主文 1 被告が原告に対し、平成5年11月24日付けでした下記各処分のうち、1)平成元年10月1日から平成2年9月30日までの事業年度の法人税の更正処分のうち納付すべき法人税額2億8040万1700円を超える部分、及び同法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分のうち納付すべき過少申告加算税額210万円を超える部分、2)平成2年10月1日から平成3年9月30日までの事業年度の法人税の更正処分のうち納付すべき法人税額4億0826万9000円を超える部分、及び同法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分のうち納付すべき過少申告加算税額201万3000円を超える部分、3)平成3年10月1日から平成4年9月30日までの事業年度の法人税の更正処分のうち納付すべき法人税額2億2863万4500円を超える部分、及び同法人税に係る過少申告加算税の賦課決定処分のうち納付すべき過少申告加算税額249万5000円を超える部分、4)平成2年10月1日から平成3年9月30日までの課税事業年度の法人臨時特別税の更正処分のうち納付すべき法人臨時特別税額1037万4100円を超える部分、及び同法人臨時特別税に係る過少申告加算税の賦課決定処分のうち納付すべき過少申告加算税額5万円を超える部分、5)平成3年10月1日から平成4年9月30日までの課税事業年度の法人特別税の更正処分のうち納付すべき法人特別税額578万5900円を超える部分、及び同法人特別税に係る過少申告加算税の賦課決定処分のうち納付すべき過少申告加算税額6万2000円を超える部分、をいずれも取り消す。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、これを3分し、その2を原告の、その余を被告の各負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告が原告に対し、平成5年11月24日付 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、これを3分し、その2を原告の、その余を被告の各負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告が原告に対し、平成5年11月24日付けでした下記の各処分を取り消す。 (1) 平成元年10月1日から平成2年9月30日まで、平成2年10月1日から平成3年9月30日まで及び平成3年10月1日から平成4年9月30日までの各事業年度の法人税の各更正処分中、各確定申告額を超える部分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(2) 平成2年10月1日から平成3年9月30日までの課税事業年度の法人臨時特別税の更正処分中、確定申告額を超える部分、及び過少申告加算税の賦課決定処分(3) 平成3年10月1日から平成4年9月30日までの課税事業年度の法人特別税の更正処分中、確定申告額を超える部分、及び過少申告加算税の賦課決定処分 2 訴訟費用は被告の負担とする。 第2 事案の概要原告は、平成2年9月期ないし平成4年9月期(以下「本件各事業年度」という。)の法人税、平成3年9月期の法人臨時特別税、平成4年9月期の法人特別税の各申告に当たり、租税特別措置法(以下「租特法」という。)56条の5第1項(平成7年法律第55号による改正前。以下同じ。)に基づき、プログラム等準備金の損金算入をして所得金額の計算をしたところ、被告は、上記プログラム等準備金の損金算入を否認するなどして、別紙「申告・更正処分対比表」記載のとおりの更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下、これらの処分を合わせて「本件各更正等」という。)。本件は、上記プログラム等準備金の損金算入の否認を不服とする原告が、本件各更正等の取消しを求めている事案である。 1 法令の定め1)プログラム等準備金の損金算入制度について租特法56条の5 。)。本件は、上記プログラム等準備金の損金算入の否認を不服とする原告が、本件各更正等の取消しを求めている事案である。 1 法令の定め1)プログラム等準備金の損金算入制度について租特法56条の5第1項本文及び表3号(以下「本件規定」という。)は、青色申告書を提出する法人であって、統合情報処理システムサービス(別名システムインテグレーションサービス。以下、略して「SI」又は「SIサービス」ということがある。)を提供する事業を営む法人のうち、当該事業を的確に行う能力がある者として政令で定めるものは、SIサービスに係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後において当該法人が自己の負担により無償で行う補修に要する費用の支出に備えるため、当該事業年度におけるSIサービス(政令の定める要件を満たすものに限る。)の提供に係る収入金額(有償で行う保守に係るものを除く。)として政令で定めるところにより計算した金額の100分の10に相当する金額をプログラム等準備金として積み立てたときは、当該積み立てた金額は、当該積立てをした事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する旨を定めている。 そして、上記のSIサービスとは、相手方との間に締結した契約に基づき、一の情報処理システムにつき、その設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべてを行う役務をいい(本件規定)、同項にいう「当該事業を的確に行う能力がある者」についての政令の定めは、「SIサービス業を的確に行う能力がある者として通商産業大臣(大臣名は、当時の呼称による。)が認定した法人」とされ(租特法施行令(平成5年政令第87号による改正前)32条の13第6項。ただし、平成2年9月期については、平成2年政令第93号による改正前の同令32条の14第6項。)、準備金積立ての対象となるSIサービスに 施行令(平成5年政令第87号による改正前)32条の13第6項。ただし、平成2年9月期については、平成2年政令第93号による改正前の同令32条の14第6項。)、準備金積立ての対象となるSIサービスに関する政令の要件は、「SIサービスに係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後1年以上の間無償で補修すべき旨の定めがある契約(書面によるものに限る。)」であって、「SIサービスの提供に係る対価の額(有償で行う保守に係る対価の額が含まれている場合には、当該保守に係る対価の額を控除した金額)が5000万円以上のものであること」であり(租特法施行令(平成5年政令第87号による改正前)32条の13第7項。ただし、平成2年9月期については、平成2年政令第93号による改正前の同令32条の13第6項)、また、「政令で定めるところにより計算した金額」とは、通商産業大臣による認定を受けた法人がしたSIサービス提供に係る当該事業年度の収入金額から、有償保守に係る収入金額と、SIサービスに係る業務の全部又は一部を他の者に委託している場合における当該委託に要した費用の額の2分の1に相当する金額を控除した金額とするものとされていた(租特法施行令(平成5年政令第87号による改正前)32条の14第8項。ただし、平成2年9月期については、平成2年政令第93号による改正前の同令32条の13第8項。)。 2)法人臨時特別税及び法人特別税について法人臨時特別税は、「湾岸地域における平和回復活動を支援するため平成2年度において緊急に講ずべき財政上の措置に必要な財源の確保に係る臨時措置に関する法律」(以下「臨時措置法」という。)11条1、2項の規定により、基準法人税額(本件に関していえば、原告の平成3年9月期の所得金額に法人税率である0・375を乗じた金額)から300万円を控除 関する法律」(以下「臨時措置法」という。)11条1、2項の規定により、基準法人税額(本件に関していえば、原告の平成3年9月期の所得金額に法人税率である0・375を乗じた金額)から300万円を控除し、1000円未満を切り捨てて算出した金額に、臨時措置法12条所定の税率である0・025を乗じ、100円未満を切り捨てた額を法人臨時特別税として徴収するものである。 法人特別税は、法人特別税法9条1、2項により、基準法人税額(本件に関していえば、原告の平成4年9月期の所得金額に法人税率である0・375を乗じた金額)から400万円を控除し、1000円未満を切り捨てて算出した金額に、法人特別税法10条所定の税率である0・025を乗じ、100円未満を切り捨てた額を法人特別税として徴収するものである。 2 当事者間に争いのない事実以下の事実は、当事者間に争いがない。 1)当事者原告は情報処理サービス業を営む法人であり、通商産業大臣によってSIサービス業を的確に行う能力がある者としての認定を受けている。 2)原告による納税申告原告は、平成2年9月期から平成4年9月期までの各法人税及び平成3年9月期の法人臨時特別税、平成4年9月期の法人特別税について、別紙「申告・更正処分対比表」(以下「対比表」という。)の各「申告所得金額」欄及び「申告納税額」欄(後2者については、「申告課税標準額」欄及び「申告納税額」欄)に記載のとおりの納税申告を行った。 なお、原告の申告において、後記のプログラム等準備金損金算入の対象となった契約の相手方及び契約金額(契約金額は、すべて消費税相当額を控除した金額に基づく。以下同じ。)は、別紙「申告対象契約一覧表」に記載のとおりであった(なお、これらの契約を併せて「本件各契約」といい、同表に掲げられた契約の相手方は、それぞれ同 て消費税相当額を控除した金額に基づく。以下同じ。)は、別紙「申告対象契約一覧表」に記載のとおりであった(なお、これらの契約を併せて「本件各契約」といい、同表に掲げられた契約の相手方は、それぞれ同表の「契約の相手方」欄の表示に従い、「第一システムセンター」などといい、当該相手方との契約に基づいて開発されたシステムは、同表の「システム名」欄の表示に従い、「第一証券システム」などということとする。ただし、「日本電気経営情報システム開発」については、会社名を「日本電気経営情報」と略称し、システム名を「日本電気経営情報システム」ということとする。)。 3)被告による本件更正等被告は、平成5年11月24日付けで、原告の申告に係る平成2年9月期から平成4年9月期までの所得金額につき、対比表の「更正」欄に記載のとおり、プログラム等準備金の損金算入の否認、役員賞与の損金算入の否認、所得金額の過大計上の修正、事業税の損金算入を行い、その結果、原告の各年度における所得金額を対比表の「更正」欄中の「更正による所得金額」欄に記載のとおり更正し、納付すべき税額を同表の「納税額」欄中の「更正による納税額」欄に記載のとおり更正した上、同表の「過少申告加算税額」欄に記載のとおり過少申告加算税の賦課処分を行った。 また、平成3年9月期及び平成4年9月期の法人税について上記のとおり更正を行ったのに伴い、平成3年9月期の法人臨時特別税及び平成4年9月期の法人特別税についても、対比表の「基準法人税額」欄中の「更正による金額」欄、「納税額」欄中の「更正による納税額」欄、「過少申告加算税額」欄に記載のとおりの更正及び過少申告加算税の賦課処分を行った。 以上が本件更正等の内容である。 4)不服申立ての前置原告は、本件更正等を不服として、平成6年1月14日付けで審査請求をした 算税額」欄に記載のとおりの更正及び過少申告加算税の賦課処分を行った。 以上が本件更正等の内容である。 4)不服申立ての前置原告は、本件更正等を不服として、平成6年1月14日付けで審査請求をしたが、国税不服審判所長は平成8年7月9日付けで原告の審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をしたため、同年8月28日付けで本件訴訟を提起した。 第3 争点本件の争点は、原告の平成2年9月期ないし平成4年9月期の所得金額を算定するのに当たり、プログラム等準備金を損金として算入することができるかどうかであり、この点に関す当事者双方の主張は、次のとおりである(このほか、平成2年9月期の法人税更正においては、原告がした役員賞与の損金算入のうち51万0650円が否認されているほか、同期及び平成3年9月期の法人税更正において所得金額の過大計上の指摘がされているが、これらの点については、原告も争っていない。)。 1 プログラム等準備金を損金算入するための要件について1)被告ア)システムインテグレーション(SI)の概念「システムインテグレーション」とは、ある情報処理システムの構築について、ユーザーの要求内容を把握し、これに基づいて基本設計、プログラム作成、運用の準備、保守に至るまでを一貫して請け負うサービス形態をいい、建築業でいえば、「ゼネコン」が提供するサービスに相当するものを提供するものである。また、システムインテグレーションを専門的に行う企業は、システムインテグレーターと呼ばれている。 システムインテグレーション概念が発生する前は、ユーザー自身がシステムの構築に責任を負い、メーカー、ソフトウェアハウス、通信会社等を指揮してシステムの開発を行っていた。しかしながら、このような形態のシステム開発では、ユーザー自身が技術革新の動向を把握しつつ、最良の機器、 築に責任を負い、メーカー、ソフトウェアハウス、通信会社等を指揮してシステムの開発を行っていた。しかしながら、このような形態のシステム開発では、ユーザー自身が技術革新の動向を把握しつつ、最良の機器、ソフトウェア及びそれらの組み合わせを見極めながら、多数の業者との間で適切な個別的契約を締結していかなければならず、コンピュータシステムの高度化、複雑化が著しい中で、ユーザーがこのような対応をしていくことは極めて困難かつ負担の重いものとなっていたため、ユーザーの間では、システム構築を専門業者(以下、情報処理システム開発に関するサービスを提供する専門業者を「システム業者」という。)に一括して任せたいというニーズが高まっていた。他方、システム業者の間でも、従来のユーザーの補助的業務の代行といった役割から脱却して、ユーザーやコンピュータ・メーカー等と対等な立場で連携し、システム構築に当たる高度な能力を有する企業として発展したいという希望が強くなっていた。 このような状況を背景として、昭和50年代のアメリカ合衆国で上記のようなシステムインテグレーション概念が発生し、昭和60年代には、これが日本にも導入されることとなったのである。 イ)プログラム等準備金制度導入の背景こうして我が国にシステムインテグレーション概念が導入された当時におけるアメリカ合衆国のシステムインテグレーションは、システム構築の初期段階において、提供するサービスの範囲及びその対価(契約金額)を決定するいわゆる一括契約の形態を採っていた。そして、システムインテグレーターは、その契約金額の範囲内で努力をすれば大きな利益を得られる可能性がある反面、見積りの誤り、技術革新等に伴う発注内容の変更、無償補修特約に基づく補修費用の負担等により多大な損失を被る危険性もあり、ハイリスク・ハイリターンの で努力をすれば大きな利益を得られる可能性がある反面、見積りの誤り、技術革新等に伴う発注内容の変更、無償補修特約に基づく補修費用の負担等により多大な損失を被る危険性もあり、ハイリスク・ハイリターンの事業となっていたため、システムインテグレーターを育成し、その地位を確立するためには、ハイリスクにも対応できるよう財政的基盤を強固なものとする必要があった。このような要請の下に、システムインテグレーターの財政的基盤を強固なものとするための財務面における対応として創設されたのが、本件規定に基づくプログラム等準備金の損金算入制度である。 ウ)プログラム等準備金を損金に算入するための要件本件規定は、直接的には、システムインテグレーターが抱える無償補修に伴うリスクを軽減するための税制上の特別措置としての形を採るものであるが、以上ア)、イ)で指摘した本件規定創設の背景からすると、その趣旨は、他にもリスクを負担するシステムインテグレーターの財政的基盤を強固にし、その地位の確保を図るための手段の一つとしての性質を有するものである。このことに加えて、税務当局において、的確かつ適正に本件規定適用の可否を判断するためには、契約内容が明確化されている必要があることを考慮すると、本件規定に基づき、プログラム等準備金を損金に算入することが認められるシステム提供に関する契約に当たるといえるためには、次のような要件を満たす契約書が作成されている必要があるものと解すべきである。なお、本件規定の導入を推進した通商産業省(当時)機械情報産業局においては、本件規定の適用を受けるための標準契約書を作成しているが(乙26)、この標準契約書も、下記の(ア)ないし(オ)の要件が必要であることが前提として作成されており、被告の主張と同様の認識を示している。 (ア) SI要件及び一括契約要件 契約書を作成しているが(乙26)、この標準契約書も、下記の(ア)ないし(オ)の要件が必要であることが前提として作成されており、被告の主張と同様の認識を示している。 (ア) SI要件及び一括契約要件上記のとおり、システムインテグレーションの概念が、情報処理システムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を一括して提供するサービスを意味することからすれば、本件規定の適用を受けるためには、まず、上記の役務のすべてを提供することを(以下「SI」要件という。)、システム構築の初期段階、すなわち、遅くとも要求定義の終了(設計及びシステム分析に入る前まで)の段階において、一括契約によって請け負うことを要する(以下「一括契約要件」という。)というべきである(本件規定の解釈)。 (イ) 無償補修特約要件書面による1年以上の無償補修特約が存在することを要することは、前記第2、1、1)のとおり租特法施行令が定めるところである。 (ウ) 対価要件上記のとおり、本件規定導入の背景には、当時のシステムインテグレーションは、契約当初の段階で、提供するサービスの内容とその対価の額を一括して定めてしまうというハイリスクのものであり、そのようなサービスを提供する業者の財政的基盤を強固なものとする必要があったことを考慮すれば、役務提供の対価の額が5000万円を超えるものであること(租特法施行令32条の13第7項)に加え、この対価の額が、契約締結当初の段階で定められていることを要する(以下「対価要件」という。)ものと解すべきである。 (エ) 直接契約要件上記のとおり、システムインテグレーションは、ユーザー(エンド・ユーザー)と直接対応をし、そのニーズを踏まえたシステム開発を行うものであることを考慮すると、エンド・ユーザーとの直接契約に基づき 件上記のとおり、システムインテグレーションは、ユーザー(エンド・ユーザー)と直接対応をし、そのニーズを踏まえたシステム開発を行うものであることを考慮すると、エンド・ユーザーとの直接契約に基づき、役務を提供するものであること(以下「直接契約要件」という。)を要するものと解すべきである(本件規定の解釈)。 (オ) 全体システム要件上記のようなシステムインテグレーションの概念を踏まえれば、本件規定の適用を受けるためには、ユーザーが構築しようとするシステム全体の構築を請け負う契約を締結することを要し、単にシステムの一部の構築を請け負う契約を締結するのみでは足りない(以下「全体システム要件」という。)ものというべきである(本件規定の解釈)。 2)原告被告は、本件規定の適用を受けるためには、1)、(ア)ないし(オ)記載の要件を満たす必要があると主張するが、この主張は、本件規定やこれに基づく施行令の規定の文言を逸脱した解釈や、情報処理システム開発の実態に沿わない解釈に基づく主張であるというべきである。すなわち、本件規定は、「システムサービス業に係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後において当該法人が自己の負担により無償で行う補修に要する費用の支出に備えるために」プログラム等準備金を積み立て、これを損金に算入することを認めることを定めたものであり、被告が主張するような契約当初の時点において一括契約をすることによるリスク軽減を図るという趣旨は、本件規定の文言上全く現れていない。