の批准国会における対応に関する情報であり,特定の文化財についてはその由来について北朝鮮との関係についても言及する情報が含まれている。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財に対して今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識 を有しており,北朝鮮はこれらが自らに対して返還されるべきものである旨主張しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。東京国立博物館が所蔵していた朝鮮半島由来の文化財についてもその対象となる可能性が十分に考えられる。上記アのとおり,上記係争情報は,東京国立博物館が所蔵していた朝鮮半島由来の文化財のうち韓国に引き渡すこととされた文化財の品名及び数量を特定した上で,その出土場所を始めとする具体的な由来を内容とし,この文化財の由来と北朝鮮との関係にも言及されているものであり,南北朝鮮が対立関係にあることからすれば, とされた文化財の品名及び数量を特定した上で,その出土場所を始めとする具体的な由来を内容とし,この文化財の由来と北朝鮮との関係にも言及されているものであり,南北朝鮮が対立関係にあることからすれば,上記係争情報が開示されれば,上記係争情報は,北朝鮮にとって,韓国に引き渡すこととされた文化財が韓国ではなく北朝鮮に対して引き渡すべきものであったとの主張を根拠付けるための格好の材料となることが考えられ,北朝鮮が,これを利用してその引渡請求や代償請求をすることが考えられ,そのような請求を受けると,既に韓国に寄贈した我が国が困難な立場に置かれ,交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。また,北朝鮮のみならず,韓国も,上記係争情報の内容に基づいて類推し得る文化財等についても一方的に強く引渡しを求めたり,代償を請求したりする可能性が十分に考えられる。 さらに,上記係争情報は,韓国との文化財問題に関する交渉において,我が国の文化財問題に係る基本的な対応方針を決めるに当たって重要な考慮要素とされたものであるから,北朝鮮及び韓国は,これを,将来,我が国と文化財問題について交渉する際,我が国の対応やその意図を推測ないし分析するための材料としたり,自らの主張を正当化するための根拠として用いることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との 交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,40年以上の時の経過を考えれば,もはや上記係争情報 ,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,40年以上の時の経過を考えれば,もはや上記係争情報の開示が北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(13)のウにおいて説示したところと同様である。上記係争情報の内容は上記アに認定するとおりであり,法定不開示情報該当性の判断は上記イに説示するとおりであって,1審原告らの主張は採用することができない。 (16) 通し番号1-97の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A110,乙C110,乙D110,乙A527,証人P4,弁論の全趣旨)によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-97の文書は,外務省が作成した昭和37年3月7日付け「日韓政治折衝に臨む日本側の基本方針」と題する文書その他の関連文書である。上記「日韓政治折衝に臨む日本側の基本方針」と題する文書の11枚目(乙D110の-11-頁)に「次頁以下2頁不開示」の記載がある。上記不開示の記載に該当する部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 上記aの昭和37年3月7日付け「日韓政治折衝に臨む日本側の基本方針」と題する文書の記載内容は,通し番号1-69の文書の「8-253」から「8-262」まで(乙D108の-248-頁から-257-頁まで)の記載内容と同一である。上記係争情報は,通し番号1- 69の文書中の係争情報(乙D108の-257-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分に記録されている係争情報)と同一である。 c 上記aの不開示部分(乙D110の-11-頁の「次頁以下2頁不開 文書中の係争情報(乙D108の-257-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分に記録されている係争情報)と同一である。 c 上記aの不開示部分(乙D110の-11-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,請求権問題について韓国の対日請求額について外務省が請求項目ごとに査定した具体的な金額及び具体的な算定根拠等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性及び1審原告らの主張について前記(5)のイ及びウの記載を引用する。 (17) 通し番号1-103の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙C254)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-103の文書は,文化財保護委員会が作成した昭和33年1月9日付け「日本政府より大韓民国に寄贈すべき美術品のリスト東京国立博物館」と題する文書,昭和33年2月7日付け「日本政府より大韓民国に寄贈すべき美術品のリスト(東京国立博物館)」と題する文書,昭和33年4月12日付け「韓国美術品の贈与について(照会)」と題する文書及びその別紙1「慶尚南道昌寧都α校洞出土美術品リスト(東京国立博物館保管)」と題する目録等の別紙並びに韓国美術品等に関するその他の文書である。上記「慶尚南道昌寧都α校洞出土美術品リスト(東京国立博物館保管)」と題する目録中品目及び数量に対応する「台帳価格」欄及び「時価」欄の記載が黒塗りされている。上記黒塗り部分(乙C254の-4-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 文化財保護委員会は,昭和32年12月30日の閣議決定に基づき,韓国美術品の贈与について文部大臣を通じて大蔵大臣 4の-4-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 文化財保護委員会は,昭和32年12月30日の閣議決定に基づき,韓国美術品の贈与について文部大臣を通じて大蔵大臣と協議し,大蔵大臣から異存がない旨の回答があったので,昭和33年4月12日付け「韓国美術品の贈与について(照会)」と題する文書をもって,外務省に対し,贈与の実施について照会した。上記aの「慶尚南道昌寧都α校洞出土美術品リスト(東京国立博物館保管)」と題する目録は,上記文書の別紙1である。 c 上記目録の黒塗り部分(乙C254の-4-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,韓国側に寄贈した東京国立博物館所蔵の慶尚南道昌寧都α校洞出土の美術品について,同博物館における台帳価格及び外務省が試算した時価に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮及び韓国は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,終戦後の我が国に所在する朝鮮半島由来の文化財について今なお強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有し,北朝鮮はこれらが自らに返還されるべきものである旨主張しており,今後の北朝鮮との国交正常化交渉においては文化財問題に関する交渉が行われることが想定され,韓国も今後同様の問題を再び交渉の対象とするよう求める可能性がある。もとより,朝鮮半島出土美術品も交渉の対象とされる可能性が十分に考えられる。上記係争情報は,東京国立博物館が保管していた朝鮮半島出土美術品について,同博物館が評価した上で定めた台帳価格及び外務省が評価試算した時価であり,北朝鮮や韓国がこれを知れば,当時,我が国が,朝鮮半島出土の美術品のうち,いかなるものにつきどの程度の財産的価値があるものとして評価していたかが明らかとなる 価格及び外務省が評価試算した時価であり,北朝鮮や韓国がこれを知れば,当時,我が国が,朝鮮半島出土の美術品のうち,いかなるものにつきどの程度の財産的価値があるものとして評価していたかが明らかとなるものであるから,北朝鮮又は韓国は,これを利用することにより,又はこれを利用して朝鮮半島出土美術品等の引渡しに関する当時の我が国の基 準,考え方ないし姿勢を推知してこれらを参考とすることにより,今後の我が国との交渉を有利に展開しようとすることになり,これにより我が国が交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,韓国出土美術品の台帳価格や時価という客観的データを秘匿することについては何らの外交上の正当性がなく,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や,40年以上の時の経過を考えれば,もはや北朝鮮や韓国との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記(11)及び(12)の各ウにおいて説示したところと同様である。上記係争情報の内容は上記アに認定するとおりであり,法定不開示情報該当性の判断は上記イに説示するとおりであって,客観的データであるからといって法定不開示情報に該当しないとはいえないのであり,上記係争情報が我が国の交渉上不利益となる蓋然性を否定できないことは上記イに示したとおりであるから,1審原告らのこの主張を採用することはできない。 (18) 通し番号1-165の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性 性を否定できないことは上記イに示したとおりであるから,1審原告らのこの主張を採用することはできない。 (18) 通し番号1-165の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A307,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-165の文書は,大蔵省が作成した昭和27年2月6日付け「平和条約第4条(b)項と在南鮮旧日本財産との関係」と題する 文書及び同月7日付け「第2条による分離地域に係る請求額の処理方法」と題する文書である。後者の11枚目(乙A307の-22-頁)に黒塗り部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 我が国は,昭和27年2月ころ,財産・請求権問題の処理について,平和条約第4条(a)項にいう特別取極の相手方である現に朝鮮の施政を行っている当局が意味する範囲について検討し,南鮮につき韓国政府と,他方北鮮につき北朝鮮政府とそれぞれ特別取極を行うことは理論上矛盾しないとしつつ,韓国政府との間に形式的にせよ南北一体として特別取極を結ぶことはもちろん可能であるし,後に北朝鮮政府を法律上の政府として承認する必要が生じたとしても韓国政府との協定又はそれに基づく処分の効力が否定されることは,少なくとも法理上はあり得ないなどとする見解を採った。この見解が記載されている部分に続いて上記黒塗り部分がある。 c 上記aの昭和27年2月7日付け「第2条による分離地域に係る請求額の処理方法」と題する文書中の黒塗り部分(乙A307の-22-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,将来の北朝鮮との交渉を直接見越した,財産・請求権問題の処理方法に関する我が国の主張の意図・戦略を する文書中の黒塗り部分(乙A307の-22-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,将来の北朝鮮との交渉を直接見越した,財産・請求権問題の処理方法に関する我が国の主張の意図・戦略を要約したもの,及びこれを踏まえて北朝鮮との国交正常化を想定した場合の日本政府の財産・請求権問題の処理方法について基本的な考え方を検討した内容に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後の日朝国交正常化交渉において,財産・請求権問題が交渉の対象とされる蓋然性は否定し得ないところ,上記係争情報は,財産・請求権問題の処理方法に関する我が国の主張の意図・戦略,北朝鮮との国交正常化を想定した場合の日本政府の財産・請求権問題の処理方法 に関する基本的な考え方を検討した内容を示したものであるから,北朝鮮がこれを知れば,我が国と交渉するにあたり,これを参考として我が国の対応やその意図を推測ないし分析し,その成果等に基づいて交渉を自らに有利に進めようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報は,たった4行程度の分量しかなく,よほど奇抜なものでない限り,他の開示された文書からの情報で,ある程度の推測が可能なはずであり,40年以上の時の経過を考えれば,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかし,上記係争情報が他の開示情報等から具体的に推測可能であると認めるに足りる証拠はないし,前記 はずであり,40年以上の時の経過を考えれば,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかし,上記係争情報が他の開示情報等から具体的に推測可能であると認めるに足りる証拠はないし,前記認定のとおり,時の経過があっても北朝鮮との間の請求権問題は未だ解決されたとはいえないものであることからすれば,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (19) 通し番号1-227の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A358,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-227の文書は,外務省アジア局が作成した昭和37年12月15日付け「対韓焦付債権の処理方法」と題する文書である。①その3枚目(「無償供与との関連における焦付債権の処理方式」の項目 が記載されている丁(乙A244の-3-頁))の「(2) 説明」の箇所が黒塗りされており,この丁に続く3頁分が不開示とされている。また,② この丁の後に綴られている「3 延滞利子の問題」の項目が記載されている丁(乙A358-4-頁)の「(1) 債権発生後妥結時までの延滞利子を韓国側に請求することは,以下の事情により,至難かつ不適当である。」という記載に続く箇所も黒塗りされており,この丁の下部に「次頁不開示」の記載があって次頁が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 日本と韓国との間の貿易は,1950年(昭和25年)に署名された日韓貿易金融協定に基づきオープン勘定を通じて決済される原則となっていたが,1953年~1954年ころ朝鮮動乱後の復興のための韓国の対日買付けが増大した結果,協定上のスウィング限度額(2 署名された日韓貿易金融協定に基づきオープン勘定を通じて決済される原則となっていたが,1953年~1954年ころ朝鮮動乱後の復興のための韓国の対日買付けが増大した結果,協定上のスウィング限度額(200万ドル)をはるかに超過した4千数百万ドルが韓国の対日債務として累積した。その後,1961年4月の日韓間の書簡交換により,同年1月31日現在の残高4573万ドルにつき韓国側はその債務を確認し早期決済に妥当な考慮を払うことなどを約束し,その結果,上記4573万ドルは,利子も付されることなく,そのまま暫時棚上げされた形となっていた。1962年12月,我が国の政府内部で韓国に対する上記焦付債権の処理が検討された。上記aの昭和37年12月15日付け「対韓焦付債権の処理方法」と題する文書は,その検討結果を記載した文書である。 c 上記aの①の黒塗り部分及び不開示部分(乙A358の-3-頁の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,日本が韓国に対して有する焦付債権の処理方法に関し,無償供与との関連において検討した方式について日本政府内で検討した詳細な見解及び具体的な交渉戦術に係る情報である。 また,上記aの②の黒塗り部分及び不開示部分(乙A358の-4-頁 の黒塗り部分及び「次頁不開示」の部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,日本が韓国に対する延滞利子を請求することが至難かつ不適当であるとの結論に至った事情及び日本政府部内で検討した具体的な見解及び対処方針に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定事実に証拠(乙A508)及び弁論の全趣旨を併せれば,我が国と北朝鮮との間では,我が国が北朝鮮に対し行う経済援助に係る交渉が行われることが想定されており,この点で日韓交 示情報該当性前記認定事実に証拠(乙A508)及び弁論の全趣旨を併せれば,我が国と北朝鮮との間では,我が国が北朝鮮に対し行う経済援助に係る交渉が行われることが想定されており,この点で日韓交渉時における日韓関係に類似した関係にあること,我が国は当時の韓国に対すると同様,北朝鮮に対しても債権(平成7年に行われた米穀の売渡しに係る債権)を有していることが認められ,したがって,上記想定される交渉においては,我が国の北朝鮮に対する債権及び利息の処理が交渉の対象となる可能性があることが認められる。そして,上記各係争情報は,上記認定のとおり,我が国の韓国に対する債権及び利息に関する処理方針等であることからすると,上記各係争情報を開示し,北朝鮮側がこれを知れば,我が国との上記交渉にあたり,我が国の基本的な交渉方針等を推測する資料となり,また,交渉を自らに有利に進めるための材料としてこれを利用するおそれがあり,我が国が交渉上不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報の特殊性あるいは「手の内」の情報としての性格を識別させる情報がなく,情報公開法5条3号所定の「おそれ」の主張として不十分である上,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,日 朝間では試算によらない経済協力方式によることの基本的合意があること,40年以上の時の経過もあることからすると,上記各係争情報を公にしたとしても,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかしながら,北朝 済協力方式によることの基本的合意があること,40年以上の時の経過もあることからすると,上記各係争情報を公にしたとしても,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかしながら,北朝鮮との間で,経済援助問題との関連で債権や利子等の問題が交渉の対象とされる蓋然性があることは否定できないこと,当該情報が公になった場合,北朝鮮が日本政府の交渉方針等を事前に把握し又は検討するための資料になり得るものであることは,上記認定のとおりである。日韓交渉から時日が経過し,社会情勢が変化しているとしても,北朝鮮との交渉に当たり,上記各係争情報の開示が我が国に交渉上の不利益を被らせる蓋然性がなくなっているとまでは認められない。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (20) 通し番号1-245の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A78,乙A369)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-245の文書は,我が国が作成した昭和39年12月10日付け「日韓基本関係に関する合意要綱案」と題する文書並びに韓国側が作成した「基本関係に関する韓国側要綱(案)」と題する文書及びその和訳文(外務省アジア局北東アジア課仮訳)である。上記和訳文の2枚目末行の「(6) 両国領土を連結する海底電線の均等分轄」という記載について手書きで書き加えられたメモ(「現在死んでいる。復旧の意図なし。しかし,分割地点ないし長さを決めておく要あるべし。」,「確認か否かで差異ある。」)があり,左下の黒塗りされている箇所にも手書きで書き加えられたメモがある。この黒塗り部分(乙A78の-20-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 否かで差異ある。」)があり,左下の黒塗りされている箇所にも手書きで書き加えられたメモがある。この黒塗り部分(乙A78の-20-頁の黒塗り部分)に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 日本と韓国とは,日韓基本条約が未だ交渉過程にあった昭和39年12月ころ,両国の基本関係に関する合意について,その名称,前文,本文の記載について検討し,相互に案を提示した。上記aの各文書は両国がそれぞれ作成して相手国に提示した案である。両国の領域を結ぶ海底電線の均等分轄についても,懸案の一つとして検討された。検討の対象とされた海底電線の中には朝鮮半島にある連結地点が北緯38度線より北側に存在するものも含まれていた。 c 上記aの和訳文の黒塗り部分(乙A78の-20-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,韓国側提示書面を和訳した書面に書き加えられたメモで,日韓の「両国領土を連結する海底電線の均等分轄」に関連する内容のものであり,北朝鮮との関係でも権利関係の問題が表面化する端緒となる内容に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,日本と日本の支配から除かれる領域とを結ぶ海底電線は,サンフランシスコ平和条約(4条(c)項)において当事国間で二等分することと定められていたところ,上記係争情報は,上記認定のとおり,日韓基本条約の基本的内容とすべきものとして当時の韓国側提示書面に記載された事項の1つである「日韓両国領土を連結する海底電線の均等分轄」に関連するものであり,北朝鮮との関係でも権利関係の問題が表面化する端緒となる内容であると認められる。このことに弁論の全趣旨を併せると,上記係争情報が公にされた場合,これは北朝鮮が我が国政府の交渉方針等を事前に把握し検討するための新たな材料になり得るもので,北朝鮮が 緒となる内容であると認められる。このことに弁論の全趣旨を併せると,上記係争情報が公にされた場合,これは北朝鮮が我が国政府の交渉方針等を事前に把握し検討するための新たな材料になり得るもので,北朝鮮が我が国と交渉するにあたり,これを利用して交渉を自らに有利に展開し,それにより我が国が不利益を被ることになる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との 交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報の特殊性あるいは「手の内」の情報としての性格を識別させる情報がなく,情報公開法5条3号の「おそれ」の主張として不十分である上,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,日朝間では試算によらない経済協力方式によることの基本的合意があること,40年以上の時の経過もあることからすると,上記係争情報を公にしたとしても北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はない旨主張する。 しかしながら,上記係争情報の開示により我が国に不利益が生じる蓋然性があると推認しうることは上記のとおりであるから,これに反する1審原告らの上記主張は採用することができない。 (21) 通し番号2-10の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙B94,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-10の文書は,外務省アジア局第二課が昭和28年1月24日ころ作成した「日韓会談再開に関する第1回省内打合会議事要録」と題する文書及びその別紙並びに局長報告「1 日韓会 れる。 a 通し番号2-10の文書は,外務省アジア局第二課が昭和28年1月24日ころ作成した「日韓会談再開に関する第1回省内打合会議事要録」と題する文書及びその別紙並びに局長報告「1 日韓会談再開に関する件」と題する文書並びにその別紙(一)「日韓会談再開に関する件」と題する文書,別紙(二)「日韓会談再開の基本条件に関する打合せ会議状況(28・1・24)」と題する文書,別紙(三)昭和28年1月29日付け「日韓会談再開に関する件」と題する文書及び昭和28年1月23日付け「日韓会談再開の基本条件について」と題する文書から成る文書綴 りである。冒頭の「日韓会談再開に関する第1回省内打合会議事要録」と題する文書の別紙の7枚目(乙B94の-10-頁)にあるP25課長の発言が一部黒塗りされており,この黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 日韓会談は中断していたが,李承晩韓国大統領の訪日を機に日韓双方に友好的雰囲気が生じ,我が国は日韓会談再開に向けて再開の基本条件等を検討し,外務省は昭和28年1月23日次官主宰により日韓会談再開に関する第1回省内打合せを行った。この打合わせには,事務次官のほか,P26参事官,P27情報文化局長,P28参事官,P29条約一課長,P30条約三課長,P31経済五課長,P25アジア二課長等が出席した。P25課長が「日韓会談再開の基本条件」に関する提案理由を説明し,各案件について補足的説明がされた後,質疑応答が行われた。上記aの「日韓会談再開に関する第1回省内打合会議事要録」と題する文書はその議事要録である。請求権問題に関し,請求権については下からの話ではなく,総理,外務,大蔵大臣等の間で話を決める必要があること,請求権の法律論はそのままにしておくことなどの意見が出された後,P25課長 事要録である。請求権問題に関し,請求権については下からの話ではなく,総理,外務,大蔵大臣等の間で話を決める必要があること,請求権の法律論はそのままにしておくことなどの意見が出された後,P25課長が,「本件請求権法理論に関しては,昨年4月28日附の米国国務省のステートメントにおいて,divert(giveup の意)云々の語がある。」と発言し,更に発言を続けたが,議事要録中その箇所が黒塗りされている。 c 上記aの「日韓会談再開に関する第1回省内打合会議事要録」と題する文書の別紙(議事要録)の7枚目(乙B94の-10-頁)にあるP25課長の発言が一部黒塗りされており,この黒塗り部分に記録されている控訴に係る係争情報は,当時,請求権問題を解決するため,日韓両国に影響力を有する米国に対し,いわゆる水面下の依頼として仲介の形での協力を求めた際の米国政府が採った対応状況を内容とするもので, 韓国への対応についての日米間の連携の様子が明らかになるものである。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,外交交渉の過程では,意見交換や情報交換は,特に公表する前提で行われるものでない限り,非公開とするのが国際慣行であると認められるが,このような国際慣行からすれば,相手国政府に依頼して第三国に関する情報を得たり,第三国に対して何らかの働きかけをしてもらうということは,その性質上,特に非公開とすることを約束しない場合であっても,互いにこれが公開されることはないという両国政府間の信頼関係に基づく行動であると考えられる。上記係争情報は,上記のとおり,日韓交渉における請求権問題解決のため,我が国からの水面下の依頼に対し,米国政府が採った対応状況であり,互いにこれが公開されることはないという日米両国政府間の信頼関係に基づくものと考えられ,こ り,日韓交渉における請求権問題解決のため,我が国からの水面下の依頼に対し,米国政府が採った対応状況であり,互いにこれが公開されることはないという日米両国政府間の信頼関係に基づくものと考えられ,これを開示した場合,日米韓3国の相互間に何らかの好ましくない波紋が生じる蓋然性があることは否定できないばかりでなく,上記のような国際慣行に反する行動として,我が国の外交情報管理体制に対する他の国々の信頼を低下させ,今後の外交交渉に好ましくない影響が生じる蓋然性があることも否定できないと考えられる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,他国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報に係る事実から既に40年以上が経過しており,その間に日韓両国を含む国際情勢は刻々と変化を続け,日韓間では,既に請求権協定が締結されて請求権問題が解決するなど,上記係争情報に 係る発言がされた当時と本件各処分時とではその前提となった状況等が著しく変化していることを指摘する。 しかしながら,第三国との関係で相手国から得た情報や協力の内容を公開する取扱いをすることは,上記のような国際慣行に反するものであり,今後も相手国又は他国から様々な情報や協力を得る上で障害となるおそれがあることは否定できないのであり,このことは,時の経過や国際情勢の変化,更には日韓間で請求権協定が締結され,既に長年が経過したことによっても変わらないというべきであるし,上記係争情報の開示が好ましくない波紋を生じさせる蓋然性を否定できないことは上記のとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない 経過したことによっても変わらないというべきであるし,上記係争情報の開示が好ましくない波紋を生じさせる蓋然性を否定できないことは上記のとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (22) 通し番号2-11の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A95,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-11の文書は,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年4月20日付け「日韓交渉に関する第1回各省打合会次第」と題する文書並びに別紙第1(出席者名簿)及び別紙第2(「日韓会議日本側打合会(第1回)概要」と題する文書)から成る文書である。別紙第2の15枚目(乙A95の-19-頁)にあるP32法務省入国管理局長の発言が一部黒塗りされており,16枚目から17枚目にかけて(乙A95の-20-頁~-21-頁)のP33外務省条約局長の発言が一部黒塗りされており,37枚目から38枚目にかけて(乙A95の-41-頁~-42-頁)のP32法務省入国管理局長の発言が一部黒塗りされている。P32法務省入国管理局長の発言に係る上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。また,P33外務省条約局長の 発言に係る上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和27年に行われた日韓会談は円滑に結実せず,昭和28年に日韓で非公式な話合いの形で交渉が行われることになった。同年4月14日外務省において日韓交渉に関する第1回各省打合会が開かれた。この打合会には,外務省,法務省,大蔵省,運輸省,通産省及び農林省の局長級職員を中心とする職員が出席し,外務省からP34参与,P33条約局長らが出席し,法務省か に関する第1回各省打合会が開かれた。この打合会には,外務省,法務省,大蔵省,運輸省,通産省及び農林省の局長級職員を中心とする職員が出席し,外務省からP34参与,P33条約局長らが出席し,法務省からP32入国管理局長らが出席した。打合会では,日韓交渉は漁業問題から始める方針であること,在日韓国人の国籍処遇問題を後回しにすること,大きな情勢の変化として二つの朝鮮ができたことなどの意見が出された後,朝鮮人の送還問題が取り上げられた。 c 上記aのP32法務省入国管理局長の発言に係る各黒塗り部分(乙A95の-19-頁,-41-頁~-42-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,朝鮮人の送還問題,在日韓国人の国籍処遇問題に関する議論の中でされたP32法務省入国管理局長の席上発言の内容であり,P33外務省条約局長の発言に係る各黒塗り部分(乙A95の-20-頁~-21-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,P33外務省条約局長の席上発言の内容である。 これらの発言内容には,在日韓国人の国籍等の取扱いにとどまらず,今日においても韓国国民一般に対する否定的評価と受け止められるおそれのある率直かつ忌憚のない意見が含まれていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,日韓関係は必ずしも良好とは言い難い状況にあり,我が国の政府高官等の言動が韓国政府又は国民から強い反発を受けることもしばしばである現状において,我が国の昭和28年当時の法務省入国管理局長及び外務省条約局長という要職にある者の発言として,上記のよう な韓国国民一般に対する否定的評価と受け止められるおそれのある意見に係る上記各係争情報を公にすることは,その内容からして,日本政府が韓国国民一般に対して同様の否定的評価を有している のよう な韓国国民一般に対する否定的評価と受け止められるおそれのある意見に係る上記各係争情報を公にすることは,その内容からして,日本政府が韓国国民一般に対して同様の否定的評価を有しているとの誤解を与えることになる蓋然性があるほか,これを開示すること自体において,日本政府は日韓両国の友好関係の維持改善を図ることを重視していないとの誤解を与える蓋然性があると考えられる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報が,昭和28年当時の状況を前提とした各高官の意見にすぎず,「現在においてもなお一般的に韓国国民が日本政府から蔑視され,又は日本国民によりその自尊心を害されたなどと感じ得るもの」と認めることができるような根拠も示されていないから,情報公開法5条3号に該当しない旨主張する。 しかしながら,現在も日韓関係には容易ならざるものがあること,1審被告としては,上記各係争情報の内容を推知されない限度で法定不開示情報該当性を立証しなければならない制約があることなどに鑑みれば,これらの情報が韓国国民一般に対する否定的評価と受け止められるおそれのある内容であると認められることをもって上記イのとおり判断すべきであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (23) 通し番号2-19の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A102,乙A527,乙A545,乙C102,乙D102, 証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A102,乙A527,乙A545,乙C102,乙D102, 証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-19の文書は,外務省が作成した「請求権についての若干の法律問題」と題する文書である(作成時期はおそらく昭和27年ころと思われる。)。同文書は,「1 桑港条約第4条において特別取極の主題となる財産,請求権の時期的,人的,物的の範囲」,「2 第4条(b)項の解釈」,「3 在外本店会社の在日財産の帰属」及び「4国内補償問題」の4部で構成されている。そのうち「4 国内補償問題」の部では,サンフランシスコ平和条約4条(a)項にいう特別取極その他国際間の条約,協定によって国が在外私有財産についてその所在国の処分権を認め,あるいは在外私有財産を放棄するが如き場合にも憲法29条3項に定める補償をしなければならないかという問題が提示され,この点に関する政府の従来の態度は,大蔵省が作成した回答案に示されており,在外財産は所在国の法制によって規律される財産であって我が国主権の直接及ぶところではないから,在外財産が当該国によって処分された場合,憲法上の問題としては補償の義務を生ずるとは解していないというものであると要約された上で,この説に対する有力な反対説があることが紹介されているが,この箇所に黒塗り部分がある。すなわち,「4 国内補償問題」の5枚目の末行から6枚目の1行目にかけて(乙D102の-52-頁の末行~-53-頁の1行目),及び6枚目の7行目から末行にかけて(乙D102の-53-頁の7行目~末行)一部黒塗りされている部分があり,この黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 請求権問題についての推移 及び6枚目の7行目から末行にかけて(乙D102の-53-頁の7行目~末行)一部黒塗りされている部分があり,この黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 請求権問題についての推移は前記2の(2)のとおりである。終戦時の日本政府及び国民の韓国所在の財産・請求権は,在韓米軍政庁の軍令33号2条により米軍政庁が取得し,さらに韓国独立後,韓国政府に引き渡され,我が国は平和条約4条(b)項でこれらの処理を承認したが,我が国 は,当初の日韓交渉において,上記軍令33号の解釈として,これが財産・請求権を米軍政庁に終局的に帰属させるものとすれば,ハーグ陸戦法規に違反し無効であるなどと主張し,日本国民が韓国に有していた財産・請求権又はその代償請求権が現存するものとして交渉に臨み,これが韓国側との対立点の1つとなっていた。しかし,昭和32年,両国は,平和条約4条並びに在韓米軍政庁の関連指令及び措置により,韓国内の財産についての日本国及び日本国民はこれらの資産又はこれらの資産に関する利益に対する有効な請求権を主張することはできないが,日本国が平和条約4条(b)項において効力を承認したこれらの資産の処理は,平和条約4条(a)項に定める取極を考慮するに当たって関連があるものとする解釈に同意した。上記aの文書は,この同意より前に作成されたものと推認される。 c 上記aの各黒塗り部分(乙D102の-52-頁及び-53-頁の各墨塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,「平和条約の特別取極その他国際間の条約,協定によって国が在外私有財産についてその所在国の処分権を認め又は在外私有財産を放棄するが如き場合にも憲法29条に定める補償を要しない」とする大蔵省の見解とは異なる見解を外務省が評価した率直な見解に係る情報である。 イ法 ついてその所在国の処分権を認め又は在外私有財産を放棄するが如き場合にも憲法29条に定める補償を要しない」とする大蔵省の見解とは異なる見解を外務省が評価した率直な見解に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,日韓間の請求権問題は,日韓基本条約に付随して締結された日韓請求権協定により解決され,日韓両国の政府及び国民は,相互に,相手国管轄下に保有していた財産・請求権を行使し得ないこととされたが(ただし,日本側の財産・請求権については,前記のとおり,在韓米軍軍令33号及びサンフランシスコ平和条約4条(b)項により行使し得ないものとなっていたとする解釈が合意されていた。),韓国政府は,平成17年8月26日,「日本軍従軍慰安婦問題等,日本政府と軍隊等,日 本の国家権力が関与した反人道的不法行為については,日韓請求権協定で解決したと見ることができず,日本政府の法的責任が残っており,サハリン同胞の問題と原爆被害者問題も請求権協定の対象に含まれなかった」として日韓請求権協定の効力の及ぶ範囲について例外があるとする見解を表明し,平成23年8月30日には,韓国憲法裁判所が,いわゆる従軍慰安婦問題等について,日韓請求権協定3条の紛争解決手続に進まなかった韓国外交通商部の不作為が韓国憲法に違反すると判示し,これを受け,韓国外交通商部が,我が国に対し,同問題等について日韓請求権協定3条1項に基づく協議を行いたい旨の申入れを行い,また,韓国大法院は,平成24年5月24日,第二次大戦中にP1又はP2の前身である会社に徴用されたとする韓国人がこれらの企業に対し損害賠償と未払賃金の支払を求めた事案において,個人の請求権は日韓請求権協定だけで当然に消滅したと見ることはできず,仮に同協定でその請求権に関する韓国の外交保護権が放 する韓国人がこれらの企業に対し損害賠償と未払賃金の支払を求めた事案において,個人の請求権は日韓請求権協定だけで当然に消滅したと見ることはできず,仮に同協定でその請求権に関する韓国の外交保護権が放棄され,日本の国内措置でその請求権が日本国内において消滅したとしても,韓国がこれを外交的に保護する手段を喪失することになるだけであるなどとして,最高裁判所の上告棄却により確定していた日本の裁判所の判決の効力を韓国の公序良俗に反するものとして承認しないものとし,二審判決を破棄して差し戻すという判決をし,その後である同年10月24日には,韓国において,同様の立場にある者らから新たにP2に対する損害賠償請求訴訟が提起されている。以上のとおり,韓国国内では,日韓請求権協定の効力は個人の請求権に及ばない,あるいは一定の種類の請求権について制限されるとする考え方,すなわち日韓請求権協定により請求権問題が完全かつ終局的に解決されたとする考え方とは異なる考え方を推し進めようとする動きが生じている。 上記係争情報が公になると,日韓請求権協定による日本国民の韓国所在の財産・請求権の処理に係る補償の要否に関して,憲法29条3項の解釈 適用に関し上記の大蔵省の見解とは異なる見解がかつて我が国政府部内にあったことが具体的に明らかになる。前記のとおり終戦時の日本政府及び国民の韓国所在の財産・請求権は,在韓米軍政庁の軍令33号2条により米軍政庁が取得し,さらに韓国独立後,韓国政府に引き渡され,我が国は平和条約4条(b)項でこれらの処理を承認したが,我が国は,当初の日韓交渉において,上記軍令33号の解釈として,これが財産・請求権を米軍政庁に終局的に帰属させるものとすれば,ハーグ陸戦法規に違反し無効であるなどと主張し,日本国民が韓国に有していた財産・請求権又 日韓交渉において,上記軍令33号の解釈として,これが財産・請求権を米軍政庁に終局的に帰属させるものとすれば,ハーグ陸戦法規に違反し無効であるなどと主張し,日本国民が韓国に有していた財産・請求権又はその代償請求権が現存するものとして交渉に臨み,これが韓国側との対立の1つとなっていた。その後在韓米軍軍令33号及びサンフランシスコ平和条約4条(b)項により行使し得ないものとなっていたとする解釈が合意されて決着を見たとはいえ,上記の交渉経過に照らせば,上記の大蔵省の見解とは異なる見解が,憲法29条3項の解釈適用上今なお一定の意義を有し,我が国において論議の対象となることを否定することはできない。そうすると,かつて日韓交渉において我が国が上記のような立場で交渉に臨んでいたことが脚光を浴び,韓国国内において改めてこれを非難する論議が生ずることを誘発しかねず,両国内のそれぞれの論議を受け,既に上記の解釈の合意により決着した問題を我が国が蒸し返そうとしていると韓国政府が誤解する事態を招来しかねず,両国の間で無用の軋轢を生じさせ,その結果,こうした動きに関連する日韓間の交渉が避け難いものとなり,我が国が対応に苦慮する事態も想定される。 そうすると,上記係争情報は,公にすることにより,韓国との交渉上不利益となるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について 1審原告らは,請求権協定に係る補償の要否は外務省の所管事項ではないこと,平和条約等による在外資産の喪失に対して憲法29条による補償を請求できないことは最高裁大法廷判決(昭和43年11月27日)以来の確立した判例法理であること,上記係争情報は日本側の補償の要否に関 と,平和条約等による在外資産の喪失に対して憲法29条による補償を請求できないことは最高裁大法廷判決(昭和43年11月27日)以来の確立した判例法理であること,上記係争情報は日本側の補償の要否に関するもので,日韓請求権協定の韓国国内での効力の問題とは別次元の問題であることなどから,当該情報を公にしたとしても,外交交渉上の不利益が生じる蓋然性はない旨主張する。 しかしながら,日韓請求権協定に係る補償の要否の問題は,条約の国内的効力の問題であるから,外務省の所管事項でないとはいえないこと,韓国政府が前記のような見解を示し,韓国憲法裁判所及び韓国大法院が前記のような判断を示すに至っていること,日韓請求権協定の韓国国内での効力の問題と我が国における日韓請求権協定に係る補償の要否の問題とは同一の問題ではないとはいえ,いずれも日韓請求権協定による個人の請求権の処理にかかわるものとして共通するところがあると考えられることからすると,我が国がかつて請求権の処理に係る補償の要否について内部的にいかなる検討を行っていたかが明らかとなれば,これが好ましくない影響を及ぼす蓋然性があることは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (24) 通し番号2-20の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A103,乙A527,乙A545,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-20の文書は,外務省アジア局第2課が作成した「在韓私有財産権放棄と国内補償問題」と題する文書である(作成時期は,通し番号2-19の文書とおおむね同じころと思われる。)。冒頭に国が 条約によって在外私有財産を放棄した場合ないしこれと同様の効果を生ずる取極をし 補償問題」と題する文書である(作成時期は,通し番号2-19の文書とおおむね同じころと思われる。)。冒頭に国が 条約によって在外私有財産を放棄した場合ないしこれと同様の効果を生ずる取極をした場合に憲法29条3項の補償の義務が生ずるか否かという問題が提示され,これを肯定するのが多数説であると紹介した後に現われる箇所(上記文書の3枚目(乙A103の-3-頁)に黒塗りされている部分がある。また,上記文書の3枚目以降ではサンフランシスコ平和条約14条との関係が取り上げられており,その中で,国内補償を行うか否かは,一に国内法たる日本国憲法の規定に従うの他はないとの記述があり,その後に現われる箇所(上記文書の3枚目(乙A103の-7-頁)に黒塗りされている部分がある。さらに,7枚目に続く7頁分が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(23)のアのbの記載を引用する。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A103の-3-頁の黒塗り部分並びに-7-頁の黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,在韓私有財産権を放棄した場合の国内補償に関する問題についての外務省内部の見解に係る情報である。在韓私有財産権放棄と国内補償問題に関して補償義務があるとする多数説や,サンフランシスコ平和条約との関係において外国に存在する日本国民の私有財産権を日本国が放棄した場合にも憲法29条の補償を要するかという問題につき,外務省内部で検討した結果としての具体的見解であって,主として一定の見解に対する理論的な評価等であり,上記(23)のアに示す大蔵省の見解とは異なるものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記(23)のイの記載を引用する。 あって,主として一定の見解に対する理論的な評価等であり,上記(23)のアに示す大蔵省の見解とは異なるものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記(23)のイの記載を引用する。 そうすると,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との交渉上不利益となるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があ る情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓請求権協定の効力・解釈の問題に係る韓国国内での動きと上記係争情報の内容である同協定に係る日本国内での補償の要否の問題とは別次元の問題であるから,上記各係争情報が開示されても日韓関係に影響を生じることはない旨主張するが,この点に関する当裁判所の判断は上記(23)のウと同様であり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (25) 通し番号2-27の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A107,乙A527,乙C107,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-27の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和35年9月20日付け「宮内庁書陵部所蔵の書籍に関する件」と題する文書,昭和38年3月11日付け「P35参事官の宮内庁書陵部往訪の件」と題する文書,昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書及び同月19日付け「文化財(図書関係)調査報告」と題する文書から成る文書綴りである。そのうち昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書の1枚目から2枚目にかけて(乙C107の-22- (図書関係)調査報告」と題する文書から成る文書綴りである。そのうち昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書の1枚目から2枚目にかけて(乙C107の-22-頁~-23-頁)一部黒塗りされている部分がある。また,同月19日付け「文化財(図書関係)調査報告」と題する文書の1枚目(乙C107の-25-頁)に一部黒塗りされている部分があり,1枚目に続く2頁分が不開示とされている。上記各黒塗り部分及び不開示部分に控訴 に係る係争情報が記録されている。 b 昭和39年3月11日,外務省P35参事官は,宮内庁にP36書陵部長,P37図書課長を訪ね,日韓会談に備えて宮内庁図書の韓国への寄贈についての打合せを行った。上記aの昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書は,上記打合せの内容を記載したものである。 また,同月19日,宮内庁書陵部長室において,P9大学教授P5博士,P8P6博士,宮内庁P36書陵部長,P37図書課長,外務省P38事務官らが出席し,宮内庁にある統監本及び曾禰本について,P5博士及びP6博士が行った調査結果について報告がされた。上記aの同日付け「文化財(図書関係)調査報告」と題する文書は,上記報告の内容及び出席者の意見等を記載したものである。 c 上記aの昭和39年3月11日付け「宮内庁図書の韓国への寄贈に関する件打合せ」と題する文書の1枚目から2枚目にかけて(乙C107の-22-頁~-23-頁)黒塗りされている部分に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和39年3月11日,宮内庁図書の韓国への寄贈について,P36宮内庁書陵部長が,宮内庁が所蔵する朝鮮半島由来の書籍について,いかなる観点ないし基準によって韓国に対して寄贈す 控訴に係る係争情報は,昭和39年3月11日,宮内庁図書の韓国への寄贈について,P36宮内庁書陵部長が,宮内庁が所蔵する朝鮮半島由来の書籍について,いかなる観点ないし基準によって韓国に対して寄贈する書籍とその余のものとを選別するか,そのためにいかなる具体的な調査等を行うかということに関する方針について率直に述べた内容に係る情報である。 また,上記aの同月19日付け「文化財(図書関係)調査報告」と題する文書の1枚目(乙C107の-25-頁)に黒塗りされている部分及び1枚目に続く2頁分の不開示部分に記録されている控訴に係る係争情報は,同日,上記宮内庁図書のうち,韓国側に寄贈する文書の選別に当たって調査を担当した朝鮮史等の専門家であるP9大学教授のP5博 士及びP8のP6博士らが行った調査結果の報告に係る情報,宮内庁書陵部の朝鮮半島由来の各書籍の評価についての両博士の率直な調査結果と,同調査結果を踏まえ,どのような書籍を韓国に寄贈すべきか,引渡し後に予想される韓国側の行動,それに伴い日本側にとって不都合と考えられる問題やその対策等について,両博士を始めとする出席者から出された率直な意見に係る情報である。その中には,宮内庁書陵部の朝鮮半島由来の書籍,とりわけ韓国側に引き渡す予定の書籍の日本側における評価が低かったことがうかがわれる発言内容が含まれている。(なお,通し番号2-27の文書は,同1-60の文書と同じ(乙C107)であり,これの-27-頁の黒塗り部分に関しては,前記(1)に判断するとおりである。)イ法定不開示情報該当性前記認定のように,韓国政府及び韓国国民の間では,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,過去の日本による植民地支配等について強い被害意識があり,日本側政府関係者の言動等に端 該当性前記認定のように,韓国政府及び韓国国民の間では,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,過去の日本による植民地支配等について強い被害意識があり,日本側政府関係者の言動等に端を発し,そのような意識が表面化し,激しい反日感情となって現れ,外交問題となることがあり,また,我が国に存在する朝鮮半島由来の文化財に対しては,韓国政府及び韓国国民が強い関心を持ち,引渡しの実現に向けた様々な動きが存在する。 このような状況に鑑みると,上記各係争情報が公になり,韓国側がこれを知れば,日本側が不当に引渡しに応じていないという見方を惹起し,ひいては,我が国に対して不信感を抱き,過去及び現在の文化財問題についての我が国の検討内容及びそれを踏まえた対応について批判的な見方をし,それにより両国間の信頼関係を損なう事態を招来する蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国と韓国と の間の信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報を公にすれば韓国との信頼関係を損なうことになるとする具体的な根拠は何ら明らかにされていない,上記各係争情報は,40年以上前の宮内庁の担当者や民間の文学博士の意見であり,これが韓国国民の感情を害し,韓国との信頼関係を損なうというのは誇張に過ぎるなどと主張する。 しかし,当該具体的根拠を明らかにすることは,係争情報を公にするに等しい結果となりかねないから,ある程度抽象的な主張立証にとどまることは制度上やむを得ないことであるし,上記各係争情報は,韓国へ引き渡した文化財の評価などから,我が国の文化 は,係争情報を公にするに等しい結果となりかねないから,ある程度抽象的な主張立証にとどまることは制度上やむを得ないことであるし,上記各係争情報は,韓国へ引き渡した文化財の評価などから,我が国の文化財問題に対する姿勢として韓国側から批判を浴びかねない内容に係る情報であり,昨今の日韓関係及び文化財問題の状況に照らせば韓国側からの激しい反応もありうるところであり,1審原告らの上記主張を踏まえても,上記イの判断は揺るがないというべきである。 (26) 通し番号2-30の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A110,乙A527,乙C110,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-30の文書は,昭和37年3月7日付け「日韓政治折衝に臨む日本側の基本方針」と題する文書,外務省条約局法規課が作成した同月8日付け「韓国の地位に関する補足説明(日韓間の請求権問題について(総論)(案)付属)」と題する書面及びその別紙と思われる「1 948年国連総会決議表決内訳(アンダーラインはサンフランシスコ平和条約署名国)」と題する文書,同月9日付け「冒頭の発言(案)」と題する文書,同月12日付け「会議の進め方に関する発言」と題する文書,「漁業問題(日本側より発言すべき点)」と題する文書,「在日韓国人の法的地位問題」と題する文書並びに外務省アジア局北東アジア課が作成した同月14日付け「日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議概要」と題する文書である。そのうち同月14日付け「日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議概要」と題する文書の1枚目から2枚目にかけて(乙C110の-30-頁~-31-頁)一部黒塗りされている部分があり,この黒塗 る。そのうち同月14日付け「日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議概要」と題する文書の1枚目から2枚目にかけて(乙C110の-30-頁~-31-頁)一部黒塗りされている部分があり,この黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和37年3月12日,東京において小坂外務大臣と崔徳新外務部長官との間で日韓政治折衝が開催された。この政治折衝における日韓間の懸案は,事務折衝において漁業協定の討議に入ることとなっている漁業問題はさておき,法的地位問題及び請求権問題等であった。同月14日,第2回外相会談が行われた後,外務省において,日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議が開かれた。小坂外務大臣,P39代表,P40事務次官,P13局長及びP15参事官が出席した。この会議における討議の概要を記載した文書が,上記aの同月14日付け「日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議概要」と題する文書である。 c 上記aの黒塗り部分(乙C110の-30-頁~-31-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和37年3月14日に外務省で開かれた日韓政治折衝の今後の進め方に関する打合せ会議において,小坂外務大臣が当時の日韓会談における韓国側の対応について発言した否定的評価を含む率直な見解に係る情報である。同大臣の個人的所感を交えたものが一般的な表現を用いて具体的に示されており,韓 国国民の感情を逆なでしかねないおそれがあると認められる。 イ法定不開示情報該当性我が国と他国との間における相互の信頼関係は,両国間における長い歴史的経過の中で培われていくものであるところ,前記認定のとおり,日韓関係に関する両国の国民感情は,一時的ないし部分的に友好関係が進むことがあっても,韓国側の強い被害意識に基づく 両国間における長い歴史的経過の中で培われていくものであるところ,前記認定のとおり,日韓関係に関する両国の国民感情は,一時的ないし部分的に友好関係が進むことがあっても,韓国側の強い被害意識に基づく言動とこれに対する日本側の反発を基調として,長く良好とは言い難い状況が続いており,そうした中で韓国では我が国の要人等の発言に対して強い反応を示すことが少なくなく,過去の発言が今日も問題とされ,相互の信頼関係増進の障害となっている例があることも認められる。上記係争情報は,当時の日韓会談における韓国側の対応について当時の外務大臣が発言した否定的評価を含む率直な見解に係る情報であり,開示されれば韓国政府及び韓国国民が知るところとなり,韓国国民の感情を逆なでし,ひいては韓国との信頼関係が損なわれて我が国の外交事務の適正な遂行に実質的な支障を及ぼすことになる蓋然性がある。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めるにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,1審被告は上記係争情報が韓国国民の感情を害するとする具体的事情や根拠を示しておらず,これを開示することにより韓国との信頼関係を損なう蓋然性があると認めることはできない旨主張する。 しかし,当該具体的根拠を明らかにすることは,上記係争情報の内容を明らかにするに等しいというべきであるし,上記のような日韓関係の現状からすれば,韓国国民の感情を逆なでするおそれのある情報を開示するこ とは,多かれ少なかれ韓国の我が国に対する信頼関係に好ましくない影響を及ぼすことは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 逆なでするおそれのある情報を開示するこ とは,多かれ少なかれ韓国の我が国に対する信頼関係に好ましくない影響を及ぼすことは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (27) 通し番号2-32の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A111,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-32の文書は,外務省アジア局北東アジア課長が作成した昭和38年5月24日付け「寺内文庫の現状」と題する文書,山口県総務部長が作成した同年6月11日付け「寺内文庫図書目録の送付について」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和39年3月11日付け「寺内正毅所蔵本の韓国への寄贈の件(案)」と題する文書,「P41北東アジア課長とP42山口県知事との会談の件」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和40年3月16日付け「文化財打合せ会」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同月20日付け「寺内文庫の韓国への贈与に関するP5博士の意見」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同月25日付け「寺内文庫本について山口県副知事との交渉」と題する文書,外務事務次官作成名義山口県知事宛の同月30日付け「寺内文庫調査のため出張するP6文学博士および省員に対する便宜供与依頼」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同年4月14日付け「寺内文庫朝鮮本調査出張報告」と題する文書及びその別添文書である山口県文書館P43作成の同月7日付け「寺内文庫について」と題する文書,P6博士作成名義の「昭和40年4月5日乃至8日櫻圃寺内文庫朝鮮本調査報告」と題する文書,外務事務次官作 びその別添文書である山口県文書館P43作成の同月7日付け「寺内文庫について」と題する文書,P6博士作成名義の「昭和40年4月5日乃至8日櫻圃寺内文庫朝鮮本調査報告」と題する文書,外務事務次官作成名義山口県知事宛の同年 5月6日付け「日韓会談の文化財問題について協力方依頼について」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同月17日付け「P6博士の寺内文庫調査報告」と題する文書並びに外務省アジア局北東アジア課が作成した同年8月17日付け「P44公使がP42山口県知事に対し寺内文庫の図書を韓国側に寄贈を希望している件について」と題する文書である。外務省アジア局北東アジア課が作成した同年4月14日付け「寺内文庫朝鮮本調査出張報告」と題する文書の8枚目(乙A111の-44-頁)に一部黒塗りされている部分がある。