令和7(わ)7 殺人被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年5月30日 大分地方裁判所
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判決文本文1,294 文字)

令和7年5月30日宣告令和7年(わ)第7号殺人被告事件 主文 被告人を懲役15年に処する。 未決勾留日数中70日をその刑に算入する。 理由 (犯行に至る経緯)被告人は、実家で父と二人暮らしをしていたものであるが、同人が、仕事現場から廃材や残土を持ち帰っては実家の敷地内外に放置したり、大量のうさぎを雌雄混同して飼育したりすることに不満を募らせていたところ、令和7年1月6日、同人に対し、年末年始の休暇中に廃材等を片付けなかったことをなじると、口論に発展し、さらに、揉み合いになった際、上記不満が爆発し、同人を殴り倒すなどした。 そして、被告人は、仰向けに倒れて動かず、顔を血だらけにした父の姿を見て、もう親子関係は修復できない、同人を殺して自分も死のうと思い立ち、台所から包丁を持ってきた。 (罪となるべき事実)被告人は、令和7年1月6日午後1時頃、大分県豊後大野市a 町bc 番地被害者方において、実父である同人(当時78歳)に対し、殺意をもって、その頸部等を包丁(刃体の長さ約17センチメートル)で複数回突き刺すなどし、よって、同日午後4時頃、同市a 町de 番地fA病院において、同人を頸部刺切創に伴う失血により死亡させて殺害した。 (量刑の理由)被告人は、突発的とはいえ強固な殺意に基づき、仰向けに倒れたまま身動きが取れない状態の被害者の頸部を狙い、刃先が折れるほどの強い力で、少なくとも10回程度包丁を突き刺すなどして、同人を失血死させるという重大な結果を生じさせたものであり、その犯行態様は、生命侵害の危険性が高く、生命軽視の度合いが強 い。犯行に至る経緯において、被害者による廃材等の管理状況やうさぎの飼育方法に関し、被告人が不満を募らせていたことは理解でき、そのことが犯行直前の口論 命侵害の危険性が高く、生命軽視の度合いが強 い。犯行に至る経緯において、被害者による廃材等の管理状況やうさぎの飼育方法に関し、被告人が不満を募らせていたことは理解でき、そのことが犯行直前の口論の端緒になっているものの、被告人は、被害者に経済的に依存し、問題を先送りにするばかりで、不満解消や状況改善のための努力を続けた様子はうかがわれないし、もとより、責任能力に問題がない中、親子関係の修復が不可能になったと判断するやためらうことなく同人の殺害を決意したことは、あまりに自己中心的かつ短絡的であって、強い非難を免れない。 以上の犯情に照らすと、本件は、同種事案(刃物類のみを使用した親を被害者とする殺人1件の単独犯であり、量刑上考慮した前科がないもの)の量刑傾向の中で重い部類に属するものといえる。 その上で、被告人が本件犯行を認めていることといった一般情状(なお、被告人に前科がないとしても、そのこと自体は、上記の量刑傾向の下において、刑の量定を左右する事情ではない。)を考慮し、主文の刑に処するのが相当であると判断した。 (求刑:懲役16年、弁護人の科刑意見:懲役8年)令和7年5月30日大分地方裁判所刑事部 裁判長裁判官辛島靖崇 裁判官北島聖也 裁判官小野あゆみ

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