しかも、ある程度規模の大きい情報処理システムを開発する場合には、被告が主張するユーザーの要求定義の段階はもちろん、基本設計の段階においても、システムの全体や、その開発に要する時間や費用を確実に予想することは困難である上、契約当初から当事者間に絶対的な信頼関係があ が主張するユーザーの要求定義の段階はもちろん、基本設計の段階においても、システムの全体や、その開発に要する時間や費用を確実に予想することは困難である上、契約当初から当事者間に絶対的な信頼関係があるとはいえない場合もあるため、契約当事者間において、システムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を提供する合意が成立している場合であっても、当初からシステムの内容や金額等を確定した一括契約を締結することは避け、システム開発の進展に応じて、必要な個別的契約を締結していくのが常態なのであり、被告の主張は、このようなシステム開発の実態をも無視したものといわざるを得ないのである。以上の点に照らしてみれば、被告が主張する(ア)ないし(オ)の要件については、次のとおり解釈すべきである。 ア)SI要件及び一括契約要件について本件規定の適用を受けるためには、システムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を提供するサービスを行うことが必要であることは被告が主張するとおりであるが、上記のようなシステム開発の実態に照らしてみれば、契約当初の段階において、一括契約によってこれらの役務を提供する旨の合意をする必要はなく、当初の契約とその後締結された個別契約を全体的に見て、上記の役務のすべてを提供する旨の合意がされたものと認められれば足りるものというべきである(主位的主張)。 また、仮に上記主張が認められず、契約当初の段階において、情報処理システムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を提供する旨の合意がされることが必要であるとしても、そのような合意が書面上明確化されている必要はないし、システムの内容等が具体的に確定されている必要もなく、要するに、あるシステムについて、その設計、プログラ 旨の合意がされることが必要であるとしても、そのような合意が書面上明確化されている必要はないし、システムの内容等が具体的に確定されている必要もなく、要するに、あるシステムについて、その設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を提供することが合意されたと認められれば足りるものというべきである。そして、いったん特定のシステム業者にシステム開発の依頼がされれば、その後の作業もすべて、そのシステムを熟知した当該業者が行うのが通常であることを考慮すれば、ユーザーとシステム業者との間でシステム開発に関する基本契約が作成されており、かつ、実際にも、当該システム業者が、システムの設計から保守に至るすべての役務を提供した場合には、当初から、それらの各役務のすべてを提供する旨の合意がされていたものとみなすことができるものというべきである(予備的主張)。 イ)無償補修特約要件について書面による1年以上の無償補修特約が存在することを要することは、被告が主張するとおりであるが、その合意は、当初の契約書に記載されている必要はなく、当事者間で作成された何らかの書面に記載されていれば足りるものというべきである。 ウ)対価要件について役務提供の対価が5000万円を超える必要があることは被告が主張するとおりであるが、その対価の額が、当初作成された契約書に記載されている必要はなく、システムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守に対する対価として支払われた額が5000万円を超えていれば足りるものというべきである。 エ)直接契約要件について上記のとおり、本件規定は、「システムサービス業に係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後において当該法人が自己の負担により無償で行う補修に要する費用の支出に備えるために」プログラム等準備金を積み立 のとおり、本件規定は、「システムサービス業に係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後において当該法人が自己の負担により無償で行う補修に要する費用の支出に備えるために」プログラム等準備金を積み立て、これを損金に算入することを認めたものであるところ、このような無償保証の必要は、システム業者がエンド・ユーザーとの間で直接契約を締結した場合にのみ生じるものではなく、契約の相手方がエンド・ユーザーではない場合であっても同様に生じるのであるから、直接契約要件は不要というべきである。なお、前記第2、1、1)のとおり租特法施行令は、システムインテグレーションサービスの係る業務の全部又は一部を他の者に委託している場合における当該委託に要した費用の額の2分の1に相当する金額は、プログラム等準備金の積立対象額から除外する旨を定めているが、この規定は、上記の場合には、エンド・ユーザーとの間で契約を締結したシステム業者ではなく、業務の全部又は一部の委託を受けた下請業者が、無償補修の負担に対応するためプログラム等準備金を積み立てるはずであることを考慮した規定であるといえるから、上記施行令の規定自体、プログラム等準備金積立ての対象となる業務は、エンド・ユーザーとの間で契約を締結した業者がしたものには限られないことを予定しているものと解される。この点からしても、直接契約要件は、不要というべきなのである(主位的主張)。 また、仮にこの要件が必要であるとしても、契約の相手方がエンド・ユーザーであるかどうかは実質的に検討すべきものであり、エンド・ユーザーが、形式上、自社のシステム子会社を介在させ、エンド・ユーザー、子会社、システム業者の順に契約が締結されている場合であっても、上記子会社が親会社と実質的には同一であり、エンド・ユーザーとシステム業者が直接契約をしたのと ステム子会社を介在させ、エンド・ユーザー、子会社、システム業者の順に契約が締結されている場合であっても、上記子会社が親会社と実質的には同一であり、エンド・ユーザーとシステム業者が直接契約をしたのと同視し得る事情が認められる場合には、上記要件を満たすものというべきである(予備的主張)。 オ)全体システム要件について本件規定は、一の情報処理システムにつき、その設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべてを行う役務を、その適用対象としている。ところで、ある程度大規模な情報処理システムは、それ自体としても単体で機能し得るサブシステムがいくつか組み合わされて全体としてのシステムが構成されている場合が少なくないところ、その開発に当たっては、単独のシステム業者がシステム全部の構築を請け負うのではなく、サブシステムごとに、別々の業者がシステム構築を行うのが通常である。このような場合、サブシステムも、それ自体として機能し得る情報処理システムである以上、「一の情報処理システム」といえるのであるから、そのシステムについて、設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべての役務を提供する旨の合意がされていれば、本件規定の適用対象になるものというべきであり、被告の主張する「全体システム要件」が、サブシステムの構築だけでは足りず、ユーザーが構築を予定しているシステムのすべての構築を行うことを要求するものであるとすれば、それは無用な要件を要求しているものというべきである。 2 本件規定適用の可否について1)被告1、1)に示した解釈に基づいて検討すると、本件各契約は、いずれも本件規定の適用対象となるものではない。その理由は、次のとおりである。 ア)第一証券システム関係第一証券システム関係で原告が行った作業は、①第一システムセンターとの間で ると、本件各契約は、いずれも本件規定の適用対象となるものではない。その理由は、次のとおりである。 ア)第一証券システム関係第一証券システム関係で原告が行った作業は、①第一システムセンターとの間で締結された第一証券向け顧客情報システム(乙15の1、2。以下「第一証券顧客情報システム」という。)の開発、②第一システムセンターとの間で締結されたDIANAシステムの銘柄拡大作業(以下「DIANAシステム」という。)、③第一証券との間で締結された大口投資家開拓のためのコンサルティング(以下「大口投資家開拓」という。)、④第一証券との間で締結されたリレーションマーケティング実践プログラム(以下「リレーションマーケティング実践」という。)に分けられるから、このそれぞれについて、本件規定を適用するための要件を満たすかどうかを検討する必要がある。 (ア) 第一証券顧客情報システムについて上記システムについては、書面上、平成元年11月24日付けの「業務委託書」(乙15の1)及び「御見積書」(甲5)において基本設計からテストランまでの作業についての請負契約(以下「顧客情報システム第1契約」という。)が締結され、平成2年6月25日付けの業務委託書(乙15の2)及び「御見積書」(甲6)によってテストラン、本番移行、稼働、フォローについての請負契約(以下「顧客情報システム第2契約」という。)が締結されたことが認められるのみであるから、要求定義までにSI業務に係るすべての役務提供についての契約を締結するという一括契約要件を満たさないことは明らかである。また、このシステムの運用の準備及び保守は第一システムセンターが行っているのであるから、SI要件も満たしていない。 更に、要求定義までに対価の額が5000万円以上と定められていたわけではないのであるから対価要件 ムの運用の準備及び保守は第一システムセンターが行っているのであるから、SI要件も満たしていない。 更に、要求定義までに対価の額が5000万円以上と定められていたわけではないのであるから対価要件も満たしていないし、契約締結の相手方がエンド・ユーザーである第一証券ではなく、第一システムセンターである点において直接契約要件も満たさない。 (イ) DIANAシステムについて上記システムについては、そもそも原告がそのシステム開発を依頼されたものではなく、第一システムセンターからシステムエンジニアの派遣を依頼され、これに応じたにすぎないのであるから、これをSI業務とみる余地は全くなく、全体システム要件も満たさない。 また、その対価の額は1662万円であり(乙15の3)、しかも、契約締結の相手方は、エンド・ユーザーである第一証券ではなく、第一システムセンターなのであるから、対価要件、直接契約要件も満たさない。 (ウ) 大口投資家開拓についてこれは、「大口投資家開拓のための営業推進企画、顧客セグメント探索と営業ツール提案の調査とコンサルティング」というものであって(乙15の4別添5の「御見積書」)、その内容はコンサルティング業務であって、そもそもシステム開発には当たらないものである。 また、その対価の額は980万円にすぎないから、対価要件も満たさない。 (エ) リレーションマーケティングについてこれも、(ウ)と同様に、原告が請け負ったのはコンサルティング業務であってシステム開発ではない。 また、その対価の額は、1250万円にすぎないから(乙15の4別添6の「御見積書」)、対価要件も満たさない。 イ)山九システム関係このシステムについては、「倉庫システム(国内システム)分析・設計」(乙17の1)、「倉庫国内システムの開発その2」(乙17 4別添6の「御見積書」)、対価要件も満たさない。 イ)山九システム関係このシステムについては、「倉庫システム(国内システム)分析・設計」(乙17の1)、「倉庫国内システムの開発その2」(乙17の2)と二段階の契約(以下、前者を「倉庫システム第1契約」、後者を「倉庫システム第2契約」という。)が締結され、それと別個に「倉庫システム/データ交換及び再構築」(乙17の3)の契約(以下「倉庫システムデータ交換等契約」という。)が締結されているものであり、また、プログラム作成は、原告と山九の関連会社である株式会社サンキュウ・ダイネット(以下「サンキュウ・ダイネット」という。)が行い、完成したシステムの総合テスト、運用の準備及び保守は山九自身が行っているのである。 以上に照らしてみれば、上記システムについては、原告がシステム設計から保守までのすべての役務を提供したものとはいえないからSI要件を満たさず、契約が分断されている点において一括契約要件も満たさず、更に、当初契約において5000万円以上の対価の額が定められたものでもないから対価要件も満たしておらず、本件規定の適用対象となるものではない。 ウ)太平洋投信システム関係太平洋投信システムの関係で原告が行った作業は、①委託システムメンテナンス作業(乙19の1)、②リバランスシステムの開発(乙19の2)、③変率リバランスシステムの開発(乙19の3)、④累積投資システム新規開発作業(乙19の4)に分かれているから、それぞれについて、本件規定の適用対象となるかどうかを判断する必要がある。 (ア) 委託システムメンテナンス作業上記作業は、情報処理システムの構築を内容とするものではなく、太平洋投信が太平洋証券株式会社(以下「太平洋証券」という。)から譲り受けた投資信託委託システム(以下「投資信託 ステムメンテナンス作業上記作業は、情報処理システムの構築を内容とするものではなく、太平洋投信が太平洋証券株式会社(以下「太平洋証券」という。)から譲り受けた投資信託委託システム(以下「投資信託委託システム」という。)の運用に係る障害対策、メンテナンス及び補修等のために、システムエンジニア及びプログラマーを確保したのにすぎない(乙19の1)のであるから、そもそもSI業務に当たるものではないし、有償メンテナンスである以上、プログラム等準備金積立ての対象となるものでもなく、更にその対価の額も2562万6400円にすぎないのであるから、本件規定の適用対象となる余地は全くない。 (イ) その余のシステム開発その余のシステム開発である②リバランスシステム、③変率リバランスシステム、④累積投資システムの開発は、対価の額が、それぞれ830万円、720万円、2606万円にとどまり、対価要件を満たさない。 (ウ) なお、原告は、上記①ないし④は、いずれも投資信託委託システムの一部(サブシステム)としてのシステム開発等であるから、これらのシステム開発等を含めた投資信託委託システム全体が本件規定の適用対象となるかどうかを検討すべきであるという趣旨の主張をするが、この主張は、一括契約要件及び対価要件を無視したものであって、採用できるものではない。また、上記①は、既に主張したとおり有償保守契約にすぎないし、②ないし④は、当初の投資信託委託システムの一部ではなく、新しい金融商品が作成されたためシステムを追加したものであって、当初の契約には含まれないものというべきであって、仮に上記システムのサブシステムを構成するとしても一括契約要件を満たさず、いずれにせよ原告の主張は失当である。 エ)山一証券システム関係山一証券システムの関係で原告が行った作業は、原告が、株 て、仮に上記システムのサブシステムを構成するとしても一括契約要件を満たさず、いずれにせよ原告の主張は失当である。 エ)山一証券システム関係山一証券システムの関係で原告が行った作業は、原告が、株式会社山一コンピュータシステム(後に、山一情報システム株式会社に社名変更。以下「山一コンピュータ」という。)との間で契約を締結した、①山一証券向人事情報システム開発運用保守(乙23の4)、②TIS-FFシステム関係作業(乙23の5-16)、③グローバルトレーディングシステム関係作業(乙23の17-19)に分けられるから、それぞれについて本件規定の適用対象となるかどうかを判断する必要がある。 (ア) 山一証券向人事情報システム開発運用保守についてこれは、既に構築され、稼働している人事情報システムの運用上の障害への対応、修正、機能の追加等のシステムの一部手直しやシステム運用の指導等を内容とするものであって、システム構築が完了した後のシステムメンテナンス作業であるから、SI業務とはいえず(SI要件の欠如)、本件規定の適用対象とはならない。 また、その対価の額は2640万円にすぎず、しかも、契約の相手方は山一コンピュータであって、エンド・ユーザーである山一証券ではないのであるから、対価要件、直接契約要件も満たしていない。 (イ) TIS-FFシステム関係作業についてこれらの作業は、いずれも、既に構築され、稼働しているTIS-FFシステムの機能追加やバージョンアップを内容とするものであって、それぞれが独立した一つのシステムとして開発されたものではないから、SI業務とはいえず、SI要件を満たさない。また、それぞれの対価の額は5000万円未満であり、しかも、契約の相手方は山一コンピュータであるから、対価要件、直接契約要件も満たさない。 なお、これ 、SI業務とはいえず、SI要件を満たさない。また、それぞれの対価の額は5000万円未満であり、しかも、契約の相手方は山一コンピュータであるから、対価要件、直接契約要件も満たさない。 なお、これらの作業は、個別契約に基づいて行われたものであって、相互に関連性はないから、これらを一体として対価要件が充足しているかどうかを判断することはできないものである。 (ウ) グローバルトレーディングシステム関係作業についてこれは、原告がシステム全体の構築を受注したものではなく、システム設計支援(乙23の17)、システム設計及びプログラム作成支援(乙23の18)、システムの設計及びプログラム作成(乙23-19)というSI業務の一部を受注したのにとどまり、しかも、その内容は、システムエンジニアの派遣にとどまり、原告が主体となってシステム開発をしたものではないから、SI要件を満たさない。また、各契約の対価の額は、いずれも5000万円未満であり、かつ、契約の相手方は山一コンピュータであるから、対価要件、直接契約要件も満たさない。 (エ) なお、原告は、上記①ないし③は、原告が山一証券向けに開発した人事情報システム、TIS-FFシステム、グローバルトレーディングシテムの開発作業の一部であるから、それぞれのシステム全体を一つのSI業務とみて本件規定の適用対象となるかどうかを判断すべきであるという趣旨の主張をする。しかしながら、上記①ないし③のいずれについても、原告が行ったシステム開発の一部とみることができないことは上記のとおりである上に、山一コンピュータの原告に対する業務委託は、一括してされたものではなく、同社が山一証券から受託した業務を処理する過程で、それに必要なシステムエンジニアの派遣を委託していたにすぎないから、原告の予備的主張を前提としても、一括契約 業務委託は、一括してされたものではなく、同社が山一証券から受託した業務を処理する過程で、それに必要なシステムエンジニアの派遣を委託していたにすぎないから、原告の予備的主張を前提としても、一括契約要件を満たしておらず、いずれにせよ原告の上記主張は失当である。 オ)群馬銀行システム関係群馬銀行システムの関係で原告が行った作業は、原告が、群馬銀行との間で契約を締結した、①情報系基盤整備第一次開発、②情報系基盤整備のシステムメンテナンス及び休日稼働対応、③情報系基盤整備のシステムメンテナンスに分けられるから、それぞれについて本件規定の対象となるかどうか判断する必要がある。 (ア) 情報系基盤整備第一次開発について上記作業について、原告は、平成2年1月4日付けの業務委託に関する覚書(乙22の1)においてシステムの設計を、同年4月2日付けの業務委託に関する覚書(乙22の2)においてプログラムの作成を請け負ったのにとどまり(以下、前者を「情報系第1契約」、後者を「情報系第2契約」という。)、システム引渡後の保守は群馬銀行が行うこととされていたのであるから、SI要件を満たさないし、一括契約要件も満たしていない。また、上記作業に関する基本契約書(乙9)にも、業務委託に関する覚書にも無償補修に関する条項は存在しないから、無償補修特約要件も満たしていない。更に、その対価の額は、それぞれ1033万6000円、2900万円であるから、個別的にみても、両者を併せても対価要件を満たさないことは明らかである。 (イ) その余の作業についてその余の作業のうち、上記②のシステムメンテナンス及び休日稼働対応は、①のシステムの機能の追加、変更及び修正業務であり、上記③のシステムメンテナンスは、②の作業に加えて、システムに障害が生じた場合の対応方法等について技術指導 システムメンテナンス及び休日稼働対応は、①のシステムの機能の追加、変更及び修正業務であり、上記③のシステムメンテナンスは、②の作業に加えて、システムに障害が生じた場合の対応方法等について技術指導をするものであり、いずれも、システム完成後の個別契約に基づいて行われた作業であって、SI業務を行ったものとはいえないから、SI要件を満たさない。