また,外務省アジア局北東アジア課が作成した同年5月17日付け「P6博士の寺内文庫調査報告」と題する文書の3枚目(乙A111の-72-頁)に一部黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 寺内正毅朝鮮総督は,朝鮮総督在任中に朝鮮半島から書籍を持ち帰り,大正11年,山口市βに寺内文庫を開設した。その後寺内文庫の書物は寺内家から山口女子短期大学に寄贈された。その際寺内家の家人が寺内文庫から貴重本を持ち出した。その後衛夫人七書が寺内家から県立図書館に寄贈された。日韓会談で韓国側から寺内文庫を構成していた図書についても要求があったので,外務省が調査を行った。上記aの文書は,この調査等に関する文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A111の-44-頁及び-72-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,寺内正毅朝鮮総督が朝鮮総督在任中に朝鮮半島から書籍を持 等に関する文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A111の-44-頁及び-72-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,寺内正毅朝鮮総督が朝鮮総督在任中に朝鮮半島から書籍を持ち帰った経緯に関するP6博士の推測的かつ率直な見解に係る情報であり,韓国政府ないし韓国国民にとって承服しがたい内容で,我が国に対して強い批判的感情を抱きかねないものであることが認められる。 イ法定不開示情報該当性 前記認定のとおり,韓国政府及び韓国国民の間では,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,過去の日本による植民地支配等の歴史的事象について強い被害意識があり,日本側政府関係者のささいな言動等に端を発し,そのような意識が表面化し,激しい反日感情となって現れ,外交問題となることがある。また,我が国に存在する朝鮮半島由来の文化財については,韓国政府及び韓国国民が強い関心を持ち,同国内には引渡しの実現に向けた様々な動きが存在することから,韓国政府としても我が国が寄贈しなかった文化財について再度引渡しを求め,これが交渉の対象となる可能性がある。 このような事情の下において,寺内朝鮮総督が朝鮮半島から書籍を持ち帰った経緯に関して,学者の推測的な見解とはいえ,韓国側にとってみれば承服し難い内容が示されている上記各係争情報が開示されれば,韓国政府ないし韓国国民が我が国に対して強い批判的感情を向け,我が国と韓国との信頼関係が損なわれる蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について の信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,民間の一研究者による調査報告である上記各係争情報が現在の日韓間の信頼関係等に影響を及ぼす具体的な事情が明らかでないとして,上記各係争情報は法定不開示情報に当たらない旨主張する。 しかし,上記各係争情報が日韓間の信頼関係等に影響を及ぼす具体的な事情を明らかにするためには,その内容を明らかにするに等しい説明が必要となると考えられるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (28) 通し番号2-36の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A114,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-36の文書は,外務省アジア局北東アジア課長作成名義の昭和35年2月26日付け「対韓国強硬措置に関する会議開催の件」と題する文書,同課が作成した同月27日付け「対韓国強硬措置に関する省内会議に関する件」と題する文書並びに別紙1(同課が作成した同月4日付け「対韓強硬措置として想定しうる手段」と題する文書),別紙2(同課が作成した同月26日付け「対韓強硬措置をとる場合第一段階としてとるべき措置(試案)」と題する文書)及び別紙3(同月27日付け「対韓強硬措置に関する省内会議出席者」と題する文書)並びに外務省アジア局北東アジア課が作成した同年3月3日付け「対韓強硬措置に関する第Ⅱ回省内会議に関する件」と題する文書及びその別紙(同日付け「第Ⅱ回省内会議出席者」と題する文書,同月2日付け「対韓国強硬措置に関する 北東アジア課が作成した同年3月3日付け「対韓強硬措置に関する第Ⅱ回省内会議に関する件」と題する文書及びその別紙(同日付け「第Ⅱ回省内会議出席者」と題する文書,同月2日付け「対韓国強硬措置に関する会議開催の件」)である。そのうち,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和35年2月27日付け「対韓国強硬措置に関する省内会議に関する件」と題する文書の12枚目(乙A114の-13-頁),同課が作成した同月26日付け「対韓強硬措置をとる場合第一段階としてとるべき措置(試案)」と題する文書の1枚目(乙A114の-45-頁)並びに同課が作成した同年3月3日付け「対韓強硬措置に関する第Ⅱ回省内会議に関する件」と題する文書の6枚目(乙A114の-54-頁),10枚目(乙A114の-58-頁)及び11枚目(乙A114の-59-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和34年7月30日韓国側が日韓交渉の無条件再開を申し入れて以来,抑留されている日本人漁夫の釈放交渉が行われていた。昭和35年初めから韓国米買付けを条件とする釈放交渉が進められていたが,楽観を許さない状況であり,交渉決裂となった場合,漁夫を帰さない韓国側の態度に我が国の漁業者団体,野党,ひいては国民世論全体が硬化している状況に鑑み,漁夫釈放拒否に対する強硬報復措置が検討されることになった。そこで,外務省アジア局北東アジア課が作成した「対韓強硬措置をとる場合第一段階としてとるべき措置(試案)」と題する文書を基礎に,省内の意見を調整するため,同年2月27日対韓強硬措置に関する省内会議が開催された。上記aの各文書は,この関係で作成された文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A114の-13-頁,-45-頁,-54 見を調整するため,同年2月27日対韓強硬措置に関する省内会議が開催された。上記aの各文書は,この関係で作成された文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A114の-13-頁,-45-頁,-54-頁,-58-頁~-59-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和35年当時,日韓国交正常化に向けた日韓交渉が決裂した場合に我が国が執り得る「対韓強硬措置」の一環として外務省内部で検討されていた在日韓国代表部に対する措置並びに韓国人及び在日韓国人の入国及び在留を制限する方向での措置に関する具体的方法であり,日韓交渉が決裂した場合に執り得る「対韓強硬措置」に関し,外務省内で忌憚のない率直な意見交換をした結果に係る情報である。上記各係争情報の内容には,日韓間の外交情勢はもとより,当該強硬措置が執られた場合の韓国政府の反応や韓国国民による受け止め方についての推測的見解,更には当該強硬措置が執られた場合に我が国が被ることとなる種々の影響等について率直に検討した結果が含まれており,これは我が国の現在の外交交渉上の戦略にも通じ得るものであり,また,その中には日本側の措置が日本側による国交断絶を意味すると解される可能性があるものも含まれていると認められる。 イ法定不開示情報該当性日韓両国の友好関係は,両国の不断の努力によって培われてきたものであるが,上記各係争情報を公にすれば,昭和35年当時我が国の政府が対韓強硬措置を採るべきか否かを検討していたことが明らかとなるのみならず,交渉決裂という高度に緊迫した状況を想定して我が国の政府が検討していた強硬措置の具体的方策やその選択肢の幅がいかなるものであったか,また,当該措置が採られた場合の韓国政府の反応や韓国国民による受け止め方についての推測,さらには当該強硬措 て我が国の政府が検討していた強硬措置の具体的方策やその選択肢の幅がいかなるものであったか,また,当該措置が採られた場合の韓国政府の反応や韓国国民による受け止め方についての推測,さらには当該強硬措置が採られた場合に我が国が被ることとなる種々の影響についての検討の視点や関心の対象等も明らかになり,たとえそれが両国の外交交渉が悲観的な状況に立ち至った当時の状況下におけるものであっても,韓国政府及び国民に一定の精神的衝撃を生じさせ,韓国との間に培われてきた信頼を損なうこととなりかねないおそれがある。また,将来,我が国との外交交渉において緊張関係に立つこととなる外国政府が,我が国と外交交渉等を行う際に,我が国の対応ぶりや内部の検討方針,更にはそれに表れる我が国の関心事項を知ることで,我が国の対応方針を推察するための参考としたり,我が国が過去に示した態度を我が国に不利な交渉材料としたりし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性がある。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報を公にすることで,現在の日韓間の交渉対象事項や対処方針に具体的にどのように関係するのか明らかにされていないこと,上記係争情報が在日韓国代表部の閉鎖に関する検討であろうこ とは,通し番号2-37(乙A115)や同2-38(乙A116)の各文書の開示部分からも推測されること,それが昭和37年当時の国交正常化以前の緊張した状況における検討であることからすれば,上記各係争情報の開示は,現在の (乙A115)や同2-38(乙A116)の各文書の開示部分からも推測されること,それが昭和37年当時の国交正常化以前の緊張した状況における検討であることからすれば,上記各係争情報の開示は,現在の日韓の信頼関係や外交関係に影響を及ぼすものではなく,上記各係争情報は法定不開示情報に当たらない旨主張する。 しかし,1審原告らの上記各主張を踏まえて検討しても,上記イの判断は揺るがないというべきである。 (29) 通し番号2-37の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A115,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-37の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成したと思われる昭和35年3月付け「日韓会談が不調に終わった場合にとるべき措置(試案)の大要」と題する文書及び同課が作成した同月2日付け「日韓会談が不調に終わった場合にとるべき措置(試案)」と題する文書である。そのうち,同月付け「日韓会談が不調に終わった場合にとるべき措置(試案)の大要」と題する文書の2枚目(乙A115の-2-頁)及び同課が作成した同月2日付け「日韓会談が不調に終わった場合にとるべき措置(試案)」と題する文書の3枚目(乙A115の-11-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(28)のアのbの記載を引用する。 c 上記aの各黒塗り部分(乙A115の-2-頁,-11-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和35年当時,日韓国交正常化に向けた日韓交渉が決裂した場合に我が国が執り得る「対 韓強硬措置」の一環として外務省内部で検討されていた在日韓国代表部に対する いる控訴に係る係争情報は,昭和35年当時,日韓国交正常化に向けた日韓交渉が決裂した場合に我が国が執り得る「対 韓強硬措置」の一環として外務省内部で検討されていた在日韓国代表部に対する措置並びに韓国人及び在日韓国人の入国及び在留を制限する方向での措置に関する具体的方法であり,日韓交渉が決裂した場合に執り得る「対韓強硬措置」に関し,外務省内で忌憚のない率直な意見交換をした結果に係る情報である。上記各係争情報の内容には,日韓間の外交情勢はもとより,当該強硬措置が執られた場合の韓国政府の反応や韓国国民による受け止め方についての推測的見解,更には当該強硬措置が執られた場合に我が国が被ることとなる種々の影響等について率直に検討した結果が含まれており,これは我が国の現在の外交交渉上の戦略にも通じ得るものであり,また,その中には日本側の措置が日本側による国交断絶を意味すると解される可能性があるものも含まれていると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記(28)のイの記載を引用する。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報を公にすることで,現在の日韓間の交渉対象事項や対処方針に具体的にどのように関係するのか明らかにされていないこと,上記係争情報が在日韓国代表部の閉鎖又はこれを含む措置に関する検討であろうことは,通し番号2-36(乙A114)の文書からも推測されること,それが国交正常化以前の昭和35年当時の緊張した状況における検討であることからすれ 表部の閉鎖又はこれを含む措置に関する検討であろうことは,通し番号2-36(乙A114)の文書からも推測されること,それが国交正常化以前の昭和35年当時の緊張した状況における検討であることからすれば,現在の日韓の信頼関係や外交関係に影響を及ぼすものではなく,上記各係争情報は法定不開示情報に当たらな い旨主張する。 しかし,1審原告らの上記各主張を踏まえて検討しても,上記イの判断は揺るがないというべきである。 (30) 通し番号2-38の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A116,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-38の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年5月31日付け「対韓牽制措置および強硬措置として想定しうる手段(試案)」と題する文書である。そのうち,8枚目(乙A116の-8-頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和37年5月ころ,韓国政府が再び李ライン水域において我が国の漁船を拿捕する挙に出て,我が国の国内世論も漸次硬化の兆を示していた。このような状況を踏まえて,対韓牽制措置と強硬措置が検討された。 上記aの文書は,この検討過程で作成された文書である。 c 上記aの黒塗り部分(乙A116の-8-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和37年当時,李ライン水域において日本の漁船を拿捕していた韓国政府に対する牽制措置として検討された在日韓国代表部に対する措置,韓国人入国に対する措置,通商上の措置及び李ラインの警備増強措置並びに対韓強硬措置として検討された在日韓国代表部に対する措置,韓国人再入国許可, 牽制措置として検討された在日韓国代表部に対する措置,韓国人入国に対する措置,通商上の措置及び李ラインの警備増強措置並びに対韓強硬措置として検討された在日韓国代表部に対する措置,韓国人再入国許可,査証発給の原則的停止措置,在日韓国人に対する措置,通商上の措置,李ラインの警備増強措置及び漁業問題解決措置の具体的方策に係る情報並びにそれぞれの方策を執るべきか否かについての日本政府部内の検討経過に係る情報であ る。 イ法定不開示情報該当性前記(28)のイの記載を引用する。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報を公にすることで,現在の日韓間の交渉対象事項や対処方針に具体的にどのように関係するのか明らかにされていないこと,上記係争情報が在日韓国代表部の閉鎖に関する検討であろうことは,通し番号2-36(乙A114)や同2-37(乙A115)の各文書からも推測されること,それが昭和37年当時の日韓国交正常化以前の緊張した状況における検討であることからすれば,現在の日韓の信頼関係や外交関係に影響を及ぼすものではなく,上記係争情報は法定不開示情報に当たらない旨主張する。 しかし,1審原告らの上記各主張を踏まえて検討しても,上記イの判断は揺るがないというべきである。 (31) 通し番号2-49の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A42,乙C42,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば (31) 通し番号2-49の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A42,乙C42,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-49の文書は,外務省アジア局が,昭和33年6月ころから昭和35年4月ころまでの間に第4次日韓会談における釜山抑留日本人漁夫の釈放問題を中心とした漁業問題等の懸案の解決のために検討 した内容に関する複数の文書である。すなわち,外務省アジア局が作成したと思われる昭和33年6月分との添書のある「○北東アジア課関係(一)第四次日韓会談関係」との見出しのある文書,同局が作成したと思われる昭和34年1月分との添書のある「○北東アジア課関係第四次日韓会談」との見出しのある文書,同局が作成したと思われる同年2月分との添書のある「1 第四次日韓会談」,「2 在日朝鮮人の北朝鮮帰還問題」及び「3 釜山抑留日本人漁夫の釈放問題」との見出しのある文書,同局が作成したと思われる同年3月分との添書のある「○北東アジア課関係 1 第四次日韓会談」,「2 在日朝鮮人の北朝鮮帰還問題」及び「3 釜山抑留日本人漁夫の釈放問題」との見出しのある文書,外務省アジア局総務参事官室が作成した昭和34年5月6日付け「アジア局重要懸案処理月報第11号」[昭和34年4月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した「アジア局重要懸案処理月報第13号」[昭和34年6月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年8月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第14号」[昭和34年7月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年9月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第15号」[昭和34年8月分]と題する文書,同総務参事官室が作成 懸案処理月報第14号」[昭和34年7月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年9月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第15号」[昭和34年8月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年10月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第16号」[昭和34年9月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年11月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第17号」[昭和34年10月分]と題する文書,同総務参事官室が作成した昭和34年12月10日付け「アジア局重要懸案処理月報第18号」[昭和34年11月分]と題する文書,「○北東アジア課関係(11月分)」との見出しのある文書,冒頭に昭和34年12月との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係(12月分)」との見出しのある文書,冒頭に「重要案件処理月報12月分」との見出し が手書きで記載された文書,冒頭に昭和35年1月分との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書,冒頭に(35年1月分)との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書,冒頭に35年2月との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書,「重要案件処理月報(2月分)」との表題がある文書,冒頭に昭和35年3月分との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書,冒頭に35年4月号との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書その他の文書である。そのうち,冒頭に昭和35年3月分との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書昭和35年3月分との添書のある「○北東アジア課関係」と題する文書の4枚目(乙C42の-238-頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係 「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書昭和35年3月分との添書のある「○北東アジア課関係」と題する文書の4枚目(乙C42の-238-頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(28)のアのb記載のとおり,昭和34年7月30日韓国側が日韓交渉の無条件再開を申し入れて以来,抑留されている日本人漁夫の釈放交渉が行われ,昭和35年初めから韓国米買付けを条件とする釈放交渉が進められていたが,楽観を許さない状況であり,交渉決裂となった場合に備えて漁夫釈放拒否に対する強硬報復措置が検討されていた。同月中旬,日韓間において,① 「相互送還」を実施する,② 韓国側は中断中の対日貿易を再開する,③ 日本側は上記各事項の発表の一両日後韓国米3万トンの買付けを行う旨約束するとの3点について原則的な意見の一致を見た。しかるに,韓国米買付けについての話合いが最終的に決まらない段階で交渉内容が漏れ,新聞などが韓国政府の「人質外交」を非難する記事等を掲げたため,韓国の朝野を刺激し,韓国政府の態度を硬化させた。藤山外務大臣は,国会答弁で日本人漁夫釈放問題はすべての日韓間話し合いの前提であり,漁夫釈放問題を他の問題と関連させ て考えていない旨述べ,日本政府の立場を明らかにした。P13外務省アジア局長は,在日韓国大使に国会内外の硬化した世論の情勢を説明し,仮に韓国側が3月中旬までに今回の話合いをまとめることに同意しない場合には,日韓関係は最悪の事態に陥ることは免れない旨申し入れ,韓国側の善処方を促した。このような状況の中で,仮に韓国側が漁夫送還の引き延ばしを策するような場合には,我が国としても新たな角度から何らかの対韓強硬措置を採らざるを得なくなることが予想されたので,再三にわたり外務省内及び関 のような状況の中で,仮に韓国側が漁夫送還の引き延ばしを策するような場合には,我が国としても新たな角度から何らかの対韓強硬措置を採らざるを得なくなることが予想されたので,再三にわたり外務省内及び関係各省庁会議を開いて内密裡に研究が進められた。外務省アジア局北東アジア課が作成した「対韓強硬措置をとる場合第一段階としてとるべき措置(試案)」と題する文書を基礎に,省内の意見を調整するため,同年2月27日対韓強硬措置に関する省内会議が開催されたことは,前記(28)のアのb記載のとおりである。上記aに掲げた各文書のうち,冒頭に昭和35年3月分との手書きによる記載がある「○北東アジア課関係」の見出しで始まる文書には,同年3月10日現在事務当局レベルで到達した一応の結論の概要が記載されている。検討した措置を採るに当たっての基本的態度は,やむなく日韓会談を打ち切り,何らかの強硬措置を採らざるを得なくなった場合にも,そのような措置を採る本来の目的は当該措置が終局的には日韓友好関係の樹立に貢献するという計算と期待の下に行われるべきであり,各種の想定される強硬措置を採るに当たっても,一つの措置が連鎖的不可避的に他のより強硬な措置を誘発することがないよう,また,両国の国民感情を不必要に刺激することがないよう留意し,少なくとも当初の方針としては控え目かつ漸進的な措置を選ぶべきであるというものである。 c 上記aの黒塗り部分(乙C42の-238-頁)は,同文書の4枚目の「Ⅱ 具体的措置」の見出しで始まる「1」の項にあり,当該部分に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和35年3月当時,漁夫釈放 問題を解決しない限り日韓会談が決裂に至る可能性があったことを踏まえて日本政府部内で検討された外交的な観点からの在日韓国代表部に対する措置(対韓強硬措 は,昭和35年3月当時,漁夫釈放 問題を解決しない限り日韓会談が決裂に至る可能性があったことを踏まえて日本政府部内で検討された外交的な観点からの在日韓国代表部に対する措置(対韓強硬措置)の基本的態度の内容及びその具体的措置のうち李ラインの警備強化及び漁船保護措置等の具体的内容であり,外務省内で忌憚のない率直な検討を行った結果に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,我が国と他の国との信頼関係・友好関係は,両国間の長い歴史的事象の積み重ねの中で形成されるものであるところ,日韓関係は従来必ずしも良好とは言い難いものがあるから,韓国及び韓国国民との信頼関係・友好関係を維持し増進するために,無用な刺激を与えないよう慎重な配慮をすべきであるとの判断には相当の理由があるというべきである。しかるところ,上記係争情報の内容は,昭和35年3月当時,日本政府が漁夫釈放問題を解決できなければ日韓交渉決裂もやむを得ないという高度に緊迫した状況下で,外交的な観点からの在日韓国代表部に対する措置(対韓強硬措置)の基本的態度の内容及びその具体的措置のうち李ラインの警備強化及び漁船保護措置等の具体的内容であり,外務省内で忌憚のない率直な検討を行った結果である。上記アのbに記載したとおり,検討した措置を採るに当たっての基本的態度は,やむなく日韓会談を打ち切り,何らかの強硬措置を採らざるを得なくなった場合にも,そのような措置を採る本来の目的は当該措置が終局的には日韓友好関係の樹立に貢献するという計算と期待の下に行われるべきであり,各種の想定される強硬措置を採るに当たっても,一つの措置が連鎖的不可避的に他のより強硬な措置を誘発することがないよう,また,両国の国民感情を不必要に刺激することがないよう留意し,少なく べきであり,各種の想定される強硬措置を採るに当たっても,一つの措置が連鎖的不可避的に他のより強硬な措置を誘発することがないよう,また,両国の国民感情を不必要に刺激することがないよう留意し,少なくとも当初の方針としては控え目かつ漸進的な措置を選ぶべきであるというものであるが,上記係争情報が公にされれ ば,そのような基本的態度と切り離して強硬措置の内容だけが一人歩きするおそれがあり,韓国側がこれを知るときには,韓国との間に培われてきた信頼関係を損なう蓋然性がある。 したがって,上記係争情報は,これを公にすることにより,韓国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報であるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,通し番号2-49の文書中,上記係争情報と同じく「日韓会談が不調に終った場合にとるべき措置(試案)の大要」の項目として外務大臣が当初不開示とし,後に追加開示した部分(「戦略的にはなるべく李承晩政権とP45大使以下の在日代表部とに攻撃を集中することが得策と考えられる。」あるいは海上保安庁巡視船による実力行使や防衛庁自衛艦及び自衛機の「警備出動」といった措置に関する部分)は,国交が正常化されて久しい現在の日韓関係に通用性のないものであること,上記係争情報としての「対韓強硬措置」の内容が在日韓国代表部の閉鎖措置であることは,通し番号2-36(乙A114),同2-37(乙A115),同2-38(乙A116)の各文書から推認できること,それを検討していたことは現在の日韓関係や外交関係に影響を及ぼすものではないことからすると,上記係争情報が法定不開示情報であるとは認められない旨主張する。 しかし,仮に上記係争情報に係る こと,それを検討していたことは現在の日韓関係や外交関係に影響を及ぼすものではないことからすると,上記係争情報が法定不開示情報であるとは認められない旨主張する。 しかし,仮に上記係争情報に係る対韓強硬措置の具体的内容が在日韓国代表部の閉鎖措置であるとしても,上記アのaの文書の黒塗り部分が公にされれば,前記の基本的態度と切り離して強硬措置の内容だけが一人歩きするおそれがあり,韓国側がこれを知るときには,韓国との間に培われてきた信頼関係を損なう蓋然性があるというべきである。その他1審原告ら の上記主張を踏まえて検討しても,上記イの判断は揺るがないというべきである。 (32) 通し番号2-55の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A132,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-55の文書は,昭和31年1月から11月にかけて駐米大使が外務大臣に宛てて発した複数の電信の写しであり,「日韓問題に関するP46論説に関する件」,「日韓問題に関しP46紙に対する投稿論説の件」,「日韓問題啓発PRに関する件」,「日韓問題解決のわが考え方に関する件」,「ダレス長官訪日の応対振りに関する件」等に関するものである。そのうち,「ダレス長官訪日の応対振りに関する件」についての電信は,同年3月12日にワシントンのP47大使から重光外務大臣宛に発せられた電信であり,その7枚目(乙A132の-18-頁)に黒塗りされた部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和31年にアメリカ合衆国ダレス国務長官が訪日するに先立ち,P47駐米大使は,重光外務大臣に対し,電信で,訪日の機会を捉え,日米間懸案の主要なものの に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和31年にアメリカ合衆国ダレス国務長官が訪日するに先立ち,P47駐米大使は,重光外務大臣に対し,電信で,訪日の機会を捉え,日米間懸案の主要なもののうち少数を取り上げ,若干なりとも解決の方向に進める努力を試みるのが相当であると進言し,上記懸案について考察を示した。その一つとして小笠原帰島問題があった。 c 上記aの黒塗り部分(乙A132の-18-頁)に記録されている控訴に係る係争情報は,P47駐米大使が,昭和31年3月12日に外務大臣に対して発した公電において,当時の日米間における重要な懸案事項の一つであった小笠原帰島問題について,米国政府の対応ぶりに対す る自らの考察を交え,北方領土問題についての自らの将来予測的な認識を踏まえつつ,日本政府が米国政府との間で小笠原帰島問題に係る交渉を行う上で必要となる対処方針を検討するに当たり考慮すべき点等を指摘した内容に係る情報であり,そのうちの北方領土問題に関わる部分は,昭和31年当時における北方領土問題に関する日本の交渉方針と密接に関連すると解し得る内容であり,現在の同問題に関する交渉上の論点の重要な部分にも関わるものを含むことが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北方領土問題は今なお未解決の問題であり,現在においても我が国とロシアとの間の重要な外交課題の一つである。上記係争情報は,北方領土問題についての当時の駐米大使の将来予測的な認識を含むものであり,当時の日本政府の交渉方針と密接に関連すると解し得る内容であるばかりでなく,現在の交渉上の論点の重要な部分に関する内容も含まれているから,これが開示された場合,北方領土問題に関する現在の交渉において,ロシア側が,過去において我が国がいかなる交渉上の論点 であるばかりでなく,現在の交渉上の論点の重要な部分に関する内容も含まれているから,これが開示された場合,北方領土問題に関する現在の交渉において,ロシア側が,過去において我が国がいかなる交渉上の論点を検討していたかを知り,現在の我が国の対応やその意図を推測ないし分析することが可能となり,交渉を自らに有利に進めるための材料とすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性がある。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,ロシアとの交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,1審被告は上記係争情報の開示が北方領土問題に関するロシアとの交渉上の不利益をもたらす根拠を具体的に主張しておらず,50年以上も前の,正式な日本政府の解決方針でもない駐米大使の,本来の 主題とは異なる,わずか全体で2行分の予測的な認識が現在の交渉に不利益を及ぼす蓋然性は想定できない旨主張する。 しかし,1審被告は,上記係争情報の開示が他国との交渉上の不利益をもたらす蓋然性について,当該情報の内容を推知されない限度で主張立証しなければならないのであるから,この点に関する1審被告の主張がある程度抽象的なものとなるのはやむを得ない。上記係争情報は,特別な地位にある駐米大使の見解であり,北方領土をめぐる諸情勢には当時から基本的には大きな変化はないといえるから,上記イのとおり判断されるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (33) 通し番号2-61の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A138,乙A5 1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (33) 通し番号2-61の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A138,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-61の文書は,外務省アジア局総務参事官室が作成した昭和34年1月31日付け「懸案対日請求権の経緯及び解決方針に関する参考資料」と題する文書である。この文書の15枚目から16枚目にかけて(乙A138の-15-頁~-16-頁)黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b サンフランシスコ平和条約は,批准した連合国と日本国との間で効力を生じ(同条約23条),同条約に別段の定めがある場合を除き,批准した連合国は,連合国のすべての賠償請求権,戦争の遂行中に日本国及びその国民がとった行動から生じた連合国及びその国民の他の請求権並びに占領の直接事業費に関する連合国の請求権を放棄した(同条約14条)。同条約の適用上,連合国とは,日本国と戦争していた国又は以前に同条約23条に列記する国の領域の一部をなしていたものをいう(同 条約25条)。ティモール島はポルトガルによって植民地化されたが,その後東西に分割され,西ティモールはオランダ領として割譲され,ポルトガルは東ティモールを領域として支配していた。第二次世界大戦中日本軍は他の地域とともに東ティモールを占領した。ポルトガルは,第二次世界大戦の中立国であり,サンフランシスコ平和条約にいう連合国には当たらないから,もとより同条約14条の適用はなく,ポルトガルが日本軍により占領中に受けた損害についての賠償請求等をすることは妨げられない状況にある。外務省アジア局総務参事官室は,同省欧 連合国には当たらないから,もとより同条約14条の適用はなく,ポルトガルが日本軍により占領中に受けた損害についての賠償請求等をすることは妨げられない状況にある。外務省アジア局総務参事官室は,同省欧亜局西欧課が主管のポルトガルの対日クレームの件を含め,第二次世界大戦により我が国が賠償すべきもの等について検討された結果を取りまとめ,上記aの文書を作成した。 c 上記aの黒塗り部分(乙A138の-15-頁~-16-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,第二次大戦中,中立国であったポルトガルの植民地(東ティモール)を日本軍が占領して与えた損害に関し,昭和34年当時,外務省内部で,ポルトガルが日本に対して賠償請求する可能性について検討した経過に係る情報であり,ポルトガルからの賠償請求権に対して回収財源となり得べき財産として日本政府が当時ポルトガルに有していた在外資産の額,ポルトガル政府との交渉状況,日本政府が想定していた具体的な損害賠償額等に係る情報であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記認定事実によれば,日本は第二次大戦中日本軍が東ティモールを占領して損害を与えたが,ポルトガルは,第二次世界大戦の中立国であり,サンフランシスコ平和条約にいう連合国には当たらないから,もとより同条約14条の適用はなく,ポルトガルが日本軍により占領中に受けた損害についての賠償請求等をすることは妨げられない状況にあり,未解決の問 題が残されている。上記係争情報の内容は過去に検討段階のものとしてまとめられたにすぎないものであるが,今後,ポルトガル政府との間で上記損害賠償請求権問題について公式,非公式に交渉が行われることになった際には,ポルトガル政府は,上記係争情報の内容に含まれる日本側の認識や見方を自らに有 ものであるが,今後,ポルトガル政府との間で上記損害賠償請求権問題について公式,非公式に交渉が行われることになった際には,ポルトガル政府は,上記係争情報の内容に含まれる日本側の認識や見方を自らに有利な交渉材料として利用したり,これに基づき我が国の認識や対応を推測するなどして優位に交渉を進めようとし,我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性のあることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日本とポルトガルとは昭和28年に国交が回復した後,日本がポルトガル又はその「植民地であった地域の政府」である東ティモール政府から賠償請求を受けたなどの事実は窺われないこと,乙A138の-6-頁には,与えた損害の見積もりとして,「ポルトガル九七、〇〇〇 チモール島の損害。約九七二億円と見積もっている。」との記載があり,損害額の見積もりは既に開示されている情報であることからすると,これを不開示とする理由はない旨主張する。 しかし,上記賠償問題については,これまで賠償請求を受けていないからといって,これが未解決の問題である以上,今後も受けることがないとは限らないし,また,上記係争情報の内容は前記のとおりであり,損害額の見積りにとどまらないのであって,上記イの判断は左右されないというべきである。1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (34) 通し番号2-66の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A527,乙B143,証人P4)及び弁論 きない。 (34) 通し番号2-66の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A527,乙B143,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-66の文書は,昭和34年当時日本と韓国との間で懸案となっていた北鮮帰還問題,南鮮帰還問題等に関して駐日米国大使館の書記官と外務省アジア局の高官との間で行われた会談等に関する文書その他の複数の文書であり,そのうち係争情報が含まれているのは,外務省アジア局北東アジア課の担当者が作成したと思われる同年10月28日付け「北鮮帰還問題及び日韓会談に関しP48・■■会談に関する件」と題する文書及び同年11月10日付け「日韓会談に関し■■書記官と会談の件」と題する文書である。同年10月28日付け文書の7枚目(乙B143の-265-頁)に黒塗りされている部分があり,同年11月10日付け文書の3枚目(乙B143の-179-頁)にも黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和34年当時,日本と韓国との間で南鮮帰還問題が懸案の一つとなっており,韓国側は,両国政府の共同宣言として,日本政府が補償金の支払及び引揚財産の無制限持帰りを承認することを宣言することを求めていた。外務省アジア局P48審議官は,同年10月28日,駐日米国大使館の書記官と会談した。上記書記官は,南鮮帰還者に対する補償金問題についてはいまだ国務省より正式の回答はないが,第1の難点は米国の議会の審議を要する点,第2に形式の問題がある点を挙げ,非開示とされている部分の発言を行った後,米国としては何かよき案を検討中であり,いずれ近日中に何分の正式の回電があるものと思うと述べた。 また,外 議を要する点,第2に形式の問題がある点を挙げ,非開示とされている部分の発言を行った後,米国としては何かよき案を検討中であり,いずれ近日中に何分の正式の回電があるものと思うと述べた。 また,外務省P13アジア局長は,同年11月10日,駐日米国大使館の書記官を招致して会談を行い,補償金の支払についてP45在日韓 国大使に拒否の回答をせざるを得ない状況であり,この拒否の回答により日韓関係は極めて悪化する傾向に向かうことを説明した。上記書記官は,補償金問題につき日本側が直ちにこれを承認することの困難な事情は了とするが,会談が決裂しないよう配慮を求めた。P13局長とP45大使との会談後,上記書記官がアジア局P49北東アジア課長を訪問し,会談を行った。P49課長は,同日行われたP13局長とP45大使との会談において,P13局長がP45大使に対し補償金の支払は表明できないと述べたところ,P45大使は名目は問わないから金員の交付を約束してほしいと述べ,P13局長が更に研究してみると答えたが,その際,釜山抑留漁夫帰還の実現が先決である旨強調したことを説明した。これを聞いた上記書記官は,P45大使は日本側の表明の仕方は内密にでもよいと言ったのであろうかと述べたので,P49課長は,たとえ内密で約束するとしても韓国のことなので,いつ暴露されるか知れず,結局は公然でも内密でも結果は同じことであろうと思うと述べた。上記書記官は,非開示とされている部分の発言を行った後,米国としても事態の急迫状況はよく理解できるので,何かよき案を得るよう検討してみたいと述べた。 これらの会談の内容を記載したものが上記aの各文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙B143の-179-頁及び-265-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争 と述べた。 これらの会談の内容を記載したものが上記aの各文書である。 c 上記aの各黒塗り部分(乙B143の-179-頁及び-265-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,上記bのとおり,昭和34年当時,韓国は,日本に対し,両国政府の共同宣言として,日本在住の韓国出身者が韓国に帰還する場合に日本政府が補償金の支払及び引揚財産の無制限持帰りを承認することを宣言することを求めていたが,日本は補償金の支払いについては消極的であり,この補償金支払問題が日本と韓国との間で懸案の一つとなっていたという状況下において,① 同年10月28日,外務省アジア局P48審議官と駐日米 国大使館の書記官とが会談をした際,この補償金問題について,上記書記官が,米国の議会の審議を要する点と形式の問題がある点とを難点として挙げ,米国が案を検討中であると述べたが,その直前に一定の見解を述べており,上記書記官が述べたこの一定の見解を内容とする情報と,② 同年11月10日,P13アジア局長とP45大使との会談が行われ,P13局長がP45大使に対し補償金の支払は表明できないと述べたのに対し,P45大使は名目は問わないから金員の交付を約束してほしいと述べ,P13局長が更に研究してみると答えたが,その際,釜山抑留漁夫帰還の実現が先決である旨強調したという経過があったところ,これを受け,同日中にP49北東アジア課長と駐日米国大使館の書記官とが会談をした際,上記書記官が,P45大使は日本側の表明の仕方は内密にでもよいと言ったのかと尋ね,これに対し,P49課長が,たとえ内密で約束するとしても韓国のことなので,いつ暴露されるか知れず,結局は公然でも内密でも結果は同じことであろうと思うと述べ,上記書記官が何かよき案を得るよう検討してみたい 対し,P49課長が,たとえ内密で約束するとしても韓国のことなので,いつ暴露されるか知れず,結局は公然でも内密でも結果は同じことであろうと思うと述べ,上記書記官が何かよき案を得るよう検討してみたいと述べたが,その直前に一定の見解を述べており,上記書記官が述べたこの一定の見解を内容とする情報である。上記①及び②の控訴に係る係争情報は,会談の際のP13局長,P49課長の発言内容に照らすと,上記書記官の韓国側の態度に関する否定的評価を内容とするものであるほか,米国政府が同問題に関する日韓交渉に対して仲介に乗り出すための前提条件を整えるために採りうる具体的手法の内容と当該方法のリスクについての率直な意見を内容とするものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性外交交渉の過程での意見交換,情報交換の具体的な内容は,それが当初から公表を予定して行われるのでない限り,基本的には非公開のものとして取り扱うのが国際慣行である(乙A527,証人P4)。特に,上記各 係争情報は,日韓会談での韓国側の態度に関する否定的評価に係る情報のほか,米国政府が,同会談で議論されていた韓国出身者に対する補償金問題に関する交渉に対して仲介に乗り出すための前提条件を整えるために採りうる具体的手法に係る情報であり,韓国側の誤解や不信を招きかねない特異な表現が用いられていることが認められるのであるから,これを発言した米国政府関係者は,日本政府側との信頼関係に基づき,当然に非公開とされることを前提としてした発言であったものと認められる。したがって,我が国が,このような交渉過程中における米国政府関係者の非公式の発言を開示すれば,米国政府との信頼関係が損なわれる蓋然性があるほか,他国からも機密保持が期待できない国とみなされて,国際的な信用が失墜し,今後 このような交渉過程中における米国政府関係者の非公式の発言を開示すれば,米国政府との信頼関係が損なわれる蓋然性があるほか,他国からも機密保持が期待できない国とみなされて,国際的な信用が失墜し,今後の外交交渉に支障が生ずる蓋然性があると認められる。 加えて,上記各係争情報が,韓国側の態度に関する米国政府関係者の否定的評価に係る情報であるのみならず,米国政府が仲介に乗り出す前提条件ないし環境を整えるために採り得る具体的手法に関して,韓国側の誤解や不信を招きかねない特異な表現が用いられていることからすると,前記のとおり良好とは言い難い日韓関係の現状においてこれを開示した場合には,韓国政府・国民の感情を害し,我が国との信頼関係を損ない,竹島問題その他の懸案事項に係る外交交渉にも好ましくない影響を及ぼし,我が国が不利益を被る蓋然性があることも否定できないというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被り,他国等との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めるにつき相当の理由がある情報であるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報について1審被告が主張する「韓国側の誤解や不信を招きかねない特異な表現が用いられている」という抽象的な 修辞では,50年以上前の第三国の一政府関係者の見解が韓国及び米国との信頼関係を損なうおそれがあるとする根拠として不十分であること,上記各係争情報に係る発言をした米国書記官は,これを日韓交渉の実質には関わらない技術的な事項に関して発言したものであることから,これが法定不開示情報に該当するとは認められない旨主張する。 しかし,上記各係争情報の内容は上記アに認定するとおりであり, 韓交渉の実質には関わらない技術的な事項に関して発言したものであることから,これが法定不開示情報に該当するとは認められない旨主張する。 しかし,上記各係争情報の内容は上記アに認定するとおりであり,法定不開示情報該当性の判断は上記イに説示するとおりである。1審被告は,上記各係争情報の内容を推知されない限度で上記のおそれについて主張立証する必要があり,また,その限度で主張立証すれば足りると解すべきであること,外交上のやりとりを開示することが外交上の信頼関係に及ぼす影響は,それが余談としてのやりとりであるか実質的な内容を持つものであるかには必ずしも関わらないものであることからすれば,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (35) 通し番号2-89の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A72,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-89の文書は,外務省アジア局北東アジア課が昭和40年1月ころ作成したと思われる「日韓交渉についての佐藤総理の御指示」と題する文書,「日韓会談における日本側の立場」と題する文書及びその別添文書,総理訪米に際し総理大臣及び外務大臣ブリーフ用として作成された文書,同月19日付け「日韓会談の進め方に関する省内打合せ」と題する文書その他の複数の文書である。そのうち控訴に係る係争情報が含まれているのは,「日韓交渉についての佐藤総理の御指示」と題する文書の2枚目(乙A72の-2-頁)に黒塗りされている部分(乙A 72の-2-頁の2行目から8行目までの約7行分の黒塗り部分)である。 b 昭和40年1月ころ,佐藤総理大臣は,外務事務次官に対し,日韓交渉における在日韓国人の二重国籍問題の問 乙A 72の-2-頁の2行目から8行目までの約7行分の黒塗り部分)である。 b 昭和40年1月ころ,佐藤総理大臣は,外務事務次官に対し,日韓交渉における在日韓国人の二重国籍問題の問題点及び解決策について指示を与えた。上記aの「日韓交渉についての佐藤総理の御指示」と題する文書は,その内容を記録したものである。 c 上記aの「日韓交渉についての佐藤総理の御指示」と題する文書の黒塗り部分(乙A72の-2-頁の2行目から8行目までの約7行分の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,佐藤総理大臣が,外務事務次官に対し,日韓交渉における在日韓国人の二重国籍問題の問題点及び解決策について与えた具体的かつ直接的な指示に係る情報であり,佐藤総理大臣の言葉がそのまま引用されて記載されており,韓国国民及び北朝鮮の人々一般について差別的とも受け止められかねない表現が含まれていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性我が国と他国との間における相互の信頼関係は,両国間における長い歴史的経過の中で培われていくものであるところ,前記認定のとおり,日韓両国の関係は,一時的ないし部分的に友好関係が進むことがあっても,韓国側の強い被害意識の表現とこれを過剰なものとする日本側の反発を基調として,良好とは言い難い状況が続いており,そうした中で韓国では我が国の要人等の発言に対して強い反応を示すことが少なくなく,過去の発言が今日も問題とされており,さらに,それらのことに対する評価に関して両国国民にわだかまりが残る例があることも認められる。上記係争情報は我が国の当時の総理大臣であり,日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約を締結した当時の総理大臣でもある佐藤総理大臣の発言に係る情報であるところ,上記係争情報の内容には,韓国国民及 記係争情報は我が国の当時の総理大臣であり,日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約を締結した当時の総理大臣でもある佐藤総理大臣の発言に係る情報であるところ,上記係争情報の内容には,韓国国民及び北朝鮮の人々一 般について差別的とも受け止められかねない表現が含まれており,韓国及び北朝鮮の国民感情ないし民族感情を逆なでしかねないものが含まれている。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国及び北朝鮮の両国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日韓交渉当時には,P34発言を始め,当時の韓国国民の感情を逆なでにする発言の多くが公知のものとなっており,現在においても政府関係者による韓国に対する侮蔑的発言や北朝鮮に対する敵対的発言が止まないから,40年以上前の総理大臣の日本政府内部での差別的発言を開示することが信頼関係を損なうというのはあまりに誇張されたものである旨主張する。 しかし,昨今の日韓関係が韓国の国民感情を害しないよう配慮することを必要としない状況にあるとはいえず,上記係争情報が,多かれ少なかれ両国間の信頼関係に好ましくない影響を及ぼすであろうことは否定し難いから,上記イの判断は左右されないというべきであり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (36) 通し番号2-96の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙B170,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-96の文書は,外務省アメリカ局P50参事官作 該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙B170,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号2-96の文書は,外務省アメリカ局P50参事官作成の昭和37年9月25日付け「大平大臣,ラスク長官会談録」と題する文書 その他の複数の文書であり,そのうち控訴に係る係争情報が含まれているのは上記文書の15枚目から16枚目(乙B170の-15-頁~-16-頁)及び18枚目(乙B170の-18-頁)の黒塗りされている部分である。 b 大平外務大臣は,昭和37年9月24日,ニューヨークにおいてラスク国務長官を午餐に招待し,P51国務次官補ほか同席の昼食時の懇談という非公式の場において,約2時間半にわたってざっくばらんな雰囲気の中で会談をした。上記aの文書は,上記会談の内容を記録したものである。 c 上記aの「大平大臣,ラスク長官会談録」と題する文書の黒塗り部分(乙B170の-15-頁~-16-頁,-18-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和37年当時,いずれもソ連の領土問題及びサンフランシスコ平和条約に係る戦後処理をめぐる対応の誤りに言及したラスク国務長官,P51国務次官補又は大平外務大臣の発言の具体的内容に係る情報であり,これらの発言は,昼食時の懇談という非公式の場において,ざっくばらんな会話の中でされたものであること,ソ連が北海道を占領したいとの意向を示した際,駐ソ米国大使がこれを容認する議論が出ることをおそれて本国の訓令を仰ぐことなく即座に退けたというエピソードが紹介されていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報が開示された場合,昭和37年当時,日本及び米国がソ連の領土問題及びサンフランシスコ平和条約に基づく戦後処 ピソードが紹介されていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報が開示された場合,昭和37年当時,日本及び米国がソ連の領土問題及びサンフランシスコ平和条約に基づく戦後処理の問題に対してどのような認識,見解を有していたかが明らかとなる。 そして,北方領土問題は,前記認定のとおり,日露両国間に現存する未解決の領土問題であり,ロシア政府にとっても重大な関心事であるはずであることに加え,上記各係争情報が公になれば,ロシア政府が,今後,北 方領土問題について日本と交渉を行う際,過去の日本側の認識や考え方として日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本が過去に示した認識や考え方としてあたかも日本側の現時点での見解のように扱うなど我が国の側に不利な交渉材料として用いることが考えられ,それにより,我が国がロシアとの今後の交渉をする上で不利益を被る蓋然性のあることが認められる。 また,米国は,北方領土問題の当事国ではないが,戦後の我が国の領土を確定したサンフランシスコ平和条約の主たる起草国であり,国際社会において多大な影響力を有することから,ソ連の領土問題やサンフランシスコ平和条約に係る昭和37年当時の米国の認識や見方がロシア政府の知るところとなれば,ロシア政府が,日本と北方領土問題に関する交渉を行うに当たり,米国の過去の認識,見解等をあたかも自国に有利な交渉材料であるかのように利用することも考えられ,このことによっても,我が国がロシアとの今後の外交交渉をする上で不利益を被る蓋然性のあることが認められる。 また,上記各係争情報は,米国政府の要人が,昼食時の懇談という非公式の場において,ざっくばらんな会話の中で発言したものであり,公にしない前提で発言した非公式情報であると認められ,それにもかか る。 また,上記各係争情報は,米国政府の要人が,昼食時の懇談という非公式の場において,ざっくばらんな会話の中で発言したものであり,公にしない前提で発言した非公式情報であると認められ,それにもかかわらず,日本が,このような米国政府要人の領土問題に関わる認識,見解等を開示することとなれば,米国政府との信頼関係が損なわれたり,他国からも機密保持が期待できない国とみなされて,国際的な信用が失墜し,他国との信頼関係が損なわれる蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被り,他国との信頼関係が失われるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は,これを開示することにより米国との信頼関係を損なう具体的事情があるとは認められないこと,40年以上前の昼食時のざっくばらんな会話の中の発言であって,会談の正式な議題でもなかったことに関するものであり,日本政府や米国政府の見解として現在の北方領土問題に影響を与えることは想定できないこと,以上によればこれを不開示とする理由はない旨主張する。 しかし,上記各係争情報は,米国国務長官と我が国の外務大臣という両国の要人間の昼食時の懇談という非公式の会話であること,北方領土問題は現在も未解決の問題として我が国の重要な外交課題の1つであることからすれば,1審原告らが指摘する事情を考慮しても,上記イのとおり判断されるのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (37) 通し番号3-12の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容 判断 されるのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (37) 通し番号3-12の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A527,乙C51,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-12の文書は,昭和37年12月26日から昭和38年2月1日までの間に行われた日韓予備交渉の議事録等の文書であり,係争情報は竹島問題の解決方法に係るものである。すなわち,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年12月26日付け「日韓予備交渉第21回会合」と題する文書,「12月26日の日韓予備交渉第21回会合における日本側の発言要旨」と題する文書,昭和38年1月11日付け「日韓予備交渉第22回会合記録」と題する文書その他の日韓予備交渉の第21回会合(昭和37年12月26日)から同第25回会合(昭和38年2月1日)までの議事録等の文書である。そのうち昭和3 7年12月26日付け「日韓予備交渉第21回会合」と題する文書の7枚目(乙C51の-7-頁)並びに昭和38年1月11日付け「日韓予備交渉第22回会合記録」と題する文書の4枚目及び5枚目(乙C51の-28-~-29-頁)に黒塗りされている部分があり,竹島問題の解決方法に関し,控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和37年12月26日,外務省会議室において,日本側代表と韓国側代表との間で日韓予備交渉第21回会合が行われ,請求権問題その他の懸案について我が国の立場が示され,説明が行われた。P52アジア局長は,懸案の一つである竹島問題について,請求権問題がほぼ解決したとの新しい情勢下において,是非日本側妥協案のラインで解決するよう再考を求め,最終的に国際司法裁判所提訴で解決 われた。P52アジア局長は,懸案の一つである竹島問題について,請求権問題がほぼ解決したとの新しい情勢下において,是非日本側妥協案のラインで解決するよう再考を求め,最終的に国際司法裁判所提訴で解決するという目途が立っていなければ,協定全体につき国会の承認を得ることが困難であることを説明し,(不開示部分に続き)むしろ,調停期間中に双方で受諾可能な案を作り,これを調停の結果だということにして受諾するというやり方などもあり得ると思うと述べた。また,昭和38年1月11日,外務省会議室において,日本側代表と韓国側代表との間で日韓予備交渉第22回会合が行われ,韓国のP53参事官が,P54副総裁が竹島共有論を述べたというP55新聞の記事に言及し,P52アジア局長は,あのような話は初耳で,P54氏個人の日韓会談早期妥結への善意の表れであると理解していると述べ,竹島問題がここまで有名になった以上,日韓両国民とも自国の領土は譲れないという気持ちになっているので,この時期に共有という案が出たとしても両国民ともこれを認めないのではなかろうかと述べ,(この発言に続く不開示部分に続き)要するに日本側としては調停等で解決しない場合には最終的には国際司法裁判所で解決するという保障がなくては国会の了承を得られないといっているまでで,なにも是非国際司法裁判所に出そうといっているのではない,他 方,韓国側は「裁判」で解決するということが面子上いやだといわれている(不開示部分に続く。)などと述べた。これに対し,P53参事官は,なるべく調停によって解決したいが,もしそれがだめならば新しく相談して解決方法を決めることにしようというのが韓国側の立場であるなどと述べた。 上記aの昭和37年12月26日付け「日韓予備交渉第21回会合」と題する文書及び昭和38年 れがだめならば新しく相談して解決方法を決めることにしようというのが韓国側の立場であるなどと述べた。 上記aの昭和37年12月26日付け「日韓予備交渉第21回会合」と題する文書及び昭和38年1月11日付け「日韓予備交渉第22回会合記録」と題する文書は,上記各会合の内容を記録したものである。 c 上記aの昭和37年12月26日付け「日韓予備交渉第21回会合」と題する文書の黒塗り部分(乙C51の-7-の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,第21回会合におけるP52アジア局長の発言要旨であり,開示された部分に表われている,竹島問題の国際司法裁判所への提訴案を,いわば伝家の宝刀として位置付ける同局長の見解から更に一歩踏み込んだ考え方に係る情報である。また,昭和38年1月11日付け「日韓予備交渉第22回会合記録」と題する文書の各黒塗り部分(乙C51の-28-頁の黒塗り部分,-29-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,第22回会合における同局長の発言要旨で,P54自民党副総裁が述べた竹島問題の解決案についての同局長の評価を含む発言に係る情報並びに韓国側が述べた国際司法裁判所への提訴案に代替する案に対して国際司法裁判所への提訴案を基礎とした更なる日本側の再提案についての同局長の評価に係る情報である。