また、その対価の額の額は、それぞれ1960万円、1001万円にすぎないから、対価要件も満たさないし、無償補修特約も締結されていないから、無償補修特約要件も満たさない。 (ウ) 原告は、①のシステム開発は、契約当初から、そのすべての作業を行うことが予定されていたものであり、また、②、③は、システムが完成し、ユーザーが使用を開始した時点で、従来気づかなかった不足点や改良点が指摘されたため、その対応をしたものであって、契約当初からそのような作業が生じることは当然に予想されたものであって、当初契約の範囲に含まれたものというべきであるから、すべてを一体のものとして本件規定適用の可否を判断すべきであると主張するが、原告の指摘する事実を前提としても、契約当事者間にそのような合意があったとは認めることはできず、一括契約要件を無視した主張であり、失当である。 また、仮に本件規定の適用があるとしても、②の一部及び③については有償による保守を対象とするものであるから、プログラム等準備金積立ての対象となる収入金額から控除されるべきものである。 カ)東海銀行システムについて東海銀行システムの関係で原告が行った作業は、原告が、東海銀行との間で契約を締結した、①データ蓄積システム/SE作業(乙24の1-8、以下「データ蓄積システムSE契約」という。)、②主要取引先及び融資・国際システム開発(乙24の9-14、以下「主要取引先シス の間で契約を締結した、①データ蓄積システム/SE作業(乙24の1-8、以下「データ蓄積システムSE契約」という。)、②主要取引先及び融資・国際システム開発(乙24の9-14、以下「主要取引先システム等契約」という。)、③営業店情報システム/SE作業(乙24の15-22、以下「営業店情報システムSE契約」という。)、④CCR、営業店決算報告システム及びSIS法人マーケティングシステム開発(乙24の23-29、以下「CCRシステム等契約」という。)に分けられる(なお、各作業の明細は、別紙「東海銀行システム関係明細表」に記載のとおりである。)。 (ア) データ蓄積システムSE契約についてこれは、東海銀行システム中のデータ蓄積システムを構築する作業のうち、設計から導入までの作業について、原告が支援を行ったのにすぎず、しかも、上記作業は、東海銀行システム開発部、東海バンキングソフトウェア株式会社(以下「東海バンキングソフトウェア」という。)が共同で行ったものであり、原告は、原告担当分についてのみ瑕疵担保責任を負うのにすぎない。 以上によると、原告が行った作業は、そもそもシステムインテグレーションとはいえないものであり、SI要件を満たさない。 (イ) 主要取引先システム等契約についてこれは、原告が、上記データ蓄積システム構築作業の一部について、プログラムの設計及び製造までの部分のみを個別的に請け負ったものであり、SI業務に係るすべての役務が提供されているものではない。更に、各契約のうち、主要取引先日報(SE作業)は、既に製造されたプログラムの一部についての機能改善や処理概要図の作成等のSE作業を請け負ったものにすぎず、システムインテグレーションとは到底評価できないものである。以上のとおり、主要取引先システム等契約に係る作業は、いずれもSI ついての機能改善や処理概要図の作成等のSE作業を請け負ったものにすぎず、システムインテグレーションとは到底評価できないものである。以上のとおり、主要取引先システム等契約に係る作業は、いずれもSI要件を欠くものである。 (ウ) 営業店情報システムSE契約についてこれは、東海銀行システム中の営業店情報システムを構築する作業のうち、設計から導入までの作業について、期間を細かく限定して順次委託したのにすぎず、しかも、上記作業は、東海銀行システム開発部、東海バンキングソフトウェアが共同で行ったものであり、原告は、原告担当分についてのみ瑕疵担保責任を負うのにすぎない。 以上によると、原告が行った作業は、そもそもシステムインテグレーションとはいえないものであり、SI要件を満たさないし、対価要件も満たしていない。 (エ) CCRシステム等契約についてこれは、原告が、上記営業店情報システム構築作業の一部について、プログラムの設計及び製造までの部分のみを個別的に請け負ったものであり、SI業務に係るすべての役務が提供されているものではない。更に、各契約のうち、SIS法人マーケティング支援/SE作業は、プログラムテストの支援作業(SE作業)を請け負ったものにすぎず、システムインテグレーションとは到底評価できないものである。以上のとおり、主要取引先システム等契約に係る作業は、いずれもSI要件を欠くものであるし、対価要件も満たしていない。 (オ) 原告は、「東海銀行システムについては、昭和61年から、原告が、データ蓄積システムと営業店情報システムの開発を請け負っていたものであり、その契約当初から、原告においてシステム設計から保守に至るすべての役務を提供することが合意されていたものである。したがって、本件で問題となっている各契約は、昭和61年の契約の一環であ たものであり、その契約当初から、原告においてシステム設計から保守に至るすべての役務を提供することが合意されていたものである。したがって、本件で問題となっている各契約は、昭和61年の契約の一環であり、全体として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきである。」という趣旨の主張をするが、この主張は、一括契約要件を無視した主張であり、失当である。また、仮に原告の予備的主張を前提としても、原告の指摘する証拠及び事情から原告主張の合意を認めることはできないし、かえって、本件システムの構築に東海バンキングソフトウェアの関与が予定されていたことからすると、原告を東海銀行との間で原告が本件システム構築のすべてを行うとの合意がされていたとは認め難い。更に、データ蓄積システムと営業店情報システムは、東海銀行システムの一部にすぎないのであるから、仮に原告がこれらのシステム開発のそれぞれ全部を請け負っていたとしても、全体システム要件を欠くことになるし、それぞれのシステムを一体のものと評価し得るとしても、一括契約要件を満たしていないものである。したがって、原告の主張は、いずれにせよ失当である。 キ)リクルート・コンピュータプリントシステム関係リクルート・コンピュータプリントシステムの関係で原告が行った作業は、原告が、リクルート・コンピュータプリントとの間で契約を締結した、①物件データベース再構築に伴うシステム(売買系)開発(乙20の1、2)、②物件データベース再構築に伴うシステム(賃貸系)開発及びシステムメンテナンス作業(乙20の3)に分けられる。そして、上記システム開発は、もともとリクルートコンピュータプリントがリクルートから受注したものであって、原告は、その一部の下請けをしたものであるが、各契約については、次のような事情も認められる。 (ア) 物件 システム開発は、もともとリクルートコンピュータプリントがリクルートから受注したものであって、原告は、その一部の下請けをしたものであるが、各契約については、次のような事情も認められる。 (ア) 物件データベース再構築に伴うシステム開発について上記作業について、原告は、平成2年10月1日付け業務受託書(乙20の1。 以下、「売買系第1契約」という。)により、データベース化等のシステム分析のみを、平成3年1月7日付け業務受託書(乙20の2。以下、「売買系第2契約」という。」)により、オンライン系処理及びバッチ系更新処理を主として、分析、プログラムの製造及び単体テストのみを請け負ったものである上、原告担当分についても、原告が単独で業務に当たったのはプログラムの製造と単体テストのみであって、システム分析はリクルートコンピュータプリントと共同で行い、運用の準備及び保守についてはリクルートコンピュータプリントが行っている。また、契約が売買系第1契約と同第2契約に分けられたのは、リクルートコンピュータプリント側の意向が、「システム分析の結果が良ければ、その後のシステム開発も原告に任せる。」というものであって、当初から、役務のすべてを原告に任せる意思はなかったことによるものである。 以上によれば、原告は、システム分析から保守に至るすべての役務を行ったものではないからSI要件を欠き、また、仮に原告の予備的主張を前提としても、一括契約要件も欠いている上、契約の相手方がエンド・ユーザーである株式会社リクルート(以下「リクルート」という。)ではなく、システム全体の開発を請け負ったのでもない点において、直接契約要件、全体システム要件も欠いている。更に、売買系第1契約については、対価の額が5000万円未満である点において、対価要件も欠くものである。 (イ) 賃貸 を請け負ったのでもない点において、直接契約要件、全体システム要件も欠いている。更に、売買系第1契約については、対価の額が5000万円未満である点において、対価要件も欠くものである。 (イ) 賃貸系開発及びシステムメンテナンスについて上記作業は、売買系契約とは別個の契約(以下「賃貸系契約」という。)に基づいて行われたものであり、両者を一体のものとして評価することはできず、しかも、運用の準備及び保守はリクルートコンピュータプリントが行っている。また、その対価の額は、2600万円にとどまる。 そうすると、上記作業については、SI要件、直接契約要件、対価要件、全体システム要件を満たさないことは明らかである。 ク)日本電気経営情報システム関係日本電気経営情報システムとの契約は、62の個別契約に分かれている(乙25の1ないし62)が、これらは、日本電気経営情報システムが、ユーザーである日本電気株式会社(以下「日本電気」という。)から受注したシステム開発業務の一部を原告に再委託したものにすぎないから、エンド・ユーザーとの直接契約ではない点において直接契約要件を欠き、また、SI業務に係るすべての役務を提供しているわけではない点においてSI要件を欠くものである。更に、平成4年10月1日付け注文書兼受取書(乙25の49)に係る契約(契約金額は、5261万4000円)を除くその他の契約はすべて契約金額が5000万円未満であるから対価要件を欠くものでもある。 ケ)NTTデータ通信システム関係NTTデータ通信システムの関係で、原告が行った作業は、①海外有価証券情報提供システム用ソフトウェアに関するシステム・エンジニアリング・サービス契約(乙18の1、以下「海外有価証券情報システム第1契約」という。)、②海外有価証券情報システム用のソフトウェアに関する 情報提供システム用ソフトウェアに関するシステム・エンジニアリング・サービス契約(乙18の1、以下「海外有価証券情報システム第1契約」という。)、②海外有価証券情報システム用のソフトウェアに関するプログラム製造請負契約(乙18の2、以下「海外有価証券情報システム第2契約」という。)、③博報堂新情報システムの取引システム開発に関するシステム・エンジニアリング・サービス契約(乙18の3、以下「博報堂新情報システム第1契約」という。)、④博報堂新情報システムの営業・制作用ソフトウェア及び経理支援・移行用ソフトウェアに関するプログラム製造請負契約(乙18の4、以下「博報堂新情報システム第2契約」という。)、⑤NTT中央移動通信(新)システムに関するシステム・エンジニアリング・サービス契約(乙18の5、以下「NTT中央移動通信システム第1契約」という。)、⑥NTT中央移動通信(新)システムに関するプログラム製造請負契約(乙18の6、以下「NTT中央移動通信システム第2契約」という。)に基づく各作業に分けられるので、それぞれについて本件規定の適用対象になるかどうかを判断する必要がある。 (ア) 海外有価証券情報システム第1、第2契約について海外有価証券情報システム第1契約は、NTTデータ通信が、自社の海外有価証券情報提供システムを構築するに当たり、開発要員の不足をカバーするため、原告にシステムエンジニアの派遣を依頼し、原告がこれに応じることを契約したものにすぎず、原告がSI業務を行ったと見る余地は全くないから、SI要件を満たさない。また、契約当初の段階で対価の額を5000万円以上と定めたことも認められないから、対価要件も満たさないものである。 同第2契約は、NTTデータ通信が、海外有価証券情報提供システムの一部について、プログラム作成及び単体 で対価の額を5000万円以上と定めたことも認められないから、対価要件も満たさないものである。 同第2契約は、NTTデータ通信が、海外有価証券情報提供システムの一部について、プログラム作成及び単体テストのみを外注することを定めたものにすぎないから、やはりSI要件を満たすものではなく、また、システムの一部の構築に関与するにすぎない点において、全体システム要件も満たさない。 原告は、「海外有価証券情報システム第1契約の途中で、NTTデータ通信から、海外有価証券情報提供システムのサブシステムであるバッチ処理システムの構築を依頼され、そのシステム設計から保守に至るすべての役務を提供したものであるから、同第1、第2契約は、全体として本件規定の適用対象になる。」という趣旨の主張をしているが、原告が、保守を担当したことを認めることはできない上、そもそも、海外有価証券情報システムは、NTTデータ通信が主体となって構築したものであり、サブシステムのみを請け負っても全体システム要件を満たさないし、原告は、システムエンジニアの派遣元、一部プログラム作成の外注先として関与したのにすぎず、システムインテグレーターとしての機能を果たしたものとは到底いえない。また、原告が指摘する証拠及び事情から、原告が、契約当初から、海外有価証券情報システム第1、第2契約に係る業務のすべてを提供する旨の合意があったと認めることはできない上、仮に両契約を一体のものと評価し得るとしても、一括契約要件を満たさず、原告の主張は失当である。 (イ) 博報堂新情報システム第1、第2契約について博報堂新情報システム第1契約は、NTTデータ通信が、博報堂株式会社(以下「博報堂」という。)から一括受注した情報システムの一部である取引システムの設計作業のため、原告にシステムエンジニアの派遣を依頼し 堂新情報システム第1契約は、NTTデータ通信が、博報堂株式会社(以下「博報堂」という。)から一括受注した情報システムの一部である取引システムの設計作業のため、原告にシステムエンジニアの派遣を依頼し、原告がこれに応じることを契約したものにすぎず、SI要件を満たさないし、契約の相手方がエンド・ユーザーである博報堂ではない点において、直接契約要件も満たさない。また、契約当初の段階において対価の額を5000万円以上と定めたことも認められないから、対価要件も満たさないものである。 同第2契約は、原告が、NTTデータ通信から、上記取引システムに関するプログラムの基本設計、製造、テスト等を請け負うことを内容とするものであるが、システムの運用及び保守はNTTデータ通信が行うこととなっていたのであるから、SI要件を満たさない。また、直接契約要件を満たさないことは第1契約と同様であるし、全システムのうちの一部の構築に当たったにすぎない点において全体契約要件も満たさない。 また、原告が指摘する証拠及び事情から、原告が、契約当初から、博報堂新情報システム第1、第2契約に係る業務のすべてを提供する旨の合意があったと認めることはできない上、仮に両契約を一体のものと評価し得るとしても、一括契約要件を満たしていない。 (ウ) NTT中央移動通信システム第1、第2契約についてNTT中央移動通信システム第1契約は、NTTデータ通信が、NTT移動通信網株式会社(以下「NTT移動通信網」という。)から一括受注した、NTT中央移動通信(新)システムの基本設計、詳細設計、品質管理及び総合試験について、同社が原告に技術支援のためのシステムエンジニア派遣を依頼し、原告がこれに応じたものにすぎず、SI要件を満たさないし、契約の相手方がエンド・ユーザーであるNTT移動通信網ではな び総合試験について、同社が原告に技術支援のためのシステムエンジニア派遣を依頼し、原告がこれに応じたものにすぎず、SI要件を満たさないし、契約の相手方がエンド・ユーザーであるNTT移動通信網ではない点において直接契約要件も満たさない。また、契約当初の段階において対価の額を5000万円以上と定めたことも認められないから、対価要件も満たさないものである。 同第2契約は、NTTデータ通信が、上記システム開発のため、外注先(全部で十数社)の一つとして、原告に対し、プログラムの一部の作成及び総合テストのみを発注したものであるから、SI要件、全体契約要件を満たさない。また、直接契約要件も満たさないことは第1契約の場合と同様である。 また、仮に両契約を一体のものと評価し得るとしても、一括契約要件を満たしていない。 コ)日本移動通信システム関係日本移動通信システムの関係で、原告が行った作業は、原告が、日本移動通信との間で契約を締結した、①料金システム(料金請求・回収)開発(乙21の1、以下、上記作業に係る契約を「料金システム契約」という。)、②料金システムの追加開発等(乙21の2ないし25、以下、上記作業に係る契約を「追加開発契約」という。)に分けられるから、そのそれぞれについて本件規定の適用対象になるかどうかを判断する必要がある。 (ア) 料金システム契約について原告は、日本移動通信が従来使用していた情報システムのバージョンアップ版開発作業の一部を請け負ったのにとどまる。すなわち、上記情報システムは、注文システム、料金システム及び課金システムの3システムから構成されているところ、原告は、そのうち料金システム及び課金システムのバージョンアップ版の開発を請け負ったのみであり、しかも、原告が行った作業は、システムの基本設計から総合テストまでであり テムから構成されているところ、原告は、そのうち料金システム及び課金システムのバージョンアップ版の開発を請け負ったのみであり、しかも、原告が行った作業は、システムの基本設計から総合テストまでであり、保守等は請け負っていない。 以上の点に照らしてみれば、料金システム契約に係る作業については、SI業務のすべてを請け負ったのではない点においてSI要件を欠き、システム全体の開発を請け負ったのではない点において全体システム要件を欠くことになる。更に、その対価の額は4500万円にすぎないから、対価要件も欠くものというべきである。 (イ) 追加開発契約について上記契約は、上記料金システムを実際に運用することによって認められたシステムの機能の不足や不都合な点について、日本移動通信から、個別的に対応を求められ、個別契約に基づき、原告がその対応をしたものにすぎないから、そもそもシステムインテグレーションとは評価し得ないものである。したがって、その作業は、SI要件を欠き、また、対価の額は、いずれも1000万円に満たないものであるから、対価要件も欠くものというべきである。 (ウ) 原告は、「料金システム契約当時から、その後の追加開発作業の発生が予想されたものであるから、料金システム契約と追加開発契約を全体的にみて本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきである。」という趣旨の主張をする。しかしながら、追加開発契約に係る作業は、あくまでも、システム開発が完了した後において、個別的な必要に応じて、個別的な契約に基づいて行われるものなのであるから、書面上、当初契約(料金システム契約)の内容になっていないことはもちろん、実質的にみても、当初契約において、それらの作業が具体的に予定されていたということもできない。したがって、原告の主張は、仮にその予備的主張を前提 金システム契約)の内容になっていないことはもちろん、実質的にみても、当初契約において、それらの作業が具体的に予定されていたということもできない。したがって、原告の主張は、仮にその予備的主張を前提としても、失当というべきである。 2)原告本件各契約は、いずれも本件規定の適用を受けるための要件を満たしており、被告の主張は失当である。その理由は、次のとおりである。 ア)第一証券システムについてまず、被告は、第一証券顧客情報システムについて、業務委託書及び御見積書が二段階に分けて締結されているところから、「一括契約要件」を満たしていないと主張する。しかしながら、このような一括契約要件はそもそも不要であるし(原告の主位的主張)、仮にこれが必要であるとしても、それが契約書上明記されている必要はないものというべきところ(原告の予備的主張)、原告と第一システムセンターとの間において、当初からプログラム作成から保守に至るすべての役務提供が予定されていたことは、契約締結前に作成されたタイムスケジュール(甲3)等からも明らかなのであるから、被告の主張は失当である。また、被告は、システムの運用の準備と保守は第一システムセンターが行ったと主張しているが、システムの運用の準備は原告の方で行っており、契約上、原告に保守義務がある以上、原告が事実上これを行わなかったとしても、本件規定の適用を否定するに足りる事情ではない。更に、対価についてみると、当初の契約において5000万円以上の対価の額が定められている必要はなく、最終的に対価の額が5000万円以上であれば足りることは既に主張したとおりであるところ、顧客情報システム第1契約(4535万円)と同第2契約(815万円)を合わせた対価の額は5000万円以上であるから、対価要件も満たしている。最後に、被告は、契約の相 は既に主張したとおりであるところ、顧客情報システム第1契約(4535万円)と同第2契約(815万円)を合わせた対価の額は5000万円以上であるから、対価要件も満たしている。最後に、被告は、契約の相手方が第一システムセンターであってエンド・ユーザーである第一証券ではないから「直接契約要件」を満たさないと主張するが、直接契約要件はそもそも不要であるし(原告の主位的主張)、仮に必要であるとしても、第一システムセンターは第一証券のシステム子会社であって第一証券と実質的には同一とみられるのであるから、このような場合には直接契約要件を満たすものというべきである(原告の予備的主張)。 以上のとおり、第一証券顧客情報システムは、本件規定の適用要件をすべて満たすものであり、その余のシステム(DIANAシステム、大口投資家開拓、リレーションマーケティング)も、第一証券顧客情報システムに必要な情報収集のためのものであって、その一部を構成するものであるから、第一証券システムは、全体としても本件規定の適用要件を満たすものというべきである。 イ)山九システムについて上記システムは、山九の国内倉庫システムを開発するものであって、当初から、システム設計から保守までのすべてを原告が行うことが予定されていたものである。見積書上は、「倉庫システム(国内システム)分析・設計」(対価の額は2970万円、甲10の1)と「倉庫システムの開発(国内関係)」(対価の額は6800万円、甲10の2)の2段階に分けられているが、甲10の1の見積書の参考資料として、システム開発全体のタイムスケジュールが添付されていることからしても、当初からすべての役務提供が合意されていたことは明らかである。なお、保守については、山九との間の業務委託覚書(乙17の4別添1)9条において、1年間の無償瑕疵修 ールが添付されていることからしても、当初からすべての役務提供が合意されていたことは明らかである。なお、保守については、山九との間の業務委託覚書(乙17の4別添1)9条において、1年間の無償瑕疵修補特約が明示されている。被告は、プログラムの作成はサンキュウ・ダイネットも行い、運用の準備及び保守は山九自身が行ったと主張しているが、サンキュウ・ダイネットが作成したのは別個のシステムのプログラムであり、運用準備及び保守も原告が行い、山九の関与は、システムのユーザーとして必要な範囲での関与にとどまるのであって、原告の役割を否定するに足りるものではなく、被告の主張は誤りである。 また、被告は、上記システムについては、一括契約要件、対価要件を満たさないと主張するが、これらの主張が失当であることは、ア)において主張したとおりである。 なお、山九システム関係では、以上のほかに、「倉庫システム/データ交換及び再構築」(対価の額は756万円、甲10の3)があり、これは、山九システムのアップデートであるから、全体システムの一部として、本件規定の適用対象になるものというべきである。 ウ)太平洋投信システムについて太平洋投信システムは、太平洋投信の設立を意図していた太平洋証券が、太平洋投信の業務のシステム化を図るため、「金融市場感応型の投資信託委託業務」に適した情報処理システム開発を、原告に一括発注したことによって開発が開始されたものである。このシステムの特徴は、変化の早い金融市場の状況に対応できるようにするため、固定的なシステムの開発という手法を採らず、幹になるシステムを開発する一方で、一定期間の間、金融市場の変化に応じたバージョンアップを繰り返すというスパイラル型開発方式を採用することを契約当初から予定していたことにあり、具体的には、太平洋投信の営業 システムを開発する一方で、一定期間の間、金融市場の変化に応じたバージョンアップを繰り返すというスパイラル型開発方式を採用することを契約当初から予定していたことにあり、具体的には、太平洋投信の営業開始までに、フレーム・システム(幹の部分)のシステム開発、実施移行作業と、当初サービス内容に応じた第1次システム・バージョンアップの開発作業を終了させ、その後5年間を目処に、金融市場の変化に応じたシステム・バージョンアップを繰り返すこととしていたものである。 このようなシステム開発の特徴に照らしてみれば、上記フレーム・システム部分とシステム・バージョンアップ部分を併せた全体が、本件規定の適用対象となるかどうかを判断すべきものであって、個々のシステムごとに適用対象になるかどうか判断するのは誤りである。そして、これらのシステム開発費用は、全体で4億1000万円を超えており(甲13の3)、対価要件を満たすものであることは明らかである(なお、被告の主張するような一括契約要件、対価要件が不要であることは、既に主張したとおりであり、この点についての主張は、以下においては省略する。)この観点から考えた場合、②のリバランスシステム、③の変率リバランスシステム、④の累積投資システムは、いずれも上記システムの一部として開発されたものなのであるから、個別的な開発費用が5000万円未満であるからといって、本件規定の適用対象にならないということはできない。 また、①の委託システムメンテナンス作業の具体的内容は、システムの改善、本番運用準備並びに先物業務及びCD・CP業務についてのサブシステムの構築であるところ(甲13の2)、システムの改善は、補修ではなくユーザーの要望に応じたシステムの改良作業であるから、「有償で行う保守」とは異なり、上記システム開発の一部であり、 いてのサブシステムの構築であるところ(甲13の2)、システムの改善は、補修ではなくユーザーの要望に応じたシステムの改良作業であるから、「有償で行う保守」とは異なり、上記システム開発の一部であり、その余の部分も上記システム開発の一部であるから、やはり本件規定の適用対象になるものというべきである。 エ)山一証券システムについて山一証券システムは、原告が山一証券からシステム開発を受注し、システム設計から保守までを行った、①人事情報システム、②TIS-FFシステム(株式、債券、ワラント、転換社債などの取引に関する価格の変動状況、市況等の各種情報を総体的に収集、整理、加工して投資情報を算出し、営業店等に提供するためのシステム)、③グローバルトレーディングシステム(山一証券が、国内の顧客から外国にある証券市場での有価証券の売買を委託された取引について、その受発注状況を記録、整理するとともに、国内取引との連携を図り、顧客との間における決算、清算を内外一体化して行うためのシステム)のバージョンアップ作業であり、それぞれのシステム開発の一環として位置づけられるべきものである。そして、上記①ないし③のシステム開発は、それぞれ全体としてみれば本件規定の適用対象となることが明らかであるから、バージョンアップ作業部分のみを取り出して、本件規定の適用対象とはならないとする被告の主張は失当である。 なお、被告は、山一証券システムは、山一コンピュータから受注したものであるから直接契約要件を満たさないと主張するが、そもそも直接契約要件は不要であるし、仮にこれが必要であるとしても、山一コンピュータは山一証券のシステム子会社であって同社と実質的に同一とみ得るのであるから、いずれにせよ被告の主張は失当である。 また、被告は、③については、原告が山一コンピュータにシステ しても、山一コンピュータは山一証券のシステム子会社であって同社と実質的に同一とみ得るのであるから、いずれにせよ被告の主張は失当である。 また、被告は、③については、原告が山一コンピュータにシステムエンジニアを派遣したにすぎず、主体的にシステム開発に関わったわけではないとも主張するが、これらも原告がバージョンアップに係るシステム開発を行ったものであって、被告の主張は、誤った前提に立った主張であり、失当である。 オ)群馬銀行システムについて群馬銀行システムは、同銀行の各営業店の新約状況、預金残高等のデータを収集・蓄積し、その蓄積データを各営業店に提供できるようにすることを目的としたシステムであり、原告が、同銀行からそのシステム構築の一切を請け負ったものである。 同システムの開発に当たっては、基幹となるシステムの開発(被告が主張する①の情報系基盤整備第一次開発)と、ATM休日稼働等を目的とするシステム機能の追加、変更(被告が主張する②の情報系基盤整備のシステムメンテナンス及び休日稼働対応)、その他のシステム機能の追加、変更、障害対応に関する技術指導(被告が主張する③の情報系基盤整備のシステムメンテナンス)に関する契約が締結され、更に、基幹システムの開発については、システム開発とプログラム作成の2段階の契約が締結されている。しかしながら、基幹システムの開発は、当初から、原告が一貫して行うことが予定されていたものであり(このことは、群馬銀行がシステム構築作業開始前の平成元年9月8日に作成した「基盤整備第一次開発要員スケジュール」(甲14の5)においても、そのことが前提とされていたことからも明らかである。)、また、その後に行われたシステム機能の追加、変更等も、当初契約締結当時から予想されていた作業なのであるから、これら全体が本件規定の適用 いても、そのことが前提とされていたことからも明らかである。)、また、その後に行われたシステム機能の追加、変更等も、当初契約締結当時から予想されていた作業なのであるから、これら全体が本件規定の適用対象になるかどうかという観点から判断がされるべきものである。 この観点からみた場合、これら全体の作業は、システム設計から保守に至るすべての役務を提供するものであり(群馬銀行の担当者に不具合への対処についての技術指導を行っていることは、この点を否定するものではない。)、また、その対価の額も5000万円を優に超えることになり、かつ、契約書上、1年の無償瑕疵修補条項も設けられていた(乙22の2ないし4の第4条)のであるから、本件規定の適用対象となることは明らかである。 カ)東海銀行システムについて東海銀行は、昭和61年、自社のオンラインシステム(第二次オンラインシステム)を再構築し、第三次オンラインシステムを構築することを決定した。原告は、東海銀行から、この第三次オンラインシステムのサブシステムである情報系システムの構築を依頼され、昭和61年3月31日付けの基本契約書(甲12の4)によって、その旨の契約を締結したもので、その当時から、原告が情報系システムに係るシステム設計から保守に至るすべての役務を提供することが合意されていたものである。本件で問題とされている契約のうち、データ蓄積システムSE契約と主要取引先システム等契約は、情報系システムのサブシステムであるデータ蓄積システム開発に関する個別契約であり、営業店情報システムSE契約とCCRシステム等契約は、同じく情報系システムのサブシステムである営業店情報システム開発に関する個別契約である。以上のとおり、上記各契約に基づいて行われた作業は、いずれも情報系システム開発に関する契約に基づいて行われたも 、同じく情報系システムのサブシステムである営業店情報システム開発に関する個別契約である。以上のとおり、上記各契約に基づいて行われた作業は、いずれも情報系システム開発に関する契約に基づいて行われたものなのであるから、全体として、本件規定の適用対象となるものかどうかを判断すべきものである。 この観点から考えた場合、情報系システムは、東海銀行第三次オンラインシステムのサブシステムではあるものの独立した情報システムであり、これについては原告がシステム設計から保守に至るすべての役務を提供し、かつ、対価の額は5000万円を遙かに上回るのであるから、本件規定の適用対象となることは明らかである。 被告は、①これらの契約は、一体の契約書によって締結されたものではないのであるから、一括契約要件を満たさない、②サブシステムの開発にすぎないから全体システム要件を満たさない、③SE作業に係る契約は、東海銀行や東海バンキングソフトウェアの作業を支援したのにすぎないからシステムインテグレーションとはいえない、④システム開発には、東海銀行や東海バンキングソフトウェアも関与していたのであるから、原告が単独でシステム開発を行ったとはいえず、この点からもSI要件を満たさないといった主張をする。しかしながら、①、②の主張が失当であることは既に再三主張したとおりである。また、③については、長期間にわたるシステム開発について、毎月一定額の対価の支払を行うことが原告にとっても東海銀行にとっても都合がよかったため、SE作業の名目で対価の一部の支払が行われたのにすぎず、④の東海銀行や東海バンキングソフトウェアの関与は、システム開発に当たり必要とされるユーザーとしての関与又は原告の指示の下における補助的作業の域を出るものではなかったのであるから、これらの事情も、原告がシステムインテ ンキングソフトウェアの関与は、システム開発に当たり必要とされるユーザーとしての関与又は原告の指示の下における補助的作業の域を出るものではなかったのであるから、これらの事情も、原告がシステムインテグレーション作業を行ったことを否定するに足りる事情ではないのであって、被告の主張はいずれも失当である。 キ)リクルートコンピュータプリントシステムについてリクルートコンピュータプリントシステムは、原告が、リクルートコンピュータプリントから物件データベースの再構築作業について相談を受けたことがきっかけとなってシステム構築作業を請け負うこととなり、売買系第1契約、同第2契約及び賃貸系開発及びシステムメンテナンス契約を締結したものであり、これらは、その性質上一体として考え得るものであるし、原告とリクルートコンピュータプリントとの間においても、当初から、これらの作業すべてを原告が行うことが予定されていたものであるから、これらの契約全体が本件規定の適用対象となるかどうかを判断すべきものである。 被告は、①システム分析、運用及び保守をリクルートコンピュータプリントが行っているから、原告がすべての役務を提供したことにはならないからSI要件を欠く、②契約の相手方がエンド・ユーザーであるリクルートではないから、直接契約要件を欠く、③リクルートコンピュータプリントの意向は、「システム分析の結果が良好であれば、その後の開発も原告に任せる」というところにあったから、一括契約要件を満たさないといった主張をしている。しかしながら、原告は、システム分析から保守に至るすべての役務を提供しており、リクルートコンピュータプリントの関与は、システム開発に当たって当然に必要となるユーザーとしての関与にとどまるのであるから、これによってSI要件を欠くことにはならず(①について)、 を提供しており、リクルートコンピュータプリントの関与は、システム開発に当たって当然に必要となるユーザーとしての関与にとどまるのであるから、これによってSI要件を欠くことにはならず(①について)、リクルートコンピュータプリントは、リクルートのシステム子会社であってリクルートと同視し得るものなのであるから、直接契約要件を欠くこともなく(②について)、「システム分析の結果が良好であれば、その後の開発も原告に任せる」とのリクルートコンピュータプリントの意向は、当初開発を予定していたシステムが、契約当時のコンピュータ技術によっては実現不可能となる危険もないではなかったため、そのような場合には、契約を白紙に戻して開発を一からやり直すという意味にすぎず、原告が一貫してシステム開発に当たるとの点については、当事者双方とも合意していたのであるから、これによって一括契約要件を欠くことにはならないものというべきである。 ク)日本電気経営情報システムについて原告は、昭和59年7月31日、日本電気経営情報との間で基本契約を締結して以来、その依頼に基づいて、各種の情報処理システムを構築してきた。本件で問題となっているのは、平成2年9月期において開発した資材購買情報管理システムと、平成2年9月期ないし平成4年9月期において開発したNEC営業システムのレベルアップシステムに係るシステム開発契約であって、これらについては、原告が、日本電気経営情報の依頼に基づき、システム分析から保守に至るすべての役務を提供しているものであり、しかも、各システムに関する契約金額は5000万円以上になっているのであるから、本件規定の適用対象となるものである。 ケ)NTTデータ通信システムについて(ア) 海外有価証券情報システム第1、第2契約について海外有価証券情報システムは、NTTデ 以上になっているのであるから、本件規定の適用対象となるものである。 ケ)NTTデータ通信システムについて(ア) 海外有価証券情報システム第1、第2契約について海外有価証券情報システムは、NTTデータ通信が、契約を結んでいる銀行等の金融機関や証券会社に対し、世界の株式、債権等の有価証券等の価格データや銘柄の情報を、24時間のリアルタイムで配信するための巨大システムで、いくつものサブシステムから成り立っている。 原告は、第1契約によって、上記システム構築のための技術支援を行っていたところ、その作業の途中で、株価等のデータを24時間毎に区切ってデータベース化し、契約を結んでいる金融機関等が過去のデータを見ることができるようにするためのバッチ処理システムを開発することが必要であることが判明し、第1契約の一部及び第2契約に基づく作業は、上記バッチ処理システムの開発のために行われた。以上のとおり、海外有価証券システム第1、第2契約の大部分は、上記バッチ処理システム開発を内容とするものであり、それ以前に行われた作業もそのための準備作業といえるものであるから、上記第1、第2契約は、全体として上記バッチ処理システム開発のための契約として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきものである。 この観点から考えた場合、原告は、上記バッチ処理システムの開発、設計、プログラム作成、運用の準備(移行作業及びプログラム説明書の作成)及び試験を行った上で、NTTデータ通信にプログラムを納入し、かつ、基本契約により、瑕疵担保責任すなわち保守責任を負っているのであるから(甲15の1、16条参照)、SI要件を満たしている。また、上記バッチ処理システムは、海外有価証券情報システムのサブシステムではあるものの独立したシステムであるから、本件規定の適用対象となり得るもの 甲15の1、16条参照)、SI要件を満たしている。また、上記バッチ処理システムは、海外有価証券情報システムのサブシステムではあるものの独立したシステムであるから、本件規定の適用対象となり得るものであり(被告が主張する全体システム要件が不要であることは既に主張したとおりである。)、対価要件その他の要件も満たしているのであるから、本件規定の適用対象になるものというべきである。 (イ) 博報堂新情報システム第1、第2契約について博報堂新情報システムは、博報堂が保有する情報を総括的に管理する巨大な情報処理システムであり、NTTデータ通信が、博報堂からその開発を一括受注し、数社のシステム業者に対して、そのサブシステムの開発を発注したものである。原告は、単にシステムエンジニアを派遣したのではなく、NTTデータ通信から、博報堂新情報システムのサブシステムである経理・経営情報システム及び営業・制作システムの開発を受注し、その作業を行ったものであって、その作業に係る契約が博報堂新情報システム第1、第2契約なのであるから、これらの契約が全体として本件規定の対象となるかどうかを判断すべきものである。 この観点から考えた場合、上記経理・経営情報システム及び営業・制作システムは、博報堂新情報システムのサブシステムであるとはいえ、いずれも独立したシステムであり、また、直接契約要件は不要というべきであり、その他の要件はすべて満たしているものであるから、本件規定の適用対象になるものというべきである。 (ウ) NTT中央移動通信システム第1、第2契約についてNTT中央移動通信(新)システムは、NTTデータ通信が、NTT中央移動通信網から一括受注した、同社の携帯電話の登録開設から料金の請求書の発行等を行う巨大システムである。