これらは,日本側が提案していた国際司法裁判所への提訴案に消極的な韓国側との交渉を進めるため,同局長があえて一歩下がった発言をしたもので,いずれも,当時ないし現在の竹島問題に関する我が国の公式見解ないし方針と一致するとはいえないものであることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれ えないものであることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,竹島問題の解決方法について当時の外務省アジア局長が日韓予備交渉で発言した内容で,現在の我が国政府の公式見解ないし方針と一致するとはいえない内容のものである上記各係争情報が公にされれば,韓国側は,これを我が国の真の見解ないし方針であると援用したり,交渉材料として自らに有利に利用したりするなどして,我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が交渉上の不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当すると認められる。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は,いずれも当時韓国側に伝えられた内容であること,非公開の約束がされていたわけではないこと,交渉の内容は韓国側の文書公開により一般に知られるところとなっていること,現在の日本政府の主張と異なる内容が韓国側に伝えられたとすれば主権者である国民がそれを知るべきであることなどからすれば,これを開示しない理由はない旨主張する。 しかし,前記認定のとおり,外交交渉の過程における率直な意見交換や情報交換は,基本的に非公開とするという国際慣行があること,特に,対面交渉の場での発言は,相手方の真意を探り,交渉を実のあるものとするために,公式見解より踏み込んだ考え方を示すこともあることからすれば,上記各係争情報が対面交渉の場での発言として韓国側に伝えられたものであると の発言は,相手方の真意を探り,交渉を実のあるものとするために,公式見解より踏み込んだ考え方を示すこともあることからすれば,上記各係争情報が対面交渉の場での発言として韓国側に伝えられたものであるとしても,これを我が国の公文書の公開として公にする場合とは著し く意味が異なるものとなると考えられる。上記各係争情報が韓国側の開示文書などで明らかにされたと認めるに足りる証拠はなく,上記イのとおり,これが我が国に外交交渉上の不利益を生じさせる蓋然性は否定できない。 以上によれば,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (38) 通し番号3-15の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A54,乙A527,乙C54,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-15の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年3月14日付け「日韓政治折衝第2回会談記録」と題する文書である。そのうち16枚目に黒塗りされている部分があり,さらに,「次頁以下9頁不開示」と記載されている。また,26枚目に黒塗りされている部分があり,さらに,「次頁以下5頁不開示」と記載されている。上記各黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和37年3月14日,外務大臣接見室において,小坂外務大臣と崔外務部長官との間で日韓政治折衝第2回会談が行われた。崔外務部長官から,韓国の領土,主権に関連する問題について池田総理が国会答弁した内容に不快の念を覚えたこと,請求権問題に関する日本側の考え方は実務者会談の日本側の立場と実質的に同じであったことなどが指摘され,これらに関する見解が述べられた。これに対し,小坂大臣も見解を述べた。その後,両者 を覚えたこと,請求権問題に関する日本側の考え方は実務者会談の日本側の立場と実質的に同じであったことなどが指摘され,これらに関する見解が述べられた。これに対し,小坂大臣も見解を述べた。その後,両者の間で非公式発言ということで,応酬がされた。 上記会談の内容を記録したのが上記aの文書である。 c 上記aの各黒塗り部分及び不開示部分(乙C54の-16-頁の黒塗り部分及び「次頁以下9頁不開示」の部分,-26-頁の黒塗り部分及 び「次頁以下5頁不開示」の部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,いずれも昭和37年3月14日に小坂外務大臣と崔外務部長官との間で行われた日韓政治折衝第2回会談の際に,非公式発言ということでされた応酬の内容に係る情報であり,両者が当時の北朝鮮と韓国との関係,日韓会談に関する両国間の政治状況などに関する認識を踏まえ,会談の在り方に関して述べた率直な意見や,竹島問題に関する日韓両国政府の非公式見解について踏み込んだ内容を示したものであることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,外交交渉の過程で行われる意見交換や情報交換は,予め公開する前提で行われる場合を除いては,基本的に開示しないものとする国際慣行があると認められるところ,前掲証拠によれば,上記各係争情報は,乙C54の-16-頁2行目から3行目まで及び-26-頁11行目から12行目までにそれぞれ「以下非公式発言ということで,9時35分まで次のような応酬が行われた。」との記載に続く部分として記載された部分の内容であり,小坂外務大臣と崔外務部長官の双方が,非公式であり非公開とすることを前提としてした会話の内容であると認められる。 そうすると,このような位置付けのものとしてされた会話に係る上記各係争情報を公にすれば,韓国との信頼関係 務部長官の双方が,非公式であり非公開とすることを前提としてした会話の内容であると認められる。 そうすると,このような位置付けのものとしてされた会話に係る上記各係争情報を公にすれば,韓国との信頼関係が損なわれる蓋然性があるというべきであり,また,他国からも機密保持が期待できない国とみなされて,我が国が国際的な信用を失墜し,他の国々との外交交渉上不利益を被る結果となる蓋然性があることも否定できない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の根拠がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報が「非公式発言」としてされたとしても,「一般に公開しないことの約束」がされたとまでは認められない,日韓交渉終了後40年以上が経過しているのに韓国等との信頼関係を損なうとは考えられない,外交交渉の場での発言は主権者である国民が知るべきものである旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,外交交渉における意見交換,情報交換の内容は,基本的に非公開とするのが国際慣行であることなどからすると,外交交渉において互いに「非公式発言」とすることを確認した上でされた会話は,一般に公開しないことを約束したものと解されるから,このような位置付けの会話の内容を公開することが韓国その他の国々との信頼関係を損なう蓋然性のあることは上記イに示すとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (39) 通し番号3-16の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A40,乙A527,乙C40,乙E40,証人P4 できない。 (39) 通し番号3-16の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A40,乙A527,乙C40,乙E40,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-16の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録」と題する文書中の「ⅩⅤ 竹島問題」と題する章に相当する部分である。上記の章には,竹島問題について我が国が採った措置,領有に関する日韓両国の見解,国際司法裁判所提訴案の提示,紛争解決の交換公文案の妥結等の項目があり,関係文書が綴られている。 ⅰ 「国際司法裁判所提訴案の提示」という項目中の乙E40の-201-頁~-204-頁に相当する部分乙E40の201枚目(乙E40の-201-頁であり,右上に「1 5-200」と記載されている頁である。これに冒頭の目次の2頁分を加えると,202頁となる。原判決別紙処分目録3の通し番号3-16の当該頁が202頁と表示されているのは,このためである。乙E40の右上に記載されている頁に関する限り,以下同じ。)から204枚目(乙E40の-204-頁であり,右上に「15-205」と記載されている頁である。)までにそれぞれ黒塗りされている部分があり,さらに,203枚目(乙E40の-203-頁であり,右上に「15-202」と記載されている頁である。)には「次頁以下2頁不開示」と記載されている。上記黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 ⅱ 「紛争解決の交換公文案の妥結」という項目の「(1) 解決方式の模索」のうち,乙E40の-216-頁に相当する部分乙E40の216枚目に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が 交換公文案の妥結」という項目の「(1) 解決方式の模索」のうち,乙E40の-216-頁に相当する部分乙E40の216枚目に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 ⅲ 「紛争解決の交換公文案の妥結」という項目の「(1) 解決方式の模索」のうち,乙E40の-217-頁に相当する部分乙E40の217枚目に黒塗りされている部分があり,217枚目に「次頁不開示」と記載されている。上記黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 ⅳ 「紛争解決の交換公文案の妥結」という項目の「(6) P56審議官・P57大使会談」のうち,乙E40の-239-頁に相当する部分乙E40の239枚目に黒塗りされている部分があり,239枚目に「次頁不開示」と記載されている。上記黒塗り部分及び不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 bⅰ 昭和28年8月以来我が国において竹島問題を国際司法裁判所に提訴する方針が検討され,昭和29年9月24日竹島問題を国際司法裁 判所に提訴する方針が閣議決定された。これを受け,P58外務事務次官は,同月25日,P59駐日公使に対し,竹島問題を国際司法裁判所に提訴することについて韓国政府の同意を求める口上書を渡した。これに対し,P59公使から,同年10月28日,P58外務事務次官宛に上記同意を拒否する口上書がもたらされた。この一連の経過の中で,外務省は,同年9月24日,在米P60大使に対して公電で竹島問題についての米国政府の見解を求めた。これに対する同年10月2日付けP60大使からの来電には,サンフランシスコ平和条約の解釈論として,竹島は日本に帰属すべきものであるとの見解が大勢であるとの趣旨が記載されていた。上記aの文書には, 。これに対する同年10月2日付けP60大使からの来電には,サンフランシスコ平和条約の解釈論として,竹島は日本に帰属すべきものであるとの見解が大勢であるとの趣旨が記載されていた。上記aの文書には,これに続く-201-頁から-202-頁に上記aのⅰの黒塗り部分が存在する。 その後,上記のとおり韓国側から国際司法裁判所提訴拒否の回答があった。上記aの文書には,これに続く-203-頁に上記aのⅰの黒塗り部分が存在し,我が国のこの点に関する検討結果が記載されている。外務省は,それに関してP60大使に米国側の考えを打診させた。これについてのP60大使からの回電に関する記載が不開示部分(乙E40の-203-頁に「次頁以下2頁不開示」と記載されており,これに該当する部分及び-204-頁の黒塗り部分)とされている。 ⅱ 我が国は,昭和37年9月以来,韓国側に対し,竹島問題を国際司法裁判所に提訴した場合に,韓国側が応訴することを約束するよう求めたが,韓国側は第三国の居中調停に任せることを希望した。その後,我が国は,国交正常化後,双方の合意する調停機関による調停に付し,これにより問題が解決しない場合には国際司法裁判所に付託するとの提案をしたが,韓国側は,第三国による居中調停以外に適当な方法は考えられないと主張した。日韓会談における諸問題の解決が進展する 中で,我が国は竹島問題の解決の目途をつけるよう求めたが,韓国側の代表は,国際司法裁判所付託はもとより,第三国による居中調停すら韓国では受け入れられないと語り,「竹島問題のタブーは一つは竹島の字句を条約面に出すこと,一つは国際司法裁判所である」と述べた。これについてP52アジア局長の「日韓交渉に関する若干の回想」に記載があるが,その記載に関する部分が不開示とされている。 ⅲ 島の字句を条約面に出すこと,一つは国際司法裁判所である」と述べた。これについてP52アジア局長の「日韓交渉に関する若干の回想」に記載があるが,その記載に関する部分が不開示とされている。 ⅲ P61在韓米国大使が朴大統領と会った際に朴大統領が語った内容も不開示とされている。 ⅳ 日韓条約諸協定書の条文化交渉が最終的段階に入った時期に,竹島問題解決のための条文化交渉が行われ,我が国から議定書案が提示され,韓国側から第三国による調停によって解決を図るものとする内容の交換公文案が提示され,日本側からも合意する手続に従って仲裁に付託する内容の交換公文案が提示された。その後,韓国側は,仲裁は絶対にのめず,調停が精々であることのほか,日韓間に現存する紛争は除いて,日韓間に「将来発生する」紛争についてのみ紛争解決手続を規定する方式を提案した。我が国は,竹島問題を除外しうる意味の案文はのめないとして少なくとも中立的な表現をとって「日韓間の紛争」とすべきであることを主張したが,韓国側は日韓間に「生ずる」紛争という表現に固執した。この点について,P62条約局長が作成した「日韓条約で決着がつけられていない2つの問題点について」と題する文書には,「生ずる」を入れるよりも仲裁から調停まで降りる方を選んだ理由としてメモに書いてあるところ次のとおりと記載されている。これに続く部分が不開示とされている。 cⅰ 上記aのⅰの各黒塗り部分及び不開示部分(乙E40の-201-頁~-204-頁の各黒塗り部分及び-203-頁の「次頁以下2頁不開示」の部分。ただし,原判決が不開示処分を適法と判断した部分 を除く。)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和29年当時,日本政府関係者が米国政府関係者から聴取した米国の竹島問題に関する対応・見解に係る情報で 不開示処分を適法と判断した部分 を除く。)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和29年当時,日本政府関係者が米国政府関係者から聴取した米国の竹島問題に関する対応・見解に係る情報である。 ⅱ 上記aのⅱの各黒塗り部分及び不開示部分(乙E40の-216-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和40年当時,P63在日韓国代表部代表(後の在日韓国大使。以下「P63代表」という。)の「竹島問題のタブーは一つは竹島の字句を条約面に出すこと,一つは国際司法裁判所である。」との発言に関するP52アジア局長の個人的見解及びP63代表が竹島問題の解決方針について示した一定の意見に係る情報である。 ⅲ 上記aのⅲの黒塗り部分及び不開示部分(乙E40の-217-頁の各黒塗り部分及び-217-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和40年当時,韓国朴正煕大統領がP61在韓米国大使に会った際に述べた竹島問題についての具体的な見解で,米国政府から提供されたものに係る情報である。 ⅳ 上記aのⅳの各黒塗り部分及び不開示部分(乙E40の-239-頁の黒塗り部分及び-239-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,日韓基本条約締結と同時に日本の外務大臣と韓国の外務部長官との間に交わされた交換公文(「両国政府は,別段の合意がある場合を除くほか,両国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとし,これにより解決することができなかつた場合は,両国政府が合意する手続に従い,調停によつて解決を図るものとする。」という内容のもの)について,「『生ずる』を入れるよりも仲裁から調停まで降りる方を選んだ理由」に関するP62条約局長の個人的見解に係る情 府が合意する手続に従い,調停によつて解決を図るものとする。」という内容のもの)について,「『生ずる』を入れるよりも仲裁から調停まで降りる方を選んだ理由」に関するP62条約局長の個人的見解に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性(ア) 上記aのⅰの控訴に係る係争情報について上記aのⅰの控訴に係る係争情報は,昭和29年当時,日本政府関係者が米国政府関係者から聴取した米国の竹島問題に関する対応・見解であるが,前記認定のとおり,外交交渉の過程で行われた意見交換,情報交換の内容は,予め公表することを前提としてされたものでない限り,基本的に非公開とするのが国際慣行であり,竹島問題は現在も未解決の問題であるから上記の国際慣行を尊重すべきであって,この国際慣行に反して我が国が上記係争情報を開示した場合,我が国と米国政府との信頼関係が損なわれる蓋然性があるほか,他国からも機密保持が期待できない国とみなされて,国際的な信用が失墜する蓋然性があるというべきである。 また,米国が日韓関係に対して有する影響力に鑑みると,上記係争情報が韓国との交渉上我が国に不利な材料となりうるものである場合には,これを公にすることにより上記係争情報を知った韓国政府が我が国との今後の同問題に関する交渉等に当たり,これを自らに有利な交渉材料として利用することが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,米国との信頼関係が損なわれるおそれがあるのみならず,韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 (イ) 上記aのⅱの控訴に係る係争情 の交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 (イ) 上記aのⅱの控訴に係る係争情報について上記aのⅱの控訴に係る係争情報は,P63代表の「竹島問題のタブーは一つは竹島の字句を条約面に出すこと,一つは国際司法裁判所であ る。」との発言に関するP52アジア局長の個人的見解に係る情報と,P63代表が竹島問題の解決方針について示した一定の意見に係る情報であるが,後者は,当時及び現在の韓国政府の公式見解とは異なる内容のものである。 このうちP52アジア局長の個人的見解は,外務省アジア局長の職に在る者が竹島問題に関する韓国側の対応方針に関して示したものであり,個人的見解であるとはいえ,これを公にした場合,竹島問題に関する韓国との今後の交渉上我が国に不利益が生じる蓋然性があると推認される。 また,P63代表が竹島問題に関する交渉の過程で示した上記意見については,前記のとおり,外交交渉の過程における他国との意見交換,情報交換は,これを公開することを予定して行われたものでない限り,基本的に公表しないことが国際慣行であり,竹島問題は現在も日韓両国間で未解決の重要問題である上,特にP63代表の上記意見が当時及び現在の韓国の公式見解とも異なるという事情もあるのであるから,当然上記の国際慣行を尊重すべきである。この国際慣行に反して我が国が上記係争情報を開示した場合,韓国の我が国に対する信頼が損なわれる蓋然性があり,他の国々からも外交上の機密を保持することが期待できない国とみなされ,我が国の国際的な信用が失墜し,今後他の国々との外交交渉上の意見交換や情報収集に支障が生じ,我が国に不利益となる蓋然性もあるというべき 々からも外交上の機密を保持することが期待できない国とみなされ,我が国の国際的な信用が失墜し,今後他の国々との外交交渉上の意見交換や情報収集に支障が生じ,我が国に不利益となる蓋然性もあるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国及びその他の諸外国との信頼関係が損なわれ,韓国その他の国々との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 (ウ) 上記aのⅲの控訴に係る係争情報について上記aのⅲの控訴に係る係争情報は,在韓米国大使が朴正煕大統領と面談した際の竹島問題に関する同大統領の発言内容であり,この情報は,日本政府が米国政府側から提供されたものであるが,外交交渉における上記の国際慣行に照らせば,朴大統領は,上記面談での発言内容が日本政府に伝達されることを認識していたとは認められず,これが日本政府により公にされることは想定していなかったと考えられる上,これを日本政府に伝達した米国政府関係者においても,後日,伝達した内容が日本政府により公にされることはないとの前提に立っていたものと認められる。 そうすると,日本政府が上記係争情報を公にすれば,機密保持を前提として情報の提供に応じた米国政府の我が国に対する信頼が損なわれるばかりでなく,韓国大統領が公にしないことを前提にした発言内容を公にすることとなるのであるから,韓国政府の我が国に対する信頼もまた損なわれ,さらに機密保持を期待できない国として他の国々からの信頼も損なわれ,我が国は,今後の外交交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国及び米国との信頼関 できない国として他の国々からの信頼も損なわれ,我が国は,今後の外交交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国及び米国との信頼関係が損なわれ,韓国を始めとする他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 (エ) 上記aのⅳの控訴に係る係争情報について上記aのⅳの控訴に係る係争情報は,日韓条約に係る交換公文につき「『生ずる』を入れるよりも仲裁から調停まで降りる方を選んだ理由」に関するP62条約局長の個人的見解に係る情報であり,我が国におけ る条約案の策定等を所管する外務省条約局長が,日韓条約の案文の策定に当たり,日本政府部内でいかなる対処方針を立てていたか,当該対処方針がいかなる配慮の下にいかなる形で案文に反映されているか,これを反映するに当たって韓国側との折衝に当たりいかなる配慮がなされたか等について述べた率直な見解を含むものであり,条約案の策定や相手方当事国との折衝の在り方等について,一般的に我が国の対処方針を推し量ることができる内容のものであることが認められる。 以上のような内容の上記係争情報が公になると,日韓条約の案文策定に当たっての我が国の対処方針,それを案文に盛り込む際の対応ぶり,ひいては当時の韓国側の対応の予測やこれを踏まえた日本政府の対処方針等が明らかとなるばかりでなく,今後,我が国が関係することが予想される各種条約の案文策定における我が国の対処方針や,それを案文に盛り込む際の我が国内部の配慮,相手方当事国の対応の予測やこれを踏まえた日本政府の対処方針もまた相当程度に推知されるおそれがあると考えられる。特に,竹島 策定における我が国の対処方針や,それを案文に盛り込む際の我が国内部の配慮,相手方当事国の対応の予測やこれを踏まえた日本政府の対処方針もまた相当程度に推知されるおそれがあると考えられる。特に,竹島問題は,日韓両国間の未解決の問題であり,韓国側も極めて高い関心を示している事項であるから,上記係争情報が公になれば,韓国政府が,今後,同問題について日本と交渉等を行う際に,同問題に関する過去の日本側の認識や見方を日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本が過去に示した態度を日本側に不利な交渉材料として用いることなどが考えられるのであり,それにより我が国が交渉上不利益を被ることが想定される。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国を始めとする他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について 1審原告らは,(ⅰ) 上記aのⅰの控訴に係る係争情報について,米国政府関係者又はP57大使との間で非公開の約束があったことを支える事情,証拠は提出されておらず,非公開の約束の事実は認められず,米国又は韓国との信頼関係を損なうおそれがあるとする具体的な事情は認められない,(ⅱ) 上記aのⅱの控訴に係る係争情報について,アジア局長の個人的見解自体を非公開とする必要がある理由は具体的に主張されておらず,P57大使の意見がアジア局長の回想に含まれていることを示す証拠は示されておらず,P57大使の意見を非公開とする約束が存在することを示す具体的事情や,韓国政府の見解と異なる韓国外交官の意見の開示がどのような観点から韓国との信頼関係や外交交渉に影響を与えるのかも明らかにされていない,(ⅲ の意見を非公開とする約束が存在することを示す具体的事情や,韓国政府の見解と異なる韓国外交官の意見の開示がどのような観点から韓国との信頼関係や外交交渉に影響を与えるのかも明らかにされていない,(ⅲ) 上記aのⅲの控訴に係る係争情報について,非公開約束の存在等について何ら具体的事実を提示していない,(ⅳ) 上記aのⅳの控訴に係る係争情報について,開示された他の部分から,竹島問題が除かれることをはっきりさせない事情があったことや,韓国側からも要請があった経緯が明確に記載されているのであって,我が国の対処方針を推し量ることができる内容は既に公にされている,不開示部分より後に綴られている「佐藤総理・李外務部長会談」の記録において「生ずる」という文言を拒んだ日本側の様々な理由並びに韓国側が一定の要請の下にその文言を撤回した経緯が詳しく記載されているから,上記aのⅳの控訴に係る係争情報の開示が今後の日韓の交渉に不利益を与えることは想定できない,以上のとおり主張する。 しかし,前記のとおり,外交交渉における意見交換等の内容は基本的に非公開とする国際慣行があり,竹島問題は現在もなお未解決の問題であってこれに関する米国側又は韓国側の見解等は現在も一定の意味を持つと考えられることなどからすれば,上記aのⅰの控訴に係る係争情報,上記aのⅱの控訴に係る係争情報及び上記aのⅲの控訴に係る係争情報について 不開示を相当とする上記判断は,左右されないというべきである。また,弁論の全趣旨によれば,上記aのⅳの控訴に係る係争情報は,日本政府部内でいかなる対処方針を立てていたか,当該対処方針がいかなる配慮の下にいかなる形で案文に反映されているか,これを反映するに当たって韓国側との折衝に当たりいかなる配慮がなされたか等について述べた率直な見解を含むもので 針を立てていたか,当該対処方針がいかなる配慮の下にいかなる形で案文に反映されているか,これを反映するに当たって韓国側との折衝に当たりいかなる配慮がなされたか等について述べた率直な見解を含むものであり,条約案の策定や相手方当事国との折衝の在り方等について,一般的に我が国の対処方針を推し量ることができる内容のものであって,「佐藤総理・李外務部長会談」(乙E40の-244-頁から-246-頁まで)などで示されたものよりも詳細な内容であることが認められる。 以上の次第で1審原告らの上記各主張は採用することができない。 (40) 通し番号3-21の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A42,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-21の文書は,外務省アジア局が作成した33年6月分との記載がある「○北東アジア課関係」という見出しで始まる文書,34年1月分,2月分,3月分との記載がある各「○北東アジア課関係」という見出しで始まる文書,アジア局重要懸案処理月報第11号(昭和34年4月分),同第13号,同第14号,同第15号,同第16号(昭和34年9月分)その他の複数の文書である。そのうち,同第16号の文書の19枚目(乙A42の-111-頁)及び20枚目(乙A42の-112-頁)に黒塗りされている部分があり,上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b アジア局重要懸案処理月報第16号(昭和34年9月分)には竹島問 題が取り上げられ,「(1) 9月15日海上保安庁巡視船「へくら」は竹島の巡視を行い,同島が韓国側により引続き不法占拠されている事実を視認した。」という記載があり,これに続く(2)の冒頭部分が 題が取り上げられ,「(1) 9月15日海上保安庁巡視船「へくら」は竹島の巡視を行い,同島が韓国側により引続き不法占拠されている事実を視認した。」という記載があり,これに続く(2)の冒頭部分が黒塗りされている(乙A42の-111-頁)。また,(3)の「よってP64大使は25日P45大使を招致し,」に続く部分が黒塗りされている(乙A42の-112-頁)。 c 上記a及びbの各黒塗り部分に記録されている控訴に係る係争情報は,海上保安庁巡視船が韓国側による竹島不法占拠の事実を視認した上で日本政府が執った具体的措置の内容に係る情報及び同措置に関して日韓両国政府の大使同士の面談の際に日本の大使が韓国の大使に示した意見又は見解に係る情報であり,これらは,竹島が韓国側により不法占拠されている事実を視認した後に我が国政府が執った具体的措置の内容及び仮定的な前提条件の下における我が国の対処方針も含めた検討内容の概要である。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報の内容は,当時の日本政府の竹島の不法占拠問題に係る対処方針について,あたかも積極的な対応を執ることについて消極的な姿勢であったかのような誤解を韓国側に与えかねないものであると認められるから,これを公にした場合,韓国政府が今後竹島問題について我が国と交渉を行うにあたり,これらを竹島問題に関する我が国の過去の認識,態度として我が国の今後の対応を推察するための参考としたり,我が国に不利な材料として用いたりすることが考えられるほか,我が国の他に生じうる領土問題においても,関係相手国により同様の利用に供されることが考えられる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があ る情 様の利用に供されることが考えられる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があ る情報というべきであり,いずれも情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,海上保安庁巡視船が執った措置の内容も,日本側大使の韓国大使に対する発言の内容も,韓国政府の知るところであり,韓国側に誤解を生じさせるようなものではないから,非公開とする理由がない旨主張する。 しかし,上記各係争情報についてこれまでに公開されたとする事実は認められない上,これらが韓国政府の知るところであるとしても,我が国の側の認識,姿勢として公文書に記載されていることが明らかになることの意味は自ずと異なるものであるし,他に生じうる領土問題にも影響を及ぼす蓋然性が考えられることは上記のとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (41) 通し番号3-24の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A61,乙A527,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-24の文書は,外務省アジア局第一課が作成した昭和32年9月6日付け「日韓交渉に関する関係各省次官会議議事要旨」と題する文書である。そのうち8枚目に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和32年9月6日,外務次官会議室において,日韓交渉に関する関係各省次官会議が開かれ,日韓の非公式会談の経過,韓国側修正要求の概要,日本側が私案として提出した対案,韓国代表部の内情,韓国政府内部の動きが説明され,李 外務次官会議室において,日韓交渉に関する関係各省次官会議が開かれ,日韓の非公式会談の経過,韓国側修正要求の概要,日本側が私案として提出した対案,韓国代表部の内情,韓国政府内部の動きが説明され,李ライン問題について意見交換がされた。外務 事務次官は,予備折衝の意義について述べた上で,李ライン問題への対応に関連して当時における領海問題及び漁業問題に関するソ連への対処方針について見解を示した。上記aの文書は,上記会議の内容を記録した議事要旨の一部である。 c 上記aの黒塗り部分(乙A61の-8-頁の黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和32年9月6日に行われた日韓交渉に関する関係各省次官会議において,外務事務次官が,李ライン問題への対応に関連し,予備折衝の意義について述べた上で,当時における領海問題及び漁業問題に関するソ連への対処方針について示した見解に係る情報であり,韓国又はロシアとの交渉上我が国に不利な材料となりうるものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国及び国民が高い関心を寄せる領土紛争問題であり,日本政府は平成24年8月21日に韓国側に対し国際司法裁判所への合意付託を提案するなど,現在も未解決の紛争問題である。また,我が国はロシアとも北方領土問題を抱えており,その解決に向けての交渉は,当時も今日も日露両国間の重要な外交課題の1つである。 上記係争情報の内容は,当時の外務事務次官の領海問題及び漁業問題に関するソ連への対処方針についての見解であると同時に,李ライン問題に関する対応についての見解であり,これを公にすれば,過去に我が国がソ連との間の領海問題及び漁業問題に関して採った対処方針が明らかになるとともに,当時我が国が李ライン問題に関して検討し 李ライン問題に関する対応についての見解であり,これを公にすれば,過去に我が国がソ連との間の領海問題及び漁業問題に関して採った対処方針が明らかになるとともに,当時我が国が李ライン問題に関して検討した対処方針もまた明らかになると認められる。当時の李ライン問題は,今日の竹島問題と密接な関係を有し,李ライン問題についての対処方針は竹島問題に対するそれと密接不可分の関係にある。したがって,上記係争情報が公になれば,韓国又はロシアが今後竹島問題又は北方領土問題について日本と交渉を行う にあたり,これらの問題に関する過去の日本側の認識,関心事項や見方として日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本が過去に示した態度として日本側に不利な交渉材料として用いたりすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,(ア) 上記係争情報は,その前後の文脈から,韓国との交渉方法についてソ連への対処方針を例に引いて述べた意見に係る情報と推測できるのであり,ソ連との交渉を主題とするものではなく,ソ連への対処方針の詳細を内容とするものではなく,北方領土問題を内容とするものではなく,ロシアとの交渉に影響を及ぼすものとは考えられない,(イ) 上記係争情報に李ライン問題に関する検討が含まれていても,竹島問題自体に関する検討部分はなく,わずか3行分に竹島問題についての具体的内容が含まれているとはとうてい考えられない,(ウ) 上記係争情報は,昭和32年当時の ン問題に関する検討が含まれていても,竹島問題自体に関する検討部分はなく,わずか3行分に竹島問題についての具体的内容が含まれているとはとうてい考えられない,(ウ) 上記係争情報は,昭和32年当時の一事務次官の個人的見解であって,今日の外交交渉に影響するとは考えられない,(エ) したがって,上記係争情報は法定不開示情報に該当しない,以上のとおり主張する。 しかし,上記係争情報は,外務事務次官が予備折衝の意義について述べた部分に続く黒塗り部分に記録されている情報であり,弁論の全趣旨を併せ考慮すれば,李ライン問題への対応に関連し,当時における領海問題及び漁業問題に関するソ連への対処方針について示した見解に係る情報であると認められる。分量的には少なくても,内容が関係国へのこれらの問題 に対する当時の対処方針であれば,我が国の具体的な認識や姿勢を凝縮して示すことはありうるのであり,竹島問題及び北方領土問題をめぐる状況が当時も今日も基本的には変化がないことに照らせば,上記係争情報が今日の外交交渉に影響を及ぼすことはあり得るのであって,上記ア,イの認定判断は左右されないというべきである。1審原告らの上記主張は採用することができない。 (42) 通し番号3-27の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A64,乙A527,乙C64,証人P4)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-27の文書は,外務省アジア局アジア二課が作成した昭和29年1月21日付け,同年2月1日付け各「P34発言に関する件」と題する文書等から成るP34発言及び日韓問題に関する複数の文書から始まり,その後に駐米大使の外務大臣宛電信及び外務大臣の駐米大使宛電信等の日韓問題及 け,同年2月1日付け各「P34発言に関する件」と題する文書等から成るP34発言及び日韓問題に関する複数の文書から始まり,その後に駐米大使の外務大臣宛電信及び外務大臣の駐米大使宛電信等の日韓問題及び竹島問題に関する一連の電信等が綴られているものである。 そのうち控訴に係る係争情報が記録されている文書は,類型別に次のとおりである。 (在外大使から外務大臣宛の電信)(a) 昭和29年10月1日発信のP60駐米大使から外務大臣宛ての「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解釈に関する件」と題する電信(第1148号。以下「電信1」という。)の写し電信1の2枚目(乙C64の-106-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)がある。 (b) 同年11月15日発信のP65国連大使から外務大臣宛ての「竹島 問題に関する件」と題する電信(第296号。以下「電信2」という。)の写し電信2の1枚目(乙C64の-107-頁)に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載があり,これに続く丁(乙C64の-108-頁)にも黒塗り部分がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)。 (c) 同年11月16日12時28分発信の国連大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信(第298号。以下「電信3」という。)の写し電信3の1枚目(乙C64の-109-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)がある。 (d) 同年11月16日11時発信のP65国連大使から岡崎外務大臣宛ての電信(第299号。以下「電信4」という。)の写し電信4の1枚目(乙C64の-110-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)がある。 (e) 同年11月17日発 宛ての電信(第299号。以下「電信4」という。)の写し電信4の1枚目(乙C64の-110-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)がある。 (e) 同年11月17日発信のP60駐米大使から岡崎外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信(第1377号。以下「電信5」という。)の写し電信5の1枚目(乙C64の-115-頁)に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分②の一部である。上記不開示部分②は,乙A64の-109-頁に「次頁以下3頁不開示」と記載された部分に該当するものであったが,その後一部開示され,乙C64の-115-頁の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分となった。)。 (外務大臣から在外大使宛の電信等)(f) 同年9月24日発信の「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解 釈に関する件」と題する外務大臣から駐米大使宛ての電信(第836号。以下「電信6」という。)の写し電信6の1枚目(乙C64の-147-頁)に黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分③の一部である。上記不開示部分③は,乙A64の-139-頁の「次頁以下3頁不開示」の記載に該当するものであったが,その後一部開示され,乙C64の-147-頁の黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分となった。)。 (g) 同年10月6日発信の緒方外務大臣代理から駐米大使宛ての「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解釈に関する件」と題する電信(第886号。以下「電信7」という。)の写し電信7の1枚目(乙C64の-149-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分④の一部であ る平和条約第二条の解釈に関する件」と題する電信(第886号。以下「電信7」という。)の写し電信7の1枚目(乙C64の-149-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分④の一部である。上記不開示部分④は,乙A64の-140-頁の「次頁不開示」の記載に該当するものであったが,その後一部開示され,乙C64の-149-頁の黒塗り部分となった。)がある。 (h) 同年11月5日発信の外務大臣から駐米大使宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信(第1003号。以下「電信8」という。)の起案電信8の起案の2枚目(乙C64の-157-頁)に黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部である。上記不開示部分⑤は,乙A64の-148-頁の黒塗り部分及び「次頁以下7頁不開示」の記載に該当するものであったが,その後一部開示され,乙C64の-157-頁の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分となった。)。 (i) 同年11月2日発信の外務大臣から国連大使宛ての電信(第229号。以下「電信9」という。)の写し電信9の1枚目(乙C64の-158-頁)に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部である。)。 (j) 同年11月19日発信の外務大臣から国連大使宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信(第247号。以下「電信10」という。)の起案電信10 の1枚目(乙C64の-159-頁)に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部である。)。 (k) 岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての同年4月9日付け「日韓 )に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部である。)。 (k) 岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての同年4月9日付け「日韓会談再開交渉に関する資料送付の件」と題する文書上記文書には「日韓問題に関する対米折衝の経緯」が添付されており,その6枚目(乙C64の-210-頁)に黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑦)がある。 (在外大使から外務大臣宛の報告書)(l) 同年10月18日付けの駐米大使から外務大臣臨時代理宛ての「竹島問題に関する件」と題する報告書(第2557号。以下「報告書11」という。)報告書11 の1枚目(乙C64の-201-頁)に黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑥の一部である。上記不開示部分⑥は,乙A64の-189-頁の「次頁以下9頁不開示」の記載に該当するものであったが,その後一部開示され,乙C64の-201-頁の黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の記載に該当する部分並びに-202-頁 の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分となった。)。 (m) 同年11月11日付けの国連大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する報告書(第791号。以下「報告書12」という。)報告書12 の1枚目(乙C64の-202-頁)に黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載がある(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤の不開示部分⑥の一部である。)。 上記各黒塗り部分及び各不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(39)記載のとおり,昭和29年9月24日に竹島問題を国際司法裁判所に提訴する方針が閣議決定されたこ 。)。 上記各黒塗り部分及び各不開示部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記(39)記載のとおり,昭和29年9月24日に竹島問題を国際司法裁判所に提訴する方針が閣議決定されたことを受け,P58外務事務次官がP59駐日公使に対し,竹島問題を国際司法裁判所に提訴することについて韓国政府の同意を求める口上書を渡したが,P59公使からP58外務事務次官宛に上記同意を拒否する口上書がもたらされた。この一連の経過の中で,岡崎外務大臣は,同年9月24日,P60駐米大使に対し,電信6(第836号)により,サンフランシスコ平和条約第2条の解釈として我が国の竹島に対する領有権に関する米国政府の見解ないし我が国が竹島問題について当時検討していた具体的対応策に関する米国政府の見解を得るよう指示した。この指示を受け,P60駐米大使は,同年10月2日,岡崎外務大臣に対し,電信1(第1148号)で返信し,「国務省の意向を打診したが本件に関する同省内部事情に関し係官の内話せるところ左の通り」として,国務省の法律専門家中条約起草関係者を含む大部分のものは,サンフランシスコ平和条約の解釈論として,竹島は日本に帰属すべきものであるとの見解を有していると報告した。この報告に続く電信1の2枚目(乙C64の-106-頁)の本文は黒塗りされている。外務大臣は,この報告を踏まえ,同年10月6 日,P60駐米大使に対し,更に竹島問題について検討していた具体的な対応策に関する方針を示して電信7(第886号)を発信した。これを受け,P60駐米大使は,同月18日,外務大臣臨時代理緒方国務大臣宛に,米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を報告するとともに,予想される米国側の態度に ,外務大臣臨時代理緒方国務大臣宛に,米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を報告するとともに,予想される米国側の態度に関する検討内容を記載した報告書11(第2557号)を提出した。 在京韓国代表部は,同年10月28日,同日付け口上書をもって竹島問題を国際司法裁判所に付託する提議を韓国政府が拒否する旨回答した。岡崎外務大臣は,これを受けて,P60駐米大使に対し,電信8(第1003号)で,この問題について検討していた具体的な対応策についての韓国側の反応やその後予想される韓国側の対応等を具体的に想定した日本政府の対応方針を検討した経過を示し,この対応策に対して予想される米国側の態度を把握することを指示した。P60駐米大使は,岡崎外務大臣に対し,同年11月17日発信の電信5(第1377号)でこの対応策に対する米国側関係者の態度,そこから推測される米国政府の具体的な見解及びその理由を返信した。 外務大臣は,国連大使に対しても,電信9(第229号)で,竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解を入手するよう指示し,国連大使は,報告書12(第791号)で,この件に関して入手した情報を踏まえ,日本政府が同問題について検討していた具体的対応策に関して参考となる資料を送付し,また,電信2(第296号)で,この件に関して国連代表部が収集した情報を送信し,電信3(第298号)及び電信4(第299号)で,これに関する追加情報を送信し,外務大臣は電信3(第298号)に対する返信として,国連代表部や在米大使館から報告された内容を踏まえ,日本政府が竹島問 題に対して内部的に検討した対応方針を含む電信10(第247号)を送信した。 3(第298号)に対する返信として,国連代表部や在米大使館から報告された内容を踏まえ,日本政府が竹島問 題に対して内部的に検討した対応方針を含む電信10(第247号)を送信した。 c-1 電信6,電信1,電信7,報告書11,電信8及び電信5に包含される各係争情報電信6,電信1,電信7,報告書11,電信8及び電信5を時系列,相互の関係で並べると,電信6を受けて電信1が送信され,電信1を受けて電信7が送信され,電信7を受けて報告書11 が送付され,報告書11を受けて電信8が送信され,電信8を受けて電信5が送信された順序となる。 (電信6と電信1に包含される係争情報)上記aの(f)の各黒塗り部分及び各不開示部分(電信6の1枚目(乙C64の-147-頁)の黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分。以上,いずれも別紙処分目録1の⑤の不開示部分③の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,岡崎外務大臣が,昭和29年9月24日,P60駐米大使に対し,電信6(同日発信の「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解釈に関する件」と題する外務大臣から駐米大使宛ての電信第836号)により,サンフランシスコ平和条約第2条の解釈として我が国の竹島に対する領有権に関する米国政府の見解ないし我が国が竹島問題について当時検討していた具体的対応策に関する米国政府の見解を得るよう指示したが,この指示のうち,上記aの(a)の各黒塗り部分(電信1の2枚目。乙C64の-106-頁)及び各不開示部分に記録されている各係争情報を推知させる内容に係る情報であると認められる。 上記aの(a)の各黒塗り部分(電信1の2枚目(乙C64の-106-頁)の黒塗り部分。別紙処分目録1の⑤の不開示部分①の一部)に記録されている控訴に係る係 る内容に係る情報であると認められる。 上記aの(a)の各黒塗り部分(電信1の2枚目(乙C64の-106-頁)の黒塗り部分。別紙処分目録1の⑤の不開示部分①の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,岡崎外務大臣の上記指示を受 け,P60駐米大使が,昭和29年10月2日,岡崎外務大臣に対し,返信した電信1(同年10月1日発信のP60駐米大使から外務大臣宛ての「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解釈に関する件」と題する電信第1148号)において,「国務省の意向を打診したが本件に関する同省内部事情に関し係官の内話せるところ左の通り」として,国務省の法律専門家中条約起草関係者を含む大部分のものは,サンフランシスコ平和条約の解釈論として,竹島は日本に帰属すべきものであるとの見解を有していると報告した部分に続く,国務省関係者のこの点に関する見解に係る情報であり,上記のとおり開示された部分と比較すれば,我が国が竹島問題について当時検討していた具体的対応策に関する米国政府の見解に係る情報であると認められる。 (電信7と報告書11 に包含される係争情報)上記aの(g)の各黒塗り部分(電信7の1枚目(乙C64の-149-頁)。別紙処分目録1の⑤の不開示部分④の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信1によりもたらされた米国側関係者の態度及び具体的な見解を踏まえて,岡崎外務大臣が,昭和29年10月6日,P60駐米大使に対し,電信7(同日発信の「竹島の領有権に関する平和条約第二条の解釈に関する件」と題する電信第886号)により伝達した,日本政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策に関する方針に係る情報である。 上記aの(l)の各黒塗り部分及び不開示部分(報告書11 の1枚目(乙C64の-201-頁)の より伝達した,日本政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策に関する方針に係る情報である。 上記aの(l)の各黒塗り部分及び不開示部分(報告書11 の1枚目(乙C64の-201-頁)の黒塗り部分及び「次頁以下4頁不開示」の記載に該当する部分。以上,いずれも別紙処分目録1の⑤の不開示部分⑥の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信7による指示を受け,P60駐米大使が,昭和29年10月18日,外務大臣臨時代理緒方国務大臣宛に,報告書11(同日付けの駐米大使から外務 大臣臨時代理宛ての「竹島問題に関する件」と題する報告書第2557号)を提出して報告した,米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解に係る情報であるとともに,予想される米国側の態度に関する検討内容に係る情報である。 (電信8と電信5に包含される係争情報)上記aの(h)の各黒塗り部分及び不開示部分(電信8の起案の2枚目(乙C64の-157-頁)の不開示部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分。別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,報告書11 により報告された米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を踏まえて,岡崎外務大臣が,昭和29年11月5日,P60駐米大使に対し,電信8(同日発信の「竹島問題に関する件」と題する電信第1003号)により伝達した,日本政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策について,韓国側の反応やその後予想される韓国側の対応等を具体的に想定した日本政府の対応方針を検討した経過,日本政府の具体的な対応策に対して予想さ 本政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策について,韓国側の反応やその後予想される韓国側の対応等を具体的に想定した日本政府の対応方針を検討した経過,日本政府の具体的な対応策に対して予想される米国側の態度を把握しようとした状況に係る情報である。 上記aの(e)の各黒塗り部分及び不開示部分(電信5の1枚目(乙C64の-115-頁)の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分。以上,いずれも別紙処分目録1の⑤の不開示部分②の一部である。)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信8による指示を受け,P60駐米大使が,昭和29年11月17日,岡崎外務大臣宛に,電信5(同日発信の駐米大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信第1377号)をもって報告した,米日本 政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する米国側関係者の態度,そこから推測される米国政府の具体的な見解及びその理由についての回答に係る情報である。 c-2 電信9,報告書12,電信2,電信3,電信4及び電信10 に包含される各係争情報電信9,報告書12,電信2,電信3,電信4及び電信10 を,時系列及び相互関係に従って並べると,電信9を受けて報告書12 が送付され,報告書12 を受けて電信2が送信され,電信2を受けて電信3が送付され,電信3を受けて電信4が送信され,電信4を受けて電信10 が送信された順序となる。 前記のとおり,岡崎外務大臣は,報告書11 により報告された米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を踏まえ,昭和29年11月5日,P60駐米大使に対し,電信8(同日発信の「竹島問題に関する件」と題する電信第1003号)により 竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を踏まえ,昭和29年11月5日,P60駐米大使に対し,電信8(同日発信の「竹島問題に関する件」と題する電信第1003号)により指示したが,これとともに,同月2日,国連大使に対しても,電信9(第229号)をもって竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解を入手するよう指示をした。この指示を受け,国連大使は,この件に関して入手した情報を踏まえ,報告書12(第791号)をもって日本政府が同問題について検討していた具体的対応策に関して参考となる資料を送付し,また,電信2(第296号)をもってこの件に関して国連代表部が収集した情報を送信し,電信3(第298号)及び電信4(第299号)をもってこれに関する追加情報を送信した。外務大臣は,国連代表部や在米大使館から報告された内容を踏まえ,電信3(第298号)に対する返信として,日本政府が竹島問題に対して内部的に検討した対応方針を含む電信10(247号)を送信した。 (電信9,報告書12,電信2,電信3,電信4及び電信10 に包含される係争情報)上記aの(i)の黒塗り部分及び不開示部分(電信9の1枚目(乙C64の-158-頁)の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分。別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,報告書11 により報告された,米韓関係という背景事情を踏まえた米国側の態度や竹島の領有権に関する平和条約第2条の解釈に関する米国側の具体的な見解を踏まえ,岡崎外務大臣が,昭和29年11月2日,国連大使に対しても,電信9(同日発信の外務大臣から国連大使宛ての電信第229号)をもって竹島問題について検討していた具体的な対応策に対 具体的な見解を踏まえ,岡崎外務大臣が,昭和29年11月2日,国連大使に対しても,電信9(同日発信の外務大臣から国連大使宛ての電信第229号)をもって竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解を入手するよう指示をした,当該指示に係る情報であり,日本政府が竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解を入手しようとした日本政府の対応状況に係る情報である。 上記aの(l)の各黒塗り部分及び不開示部分(報告書12 の1枚目(乙C64の-202-頁)の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分。以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑥の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信9による指示を受け,P65国連大使が,この件に関して入手した情報を踏まえ,同年11月11日,外務大臣代理緒方国務大臣宛てに,報告書12(同日付けの国連大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する報告書第791号)を提出して参考となる資料とともに報告した,日本政府が同問題について検討していた具体的対応策に関して参考となる資料に係る情報である。 上記aの(b)の各黒塗り部分及び不開示部分(電信2の1枚目(乙C64の-107-頁))の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該 当する部分並びにこれに続く丁(乙C64の-108-頁)の黒塗り部分。以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信9による指示を受け,国連大使が,同年11月15日,岡崎外務大臣に対し,電信2(同日発信のP65国連大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信第296号)をもって追加回答した,この件に関して国連代表部が収集した,日本側 11月15日,岡崎外務大臣に対し,電信2(同日発信のP65国連大使から外務大臣宛ての「竹島問題に関する件」と題する電信第296号)をもって追加回答した,この件に関して国連代表部が収集した,日本側が竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解に係る情報である。 上記aの(c)の黒塗り部分(電信3の1枚目(乙C64の-109-頁)の黒塗り部分。別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信9による指示を受け,P65国連大使が,同年11月16日12時28分,岡崎外務大臣に対し,電信3(第298号)をもって追加回答した,この件に関して国連代表部が収集した,日本側が竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解に係る情報である。 上記aの(d)の黒塗り部分(電信4の1枚目(乙C64の-110-頁)の黒塗り部分。別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,電信9による指示を受け,P65国連大使が,同年11月16日11時,岡崎外務大臣に対し,電信4(第298号)をもって追加回答した,この件に関して国連代表部が収集した,日本側が竹島問題について検討していた具体的な対応策に対する国連側の具体的な見解に係る情報である。 上記aの(j)の黒塗り部分(電信10 の1枚目(乙C64の-159-頁)の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分。別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑤の一部)に記録されている控訴に係る係争情報は,外務大臣が,電信3(第298号)に対する返信とし て,国連代表部や在米大使館から報告された内容を踏まえ,電信10(247号)をもって送信した日本政府が竹島問題に対して内部的に検討した 外務大臣が,電信3(第298号)に対する返信とし て,国連代表部や在米大使館から報告された内容を踏まえ,電信10(247号)をもって送信した日本政府が竹島問題に対して内部的に検討した対応方針に係る情報である。 