原告は、単なる技術支援にとどまらず、NTT 通信(新)システムは、NTTデータ通信が、NTT中央移動通信網から一括受注した、同社の携帯電話の登録開設から料金の請求書の発行等を行う巨大システムである。原告は、単なる技術支援にとどまらず、NTTデータ通信から、上記システムのうち、電話料を滞納した顧客の携帯電話の使用を不可能にしたり、可能にしたりする機能を有するサブシステムの開発を受注し、基本設計から総合テストまでの作業を行ったものであり、また、基本契約によって1年間の瑕疵担保責任すなわち保守責任を負った上、システム完成後は、原告の担当者を常駐させて、実際の保守にも当たっている。NTT中央移動通信システム第1、第2契約は、これらの作業に関する契約なのであるから、それが全体として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきものである。 この観点から考えた場合、上記滞納顧客に係るシステムは、NTT中央移動通信(新)システムのサブシステムであるとはいえ、独立したシステムであり、直接契約要件は不要であり、その他の要件はすべて満たしているのであるから、本件規定の適用対象になるものというべきである。 コ)日本移動通信システムについて日本移動通信システムは、同社の顧客の登録から料金回収までの業務を司る情報システムを保有している。そのシステムは、注文システム、料金システム及び課金システムという3つのサブシステムから成っており、そのうち料金システムと課金システムを併せたものが「料金システム」と呼ばれている。原告は、料金システム契約において、料金システムと課金システムを併せた意味での料金システムについて、その設計から保守までを請け負ったものである。また、追加開発契約は、料金システム契約締結当時において、具体的にその内容や対価の額が確定されていたものではないが、システム開発においては、その作業が進むに の設計から保守までを請け負ったものである。また、追加開発契約は、料金システム契約締結当時において、具体的にその内容や対価の額が確定されていたものではないが、システム開発においては、その作業が進むにつれて、不具合や改良すべき点等が発見され、それに対応した追加システム開発が必要となるのが通例であり、このような追加システム開発は、当初のシステム開発を担当し、その内容を熟知したシステム業者が担当することになるのが当然なのであるから、このような追加開発契約も、当初契約に当然付随するものというべきである。また、本件においては、膨大な料金未納者の発生という問題に対処するため、まず必要最小限のシステムを稼働させ、更にその後数か月単位で順次追加システムを提供するとの合意が当初からされていたのであり、現に追加開発契約に係る業務は、当初契約である料金システム契約に係る作業が完了した後1年内に行われているものであり、このような時期的な接着性からみても、料金システム契約と追加開発契約とは一体のものとして判断されるべきものである。 以上のとおり、料金システム契約及び追加開発契約に係る作業は一体のものとして評価されるべきものであるところ、料金システムは、日本移動通信システムのサブシステムであるとはいえ、独立したシステムであり、かつ、その対価の額は、合計すれば5000万円を優に超えるものなのであるから、本件規定の適用対象になるものというべきである。 第4 争点に対する判断 1 本件規定の解釈について前示のとおり、本件規定及びこれに基づく施行令の規定(以下、これらを併せて「本件規定等」という。)の解釈として、被告は、システムインテグレーションの特質や、本件規定の立法趣旨等に照らすと、本件規定が適用されるためには、a)その適用を受けようとする者が、SIサービス業を営 「本件規定等」という。)の解釈として、被告は、システムインテグレーションの特質や、本件規定の立法趣旨等に照らすと、本件規定が適用されるためには、a)その適用を受けようとする者が、SIサービス業を営む青色申告法人であって通商産業大臣の認定を受けたものであること(法人要件)、b)要求定義が終了するまでの段階で、開発しようとする情報処理システムの内容が具体化され、そのシステムについて、SIサービスに係るすべての役務を提供する旨と、その対価として5000万円以上の額(ただし、有償保守の対価の額を除く)を支払う旨が合意され、かつ、これらの合意が書面によって明示されていること(被告が主張するSI要件、一括契約要件、対価要件)、c)書面による1年以上の無償補修特約が存在すること(被告が主張する無償補修特約要件)、d)当該契約が、エンド・ユーザーとの間で締結されていること(被告が主張する直接契約要件)、e)エンド・ユーザーが開発しようとしているシステム全体について、SIサービスを提供する旨の合意がされていること(被告が主張する全体契約要件)、が必要であると主張している。これらa)ないしe)の要件のうち、a)及びc)の要件は、本件規定等の文言からも当然に要求されるものであり、当事者間においても、その意義について特段の争いはない(なお、a)の要件については、原告がこれを満たしていることについても当事者間に争いはない。)。しかしながら、残るb)、d)、e)の各要件については、原告がこれを争っているので、まず、これらの要件が必要であるかどうかについて検討する。 1)SI要件、一括契約要件、対価要件(上記b)の要件)についてア)システムインテグレーションの概念について証拠(甲20、乙2、26、28)によれば、次の事実が認められる。 (ア) システムインテ 1)SI要件、一括契約要件、対価要件(上記b)の要件)についてア)システムインテグレーションの概念について証拠(甲20、乙2、26、28)によれば、次の事実が認められる。 (ア) システムインテグレーションは、昭和50年代にアメリカで発生した概念であり、昭和60年代にこれが日本にも導入されるに至った。システムインテグレーション概念が導入される以前の情報処理システム開発は、いわばユーザー主導で行われるものであって、ユーザーは、情報システム開発の諸段階、すなわち、システム分析、システム設計、導入すべきコンピュータ機器の決定、プログラム作成、要員教育、テスト、移行、保守(メンテナンス)のすべての段階に主導的に関与し、ある部分は自ら作業を行い、他の部分については、プログラム作成をシステム業者に委託する等他の業者を下請的に使ってシステム開発を行っていた。しかしながら、このようなシステム開発では、ユーザーに多大な労力や専門的知識が要求され、重い負担となる一方、プログラム作成等に関与するシステム業者としても、上記のようなユーザー主導型のシステム開発の下では、その地位がユーザーの下請的地位にとどまることとなっていたため、そのような下請的地位から脱却したいという要望が強くなっていた。 そのような中で発生したのがシステムインテグレーション概念であり、これは、システム業者が、その専門的な知識や技術を活用して、情報処理システム開発において従前ユーザーの役割とされていた統合機能(インテグレーション機能)を担うこと、すなわち、ユーザーの要求内容を的確に把握し、これに基づいて基本設計、プログラム作成、運用準備、保守等のサービスを一貫して行うことを意味するものであって、建設業でいえば、「ゼネコン」が提供するサービスを提供しようというものであった。 (イ) このよ づいて基本設計、プログラム作成、運用準備、保守等のサービスを一貫して行うことを意味するものであって、建設業でいえば、「ゼネコン」が提供するサービスを提供しようというものであった。 (イ) このように、システムインテグレーションは、システム業者が、ユーザーのために、システム開発に係る基本設計、プログラム作成、運用準備、保守等のサービスを一貫して提供するものであるが、ユーザーとシステム業者との間の契約形態としては、①一括契約、すなわち、当初から、上記の各役務のすべてを提供する旨の具体的な契約を締結する形態、②まず基本契約を締結しておき、具体的な作業については、各工程ごとに個別契約を締結する形態、③基本契約を締結せずに個別契約だけを締結する形態等が存在した。そして、システムインテグレーション概念が成立した当時のアメリカ合衆国においては、上記①の一括契約形態が主流を占めていたが、このような契約形態には、契約当初の費用見込みと実際に要した費用とに乖離が生じる可能性が少なくなく、その場合、ユーザー又はシステム業者の一方に多大な損失が生じるおそれがあること(実際に要した費用が見込みを大幅に上回ればシステム業者に損失が生じ、逆に大幅に下回れば、本来必要のない対価を支払ったという意味において、ユーザー側に損失が生じることになる。)、契約当初においてシステム開発の具体的内容を確定してしまうため、システム開発の途中でより優れたハードウェアやソフトウェアが開発された場合であっても、それを柔軟に取り入れることが難しく、また、システム開発の途中で明らかになった当初計画の問題点や改良点等に対する対応にも困難が生じるなど、システム開発が硬直化するおそれがあることなどの問題点が存在するため、①の形態のシステムインテグレーション契約は、次第に行われなくなり、②、③の形 問題点や改良点等に対する対応にも困難が生じるなど、システム開発が硬直化するおそれがあることなどの問題点が存在するため、①の形態のシステムインテグレーション契約は、次第に行われなくなり、②、③の形態のシステムインテグレーション契約が一般的なものとなりつつある。他方、課税庁は、本件と同様に本件規定の適用には、一括契約であることを要求しているため、業者としても本件規定の適用を求めないのが一般化している。 (ウ) 上記のとおり、システムインテグレーション概念は、昭和60年代に日本にも導入されたのであるが、その後、業界の地位確立を願う情報処理システム業界の要望を背景として、システムインテグレーターを育成し、情報処理システム業界の地位を向上させようとする通商産業省(当時)が、その政策実現の手段の一つとして導入を図ったのが本件規定に基づくプログラム等準備金の損金算入制度であり、その結果、昭和63年の租税特別措置法改正(昭和63年法律第4号)によって、本件規定が導入されるに至った。そして、本件規定の導入を推進した通商産業省機械情報産業局は、「システムインテグレーション登録・認定制度と税制の概要」と題する説明文書(乙26)において、本件規定導入の趣旨を、次のとおり説明している。すなわち、「システムインテグレーションサービスにおいては、ユーザーとの間で、一定期間の無償補修条項が設けられるのが一般的であるところ、システムインテグレーターは、システムの高度化、複雑化を反映して、ユーザーへの納入後に発見される瑕疵が多いため、多額の保守費用の負担を強いられており、このため、各企業は、補修費用の発生状況の経験則に基づき、有税で保守準備金を積み立てているが、システムの規模が大きくなるほど発生する保守費用も増え、そのための準備金の積立率は大きくなる傾向があるので、こ ため、各企業は、補修費用の発生状況の経験則に基づき、有税で保守準備金を積み立てているが、システムの規模が大きくなるほど発生する保守費用も増え、そのための準備金の積立率は大きくなる傾向があるので、このような現状を踏まえ、各企業が抱える無償補修に伴うリスクを軽減するために、無償補修に備えた準備金積立に係る税制上の特別措置を設ける必要があるので、本税制は、システムインテグレーションサービスの売上のうちの一定割合を保守準備金として積み立てることを認め、無償保守に係るシステムインテグレーターの負担を軽減するとともに、着実な保守作業の遂行を可能とし、ユーザー保護にも資することを目的とするものである。」というのである。 イ)SI要件及び一括契約要件の要否について以上のとおり、システムインテグレーションとは、情報処理システムの構築に当たり、システム設計から保守に至るすべての役務を提供し、ユーザーに代わって統合的な機能を果たすことにあり、また、本件規定の文言上も、これらの役務のすべてを提供することが必要とされているのであるから、本件規定の適用を受けるためには、上記の各役務のすべてを提供する旨の契約をすること、すなわち被告主張のSI要件を満たすことが必要となることは明らかである。 被告は、このSI要件に加え、「契約締結当初の段階、すなわち、遅くとも要求定義が終了するまでの段階で、システムインテグレーションを行うべき業務の内容が具体化され、それについて、システム設計から保守に至るすべての役務を提供すべきことが合意され、かつ、それが契約書上明確化されている必要がある。」という趣旨の主張をする(被告主張の一括契約要件)。そこで検討するに、本件規定は、あくまでもシステムインテグレーション業務を対象とするものであり、システムインテグレーションとは、ユーザーに代 る。」という趣旨の主張をする(被告主張の一括契約要件)。そこで検討するに、本件規定は、あくまでもシステムインテグレーション業務を対象とするものであり、システムインテグレーションとは、ユーザーに代わって上記のような各役務のすべてを提供する業務なのであるから、システムインテグレーションに係る契約を締結するとは、情報処理システムの開発について、上記の各役務のすべてを提供する契約を締結することにほかならない。したがって、契約当初の段階において、特定の情報処理システムの開発に当たり、上記の各役務のすべてを提供する旨の合意がされている必要があるものというべきであり、被告の主張は、その限度では正当なものであると解される。しかしながら、本件規定等の文言から導き出される要件は、以上の限度にとどまるのであって、それ以上に、開発すべきシステムの内容が具体化されていることや、業務の内容(具体化されたシステムについて、上記のすべての役務を提供すべきこと)が契約書上明確化されていることまでは要求されないものといわざるを得ない。 この点につき、被告は、「本件規定導入の際想定されていたシステムインテグレーションは、被告が主張するような意味での一括契約形態によるシステムインテグレーションであり、このような契約は、情報処理システム業者にとってリスクの高いものであるところから、そのようなリスクに対応するためにも本件規定が導入されたのである。」という趣旨の主張をするところ、証拠(乙26、28)によれば、本件規定等が制定された当時において想定されていたシステムインテグレーション契約は、被告主張の一括契約形態によるものであったことは事実であると認められる。しかしながら、ここで問題になるのは、あくまでも本件規定等の解釈なのであるから、立法当時想定されていた契約形態が一括契約形 約は、被告主張の一括契約形態によるものであったことは事実であると認められる。しかしながら、ここで問題になるのは、あくまでも本件規定等の解釈なのであるから、立法当時想定されていた契約形態が一括契約形態であったからといって直ちにそれが法令上の要件になっているということはできず、本件規定等の文言等に基づく合理的な解釈として、そのような要件が必要であると解することができることを要するものというべきである。この観点から考えた場合、システムインテグレーションに係る契約には様々な形態のものがあり得ることは、ア)、(イ)において認定したとおりなのであるから、システムインテグレーション契約の本質として、被告主張の一括契約要件が要求されるということはできない。むしろ、一括契約形態は、業者又はユーザーのいずれかに多額のリスクを発生させるおそれのある点において安定的な契約形態とはいい難く、そのために次第に用いられなくなったのは自然な成り行きと考えられるのであって、当初このような形態が多く用いられていたのは、未だ未成熟な取引にありがちな過渡的な現象というべきであって、この点に固執することは、当該取引の本質を見誤るものというほかない。 また、本件規定等は、「SIサービスに係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後において当該法人が自己の負担により無償で行う補修に要する費用の支出に備えるため」に積み立てた準備金の損金算入を認めているのであって、一括契約に伴うリスクに対応するという点については何ら触れられていない上に、本件規定の導入を推進した通商産業省機械情報産業局の説明文書(乙26)においてさえも、一括契約に伴うリスクの軽減については言及されていないのであるから、本件規定に、一括契約に伴うリスクの軽減という趣旨も含まれているとの解釈を導き出すことは到底無理であ 文書(乙26)においてさえも、一括契約に伴うリスクの軽減については言及されていないのであるから、本件規定に、一括契約に伴うリスクの軽減という趣旨も含まれているとの解釈を導き出すことは到底無理であるといわざるを得ない。 更に、本件規定等の文言上、SI業務に係る「すべて」の役務を提供することが要求されているとはいえ、それを「一括して」、具体的に契約すべきことまでが定められているわけではなく、契約書上明確な定めが存在することも要求されてはいないことなどからすれば、本件規定等の文言上も、被告が主張するような一括契約要件が要求されていると解することは困難である。なお、租特法施行令は、前記のとおり、プログラム等準備金積立ての要件として、SIサービスに係る情報処理システムの欠陥につき「その引渡し後1年以上の間無償で補修すべき旨の定めのある契約(書面によるものに限る。)に基づくもの」と規定しており、この規定の文言のみからすると、SIサービス全体についての契約書が存在することを前提として、その一条項として無償補修特約の存在を要求している趣旨と解せないでもない。しかしながら、仮にそのように解することができたとしても、契約書作成の時期やその内容について何らの定めもない以上、この規定のみから被告が主張するような厳格な契約の成立が要求されているとは到底解し得ない。そればかりか、課税庁においても、この規定にいう契約には、無償補修特約の記載された覚書又は保証書を含むとしており(租税特別措置法基本通達56の5-4)、これらの書面には当該特約のみが記載され、しかもシステムが完成して引き渡される時期に取り交わされることも珍しくないものと考えられることからすると、この規定が上記のような一括契約要件を前提とするものとは考えられないことが明らかである。以上の検討からすると 完成して引き渡される時期に取り交わされることも珍しくないものと考えられることからすると、この規定が上記のような一括契約要件を前提とするものとは考えられないことが明らかである。以上の検討からすると、被告の主張は、法令の文言を離れた要件を付け加えるものであって、租税法規の厳格解釈の要請にも反するものといわざるを得ず、採用できない。 したがって、本件規定が適用されるためには、契約当初の段階において、システム業者が、特定のシステム開発につき、SI業務に係るすべての役務を提供する旨を合意する必要があるが、この合意は一般の契約と同様に明示のものに限らず、黙示のものを含むと考えられるから、この要件を満たしているといえるためには、契約書や当事者間で取り交わされた各種文書、業務遂行の実態等に照らし、当事者間において、SI業務に係るすべての役務を提供する旨の黙示の合意がされていたと認められれば足りるのであって、それが当初契約書上明示されていることは必ずしも必要ではないものというべきである。また、システム業者が提供した役務がどの範囲で本件規定の適用対象になるかを判断するに当たっても、当初締結された契約書にその業務が記載されていたかどうかのみを基準に判断する必要はなく、上記の各事情に照らし、当初契約の範囲に含まれていた業務はどの範囲のものであったのかという観点から検討すれば足りるものというべきである。 ウ)対価要件について本件規定の適用対象となる契約は、その対価の額(ただし、有償保守の対価の額を除く。)が5000万円以上であることを要することは前示のとおりであるが、被告は、これに加え、対価の額が当初契約の契約書において確定されていることを要する(被告の主張する対価要件)という趣旨の主張をする。しかしながら、このような要件は、本件規定等の文言には現れていない 被告は、これに加え、対価の額が当初契約の契約書において確定されていることを要する(被告の主張する対価要件)という趣旨の主張をする。しかしながら、このような要件は、本件規定等の文言には現れていないものであるし、システムインテグレーション契約の特質や、本件規定等の合理的解釈に基づいて、そのような解釈が必要になるともいえないことはイ)において説示したとおりであるから、この点に関する被告の主張も失当であるといわざるを得ない。したがって、システムインテグレーション契約の対価が5000万円以上であると認められるかどうかは、当初契約に基づいて行われたと認められる業務の対価の総額が5000万円以上になるかどうかという観点から判断すれば足りるものというべきである。 