c-3 岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての昭和29年4月9日付け「日韓会談再開交渉に関する資料送付の件」と題する文書に包含される各係争情報岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての昭和294月9日付け「日韓会談再開交渉に関する資料送付の件」と題する文書添付の「日韓問題に関する対米折衝の経緯」の6枚目(乙C64の-210-頁)の黒塗り部分(別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分⑦)に記録されている控訴に係る係争情報は,上記のとおり在米大使館及び国連代表部を通じて入手した情報を踏まえ,日本政府が竹島問題について検討していた具体的対応策を廃案とした経過の要旨に係る情報であり,その余の上記各係争情報を踏まえたものであるため,これらの要旨を推測させるものである。 イ法定不開示情報該当性上記のとおり,上記アのaの控訴に係る係争情報は,日本政府が竹島問題について当時検討していた具体的な対応策であってその後廃案としたものの内容若しくはこれについて検討していた内容(韓国との交渉上我が国に不利となりうる内容を含む。),又はこれらについて日本政府が在米大使館若しくは国連代表部を通じて収集した情報で,竹島問題若しくは上記対応策に対する米国側又は国連側の具体的見解が明らかとなるもの,又は以上の情報を推知ないし推測させるものである。 前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるとこ 測させるものである。 前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,これについて当時外務省が 検討していた具体的対応策又はこれについて検討していた内容が公になれば,韓国政府が,今後,同問題について日本と交渉を行う際などに,過去の日本側の認識や見方として日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本が過去に示した態度として日本側に不利な交渉材料として用いることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることが認められる。 また,証拠(乙A527,証人P4)によれば,外交交渉の過程での意見交換,情報交換等の内容は,それが当初から公表を予定して行われるのでない限り,基本的には非公開とするのが国際慣行であると認められること,上記のとおり竹島問題は現在も未解決の問題であって,韓国政府にとって極めて関心の高い事柄であることからすると,我が国が米国政府又は国連から入手した竹島問題やこれへの対応策に係る米国政府又は国連の見解を公にするときには,韓国をも交えた関係で波紋が生じることが想定されないではなく,我が国と米国及び国連との信頼関係が損なわれる蓋然性があるほか,米国,国連,その加盟国等の他の国々からも機密保持が期待できない国とみなされて,我が国の国際的な信用が失墜する蓋然性のあることも否定することができない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国等との交渉上不利益を被り,また,他国等との信頼関係が失われるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張に 被り,また,他国等との信頼関係が失われるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,米国政府や国連から得た情報について非公開約束があったとは認められないこと,これらを開示する場合に米国や国連との信頼関係が損なわれるとする具体的な事情があるとは認められないこと,1つの電信文の開示が他の電信文を推知させるということは不開示の根拠として 不十分であること,岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての同年4月9日付け「日韓会談再開交渉に関する資料送付の件」と題する文書に包含される係争情報が竹島問題に係るものであるとする証拠はないことなどを主張して上記各係争情報が法定不開示情報に該当しない旨主張する。 しかし,外交交渉における意見交換,情報交換の内容については基本的に非公開とする国際慣行があること,これらが現在も未解決の竹島問題に係るものであること,その中には韓国との交渉上我が国に不利となりうる内容を含むこと,一般に,法定不開示情報の内容を推知させる情報も法定不開示情報に該当するというべきであること,岡崎外務大臣名義で作成されたP60駐米大使宛ての同年4月9日付け「日韓会談再開交渉に関する資料送付の件」と題する文書に包含される係争情報は竹島問題に係るものであると認められること,以上によれば,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (43) 通し番号3-30の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A67,乙C67)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-30の文書は,外務省P66調 係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A67,乙C67)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-30の文書は,外務省P66調査官が外務大臣宛に送信した昭和40年3月3日付け「日韓会談(在韓米大使館参事官の内話)」と題する電信から始まる複数の文書であり,係争情報が包含されているのは同年5月4日付け「米側よりの日韓交渉早期妥結の要請についてのP67参事官の談話」と題する電信及び同月11日付け「日韓問題についてのP67参事官内話」と題する電信である。すなわち,同年5月4日付け「米側よりの日韓交渉早期妥結の要請についてのP67参事官の 談話」と題する電信の1枚目(乙C67の-19-頁)に黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載があり,同月11日付け「日韓問題についてのP67参事官内話」と題する電信の1枚目(乙C67の-20-頁)及び2枚目(乙C67の-21-頁)に各黒塗り部分がある。 b 在ソウル日本大使館のP66調査官は,昭和40年5月当時,在韓米国大使館のP67参事官から,日韓国交正常化交渉における日本政府の竹島問題に対する対応方針及び具体的な対応状況について,その問題点の指摘,米国側としての具体的かつ率直な意見を聴取した。上記aの同年5月4日付け「米側よりの日韓交渉早期妥結の要請についてのP67参事官の談話」と題する電信及び同月11日付け「日韓問題についてのP67参事官内話」と題する電信は,P66調査官がP67参事官から聴取した内容をまとめて在韓日本大使館から外務大臣宛に発信された電信の写しの一部である。 c 上記aの昭和40年5月4日付け「米側よりの日韓交渉早期妥結の要請についてのP67参事官の談話」と題する電信の1枚目(乙C67の-19-頁)の黒塗 大臣宛に発信された電信の写しの一部である。 c 上記aの昭和40年5月4日付け「米側よりの日韓交渉早期妥結の要請についてのP67参事官の談話」と題する電信の1枚目(乙C67の-19-頁)の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分①の一部)に控訴に係る係争情報が記録されている。また,同月11日付け「日韓問題についてのP67参事官内話」と題する電信の1枚目及び2枚目(乙C67の-20-頁~-21-頁)の各黒塗り部分(以上,いずれも別紙処分目録1の⑤欄の不開示部分②の一部)に控訴に係る係争情報が記録されている。 イ法定不開示情報該当性上記アのaの控訴に係る係争情報は,在韓米国大使館のP67参事官が,当時の日韓国交正常化交渉における日本政府の竹島問題に対する対応方針及び具体的な対応状況について,その問題点を指摘し,米国側として具体 的かつ率直な意見を述べた内容に係る情報であるとともに,韓国政府関係者の発言等を踏まえ,当時の日韓国交正常化交渉における日本政府の竹島問題に対する対応方針及び具体的な対応状況について,米国側として具体的かつ率直な意見を述べた内容に係る情報であり,同問題について日本側に不利となる蓋然性のある内容を含むものであることが認められる。前記認定のとおり,竹島問題については,日韓両国政府及び国民の間で高い関心が寄せられている現在も未解決の問題であり,上記各係争情報が公になると,韓国政府は,竹島問題について日本と交渉を行う際に,これを竹島問題に関する過去の米国側の認識や見方として,日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,米国側が過去に示した態度として,日本側に不利な交渉材料として用いることが考えられる。 また,前記のとおり,外交交渉の過程 国側の認識や見方として,日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,米国側が過去に示した態度として,日本側に不利な交渉材料として用いることが考えられる。 また,前記のとおり,外交交渉の過程での意見交換の内容は,それが当初から公表を予定して行われる場合でない限り,基本的に非公開とするのが国際慣行であると認められ,竹島問題が現在も未解決の問題であることとも合わせれば,上記各係争情報を公にした場合,このような慣行に反するほか,米韓間にも波紋を生じさせて我が国と米国政府との信頼関係が損なわれることになる蓋然性があり,他国からも機密保持が期待できない国とみなされ,我が国の国際的な信用が失墜する蓋然性があることを否定することができない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との外交交渉上不利益を被るおそれがあり,米国政府との信頼関係が失われるおそれもあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は,米国を代表するわけでもない一参事官の40年以上前の意見であり,米国が大国であるとしても,その内容が 日本に不利なものであるとしても,今後の日韓交渉に影響を与えることはおよそ想定できないこと,非公開とする約束があったとは認められないこと,40年を経過した後も公にした場合に米国との信頼関係を損なうとする具体的事情は認められないことから,情報公開法5条3号に該当するとは認められない旨主張する。 しかし,前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にある。上記各係争情 する。 しかし,前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にある。上記各係争情報に示されたP67参事官の意見は,全く個人的なものとしてではなく,米国側の意見としての重みを持つものと受け止められると考えられることからすると,これが開示された場合には,今後の竹島問題に係る日韓交渉に影響を与える可能性がある。また,前記のとおり外交交渉過程における意見交換等は基本的に非公開とする国際慣行がある。以上によれば,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (44) 通し番号3-34の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A71,乙C71,乙E71)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-34の文書は,外務省北東アジア課が作成した昭和39年10月27日付け「日韓問題に対する韓国側希望とこれに対する日本側の方針(案)」と題する文書から始まり,同年12月21日付け「日韓首脳間の会談において明らかにすべき日本側の立場(試案)」と題する文書(本文中に手書きの挿入がされていないものと手書きの挿入がされているものとが順に綴られている。)等の複数の文書である。同年12月21日付け「日韓首脳間の会談において明らかにすべき日本側の立 場(試案)」と題する文書(本文中に手書きの挿入がされていないもの)の12枚目(乙E71の-59-頁)に黒塗り部分がある。また,同名の文書(本文中に手書きの挿入がされているもの)の12枚目(乙E71の-71-頁)に黒塗り部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和39年10月 ある。また,同名の文書(本文中に手書きの挿入がされているもの)の12枚目(乙E71の-71-頁)に黒塗り部分がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和39年10月22日,P63新任韓国代表部代表が椎名外務大臣を表敬訪問し,日韓問題の進め方に関し,当面の諸問題(2000万ドルの対韓商品援助問題,延べ払いプラント2件許可問題,対韓漁船輸出解禁問題,韓国産品輸入増の問題,在韓日本商社に対する課税問題等)を解決して再開のきっかけをつかみたいこと,外務大臣に訪韓してほしいことなど,韓国側の希望を述べた。日本側はこれに対する対処方針を検討した。同年12月21日付け「日韓首脳間の会談において明らかにすべき日本側の立場(試案)」と題する文書においては,様々な問題の一つとして竹島問題が取り上げられており,日本側としては,少なくとも本問題解決の明確な目途をつけておくべきであるとの立場から,最終的には国際司法裁判所に付託することを両国間で合意するとの提案を行っているとの記載の次に,(注)として,「韓国側は,本件は日韓会談の議題外であると主張しつつ,第三国による調停という方法が日本側事情を最大限考慮した上での妥協案であるとしているが,第三国による調停だけでは強制力がなく,韓国側の竹島一方的点拠という事態が無期限に継続することになるおそれが大である。他方,韓国側は,国連にもICJにも加入していないこと,」という記載があり,これに続く部分が黒塗りされ,さらに,「韓国としてはICJには応じない可能性多く,」という記載があり,これに続く部分が黒塗りされている。 c 上記aの各黒塗り部分(乙E71の-59-頁及び-71-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和39年当時の 日韓両国政府間の交渉にお 部分が黒塗りされている。 c 上記aの各黒塗り部分(乙E71の-59-頁及び-71-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和39年当時の 日韓両国政府間の交渉において,日本政府が韓国政府に提案した竹島問題の解決策としての国際司法裁判所への提訴案について,韓国政府がこれに反対する理由を踏まえた日本政府の対応ぶりとして,当時外務省内部で検討されていた内容であり,今後の韓国側の交渉材料として日本側に不利となる蓋然性のあるものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国政府及び国民が高い関心を寄せる現在も未解決の領土紛争であるから,上記各係争情報が公になれば,韓国政府が,今後,竹島問題について日本と交渉を行う際に,竹島問題に関する過去の日本側の認識や見方として,日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本側に不利な交渉材料として用いることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性のあることが認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は,わずか3行弱のものであるから,日本政府の竹島問題に関する詳細な対応方針を含むことはあり得ず,当面の心構えを示す程度のものにすぎないと考えられ,40年以上を経過した現在の竹島問題の交渉に実際上の影響力を持つような性質の情報とは考えられない旨主張する。 しかし,前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日 た現在の竹島問題の交渉に実際上の影響力を持つような性質の情報とは考えられない旨主張する。 しかし,前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にある。上記各係争情報は,竹島 問題の解決策としての国際司法裁判所への提訴案について,韓国政府がこれに反対する理由を踏まえた日本政府の対応ぶりとして,当時外務省内部で検討されていた内容であり,これを公にした場合に韓国との交渉に影響が生じるおそれがあるとする判断は不合理なものとは認められない。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (45) 通し番号3-43の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙B79,乙D79)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-43の文書は,P68大使が岡崎外務大臣宛に昭和29年7月10日に発信した「蒋総統の国際問題についての見解の件」と題する電信,P69駐仏大使が岡崎外務大臣宛に同年9月10日に発信した電信その他の複数の文書である。そのうちP69駐仏大使が岡崎外務大臣宛に同年9月10日に発信した電信の1枚目(乙D79の-4-頁)及び2枚目(乙D79の-5-頁)に黒塗りされている箇所がある。上記各黒塗り部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記2(「判断の前提として認められる事実」)において認定したとおり,昭和27年韓国政府は李ラインの設定を一方的に宣言し,昭和29年ころから竹島を占拠した。P69駐仏大使は竹島問題の解決の参考にするためにフランス政府担当職員から南シナ海での領土問題のフランス側の処理状況,同国政府及び日 ラインの設定を一方的に宣言し,昭和29年ころから竹島を占拠した。P69駐仏大使は竹島問題の解決の参考にするためにフランス政府担当職員から南シナ海での領土問題のフランス側の処理状況,同国政府及び日本政府がそれぞれ抱える領土問題の対応方針を聴取した。P69駐仏大使が岡崎外務大臣宛に昭和29年9月10日発信した電信は,上記の聴取した内容を報告するものである。 c 上記aの各黒塗り部分(乙D79の-4-頁及び-5-頁の各黒塗り部分)に記録されている控訴に係る係争情報は,昭和29年9月10日 にP69駐仏大使が外務大臣宛てに発した電信の写しの一部で,同大使がフランス政府担当職員から聴取した,日本政府が抱える竹島問題との対比においてフランスが当時関係国との間で係争中であった南シナ海での領土問題のフランス側の処理状況及び対応方針についての率直な意見と,同大使がこれを入手した経緯と,これらの要旨というべき表題部分であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記アのとおり,控訴に係る係争情報は,フランスが昭和29年9月当時関係国との間で係争中であった南シナ海での領土問題のフランス側の処理状況及び対応方針についての率直な意見に係るものであるところ,前記のとおり,外交交渉の過程での外国との意見交換,情報交換の内容は,それが当初から公表を予定して行われる場合でない限り,その入手経緯を含めて基本的に非公開とするのが国際慣行であると認められ,また,竹島問題は現在も未解決の問題であり,弁論の全趣旨によれば,当時のフランスの南シナ海での関係国との領土問題は,主権国の変更はあっても現在もなお深刻な問題として継続していることが認められる。そうすると,上記各係争情報を公にした場合,国際慣行に反するものとして,また,国際関係上何らかの波 係国との領土問題は,主権国の変更はあっても現在もなお深刻な問題として継続していることが認められる。そうすると,上記各係争情報を公にした場合,国際慣行に反するものとして,また,国際関係上何らかの波紋を生じさせる蓋然性があるものとして,フランス政府との信頼関係が損なわれる蓋然性があるほか,他国からも機密保持が期待できない国とみなされ,我が国の国際的な信用が失墜する蓋然性があることを否定することができない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,フランス等他国との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について 1審原告らは,上記各係争情報について,フランス政府との間で非公開とする約束が存在するとも,公開した場合にフランス政府との信頼関係を損なう具体的な事情があるとも認められないから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当しない旨主張する。 しかし,前記のとおり,外交上必要な情報を他国から入手する場合,これが明示的に非公開とする約束がないものであっても基本的に非公開とするのが国際慣行であると認められること,上記各係争情報は,現在でも国際関係上何らかの波紋を生じさせる蓋然性があると認められるものであること,他国から秘密を守る国と信頼されることによる現在ないし将来の我が国の外交上の利益は否定し難いものがあると考えられることからすると,1審原告らの上記主張を踏まえても,上記イの判断は左右されないというべきである。 (46) 通し番号4-7の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A40,乙C40,乙E40)及 は左右されないというべきである。 (46) 通し番号4-7の文書に記録された控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A40,乙C40,乙E40)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号4-7の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録」と題する文書中の「ⅩⅤ 竹島問題」と題する章に相当する部分である。上記の章には,竹島問題について我が国が採った措置,領有に関する日韓両国の見解,国際司法裁判所提訴案の提示,紛争解決の交換公文案の妥結等の項目があり,関係文書が綴られている。上記文書の11枚目(乙E40の-11-頁)に,国家地方警察本部,保安庁,入国管理局,海上保安庁,外務省連絡打合会議決定の昭和28年6月9日付け「竹島問題対策要綱(案)」と題する文書が綴られており,その1枚目に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」と記載されている部分が ある。上記黒塗り部分及び「次頁不開示」と記載されている部分に該当する部分に控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記のとおり,昭和27年韓国政府は李ラインの設定を一方的に宣言し,昭和28年5月28日に島根県の水産試験船島根丸が対馬暖流開発調査のために竹島に赴き,韓国人漁夫約30人が上陸しているのを発見した。そこで,外務省主催の下に,同年6月に関係省庁がその対策を協議し,竹島問題対策要綱が決定された。この要綱が上記aの国家地方警察本部,保安庁,入国管理局,海上保安庁,外務省連絡打合会議決定の昭和28年6月9日付け「竹島問題対策要綱(案)」と題する文書である。 c 上記aの国家地方警察本部,保安庁,入国管理局,海上保安庁,外務省連絡打合会議決定の昭和28年6月9日付け「竹島問題対策要綱(案)」と題する文書 竹島問題対策要綱(案)」と題する文書である。 c 上記aの国家地方警察本部,保安庁,入国管理局,海上保安庁,外務省連絡打合会議決定の昭和28年6月9日付け「竹島問題対策要綱(案)」と題する文書の1枚目(乙E40の-11-頁)の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分に記録されている控訴に係る係争情報は,韓国人漁夫の竹島上陸への対応策として昭和28年6月9日付けで策定された「竹島問題対策要綱」であること,これは,韓国人漁夫が竹島に上陸することは,法的には日本の領土権の侵害であるとともに,出入国管理令及び漁業関係法令の違反行為でもあるとの観点から,外務省主催の下,関係省庁(国家地方警察本部,保安庁,入国管理局及び海上保安庁)が協議の上で策定したものであること,これには,韓国人漁夫が竹島に上陸した事案を想定して,その場合に執るべき様々な具体的な措置について,これらの措置を実施する上での優先順序ないし先後関係を示すなどした上で,これを執った場合に想定される韓国側の反応と,これを踏まえた更なる我が国側の対応策等について,政府部内で立案策定された体系的な内容が汎用的な形式でまとめられていること,以上の各事実に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は現在も日韓両国及び国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争であり,既に長く韓国が竹島を占拠しているとはいえ,我が国はこれを容認していないのであるから,上記のとおり竹島への不法上陸に対する具体的かつ体系的な対処方針を含む竹島問題対策要綱は,現在も我が国の竹島問題に係る具体的な対処方針を韓国側に推察させる1つの資料となり得るものである。また,弁論の全趣旨によれば,領土として多くの離島を有する我が国では,外国又は外国人が不法に離島に上 ,現在も我が国の竹島問題に係る具体的な対処方針を韓国側に推察させる1つの資料となり得るものである。また,弁論の全趣旨によれば,領土として多くの離島を有する我が国では,外国又は外国人が不法に離島に上陸する事案が発生しており,今後も発生するおそれがあると認められるから,このような事態においても,同要綱が不法上陸をする外国又は外国人にとって我が国の具体的な対処方針を推察する手掛かりとなることが考えられる。 以上によれば,上記各係争情報を開示する場合には,竹島問題について韓国側に利用され,また,離島に不法上陸する外国又は外国人に利用され,我が国の対処方針を推察されるなどして,その結果,我が国における犯罪の予防,鎮圧等の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずる蓋然性があることを否定することはできない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条4号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,1審被告が暗に「竹島問題対策要綱」には実力行使に関する記載がないことを自認していること,同要綱作成後の昭和29年6月以降,竹島は完全に韓国に占拠されたまま現在に至っており,韓国人漁夫が竹島に上陸した事案を想定した同要綱は既に実効性を失い,今後これが 対処方針になる余地はないこと,昭和28年6月に決定された同要綱が,当時と時代状況,社会情勢,国際関係も異なる現在,島しょにおける基本的な対処方針を推察させるというのは誇張に過ぎることから,これが法定不開示情報に該当するとは認められない旨主張する。 しかし,同要綱に実力行使に関する記載があるかないかが明らかにされているとは認めら な対処方針を推察させるというのは誇張に過ぎることから,これが法定不開示情報に該当するとは認められない旨主張する。 しかし,同要綱に実力行使に関する記載があるかないかが明らかにされているとは認められず,これを明らかにすることは,まさに公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるというべきであること,韓国が竹島を長く占拠し,また,当時と時代状況等が異なるからといって,同要綱が具体的かつ体系的な対処方針である以上,我が国の現在の竹島その他の離島に係る対処方針を推測する手がかりとなる蓋然性があることは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (47) 通し番号8-1及び同8-2の文書に記録された各係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A36,乙A37)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 aⅰ 通し番号8-1の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和40年3月26日付け「李東元外務長官が拝謁を賜った際の状況概要」と題する文書である。同文書の1枚目(乙A36の-1-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下9頁不開示」と記載されている部分がある。 ⅱ また,通し番号8-2の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録」と題する文書中の「ⅩⅡ 請求権・法的地位・漁業問題合意事項イニシアル」と題する章に相当する部分である。上記の章には,「4 李東元外務長官の訪日と日韓外相会談の開催」という項目が含まれている。当該項目の下の記載は11枚に及んでおり,その 10枚目(乙A37の右上に「12-131」の記載がある頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」という記載があり,11枚目(乙A37の右上に「12- 記載は11枚に及んでおり,その 10枚目(乙A37の右上に「12-131」の記載がある頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」という記載があり,11枚目(乙A37の右上に「12-133」の記載がある頁)にも黒塗りされている部分がある。 b 韓国の李東元外務部長官(以下「李長官」という。)は,昭和40年3月10日訪米の途日本に立ち寄り,同月11日佐藤総理大臣,椎名外務大臣と会談し,米国に向かった。李長官は,訪米中の日程を終えて同月23日来日し,同月24日P70衆議院議長,P71参議院議長,佐藤総理を表敬訪問した。李長官は,同月26日,P63大使を帯同し,午後4時から約40分間,昭和天皇に謁見した。外務大臣,侍従長,式部官長が陪席し,P66調査官が通訳した。 c 上記aのⅰ及びⅱの各黒塗り部分及び各不開示部分に記録されている控訴に係る係争情報は,李長官が昭和天皇に謁見した際の状況の概要として記録された昭和天皇と李長官との具体的なやり取りに係る情報であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性天皇は,日本国の象徴であり,日本国民統合の象徴であって,国政に関する権能を有しないのであり(憲法1条,4条1項),天皇又は皇族が外国要人の謁見に応ずるのは,このような天皇の地位に基づく公的行為として行われるものであると解される。そして,証拠(乙A520ないし乙A522)及び弁論の全趣旨によれば,これは,事前に報道発表がされ,取材要望があれば謁見冒頭に写真撮影が行われたり,事後にその謁見の雰囲気について公表されることはあるとしても,天皇と外国要人との自由かつ親密な歓談を通じて諸外国との友好親善関係の増進に資することを目的として行われるものであるから,その目的に沿うように,会話内容の詳細は従前から非公 れることはあるとしても,天皇と外国要人との自由かつ親密な歓談を通じて諸外国との友好親善関係の増進に資することを目的として行われるものであるから,その目的に沿うように,会話内容の詳細は従前から非公表とする取扱いがされ,その取扱いは外国要人に対しても要 請されており,また,我が国の慣行として国際的にも認識されていることが認められる。 そうすると,このような非公表を前提とした忌憚のない会話の内容を我が国の慣行に反して開示すれば,他国又は国際機関からもその慣行に係る信頼を失い,天皇と外国要人との自由かつ親密な歓談を通じて我が国と他国又は国際機関との友好関係を増進することに好ましくない影響を及ぼす蓋然性があると考えられる上,日本国の象徴としての天皇の地位ないし活動に対する諸外国からの信頼を損ね,さらには日本と諸外国との信頼関係一般に好ましくない影響を及ぼす蓋然性のあることも否定することができない。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国の他国又は国際機関との信頼関係が損なわれるおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,李長官が上記謁見時の状況を自らの著書(甲107)で詳述していることから,上記各係争情報は既に公開されている情報である旨主張する。しかし,当該著書の内容は,上記各係争情報と全く同じものであるとは認められないこと(甲107,証人P4),当該著書の刊行は,上記のような我が国の慣行を無視して行われたものであること(弁論の全趣旨),このような当該著書の刊行と,行政文書の内容である上記各係争情報を外務大臣が開示することでは,諸外国との信頼関係に及ぼす影響の点からは 我が国の慣行を無視して行われたものであること(弁論の全趣旨),このような当該著書の刊行と,行政文書の内容である上記各係争情報を外務大臣が開示することでは,諸外国との信頼関係に及ぼす影響の点からは全く意味が異なるものであることからすれば,当該著書が刊行されていることは,上記イの判断を左右するものではない。 また,1審原告らは,昭和天皇とマッカーサー連合国軍最高司令官との会談の記録について開示を認めた情報公開・個人情報保護審査会の平成1 4年9月20日付け答申例(甲108)の存在を指摘するが,同答申例によれば,天皇とマッカーサーとの会談は,「敗戦とそれに伴う連合国による占領という我が国にとって類をみない極めて特異な時期,特異な状況の中で行われた異例なもの」であること,当時の天皇は,「旧憲法下で国の元首にして統治権を総らんする地位にあったものとして,相応の役割を果たし」,「事実上,外交を含む行政権等を統括保持する地位にあるものとして扱われて」いたこと,すなわち,同会談は,天皇が敗戦直後(昭和20年9月27日)に被占領国である日本の元首として,占領軍の最高司令官との間で行ったものであることを主な理由としており(甲108の9~10頁),本件で問題とされる象徴天皇としての国際友好関係の増進を目的とする外国要人との謁見の際の会話とは全く性質の異なるものであって,これを開示することが現在又は将来の我が国の他国又は国際機関との信頼関係に悪影響を及ぼすおそれについても著しい差異があるというべきであるから,これを同列に論じることはできない。以上のとおりであるから,1審原告らの主張を踏まえても,上記イの判断は左右されない。 5 本件附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について1審原告らが附帯控訴において不服とする部分に係る おりであるから,1審原告らの主張を踏まえても,上記イの判断は左右されない。 5 本件附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について1審原告らが附帯控訴において不服とする部分に係る当裁判所の判断は,以下のとおりである。 なお,以下でいう「1審原告らの附帯控訴に係る係争情報」とは,原判決が外務大臣による不開示処分を適法としてその取消請求を棄却し,開示の義務付けの訴えを却下したのに対して,1審原告らが附帯控訴により当審口頭弁論終結時において不服を申し立てている部分に係る情報である。 1審原告らの主張は,別紙「附帯控訴に係る1審原告らの主張」記載のとおりである。(1)から(67)までの各ウに1審原告らの主張の骨子を摘示する。 (1) 通し番号1-15の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A185,274,乙C185・274)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-15の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和35年4月1日付け「日韓会談重要資料集」と題する文書である。同文書の51枚目(乙C185・274の-51-頁)は資料12「1952年(昭和27年)4月29日付日韓請求権問題に関する米国務長官発在米韓国大使あて書簡」であり,「次頁不開示」の記載がある。上記不開示の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記不開示の記載に該当する部分(乙A185の-51-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている係争情報は,大蔵省が試算した我が国の側が有する対韓請求額一覧表であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮 の「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている係争情報は,大蔵省が試算した我が国の側が有する対韓請求額一覧表であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記係争情報は,これを公にすれば北朝鮮が我が国の対応を推測するなどして我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられる余地があるとしても,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談当時の大蔵省が試算した対韓請求額については,項目や概 算値がある程度明らかとなっているから,直ちに日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとは認められない旨主張する。 しかし,これまでに開示されている情報(原判決の2605頁9行目から2606頁までの内容など)と同一であると認めるに足りる証拠はなく,上記係争情報はこれまで公にされていないと認められるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (2) 通し番号1-34の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A202,乙D202)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-34の文書は,外務省 に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A202,乙D202)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-34の文書は,外務省が作成した昭和28年6月11日付け「日韓交渉処理方針について(関係閣僚了解案)」と題する文書並びに「説明資料その1 基本関係処理要領案」と題する文書,「説明資料その 2 日韓間財産,請求権問題処理要領案」と題する文書,「説明資料その 3 漁業関係処理要領案」と題する文書,「説明資料その4 在日韓人の国籍及び処遇に関する処理要領案」と題する文書及び「説明資料その5 船舶関係処理要領案」と題する文書並びに同月9日付け「日韓間諸取極の形式について」と題する文書である。 「説明資料その2 日韓間財産,請求権問題処理要領案」と題する文書の2枚目(乙D202の-7-頁)に黒塗りされている部分が3か所ある。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,当時,日本政府部内で検討されていた請求権問題の処理方針として,日韓双方が互いに財産・請求権を放棄し合うものとしつつ,放棄の例外として「日本陸海軍に属した韓人及び国家総動員法によって徴用された韓人 に対する給与その他の未払金で日本の法令によって支払われるもの」,「戦前の勤務により日本の恩給を受ける権利のある韓人に対する恩給で日本の法令に従って支払われるもの」及び「戦後日本から引揚帰国した韓人からの税関預かり金」を挙げ,これら3項目にそれぞれ該当する金額の各試算額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉において,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝 められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉において,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求内容を理由付けたり,我が国の対応を推測するなどして自らに有利に交渉を進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在する情報であると認めることできない,上記各係争情報の試算額は,概算的なものであろうから,これまでの研究や諸資料から明らかになっており,そのような個別の請求権の見積もりが開示されたからと言って,直ちに北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとはいえない旨主張する。 しかし,上記各係争情報が既に公にされたものであることを認めるに足りる証拠はなく,また,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかも確実な予測はできないのであるから,これを公にした場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりである。よって,1審原告ら 求権問題に関する交渉がどのような展開となるかも確実な予測はできないのであるから,これを公にした場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりである。よって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (3) 通し番号1-35の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A203,乙D203)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-35の文書は,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年7月9日付け「日韓交渉処理方針に関する件」と題する文書及びその添付文書である「日韓交渉処理方針(甲案)」である。 「日韓交渉処理方針(甲案)」の2枚目及び3枚目にそれぞれ黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分(乙D203の-7-頁から-8-頁までの黒塗り部分3か所)に記録されている係争情報は,当時,日本政府部内で検討していた請求権問題の処理方針として,日韓双方が財産・請求権を原則として放棄し合うものとしつつ,その例外として関係韓国人の既得の権利を認めるものとして,「陸海軍に属した韓国人及び一般徴用韓人の未払給与金等」,「戦後日本から引揚帰国した韓人からの税関預かり金」及び「戦前の勤務により日本の恩給を受ける権利のある韓人に対する恩給で日本の法令に従って支払われるもの」を挙げ,これら3項目にそれぞれ該当する金額の各試算額であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権 問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求内容を理由付けたり,我が国の対 いて,今後,請求権 問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求内容を理由付けたり,我が国の対応を推測するなどして,我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在する情報であると認めることできない,上記各係争情報の試算額は,概算的なものであろうから,これまでの研究や諸資料から明らかになっており,そのような個別の請求権の見積もりが開示されたからと言って,直ちに北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとはいえない旨主張する。 しかし,上記各係争情報がこれまでに公にされたものであると認めるに足りる証拠はなく,また,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかも確実な予測はできないのであるから,これを公にした場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりである。よって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (4) 通し番号1-36の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不 鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりである。よって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (4) 通し番号1-36の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A204,乙D204)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-36の文書は外務省アジア局第二課長が作成した昭和28年10月17日付けで決裁された「高裁案日韓交渉処理方針に関する件」と題する文書並びに添付別紙「日韓交渉処理方針」と題する文書,「説明資料その1 基本関係処理要領案」と題する文書,「説明資料その2 日韓間財産・請求権問題処理要領案」と題する文書,「説明資料その3 漁業関係処理要領案」と題する文書,「説明資料その4 在日韓人の国籍および処遇に関する処理要領案」と題する文書及び「説明資料その5 船舶関係処理要領案」と題する文書である。 「説明資料その2 日韓間財産・請求権問題処理要領案」と題する文書の1枚目(乙D204の-8-頁)に黒塗りされている部分が3か所ある。 上記各黒塗り部分(乙D204の-8-頁の黒塗り部分3か所)に記録されている係争情報は,当時,日本政府部内で検討していた請求権問題の処理方針として,日韓双方が互いに財産・請求権を放棄し合うものとしつつ,放棄の例外として「日本陸海軍に属した韓人及び国家総動員法によって徴用された韓人に対する給与その他の未払金で日本の法令によって支払われるもの」,「戦前の勤務により日本の恩給を受ける権利のある韓人に対する恩給で日本の法令に従って支払われるもの」及び「戦後日本から引揚帰国した韓人からの税関預かり金」を挙げ,これら3項目にそれぞれ該当する金額の各試算額であると認められる。 受ける権利のある韓人に対する恩給で日本の法令に従って支払われるもの」及び「戦後日本から引揚帰国した韓人からの税関預かり金」を挙げ,これら3項目にそれぞれ該当する金額の各試算額であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求 を理由付けたり,我が国の対応を推測するなどして,我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在する情報であると認めることできない,上記各係争情報の試算額は,概算的なものであろうから,これまでの研究や諸資料から明らかになっており,そのような個別の請求権の見積もりが開示されたからと言って,直ちに北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとはいえない旨主張する。 しかし,上記各係争情報が公にされたものであることを認めるに足りる証拠はなく,また,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となる に値する蓋然性をもって存在するとはいえない旨主張する。 しかし,上記各係争情報が公にされたものであることを認めるに足りる証拠はなく,また,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかも確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりである。よって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (5) 通し番号1-37の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A205)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-37の文書は,外務大臣が昭和28年10月22日付けで各在外公館長宛に送付した,外務省アジア局第二課が作成した同月3日付け「日韓会談における双方主張の現状」と題する文書である。 同文書の10枚目(乙A205の-11-頁)から11枚目(乙A205の-12-頁)にかけて黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記各黒塗り部分(乙A205の-11-頁から-12-頁にかけての黒塗り部分)に記録されている係争情報は,請求権問題に関して日韓双方が相手側に対して有する財産請求権について当時一応推定されていた具体的項目ごとの金額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,我が国と北朝鮮の交渉材料又は交渉上の参考資料となりうるものであるから,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に ることからすると,上記各係争情報は,我が国と北朝鮮の交渉材料又は交渉上の参考資料となりうるものであるから,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めることが考えられ,これにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談当時の外務省が試算した対日及び対韓請求額については,項目や概算値がある程度明らかとなっているから,上記各係争情報が公にされて も日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではない旨主張する。 しかしながら,上記各係争情報がこれまでに公にされたことがあることを認めるに足りる証拠はなく,これが北朝鮮に知られることで我が国に交渉上不利益が生じる蓋然性があることは前記イのとおりであるから,1審原告らの主張を採用することはできない。 (6) 通し番号1-52の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A217)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-52の文書は,外務省が作成した昭和28年1月18日付け「韓国のステイタスと我が国の立場」と題する文書である。 同文書の15枚目(乙A217の-15-頁)から16枚目(乙A217の-16-頁)にかけて黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上 同文書の15枚目(乙A217の-15-頁)から16枚目(乙A217の-16-頁)にかけて黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記各黒塗り部分(乙A217の-15-頁から-16-頁にかけての黒塗り部分)に記録されている係争情報は,韓国との間で請求権問題に関する取り決めをするに当たり,「南鮮」のみをその対象とした場合の問題点や利害得失として,北朝鮮にある我が国の財産についての具体的な評価等やそれを踏まえた具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,我が国と北朝鮮の交渉材料又は交渉上参考となるものであるから,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交 渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどからすれば,上記各係争情報の開示が直ちに日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではないから,北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとは認められない旨主張する。 しかし,北 上記各係争情報の開示が直ちに日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではないから,北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在するとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであるから,上記各係争情報を公にすることが我が国の外交交渉上不利益をもたらす蓋然性は否定できないのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (7) 通し番号1-53の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A104,乙D104)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-53の文書は,外務省が作成した昭和28年1月21日付け「日韓間請求権特別取極の諸様式について」と題する文書である。 同文書は,請求権問題について実質的に相互放棄となるような解決に導く取極の文案を作成するにあたって考慮すべき点を指摘した上で,特別取極の様式について問題点を摘示したものである。まず,日韓両国がそれぞ れその財産請求権を相互に放棄する旨を定める場合について,放棄する財産請求権の範囲を明確にする必要があることなどを指摘した上で,相互放棄の範囲内に北鮮を含めるか否かは大問題であるとし,相互放棄の範囲内に北鮮を含めない場合は,もし韓国が全鮮を統一したときに日本が再びこの問題を持ち出すか否かの覚悟をする必要があるとして,問題点を挙げている。同文書の7枚目(乙D104の-7-頁)に黒塗りされている部分があるが,これは,もし韓国が全鮮を統一したときに日本が再びこの問題を持ち出すか否かの覚悟をする必要があるとして,問題点を挙げている箇所にある。 上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係 いる部分があるが,これは,もし韓国が全鮮を統一したときに日本が再びこの問題を持ち出すか否かの覚悟をする必要があるとして,問題点を挙げている箇所にある。 上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記黒塗り部分(乙D104の-7-頁の黒塗り部分)に記録されている係争情報は,日韓両国による請求権の相互放棄に北鮮を含めない場合において,韓国が全鮮を統一したときに,我が国に生じ得る具体的問題及びこれに関する具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記係争情報は,北朝鮮の請求権に関連して我が国が有する問題意識とこれに対する考え方であるから,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情 報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ず,また,上記係争情報は,わずか1~2行程度に纏められた見解等であるから,そのような内容のものが公にされたからと言って,日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との 記係争情報は,わずか1~2行程度に纏められた見解等であるから,そのような内容のものが公にされたからと言って,日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実に予測できることではないし,上記程度の分量であっても,上記係争情報の内容は上記のとおりであって,これを公にすることで我が国が不利益を被る蓋然性があるというべきである。1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (8) 通し番号1-55の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A218,乙D218)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-55の文書は,外務省が作成した「日韓請求権の計数的比較(単位百万円)」と題する文書及び別紙1「日韓請求権の計数的比較における積算の基礎」と題する文書である。 「日韓請求権の計数的比較(単位百万円)」と題する文書の1枚目から3枚目までにそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分(乙D218の-1-頁から-3-頁までの黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,日韓相互の請求権について日本側の主張による場合の具体的数値等と韓国側の主張による場合の具体的数値 等とに係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を理由付けたり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進め ると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を理由付けたり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実に予測できることではないから,上記各係争情報の開示により我が国に不利益が生じうる蓋然性があるのであって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (9) 通し番号1-57の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A220)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-57の文書は,外務省が作成した「韓国の対日請求権の内 容」と題する文書並びに「韓国側提示項目及び金額」欄と「日本側負担の推定」欄とを比較対照した一覧表である。 「韓国側提示項目及び金額」欄と「日本側負担の推定」欄とを比較対照した一覧表の1枚目から5枚目まで(乙A220の-5-頁から-9-頁まで)の「日本側負担の推定」欄の 比較対照した一覧表である。 「韓国側提示項目及び金額」欄と「日本側負担の推定」欄とを比較対照した一覧表の1枚目から5枚目まで(乙A220の-5-頁から-9-頁まで)の「日本側負担の推定」欄の記載がそれぞれ黒塗りされている。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の対日請求権に係る韓国側提示項目について「韓国側提示項目及び金額」欄に対応して外務省が試算した日本側の負担額及びそれについての具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないこと,外務省や大蔵省が当時試算した韓国の対日請求額は項目や概算値がある程度明らかになっていることなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認 められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは らかになっていることなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認 められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実に予測できることではないこと,上記各係争情報がこれまでに公になっていると認めるに足りる証拠はないことなどからすれば,これを公にすることで我が国に不利益が生じうる蓋然性が認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (10) 通し番号1-67の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A226,乙C226)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-67の文書は,外務省アジア局第五課が作成した昭和30年10月15日付け「日韓会談の経緯(その二)」と題する文書である。 同文書は,まず,「一 P47大使・P59公使会談」について記述し,第1回会談において取り上げられた項目のうち漁業に関する記載の一部が黒塗りされている。すなわち,同文書の5枚目(乙C226の-5-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,同年1月29日に行われたP47大使とP59公使との第1回会談で,P47大使がP59公使に対し,漁業問題における漁業専管水域の設定に関し,具体的な提案をしたその内容に係る情報であり,竹島問題に関する内容を含むものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性弁論の全趣旨によれば,北朝鮮との国交正常化交渉などにおいて,今後,北朝鮮との間で漁業問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮は, 当性弁論の全趣旨によれば,北朝鮮との国交正常化交渉などにおいて,今後,北朝鮮との間で漁業問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮は,我が国との漁業 問題交渉において,これを参考として我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 また,前記認定のとおり,竹島問題は日韓両国政府及び国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であるところ,弁論の全趣旨によれば,上記係争情報は,今日の我が国の見解・立場と必ずしも同一とは解されない内容であると推認され,これが公になれば,今後の竹島問題に係る交渉において,我が国が不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどからすれば,上記係争情報が北朝鮮などとの交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかし,上記係争情報を公にすることで我が国が外交交渉上の不利益を被る蓋然性があると認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (11) 通し番号1-69の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A108,乙 原告らの上記主張を採用することはできない。 (11) 通し番号1-69の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A108,乙D108)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-69の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録総説八」と題する文書である。 同文書の205枚目(乙D108の-197-頁)に「次頁不開示」の記載があり,207枚目(乙D108の-198-頁)に黒塗りされている部分があり,208枚目(乙D108の-199-頁)に黒塗りされている部分があり,266枚目(乙D108の-257-頁)に「次頁以下2頁不開示」の記載がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分のうち乙D108の-197-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分,-198-頁(4か所)の各黒塗り部分,-199-頁の各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題に係る韓国側の対日請求権について大蔵省と外務省がそれぞれ試算した具体的金額及びその算定根拠等に係る情報であると認められる。