なお、このような解釈に立つと、例えば、2年度以上にわたるシステムインテグレーションにおいて、初年度の対価の額が5000万円未満と定められた場合には、それが本件規定の適用対象となるかどうかを判断することができなくなるという批判が考えられないでもない。しかしながら、本件規定が適用されるためには、申告時点において、当該契約が本件規定の適用対象になるものと認められることが必要であると解されることからすれば、初年度において5000万円未満の対価の額のみが定められ、黙示的にせよ2年度以降の対価の額が何ら定められていない場合には、本件規定は適用されないものというべきであり、このような解釈によれば、上記の点は、課税実務に重大な問題を生じさせるものではないと解される(この結果、例えば、初年度の対価の額は3000万円であり、2年度の対価の額が、2年度目になって2000万円と定められ、その総額が5000万円に達したというような場合には、2年度目の2000万円のみが本件規定の適用対象になるということとなるが、そ であり、2年度の対価の額が、2年度目になって2000万円と定められ、その総額が5000万円に達したというような場合には、2年度目の2000万円のみが本件規定の適用対象になるということとなるが、それはシステム業者が、そのような対価の定め方をしたことによるものであって、自ら甘受せざるを得ない結果であるというべきである。)。 2)直接契約要件(上記d)の要件)について被告は、本件規定が適用されるためには、システム業者とエンド・ユーザーとの間で直接システムインテグレーションに係る契約を締結することを要すると主張する(直接契約要件)。この点も本件規定等に明示的に規定されている要件ではないが、被告は、「システムインテグレーションというものが、もともと、システム業者が、その専門的知識や技術を活用し、エンド・ユーザーの要望を的確に把握し、エンド・ユーザーに代わって統合的機能を果たすものであることを考慮すると、エンド・ユーザーの要望に直接対応しながら情報処理システム開発を行う業務こそがシステムインテグレーションの本質的な内容であると解されるのであり、そうであるとすれば、システムインテグレーションであると認められるためには、エンド・ユーザーと直接契約をして業務に当たることを要し、エンド・ユーザーと契約をしたシステム業者からの下請等として、情報処理システムの開発に当たったとしても、それはシステムインテグレーションということはできない。」と主張しているものと解される。しかしながら、例えば、エンド・ユーザーがシステム子会社を設立し、形式的には、エンド・ユーザー、そのシステム子会社、システム業者の順序で情報処理システム開発に関する契約を締結しているが、そのシステム子会社は、エンド・ユーザーの要望等をシステム業者に伝える等の機能を果たしているにすぎず、実質的に システム子会社、システム業者の順序で情報処理システム開発に関する契約を締結しているが、そのシステム子会社は、エンド・ユーザーの要望等をシステム業者に伝える等の機能を果たしているにすぎず、実質的には、システム業者が、エンド・ユーザーの要望に対応して情報処理システムの開発に当たっていると評価できる場合や、エンド・ユーザーからシステム開発を受注したシステム業者が、そのシステムの開発を別のシステム業者に丸投げし、実質的には、その別のシステム業者がユーザーの要望に対応してシステム開発に当たっているような場合等においては、ユーザーに代わって統合的機能を果たしているのは、実際にシステム開発に当たったシステム業者であったといえるのであるから、このような場合にまで、形式的に直接契約要件を欠くことを理由として本件規定の適用を否定するのは相当ではないというべきである。そうすると、システムインテグレーションが、情報処理システムの開発に当たり、システム業者がユーザーに代わって統合的機能を果たすことを本質とするものであることは、被告が主張するとおりであるとしても、当該システム業者がシステムインテグレーターとしての統合的機能を果たしているかどうかは、SI要件充足性の判断の一環として、実質的に検討すれば足りるのであって、法律上の根拠がないにもかかわらず、直接契約要件という形式的な要件を付け加えることは許されないものというべきである。 なお、原告は、①無償補修の負担を負うという点においては、エンド・ユーザーと直接契約した業者も、その業者からシステム開発(の全部又は一部)を請け負った業者も異なるところはないのであるから、直接契約要件を要求することは不当である、②租特法施行令31条の14第8項2号の規定は、本件規定が、直接契約要件を満たさない場合であっても適用されるこ け負った業者も異なるところはないのであるから、直接契約要件を要求することは不当である、②租特法施行令31条の14第8項2号の規定は、本件規定が、直接契約要件を満たさない場合であっても適用されることを前提としたものであるなどとして、直接契約要件は不要であると主張しているところ、この主張は、上記の検討結果とは異なり、被告が主張する直接契約要件が不要であることはもちろんのこと、システム業者がシステムインテグレーターとしての機能を果たしていない場合であっても、契約の相手方に対して無償補修義務を負う限り、本件規定の適用が認められるべきであるという趣旨にも解される。しかしながら、本件規定が適用されるかどうかを判断するに当たっては、その対象となる業務がシステムインテグレーションに当たるものであるかどうかを判断する必要があり、単に無償補修の負担を負うかどうかという観点のみからこれを判断すべきものではないのであるから、上記①の主張は失当である。また、租特法施行令31条の14第8項2号は、システムインテグレーションサービスの係る業務の全部又は一部を他の者に委託している場合における当該委託に要した費用の額の2分の1に相当する金額は、プログラム等準備金の積立対象額から除外する旨を定めているところ、その趣旨は、上記のような場合、委託に係るシステムに関する無償補修費用は、最終的には業務の全部又は一部を受託した業者に転嫁されるのが通常であり、システム業者は、その分無償補修の負担を軽減されることになるのであるから、その分についてまでプログラム等準備金の全額積立てを認める必要はないというところにあると解されるのであって、この規定が、上記のような場合、業務の全部又は一部を受託した業者がプログラム等準備金を積み立てることができるということを当然の前提にしたものであると解 要はないというところにあると解されるのであって、この規定が、上記のような場合、業務の全部又は一部を受託した業者がプログラム等準備金を積み立てることができるということを当然の前提にしたものであると解することはできない。したがって、上記②の主張は、その前提を欠き、失当というべきである。以上のとおり、原告の上記主張は、上記の検討結果を左右するものではない。 3)全体システム要件(上記e)の要件)について被告は、本件規定の適用を受けるためには、エンド・ユーザーが開発しようとしているシステム全体について、SIサービスを提供する旨の契約がされていること(全体システム要件)が必要であると主張する。しかしながら、本件規定等においては、「一の情報処理システム」についてSIサービスを提供する旨の契約をすることが要求されているのみであって、それがエンド・ユーザーの開発しようとするシステムの全体であることまで要求されているわけではない。そして、本件規定の対象となるようなある程度大規模なシステムの場合、そのシステムは、幾つかのサブシステムに分けられることが通常であるところ、そのサブシステムも、それ自体として見れば、独立して機能し得るものであって、「一の情報処理システム」と評価し得るものであることが少なくない。もともと、ある情報処理システムが全体システムか、サブシステムかは、例えば、ある会社に人事システムしかなければそれは全体システムであるが、それに経理システムが加えられれば人事システムが全体システムのサブシステムになるというように相対的な問題にすぎないのであって、「全体システム」という絶対的な独立した概念が存在するわけではなく、そのような中で、「全体システム」という要件を観念するとすれば、それは、「その時点において、ユーザーが開発しようとしているシステムの 「全体システム」という絶対的な独立した概念が存在するわけではなく、そのような中で、「全体システム」という要件を観念するとすれば、それは、「その時点において、ユーザーが開発しようとしているシステムの全部」という意味に解するほかはないところ、本件規定等の「一の情報処理システム」という文言をそのような意味に解することができるかどうかは疑問であるといわざるを得ない上に、このような意味での「全体システム」要件が必要であると解すると、ユーザーが開発しようとしているシステムの全部を開発すれば、それがそれほど大きなシステムではなくとも対価要件さえ満たせば本件規定が適用されるのに対し、ユーザーが開発しようとしている大規模「全体システム」の一部であるサブシステムを開発したにすぎない場合には、それがいかに大規模なシステムであっても本件規定が適用されないというアンバランスな結果をもたらすのであって、そのような結果が、本件規定を制定した趣旨に合致するのかどうかも疑問であるといわざるを得ない。 もっとも、ユーザーが開発しようとしているシステムが、幾つかのサブシステムから構成されており、各サブシステムの開発を別々の情報処理システム業者が受注したというような場合には、各サブシステムを併せた全体システムの構想や、各サブシステム間の融合、調整といった作業はユーザー主導の下に行われることになり、各サブシステムを受注したシステム業者は、ユーザーに代わってシステムインテグレーションを行うという統合機能を果たしていないという場合もあり得ることになる。このような場合には、システムインテグレーションが十全な形で行われていないのであるから、サブシステム開発を受注したシステム業者に本件規定の適用を否定すべきことはいうまでもないが、被告の主張は、このような場合に限定することなく、サブシ レーションが十全な形で行われていないのであるから、サブシステム開発を受注したシステム業者に本件規定の適用を否定すべきことはいうまでもないが、被告の主張は、このような場合に限定することなく、サブシステムのみの開発を受注したシステム業者にはおよそ本件規定を適用しないという点で誤っているのである。すなわち、このようなサブシステム開発の受注にとどまる場合であっても、サブシステムの独立性が高く、全体システムの構想や、サブシステム相互の融合や調整がそれほど重要ではない場合もあり得るし、サブシステムの開発を受注したシステム業者が協力してサブシステム相互の融合や調整等をも行っている場合もあり得るのであって、このような場合におけるシステム業者の業務は、システムインテグレーションという評価に値するものということができる。そうだとすると、サブシステムのみの開発を受注したシステム業者についても、端的に、当該システム業者が、システムインテグレーション機能を果たしたかどうかという観点から判断をすれば足り、これは、SI要件充足性の問題の一部として検討すれば足りるのであって、受注したシステムが「全体システム」であるかどうかという独立した形式的要件を設けることは相当ではないものというべきである(なお、本件規定の適用の有無を容易に判断するという観点からすれば、受注したシステムがユーザーが開発しようとしているシステムの全部であるかどうかという形式的な観点から判断する方が相当であるという考慮もあり得るかもしれないが、そうであるとすれば、その趣旨を明確にした規定を設けるべきなのであり、課税上の便宜という観点から、解釈上、法令の文言を離れた要件を付け加えることは許されないものといわざるを得ない。)。 以上によると、システム業者が受注したシステムが、全体システムのうちのサブシ り、課税上の便宜という観点から、解釈上、法令の文言を離れた要件を付け加えることは許されないものといわざるを得ない。)。 以上によると、システム業者が受注したシステムが、全体システムのうちのサブシステムにとどまる場合には、当該業者の業務がシステムインテグレーションには当たらないと評価される場合があり得ることは否定できないものの、被告が主張するような意味での全体システム要件は不要であるといわざるを得ないのであって、この点に関する被告の主張は失当というべきである。 4)まとめ以上によると、被告が主張する各要件のうち、法人要件、SI要件、無償補修要件は必要であるが、一括契約要件、対価要件、直接契約要件、全体システム要件は不要というべきである。もっとも、当初契約においてSI業務に係るすべての役務を提供すべき旨が合意されていることが必要であり、また、システム業者がエンド・ユーザーとの間で直接契約を締結していない場合や、ユーザーが開発しようとしているシステムの一部を受注したのにすぎない場合には、当該システム業者の業務がシステムインテグレーターとしての業務という評価に値するかどうかという観点からの検討も必要となる。更に、当初契約に基づいて提供された役務の対価の総額が5000万円を超えることが必要であることも既に説示したとおりである。 そこで、以下においては、「SI要件」という用語を、当初契約において、システムインテグレーターとして、SI業務に係るすべての役務を提供すべき旨が合意されていることを含めた意味で用いることとし、また、上記のような意味で役務提供の対価が5000万円以上であることを「対価要件」ということとして、問題となっている各契約が、本件規定の適用対象となるかどうかを検討することとする。 2 本件規定適用の可否について1)第一証券システム 対価が5000万円以上であることを「対価要件」ということとして、問題となっている各契約が、本件規定の適用対象となるかどうかを検討することとする。 2 本件規定適用の可否について1)第一証券システムについて証拠(甲2、4-6、乙15の1-3、乙16の1、2)によれば、第一証券システム関係で行われた業務の具体的な内容は、別紙「第一証券システム関係明細表」に記載のとおりであって、①第一証券向け顧客情報システム開発、②DIANAシステム銘柄拡大作業、③大口投資家開拓のための営業推進企画等、④リレーションマーケティングを活用した中堅企業開拓支店実践プログラムに分けられることが認められる。そして、原告は、②ないし④の作業は①の作業の一部をなすものであると主張するが、①の受注に関与した証人P1も、②ないし④のシステムの中身を知らないとして確たる証言を避けており(証人調書75頁)、他にこれらの業務が、一体のシステムを構成するものであることを認めるに足りる証拠は存しないから、以下、そのそれぞれについて、本件規定の適用対象となるかどうかを判断する。 ア)①について証拠(甲1-9、23、乙15の1、2、4、証人P1)によれば、原告は、昭和62年4月1日、第一証券のシステム子会社である第一システムセンターとの間で基本契約書(乙15の4の別添一)を作成し、第一証券のシステム開発に関する業務に関与するようになったこと、そのような中で、第一システムセンターから第一証券の顧客情報システム開発に関する相談を受け、平成元年3月に、「顧客情報システム実施計画書」と題する書面(甲1)を提出して原告のプランを提案し、これに基づく協議が行われた結果、原告が顧客情報システムの開発を一括して請け負うことになったこと、このシステム開発に関する契約は、平成元年12月8日付けの業 (甲1)を提出して原告のプランを提案し、これに基づく協議が行われた結果、原告が顧客情報システムの開発を一括して請け負うことになったこと、このシステム開発に関する契約は、平成元年12月8日付けの業務受託書(甲2、乙15-1)に係る顧客情報システム第1契約と、平成2年6月25日付けの業務受託書(甲4、乙15-2)に係る同第2契約に分かれており、同第1契約においては、平成2年3月末日を納期として、システムの基本設計からテストランまでを行い、同第2契約においては、平成2年6月末日、7月末日を納期として、テストラン、本番移行・稼働、フォローまでの作業を行うことが予定されていたこと(甲6)、ここでいう「フォロー」とは、稼働後の不具合への対応、すなわち保守を意味すること(甲9)、これら顧客情報システム開発に係る業務は、契約当初から、原告が一貫して従事することが予定されていたが、その時点では、テストラン以降の作業にどの程度の手間がかかるかが明らかではなかったため、取り敢えず、テストランまでの作業に関する同第1契約を締結し、その後同第2契約を締結したものであること、このシステム開発についても、上記の基本契約書の条項が適用され、これによれば、原告は1年間の無償補修責任を負うことになること(基本契約書第9条)か認められる。他方、この契約は、エンド・ユーザーである第一証券ではなく、そのシステム子会社である第一システムセンターと原告との間で契約が締結されているものであるが、第一システムセンターの担当者は、本訴提起後に東京国税局の係官に対し、第一証券に係るシステム開発については、必ず第一システムセンターを通して契約を締結することになっており、顧客情報システムの開発に関していえば、原告に一括してこれを発注したものであって、第一システムセンターの役割は、第一証券の ついては、必ず第一システムセンターを通して契約を締結することになっており、顧客情報システムの開発に関していえば、原告に一括してこれを発注したものであって、第一システムセンターの役割は、第一証券のシステムに対する要望を原告に指示したり、原告と協議したりしたことと、運用の準備及び保守を行ったものであるという趣旨の説明をしていることが認められる(乙15の4)。 以上の認定事実に基づいて判断するに、まず、上記顧客情報システムの開発については、契約当初から、原告が一貫してこれに従事することが予定されていたものであったといえるから(このことは、既に認定したとおりであるのみならず、このシステム開発は、原告の「顧客情報システム実施計画書」による提案に基づいてスタートしたものであって、ここでは、原告が、一貫してその開発に当たることが当然の前提になっていたものと解されることや、平成元年12月時点で作成された作業の進捗状況報告書(甲3)においても、本番、すなわちシステムの稼働までの原告の作業日程が策定されていることなどの客観的資料からも裏付けることができる。)、顧客情報第1契約、同第2契約に基づく業務が全体として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきものである。 この観点から考えた場合、原告は、システムの基本設計から本番移行、フォロー(保守)までの役務を提供したものであり、かつ、無償瑕疵修補責任をも負っていることからすれば、SI業務に係るすべての役務を提供したものというべきである。この点に関し、第1システムセンターの担当者は、「システムの運用の準備及び保守は、第1システムセンターが担当した。」という趣旨の説明をしているが、その説明は具体性に欠けるし、これらの業務も原告が行うこととされていたことは上記のとおりであって、第一システムセンターの関与は、 守は、第1システムセンターが担当した。」という趣旨の説明をしているが、その説明は具体性に欠けるし、これらの業務も原告が行うこととされていたことは上記のとおりであって、第一システムセンターの関与は、ユーザー側の関与としてこれらの業務に当たったという趣旨にとどまるものと解することが可能であるから、上記認定を左右するに足りるものではない。そして、顧客情報第1契約、同第2契約に係る対価の額は、合計すれば5350万円となることは、別紙「第一証券システム関係明細表」に記載のとおりであって、以上によれば、原告の業務がSI要件、対価要件を満たすものであることは明らかである。 また、原告は、エンド・ユーザーである第一証券と契約を締結したものではなく、第一システムセンターとの間で契約を締結したものであるが、このような形態が採られたのは、第一証券においては、同社のシステム開発については、すべて第一システムセンターを介して契約を締結するという方針が採用されていたからであり、また、顧客情報システム開発に関する第一システムセンターの関与は、せいぜい「第一証券のシステムに対する要望を、原告に指示したり、原告と協議したりしたこと」にとどまることは前認定のとおりであるところ、第一システムセンターが、これらの際に、第一証券とは別個に独自の考え方に則って原告と交渉していたと認めるに足りる証拠はなく、むしろ、第一システムセンターは、自らシステムインテグレーターとしての役割を果たしたものではなく、法人格こそ独立しているものの、実質的にはユーザーである第一証券の一つの部署又はその使者に準ずる立場でシステム開発に関与したのにとどまるものであったというべきであるから、この点も、原告がシステムインテグレーターとしての役割を担ったことを否定するのに足りる事情ではない。 以上によれば 準ずる立場でシステム開発に関与したのにとどまるものであったというべきであるから、この点も、原告がシステムインテグレーターとしての役割を担ったことを否定するのに足りる事情ではない。 以上によれば、①の業務は、本件規定の適用対象になるものというべきであって、他に以上の認定判断を左右するに足りる証拠は存しない。 イ)②について証拠(乙15の3、4)によれば、②の業務は、第一システムセンターが、第一証券から受注した株価分析システムの対象銘柄を1000銘柄から1500銘柄に拡大する作業の一部であり、原告は、他の情報処理システム業者とともに、第一システムセンターの依頼に応じ、応援要員としてのシステムエンジニアを派遣したのにとどまることが認められ、この認定に反する証拠は存しない。 そうすると、②の業務が、システムインテグレーションに当たるものではないことは明らかであるから、本件規定の適用対象になるものではないというべきである。 ウ)③、④について証拠(乙15の4、乙16の1、2)によれば、これらの業務は、原告が、第一証券と直接契約を締結して行ったものであり、③は、平成元年10月31日付け見積書(乙16の1)上、「大口投資家開拓のための営業推進企画、顧客セグメント探索と営業ツール探索の調査とコンサルティング」と題された業務であり、④は、平成2年6月14日付け見積書(乙16の2)上、「リレーションマーケティングを活用した中堅企業開拓支店実践プログラム」と題された業務であることが認められる。そして、前記のとおり、これらが①のシステムと一体をなすものと認めるに足りる証拠はない上、第一証券が、同社のシステム開発についてはすべて第一システムセンターを解して契約を締結するとの方針を採っていたにもかかわらず、③及び④については、原告と第一証券とが直接に契 るに足りる証拠はない上、第一証券が、同社のシステム開発についてはすべて第一システムセンターを解して契約を締結するとの方針を採っていたにもかかわらず、③及び④については、原告と第一証券とが直接に契約を締結していることからすると、いずれもシステム開発を内容とするものではないのではないかとうかがわれるところであるし、③は、その業務名からしても、SI業務というよりは単なるコンサルティング業務である可能性が高く、また、④は、たとえプログラム作成を内容とするものであったとしても、原告がSI業務全般を担当したかどうかは不明である。 更に、③の業務の対価は980万円、④の業務の対価は1250万円であって、いずれも5000万円には達していない。 そうすると、これらの業務は、いずれもSI要件、対価要件を欠くものであって、本件規定の適用対象となるものではないというべきである。 エ)まとめ以上によれば、第一証券システムについては、上記①に係る契約金額5350万円の限度で本件規定の適用が認められるものというべきである。その申告対象時期は、平成2年9月期である。 2)山九システムについて証拠(甲10の1-7、甲24、乙10、17の1-4、証人P2)によれば、山九システムとして、プログラム等準備金積立ての対象となっているのは、山九の倉庫システム開発業務のうち平成2年1月8日付け見積書(甲10の5、乙17の2)による作業分と、平成2年6月29日付け見積書(甲10の3、乙17の3)による倉庫システム/データ交換及び再構築作業であることが認められるので、これらが本件規定の適用対象になるかどうかを判断する。 ア)倉庫国内システムについて2)項冒頭に掲記の各証拠によれば、原告は、新日鉄株式会社を通じて倉庫システムの再構築作業を計画していた山九を紹介され、打ち合わせの 適用対象になるかどうかを判断する。 ア)倉庫国内システムについて2)項冒頭に掲記の各証拠によれば、原告は、新日鉄株式会社を通じて倉庫システムの再構築作業を計画していた山九を紹介され、打ち合わせの結果、上記再構築作業を受注することとなり、平成元年5月1日、山九との間で業務委託覚書(乙10)に基づく契約を締結したこと、上記作業の具体的内容については、①「貴社倉庫システム(国内システム)分析・設計」の見積書(甲10の1、乙17の1、契約日付けは空欄)によって、平成元年9月末日を納期とし、対価の額を2970万円として、倉庫システムに関する調査、分析、基本計画の見直し及びシステム概要の作成、システム機能の仕様作成を受注し、②「貴社倉庫国内システムの開発、その1」の見積書(甲10の4、平成2年1月8日付け)によって、平成2年3月25日を納期とし、対価の額を3650万円として、上記システムの基本設計(概要設計)及び詳細設計を受注し、③「貴社倉庫国内システムの開発、その2」の見積書(甲10の5、乙17の2、平成2年1月8日付け)によって、納期を平成2年5月25日とし、対価の額を3150万円として、プログラム製造及び単体テストを受注したこと、このように、見積書は3段階に分けて作成されているが(ただし、②、③については、当初これを併せた平成2年1月8日付け見積書(甲10の2)が作成されていたが、山九側の都合により、これが2つに分けられたものである。)、①の見積書において、システムの調査・分析から総合テストに至る全作業スケジュール表が添付されていることからも裏付けられるように、原告が上記システム開発を一貫して行うことは契約当初から合意されており(甲10の7)、上記の各見積書上は明確ではないものの、山九との間では、上記システムの運用の準備や保守についても 付けられるように、原告が上記システム開発を一貫して行うことは契約当初から合意されており(甲10の7)、上記の各見積書上は明確ではないものの、山九との間では、上記システムの運用の準備や保守についても原告が担当することが合意されていたこと(なお、原告が保守責任を負っていたことについては、業務委託覚書(乙10)第9条に1年間の無償補修条項が設けられていることからもうかがわれるところである。)、以上の事実が認められる。 以上の点に関し、乙第17号証の4によれば、山九の担当者は、本訴提起後に東京国税局の係官に対し、「契約を分割したのは、場合によっては山九の関連システム会社であるサンキュウ・ダイネットに業務を引き継がせることも考えていたためであり、実際にもプログラム作成にはサンキュウ・ダイネットが関与している。また、システムの総合テスト、運用の準備、保守は、山九の情報システム部が担当した。」という趣旨の説明をしていたことが認められる。しかしながら、サンキュウ・ダイネットがプログラム作成に関与したとの点については、上記担当者の説明によっても、同社が担当した具体的作業内容は明らかではない上に、上記各見積書やそれに添付された作業スケジュール表等の客観的な資料においても同社がプログラム作成に関与した形跡はみられないことに照らし、その説明内容には疑問があるといわざるを得ず、また、システムの総合テストを山九情報システム部が行ったとの点についても、上記③の見積書上、総合テストは原告が担当すべきものとされていたものと認められ(甲10-5の全体スケジュール予定には、作業項目として総合結合試験・検収が記載されており、その注として、「貴社(山九)における検収テスト立合(原文のまま)については、ご相談に応じさせて頂きます。」と記載されていることからすれば、上記見積書上 目として総合結合試験・検収が記載されており、その注として、「貴社(山九)における検収テスト立合(原文のまま)については、ご相談に応じさせて頂きます。」と記載されていることからすれば、上記見積書上は、原告が総合テストを行った上、最後の検収テストに山九が立ち会うことが予定されていたものと解される。)、この点に関する説明内容にも疑問の点があるといわざるを得ないなど、その説明内容の正確性には疑問がある。また、上記説明は、運用の準備及び保守についても、ユーザーとして当然協力すべきことのほかにいかなることを担当したのかについて具体性を欠いているし、後記イ)のように保守の一環ともいうべき作業を原告に委託していることからすると、山九に保守業務を行うに足りる能力があったか否かにすら疑問が生ずるところである。したがって、乙第17号証の4の記載は、上記認定を覆すに足りるものではないというべきである。そして他に上記認定を左右するに足りる証拠はない。 そこで、以上の認定事実に照らして検討すると、原告は、山九の倉庫国内システムについて、SI業務に係るすべての役務を提供したものであって、そのことは当初契約の段階から予定されていたものということができ、かつ、①ないし③の業務に係る対価の総額は9000万円を超えるものとなるのであるから、SI要件、対価要件を備えているものというべきである。また、書面による1年以上の無償補修特約が存在することも上記認定のとおりであるから、無償補修特約要件も満たしていることになる。したがって、申告の対象となっている、③の業務に係る3150万円は、本件規定の適用対象になるものというべきである。 イ)倉庫システム/データ交換及び再構築作業2)項の冒頭掲記の証拠によれば、この作業は、山九の倉庫国内システムの開発が完了した後に、完成したシステ 、本件規定の適用対象になるものというべきである。 イ)倉庫システム/データ交換及び再構築作業2)項の冒頭掲記の証拠によれば、この作業は、山九の倉庫国内システムの開発が完了した後に、完成したシステムのデータを一部交換するなど改良し、再構築したものであることが認められ、このような作業が、倉庫国内システムの契約当初から予定されたものではなかったことは、原告の担当者自身が自認しているところである(甲10の7)。原告は、この作業も、当初システムのアップデート作業であるから、当初システム開発作業の一貫として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきであるという趣旨の主張をしているが、この作業は、あくまでもシステム開発終了後の個別契約に基づくものであって、それ自体ではSI業務に該当するものとは認め難いし、仮に当初のシステム開発と一体のものと評価し得るとしても、このようなシステム開発終了後のデータ交換作業等は、有償保守作業と区別し難いから、それによる収入を本件規定の適用上、収入金額に算入することは困難である。また、実質的にみても、当初のシステム開発そのものと比べれば、無償補修のリスクは格段に低く、準備金の積立てを認める必要性にも乏しいものといわざるを得ないこと、このようなシステム開発終了後の個別作業を、当初システムのアップデートであるとして本件規定の適用対象とした場合には、当初システムが稼働し、改良作業等が行われている限り、際限なく本件規定の適用が認められるべきこととなり、その結果は相当とはいい難いこと(この点は、当初システムの対価の額が5000万円を超えていた場合にも問題となるが、特に、当初システムの対価の額が4000万円程度であって、その後、数百万円程度の改良作業が繰り返されていった場合には、数年後になって初めてその総額が5000万円を超え、 えていた場合にも問題となるが、特に、当初システムの対価の額が4000万円程度であって、その後、数百万円程度の改良作業が繰り返されていった場合には、数年後になって初めてその総額が5000万円を超え、本件規定の適用対象になるということも生じ得ることになり、このような結果は、本件規定が想定しているものとは到底いい難い。)などに照らし、上記主張を採用することはできない。 したがって、上記作業は本件規定の適用対象になるものではない。 ウ)まとめ以上によれば、山九システムについては、上記ア)に係る契約金額3150万円の限度で本件規定の適用が認められるべきものというべきである。その申告対象時期は、平成2年9月期である。 3)太平洋投信システムについて証拠(甲13の1-3、甲23、乙7、14の1-3、乙19の1-5、証人P1)によれば、原告は、昭和63年1月、太平洋証券から、同社が設立を計画していた関連会社・大平洋投信が使用する情報処理システムである信託財産管理システムの開発を依頼されてこれを受注し、平成元年3月までには基幹となるシステムの開発を完了させたこと、同システム完成後も、太平洋証券(太平洋投信の設立後は、太平洋投信)から、システムのメンテナンスや関連システムの開発等を依頼され、これらの業務を行ってきたこと、原告が、平成2年9月期から平成4年9月期の申告においてプログラム等準備金積立ての対象としたのは、これら基幹システム開発完了後の作業に係るものであって、その具体的な内容は、別紙「太平洋投信システム関係明細表」に記載のとおりであることが認められる。 これらのうち、「太平洋投信システム関係明細表」記載の、情報系システム開発第1次、分析・設計概要(契約金額は3500万円)は、太平洋投信システムとの関係が明らかではなく、むしろ、乙第14号証 る。 これらのうち、「太平洋投信システム関係明細表」記載の、情報系システム開発第1次、分析・設計概要(契約金額は3500万円)は、太平洋投信システムとの関係が明らかではなく、むしろ、乙第14号証の1(原告作成のプログラム等準備金積立対象契約の明細)において、信託財産管理システムとは別個の契約として取り扱われていることからすると、これを信託財産管理システムと一体のものと見ることは困難であるといわざるを得ない。そして、これを独立したシステム開発と見た場合には、契約金額が3500万円にすぎないことから対価要件を満たさないことは明らかであり(「情報系システム開発第1次」とされていることからすると、それに引き続くシステム開発があった可能性もあり得るが、それを原告が行ったことを認めるに足りる証拠は全くない。)、本件規定の対象になるものであるとはいい難い。 そして、その余の業務の内容は、「委託システムメンテナンス」と題する業務が5件、対価の合計2億4492万円であり、その余は、リバランスシステム開発834万円、変率リバランスシステム開発720万円、累積投資システム開発2606万円(ただし、申告に係る契約金額は834万円)であるところ、原告は、「委託システムメンテナンス業務も、その具体的内容は、新規システムの開発や、既存システムの改善・改良業務であって『保守』業務ではなく、リバランスシステム、変率リバランスシステム、累積投資システムの開発と同列のシステム開発業務であると評価されるべきものであるところ、信託財産管理システムは、根幹システムを構築する一方で、新規金融商品が開発されるごとに、それに対応した新たなシステムを開発していくという「スパイラル型」のシステム開発手法を採用したものなのであるから、これらの業務全体がSI業務に当たるものというべきであ 新規金融商品が開発されるごとに、それに対応した新たなシステムを開発していくという「スパイラル型」のシステム開発手法を採用したものなのであるから、これらの業務全体がSI業務に当たるものというべきである。」という趣旨の主張をし、甲第13号証の3、第23号証、証人P1の証言中にも同旨の記載ないし供述部分がある。 しかしながら、信託財産管理システムの開発が、原告のいう「スパイラル型」によって行われたという点についてみると、太平洋投信の担当者は、本訴提起後の東京国税局の担当官に対する説明で、「スパイラル型」開発には言及しておらず、むしろ、上記各業務は、いずれも個別契約に基づくものであるという趣旨の説明をしていた(乙19の5)のみならず、業務委託契約書(乙7)、見積書(甲13の2、乙19の1-4)上も、そのような特殊な開発手法が採用されたことをうかがわせるような記載は全くないのであって、上記主張等は、客観的な証拠の裏付けを欠くものといわざるを得ない(乙第19号証の5別添二の昭和63年3月10日付け「業務受託書」には、「信託財産の基本プログラム設計作業」を6500万円で請け負い、その支払は、60か月の分割で行う旨の記載があり、これは、基本プログラム設計作業を5年間にわたって行うことを前提とするものであって、原告の言う「スパイラル型」開発の合意の存在をうかがわせるものであるといえなくもない。しかしながら、同証拠のみでは、上記請負代金が60か月の分割払いとされた理由は明らかではないし、上記業務委託書に係る作業とその他の作業がどのような関係にあるのか、その他の作業を含めた全体が「スパイラル型」開発作業であるのならば、何故その一部に「システムメンテナンス」という業務名が用いられているのか、「スパイラル型」開発の費用はどのような基準で見積もられ、それがそれ 作業を含めた全体が「スパイラル型」開発作業であるのならば、何故その一部に「システムメンテナンス」という業務名が用いられているのか、「スパイラル型」開発の費用はどのような基準で見積もられ、それがそれぞれの見積書、業務委託書等の対価の額にどのように反映されているのかといった具体的な事情を説明する証拠も全くないのであるから、結局、原告の主張には、客観的、具体的な根拠が欠けているものといわざるを得ないのである。なお、上記業務受託書と甲第13号証の1(原告作成の「状況総合表」と題するシステム開発作業関係の費用明細表)を対比すると、上記業務受託書(伝票番号は、No託J88-052)に係る業務は、甲第13号証の1上、平成元年9月期のプログラム等準備金申告対象とされた「基本設計、詳細設計、プログラム作成、テスト、移行、運用、保守」作業(費用の額は、合計1億1140万円)の一部とされており、本件において申告の対象とされている作業とは異なるものであることが認められるから、仮に上記業務受託書に係る作業がSI業務に当たると認められるとしても、本件の結論を左右するに足りるものではないことを付言しておく。)。したがって、原告の上記主張等をそのまま採用することは困難であり、システム開発終了後の新規システム開発を、当初の業務と一体とみることはできない。 また、「委託システムメンテナンス」業務が、実質的にはシステムの新規開発等のSI業務に当たるという点も、その根拠となる見積書が提出されているのは甲第13号証の2(平成元年10月から平成2年3月までの委託システムメンテナンス業務に係る見積書)のみである上に、同号証によれば、その業務内容には、障害対応やシステム改善等保守業務に当たると評価すべき業務が含まれており、太平洋投信の担当者も、上記業務はメンテナンス(保守)作業で 務に係る見積書)のみである上に、同号証によれば、その業務内容には、障害対応やシステム改善等保守業務に当たると評価すべき業務が含まれており、太平洋投信の担当者も、上記業務はメンテナンス(保守)作業であると説明している(乙19の5)など、原告の主張をそのまま採用するのは困難であるといわざるを得ないのである。 以上の点を踏まえると、「委託システムメンテナンス」業務は、原告が自ら「メンテナンス業務」としていることからしても、有償保守業務であると評価するほかはなく(有償保守業務に係る対価の額がプログラム等準備金の積立対象となるものではないことは既に説示したとおりである。また、それ以外に新規システム開発と評価できるものが存在するとしても、その個々の対価の額が5000万円以上であることを認めるに足りる証拠は存しないのであるから、結局、本件規定の適用要件を欠くものといわざるを得ない。)、その他の業務は、信託財産管理システム開発完了後の新規システム開発事業であって、その対価の額はいずれも5000万円未満であるから対価要件を欠くものというべきである。 以上によれば、太平洋投信システム関係の業務は、すべて本件規定の適用対象となるものではないといわざるを得ない。 4)山一証券システムについて証拠(甲17の3-甲17の24(各枝番を含む。)、乙23の4-19)によれば、山一証券システム関係の作業内容は別紙「山一証券システム関係明細表」に記載のとおりであって、大別すれば、①人事情報システム関係作業、②TIS-FFシステム関係作業、③グローバルトレーディングシステム関係作業に分けられることが認められる。そして、これらの3システムは、いずれも独立したシステムであって、それぞれについて本件規定の適用の有無が検討されるべきものであることは当事者間に争いがないので( 係作業に分けられることが認められる。そして、これらの3システムは、いずれも独立したシステムであって、それぞれについて本件規定の適用の有無が検討されるべきものであることは当事者間に争いがないので(ただし、各システム内では、その作業を全体的に評価すべきか個別的に評価すべきかについては争いがある。)、以下、上記各システムごとに検討する。 