また,乙D108の-257-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題に係る韓国側の対日請求権について外務省が試算した具体的金額及びその算定根拠等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が て,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の 理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないこと,外務省や大蔵省が当時試算した韓国の対日請求額は項目や概算値がある程度明らかになっていることなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができることではないこと,上記各係争情報がこれまでに公になっていると認めるに足りる証拠はないことなどからすれば,これを公にすることで我が国が不利益を被る蓋然性が認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (12) 通し番号1-81の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A238,乙E238)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-81の文書は,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年5月20日 いてア係争情報の内容証拠(乙A238,乙E238)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-81の文書は,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年5月20日付け「韓国関係文化財調査に関する打合」と題する文書及びこれとともに綴られている,我が国所在の朝鮮由来の文化財に関連するいくつかの文書であり,そのうち1審原告らの附帯控訴に係る係争情報に直接関係するのは,外務事務次官(主管アジア局長,主任アジア局第二課長)が,文部事務次官及び文部省文化財保護委員会委員長に対し,同月19日付け亜二合第1112号「韓国関係文化財調査依頼の件」と題する文書を もって,日本国内にある韓国関係文化財について関係機関等に調査を依頼した文書及びその回答文書等である。そのうち,「名古屋市蓬左文庫所蔵韓国図書に関する調査報告」と題する文書添付の「蓬左文庫所蔵韓国図書目録」については,「図書名」欄,「刊写年代」欄及び「冊数」欄の各記載部分は開示されているが,各図書に対応する上記各欄に続く「原(旧)蔵者および入手経路」欄の記載部分は黒塗りされており,上記各黒塗り部分(乙E238の-18-頁から-27-頁までの各黒塗り部分)のうち書籍等の経済的評価に係る部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。なお,上記「蓬左文庫所蔵韓国図書目録」の「原(旧)蔵者および入手経路」欄の黒塗り部分のうち書籍等の経済的評価の部分以外の部分に記録されている係争情報については,原判決がこれに係る不開示決定を取り消して開示を命じたため,1審被告が控訴の対象としている。 この点に関する判断は前記4の(9)のとおりである。 上記各黒塗り部分(乙E238の-18-頁から-27-頁までの黒塗り部分のうち経済的評価に係る部分)は,蓬左文庫 被告が控訴の対象としている。 この点に関する判断は前記4の(9)のとおりである。 上記各黒塗り部分(乙E238の-18-頁から-27-頁までの黒塗り部分のうち経済的評価に係る部分)は,蓬左文庫所蔵韓国図書目録の各書籍等に係る経済的評価(昭和25年当時)に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記4の(9)のイの判断を引用するほか,上記各係争情報は上記「蓬左文庫所蔵韓国図書目録」の「原(旧)蔵者および入手経路」欄の黒塗り部分のうち書籍等の経済的評価の部分であり,当該文化財の価値を端的に示すものとしての意義があるから,北朝鮮又は韓国は,上記各係争情報を知るときには,これを利用して,返還請求の対象を選別するための資料としたり,日本の対応を推測したりして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国と の交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,文化財の選別基準等を秘匿することには何ら外交上の正当性がない上,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては文化財に関する客観的情報やその評価に関する情報あるいは返還する文化財の選別基準等が開示されたとしても,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,上記各係争情報が北朝鮮又は韓国に交渉上有利に利用されうるものと認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの たとしても,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,上記各係争情報が北朝鮮又は韓国に交渉上有利に利用されうるものと認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (13) 通し番号1-93の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A248,乙D248)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-93の文書は,外務省が作成した昭和30年2月10日付け「財産請求権問題処理要領(案)」と題する文書,同月24日付け「日韓関係の調整に関する件(特に財産請求権問題に関連)」と題する文書,同日付け「請求権問題処理要領案」と題する文書,同年3月4日付け「請求権問題関係者協議会」と題する文書,大蔵省理財局が作成した同年4月12日付け「日韓関係の調整に伴う財産及び請求権の処理について」と題する文書その他の文書である。 「日韓関係の調整に伴う財産及び請求権の処理について」と題する文書 の3枚目(乙D248の-19-頁)に「次頁以下2頁不開示」の記載がある。上記不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,当時,外務省が検討した請求権問題の解決策に対する大蔵省理財局の具体的見解に係る情報であり,請求権問題に関する個別の請求権の具体的項目,試算額等を内容とするものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我 いて,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実に予測できることではないことなどからすれば,これを公にすることで我が国に不利益が生じうる蓋然性が認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (14) 通し番号1-96の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A250,乙D250・273)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-96の文書は,外務省P34参与が作成した昭和28年5月11日付け「日韓交渉報告(六) 請求権関係部会第一回会議状況」と題する文書,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年6月11日付け「日韓交渉会議議事要録(二二) 第三回請求 作成した昭和28年5月11日付け「日韓交渉報告(六) 請求権関係部会第一回会議状況」と題する文書,外務省アジア局第二課が作成した昭和28年6月11日付け「日韓交渉会議議事要録(二二) 第三回請求権関係部会」と題する文書その他の文書(昭和28年ころの日韓交渉の請求権関係部会の議事要録等)である。 「日韓交渉会議議事要録(二二) 第三回請求権関係部会」と題する文書の5枚目(乙D250・273の-54-頁)に黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和28年6月11日開催の第3回請求権関係部会において,P72大蔵省理財局外債課長が説明した旧陸海軍における韓国出身軍人,軍属の未払給与等及びこれに先立つ非公式会談で問題となったCPC覚書に関する我が国政府の具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記係争情報は,これを公にすれば,北朝鮮が我が国との交渉において,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に進めようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との 交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決 定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に係る交渉がどのような展開となるかは確実に予測できることではないことなどからすれば,これを公にすることで我が国が不利益を被る蓋然性が認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (15) 通し番号1-116の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A263,乙D263)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-116の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年11月24日付け「一般請求権小委員会臨時小委員会第1回会合」と題する文書,昭和36年12月13日付け「一般請求権小委員会臨時小委員会第4回会合」と題する文書その他の一般請求権小委員会臨時小委員会会合の記録である。 「一般請求権小委員会臨時小委員会第1回会合」と題する文書の12枚目(乙D263の-12-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題 に係る郵便貯金関係資料について日韓間で具体的かつ詳細なやり取りをしたその内容に係る情報であると認められる。 また,「一般請求権小委員会臨時小委員会第4 訴に係る係争情報は,請求権問題 に係る郵便貯金関係資料について日韓間で具体的かつ詳細なやり取りをしたその内容に係る情報であると認められる。 また,「一般請求権小委員会臨時小委員会第4回会合」と題する文書の3枚目(乙D263の-41-頁)から5枚目(乙D263の-43-頁)にかけてそれぞれ黒塗りされている部分があり,12枚目(乙D263の-50-頁)から及び13枚目(乙D263の-51-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題に係る郵政省(旧逓信省・逓信局)関係の日韓双方の請求権の数値について,日韓間で具体的な金額を挙げてやり取りをしたその内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に係る逓信局関係の問題について交わされた日韓両国政府の議論の内容に係る情報であり,具体的な金額を含むものであるから,これらの情報が公になれば,北朝鮮は,これを利用して自らの要求の内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が北朝鮮と交渉する上で不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在においては,日朝国交正常化交渉において日韓会 いうべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在においては,日朝国交正常化交渉において日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図 られることはあり得ず,また,日朝国交正常化交渉の枠組みからすると,上記各係争情報を開示した場合に北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情報は北朝鮮にとって交渉上有効な参考資料となることが認められるのであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (16) 通し番号1-117の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A264,乙C264,乙D264)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-117の文書は,外務省が作成した昭和37年2月13日付け「一般請求権徴用者関係等専門委員会第1回会合」と題する文書,同月21日付け「一般請求権徴用者関係等専門委員会第2回会合」と題する文書その他の文書である。 「一般請求権徴用者関係等専門委員会第2回会合」と題する文書の3枚目(乙D264の-19-頁)から4枚目(乙D264の-20-頁)にかけて黒塗りされている部分があり,上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,内地にいた朝鮮関係軍人軍属数に関する我が国側の資料にある陸軍関係の数値に係る情報又は当時軍人軍属に関して有していた名簿の具体的内容に係る情報並びに内地にいた海軍関係のみ又は陸軍関係及び海軍関係を合わせた朝鮮関係軍人軍属の数 に関する我が国側の資料にある陸軍関係の数値に係る情報又は当時軍人軍属に関して有していた名簿の具体的内容に係る情報並びに内地にいた海軍関係のみ又は陸軍関係及び海軍関係を合わせた朝鮮関係軍人軍属の数に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権 問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,弁論の全趣旨によれば,上記各係争情報は,請求権問題に係る交渉材料又は交渉のための参考資料となりうるものと認められる。そうすると,これらの情報が公になれば,北朝鮮は,これを利用して自らの要求の内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が北朝鮮と交渉する上で不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在においては,日朝国交正常化交渉において日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ず,また,日朝国交正常化交渉の枠組みからすると,上記各係争情報を開示した場合に北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情報は北朝鮮にとって交渉上有効な資料又は参考資料となることが認められるのであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情報は北朝鮮にとって交渉上有効な資料又は参考資料となることが認められるのであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (17) 通し番号1-120の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A118,乙C118,乙D118)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-120の文書は,外務省が作成した昭和30年2月24日付け「日韓関係の調整に関する件」と題する文書である。 同文書の7枚目(乙D118の-7-頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和30年当時,韓国側と交渉を行うに当たり,請求権問題について外務省が検討した朝鮮銀行による国庫金立替払に関する試算額であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記係争情報は,北朝鮮にとって交渉上の参考資料となりうるものと考えられるから,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおい ある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被るおそれが法的保護に値する蓋然性をもって存在する情報であると認めることできない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか 確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (18) 通し番号1-126の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A268)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-126の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和40年4月8日付け「韓国側の対日請求内容についての作業日程(案)」と題する文書,大蔵省国有財産局管理課が作成した昭和40年4月6日付け「日韓請求権及び経済協力に関する問題処理の今後の取り進め方について」と題する文書,外務省作成の同月12日付け「各省打合会議メモ」と題する文書,同月13日付け「経済協力関係打合せメモ」と題する文書,大蔵省作成の同日付け「要望事項」と題する文書である。 「各省打合会議メモ」と題する文書の2枚目(乙A268の-10-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮簡 要望事項」と題する文書である。 「各省打合会議メモ」と題する文書の2枚目(乙A268の-10-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮簡保特別会計預り金の金額に係る情報であると認められる。 同文書の3枚目(乙A268の-11-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,閉鎖機関及び在外会社の処理に関し引当財産を留保したもの,残余財産の朝鮮人分,朝鮮人分債務(日本中の会社)の各金額に係る情報であると認められる。 同文書の5枚目(乙A268の-13-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,国債のうち登録分に係る未払額に係る情報であると認められる。 同文書のうち13枚目(乙A268の-21-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,保管有価証券の金額に係る情報であると認められる。 「経済協力関係打合せメモ」と題する文書の4枚目(乙A268の-26-頁)に黒塗りされている部分があり,同部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,在外会社で清算したが,在外資産が赤字のため引当財産が供託されたものについての引当財産の価額に係る情報のほか,在日朝鮮人株主分の金額,24社が新会社を設立したことに伴い,新会社が保管する朝鮮人株主分及び供託された在日朝鮮人分株主権の金額並びに韓国人未払賃金の金額並びにこれらを合算した金額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからす 金額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められることからすると,上記各係争情報は,北朝鮮にとって同交渉において交渉材料又は交渉上の参考資料となりうるものと考えられるから,これを公にすれば,北朝鮮がこれを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示し ても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (19) 通し番号1-128の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A123,乙D123)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-128の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常 不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A123,乙D123)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-128の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録総説十二」と題する内部文書中の「XⅢ 条文作成交渉と日韓条約諸協定の調印」の部のうちの「3.請求権及び経済協力問題」,「4. 在日韓国人の法的地位問題」,「5.文化財問題」と題する部分及び目次部分である。 乙D123の-284-頁から-285-頁にかけての黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,文化財問題に関し,韓国側に対して引き渡すか否かを検討する文化財の選定基準等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮は,我が国との間に存在する長い歴史的経緯及び事象を踏まえ,日本にある朝鮮半島由来の文化財に対して強い関心とそれらが自己の所有に属するとの強い意識を有しており,北朝鮮との国交正常化交渉の際には文化財問題に関する交渉が行われることが想定される。そうすると,北朝鮮は,上記各係争情報を知るときには,これを利用 して我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,文化財の選別基準等を秘匿することには何ら外交上の正当性がない上,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,戦後 る。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,文化財の選別基準等を秘匿することには何ら外交上の正当性がない上,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違,日韓交渉時と現在での前提状況の相違,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,文化財に関する客観的情報やその評価に関する情報あるいは返還する文化財の選別基準等が開示されたとしても,北朝鮮との交渉に影響を及ぼす蓋然性はないなどと主張する。 しかし,この点に関する当裁判所の判断は前記4の(7)のウにおいて説示したところと同様である。上記各係争情報が北朝鮮に交渉上有利に利用されうるものと認められることは前記イのとおりであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (20) 通し番号1-129の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A276,乙C276,乙D276)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-129の文書は,大蔵省が作成した昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書,同月13日付け「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書,同月22日付け「韓 国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書及び同年4月10日付け各「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書その他の文書である。 (ア) 昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書は,韓国政府の「対日請求要綱八項目」の第2項目に相当する韓国請求要綱2(朝鮮総督府関係)についての検討参考資料である。 その8枚目(乙D276の-8-頁)から10枚目(乙D276の-10-頁)までにそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗 相当する韓国請求要綱2(朝鮮総督府関係)についての検討参考資料である。 その8枚目(乙D276の-8-頁)から10枚目(乙D276の-10-頁)までにそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 (a) 同文書には,「逓信局関係」の項目の「(2) 郵便貯金,振替貯金,為替貯金等」について次の記載がある。 ⅰ まず事実関係についての記載があり,7枚目に,「(a)郵便貯金」について,「終戦にいたるまで,朝鮮から大蔵省預金部へ預入された金額は不明である。((中略)逓信省において内地郵便貯金と一括して預金部へ預入されていたため,計数が不明)」とする記載があるところ,この記載に続く「(注)」(7枚目~8枚目。乙D276の-7-頁~-8-頁)に,「一資料(韓国の対日賠償請求)によると,「1908年~1944年の韓国における郵便貯金より生じた定期収入で日本大蔵省に移越した分は,」という記載があり,これに続く箇所に記載されている金額が黒塗りされている。上記黒塗り部分に記録されている係争情報は,「1908年~1944年の韓国における郵便貯金より生じた定期収入で日本大蔵省に移越した分」を試算した金額に係る情報であると認められる。 しかし,上記のとおり,終戦に至るまで朝鮮から大蔵省預金部へ預け入れされた金額は不明であるとする記載があり,「(注)」にも「一資料(韓国の対日賠償請求)によると,」という断り書きがあり,上記係争情報が開示された場合に有する意義は限定的なもの である上,上記黒塗り部分に続く箇所には「(この数字は韓国側要求額に近い)」と記載されており,他の資料と照合すれば,おおむね推知することができるものと考えられる。 ⅱ 次に,同文書の8枚目(乙D ある上,上記黒塗り部分に続く箇所には「(この数字は韓国側要求額に近い)」と記載されており,他の資料と照合すれば,おおむね推知することができるものと考えられる。 ⅱ 次に,同文書の8枚目(乙D276の-8-頁)には,「終戦における朝鮮郵便貯金現在高」として7億2506万8980円が記載され(原決定ではこの金額も不開示であったが,その後上記のとおり開示された。),その次に「(内鮮人別内訳が不明であるが過去の統計その他から朝鮮人分はその30%を超えることはないと考えられるので,一応最高の30%として推定すれば)」という説明があり,これに続き,同文書の9枚目(乙D276の-9-頁)の1行目には,「朝鮮人分推定額」として金額が記載されているが,この金額が黒塗りされている。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る情報は,「終戦における朝鮮郵便貯金現在高」のうち「朝鮮人分」の推定額に係る情報であると認められる。 しかし,「終戦における朝鮮郵便貯金現在高」が7億2506万8980円であることは既に開示されており,上記黒塗り部分の金額はその約30%に相当する金額であると認められる。 ⅲ さらに,同文書の9枚目(乙D276の-9-頁)には,「(b)振替貯金」の項において,終戦時の振替貯金現在高として8552万7589円が記載され(原決定ではこの金額も不開示であったが,その後上記のとおり開示された。),その次(乙D276の-9-頁の8行目~9行目)に上記振替貯金のうち朝鮮人分の金額に関する記載がされ,朝鮮人分は「(郵貯同様10%を超えまい)」という説明書きがあるところ,上記朝鮮人分の金額に関する記載も黒塗りされている(8行目及び9行目に各1か所黒塗り部分がある。)。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控 0%を超えまい)」という説明書きがあるところ,上記朝鮮人分の金額に関する記載も黒塗りされている(8行目及び9行目に各1か所黒塗り部分がある。)。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係 争情報は,終戦時の振替貯金現在高8552万7589円のうち朝鮮人分が占める比率及び試算額に係る情報であると認められる。 しかし,「(郵貯同様10%を超えまい)」という説明書きからすれば,8行目の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容は「10%」という記載であると推認され,この推認と既に開示されている「終戦時の振替貯金現在高」8552万7589円とを合わせれば,9行目の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容は8552万7589円の約10%に相当する金額であると認められる。 ⅳ 同文書の9枚目(乙D276の-9-頁)には,「(c)内地関係(参考)」の項において,「(ⅰ) 内地預入の朝鮮人預金」として,「終戦後内地に貯金通帳を残したまま朝鮮に引揚げた朝鮮人の貯金通帳により算出した金額にその後の利子を加えたもの」の金額が黒塗りされている(乙D276の-10-頁の6行目)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記金額に係る情報であると認められる。 また,同じく「内地関係(参考)」の項において,「(ⅱ)国債証券売却代金」として「内地郵政官署に保管されていた朝鮮人名義(原簿の氏名より推定)の国債証券を売却した代金」の金額が黒塗りされている(乙D276の-10-頁の12行目)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記金額に係る情報であると認められる。 (b) 同文書には,「逓信局関係」の項目の「(3) 国債及び貯蓄債券等」について次の記 黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記金額に係る情報であると認められる。 (b) 同文書には,「逓信局関係」の項目の「(3) 国債及び貯蓄債券等」について次の記載がある。 まず事実関係についての記載があり,「総督府所有の国債」として,登録国債があるとし,その金額が記載されているが,これが黒塗りされている(乙D276の-11-頁)。上記黒塗り部分に記録されて いる1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記金額に係る情報であると認められる。 (c) 同文書には,「逓信局関係」の項目の「(4) 朝鮮簡易生命保険関係」について次の記載がある。 ⅰ まず,事実関係についての記載があり,「(a)朝鮮簡易生命保険及び郵便年金事業について」において,朝鮮簡易生命保険及び郵便年金事業は朝鮮総督府がこれを営み,会計は朝鮮生命保険及び郵便年金特別会計と称し,郵便貯金と異なり,内地の簡保,郵便年金からは独立していたと記載されている。 ⅱ その上で,「(ⅱ) 簡易生命保険」において,「1 創業昭4. 10.1」の箇所に簡易生命保険の創業時の件数及び保険金額が記載されているが,これらが黒塗りされている(乙D276の-13-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記簡易生命保険の創業時の件数及び保険金額に係る情報であると認められる。 また,「2 最終計数(20.3.31現在)」の箇所に,簡易生命保険の内訳を示す名称と思われる記載とこれに対応する件数,保険金額及び資金が記載されているが,これらが黒塗りされている(乙D276の-14-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記の簡易生命保険の内訳を示す名称と思われ 額及び資金が記載されているが,これらが黒塗りされている(乙D276の-14-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記の簡易生命保険の内訳を示す名称と思われる記載とこれに対応する件数,保険金額及び資金に係る情報であると認められる。 ⅲ 「(ⅲ) 郵便年金」において,「1 創業昭18.10.1」との記載に続く「2 最終計数(20.3.31現在)」の箇所に,郵便年金の内訳を示す名称と思われる記載とこれに対応する件数,年金額及び資金が記載されているが,これらが黒塗りされている(乙 D276の-14-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記郵便年金の内訳を示す名称と思われる記載とこれに対応する件数,年金額及び資金に係る情報であると認められる。 ⅳ 「(4) 朝鮮簡易生命保険関係」の「(a)朝鮮簡易生命保険及び郵便年金事業について」の「(注)」の箇所(乙D276の-15-頁~-16-頁)に,「○預金部預入額(21.8.11現在)」の金額の記載,「○保険及び年金契約者に対する貸付金」の金額の記載及び「○国債消化等」の箇所の記載があるが,これらは黒塗りされている。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額等に係る情報であると認められる。 ⅴ 「(4) 朝鮮簡易生命保険関係」の「(b)預入金の現在の状況」の箇所に,「前述の預金部預入金は,現在政府当座預金(国庫勘定)の1項目の「戦時未整理勘定」の中の一つとして計上されている。 (同勘定の貸方残)」という記載があり,「○朝鮮簡易生命保険及び郵便年金預金」の記載に続く部分が黒塗りされている(乙D276の-16-頁)。また,同じ頁の右下に「次頁不開示」の記載があ れている。 (同勘定の貸方残)」という記載があり,「○朝鮮簡易生命保険及び郵便年金預金」の記載に続く部分が黒塗りされている(乙D276の-16-頁)。また,同じ頁の右下に「次頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,政府当座預金(国庫勘定)の1項目の「戦時未整理勘定」の中の一つとして計上されている預金部預入金のうち,朝鮮簡易生命保険及び郵便年金貯金に相当する各金額に係る情報であると認められる。 (d) 同文書には,「逓信局関係」の項目の「(5) 海外為替貯金及び債券」について次の記載がある。 ⅰ まず,韓国側の要求の趣旨について,これが「逓信局郵便事業関係で対満支等勘定の受取分があったのが,終戦後回収不能となった ので,その補償を日本政府に求めるもの」であれば,この点に関する事実関係としては,「総督府郵便事業の中には,外国郵便為替,日満郵便為替,日満郵便振替貯金等の項目があった」という記載がある。これに続く記載部分が黒塗りされている(乙D276の-18-頁)。この黒塗り部分に続き,「しかし終戦時の計数は不明である。」との記載がある。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記外国郵便為替,日満郵便為替,日満郵便振替貯金等の終戦時より前の時期の各金額に係る情報であると認められる。 ⅱ 韓国側の要求の趣旨について,これが「満支等第三国への債権が終戦後回収不能になったので,その損失を日本政府に補償せよというもの」であれば,として,「(ⅱ) 在鮮本社法人の社債保有状況(23年管理局渉外負債調)」についての記載があり,この記載が黒塗りされている(乙D276の-19-頁~-20-頁)。上記黒塗り部分に記録さ 」であれば,として,「(ⅱ) 在鮮本社法人の社債保有状況(23年管理局渉外負債調)」についての記載があり,この記載が黒塗りされている(乙D276の-19-頁~-20-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記在鮮本社法人の社債保有状況に係る情報であると認められる。 (e) 同文書には,「三 1945年8月9日以後日本人が韓国内各銀行から引出した預金額」の項目の事実関係として,P73氏メモ(史談会資料)には,8月15日から9月28日までの間の預金払出超過額として見込まれる金額の記載があるとしているが,当該金額の記載が黒塗りされており,上記金額の内訳となる現金支払額及び内地送金額の各記載も黒塗りされている(乙D276の-25-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額に係る情報であると認められる。 (f) 同文書には,「四朝鮮から収入された国庫金中の根拠のない支出」 の項目の事実関係として,P73氏メモ(史談会資料)によるものとして「終戦後の朝鮮通貨事情及び発行超要因」の記載があるが,この記載が黒塗りされている(乙D276の-28-頁~-29-頁)。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記終戦後の朝鮮通貨事情及び発行超要因に係る情報であると認められる。 また,「総督府関係支出」についての記載もあるが,この記載も黒塗りされている(乙D276の-29-頁~-30-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記総督府関係支出に係る情報であると認められる。 さらに,韓国側が終戦後の軍関係支払は鮮銀の立替払のままになってしまっていると主張するものと想定して「朝鮮軍関係 の附帯控訴に係る係争情報は,上記総督府関係支出に係る情報であると認められる。 さらに,韓国側が終戦後の軍関係支払は鮮銀の立替払のままになってしまっていると主張するものと想定して「朝鮮軍関係支出」について検討しているところ,朝鮮軍関係支出の「的確な金額は不明である。」という記載があり,これに続く箇所が黒塗りされており,その次の「(注)」の記載にも黒塗りされている部分がある(乙D276の-30-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記朝鮮軍関係支出に関する事実及び一応の試算額に係る情報であると認められる。 (g) 同文書には,「朝鮮総督府東京事務所の財産」の項目があり,韓国側が総督府の資産を承継したものとしてのP74共済組合の財産の返還を主張するものと想定して検討している。 「交通局内地財産(20.9.14現在評価額)」についての記載があるが,黒塗りされている(乙D276の-31-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和20年9月14日当時の交通局内地財産の評価額に係る情報であると認められる。 交通局内地財産は「P74共済組合の本邦内にある財産の整理に関する政令」により処分され,売却代金を得て,これにより組合員に対する年金支払,分配金等が支払われた旨の記載がある。この記載のうち,交通局内地財産が処分された旨の記載に続く部分が黒塗りされており,売却代金の金額が黒塗りされており,組合員に対する年金支払,分配金等として支払われた金額が黒塗りされている(乙D276の-32-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,交通局内地財産の処分に関する事実,売却代金の金額並びに年金支払及び分配金等として支 黒塗りされている(乙D276の-32-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,交通局内地財産の処分に関する事実,売却代金の金額並びに年金支払及び分配金等として支払われた金額に係る情報であると認められる。 (イ) 昭和36年2月13日付け「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書は,韓国政府の「対日請求要綱八項目」の第3項目に相当する要綱3(内地送金関係)についての参考資料である。事実関係として,終戦直後の事態に即応して総督府当局は,預金取付による混乱を防止し,現金保持に伴う危険を避けさせるため,日本人に対し銀行送金等の方法を勧奨した旨の記載がある。 送金額についてははっきりした数字はない旨記載されているところ,これに続く「(注)」に,「P73氏メモ(前掲)では,預金の引出し額のうち送金された金額は」と記載され,これに続く金額の記載が黒塗りされている(乙D276の-34-頁)。上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 送金ルートとして,朝鮮銀行本店から東京支店へのルート,P75銀行のP76支店からP77支店へのルート及び郵便局経由のルートが記載されている。郵便局経由のルートに関し,終戦後朝鮮から振り出した為替金及び振替金で昭和20年9月23日までに内地に到着して払出が実行されたものの金額(郵政省調による推計額)が記載されているが, この金額が黒塗りされている(乙D276の-35-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記金額に係る情報であると認められる。 (ウ) 昭和36年2月22日付け「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書は,韓国政府の「対日請求要綱八項目」の第4項目に相当する要綱4(韓国本社法 上記金額に係る情報であると認められる。 (ウ) 昭和36年2月22日付け「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書は,韓国政府の「対日請求要綱八項目」の第4項目に相当する要綱4(韓国本社法人の在日資産)についての参考資料である。次の各記載がある。 戦時中外地で活動した特殊会社,金融機関等は,占領軍の命令によって解散,整理されることになり,そのための法令が制定され,改正された旨の記載がある。 朝鮮関係の閉鎖機関は朝鮮銀行,P78銀行,P79株式会社及びP80連合会の4機関である旨の記載がある。 上記4機関の清算の概況が記載されている。上記各機関別に閉鎖日欄,清算結了日欄,その他の各欄が設けられており,閉鎖日欄,清算結了日欄の記載は開示されているが,その他の各欄等の記載は黒塗りされている(乙D276の-45-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各機関別の清算に関する各欄の記載に係る情報であると認められる。 また,朝鮮銀行の残余財産の分配に関する記載があり,同行は残余財産をもって新会社(P81銀行)を設立したので,新会社株式(1株額面500円)をもって割り当てている旨記載されているが,これに続く割当先,割り当てる株式数及びその価格等の記載が黒塗りされている(乙D276の-47-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮銀行の残余財産の分配としての新会社株式(1株額面500円)の割当先,各割当先に割り当てる株式数及びその価格等に係る情報であると認められる。 P78銀行の残余財産の分配に関する記載があり,当該残余財産の分配額並びに分配先及び各分配先に分配する金額等の記載が黒塗りされている(乙D276の-48-頁~-4 と認められる。 P78銀行の残余財産の分配に関する記載があり,当該残余財産の分配額並びに分配先及び各分配先に分配する金額等の記載が黒塗りされている(乙D276の-48-頁~-49-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,P78銀行の残余財産の分配額並びに分配先及び各分配先に分配する金額等に係る情報であると認められる。 朝鮮人に対する供託の状況に関する記載がある。これは,P75閉鎖機関がその株主,出資者であった朝鮮人に対して行った残余財産の処理状況であるとし,「特殊清算結了閉鎖機関が既に供託しているもの」の金額,「現在特殊清算中の閉鎖機関が将来供託する見込のもの」の金額,「閉鎖機関の指定を解除された会社が,その特殊清算中において供託していたもの」の「金額」,「閉鎖機関(指定解除機関も含む)がその清算中において朝鮮人に対する弁済すべき財産を信託しているもの」の金額がそれぞれ記載されているが,いずれも黒塗りされている(乙D276の-51-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額に係る情報であると認められる。 さらに,在外会社,すなわち,旧日本占領地域(旧外地を含む)に主たる事務所を有していた法人,団体の本邦内にある財産を,我が国経済再建に役立たせることを目的として,当該財産を整理するため,在外会社令が制定された旨の記載がある。朝鮮関係の在外会社について,「概況」及び「主要会社の状況」に関する記載がある。前者の「概況」には,既に整理を完了した会社が181社ある旨の記載があり,181社の残余財産合計金額の記載があるが,この金額は黒塗りされている(乙D276の-53-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争 した会社が181社ある旨の記載があり,181社の残余財産合計金額の記載があるが,この金額は黒塗りされている(乙D276の-53-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記181社の残余財産合計金額に係る情報であると認められる。また,後者の「主要会社の状況」については,一 覧表の形式で記載があり,そのうち「会社名」及び整理の「完結日」の欄の記載は開示されているが,その余の欄の記載は黒塗りされている(乙D276の-53-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,在外会社令により整理が行われた在外会社のうち,主要会社(P82,P83,P84,P85,P86,P87銀行,P88銀行及びP89銀行)の整理完了後の残余財産の価額等に係る情報であると認められる。 韓国側が示した「鮮銀券発行準備在日分の返還」という項目に関する記載がある。鮮銀券の発行準備,鮮銀券発行高及び保証準備の状況に関する記載があり,「(注)」において鮮銀券発行高に関する記載があるが,この記載は黒塗りされている(乙D276の-56-頁)。また,「国内店舗資産の状況(閉鎖日(20.9.30)現在)」として資産合計金額の記載があるが,この記載が黒塗りされており,上記資産の内訳を成す国債,社債その他,地金銀の各金額の記載も黒塗りされている(乙D276の-56-頁~-57-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額に係る情報であると認められる。 さらに,「五その他」としていずれかの法人又は機関の在日財産,在日資産に関する記載があるが,この記載は黒塗りされており,本文以外の書き込みと思われる部分も黒塗りされている(乙D276の-57-頁)。上記各黒 その他」としていずれかの法人又は機関の在日財産,在日資産に関する記載があるが,この記載は黒塗りされており,本文以外の書き込みと思われる部分も黒塗りされている(乙D276の-57-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記法人又は機関の名称並びに在日財産,在日資産の金額等に係る情報であると認められる。 (エ) 昭和36年4月10日付け各「韓国請求要綱参考資料(未定稿)」と題する文書は,韓国政府の「対日請求要綱八項目」の第5項目に相当する要綱5(韓国人の対日債権)についての参考資料である。 その2枚目(乙D276の-59-頁)で,韓国人の対日債権のうち戦争による被害の補償要求の1類型として「被徴用韓人の被害補償要求(戦傷病者,戦没者,徴用労務者等への弔慰金)」が取り上げられているが,この点に関する記載は黒塗りされている。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「被徴用韓人の被害補償要求(戦傷病者,戦没者,徴用労務者等への弔慰金)」について我が国政府部内で試算した具体的な項目又は金額等に係る情報であると認められる。 その3枚目(乙D276の-60-頁)に,韓国側請求の対象と考えられる終戦時の朝鮮関係有価証券の種類及び金額は次のとおりという記載があるが,「次頁以下2頁不開示」の記載があり,4枚目(乙D276の-61-頁)に黒塗りされている部分がある。上記不開示の記載に該当する部分及び黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国側請求の対象と考えられる終戦時の朝鮮関係有価証券の種類及び金額に係る情報であると認められる。 また,6枚目に「外地地方債及び公社債について」の記載があり,朝鮮事業公債法による公債について,昭和 請求の対象と考えられる終戦時の朝鮮関係有価証券の種類及び金額に係る情報であると認められる。 また,6枚目に「外地地方債及び公社債について」の記載があり,朝鮮事業公債法による公債について,昭和19年度以降数年にわたる継続費をも包含する計数,公債額等の記載があるが,黒塗りされており,「最近年度までに発行せられ現実に総督府の負担に属する公債額」の金額も黒塗りされている(乙D276の-63-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和19年度以降数年にわたる継続費をも包含する計数,公債額等の記載及びに上記の現実に総督府の負担に属する公債額に係る情報であると認められる。 6枚目から7枚目にかけて(乙D276の-63-頁~-64-頁),総督府負担の公債又は借入金として,「私設鉄道買収の交付公債」の金額及び「戦争中朝鮮における米麦の生産を確保するための補給金及び企 業整備にかかる者に交付する財源のための公債」の金額が記載されているが,いずれも黒塗りされている(乙D276の-63-頁~-64-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,私設鉄道買収の交付公債の金額に係る情報であると認められる。 7枚目(乙D276の-64-頁)に,「公債の発行と償還」に関し,朝鮮関係の国債は大蔵省において他の公債とともに募集され,元利償還も大蔵省で日銀と連絡して一切を処理し,朝鮮としては単にその負担に属する元利償還を国債整理基金特別会計に繰入れるだけであったという記載があり,繰入額(明治43年~昭和19年累計)の記載があるが,この記載が黒塗りされている(乙D276の-64-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記繰入額に係る情報で 入額(明治43年~昭和19年累計)の記載があるが,この記載が黒塗りされている(乙D276の-64-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記繰入額に係る情報であると認められる。 7枚目から8枚目にかけて(乙D276の-64-頁~-65-頁)朝鮮における地方債について,道,府においても巨額の財源を要し,しかも生産的な事業はこれを起債に俟つ方針を採っていた旨の記載があり,これに続く記載が黒塗りされている(乙D276の-65-頁)。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,地方債の起債,償還に係る情報であると認められる。 8枚目(乙D276の-65-頁)に公社債について,朝鮮における公社債は,その資金の一部は地方団体の事業に振り向けられ(P78債券の場合),他は朝鮮の事業開発のために使われた旨の記載があり,これに続く記載が黒塗りされている(乙D276の-65-頁)。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮における公社債の発行,償還に係る情報であると認められる。 10枚目以降に「三日本系通貨」についての記載があり,焼却日銀 券のうち朝鮮銀行所有分について,約10億円とするうちには在鮮日系金融機関手持分,引揚日本人が遺留した分が含まれているものと考えられ,また,引揚朝鮮人が合法的に携行した日銀券が上陸港において朝鮮銀行(米軍接収後の)により交換されているので,この分も含まれているものと考えられる旨の記載があるが,これらの記載の直前に,上記のとおり考えられる理由として「終戦時における朝鮮銀行の在鮮手持日銀券」の金額が記載されているところ,この記載が黒塗りされている(乙D276の-69-頁)。また,この記載に関して付されて 前に,上記のとおり考えられる理由として「終戦時における朝鮮銀行の在鮮手持日銀券」の金額が記載されているところ,この記載が黒塗りされている(乙D276の-69-頁)。また,この記載に関して付されている「(注)」には,「昭和20年3月31日現在の朝鮮銀行南鮮8ヵ店保有の日銀券」の金額が記載されているが,この記載が黒塗りされている(乙D276の-69-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額に係る情報であると認められる。さらに,「日銀の処理」について,「昭和21年2月の日本銀行券預入令により回収されるべき旧銀行券中,未回収額」の記載があるが,この記載は黒塗りされ,上記未回収額から交換要求の心配ない金額を差し引いた「旧銀行券未決済金」の金額の記載もあるが,この記載は黒塗りされている(乙D276の-70-頁)。上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額に係る情報であると認められる。 14枚目(乙D276の-71-頁)以降に「引揚朝鮮人の税関預り金」についての記載があり,政令88号に基づく1000円を超過するものの保管預かり(海運局→日銀→税関)と,政令190号に基づく10万円超のものの保管預かり(日銀→税関)とについて,それぞれ「通貨(内日銀券)(鮮銀券))」,「証券」及び「証書」の種別に記載があり,「合計」欄の記載もあるが,これらの各種別の各記載及び「合計」欄の金額の記載が黒塗りされている(乙D276の-73-頁)。上記 各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各記載及び金額に係る情報であると認められる。また,「(注)」に「函館税関分中現物不足が3件」あると記載されているが,「3件」の次の記載が黒塗りされ ている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各記載及び金額に係る情報であると認められる。また,「(注)」に「函館税関分中現物不足が3件」あると記載されているが,「3件」の次の記載が黒塗りされている。上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記3件の金額に係る情報であると認められる。 18枚目(乙D276の-75-頁)に「鮮銀券等日本系通貨補償の問題」について,通貨に関連する責任としては次のものが考えられるとし,通貨の最終所持者に対する責任,発行主体の私法的責務として通用力を有する通貨との交換に応ずべき責任,インフレ責任に関する記載があるが,これに続く記載が黒塗りされている(乙D276の-75-頁)。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,円系通貨(日本円を基軸として,日本円と連動させた通貨)に関する補償責任についての我が国政府の見解及び具体的な対処方針案等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性上記アの(ア)の(a)のⅰからⅲまでの各係争情報については,該当する各箇所に記載したとおり,内容を推知することができ,又は認めることができるものであるから,これらを公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があるとは認め難い。 これに対し,その余の上記各係争情報については,前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対 応を推測するなどして,交渉を 情報は,請求権問題に密接に関連するものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対 応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (21) 通し番号1-130の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A124,乙D124)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-130の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年2月6日付け「請求権に関する一般的問題点(第1稿)」と題する文書である。 同文書の16枚目(乙D124の-16-頁)に黒塗りされた部分及び「次頁不 省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年2月6日付け「請求権に関する一般的問題点(第1稿)」と題する文書である。 同文書の16枚目(乙D124の-16-頁)に黒塗りされた部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当す る部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,我が国の在北朝鮮財産(北朝鮮との請求権問題に係る日本側の請求権)の処理についての我が国政府の法的観点からの見解及び対処方針に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となるものについての我が国の見解及び対処方針に相当し,同交渉において我が国に不利となる蓋然性がある内容であると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり, しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (22) 通し番号1-132の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙D564)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-132の文書は,外務省条約局法規課が作成した昭和36年9月1日付け「請求権問題点討議用試案」と題する文書である。 同文書の1枚目(乙D564の-1-頁)は表題部以外は黒塗りされ,「次頁以下31頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,当時,外務省内で検討された請求権問題に関する対処方針及び提案等の具体的内容(韓国が主張した対日請求権のうち,朝鮮総督府の債務,在韓日本人の我が国への送金,韓国本社法人の在日資産及び韓国人の対日債権といった対日請求権項目に関しての我が国政府の見解も含む。)に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となるものについての我が国の見解及び対処方針に相当することとなるが,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認め の交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化 交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (23) 通し番号1-133の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A278,乙C278,乙D278)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-133の文書は,外務省アジア局P15参事官が作成した昭和36年9月4日付け「日韓請求権問題」と題する文書並びにその添付文書である別添1の「「非公式資料提供」韓国の対日請求要綱(概略説明)」と題する文書及び別添2のP15参事官が作成した同年8月28日付け「日韓請求権問題試案」と題する文書 と題する文書並びにその添付文書である別添1の「「非公式資料提供」韓国の対日請求要綱(概略説明)」と題する文書及び別添2のP15参事官が作成した同年8月28日付け「日韓請求権問題試案」と題する文書である。 (ア) 「日韓請求権問題」と題する文書の1枚目(乙D278の-1-頁)及び2枚目(乙D278の-2-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和28年当時,大蔵省理財局外債課が韓国側の要求中,韓国人戦傷病者戦没者に対する弔慰金,韓国人被徴用労務者に対する諸支払,弔慰金等,その他若干の項目,以上を除いたものにつき推定した金額に係る情報,同年当時,同課が推定した全朝鮮に残置された日本の企業及び個人の財産の総額に係る情報,全朝鮮に残置された日本の企業及び個 人の財産に係る同課の具体的見解に係る情報,大蔵省理財局がvestingdecree(在韓米軍政庁の軍令33号による在韓日本側財産・請求権の取得)の効力についての法律論に無関係,かつ新たな立法等の措置を必要としない項目として検討した事項に係る情報であると認められる。 (イ) また,「日韓請求権問題試案」と題する文書の1枚目(乙D278の-14-頁)は表題部以外は黒塗りされ,「次頁以下8頁不開示」の記載がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題における韓国の対日請求権の複数の項目それぞれについての外務省アジア局P15参事官が検討した対処方針及び具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認め した対処方針及び具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となるものについての我が国の見解及び対処方針に相当することとなるが,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解 決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないのであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (24) 通し番号1-134の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A279,乙C279,乙D279)及び弁論の全 はできない。 (24) 通し番号1-134の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A279,乙C279,乙D279)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-134の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年9月5日付け「第5次日韓会談における韓国請求権8項目の討議抄録」と題する文書,「第5次請求権記録」と題する文書及び「第5次請求権概算」と題する文書である。 「第5次請求権概算」と題する文書の2枚目(乙D279の-37-頁)から11枚目(乙D279の-46-頁)までにそれぞれ黒塗りされている部分があるほか,4枚目(乙D279の-39-頁)に「次頁不開示」の記載があり,12枚目にも「次頁不開示」の記載がある。 上記各黒塗り部分(乙D279の-37-頁(3か所),-38-頁(2か所),-39-頁(2か所),-40-頁(3か所)-41-頁(2か所),-42-頁(4か所),-43頁-から-44-頁まで,-45-頁及び-46-頁の各黒塗り部分)並びに不開示の記載に該当する部分(乙D279の-39-頁の「次頁不開示」の記載及び-47-頁の「次頁不開示」の記載に各該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴 に係る係争情報は,韓国が主張した対日請求権8項目それぞれについての我が国政府部内での試算額又は試算方法の具体的内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する我が国の試算額及び試算方法であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我 いて,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する我が国の試算額及び試算方法であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであるから,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (25) 通し番号1-135の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定 不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A280)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-135の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年9月8日付け「日韓請求権問題に関する外務省・大蔵 証拠(乙A280)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-135の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和36年9月8日付け「日韓請求権問題に関する外務省・大蔵省打合せ会要録」と題する文書である。 同文書には,当時来日中のP90韓国経済企画院院長は,小坂外務大臣との会談においてオフレコとして数字を挙げたのに,日本側,特に外務省がこれに応じなかったことなどに強い失望の念を漏らしている模様であったこと,米国側は日韓関係に悪影響があり,日韓会談の前途が暗くなることを懸念し,P91大使が小坂大臣及び池田総理大臣にこの旨を伝えたこと,そこで,改めてP90院長と小坂外務大臣との会談が行われ,日本側が韓国の50年計画遂行を援助する趣旨で経済協力を行うことが適当であろうとの総理大臣の考えの線で韓国側に打診したが,韓国側は全然乗ってこなかったのであり,また,経済協力という言葉の使用をいやがり,なおも日本側の支払用意総額はいくらかと迫るのみで,会談は実質上物別れとなったこと,会談が再開された際,日本側としては,請求権としては国会等に十分説明がつくように固め,その上で数字を算出することとすることが考えられること,以上の趣旨の説明がP13外務省アジア局長からされ,次いで,P15参事官から,以後の進め方の概要が説明され,P15個人の試案であるとして「日韓請求権問題試案」が提出されたことが記載されている。同文書には,さらに,P15試案の説明中注目される点が指摘されており,そのうち,恩給支払についての記述中に,一般朝鮮人公務員2240人に対する未払恩給があるとされている箇所があり,その金額が黒塗りされている(乙A280の-13-頁の黒塗り部分)。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報 240人に対する未払恩給があるとされている箇所があり,その金額が黒塗りされている(乙A280の-13-頁の黒塗り部分)。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報 は,昭和30年当時,大蔵省理財局が試算した一般朝鮮人公務員2240人に対する未払恩給の総額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する我が国の試算額であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないこと,すでに開示されている情報である「韓国人官吏に対する恩給等未払金(日本恩給局によれば約5億円)」(韓国側開示文書である甲143の8の7枚目下段)と比較すると,「大蔵省理財局が算定した一般朝鮮人公務員2240人に対する未払恩給の総額」も,前記約5億円との金額と大きく異なるものではないはずであることなどから,上記係争情報を開示しても日朝国交正常化交 ると,「大蔵省理財局が算定した一般朝鮮人公務員2240人に対する未払恩給の総額」も,前記約5億円との金額と大きく異なるものではないはずであることなどから,上記係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか は確実な予測ができないこと,弁論の全趣旨によれば,上記係争情報は約5億円とは大きく異なるものであることが窺われることからすると,これが公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (26) 通し番号1-136の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A281,乙D281)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-136の文書は,外務省が作成した昭和36年9月14日付け「日韓請求権解決方策について」と題する文書及び同日付け「日韓請求権解決方式について」と題する文書である。 後者の「日韓請求権解決方式について」と題する文書は,韓国が主張する請求権のうちには(イ)請求に応ずるを妥当とするものと,(ロ)応否いずれにも理屈の立つものがあるとし,relevantclauseにより拒否することも可能であろうが,拒否の程度に手心も加え得るであろうとして,経済援助中無償援助として考えられるものを(ロ)に回すのが実際的であろうとし,韓国が主張する請求権を上記の考え方で整理している。 同文書の3枚目(乙D281の-8-頁)のうち,「(イ)応ずるのが妥当とするもの」で,「a 大蔵省にも問題のないもの」 すのが実際的であろうとし,韓国が主張する請求権を上記の考え方で整理している。 同文書の3枚目(乙D281の-8-頁)のうち,「(イ)応ずるのが妥当とするもの」で,「a 大蔵省にも問題のないもの」で,「(ⅰ)引揚朝鮮人の税関保護預り金」の金額が黒塗りされている。 4枚目(乙D281の-9-頁)のうち,「(イ)応ずるのが妥当とするもの」で,「a 大蔵省にも問題のないもの」で,「(ⅱ)軍人・軍属及び政府関係徴用労務者に対する未払給与」の箇所が黒塗りされ,「(ⅲ)帰国朝鮮人労務者に対する未払賃銀供託済分」の箇所の金額が黒塗りされ,「(ⅳ) 昭和27年4月までの未払恩給」の金額が黒塗りされている。 9枚目(乙D281の-14-頁)のうち,「(イ)応ずるのが妥当とするもの」で,「B その他」で,「(ⅵ)閉鎖機関,在外会社関係」の箇所の「清算時に朝鮮人持分として定められたものの供託金額」の金額が黒塗りされており,「(ロ)返還につきrelevantclauseはあるが,妥協を考慮し得るもの」で,「(ⅰ)朝鮮銀行関係」で,「(a)鮮銀本店勘定になっていた日銀登録国債」の金額が黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題に関し,上記各項目について我が国が試算した金額等に係る情報,すなわち,外務省が「大蔵省にも問題のないもの」として韓国の請求に応ずるのが妥当なものと考えた「引揚朝鮮人の税関保護預り金」,「軍人,軍属及び政府関係徴用労務者に対する未払給与」,「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃金供託済分」,「昭和27年4月までの未払恩給」及び「清算時に朝鮮人持分として定められたものの供託金額」の具体的金額に係る情報並びに「返還につき妥協を考慮し得るもの」として「朝鮮銀行本店勘定になって 供託済分」,「昭和27年4月までの未払恩給」及び「清算時に朝鮮人持分として定められたものの供託金額」の具体的金額に係る情報並びに「返還につき妥協を考慮し得るもの」として「朝鮮銀行本店勘定になっていた日銀登録国債」の具体的金額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する情報であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国と の交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めるることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであるから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない るかは確実な予測ができないことであるから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (27) 通し番号1-138の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A283,乙D283)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-138の文書は,大蔵省理財局が作成した昭和36年10月26日付け「韓国の対日請求権について」と題する文書及びその末尾に添付されている外務省が作成したと思われる「ハ請求権の金額」という見出しから始まる文書である。「ハ請求権の金額」という見出しから始まる文書(乙D283の-10-頁)に黒塗りされている箇所がある。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和36年当時,韓国の対日請求権8項目についてその時点までに明らかにされた韓国の主張等に基づき試算した概数としての金額及びその項 目ごとの内訳金額であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する情報であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が とすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであるから,上記係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (28) 通し番号1-141の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容 証拠(乙A286,乙C286,乙D286)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-141の文書は,外務省アジア局P15参事官が池田総理大臣のために作成した「韓国の対日請求権について(Ⅰ)」と題する文書,「韓国の対日請求権について(Ⅱ)」と題する文書及び「韓国一般請求権について(Ⅲ)」と題する文書である。 (ア) 「韓国の対日請求権について(Ⅰ)」と題する文書の3枚目(乙D286の-3-頁)から5枚目(乙D286の-5-頁)までについては,「2 1945年8月9日現在の日本政 題する文書である。 (ア) 「韓国の対日請求権について(Ⅰ)」と題する文書の3枚目(乙D286の-3-頁)から5枚目(乙D286の-5-頁)までについては,「2 1945年8月9日現在の日本政府の対朝鮮総督府債務の弁済」の大項目のうち,「(1) 逓信局関係」の中項目で,「(a)郵便貯金,振替貯金,郵便為替」の小項目における昭和20年8月現在の朝鮮内貯金額の金額等の箇所が黒塗りされ,「(b)国債及び貯蓄債券等」の小項目における貯蓄債権の金額の箇所及び登録国債の金額の箇所が黒塗りされ,「(c)朝鮮簡易保険及び郵便年金関係」の小項目における朝鮮人分の準備金の金額等の箇所が黒塗りされている。 また,11枚目(乙D286の-11-頁)から16枚目(乙D286の-16-頁)までについては,「5 韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済」の大項目のうち,「(1) 日本有価証券」の中項目における登録国債の金額の箇所及び非登録公社債の金額の箇所が黒塗りされており,「(2) 日本系通貨」の中項目で,「(ロ)」における焼却日銀券等は原則として支払うべきであろうとする記載に続く部分が黒塗りされており,「(3) 被徴用韓人未収金(及び税関預かり金)」の中項目で,「(イ)」における「引揚朝鮮人の税関保護預かり金」中韓国人の分の金額の箇所が黒塗りされており,「(ロ)」における「軍人・軍属及び政府関係徴用労務者に対する未払給与」中韓国人の分の金額の 箇所が黒塗りされており,「(ハ)」における「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃銀供託済みの分」の金額の箇所が黒塗りされており,「(4) 戦争による被徴用者の被害に対する補償」の中項目で,「(ロ)」における該当す されており,「(ハ)」における「帰国朝鮮人労務者に対する未払賃銀供託済みの分」の金額の箇所が黒塗りされており,「(4) 戦争による被徴用者の被害に対する補償」の中項目で,「(ロ)」における該当する者のうち韓国人が占める比率の箇所及び金額の箇所が黒塗りされており,「(5) 韓国人の対日本政府請求恩給関係その他」の中項目で,「(イ)」における金額等の箇所が黒塗りされており,「(6) 韓国人の対日本人又は法人請求」の中項目における金額の箇所が黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,上記各項目について我が国が試算した数量,金額及び具体的見解に係る情報であると認められる。 (イ) 「韓国の対日請求権について(Ⅱ)」と題する文書の1枚目(乙D286の-18-頁)から3枚目(乙D286の-20-頁)までについては,「1 地銀(大阪支店預託分)」の箇所が黒塗りされており,「2韓国人預金」の箇所に黒塗りされている部分があり,「3 逓信局所有国債及び貯蓄債券」の箇所に黒塗りされている部分があり,「4 簡易保険及び郵便貯金」の箇所が黒塗りされており,「8 朝鮮銀行保証準備国債」の箇所が黒塗りされており,「9 韓国人(法人を含む)の所有する日本有価証券」の「登録国債」及び「非登録国債」の各箇所が黒塗りされており,「11 償却日銀券」の箇所が黒塗りされており,「1 2 被徴用韓人未収金」の箇所が黒塗りされており,「13 未払給与」の箇所が黒塗りされており,「14 未払賃銀供託分」の箇所が黒塗りされており,「15 徴用韓人への補償」の「(ロ) 外国人並み」の箇所が黒塗りされており,「16 恩給」の「(イ) 日本人並み」及び「(ロ)外国人並み」の各箇所が黒塗りされており,「17 韓国人の対日本人(法人を含む)請求」の金額の の「(ロ) 外国人並み」の箇所が黒塗りされており,「16 恩給」の「(イ) 日本人並み」及び「(ロ)外国人並み」の各箇所が黒塗りされており,「17 韓国人の対日本人(法人を含む)請求」の金額の箇所が黒塗りされており,「小計」欄の箇所が黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,上記各項目について我が国が試算した数量,金額及び具体的見解に係る情報であると認められる。 (ウ) 「韓国一般請求権について(Ⅲ)」と題する文書は,一般請求権について実質討議を行った期間は2か月足らずで,韓国側提出の要求8項目中一部について一応説明されたものの,資料や要求金額の提示も行われていないという状況下で,請求権解決見込みの額を算出するのは事務的には不可能に近いとしつつ,一応の試算をしてみたと断って,試算した金額を記載し,試算した前提ないし条件に触れ,試算の根拠を説明している。同文書の1枚目(乙D286の-22-頁)から3枚目(乙D286の-24-頁)及び5枚目(乙D286の-26-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の対日債権関連の請求権に関して我が国政府部内で試算した具体的金額,試算方法等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する情報であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が から,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示 情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (29) 通し番号1-143の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A288)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-143の文書は,外務省アジア局が作成した昭和36年12月4日付け「一般請求権小委員会の今後の討議の進め方について」と題する文書である。同文書の5枚目(乙A288の-5-頁)に「次頁以下3頁不開示」の記載がある。 上記不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの 委員会の今後の討議の進め方について」と題する文書である。同文書の5枚目(乙A288の-5-頁)に「次頁以下3頁不開示」の記載がある。 上記不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,我が国政府部内において韓国の対日請求権の各項目について試算した金額及び各試算方法等であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,当該交渉の対象となりうるものに関する情報であるから,北朝鮮 がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イの 張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (30) 通し番号1-145の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A290,乙C290,乙D290)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-145の文書は,外務省アジア局が作成した昭和36年12月22日付け「韓国一般請求権に関する韓国側請求金額と日本側主張」と題する文書,「一般請求権韓国側請求に対する日本側主張(打合会資料)」 と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同月27日付け「韓国一般請求権に関する韓国側請求額と日本側査定(案)」と題する文書その他の文書である。 (ア) 「韓国一般請求権に関する韓国側請求金額と日本側主張」と題する文書の1枚目(乙D290の-1-頁)の「1 地金銀」の項目の「日本側主張」欄の記載が黒塗りされており,「2 逓信局関係」の項目の「日本側主張」欄の記載が黒塗りされており,2枚目(乙D290の-2-頁)の「5」の「(2) 日本系通貨」の項目の「日本側主張」欄の記載が黒塗りされており,「(3) 被徴用者未収金」の項目の「日本側主張」欄の記載が黒塗りされており,3枚目(乙D290の-3-頁)の「(4) 徴用韓人補償金」の項目の「日本側主張」欄の「(1) 労務者へ引揚援護を基準とした見舞金」の箇所及び「(2)」の箇所の記載がそれぞれ黒塗りされており,3枚目の「(5)(a) 恩給」及び「(b) 寄託金」の項目の「日本側主張」欄の一部がそれぞ (1) 労務者へ引揚援護を基準とした見舞金」の箇所及び「(2)」の箇所の記載がそれぞれ黒塗りされており,3枚目の「(5)(a) 恩給」及び「(b) 寄託金」の項目の「日本側主張」欄の一部がそれぞれ黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,上記各項目について我が国が試算した数量,金額及び対処方針に係る情報であると認められる。 (イ) 「一般請求権韓国側請求に対する日本側主張(打合会資料)」と題する文書の1枚目(乙D290の-5-頁)の「Ⅰ 請求各項に対する検討」のうち,「要綱2」の「(1) 逓信局関係」の「a 郵貯」の項目の金額が黒塗りされており,「c 簡保,年金」の項目の金額が黒塗りされており,2枚目(乙D290の-6-頁)の「要綱5」の「(1) 有価証券」の「登録国債」,「その他国債」及び「その他債権」の各小項目の箇所の記載が黒塗りされており,「問題は朝鮮銀行発券準備」の記載に続く箇所が黒塗りされ,「承継論より返還とした場合」に支払うものとされる金額の箇所が黒塗りされており,3枚目(乙D290の-7- 頁)の「(2) 日本系通貨」の項目の「立会焼却分と現物分は認める」の記載に続く,支払うものとされる金額の箇所が黒塗りされており,「(3)被徴用者未収金」の項目の金額の箇所が黒塗りされており,「(4) 被徴用者補償金」の項目の人数,単価及び金額の箇所が黒塗りされており,「(5) 恩給支払」の項目の金額の箇所が黒塗りされており,3枚目の最下部にある「要綱1より5まで日本側支払考慮可能金額」の合計を示す金額の箇所が黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,上記各項目について我が国が試算した金額等に係る情報であると認められる。 (ウ) 「韓国一般請求権に関する韓国 す金額の箇所が黒塗りされている。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,上記各項目について我が国が試算した金額等に係る情報であると認められる。 (ウ) 「韓国一般請求権に関する韓国側請求額と日本側査定(案)」と題する文書の1枚目(乙D290の-12-頁)から4枚目(乙D290の-15-頁)までの日本側査定(案)の欄が黒塗りされいる。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的な項目ごとの請求額について我が国が査定した金額及び査定方法に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,いずれも当該交渉の対象となりうるものに関する情報であるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示 情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない 権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであり,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (31) 通し番号1-157の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A301,乙C301,乙D301)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-157の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和33年7月2日付け「日韓会談交渉方針」と題する文書並びにその添付資料である「説明資料その1」と題する文書,「説明資料その2」と題する文書,「説明資料その3」と題する文書,「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書及び「韓国が主張している対日請求権の内容と金額」と題する文書である。 (ア) 「説明資料その1」と題する文書の1枚目(乙D301の-10-頁)に黒塗りされている部分があり,「次頁以下2頁不開示」の記載があり,2枚目(乙D301の-11-頁の黒塗り部分の各内容)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分及び不開示部分に記録されている各係争情報は,請求権問題に係る我が国の対処方針,試算額に係る情報であると認められる。 (イ) また,「説明資料その2」と題する文書の2枚目(乙D301の-13-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記黒塗り部分に記録さ 我が国の対処方針,試算額に係る情報であると認められる。 (イ) また,「説明資料その2」と題する文書の2枚目(乙D301の-13-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記黒塗り部分に記録されている係争情報は,日本の朝鮮領有中南鮮において朝鮮総督府の調査発掘事業により発掘され,その後日本に持ち込んで国有となっている文化財を韓国政府に贈与することに関し,文化財問題に対する我が国の対処方針等に係る情報であると認められる。 (ウ) さらに,「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書の1枚目から11枚目まで(乙D301の-17-頁~-27-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権として掲げられた個別具体的な項目に関する我が国の対処方針又は具体的な試算額に係る情報であると認められる。 (エ) 「韓国が主張している対日請求権の内容と金額」と題する文書の1枚目及び2枚目(乙D301の-28-頁~-29-頁)にも黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権として掲げられた個別具体的な項目に関する我が国の対処方針又は具体的な試算額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があり,文化財問題についての交渉も想定されるところ,上記各係争情報は,いずれもこれらの交渉の対象となりうるものに関する情報で北朝鮮側に参考となり得るものであるから,北朝 鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようと となり得るものであるから,北朝 鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないこと,文化財の選別基準等を秘匿することについて何ら外交上の正当性がないばかりか,日韓交渉と日朝交渉の前提状況の相違や日韓交渉時と現在での前提状況の相違などからすると,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,上記各係争情報の開示により我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,請求権問題や文化財問題は,時の経過によって前提状況が変化したとは必ずしも言い難いこと,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであること,文化財の選別基準等を秘匿することに外交上の正当性がないとはいえないことなどからすれば,上記各係争情報が開示された場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は否定できないのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (32) 通し番号1-159の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について 益を被る蓋然性は否定できないのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (32) 通し番号1-159の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性について ア係争情報の内容証拠(乙A302,乙D302)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-159の文書は,外務省が作成した1948年6月付け「JAPAN'SFOREIGNOBLIGATIONS」(日本の対外債務)と題する文書である。同文書のうち14枚目(乙D302の-14-頁),15枚目(乙D302の-15-頁)及び17枚目(乙D302の-17-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分(乙D302の-14-頁(6か所),-15-頁及び-17-頁(2か所)の各黒塗り部分)に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記各係争情報は,在韓日本国債を始めとする我が国の債務と在韓日本資産等についての具体的数値に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化 交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるかは確実な予測ができないことであり,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (33) 通し番号1-160の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A303,乙D276,乙D303)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-160の文書は,大蔵省管理局管理課が作成した昭和24年1月24日付け「円系通貨並びに在外日銀券に対する我方の責任について」と題する文書である。 (ア) 同文書のうち,「第一円系通貨に対する我方の責任について」という表題で始まる部分の末尾に「円系通貨の発行推定高並びに流通推定高」と題する一覧表があり(乙D303の-22-頁~-24-頁),同表のうち,「通貨別」の冒頭の通貨名とその「発行推定高」(日銀調査による昭和20年8月末日現在のもの),「引揚邦人持帰高その他」及び「差引流通推 覧表があり(乙D303の-22-頁~-24-頁),同表のうち,「通貨別」の冒頭の通貨名とその「発行推定高」(日銀調査による昭和20年8月末日現在のもの),「引揚邦人持帰高その他」及び「差引流通推定高」の記載部分が黒塗りされており,同表の本文末尾も黒塗りされている(乙D303の-23-頁)。 上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。もっとも,そのうち,「円系通貨の発行推定高並びに流通推定高」と題する一覧表の「通貨別」の冒頭の通貨名については,同文書の 「第一円系通貨に対する我方の責任について」という表題で始まる部分に「一鮮銀券,台銀券を始めとして,満銀券,蒙銀券,聯銀券,儲銀券,南発券,軍票等は所謂円系通貨として終戦時まで東亜各地域に流通していたが,別表に示す如く,(以下略)」と記載されていることに照らせば,「鮮銀券」であると推認される。 この通貨名に対応する「発行推定高」,「引揚邦人持帰高その他」及び「差引流通推定高」の黒塗り部分には,当該通貨の上記各項目に該当する金額に係る情報が記録されている。鮮銀券の発行状況については,乙D276の-77-頁の「(注)1 鮮銀券の発行状況(年末発行高)」に,昭和10年から19年までの間の鮮銀券の年末発行高及び昭和20年3月から同年8月までの間の鮮銀券の年末発行高の記載があり,これらの記載に鑑みると,乙D303の-22-頁の「鮮銀券」の通貨名に対応する「発行推定高」は相当程度推認することが可能である。 また,同表の本文末尾の黒塗り部分には,円系通貨の上記各項目に該当する合計金額に係る情報が記録されている。しかし,「鮮銀券」の「発行推定高」を相当程度推認することが可能であることに鑑みると,「発行推定高」の上記合計金額も相当程度推認するこ 通貨の上記各項目に該当する合計金額に係る情報が記録されている。しかし,「鮮銀券」の「発行推定高」を相当程度推認することが可能であることに鑑みると,「発行推定高」の上記合計金額も相当程度推認することが可能であるというべきである。同表の「備考」欄の末尾の黒塗り部分は通貨の単位に関する情報であると認められる。 (イ) 上記文書のうち「第二在外日銀券に対する我方の責任について」という表題で始まる部分の末尾に「日銀券在外流通推定高調」と題する一覧表があり(乙D303の-28-頁~-31-頁),その註の「一」の「朝鮮については情報によれば南鮮において米軍の焼棄せるもの1491615千円」という記載に続く部分が黒塗りされている(乙D303の-29-頁)。上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記係争情報は,朝鮮における日銀券流通推定高に関する注釈に係る情報であると認められる。しかし,証拠(乙D276)によれば,昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書中の「三日本系通貨」の項目の「[B]焼却日銀券」において,1946年2月,在鮮米軍政庁財務局長銀行指令第8号により金融機関に対し1円券以上の日銀券の預入受理及びその保管が命じられ,同年3月,同上指令第10号により各金融機関に保管預入れされた日銀券は本店に移送され,46年4月及び47年11月の2回にわたり,日本銀行員立会の下に焼却されたことが詳しく記載され,焼却日銀券等の内訳(券種別内訳,所有者別)が示され,新券,証紙貼付券が含まれている理由の説明,鮮銀所有分に関する説明,各預託者分の説明,日銀の処理の説明がされていることが認められる。この認定事実に照らすと,上記のとおり開示されている情報に上記係争情報が含ま 貼付券が含まれている理由の説明,鮮銀所有分に関する説明,各預託者分の説明,日銀の処理の説明がされていることが認められる。この認定事実に照らすと,上記のとおり開示されている情報に上記係争情報が含まれている可能性を否定することはできない。 イ法定不開示情報該当性上記アの各係争情報のうち,(ア)の「円系通貨の発行推定高並びに流通推定高」と題する一覧表の「通貨別」の冒頭の通貨名は「鮮銀券」であると推認され,「鮮銀券」に対応する「発行推定高」は相当程度推認することが可能であり,そうであるとすれば,円系通貨の上記各項目に該当する合計金額も相当程度推認することが可能である。したがって,上記各情報を公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報とは認め難い。また,「鮮銀券」の「引揚邦人持帰高その他」についても,また,「差引流通推定高」についても,これらを公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報と認めることも困難である。同表の「備考」欄の末尾の黒塗り部分に記録されて いる係争情報は通貨の単位に係る情報であると認められ,この情報についても,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報とは認め難い。 また,(イ)の係争情報(朝鮮における日銀券流通推定高に関する注釈に係る情報)についても,昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書中の「三日本系通貨」の項目の「[B]焼却日銀券」における記載に鑑みれば,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報とは 題する文書中の「三日本系通貨」の項目の「[B]焼却日銀券」における記載に鑑みれば,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報とは認め難い。 したがって,上記アの各係争情報は,いずれも公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報ということはできず,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当しない。 (34) 通し番号1-161の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A304)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-167の文書は,通し番号1-161の文書は,大蔵省が作成した昭和24年3月付け「朝鮮における債務の処理について」と題する文書である。 (ア) 同文書は,「序」において,日本による朝鮮の併合は併合条約に基づいて適法に行われたものであり,今次朝鮮の独立は国際法上にいう分離の場合であって,日本と朝鮮との間には戦争関係はなかったから,朝鮮は連合国の地位を持つものではなく,日本に対して戦争賠償要求をすることもできないのが本筋であるとしつつ,朝鮮側には,併合は不当に行われたもので,日本は統治間の損害を賠償すべしとの,原状回復的の意 識が看取されるから,両国間の実際の処理にあたってはかかる政治的見地も若干考慮に入れられるであろうとし,日本が朝鮮において負っていた債務処理については,個々の具体的ケースにつき,分離若しくは割譲の場合の先例を参考とし以下予想を行うことにするとし,関係債務は次表のごとくであるとしている。これらの記載に続く部分が不開示とされている(乙A304の-2-頁の「次頁以下4頁不 き,分離若しくは割譲の場合の先例を参考とし以下予想を行うことにするとし,関係債務は次表のごとくであるとしている。これらの記載に続く部分が不開示とされている(乙A304の-2-頁の「次頁以下4頁不開示」の記載に該当する部分)。 上記不開示部分に記録されている係争情報は,終戦時における調べに基づく我が国が朝鮮において負っていた関係債務の一覧表であると認められる。 (イ) また,同文書の「二学説並条約上の先例」の項の「(二) 条約における先例」の一部(乙A304の-6-頁)に「次頁以下4頁不開示」の記載があり,黒塗りされている部分があり(乙A304の-7-頁),同文書の「三」の項目部分が黒塗りされており,これに続く次頁以下2頁が不開示とされている(乙A304の-7-頁の黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分)。次に,同文書のうち「恩給」の表題で始まる部分中に不開示とされている部分があり(乙A304の-10-頁の「次頁以下7頁不開示」の記載に該当する部分),黒塗りされている部分があり(乙A304の-11-頁及び-12-頁の各黒塗り部分),さらに不開示とされている部分がある(乙A304の-12-頁の「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する部分)。 上記各黒塗り部分及び不開示部分(乙A304の-6-頁の「次頁以下4頁不開示」の記載に該当する部分,-7-頁の黒塗り部分(2か所)及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分,-10-頁の「次頁以下7頁不開示」の記載に該当する部分,-11-頁の黒塗り部分,-12-頁の黒塗り部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する 部分)に記録されている各係争情報は,当該論点に関する学説又は条約上の先例等を踏まえて我が国政府部内で検討された我が国の朝鮮に対する債務 部分及び「次頁以下3頁不開示」の記載に該当する 部分)に記録されている各係争情報は,当該論点に関する学説又は条約上の先例等を踏まえて我が国政府部内で検討された我が国の朝鮮に対する債務の処理方法及び我が国の対策の具体的内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示しても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできず,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (35) 通し番 できず,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (35) 通し番号1-166の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A308)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-166の文書は,外務省が作成した昭和27年2月11日付け「朝鮮動乱に対する韓国の国家責任の有無について」と題する文書である。同文書は,日韓間の私的債権債務関係の処理にあたり,朝鮮動乱のために日本側の債権は事実上ほとんど取立て得ない結果に終わることを予想し,内乱に対する国家責任の理論を援用して韓国に対してその損害賠償を請求する権利が日本に生じないかという問題意識に立って検討したものであり,冒頭部分,「第1部通説,慣例」及び「第2部内乱に対する国家責任理論は朝鮮動乱の場合にも適用されうるか。」から成る。同文書の1枚目(冒頭部分。乙A308の-1-頁)並びに8枚目及び9枚目(「第2部内乱に対する国家責任理論は朝鮮動乱の場合にも適用されうるか。」の「三」項及び「四」項の一部。乙A308の-8-頁及び-9-頁)に黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記各黒塗り部分に記録されている上記各係争情報は,韓国及び北朝鮮双方が朝鮮戦争の当事者であるという性質を勘案した上で,請求権問題に関し,我が国の対韓債権の回収が困難になったことについて韓国に対し国家責任が問えるか否かを検討した具体的内容に係る情報のほか,これに付随しての北朝鮮に対する責任追及に関する具体的な検討内容に係る情報であると認められる。 回収が困難になったことについて韓国に対し国家責任が問えるか否かを検討した具体的内容に係る情報のほか,これに付随しての北朝鮮に対する責任追及に関する具体的な検討内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争 情報は,当該交渉の内容となりうるもので,請求権問題に密接に関連するものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできず,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (36) 通し番号1-167の文書に記録さ 争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (36) 通し番号1-167の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A309,乙C309,乙D82)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-167の文書は,外務省が作成した「昭和27年2月11日午後日銀総務部P92処理課長P93氏及び同課P94氏と来訪別添 「日本銀行の対韓国債権債務一覧」を提示し説明する処があった。1 焼棄済日銀券の問題に関しては次の(中略)説明があった。20年12月在鮮米軍政庁朝鮮銀行総裁P95からの書翰により在鮮日銀券を焼棄することとなり21年4月及び22年11月の2回に亘りG.H.Q,日銀,在鮮米軍代表及び鮮銀代表立会の下に計1,491,616,748円を焼棄処分した。」との記載がある文書及び日本銀行が作成した「日本銀行の対韓国債権債務一覧」と題する文書である。日本銀行が作成した「日本銀行の対韓国債権債務一覧」と題する文書(乙C309の-2-頁)は,表題部分及び左端の「日銀資料」という記載以外は黒塗りされ,「次頁以下16頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている係争情報は,昭和27年当時,日本銀行が計上した日本銀行の対韓債権債務の概要(昭和21年4月及び22年11月に行った日銀券の焼却に係るものを含む日本銀行の個別具体的な特定の債権債務の内容,試算した具体的金額,各債権債務の存否等)に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求 体的な特定の債権債務の内容,試算した具体的金額,各債権債務の存否等)に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するもので,当該交渉の内容となりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示 情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (37) 通し番号1-168の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙D であり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (37) 通し番号1-168の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙D565)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-168の文書は,外務省が作成した「日本側対韓請求額」と題する文書である。同文書の1枚目は,「日本側対韓請求額」という見出し以外の部分が黒塗りされ,「次頁以下17頁不開示」という記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている係争情報は,我が国の対韓請求権及び韓国の対日請求権について主として一覧表形式で整理された個別具体的な特定の項目及びその具体的試算額並びにその試算過程に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争 情報は,請求権問題に密接に関連するもので,当該交渉の内容となりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求 情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (38) 通し番号1-169の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A310,乙D310)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-169の文書は,「韓国の対日賠償要求について」と題する文書である。同文書の33枚目(乙D310の-33-頁)に黒塗りさ れている部分があり,「次頁以下2頁不開示」の記載がある。37枚目(乙D310の-37-頁)に黒塗りされている部分がある。39枚目(乙D310の-39-頁)に黒塗りされている部分があり,「次頁以下3頁不開示」の記載がある。40枚目(乙D310の-40-頁)に黒塗りされている部分がある。53枚目(乙D310の-53-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的項目について我が国政府部内で検討された対処方針等であると認められる。 イ法定不開示情報 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的項目について我が国政府部内で検討された対処方針等であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するもので,当該交渉の内容ともなりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北 朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (39) 通し番号1-171の文書に記録された附帯控訴に係る係 た場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (39) 通し番号1-171の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A327,乙D327)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-171の文書は,外務省アジア局第一課が作成した昭和32年10月10日付け「韓国に対する債務についての試案」と題する文書及び同年12月5日付け「韓国に対する債務についての試案」と題する文書である。昭和32年10月10日付け「韓国に対する債務についての試案」と題する文書の1枚目(乙D327の-1-頁)に黒塗りされている部分があり,「次頁以下4頁不開示」の記載がある。また,同年12月5日付け「韓国に対する債務についての試案」と題する文書の1枚目から7枚目まで(乙D327の-2-頁~-8-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている各係争情報は,我が国政府部内で我が国の対韓債務を個別具体的な特定項目ごとに挙げて試算した具体的金額及びその試算方法並びに我が国の対応方針等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争 情報は,請求権問題に密接に関連するもので,当該交渉の内容ともなりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測したりするなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考え うるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測したりするなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (40) 通し番号1-172の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A312,328,乙D312・328)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-172の文書は,外務省が作成した昭和32年12月7日付け「韓国側対日請求権問題に関する件」と題する文書,「韓国が主張し ている対日請求権の内容と金額」と題する文書及び同年12月5日付け「韓国に対する債務処理についての試 32年12月7日付け「韓国側対日請求権問題に関する件」と題する文書,「韓国が主張し ている対日請求権の内容と金額」と題する文書及び同年12月5日付け「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書である。昭和32年12月7日付け「韓国側対日請求権問題に関する件」と題する文書の1枚目(乙D312・328の-1-頁)から3枚目(乙D312・328の-3-頁)までに黒塗りされている部分がある。また,「韓国が主張している対日請求権の内容と金額」と題する文書の1枚目(乙D312・328の-5-頁)及び2枚目(乙D312・328の-6-頁)に黒塗りされている部分がある。さらに,昭和32年12月5日付け「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書の1枚目(乙D312・328の-10-頁)から9枚目(乙D312・328の-18-頁)までにそれぞれ黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国が主張する対日請求権の個別具体的な特定項目ごとに我が国政府部内で試算した具体的金額又は我が国の対処方針等に係る情報である(上記(39)の通し番号1-171の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容と同様の内容である。)と認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題に密接に関連するもので,当該交渉の内容ともなりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測したりするなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があ との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測したりするなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の 理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題に関する交渉がどのような展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (41) 通し番号1-174の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A314,329,乙C329,乙D314・329)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-174の文書は,大蔵省が作成した昭和33年11月17日付け「日韓財産請求権問題の処理にあたり検討を要する問題点」と題する文書,「説明資料その一(請求権について)」と題する文書,「説明資料その二(文化財について)」と題する文書,「韓国に対する債務処理についての 財産請求権問題の処理にあたり検討を要する問題点」と題する文書,「説明資料その一(請求権について)」と題する文書,「説明資料その二(文化財について)」と題する文書,「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書及び「韓国が主張している対日請求権の内容と金額」と題する文書その他の複数の文書である。 (ア) 「説明資料その一(請求権について)」と題する文書の1枚目(乙D314・329の-4-頁)から2枚目(乙D314・329の-5-頁)にかけて黒塗りされている部分がある。 上記黒塗り部分に記録されている係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的な特定項目について一覧表の形式で整理された韓国が主張している内容,我が国政府部内で試算した具体的金額及び我が国の対処方針等に係る情報である(上記(39)の通し番号1-171の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報及び上記(40)の通し番号1-157の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容と同様の内容である。)と認められる。 (イ) 「説明資料その二(文化財について)」と題する文書の1枚目(乙D314・329の-6-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記黒塗り部分に記録されている係争情報は,北朝鮮で出土した文化財の扱いに関する具体的な検討内容に係る情報であると認められる。 (ウ) 「韓国に対する債務処理についての試案」と題する文書のうち1枚目(乙D314・329の-9-頁)から6枚目(乙D314・329の-14-頁)までにそれぞれ黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的な特定項目について一覧表の形式で整理された韓国が主張している内容,我が国政府部内で試算した具体的金額及び我が国の対処方針等に 各黒塗り部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的な特定項目について一覧表の形式で整理された韓国が主張している内容,我が国政府部内で試算した具体的金額及び我が国の対処方針等に係る情報である(上記(39)の通し番号1-171の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報及び上記(40)の通し番号1-157の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容と同様の内容である。)と認められる。 (エ) 「韓国が主張している対日請求権の内容と金額」と題する文書のうち1枚目(乙D314・329の-15-頁)及び2枚目(乙D314・329の-16-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分があり,5枚目(乙D314・329の-19-頁)に「次頁以下7頁不開示」の記載がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている各係争情報は,韓国の対日請求権の個別具体的な特定項目について一覧表の形式で整理された韓国が主張している内容,我が国政府部内で試算した具体的金額及び我が国の対処方針等に係る情報である(上記(39)の通し番号1-171の文書の黒塗り部分に記録されている係争情報の内容と同様の内容である。)と認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,北朝鮮との国交正常化交渉において,今後,請求権問題及び文化財問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,これらの交渉の内容ともなりうるものであり,北朝鮮側にとってこれらの交渉の参考資料ともなりうるものであるから,北朝鮮がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不 がこれを知った場合,我が国との交渉にあたり,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の対応を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとすることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,北朝鮮との請求権問題,文化財問題に関する交渉がどのような 展開となるか確実な予測はできないから,上記各係争情報が公にされた場合に我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があることは前記イのとおりであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (42) 通し番号1-192の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A63,乙D63)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-192の文書は,外務省が作成した昭和30年1月付け「日韓会談再開に関する件」と題する文書,昭和30年1月29日付け「P47大使P59公使会談の件(第一回)」と題する文書その他の複数の文書である。昭和30年1月29日付け「P47大使P59公使会談の件(第一回 開に関する件」と題する文書,昭和30年1月29日付け「P47大使P59公使会談の件(第一回)」と題する文書その他の複数の文書である。昭和30年1月29日付け「P47大使P59公使会談の件(第一回)」と題する文書の10枚目(乙D63の-12-頁)に黒塗りされている部分がある。 b 昭和30年1月17日,韓国のP59公使は,外務大臣に接見した際,日韓会談を再開するために日本側代表の指名を希望し,外務大臣は,P47大使を指名する旨答えた。同月19日,P59公使は,P47大使を訪問し,日韓間の諸懸案解決のため非公式に会談を行うことを話し合った。こうして,両者の間で,同月29日に第1回会談が行われ,以後,同年3月26日までの間,計7回の会談が行われた。 c 上記aの黒塗り部分(乙D63の-12-頁の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記非公式会談においてP47大使が発言した,漁業問題における漁業専管水域の設定に関する我が国政府の具体的な見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性弁論の全趣旨によれば,今後の日朝国交正常化交渉において,北朝鮮と の間で漁業問題が交渉される可能性があり,上記係争情報は,その際,我が国の側に不利となる蓋然性があるものであること,また,竹島問題に関する内容を含み,これは韓国との交渉においても我が国に不利となる蓋然性があるものであることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在においては 認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在においては,日韓会談における漁業問題における漁業専管水域の設定の問題と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報の開示は日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,他国との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,上記イのとおり,上記係争情報は,今後に行われ得る日朝間の漁業問題交渉においても,未解決の領土紛争問題である竹島問題においても,我が国に不利となる蓋然性が認められるものであるから,1審原告らの上記主張は採用できない。 (43) 通し番号1-201の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A336,乙C336,乙D336)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-201の文書は,大蔵省理財局及び外務省アジア局が作成した昭和37年1月10日付け「日韓会談の請求権問題処理にあたっての問題点」と題する文書,「韓国側対日請求額および大蔵省,外務省試算額」 と題する文書,外務省アジア局が作成した「韓国側対日請求額及び同査定(案)」と題する文書,「○韓国側請求権(8項目)に関する韓国側主張額と日本側調査額」と題する文書,「○韓国側対日請求額及び大蔵省外務省試算額(昭和37年1月10日大平官房長官(当時)の命により作成したもの)」と題する文書並びに「韓国の対日請求要綱」から始まる文書である。 大蔵省理財局及び外務省アジア局が作成した昭和37年1月10日付け「韓国側対日請求額および大蔵省,外務省試算額」と題す たもの)」と題する文書並びに「韓国の対日請求要綱」から始まる文書である。 大蔵省理財局及び外務省アジア局が作成した昭和37年1月10日付け「韓国側対日請求額および大蔵省,外務省試算額」と題する文書の2枚目から9枚目まで(乙D336の-8-頁~-15-頁)に黒塗りされている部分がある。また,外務省アジア局が作成した「韓国側対日請求額及び同査定(案)」と題する文書の2枚目から11枚目まで(乙D336の-17-頁~-26-頁)に黒塗りされている部分がある。次に,「○韓国側請求権(8項目)に関する韓国側主張額と日本側調査額」と題する文書の1枚目(乙D336の-27-頁)に黒塗りされている部分があり,2枚目(乙D336の-28-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載があり,3枚目(乙D336の-29-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載があり,4枚目から9枚目まで(乙D336の-30-頁~-35-頁)に黒塗りされている部分がある。さらに,「○韓国側対日請求額及び大蔵省外務省試算額(昭和37年1月10日大平官房長官(当時)の命により作成したもの)」と題する文書の1枚目(乙D336の-36-頁)に黒塗りされている部分があり,2枚目(乙D336の-37-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載があり,3枚目(乙D336の-38-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載がある。さらに,「韓国の対日請求要綱」から始まる文書の2枚目(乙D336の-40-頁)に黒塗りされている部分があり,13枚目(乙D336の-51-頁)に黒塗りされて いる部分があり,14枚目(乙D336の-52-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に1審原 目(乙D336の-51-頁)に黒塗りされて いる部分があり,14枚目(乙D336の-52-頁)に黒塗りされている部分がある。 上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 上記各係争情報は,韓国の対日請求権の各項目に関し,韓国側の請求金額に対する大蔵省及び外務省が検討した試算額,その試算方法並びに対処方針等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があることが認められるところ,上記各係争情報は,その交渉の対象となるもの又は北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであると考えられるから,北朝鮮がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,日朝間の請求権交渉が今後どのような展開となるかは予測する ことが困難であり,上記各係争情 のではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,日朝間の請求権交渉が今後どのような展開となるかは予測する ことが困難であり,上記各係争情報を公にすることで我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があることは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用できない。 (44) 通し番号1-203の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙D567)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-203の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年1月26日付け「韓国請求権の処理として一応説明のつく金額の査定」と題する文書である。同文書の1枚目(乙D567の-1-頁)の本文は黒塗りされ,下部に「次頁以下10頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題に関する我が国政府の全体的な処理方針,我が国政府が従来採用してきた方針に関する見解並びに韓国の対日請求権の各項目について我が国政府部内において試算された具体的な査定金額及び試算方法に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があることが認められるところ,上記各係争情報は,その交渉の内容となるもの又は北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであると考えられるから,北朝鮮がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 北朝鮮がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の 理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかし,日朝間の請求権交渉が今後どのような展開となるかは予測することが困難であり,上記各係争情報を公にすることで我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があることは否定できないから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (45) 通し番号1-206の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A339)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-206の文書は,外務省アジア局P15参事官が作成した「請求権問題解決案について」と題する文書であり,別紙として北東アジア課が作成した昭和37年2月5日付け「韓国請求権の処理として一応説明のつく金額の査定」と題する一覧表が添付されている。 同文書は,請求権問題となる一般請求権について,法律上の根拠が明白であるほか,事実及び証拠関係が 年2月5日付け「韓国請求権の処理として一応説明のつく金額の査定」と題する一覧表が添付されている。 同文書は,請求権問題となる一般請求権について,法律上の根拠が明白であるほか,事実及び証拠関係が明瞭である必要があり,しかも,韓国政府が現に施政を行っている地域が南鮮に限られているために,請求権の各項目についてその範囲が明確でなく,この点にも推定を加える必要があることを指摘した上で,韓国にかかる推定,特にその前提となっている事実につき仮に納得させたにしても,国会に対し,かかる推定の要素を説明す るのは必ずしも容易とはいえないこと,一方,軍令33号は莫大な日本人私有財産を没収してこれを韓国政府に委譲しており,仮にこの事実を無視して上記一般請求権について巨額の請求権を認めれば,国会のみならず国民の納得を得難く,その反面,仮に韓国側がこれを考慮して小額の請求権で満足したとしても,その表現いかんでは,私有財産を没収された日本人の日本政府に対する補償要求に根拠を与えることともなろうと指摘する。 同文書は,上記の検討を踏まえて,一般請求権解決には,法律的根拠があり,かつ,事実及び証拠関係については,一般に納得の得られる項目に限る必要があり,その額は小さくなければならないとしつつ,その額が小さくては韓国側の同意が得られず,一般請求権問題の妥結を見ることを納得できないのもまた事実であるとし,妥結のためには経済協力を加えることが必要となるとし,経済協力を加えての請求権問題解決の方式として3案が考えられるとする。 同文書の2枚目(乙A339の-2-頁),3枚目(乙A339の-3-頁),4枚目(乙A339の-4-頁),5枚目(乙A339の-5-頁),6枚目(乙A339の-6-頁),7枚目(乙A339の-7-頁)及び8枚目(北東アジア課が作成 頁),3枚目(乙A339の-3-頁),4枚目(乙A339の-4-頁),5枚目(乙A339の-5-頁),6枚目(乙A339の-6-頁),7枚目(乙A339の-7-頁)及び8枚目(北東アジア課が作成した昭和37年2月5日付け「韓国請求権の処理として一応説明のつく金額の査定」と題する一覧表。乙A339の-8-頁)にそれぞれ黒塗りされている部分がある。その前後の記載については,原判決1481頁22行目から1484頁12行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 上記各黒塗り部分(乙A339の-2-頁,-3-頁(2か所),-4-頁(4か所),-5-頁(2か所),-6-頁(4か所),-7-頁及び-8-頁(2か所)の各黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,請求権問題を解決するため,我が国政府が韓国側に供与することを検討していた援助金や韓国の対日請求項目についての 試算等の具体的金額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があることが認められるところ,上記各係争情報は,その交渉の内容となるもの又は北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであると考えられるから,北朝鮮がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張に より,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過した現在,日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における経済協力問題と同一の解決等が図られることはあり得ず,また,日韓会談当時に試算された対日請求額やその経済協力に関する査定額等については,その項目や概算値がある程度明らかとなっているのである以上,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,我が国が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性は認められない旨主張する。 しかしながら,経済協力問題は請求権問題と密接に関連するところ,日韓国交正常化交渉当時に試算された対日請求額やその経済協力に関する査定額等の項目や概算値がある程度明らかとなっているとしても,その具体的内容や詳細まで公にされていることを認めるに足りる証拠はなく,日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があることは上 記のとおりであるから,上記各係争情報を公にするときに我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないのであり,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (46) 通し番号1-210の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A342,乙C342,乙D342)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-210の文書は,外務省アジア局が作成した昭和37年2月15日付け「韓国側対日請求額に対する大蔵,外務両省による査定の相違について」と題する文書である。 同文 事実が認められる。 通し番号1-210の文書は,外務省アジア局が作成した昭和37年2月15日付け「韓国側対日請求額に対する大蔵,外務両省による査定の相違について」と題する文書である。 同文書5枚目(乙D342の-5-頁),6枚目(乙D342の-6-頁),7枚目(乙D342の-7-頁),8枚目(乙D342の-8-頁),9枚目(乙D342の-9-頁)及び11枚目(乙D342の-11-頁)に黒塗りされている部分がある。その前後の記載については,原判決1503頁20行目から1508頁16行目までに記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決1503頁24行目及び25行目の各黒塗り部分,1505頁の各黒塗り部分(同頁24行目の黒塗り部分を除く。),1506頁5行目,6行目,11行目,13行目,15行目,17行目及び19行目の各黒塗り部分は,その後開示されている。)。 上記各黒塗り部分(乙D342の-5-頁,-6-頁(2か所),-7-頁(3か所),-8-頁(4か所),-9-頁(3か所)及び-11-頁の各黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,我が国政府部内で検討された請求権問題に係る韓国側の対日請求権に関する具体的試算額等に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性 前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権問題に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,その交渉の内容となるもの又は北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであると考えられるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性 あると考えられるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,日韓会談当時の大蔵省や外務省が試算した韓国側の対日請求額については,項目や概算値がある程度明らかとなっており,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報であるとは認められない旨主張する。 しかしながら,日韓国交正常化交渉当時に試算された対日請求額やその経済協力に関する査定額等の項目や概算値がある程度明らかとなっているとしても,その具体的内容や詳細まで公にされているとする証拠はなく,日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があることは上記のとおりであるから,上記各係争情報を公にする場合に我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないのであり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (47) 通し番号1-211の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A343,乙C343,乙D343)及び弁論の全趣旨によれば (47) 通し番号1-211の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A343,乙C343,乙D343)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-211の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年3月4日付け「一般請求権徴用者関係等専門委員会の討議について」と題する文書である。 同文書2枚目(乙D343の-2-頁),6枚目(乙D343の-6-頁),13枚目(乙D343の-13-頁)に黒塗りされている部分がある。その前後の記載については,原判決1513頁19行目から1517頁17行目までに記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決1514頁18行目から20行目までの各黒塗り部分,1515頁から1517頁までの各黒塗り部分は,1516頁19行目及び20行目の黒塗り部分を除き,その後開示されている。)。 同文書2枚目(乙D343の-2-頁)の下から3行目の黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,日韓両国政府間の会合において我が国が韓国側に返還してもよいと述べた閉鎖機関の旧韓国人株主のために留保した現金の金額に係る情報であり,同文書2枚目(乙D343の-2-頁)の下から2行目の左の黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,日韓両国政府間の会合において我が国が韓国側に返還してもよいと述べた閉鎖機関の旧韓国人株主のために留保した第2会社の株式の株式額面額に係る情報であり,同文書2枚目(乙D343の-2-頁)の下から2行目の右から3行目にかけての黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額の合計額に係る情報であり,同文書6枚目(乙D343の-6-頁) D343の-2-頁)の下から2行目の右から3行目にかけての黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,上記各金額の合計額に係る情報であり,同文書6枚目(乙D343の-6-頁) の黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,登録債としての逓信部の国債の金額に係る情報であり,同文書13枚目(乙D343の-13-頁)の黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,海軍における朝鮮人傷病者数に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があることが認められるところ,上記各係争情報は,請求権問題の処理のために我が国が韓国側に提示し,又は検討していた具体的な金額及び我が国政府部内で算出された韓国側に供与する金額の基礎となる海軍における朝鮮人傷病者数に係る情報であり,北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,他の文書から朝鮮人軍人軍属の具体的人数が明らかとなっている以上,海軍での朝鮮人傷病者数の不開示を適法と判断することは許されない,戦後60 国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,他の文書から朝鮮人軍人軍属の具体的人数が明らかとなっている以上,海軍での朝鮮人傷病者数の不開示を適法と判断することは許されない,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ず,また,日本政府部内で検討された請求権問題に関 する具体的査定額等は概ねその項目や金額が明らかとなっている以上,上記各係争情報を開示したとしても日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではない,したがって,これらが北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報であるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記各係争情報がこれまでに開示されたことがあると認めるに足りる証拠はなく,これらは北朝鮮との請求権交渉で交渉の基礎数値ともなりうる重要な参考資料であると認められるから,これを公にする場合に我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないのであり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (48) 通し番号1-212の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A344)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-212の文書は,外務省アジア局が作成した昭和37年2月9日付け「査定の基礎」と題する文書,同年3月10日付け「査定の基礎」と題する文書及び「韓国請求権金額の査定額」から成る文書である。 同文書の黒塗り部分及びその前後の記載については,原判決1528頁10行目から18行目まで及び1529頁16行目から1532頁1行目までに記載のとおりであるから,これらを引用する。 上記各黒塗り部分(乙A34 部分及びその前後の記載については,原判決1528頁10行目から18行目まで及び1529頁16行目から1532頁1行目までに記載のとおりであるから,これらを引用する。 上記各黒塗り部分(乙A344の-1-頁~-8-頁)に記録された1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,我が国政府部内で検討された請求権問題に係る韓国側の請求に対する我が国の具体的な試算額及びその試算方法に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があることが認められるところ,上記各係争情報は,そ の交渉の内容となるもの及び北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報であるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記のとおり日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情 情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報であるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記のとおり日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情報はその交渉上重要な参考資料となり得るものであるから,これを公にする場合に我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないのであり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (49) 通し番号1-216の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A568,乙D568)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-216の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年5月15日付け「在北鮮日本財産の処理と対北鮮請求権に関する件(未定稿)」と題する文書である。日韓請求権交渉において,日本側は,北朝鮮にかかわる請求権の処理は,韓国政府の施政権が北朝鮮が支配する地域に及んでいないことを念頭において別途考慮されるべきであるとの立場を明らかにしており,同文書は,北朝鮮にかかわる請求権の処理は,在北朝鮮日本財産の処理の実態及び日ソ共同宣言第6項との関連において検討を要する問題と位置付けて,ソ連軍による北鮮進駐と北朝鮮の独立,北朝鮮における日本財産の処理の実態,対北朝鮮請求権の問題点についてとりあえずまとめたものである。同文書の6枚目(乙D568の-6-頁)には,「Ⅲ 対北鮮請求権の問題 1 在北鮮日本財産の評価」の見出しの下に,旧日本財産で北鮮に所在したものの評価額が総額29億7000万ドルと記載され,その内訳として,政府所有分の評価額が5億4900万ドル,法人所有分の評価額が22億1000万ドル及び個人所有分の評価額が2億1100万 に所在したものの評価額が総額29億7000万ドルと記載され,その内訳として,政府所有分の評価額が5億4900万ドル,法人所有分の評価額が22億1000万ドル及び個人所有分の評価額が2億1100万ドルと,ドル表示(1ドル15円のレートで換算)で記載されており,これに続く箇所が黒塗りされ,下部に「次頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,在北朝鮮日本財産及び我が国の対北朝鮮請求権の処理に関する我が国政府の具体的な見解及び対処方針に係る情報並びに政府所有分評価額5億4900万ドルの具体的内訳,法人所有分評価額22億1000万ドルの具体的内訳及び個人所有分評価額2億1100万ドルの具体的内訳の記載に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,その交 渉の内容となるもの又は北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであるら,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討し,我が国の交渉方針を推測するなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉 定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,日朝国交正常化交渉において請求権問題が取り上げられるとしても,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報であるとは認められない旨主張する。 しかしながら,上記のとおり日朝国交正常化交渉で請求権問題が交渉の対象とされる可能性があり,上記各係争情報はその交渉上少なくとも重要な参考資料となるものであるから,これを公にする場合に我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があることは否定できないのであり,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (50) 通し番号1-217の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A348)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-217の文書は,外務省が作成した「韓国請求権金額の査 定」と題する一覧表等で構成される文書である。同文書の1枚目(乙A348の-1-頁)に「Ⅰ 地金銀」の項目(「対日請求要綱八項目」のうち第1項目(「朝鮮銀行を通じて搬出された地金と地銀の返還請求」)に係るもの),「Ⅱ 逓信局関係(内訳)郵便貯金,振替貯金,簡保,年金」の項目(同第2項目(「1945年8月9日現在の日本政府の対朝鮮総督府債務の弁済の請求」)に係るもの),「Ⅲ 送金返還」の項目(同第3項目(「1945年8月9日以後韓国から振替又は送金された金員の返還請求」)に係るもの),「Ⅳ 閉鎖機関,在外会社の韓国人株主分配金」の項目(同第4項目(「1945年8月9日現在韓国に本 目(同第3項目(「1945年8月9日以後韓国から振替又は送金された金員の返還請求」)に係るもの),「Ⅳ 閉鎖機関,在外会社の韓国人株主分配金」の項目(同第4項目(「1945年8月9日現在韓国に本社,本店又は主たる事務所があった法人の在日財産の返還請求」)に係るもの)及び「Ⅴ(1)有価証券,(2)日本系通貨,(3)労務者等の未収金,(4)補償金(内訳)労務者見舞金,復員軍人軍属見舞金,死亡軍人軍属見舞金,死亡軍属年金,軍属傷害年金,(5)恩給,文官,軍人,帰国韓国人寄託金,(6)民間生保)」(同第5項目(「韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済の請求」に係るもの)の各請求項目ごとにA案からF案までの欄が設けられており,上記各案の欄の記載が黒塗りされ,「次頁以下14頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,日本政府部内で検討された請求権問題に係る韓国側の請求に対する我が国の具体的試算額及びその試算方法に係る情報であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記のような内容の上記各係争情報は,北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであ るから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の交渉方針を推測したりするなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利 したりするなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性が高いというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (51) 通し番号1-219の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A350)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-219の文書は,外務省条約局法規課が作成した昭和37年8月23日付け「日韓請求権問題の処理方式」と題する文書である。同文書の1枚目(乙A350の-1-頁)の「韓国側の請求権放棄と有償無償経済援助の組み合わせ方式による請求権問題解決にあたって,韓国側が請求権放棄の規定をおくことに難色を示す場合,代案として考えられるのは次の諸方式である。」という記載に続く部分が黒塗りされ,「次頁以下 12頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国側の請求権放棄と く部分が黒塗りされ,「次頁以下 12頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国側の請求権放棄と有償無償経済援助の組み合わせ方式による請求権問題解決に当たり,韓国側が請求権放棄の規定を置くことに難色を示した場合に備えて外務省が検討した代案等の具体的内容に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記のような内容の上記各係争情報は,北朝鮮側にとって交渉上重要な参考資料となりうるものであるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の交渉方針を推測したりするなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは我が国に不利益となる蓋然性があると認められるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (52) 通し番号1-221の 記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは我が国に不利益となる蓋然性があると認められるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (52) 通し番号1-221の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A352)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-221の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和37年9月24日付け「韓国の対日請求権8項目のうち第1項より第5項までに対する日本側査定の説明」と題する文書である。 (係争情報の内容)(ア) 同文書の1枚目(乙A352の-1-頁)に「第2項(総督府関係) 1 逓信局関係 (1) 郵便貯金」の項目があって「(1) 郵便貯金」の本文が黒塗りされ,さらに「次頁以下11頁不開示」の記載がある。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「対日請求要綱八項目」のうち第2項目の「日本政府の対朝鮮総督府債務の弁済の請求」に含まれる,朝鮮総督府逓信局に関係する郵便貯金,振替貯金,郵便為替及び簡易生命保険等の逓信局関係の請求権について,日本政府部内で試算した具体的試算額及びその試算方法に係る情報であると認められる。 (イ) 同文書の2枚目(乙A352の-2-頁)に「第4項(閉鎖機関,在外会社の在日財産)」の項目があって本文が黒塗りされている。 上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「対日請求要綱八項目」のうち第4項目の「1945年8月9日現在韓国に本社,本店又は主たる事務所があった法人の在日財産の返還請求」に係る旧韓国人株主の閉鎖機関及び在外会社に対する残余財産関係の は,「対日請求要綱八項目」のうち第4項目の「1945年8月9日現在韓国に本社,本店又は主たる事務所があった法人の在日財産の返還請求」に係る旧韓国人株主の閉鎖機関及び在外会社に対する残余財産関係の請求権について,日本政府部内で試算した具体的試算額及びその試算方法に係る情報であると認められる。 (ウ) 同文書の2枚目(乙A352の-2-頁)に「第5項(韓国人の対日 本人および対日本政府請求) 1 有価証券」の項目があって,次の見出しの箇所が黒塗りされ,さらに「次頁以下3頁不開示」の記載がある。 同文書の3枚目(乙A352の-3-頁)に「2 日本系通貨」の項目があって本文が黒塗りされている。 同文書の3枚目(乙A352の-3-頁)に「3 韓国人被徴用者未収金」の項目があって4枚目(乙A352の-4-頁)にかけて本文が黒塗りされている。 同文書の4枚目(乙A352の-4-頁)に「4 被徴用者補償金」の項目があって本文が黒塗りされ,さらに「次頁以下9頁不開示」の記載があり,同文書の5枚目(乙A352の-5-頁)の黒塗り部分に続いている。 同文書の5枚目(乙A352の-5-頁)に「5 恩給等」の項目があって本文が黒塗りされ,さらに「次頁以下5頁不開示」の記載があり,同文書の6枚目(乙A352の-6-頁)の黒塗り部分に続いている。 上記各黒塗り部分及び各不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「対日請求要綱八項目」のうち第5項目の「韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済の請求」に係る有価証券,日本系通貨,韓国人被徴用者未収金,被徴用者補償金等の請求権について,日本政府部内で試算し する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済の請求」に係る有価証券,日本系通貨,韓国人被徴用者未収金,被徴用者補償金等の請求権について,日本政府部内で試算した具体的試算額及びその試算方法に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記のような内容の上記各係争情報は,北朝鮮側にとって交渉対象の内容又は交渉上重要な参考資料となりうるものであるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを利用して自 らの要求内容を検討したり,我が国の交渉方針を推測したりするなどして交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは我が国にとって不利益となる蓋然性があると認められるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (53) 通し番号1-223の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠( られるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (53) 通し番号1-223の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A354,乙D354)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-223の文書は,外務省アジア局が作成した昭和37年10月24日付け「日韓会談における請求権問題の解決方針について」と題する文書である。同文書の7枚目(乙D354の-7-頁)に黒塗りされている部分があり,上記黒塗り部分に係争情報が記録されている。 b 昭和37年にP96韓国中央情報部長が来日し,池田総理大臣及び大平外務大臣と会談した。これを受け,外務省アジア局は請求権問題の解 決方針を検討した。解決方針として,① 無償供与を2.5億ドルとし,焦付債権4573万ドルは将来の棒引きを含みとしつつ,さしあたり懸案のまま残すこと,長期低利の借款1億ドルを別の文書によりコミットすることなどを骨子とする第1案,② 無償供与を3億ドルとし,焦付債権4573万ドルは支払うこと,長期低利の借款を少なくとも1.5億ドル供与する旨口頭にてコミットすることなどを骨子とする第2案,③ 無償供与を3億ドルとし,焦付債権4573万ドルは支払うこと,長期低利の借款1億ドルないし1.5億ドルを供与する旨別の文書によりコミットすることなどを骨子とする第3案が適当とされた。 c 上記aの文書の黒塗り部分(乙D354の-7-頁の黒塗り部分)は,上記bの第2案の「(説明)」の項目のうち(2)の長期低利の借款を少なくとも1.5億ドル供与する旨口頭にてコミットすることの説明に続く箇所であり,上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,第6次日韓会談において,請 )の長期低利の借款を少なくとも1.5億ドル供与する旨口頭にてコミットすることの説明に続く箇所であり,上記黒塗り部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,第6次日韓会談において,請求権問題の処理のために,我が国が韓国側に提示することを検討していた3つの解決方針のうち,第2案で長期低利の借款を少なくとも1.5億ドル供与する旨口頭にてコミットすることとする案に関する我が国政府部内の具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があり,また,経済協力に関しても協議することが想定されているところ,上記係争情報は,上記のとおり,日韓交渉における請求権問題の処理のために,経済協力の具体的内容を構成する長期低利の借款を少なくとも1.5億ドル供与する旨口頭にてコミットする案に関する我が国政府部内の具体的見解であるから,北朝鮮側がこれを知れば,これを参考にして日朝交渉における請求権問題ないし経済協力問題に関する我 が国の交渉方針を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があ 過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (54) 通し番号1-251の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A82,乙C82,乙D82)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 通し番号1-251の文書は,外務省条約局法規課が昭和37年7月に作成した「日韓交渉関係法律問題調書集」と題する文書である。そのうち「請求権」の章には「日韓請求権処理に関する問題点(討議用資料)(昭37.1.12)」という項目があり,この項目には「Ⅰ 請求権処理に関する一般的問題」という小項目と,その次に「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」(ここでいう「要綱」とは韓国の「対日請求要綱八項目」を指す。)という小項目がある。 (係争情報の内容)(ア) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱Ⅱの1」は,「(1)韓国側主張:総督府逓信局を通じて1945年9月15日までに大蔵省預金部に預入された朝鮮人分郵貯,振替,為替を請求するものである。」に関するものである。これに対する「(2) 日本側立場」は,「個人請求を基礎とする建前で支払う。」というものである。 ⅰ これに続く「(3) 問題点」の「(ⅲ) 仮に韓国側請求とは別に国家承継理論の立場から業務一切の承継を行わせる場合は」の次の記載が黒塗りされて を基礎とする建前で支払う。」というものである。 ⅰ これに続く「(3) 問題点」の「(ⅲ) 仮に韓国側請求とは別に国家承継理論の立場から業務一切の承継を行わせる場合は」の次の記載が黒塗りされており,上記黒塗り部分(乙D82の-39-頁左側15行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮人分郵貯,振替,為替について,上記の韓国側主張に係る請求よりも広範囲の取扱いを行うことを内容とする具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅱ また,「(ⅴ) 利子については,」の次の記載が黒塗りされ,「ただし,inflateする理由はない。」という記載に続く。 上記黒塗り部分(乙D82の-39-頁左側22行目~23行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,個人請求を基礎とする建前で支払うという日本側立場に立っての利子の支払に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅲ さらに,「(ⅵ)」の本文の記載が黒塗りされており,上記黒塗り部分(乙D82の-39-頁左側24行目~25行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,個人請求を基礎とする建前で支払うという日本側立場に立っての上記以外の問題点に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (イ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの1」は,「(1)韓国側主張:韓国法人,自然人の所有する一切の有価証券に基く債権の 請求である。」に関するものである。 ⅰ これに対する「(2) 日本側立場」の「(ⅰ)個人が本来所有していた分については支払いに応ずる。」に続く「(ⅱ)鮮銀所有分中1945年8月25日付名義切換登録国債」の次の記載が黒塗りされており,上記黒塗り部分(乙 2) 日本側立場」の「(ⅰ)個人が本来所有していた分については支払いに応ずる。」に続く「(ⅱ)鮮銀所有分中1945年8月25日付名義切換登録国債」の次の記載が黒塗りされており,上記黒塗り部分(乙D82の-39-頁右側13行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,鮮銀所有分中1945年8月25日付け名義切替登録国債の金額であると認められる。 ⅱ 上記ⅰの黒塗り部分に続く「は」の次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-39-頁右側14行目~15行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,鮮銀所有分中1945年8月25日付名義切換登録国債の支払請求に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅲ 上記ⅰの黒塗り部分に続く「(ⅲ)軍令第33号により取得したものは」の次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-39-頁右側16行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国人の所有する有価証券のうち軍令33号により取得したものに関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (ウ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの2」は,「(1)韓国側主張:終戦後鮮銀に集中し,焼却した日銀券等に対する支払を請求するものである。対象となる通貨は日銀券,政府紙幣,軍票,儲備銀行券である。」に関するものである。これに対する「(2) 日本側立場」は,「(ⅰ)日銀吏員立会いの焼却分及び現物が残存するものについては請求に応ずる。(ⅱ)動乱中の焼却分については応じられない。(ⅲ)軍票,儲備券については応じられない。」というものである。 ⅰ これに続く「(3) 問題点」の「(ⅰ)(略)については日銀吏員立会 (ⅱ)動乱中の焼却分については応じられない。(ⅲ)軍票,儲備券については応じられない。」というものである。 ⅰ これに続く「(3) 問題点」の「(ⅰ)(略)については日銀吏員立会いの効果如何が問題になり,債務確認の行為ではないと論ずる余地もないわけではない」の次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-40-頁左側8行目~9行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,日銀吏員が焼却に立ち会った日銀券等の支払に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅱ 次に,「(ⅱ)焼却分に未発行券が含まれているか否かの問題については,日銀側において発行手続がとられたものである限り,鮮銀から発行後集中したものか否かは無関係であり」の次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-40-頁左側13行目~14行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,焼却分に未発行券が含まれている場合に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅲ さらに,「(ⅲ)本件請求が要綱Ⅱの1(逓信局関係)による請求と重複する部分があるか否かの問題については,」の次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-40-頁左側16行目~17行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,焼却した日銀券等の支払請求と総督府逓信局を通じて1945年9月15日までに大蔵省預金部に預入された朝鮮人分郵貯,振替,為替の支払請求とで重複する部分があるか否かの問題に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (エ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの4」は,「(1)韓国側主張:日本に強制徴用された韓国人がその徴用によって被った 問題に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (エ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの4」は,「(1)韓国側主張:日本に強制徴用された韓国人がその徴用によって被った被害(徴用の事実,負傷,脂肪を含む。)に対して補償を請求するものである。」に関するものである。 ⅰ これに対する「(2) 日本側立場」として,「(ⅰ)純法律的にはこれら徴用韓人は日本人として国内法上の規制に従って徴用されたものであるから,日本人労務者の場合(後述)以上の手当をする義務は国内法上も国際法上も存在しない。」,「(ⅱ)日本人労務者に対する手当は昭和27年の戦傷病者,戦没者遺族等援護法によりはじめて規定されたものであるから,形式的には平和条約により日本国籍を失った韓国人には適用がない。」という記載があり,これに続く「(ⅲ)」の本文が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-40-頁右側16行目~20行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,集団移入朝鮮人労務者の補償請求に関する「(2) 日本側立場」の上記(ⅰ)及び(ⅱ)以外の具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅱ 次に,「(3) 問題点:」の「(ⅰ)」「(ⅱ)」も黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-40-頁右側21行目~末行の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,集団移入朝鮮人労務者の補償請求に関する問題点の1番目と2番目とを挙げて検討した具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅲ さらに,集団移入朝鮮人労務者の補償請求に関する問題点の「(ⅲ)金額算定規準として引揚者給付金を利用する案は,厳密には類似のケースでない点(給付金は日本外に生活の本拠を有した引揚者に支払われる見舞金 らに,集団移入朝鮮人労務者の補償請求に関する問題点の「(ⅲ)金額算定規準として引揚者給付金を利用する案は,厳密には類似のケースでない点(給付金は日本外に生活の本拠を有した引揚者に支払われる見舞金の性格を有する)に問題はあるが,」の次の記載が黒塗りされおり(この黒塗り部分の次に「(これと上記援護法の累積適用の可能性もある。)」の記載が続く。),この黒塗り部分(乙D82の-41-頁左側3行目~5行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,金額算定規準として引揚者給付金を利用する案に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅳ 「(ⅳ)一般労務者以外の軍人,軍属に対する補償金は未払恩給の問題とは一応別な請求と考えられるが,軍人については負傷,疾病,死亡の場合につき恩給法上の支払と一部分重複する可能性がある。」という記載の後の「(ⅴ)」の本文の記載も黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-41-頁左側9行目~12行目の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,軍人,軍属に対する補償金の請求に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (オ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの5(1)」は,「(1) 韓国側主張:軍人,軍属の普通恩給(死亡,負傷を含まない)を含む恩給であって既裁定分,及び終戦時申請中の未裁定分の一時金及び20年間分の年金を請求するものである。」に関するものである。 これに対する「(2) 日本側立場」として,「日本人と同一の待遇を与えるという立場」という記載があるが,その次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-41-頁左側17行目~20行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国人の を与えるという立場」という記載があるが,その次の記載が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-41-頁左側17行目~20行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国人の軍人,軍属の恩給請求に関しサンフランシスコ平和条約発効後の問題に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 (カ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱ⅴの5(2)」は,「(1) 韓国側主張:帰国韓国人の(ⅰ)税関寄託預り金,(ⅱ)未決済鮮銀券,(ⅲ)P97寄託金さしおさえ分の返還支払を請求するもの」に関するものである。 ⅰ これに対する「(2) 日本側立場:」は,本文が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-41-頁右側2行目~4行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,帰国した韓国人の税関寄託預り金,未決済鮮銀券,P97寄託金差押え分の支払請求 に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅱ 「(3) 問題点:(ⅰ)P97はポツ勅により解散団体に指定され,その財産は没収されて国庫に帰属した。」に続く部分及び「(ⅱ)」の本文も黒塗りされており,これらの黒塗り部分(乙D82の-41-頁右側6行目~8行目,9行目~10行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,帰国した韓国人のP97寄託金差押え分の支払請求に関する問題点として考えられる点に係る情報であると認められる。 (キ) 上記「Ⅱ 要綱に関する個別的問題点」のうち「要綱Ⅵ」は,「(1)韓国側主張:韓国人の日本政府又は日本人に対する権利であって要綱Ⅰ~Ⅴに包含されないものは,日韓会談成立後といえども個別的に行使することができることを認定すること。この場合,国交正常化の時まで時効は進行しないものとする。」 府又は日本人に対する権利であって要綱Ⅰ~Ⅴに包含されないものは,日韓会談成立後といえども個別的に行使することができることを認定すること。この場合,国交正常化の時まで時効は進行しないものとする。」に関するものである。 ⅰ これに対する「(2) 日本側立場」は,「(ⅰ)」の本文及び「(ⅱ)」の始まりの部分が黒塗りされており(「(ⅱ)」の始まりの黒塗り部分は「一切放棄せしめる。」に続く。),これらの黒塗り部分(乙D82の-41-頁右側26行目~27行目,28行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国人の日本政府又は日本人に対する権利であって要綱Ⅰ~Ⅴに包含されないものに関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅱ 「(3) 問題点:(ⅰ)通常のいわゆる「私的請求権」に関する処理協定では,完全な免責条項を設けるのが通例であり,」という記載に続く部分が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-41-頁右側30行目~-42-頁左側10行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国人の日本政府又は日本人に対する権利であって要綱Ⅰ~Ⅴに包含されないものに関する問題点とし て考えられる点に係る情報であると認められる。 ⅲ 上記ⅱの黒塗り部分に続き,「(ⅱ)しかしながら日韓間の関係においては軍令第33号による没収措置があったために,(ⅰ)の原則をそのまま認める場合にはきわめて不当な結果となる可能性がある。 (例えば前述要綱Ⅴの(6)),したがって,(2)(ⅰ)に述べた如き制限を付することは最小限度必要と思われる。(具体的にこの原則を如何に規定するかはきわめて困難な問題であって,実体の調査及びdraftingの検討を必要とする。)」という記載がある。この記載に続く「(ⅲ)要綱Ⅵの原 最小限度必要と思われる。(具体的にこの原則を如何に規定するかはきわめて困難な問題であって,実体の調査及びdraftingの検討を必要とする。)」という記載がある。この記載に続く「(ⅲ)要綱Ⅵの原則について何ら協定中に規定をおかない方式は,」の次の記載が黒塗りされており(この黒塗り部分は「完全放棄か又は上述(2)の如きラインでこの点に関する規定を明示的におくことはわが国の立場からも必須である。」という記載に続く。),この黒塗り部分(乙D82の-42-頁左側17行目~22行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,要綱Ⅵの原則について何ら協定中に規定をおかない方式の問題点として考えられる点に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 ⅳ 「(3) 問題点:」の「(ⅴ)」には,「軍令第33号と同種の措置がとられたオーストリアの場合は,オーストリアが国家条約第23条(3)において (1)既に解決(settlements)に達した請求権及び(2)併合前に行われた契約その他の債務又は取得された権利から発生する請求権を除いて一切のオーストリア国及び国民のドイツ国及び国民に対する請求権を放棄した。」という記載があり,「既に解決した請求権」に含まれる各種類型が列挙されている。そして,「ただし,注目すべきことはこれらの債務の中,国家条約によってオーストリアに譲渡されたドイツ自然人又は法人の財産(軍令第33号の対象となった財産に対応する)に属する債務については,オーストリア国がこ れら財産の限度で責任を負うことが規定されている事実である。」という記載があり,これに続く部分が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-42-頁右側22行目~23行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,国家条約によっ 事実である。」という記載があり,これに続く部分が黒塗りされており,この黒塗り部分(乙D82の-42-頁右側22行目~23行目)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,国家条約によってオーストリアに譲渡されたドイツ自然人又は法人の財産に属する債務についてはオーストリア国がこれら財産の限度で責任を負うことが規定されていることとの関係において,軍令33号の対象となった財産に関する具体的見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,上記のような内容からして,北朝鮮側がこれを知れば,これを参考にして自らの要求内容を検討したり,我が国の交渉方針を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性が高いというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があると認められるから,1審 原告らの上記主張は採用することができない。 (55) 通し番号1- イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があると認められるから,1審 原告らの上記主張は採用することができない。 (55) 通し番号1-253の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A372)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-253の文書は,外務省条約局法規課が作成した昭和38年1月17日付け「日韓請求権処理の問題点(討議用資料)」と題する文書である。同文書の5枚目(乙A372の-5-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載があり,7枚目(乙A372の-7-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載があり,8枚目(乙A372の-8-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載があり,9枚目(乙A372の-9-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記各黒塗り部分及び各不開示の記載に該当する部分に各係争情報が記録されている。 b 請求権問題について経済協力実施の形で解決を図る方式が検討されたが,この解決方式に関連し,同方式により解決される日韓両国の請求権の範囲につき検討を要する問題が存在した。上記aの文書は,「対日請求要綱八項目」(「対日請求要綱八項目」については原判決16~17頁参照)の処理及び李ライン関係拿捕漁船に関する日本側請求権の処理に関する問題点をまとめたものである。 c 上記aの文書は,「対日請求要綱八項目」については,一括解決方式によれば,サンフランシスコ平和条約4条(a)に基づく一切の韓国側請求権は完全にかつ最終的に解決されることとなり,「対日請求要綱八項目」が韓国政府から日本政府に対する関係では完全に解決さ 括解決方式によれば,サンフランシスコ平和条約4条(a)に基づく一切の韓国側請求権は完全にかつ最終的に解決されることとなり,「対日請求要綱八項目」が韓国政府から日本政府に対する関係では完全に解決され,消滅することとなるとし,国際法上の請求原因に基づく請求,軍令上の請求原因に基づく請求は完全に消滅するとしつつ,我が国内法上の請求原因に基づ く請求については,本来の請求権者は原則として韓国人個人であるから,たとえ協定において国際法上日本政府が韓国政府に対してこれらの請求に応ずる義務から免除されたとしても不十分ではないかとの問題があり得るとし,これら請求の内容を具体的に見れば次のとおり分けて考えることができるとしているが,① その次の箇所が黒塗りされており,さらに,「次頁不開示」の記載がある(乙A372の-5-頁の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)。上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の対日請求権のうち「わが国内法上の請求原因に基づく請求」について,国内法との関係を検討した具体的見解に係る情報であると考えられる。 同文書は,これに続く「2 処理の方針」の項目において,上記のとおり一応問題が残る可能性があるものに関する対処方針として,第1に,協定上明文の規定をもってこれら国内法上の個人請求権をも消滅させる方法を挙げ,具体的な方式を説明しているが,これに続く記載部分が黒塗りされており,「次頁不開示」の記載がある(乙A372の-7-頁の黒塗り部分(2か所)及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「協定上,明文の規定をもってこれら国内法上の個人請 所)及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「協定上,明文の規定をもってこれら国内法上の個人請求権をも消滅せしめる方法」を採った場合に生ずることが予想される問題点について検討した内容に係る情報であると考えられる。 同文書は,第2に,国内法上の措置によりこれら請求権を消滅させる方法を挙げ,具体的な方式を説明しているが,これに続く記載部分が黒塗りされており,「次頁不開示」の記載がある(乙A372の-8-頁の黒塗り部分(2か所)及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)。 上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「国内法上の措置により,これら請求権を消滅せしめる方法」を採った場合に生ずることが予想される問題点について検討した内容に係る情報であると考えられる。 同文書は,第3に,協定中にGuarantee条項(保証条項)を設ける方法を挙げ,具体的な方式を説明しているが,これに続く記載部分が黒塗りされており,「次頁不開示」の記載がある(乙A372の-9-頁の黒塗り部分(2か所)及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)。上記黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,「協定中にGuarantee 条項を設ける方法」を採った場合に生ずることが予想される問題点について検討した内容に係る情報であると考えられる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,いずれも日朝間の請求権問題でも検討を要する事項と考えられ, 該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報は,いずれも日朝間の請求権問題でも検討を要する事項と考えられ,北朝鮮側がこれを知れば,これを参考にして我が国の交渉方針を推測するなどして,交渉を自らに有利に展開しようとし,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があるというべきである。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解 決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (56) 通し番号1-256の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A375)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-256の文書は,外務省条約局法規課が作成した昭和39年4月7日付け「日韓交渉における財産及び請求権処理の範囲について」と題する内部文書である。同文書の1枚目(乙A375の-1-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下6頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分 付け「日韓交渉における財産及び請求権処理の範囲について」と題する内部文書である。同文書の1枚目(乙A375の-1-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下6頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び「次頁以下6頁不開示」の記載に該当する部分に係争情報が記録されている。 b 前記のとおりサンフランシスコ平和条約4条(a)により,同(a)に規定する財産及び請求権の処理については,日韓両国で特別取極の主題とされたが,朝鮮半島の実効支配の領域との関係で検討すべき問題が生じた。 上記aの文書は,特別取極の範囲について検討した文書である。 c 上記aの黒塗り部分及び「次頁以下6頁不開示」の記載に該当する部分(乙A375の-1-頁の黒塗り部分及び「次頁以下6頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,38度線及び休戦ライン付近に存在する我が国の在外財産の処理に関して我が国政府部内で検討した具体的内容及び具体的方針に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性 前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報が開示されるときは,北朝鮮側がこれを利用して我が国の考え方や処理方針を推測して交渉を自らに有利に展開することが可能となり,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交 相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報が北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (57) 通し番号1-257の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A376,乙C376,乙D376)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-257の文書は,外務省アジア局北東アジア課が作成した昭和39年1月10日付け「日韓会談における韓国の対日請求8項目に関する討議記録」と題する文書である。 ⅰ 上記文書の「第4編各論」のうち「第1項朝鮮銀行を通じて搬 出された地金と地銀の返還を請求する」という項目(乙D376の-12-頁以下)の「(注2) 地金銀の数量」の箇所に黒塗りされている部分(乙D376の-13-頁の黒塗り部分)がある。 ⅱ 上記「第4編各論」のうち「第2項 1945年8月9日現在の日本政府の対朝鮮総督府債務の弁済を請求する。」という項目(乙D376の-14-頁以下)の「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(4) 討議の要点」の「(イ) 全般的事項」についての日本側の質疑,見解等が記録されている箇所中,乙D37 376の-14-頁以下)の「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(4) 討議の要点」の「(イ) 全般的事項」についての日本側の質疑,見解等が記録されている箇所中,乙D376の-18-頁左葉左欄の3行目~9行目に黒塗りされている部分がある。 上記「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(6) 日本側として容認し得る範囲」の箇所中,乙D376の-19-頁左葉の8行目~10行目,21行目,右葉の3行目~4行目,6行目~11行目,-20-頁右葉の2行目~7行目,-21-頁左葉の22行目~25行目,右葉の下から8行目~6行目,下から4行目~3行目,-22-頁に黒塗りされている部分がある。 上記「1 逓信局関係」の「(C) 朝鮮簡易生命保険及び郵便年金」の「(1) 韓国側請求の趣旨と金額」の箇所中乙D376の-26-頁に黒塗りされている部分がある。 上記「1 逓信局関係」の「(C) 朝鮮簡易生命保険及び郵便年金」の「日本側見解要旨」の箇所中乙D376の-28-頁右葉の8行目~11行目,16行目~20行目,-29-頁左葉の下から6行目~末行目に黒塗りされている部分がある。 上記「1 逓信局関係」の「(D) 海外為替貯金及び債券」の「(3)日本側提出資料」の箇所中乙D376の-33-頁右葉の下から11行目~8行目に黒塗りされている部分がある。 上記「1 逓信局関係」の「(D) 海外為替貯金及び債券」の「(6)日本側として容認し得る範囲」の箇所中乙D376の-34-頁左葉の下から同5行目~4行目に黒塗りされている部分がある。 ⅲ 上記「第4編各論」のうち「第5項韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴 -34-頁左葉の下から同5行目~4行目に黒塗りされている部分がある。 ⅲ 上記「第4編各論」のうち「第5項韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済を請求する。」という項目(乙D376の-53-頁以下)の「1 日本有価証券」の「(4)日本側主張」の箇所中乙D376の-54-頁に黒塗りされている部分がある。 上記「1 日本有価証券」の「(5) 日本側として容認し得る範囲」の箇所中乙D376の-56-頁左葉,右葉1行目~2行目,下から2行目~末行目,-57-頁左葉下から6行目に黒塗りされている部分がある。 上記「第5項韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済を請求する。」という項目の「4 戦争による被徴用者の被害に対する補償」の「(5) 日本側主張」の箇所中乙D376の-71-頁に黒塗りされている部分がある。 上記「第5項韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及びその他の請求権の弁済を請求する。」という項目の「5 韓国人の対日本政府請求恩給関係その他」の「(A) 恩給」の「(6) 日本側として容認し得る範囲」の箇所中乙D376の-84-頁の右葉に黒塗りされている部分がある。 上記「第5項韓国法人又は韓国自然人の日本国又は日本国民に対する日本国債,公債,日本銀行券,被徴用韓人の未収金,補償金及び その他の請求権の弁済を請求する。」という項目の「6 韓国人の対日本人又は法人請求」の「(4) 日本側として容認し得る範囲」の箇所中乙D376の-99 ,被徴用韓人の未収金,補償金及び その他の請求権の弁済を請求する。」という項目の「6 韓国人の対日本人又は法人請求」の「(4) 日本側として容認し得る範囲」の箇所中乙D376の-99-頁左葉の21行目及び27行目に黒塗りされている部分がある。 ⅳ 上記文書の「第5編結論」の「2 日本側主張」の「(2) 日本側として容認し得る金額の総計」の箇所中乙D376の-101-頁,-102-頁(3か所),以上の各箇所に黒塗りされている部分がある。 ⅴ 上記文書の「第4編各論」のうち「第2項 1945年8月9日現在の日本政府の対朝鮮総督府債務の弁済を請求する。」という項目(乙D376の-14-頁以下)の「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(3) 日本側手出資料」の「(第1表)郵便貯金等現在高調書」の「(イ) 昭和20年9月15日現在の郵便貯金等現在高」の「口数」欄及び「金額」欄,「(ロ) 上記(イ)のうち昭和20年10月1日以降日本人への支払済高」の「口数」欄及び「金額」欄,「(ニ) 昭和20年10月1日以降現地で取り扱われた日本人の郵便貯金預払額」の「預入金」欄,「払いもどし」欄及び「差引」欄,「(ホ) 昭和20年9月15日現在の現地における郵便局保管現金および郵便局相互間の運送中現金」の「郵便局保管現金」,「運送途中現金」及び「計」欄並びに「第1表に関する日本側説明要旨」並びに「(第2表)郵便貯金払済高調書」の「金額」欄及び「(注)」欄にそれぞれ黒塗りされている部分がある(乙D376の-15-頁,-16-頁)。 上記「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(4) 討議の要点」の「(ロ) 郵便貯金」及び「(ハ) 郵便為替」の箇所にそれぞれ黒塗りされている部分があ 16-頁)。 上記「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(4) 討議の要点」の「(ロ) 郵便貯金」及び「(ハ) 郵便為替」の箇所にそれぞれ黒塗りされている部分がある(乙D376の-18- 頁)。 ⅵ 上記「1 逓信局関係」の「(A) 郵便貯金振替貯金郵便為替等」の「(6) 日本側として容認し得る範囲」の「(イ) (黒塗り部分)」の「(ⅰ) 基本額」,「ⅱ このうち朝鮮人分」,「ⅲ (黒塗り部分)南鮮(韓国)分担金」及び「ⅳ 利子」の箇所にそれぞれ黒塗りされている部分がある(乙D376の-19-頁)。 以下,乙D376の-19-頁から-35-頁まで及び-54-頁から-102-頁までに黒塗りされている部分(上記ⅱからⅳまでの黒塗り部分を除く。)がある。 b 前記引用に係る原判決の前提事実の「請求権問題」の項(原判決「事実及び理由」欄の第2の1の(5)の(イ)のa。原判決16頁以下)に摘示したとおり,韓国政府は,第一次日韓会談から請求権問題を提起し,その交渉の中で「対日請求要綱八項目」を提案していた。韓国の「対日請求要綱八項目」の討議は,昭和27年の第一次日韓会談当時より,日韓会談の重要な議題の一つとなっていたが,特に,第六次日韓会談の初期,昭和36年秋から37年春にかけて実質的討議が進捗し,その間,請求権小委員会や専門家会合が頻繁に開かれ,双方より各種の資料提出もあり,また,日本側内部においても過去の記録に基づき種々の検討を重ねた。その後,昭和37年暮れに至り,請求権問題は日本からの対韓経済協力という形で解決することにつき日韓間に原則的合意が成立した。外務省アジア局北東アジア課は,これを機に,将来の記録のため,上記の請求権関係の討議概要,関係資料等を整理した。こうして,昭和39 経済協力という形で解決することにつき日韓間に原則的合意が成立した。外務省アジア局北東アジア課は,これを機に,将来の記録のため,上記の請求権関係の討議概要,関係資料等を整理した。こうして,昭和39年1月10日付け「日韓会談における韓国の対日請求8項目に関する討議記録」と題する文書が作成された。 c 上記aのⅰの黒塗り部分(乙D376の-13-頁の黒塗り部分)に記録された附帯控訴に係る係争情報は,朝鮮銀行を通じて搬出された地 金銀の数量に関する我が国政府の具体的見解に係る情報である。 上記aのⅱからⅳまでの各黒塗り部分(乙D376の-18-頁左葉左欄の3行目~9行目,-19-頁左葉の8行目~10行目,21行目,右葉の3行目~4行目,6行目~11行目,-20-頁右葉の2行目~7行目,-21-頁左葉の22行目~25行目,右葉の下から8行目~6行目,下から4行目~3行目,-22-頁,-26-頁,-28-頁右葉の8行目~11行目,16行目~20行目,-29-頁左葉の下から6行目~末行目,-33-頁右葉の下から11行目~8行目,-34-頁左葉の下から同5行目~4行目,-54-頁,-56-頁左葉,右葉1行目~2行目,下から2行目~末行目,-57-頁左葉下から6行目,-71-頁,-84-頁の右葉,-99-頁左葉の21行目及び27行目,-101-頁,-102-頁(3か所),以上の各黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の「対日請求要綱八項目」に関して我が国政府部内で検討した具体的な内容及び対処方針に係る情報である。 上記aのⅴ及びⅵの各黒塗り部分(乙D376の-15-頁から-35-頁までと-54-頁から-102-頁までの各黒塗り部分のうち上記ⅱからⅳまでの黒塗り部分以外の部分)に記録されている である。 上記aのⅴ及びⅵの各黒塗り部分(乙D376の-15-頁から-35-頁までと-54-頁から-102-頁までの各黒塗り部分のうち上記ⅱからⅳまでの黒塗り部分以外の部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の「対日請求要綱八項目」それぞれに関して我が国政府部内で検討し又は試算した金額及び支払の受給者となる人数並びにその試算方法に係る情報である。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記各係争情報が開示されるときは,北朝鮮側がこれを利用して自らの要求内容を検討したり,我が国の考え方や対処方針を推測して交渉を自らに有利に展開することが可能 となり,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報は北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性がある情報とは認められない旨主張する。 しかしながら,上記イのとおり,上記各係争情報を北朝鮮に知られることは,我が国にとって不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (58) 通し番号1-258の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性につ って不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (58) 通し番号1-258の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙B84,乙C84,乙D84)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号1-258の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録総説三」と題する内部文書のうち,「Ⅲ 第2,3次日韓会談」と題する章の部分である。そのうち,123枚目及び124枚目(乙D84の-123-頁及び-124-頁)に黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和28年4月15日,第2次日韓会談が開催されたが,李大統領の 休戦反対,北鮮俘虜2万5000名の独断釈放問題が起こり,同年6月15日,P34参与により日韓会談無期休会案(私案)が作成された。 他方,同年7月9日,日韓交渉処理方針(甲案)が立てられた。同案の「二請求権」では,両国がそれぞれの請求権を原則として放棄することとしつつ,「ただし,次の項目については関係韓国人の既得の権利を認めることとする。」として,「(1) 陸海軍に属した韓国人及び一般徴用韓人の未払給与等(この次に黒塗り部分がある。)」,「(2) 先後日本から引揚帰国した韓人からの税関預かり金(この次に黒塗り部分がある。)」,「(3) 戦前の勤務により日本の恩給を受ける権利のある韓人に対する恩給で日本の法令に従って支払われるもの(この次に黒塗り部分がある。)」とされている。 c 上記aの各黒塗り部分(乙D84の-123-頁(2か所)及び-124-頁の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報 るもの(この次に黒塗り部分がある。)」とされている。 c 上記aの各黒塗り部分(乙D84の-123-頁(2か所)及び-124-頁の黒塗り部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,外務省が検討した韓国の対日請求権のうち関係韓国人の既得の権利を認めることとした特定項目についての具体的推定額に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,今後,日朝国交正常化交渉の中で請求権に係る交渉が行われる可能性があると認められるところ,上記のような内容の上記各係争情報が開示されるときは,北朝鮮側がこれを自らの要求の根拠とするなど交渉を自らに有利に展開することが可能となり,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,戦後60年以上も経過し,現在における日朝国交正常化交渉の枠組みにおいては,日韓会談における請求権問題の処理と同一の解決等が図られることはあり得ないことなどから,上記各係争情報は日朝国交正常化交渉に影響を及ぼすものではなく,北朝鮮との交渉上不利益を被る蓋然性があるとは認められない旨主張する。 しかし,請求権問題の交渉は,終戦当時の請求権の価額が基礎となるのであり,これに該当するというべき上記各係争情報を開示することは,我が国にとって当該交渉上不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (59) 通し番号3-5の文書に記録された附帯控 情報を開示することは,我が国にとって当該交渉上不利益となる蓋然性があるというべきであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (59) 通し番号3-5の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙D569)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-5の文書は,外務省が作成した昭和40年9月20日付け「日韓条約の解釈の喰違い点に関する処理方針(案)」と題する文書であり,その1枚目に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和40年9月当時,日韓両国は,日韓条約締結に向けて検討を進めていた。外務省アジア局北東アジア課は,日韓諸条約における韓国政府の説明が我が国政府の解釈と食い違う諸点を挙げてこれらを解決するための具体的対処方針を検討した。 c 上記aの黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分(乙D569の-1-頁の黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係 争情報は,日韓諸条約における韓国政府の説明が我が国政府の解釈と齟齬する諸点及びこれらを解決するための具体的対処方針に係る情報であって,その中には,現在においても日韓間で未解決の竹島問題や排他的経済水域の境界画定問題に関連するものが含まれており,これらに関する外務省内部における詳細な検討内容や方針等が示されていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報は,日韓両国政府及び国民が高い関心を持つ未解決の領土問題である竹島問題や排他 務省内部における詳細な検討内容や方針等が示されていることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報は,日韓両国政府及び国民が高い関心を持つ未解決の領土問題である竹島問題や排他的経済水域の境界画定問題に関連するものを含む日韓諸条約に関する日韓間の説明・解釈の齟齬に関し,我が国の具体的対処方針を示すものであるから,これを開示した場合,韓国側との信頼関係に好ましくない影響が生じる蓋然性があるほか,韓国側に,これらの問題に係る我が国の外交上の意図・戦略について推測されたり,誤解を招いたり,あるいは自らに有利に利用されるなどして,我が国が韓国との交渉上不利益を被る蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報には,竹島問題や排他的経済水域の境界画定問題以外の問題も含まれているはずであるのに,現在の日韓の交渉事項との関連は何ら明らかにされていない,現在の個別の交渉事項に関する因果関係を検討せず,また,現在の公表した見解や方針と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを問題とせず,漫然と交渉上の不利益等の蓋然性を認める判断は許されない旨主張する。 しかしながら,上記各係争情報について現在の日韓の交渉事項との関連を明らかにすることや現在公表している見解や方針との異同を明らかにすることは,上記各係争情報の内容を推知させるに等しいと考えられること,上記各係争情報で扱われている日韓諸条約に係る日韓両国政府の説明・解釈の齟齬,あるいはこれに対して我が国内部で検討された対 かにすることは,上記各係争情報の内容を推知させるに等しいと考えられること,上記各係争情報で扱われている日韓諸条約に係る日韓両国政府の説明・解釈の齟齬,あるいはこれに対して我が国内部で検討された対処方針は,現在も両国間で論争となり深刻な問題となりうるものであることが推測可能であることからすれば,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (60) 通し番号3-8の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A49,乙C49,乙D49)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-8の文書は,外務省が作成した昭和38年3月8日付け「日韓会談主要案件の現状」と題する文書,外務省アジア局北東アジア課が作成した同年5月31日付け「日韓会談諸懸案の現状」と題する文書,同年6月27日付け「日韓会談について」と題する文書,外務省アジア局長が作成した同年7月3日付け「日韓会談に関するP69前駐仏大使の見解」と題する文書その他の複数の文書である。そのうち,外務省アジア局長が作成した同年7月3日付け「日韓会談に関するP69前駐仏大使の見解」と題する文書の1枚目に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」という記載があり,同文書の2枚目にも黒塗りされている部分がある。上記各黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」という記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和37年12月26日から昭和38年2月1日までの間に日韓予備交渉が行われ,我が国は日韓会談に備えていた。同年7月3日,P52 外務省アジア局長は,ある会合の席上で,P69前駐仏大使が述べた見解に注目し,これを報告書にまとめた。 c 上記aの各黒塗り部分及び「 が国は日韓会談に備えていた。同年7月3日,P52 外務省アジア局長は,ある会合の席上で,P69前駐仏大使が述べた見解に注目し,これを報告書にまとめた。 c 上記aの各黒塗り部分及び「次頁以下2頁不開示」という記載に該当する部分(乙D49の-24-頁及び-25-頁の黒塗り部分(2か所)並びに-24-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,昭和38年7月3日に政府部内で行われた非公式の会合において外務省アジア局長が聞いたP69前駐仏大使が述べた竹島問題の解決方法及び交渉方針に関する具体的な見解に係る情報(我が国政府が公にしている方針とは異なるもの)並びに上記に対する外務事務次官等関係者のコメントに係る情報(各頁の枠外記載部分)であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,我が国政府の公式見解とは異なるP69前駐仏大使の発言及びこれに対する外務事務次官等関係者のコメントである本件係争情報が公にされれば,韓国側は,発言者の地位等からこれを交渉材料として利用することができ,その反面において我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があると認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,外交交渉において韓国側が自らの有利に利用する可能性があるものは,政府高官の個人的見解 であり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,外交交渉において韓国側が自らの有利に利用する可能性があるものは,政府高官の個人的見解にとどまらず,国会での論議,各界 の実力者や有識者の発言,日本国内の世論の動向,あるいは歴史的文書など多方面にわたりうるから,こうした中で政府高官の個人的見解が秘匿されるべき理由はないこと,P69前駐仏大使は日韓会談を担当していた者ではなく,竹島問題をめぐる政策決定に関する影響力を持たない立場であったこと,上記各係争情報が韓国側に実際に利用される蓋然性があるとする証拠はないことなどから,上記各係争情報は法定不開示情報に該当しない旨主張する。 しかしながら,前駐仏大使は,日韓交渉・竹島問題を直接担当していないとしても,主要国駐在の大使経験者として,外務省ないし政府部内の政策形成において一定の影響力を及ぼし得るとみなされる立場にある者である。したがって,上記各係争情報は,P69前大使の立場からして,外務省が収集した情報などをも基礎として,外交交渉に関する豊富な知識・経験に基づいてされた発言内容とみなされ得るものである。しかるに,上記各係争情報は我が国の公式見解と異なるものであり,これが韓国側に利用される蓋然性があると考えられる。また,上記各係争情報は同大使が部内の非公式の会合でした発言であって公にすることを予定しないものであったと認められる。以上によれば,1審原告らの上記主張を採用することはできず,上記イの判断は左右されない。 (61) 通し番号3-16の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容前記4の(39)の認定事実に証拠(乙A40,乙C40,乙E40)及 61) 通し番号3-16の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容前記4の(39)の認定事実に証拠(乙A40,乙C40,乙E40)及び弁論の全趣旨を併せれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-16の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録」と題する文書中の「ⅩⅤ 竹島問題」と題する章に相当する部分である。上記の章には,竹島問題について我が国が採った措置,領有 に関する日韓両国の見解,国際司法裁判所提訴案の提示,紛争解決の交換公文案の妥結等の項目があり,関係文書が綴られている。 上記の章のうち,「国際司法裁判所提訴案の提示」という項目中の乙E40の185枚目(乙E40の-185-頁であり,右上に「15-184」と記載されている頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 また,上記項目中の乙E40の201枚目から204枚目(-201-頁~-204-頁)に黒塗りされている部分があり,203枚目(-203-頁)に「次頁以下2頁不開示」の記載がある。上記各黒塗り部分及び-203-頁の「次頁以下2頁不開示」の記載に該当する部分のうち,原判決が不開示処分を取り消した部分(「昭和29年当時日本政府関係者が米国政府関係者から聴取した米国の竹島問題に関する対応・見解に係る部分」)以外の部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 さらに,上記項目中の乙E40の217枚目(-217-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び-217-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分のうち,原判決が不開示処分を取り消した部分(「朴正煕大統領が述べた見解 頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び-217-頁の「次頁不開示」の記載に該当する部分のうち,原判決が不開示処分を取り消した部分(「朴正煕大統領が述べた見解に係る部分」)以外の部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 4の(39)のアのbのとおりである。 c 上記aの各黒塗り部分及び不開示部分に記録されている各係争情報は,昭和28年当時,外務省アジア局第2課(当時)が検討した竹島問題の処理方針の具体的内容であって国際司法裁判所に提訴する案以外のものに係る情報,昭和29年当時における竹島問題に対する米国の対応・見解を受けた我が国がこれを分析した結果に係る情報,当時の外務 省内で示されていた竹島問題についての率直な見解に係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,上記各係争情報は,竹島問題に関する外務省ないし我が国の対応や見解であり,他に公にされていないものであるから,これらが公にされれば,竹島問題に関する我が国の立場に関して韓国側に誤解を与えたり,これらが韓国側に交渉材料として利用されたり,韓国側に我が国の外交交渉上の意図・戦術を推測されるなどして,我が国の今後の韓国との交渉上不利益を生じる蓋然性があることが認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,我が国が韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について 国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報について,現在の個別の交渉事項に関する因果関係を検討せず,また,現在の公表した見解や方針と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを条件とせず,漫然と我が国に生じる不利益の蓋然性を認めるべきでない旨主張する。 しかしながら,1審被告が係争情報について現在の個別の交渉事項に関する因果関係や現在の公表した見解と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを明らかにすることは,係争情報の具体的内容を開示するのと同様の効果を生ぜしめることになりかねないし,竹島問題について上記のとおりの現状からすれば,上記各係争情報を開示することが外交交渉上我が国に 不利益となる蓋然性があることは優に認めることができる。1審原告らの上記主張は採用することができない。 (62) 通し番号3-17の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A55)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-17の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉の記録」と題する文書であり,そのうち係争情報が記録されているのは「Ⅰ 平和条約発効前の日韓関係と日韓会談予備会談」と題する章の2の(7)(領土問題)の(ロ)(竹島)に相当する部分である。乙A55の-136-頁から-137-頁にかけて黒塗りされている部分があり,1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 我が国は連合国の占領下に置かれた後,総司令部の指令によって竹島に対する日本政府の行政権の行使が停止され かけて黒塗りされている部分があり,1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 我が国は連合国の占領下に置かれた後,総司令部の指令によって竹島に対する日本政府の行政権の行使が停止され,さらに,マッカーサーラインによって竹島周辺に日本船舶及び日本国民が近接することが禁止された。昭和22年当時,日本政府は,竹島問題についての主張を維持・強化するために具体的な措置を採った。 c 上記aの黒塗り部分(乙A55の-136-頁から-137-頁にかけての黒塗りされている部分)に記録されている係争情報は,昭和22年(1947年)当時,我が国が連合国の占領下に置かれ施政権の制約を受けていた中,我が国政府が竹島問題についての主張を維持・強化するために執った具体的な措置であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性前記のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,上記係争情報は,昭和29年(1 954年)に韓国が竹島を不法占拠する前の段階で我が国が講じていた措置に関して,これまで公にされたことのない情報であり,これが公にされれば,竹島問題に関して,韓国側に交渉材料として利用されたり,韓国側に我が国の外交交渉上の意図・戦術を推測されるなどして,我が国の今後の交渉上不利益を生じる蓋然性があることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があるというべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,昭和22年(1947年)当時に日本政府 臣が認めることにつき相当の理由があるというべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,昭和22年(1947年)当時に日本政府が竹島問題について執った具体的な措置は,既に終了した歴史的・客観的事実であり,日本政府部内での検討・協議等とは異なって,日本政府の現在の方針等を把握・推測する材料となり得る可能性が比較的少ない性質の情報であるなどとして不開示の合理的な理由がない旨主張する。 しかしながら,上記係争情報の内容をなす具体的措置は,これまで公にされておらず,前記のとおり,これを公にすれば,韓国側がこれを交渉材料として利用したり,韓国側に我が国の外交交渉上の意図・戦術を推測されるなどして,我が国の今後の交渉上不利となる蓋然性があると認められるのであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (63) 通し番号3-18の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容前記4の(44)の認定事実に証拠(乙B56,乙C56,乙E56)及び弁論の全趣旨を併せれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-18の文書は,外務省が作成した「日韓国交正常化交渉 の記録」と題する文書中の「ⅩⅠ 第7次会談の開始と基本関係条約案イニシアル」と題する章に相当する部分である。上記の章の(2)(第7次日韓会談の開始)の項目中の乙E56の36枚目(乙E56の-36-頁であり,右上に「11-35」と記載されている頁)に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。原判決は,上記文書の不開示部分のうち,「韓国側の竹島一方的点拠という事態が無期限に継続することに に黒塗りされている部分がある。上記黒塗り部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。原判決は,上記文書の不開示部分のうち,「韓国側の竹島一方的点拠という事態が無期限に継続することになるおそれが大である。」との文言及び「韓国側の対案や韓国側が国際司法裁判所提訴に反対した理由に係る部分」を取り消した。1審被告は,その後,乙A56の-35-頁の黒塗り部分及び-36-頁の2行目から5行目にかけての黒塗り部分を開示した。その結果,乙E56の-36-頁の6行目から8行目にかけての黒塗り部分だけが不開示のままとなっている。この黒塗り部分は,原判決が上記のとおり取り消した部分に該当せず,それ故に,1審被告は,これを控訴による不服申立ての対象としなかった。なお,上記黒塗り部分は,4の(44)の通し番号3-34の文書の黒塗り部分(乙E71の-59-頁及び-71-頁の各黒塗り部分)と同一である。したがって,同一の情報でありながら,上記のとおり通し番号3-18の文書に関しては1審原告らの附帯控訴による不服申立ての対象とされ,他方,通し番号3-34の文書に関しては1審被告の控訴による不服申立ての対象とされているが,これは,原判決の判断が一部食い違っていたために生じた結果である。 b 4の(44)のアのbのとおりである。 c 上記aの黒塗り部分(乙E56の-36-頁の黒塗り部分)に記録されている係争情報は,昭和39年当時の日韓両国政府間の交渉において,日本政府が韓国政府に提案した竹島問題の解決策としての国際司法裁判所への提訴案について,韓国政府がこれに反対する理由を踏まえた日本 政府の対応ぶりとして,当時外務省内部で検討されていた内容であり,今後の韓国側の交渉材料として日本側に不利となる蓋然性のあるものであると認められる。 れに反対する理由を踏まえた日本 政府の対応ぶりとして,当時外務省内部で検討されていた内容であり,今後の韓国側の交渉材料として日本側に不利となる蓋然性のあるものであると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記認定のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,上記各係争情報は,竹島問題に関し韓国側が国際司法裁判所提訴に反対した場合の具体的な対応策であり,他に公にされていないものであるから,上記係争情報が公になれば,韓国政府は,今後,竹島問題について日本と交渉を行う際に,竹島問題に関する過去の日本側の認識や見方として,日本側の今後の対応を推察するための参考としたり,日本側に不利な交渉材料として用いることが考えられ,それにより我が国が交渉上不利益を被る蓋然性のあることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報について,現在の個別の交渉事項に関する因果関係を検討せず,また,現在の公表した見解や方針と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを条件とせず,漫然と我が国に生じる不利益の蓋然性を認めるべきでない旨主張する。 しかしながら,1審被告が係争情報について現在の個別の交渉事項に関する因果関係や現在の公表した見解と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを明らかにすることは,係争情報の具体的内容を開示するのと同様の 効果を生ぜしめることになりかね 個別の交渉事項に関する因果関係や現在の公表した見解と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを明らかにすることは,係争情報の具体的内容を開示するのと同様の 効果を生ぜしめることになりかねないし,上記のとおり竹島問題についてわずかな古文書の記載等からも議論が交わされている現状にも鑑みれば,上記係争情報は,公にすることで外交交渉上我が国に不利益となる蓋然性があると認められるのであるから,1審原告らの上記主張は採用することができない。 (64) 通し番号3-19の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容前記4の(44)の認定事実に証拠(乙A57,乙D57)及び弁論の全趣旨を併せれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-19の文書は,外務省P98アジア局長が作成した昭和30年1月21日付け「日韓関係の打開について」と題する文書であり,同文書の13枚目(乙D57の-13-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 外務省P98アジア局長は,昭和30年1月21日付けで「日韓関係の打開について」と題する文書を作成し,日韓会談が決裂し,再開しない原因について検討するとともに,日韓会談の対象となっていなかった竹島問題の処理について検討した。 c 上記aの黒塗り部分及び不開示部分(乙D57の-13-頁の黒塗り部分及び「次頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,竹島問題についての日韓双方の譲歩の余地に関する検討及び同問題解決の見通しに関する分析をしたものに係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該 れている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,竹島問題についての日韓双方の譲歩の余地に関する検討及び同問題解決の見通しに関する分析をしたものに係る情報であると認められる。 イ法定不開示情報該当性 前記のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にあるところ,上記係争情報は,当時のアジア局長が,竹島問題についての日韓双方の譲歩の余地に関する検討及び同問題解決の見通しに関する分析をしたものであり,これが公にされれば,竹島問題に関する我が国の立場に関して韓国側に誤解を与えたり,これらが韓国側に交渉材料として利用されたり,韓国側に我が国の外交交渉上の意図・戦術を推測されるなどして,我が国の今後の交渉上不利益を生じる蓋然性があることが認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が韓国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記係争情報について,現在の個別の交渉事項に関する因果関係を検討せず,また,現在の公表した見解や方針と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを条件とせず,漫然と我が国に生じる不利益の蓋然性を認めるべきでない旨主張する。 しかしながら,上記係争情報は,上記イのとおり,竹島問題についての日韓双方の譲歩の余地に関する検討及び同問題解決の見通しに関する分析をしたものであり,現在の状況下で公にすれば我が国の不利益となりうる性質のものである。1審被告が上記係争情報について現在の個別の交渉事項に関する因果関係や現在公表し び同問題解決の見通しに関する分析をしたものであり,現在の状況下で公にすれば我が国の不利益となりうる性質のものである。1審被告が上記係争情報について現在の個別の交渉事項に関する因果関係や現在公表している見解と矛盾しない内部検討事項であるかどうかを明らかにすることは,上記係争情報の具体的内容を開示するのと同様の効果を生ぜしめることになりかねないし,上記の竹島問題についての状況にも鑑みれば,上記係争情報は,公にすることにより外交交 渉上我が国に不利益をもたらす蓋然性があるというべきである。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (65) 通し番号3-43の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容前記4の(45)の認定事実に証拠(乙B79,乙C79,乙D79)及び弁論の全趣旨を併せれば,次の事実が認められる。 a 通し番号3-43の文書は,P68大使が岡崎外務大臣宛に昭和29年7月10日に発信した「蒋総統の国際問題についての見解の件」と題する電信,P69駐仏大使が岡崎外務大臣宛に同年9月10日に発信した電信その他の複数の文書である。そのうちP69駐仏大使が岡崎外務大臣宛に同年9月10日に発信した電信の1枚目(乙D79の-4-頁)及び2枚目(乙D79の-5-頁)に黒塗りされている箇所がある。原判決は,上記各黒塗り部分のうち,「在フランス大使が任国政府担当職員から聴取した領土問題の処理状況及びこの情報を入手した経緯並びに電信文の様式に係る事項」に係る部分を取り消したので,1審被告は,電信文の様式に係る事項に係る部分等を開示した上で,その余の部分につき控訴による不服申立ての対象としている(前記4の(45)参照)。上記各黒塗り部分のうち,「在フランス大使が したので,1審被告は,電信文の様式に係る事項に係る部分等を開示した上で,その余の部分につき控訴による不服申立ての対象としている(前記4の(45)参照)。上記各黒塗り部分のうち,「在フランス大使が任国政府担当職員から聴取した領土問題の処理状況及びこの情報を入手した経緯に係る事項」に係る部分(1審被告の控訴による不服申立ての対象とされている部分)及び電信文の「件名」部分,以上の各部分以外の部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 前記4の(45)のとおりである。 c 上記aの各黒塗り部分(乙D79の-4-頁及び-5-頁の各黒塗り部分)のうち,「在フランス大使が任国政府担当職員から聴取した領土 問題の処理状況及びこの情報を入手した経緯に係る事項」に係る部分及び電信文の「件名」部分,以上の各部分以外の部分に記録されている係争情報は,昭和29年9月10日にP69駐仏大使が外務大臣宛てに発した電信の写しの一部で,P69駐仏大使が任国政府担当職員から聴取した領土問題に関する情報を踏まえて竹島問題の解決方法について示した見解(我が国政府が公にしている方針とは異なるもの)であると認められる。 イ法定不開示情報該当性前記のとおり,竹島問題は,日韓両国民が高い関心を寄せる未解決の領土紛争問題であり,現在も日韓両国民のそれぞれの国民感情を先鋭に刺激する火種となっている状況にある。このことからすると,我が国政府の公式見解とは異なるP69駐仏大使の発言である上記係争情報が公にされれば,韓国側は,発言者の地位等からこれを交渉材料として利用することができ,その反面において我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るお 交渉材料として利用することができ,その反面において我が国に交渉上の不利益が生じる蓋然性があると認められる。 したがって,上記係争情報は,公にすることにより,我が国が他国との交渉上不利益を被るおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由があるというべきであり,情報公開法5条3号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,外交交渉において韓国側が自らの有利に利用する可能性があるのは,政府高官の個人的見解にとどまらず,国会での論議,各界の実力者や有識者の発言,日本国内の世論の動向,あるいは歴史的文書など多方面にわたりうるから,こうした中で政府高官の個人的見解が秘匿されるべき理由はないこと,P69駐仏大使は日韓会談を担当していた者ではなく,竹島問題をめぐる政策決定に関する影響力を持たない立場であった こと,上記係争情報が韓国側に実際に利用される蓋然性があるとする証拠はないことなどから,上記係争情報は法定不開示情報に該当しない旨主張する。 しかしながら,弁論の全趣旨によれば,駐仏大使は,日韓交渉・竹島問題を直接担当していないとしても,主要国駐在の大使として,外務省ないし政府部内の政策形成において一定の影響力を及ぼし得るとみなされる立場にある者であったこと,上記係争情報は,P69大使の立場からして,外務省が収集した情報などをも基礎として,外交交渉に関する豊富な知識・経験に基づいて示された見解とみなされるものであることが認められるところ,上記係争情報は我が国の公式見解・方針と異なるものであり,これが韓国側に利用される蓋然性は上記のとおり認められること,以上を総合すれば,1審原告らの上記主張を採用することはできず,上記イの判断は左右されない。 (66) 通し番号4-2の文書 あり,これが韓国側に利用される蓋然性は上記のとおり認められること,以上を総合すれば,1審原告らの上記主張を採用することはできず,上記イの判断は左右されない。 (66) 通し番号4-2の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙C539,乙D539)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号4-2の文書は,昭和36年11月ころ,警察庁,法務省及複数の文書である。そのうち乙D539の-4-頁に黒塗りされている部分,-5-頁に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載,-6-頁に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載,-7-頁に黒塗りされている部分及び「次頁以下4頁不開示」の記載,-8-頁に黒塗りされている部分,-9-頁に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載,-10-頁に黒塗りされている部分及び「次頁 以下3頁不開示」の記載,-11-頁に黒塗りされている部分及び「次頁以下2頁不開示」の記載,-12-頁から-19-頁までに各黒塗りされている部分,-20-頁に黒塗りされている部分及び「次頁不開示」の記載がある。上記各黒塗り部分及び不開示の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 韓国国家再建最高会議朴正熙議長一行は,昭和36年11月に来日した。これを機に日韓会談に反対する集会が日比谷公園野外音楽堂において開催されるなど,抗議行動があった。そのため警備対策が採られた。 c 上記aの各黒塗り部分及び不開示部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の朴正煕議長一行が訪日する際の警備対策に関するものであって,要人警備についての具体的な対応及び起こり得る事 aの各黒塗り部分及び不開示部分に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,韓国の朴正煕議長一行が訪日する際の警備対策に関するものであって,要人警備についての具体的な対応及び起こり得る事態に対する想定等(特定の場所での警備方針を含む。)であると認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報は,朴議長一行の訪日に際しての要人警護に関する警備対策及び関連情報に係る情報であり,必要な情報を収集し,収集した情報に基づいて起こり得る事態を想定し,想定される事態に適切に対応するために要人警護について具体的な対応策(特定の場所での警備計画,方針を含む。)を検討したことに係る情報であり,情報収集活動の実情,想定される事態に対応するために検討された具体的な対応策の内容は,要人警護について現在及び将来においても共通する部分があることから,これを公にすると,今後の要人警護に支障を生じるおそれがあることが認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,現在及び将来の犯罪の予防,鎮圧等の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報と認められるから,情報公開法5条4号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,通し番号4-2の文書について全部不開示の処分がされたことを前提として,文書の開示すべき部分の存否を識別できない全部不開示とする処分は不適法である旨主張したが,その後外務大臣は乙D539のとおり一部につき開示した事実が認められるから,この主張は根拠を失ったというほかはない。そして,その後も不開示とされている部分は,要人警護の具体的方法,情報収集の経路等に関するものと認められるから,上記のとおり情報公開法5条 が認められるから,この主張は根拠を失ったというほかはない。そして,その後も不開示とされている部分は,要人警護の具体的方法,情報収集の経路等に関するものと認められるから,上記のとおり情報公開法5条4号所定の法定不開示情報に該当するというべきである。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (67) 通し番号4-9の文書に記録された附帯控訴に係る係争情報の法定不開示情報該当性についてア係争情報の内容証拠(乙A42,乙C42)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 a 通し番号4-9の文書は,外務省アジア局が,昭和33年6月ころから昭和35年4月ころまでの間に作成した重要懸案処理月報等のうち,主に北東アジア課関連の内容を抜粋した文書である。そのうち,昭和34年12月との添書のある「○北東アジア課関係(12月分)」との見出しのある文書の14枚目(乙A42,乙C42の各-179-頁)に黒塗りされている部分及び「次頁以下7頁不開示」の記載がある。上記黒塗り部分及び「次頁以下7頁不開示」の記載に該当する部分に1審原告らの附帯控訴に係る係争情報が記録されている。 b 昭和34年7月30日韓国側が日韓交渉の無条件再開を申し入れて以来,抑留されている日本人漁夫の釈放交渉が行われていたが,韓国側は北朝鮮帰還問題や日韓会談の進行状況とからませて漁夫送還の日取りを 遷延した。同年12月北朝鮮帰還が実施され,韓国側は抗議した。上記の北朝鮮送還者の中には大村収容所から仮放免された朝鮮人不法入国者が含まれていた。 c 上記aの黒塗り部分及び不開示部分(乙A42の-179-頁の黒塗り部分及び「次頁以下7頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,北朝鮮帰還問題に 。 c 上記aの黒塗り部分及び不開示部分(乙A42の-179-頁の黒塗り部分及び「次頁以下7頁不開示」の記載に該当する部分)に記録されている1審原告らの附帯控訴に係る係争情報は,北朝鮮帰還問題に関連して昭和34年12月に問題となった特殊な身分を有する者(例えば,外交関係者など)の犯罪行為に係る犯罪容疑事件の内容及び当該犯罪行為に対する対処方法等であることが認められる。 イ法定不開示情報該当性上記各係争情報は,犯罪と密接に関連した情報で,特殊な身分を有する者(外交関係者など)による犯罪行為への対処方法を内容とするものであり,かかる対処方法は現在及び将来においても共通のもので,公にすることにより,捜査手法自体が明らかになり,かかる身分を有する者に悪用されかねない性質のものであり,かつ,同種の対処方法を使用できなくなるものであることが認められる。 したがって,上記各係争情報は,公にすることにより,現在及び将来の犯罪の予防,鎮圧等の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報というべきであるから,情報公開法5条4号所定の法定不開示情報に該当する。 ウ 1審原告らの主張について1審原告らは,上記各係争情報は不開示の範囲が広範に過ぎるため,その内容を推認させる具体的な証拠が存在せず,情報の種類の検証すら不可能であるから,このような広範囲の不開示処分は不適法であるなどと主張する。 しかしながら,上記各係争情報の内容を推認させる具体的な証拠を要す るとすれば,上記各係争情報を開示するに等しい効果を生ぜしめることになりかねない。上記各係争情報は,上記のとおり,北朝鮮帰還問題に関連して昭和34年12月に問題となった特殊な身分を有する者(例えば,外交関係者など 各係争情報を開示するに等しい効果を生ぜしめることになりかねない。上記各係争情報は,上記のとおり,北朝鮮帰還問題に関連して昭和34年12月に問題となった特殊な身分を有する者(例えば,外交関係者など)の犯罪行為に係る犯罪容疑事件の内容及び当該犯罪行為に対する対処方法等であるという限度では特定されている。したがって,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 6 その余の1審原告らの主張について(1) 情報公開法5条3号及び4号該当性に関する主張立証責任について1審原告らは,インカメラ手続が採用されていない情報公開請求訴訟において,原告側は,係争情報が既に公開されている情報と同一であるか否かを知り得ないなど,開示により生じる「おそれ」がないことを立証することが困難な立場にあるから,行政機関の側で,係争情報が既に開示されている情報と同一でないことなど,開示により生じる「おそれ」の蓋然性(因果関係)についての具体的な主張立証責任を負うべきである旨主張する。 しかし,前記3において説示したとおり,行政機関の長は,情報公開法5条3号,4号所定の不開示情報にあたると判断して不開示処分をした場合において,当該不開示処分の取消訴訟が提起されたときは,当該判断の公正妥当を担保するに足りる,可能な限り具体的な事実関係に基づく合理的な根拠を示すことを要するものと解するのが相当である。これを行政機関の長が外務大臣である場合において外務大臣が同条3号所定のおそれがあると認めることにつき「相当の理由がある」といえるかどうかについていえば,我が国を取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に が国を取り巻く国際情勢,我が国と当該他国又は国際機関との従前及び現在の関係,これらをめぐる歴史的経緯及び事象,我が国の外交方針,我が国と当該他国又は国際機関との今後の交渉及び将来の関係の展望等に関する事実を総合的に踏まえて,他国又は国際機関との上記おそれの根拠があると合理的に判断することができる場合であることを要するが,この場合であることをも って足りると解するのが相当である。もとより,法定不開示情報該当性について行政機関の側が負うべき立証責任の程度は,当該情報内容を開示させるに等しいような程度のものではあり得ず,係争情報の内容についても,開示により生じる「おそれ」の蓋然性についても,ある程度抽象的な主張立証となることは避け難いというべきであるし,既に開示されている情報との同一性の有無に関しても,内容として同一の情報でありながら,それが記録された時点や状況,記録した者又は記録された情報が表す意思の主体,記録した目的などによって「おそれ」の蓋然性が異なる場合もあり,この場合に,行政機関の側としては,当該情報が既に開示された情報と内容が同一であると自認することはできない。以上の次第であるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (2) 30年ルールについて1審原告らは,作成後30年を経過した公文書は原則として公開されるべきことは国際的なルールであり,30年経過した文書の不開示理由については行政機関側の立証責任を重くすべきである旨主張するが,このような取扱いが国際的慣習であると認めるに足りる証拠はなく,他に情報公開法の解釈上このようなルールを斟酌すべき根拠は見いだし難い上,本件で法定不開示情報該当性が問題となる国の安全,外交又は公共安全秩序維持の分野では,年月の経過によっても開示による国家又は公共の利益 開法の解釈上このようなルールを斟酌すべき根拠は見いだし難い上,本件で法定不開示情報該当性が問題となる国の安全,外交又は公共安全秩序維持の分野では,年月の経過によっても開示による国家又は公共の利益が害されるおそれが低減しない情報が存在しうると考えられることからすると,作成後一定期間を経過した公文書について法定不開示情報該当性に係る行政機関側の立証責任を重くするべき実質的な根拠も見いだし難いというべきであるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 (3) 法定不開示情報該当性の判断基準について1審原告らは,情報公開法による情報開示請求権は,憲法21条1項で保障されている「知る権利」を法律により具体化したものであり,立憲民主政 の政治過程にとって不可欠な権利として優越的価値を有するとして,情報公開請求の当否を判断するにおいては,開示することの利益と不開示とすることの利益との具体的利益衡量により判断すべきである旨主張する。 しかし,知る権利は,憲法21条1項の規定の趣旨,目的から,その派生原理として導かれるものであり,知ることを妨げられない自由権として尊重されるべきものであるが,そのほかに,積極的に行政機関に対して情報の開示を求める請求権を行使するには,その根拠となる法令の規定が必要である。 行政機関の保有する行政文書の開示請求の根拠法令は情報公開法である。同法は,何人も,同法の定めるところにより,行政機関の長に対し,当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる旨規定し(同法3条),行政機関の長は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に所定の不開示情報のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない旨規定し(同法5条本文),同条各号にお 開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に所定の不開示情報のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない旨規定し(同法5条本文),同条各号において要件を定めて不開示情報を規定している。したがって,同条各号所定の不開示情報該当性の判断は同条本文及び各号の文言及び趣旨に照らして行うべきである。同条が1審原告らが主張するような具体的利益考量により同条各号所定の不開示情報該当性の判断を行うべきことを定めているものと解することはできない。むしろ,同法7条は,行政機関の長は,法定不開示情報に該当する情報についても,公益上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し当該行政文書を開示することができると規定しており,公益上の理由による裁量的開示を明示的に定めているのであって,利益考量を行う場面,主体及び要件を明らかにしているところである。以上の次第であるから,1審原告らの上記主張を採用することはできない。 7 1審原告らの開示の義務付けを求める訴えについて(1) 本件義務付けの訴えは,行政事件訴訟法3条6号2号所定の義務付けの訴えに該当するから,同法37条の3第1項2号により,本件各処分が取り消 されるべきものであり,又は無効若しくは不存在であるときに限り,提起することができる。 (2) これを本件についてみるに,本件各処分のうち本件控訴の不服申立てに係る部分の取消しを求める1審原告らの請求はいずれも理由がないから,同号の要件を欠き,不適法な訴えというべきである。 また,本件各処分のうち附帯控訴の不服申立てに係る部分の取消しを求める1審原告らの請求は,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料 分のうち附帯控訴の不服申立てに係る部分の取消しを求める1審原告らの請求は,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書の8枚目の黒塗り部分及び9枚目の各黒塗り部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る⑥欄記載の部分については理由があるから,原判決中1審原告ら敗訴部分のうち,上記各部分を取り消し,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る④欄の原決定中上記各部分に係る部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る④欄の原決定中上記部分に係る部分を取り消し,上記各部分につき1審被告に1審原告らに対して開示すべきことを命ずることとするが,1審原告らのその余の請求はいずれも理由がないから,これについては同号の要件を欠き,不適法な訴えというべきである。 8 結論以上のとおりであって,(1) 1審被告の控訴に基づき,原判決の主文第1項のうち,別紙「控訴の対象(処分目録1)」の「不開示決定」欄記載の各不開示決定について⑦欄記載の各部分を取り消すとした部分を取り消し,上記取消しに係る部分につき1審原告らの請求をいずれも棄却することとし,原判決の主文第2項のうち,別紙「控訴の対象(処分目録1)」の⑤欄記載の各不開示決定について⑦欄記載の各部分の開示決定をすべき旨を命ずる部分を取り消し,上記取消しに係る部分につき1審原告らの義務付けの訴えをいずれも却下することとし,(2) 1審原告らの附帯控訴に基づき,原判決中1審原告ら敗訴 部分のうち,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書の8枚目の黒塗り部分及び9枚目の各黒 部分のうち,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る⑥欄記載の部分中昭和36年2月11日付け「韓国請求権検討参考資料(未定稿)」と題する文書の8枚目の黒塗り部分及び9枚目の各黒塗り部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る⑥欄記載の部分を取り消し,別紙「附帯控訴の対象」の①欄の「1-129」の文書に係る④欄の原決定中上記各部分に係る部分並びに同①欄の「1-160」の文書に係る④欄の原決定中上記部分に係る部分を取り消し,上記各部分につき1審被告に1審原告らに対して開示すべきことを命ずることとし,1審原告らのその余の附帯控訴をいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第8民事部 裁判長裁判官髙世三郎 裁判官瀬戸口壯夫 裁判官針塚遵
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