ア)人事情報システムについて証拠(甲17の1-4(甲17の2-4については、枝番も含む。以下同じ。)、甲17の34、甲23、乙23の1)によれば、原告は、昭和60年、山一コンピュータから、山一証券向けの人事情報システムの開発を受注し、昭和61年2月までにその開発を完了させたこと、原告は、その後も、「山一証券向け人事情報システム運用保守支援」(甲17の2、3)、「山一証券向け人事情報システム開発運用保守」(甲17の4)といった名目で、継続的に上記人事情報システムに関する業務を受注してきており、本件でプログラム等準備金積立ての対象となっているのは、平成元年10月から平成2年3月まで、及び平成2年4月から平成2年9月までの各業務に関する契約であること、山一コンピュータの担当者は、本訴提起後、東京国税局の担当官に対し、この契約に係る業務の内容は、「人事情報システムの運用保守、すなわち、メンテナンス業務を委託したものであって、具体的には、同システムの運用上の障害への対応、修正、機能の追加等を依頼したものである。」という説明をしており(乙23の1)、原告の担当者であるP1の陳述書(甲17の34)にも同旨の記載があることが認められる。 原告は、「『運用保守支援』又は『開発運用保守』という作業名は山一コンピュータ側の都合で付けられたものであって、その実態は、山一証券における人事制度の変更等に対応した新たなシステムの開 められる。 原告は、「『運用保守支援』又は『開発運用保守』という作業名は山一コンピュータ側の都合で付けられたものであって、その実態は、山一証券における人事制度の変更等に対応した新たなシステムの開発や、既存システムのバージョンアップであって保守ではなく、人事情報システムに係るシステムインテグレーションの一環としてのシステム開発業務に当たるものというべきである。」という趣旨の主張をし、証人P1の供述中にも同旨の部分がある。 しかしながら、証人P1の上記供述部分は、その陳述書(甲17の34)の内容とはニュアンスが異なるものとなっている上に、同証人の供述、陳述書の記載、上記各業務に係る見積書(甲17の3の3、17の4の3)の内容を検討しても、原告が、具体的にどのような新規システムの開発を行ったのかは明らかではなく、かえって、作業名が「運用保守支援」、「運用保守」とされていることは上記のとおりである上に、その対価の額は、毎月の定額方式で定められ、「新規案件発生等により、相当人工に変更が生じる場合は別途御打ち合わせの上、御見積りさせていただきます。」と記載されていること(甲17の3の3)などに照らしてみると、原告が従事した作業は、システムの運用に伴って発生する障害への対応や、開発が完了した情報処理システムを運用していく中で通常行われる範囲でのシステムの改善、改良作業等のシステム保守作業の域を出るものではなかった可能性が高いものといわざるを得ないのであって、原告や証人P1の上記主張ないし供述をそのまま採用することは困難である。そして、有償保守作業の対価はプログラム等準備金積立ての対象とはならないのであるから、これを本件規定の適用対象とすることはできないものというべきである。 イ)TIS-FFシステムについて(ア) 証拠(甲17の6-24(各枝番 プログラム等準備金積立ての対象とはならないのであるから、これを本件規定の適用対象とすることはできないものというべきである。 イ)TIS-FFシステムについて(ア) 証拠(甲17の6-24(各枝番を含む)、17の34、甲23、乙4の1、2、乙23の2、23の5-16、証人P1)によれば、TIS-FFシステムは、株式、債券、ワラント、転換社債(CB)などの取引に関する価格の変動状況、市況等の各種情報を総体的に収集、整理、加工して投資情報を算出し、山一証券の各営業店に提供するためのシステムであること、原告は、山一証券からTIS-FFシステムの前身であるBISシステムの開発を受注して以来、山一証券やそのシステム子会社である山一コンピュータと取引があり、その縁もあって、山一コンピュータからTIS-FFシステムの開発を受注し、昭和63年9月27日付け業務受託書(甲17の6の1-3、業務名は「営業店TIS第一次システムⅠの開発」、金額は9405万円)、平成元年4月3日付け業務受託書(甲17の7の1-3、業務名は、「営業店TIS第一次システムⅡ」、金額は8285万円)に基づいてシステム開発に当たり、平成元年11月末日までにシステム開発を一応終了させたこと(以下、これを「当初システム開発」という。)、原告は、上記システム開発終了後も、山一コンピュータからシステムの運用、保守、追加システムの開発等を受注しており、本件でプログラム等準備金積立ての対象とした各種業務(その内容は、別紙「山一証券システム関係明細表」中の「TIS-FFシステム関係」に記載のとおり。)は、これらの保守、運用、追加システム開発等に関連するものであることが認められる(なお、甲第17号証の7の1、2によれば、「営業店TIS第一次システムⅡ」の開発については、平成元年6月末日、9月末日、 、これらの保守、運用、追加システム開発等に関連するものであることが認められる(なお、甲第17号証の7の1、2によれば、「営業店TIS第一次システムⅡ」の開発については、平成元年6月末日、9月末日、11月末日の3回に分けてプログラムを納付し、納付月の翌々月5日に代金の支払を受ける旨の定めがされていることが認められるが、他方、甲17号証の5(原告作成の「状況総合表」と題するプログラム等準備金積立ての対象となる作業の明細表)によれば、上記「営業店TIS第一次システムⅡ」に係る作業(見積書番号は、J89-240)は、平成元年9月期の申告対象となる作業に含められており、本件申告の対象とはなっていないことが認められる。)。 (イ) 原告は、「本件でプログラム等準備金積立ての対象としている各業務は、いずれもTIS-FFシステム開発業務の一環として位置付けられるべきものであるから、これらと当初システムの全体が本件規定の適用対象となるものかどうかを判断すべきである。」という趣旨の主張をするのに対し、被告は、「上記各業務は、もともとプログラム等準備金積立ての対象とはならない有償保守業務であるか、本体システムの開発が完了した後において個別契約に基づいて行われた追加システムの開発であって、当初システムと一体として評価することはできないものである。」と主張するので、以下この点について判断する。 別紙「山一証券システム関係明細表」記載の各業務のうち、「営業店TISメニュー追加」(以下、業務の名称は、いずれも上記明細表の記載による。)は、当初システム開発が終了する平成元年11月末日以前である同月10日に受注したものであって、見積書等(甲17の9の1-3)の記載に照らし、その内容は、TIS-FFシステムの一部であるメニューシステムの追加開発であると認められるところ 11月末日以前である同月10日に受注したものであって、見積書等(甲17の9の1-3)の記載に照らし、その内容は、TIS-FFシステムの一部であるメニューシステムの追加開発であると認められるところ、この業務は、その内容や発注時期等に照らし、当初システム開発の一部と評価することができるものというべきである。そして、TIS-FFシステム開発そのものは、SI要件、対価要件、無償補修特約要件を満たしており(原告と山一証券間の昭和54年9月1日付け業務受託基本契約書9条に1年間の無償補修特約が記載されており、これが山一コンピュータとの関係にも引き継がれ、TIS-FFシステムの開発についても適用されるものと解される。以上につき、乙4の1、2)、更に、契約の相手方は、エンド・ユーザーである山一証券ではなく山一コンピュータであるものの、同社は、山一証券のシステム子会社である上、乙第23号証の2における山一コンピュータ担当者の説明(乙23の2)によれば、山一コンピュータがTIS-FFシステムの開発に主体的に従事していた形跡はみられず、むしろ開発業務を原告に丸投げしていた可能性が高いものと認められることからすれば、同システムの開発においてシステムインテグレーターとしての役割を果たしていたのは原告であったと認められるから、この点も原告がシステムインテグレーターとしての機能を果たしたことを否定するに足りる事情ではないものというべきである。したがって、上記業務(対価の額は2164万円)は、TIS-FFシステム開発の一環として本件規定の適用対象になるものというべきである。 また、営業店TISレベルアップ開発支援も、当初システム開発が完了する前に発注された業務であるが、業務名が「開発支援」であって、原告が主体的にシステム開発に当たったのかどうかには疑問が残ること、 また、営業店TISレベルアップ開発支援も、当初システム開発が完了する前に発注された業務であるが、業務名が「開発支援」であって、原告が主体的にシステム開発に当たったのかどうかには疑問が残ること、その見積書(甲17の8の3)によれば、業務内容は、詳細設計作業のみであって、原告がその余の業務にも従事したかどうかは証拠上明らかではないことなどからすれば、これについて原告がシステムインテグレーターとしての役割を担ったのかどうかは不明であるというほかなく、本件規定の適用対象とすることはできない。 その余の業務についてみると、営業店TIS-1運用保守支援及びTIS-FF運用保守支援は、いずれも有償保守に係る業務である疑いが高く(その内容を具体的に明らかにするだけの証拠はない。)、この点においてプログラム等準備金積立ての対象とすることはできないものであるし、その余の業務は、その発注時期等に照らし、システム開発完了後の個別契約に基づく追加開発業務というべきものであって、これを当初システムと一体のものとみるのは疑問であるといわざるを得ない。証人P1は、「TIS-FFシステムについては、システム開発の完了時期は定められておらず、システムの追加開発が必要になるごとに、それをもシステムの一部としていくことが合意されていた。」という趣旨の供述をしているけれども、これに反する山一コンピュータ担当者の説明(これらは、開発終了後の個別契約に基づく業務であると説明している。乙23の2)に照らし、そのまま採用することはできない。また、特段の事情がないにもかかわらず、基本システム開発終了後の、個別的な改善、改良、追加システム開発を基本システムと一体のものとして本件規定の適用対象とすることには問題があることは、既に2)、イ)において説示したとおりなのであって、この点から ム開発終了後の、個別的な改善、改良、追加システム開発を基本システムと一体のものとして本件規定の適用対象とすることには問題があることは、既に2)、イ)において説示したとおりなのであって、この点からしても、原告の主張を採用することはできないのである。 以上によれば、TIS-FFシステム関係業務のうち、本件規定の適用対象になるのは、営業店TISメニュー追加1開発の2164万円に限られることになる。 ウ)グローバルトレーディングシステムについて原告は、「グローバルトレーディングシステムも、原告が山一コンピュータからその開発を一括受注したものであって、システムインテグレーターとしての役割を果たしており、単に設計やプログラム作成の『支援』を行ったものではない。」という趣旨の主張をし、甲17の34、甲23及び証人P1の供述中にも同旨の部分がある。しかしながら、上記業務に係る業務委託書、業務受託書、見積書(甲17の28-32、ただし、各枝番を含む。)をみると、その業務名は、「設計支援」、「プログラム作成支援」とされており(ただし、甲17の32のみは、「設計及びプログラム作成」となっている。)、原告がSI業務を行ったにもかかわらず、あえて「支援」という用語を用いて業務名を表示するのは疑問であるといわざるを得ないこと、上記各書面には、「受渡場所」や「受渡条件」に関する記載はなく、「支払条件」として、毎月一定額の金員の支払を受ける旨の記載がされているのみであって、原告が明らかにSI業務を行ったと認められる人事情報システム開発に関する業務受託書(甲17の2の1)には、「受渡場所」として「貴社指定場所」と、「受渡条件」として「検収渡し」と記載されているのとは違いがあること、上記各見積書添付の見積明細書(甲17の28の3、17の29の3、17の30、17の には、「受渡場所」として「貴社指定場所」と、「受渡条件」として「検収渡し」と記載されているのとは違いがあること、上記各見積書添付の見積明細書(甲17の28の3、17の29の3、17の30、17の31)を見ても、具体的な業務内容に関する記載は全くなく、担当システムエンジニアの人数、ランク、単価等についての記載があるのみであることなどの事情に照らしてみれば、上記各書面上は、原告が、グローバルトレーディングシステムの設計、プログラム作成の支援のために、システムエンジニアを派遣したものと解釈するほうが余程合理的なのであって、原告の主張やこれに沿う上記供述、記載部分は、客観的な証拠の裏付けを欠き、採用することができないものといわざるを得ない。なお、甲17の33には、グローバルトレーディングシステム開発に係る開発作業スケジュールが記載されているが、その記載自体からは、原告が、どのような立場で作業に関与しているのかは一切明らかではないし、同表の記載によっても、原告はシステム分析には関与せず、システム設計の途中から参加し、しかも、ユーザー教育、総合テスト及び保守・メンテナンスにも関与しないとの記載があることからすると、上記認定判断を左右するものではない。 そうすると、グローバルトレーディングシステムについては、原告がSI業務を行ったと認めることはできないのであるから、その余の点について判断するまでもなく、本件規定の適用対象とはならないものといわざるを得ない。 エ)まとめ以上のとおり、山一証券システム関係で、本件規定の適用対象となるのは、TIS-FFシステム関係業務のうちの、営業店TISメニュー追加1開発の2164万円のみとなる。その申告対象時期は、平成2年9月期である。 5)群馬銀行システムについて証拠(甲14の1-10、甲25、乙9、14の1 ム関係業務のうちの、営業店TISメニュー追加1開発の2164万円のみとなる。その申告対象時期は、平成2年9月期である。 5)群馬銀行システムについて証拠(甲14の1-10、甲25、乙9、14の1、2、乙22の1-5、証人P3)によれば、原告は、IBMの紹介で、群馬銀行の第三次オンラインシステムのうち情報系システムの開発を受注することとなり、平成2年1月4日付けの基本契約書(甲14の6、乙9)を作成し、同システムの開発に従事することとなったこと、その後、同システムの開発の具体的内容については、①同日付け業務委託に関する覚書(情報系基盤整備第1次開発システム設計)(乙22の1)において、納期を同年3月末日として、システム設計を1033万6000円で請け負い、②同年4月2日付け業務委託に関する覚書(情報系基盤整備第1次開発プログラミング・テスト)(乙22の2)において、納期を同年9月末日として、プログラミング・テストを2900万円で請け負い、③同年10月1日付け業務委託に関する覚書(情報系基盤整備のシステムメンテナンス及び休日稼働対応)(乙22の3)において、システムメンテナンス及び休日稼働対応業務を1960万円で請け負い(ただし、契約期間は、同年10月から平成3年3月まで)、④平成3年4月1日付け業務委託に関する覚書(情報系基盤整備のシステムメンテナンス)(乙22の4)でシステムメンテナンスを1001万円で請け負ったこと(ただし、契約期間は同年4月から同年7月まで)、以上の事実が認められる。 原告は、上記①ないし④の作業は、一体のシステム開発業務なのであるから、これらが全体として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきであると主張する。しかしながら、原告の主張を前提としたとしても、④の作業は、有償保守作業と見られるからその対 開発業務なのであるから、これらが全体として本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきであると主張する。しかしながら、原告の主張を前提としたとしても、④の作業は、有償保守作業と見られるからその対価の額は、プログラム等準備金の積立対象となるものではない(「システムメンテナンス」という業務名を用いたのは原告自身であるし、これが、いわゆる保守業務とは異なる別個の業務であることについては何ら具体的説明はない。)。また、③も業務名は「システムメンテナンス及び休日稼働対応」であって、やはり、プログラム等準備金の積立対象となるものとはいい難い。すなわち、上記業務は、全体としてシステム開発終了後のシステム改善、改良業務であって保守作業であるとみる余地があり、仮に、このうち休日稼働対応は、保守とは別個のシステム開発業務であるとしても、それが当初契約の範囲内にあったといえるかどうかに疑問があり、更に、その対価の額が幾らであるかは明らかではないからである。なお、④のシステムメンテナンスの対価の額(4か月で約1000万円であるから、1か月当たり約250万円)に照らしてみると、システム運用当初におけるシステムメンテナンスの対価の額がこれを下回るとは考え難いから、③のシステムメンテナンスに係る対価の額は約1500万円程度とみるのが相当であり(1か月約250万円の6か月分)、それを控除した休日稼働対応業務の対価の額は460万円程度を超えるものではなく、①、②及び③の休日稼働対応業務の対価の合計額も約4500万円程度にすぎないこととなり、仮に①ないし④全体がシステムインテグレーション業務であると考えたとしても、有償保守作業の対価の額を除いた対価の額は5000万円には達せず、対価要件を欠くものといわざるを得ない。 以上によれば、群馬銀行システム関係業務は、いずれにせ グレーション業務であると考えたとしても、有償保守作業の対価の額を除いた対価の額は5000万円には達せず、対価要件を欠くものといわざるを得ない。 以上によれば、群馬銀行システム関係業務は、いずれにせよ本件規定の適用対象となるものではないというべきである。 6)東海銀行システムについてア)証拠(甲12の1-5、乙5、24の1-30、証人P4)によれば、原告は、IBMの紹介で、東海銀行の第三次オンラインシステム開発作業に参加することとなり、昭和61年3月31日付けの業務委託基本契約書(甲12の4、乙5)において、基本契約を締結したこと、原告が開発に従事することとなったのは、第三次オンラインシステムのうち、情報系システムと称される部分であって、東海銀行本店と各営業店との間の情報交換をオンラインで行うシステムであり、その中には、データ蓄積システムと営業店情報システムという2つのサブシステムが含まれていたこと、情報系システムは、巨大なものであって、まず、原告において、約1年間をかけて現状の東海銀行システムの内容を分析した上、新情報系システムの構成を決定し、その後、データ蓄積システム及び営業店システムの開発を行っていき、最終的には、運用の準備や保守にも従事したものであるが、契約当初の段階においては、具体的な作業量や費用等がどのようになるのかについては厳密な見通しがつかない状態であったため(東海銀行側からは、契約交渉を行っている当時から、開発期間5年、代金20億円程度を予定しているとの話も出ていたが、それはあくまでも目安にすぎなかった。)、基本契約において、具体的な作業内容や代金を特定することはされず、基本契約に基づく個別契約において、順次作業内容と代金を定めていくという手法が採られたものの、原告においても、少なくとも東海銀行側から示された目安程度 具体的な作業内容や代金を特定することはされず、基本契約に基づく個別契約において、順次作業内容と代金を定めていくという手法が採られたものの、原告においても、少なくとも東海銀行側から示された目安程度の規模にはなるであろうとの認識で取引に臨み、その後、順次個別契約の締結とそれに基づく作業が行われていったこと、これら個別契約のうち、本件申告の対象となった個別契約とそれに基づく業務は、別紙「東海銀行システム関係明細表」に記載のとおりであって、「データ蓄積システム/SE作業」欄及び「主要取引先及び融資・国際システム」欄記載の各業務がデータ蓄積システムに関する作業であり、「営業店情報システム/SE作業」欄及び「CCR、営業店決算報告システム、SIS法人マーケティングシステム」欄に記載の各業務が営業店情報システムに関する作業であったこと、これら各業務のうち、「SE作業」と称されているものは、原告が名古屋市所在の東海銀行本店に派遣したシステム設計部隊に係る費用であって、主として基本システム及びそのサブシステムの要求定義、基本設計等に相当する作業に対応するものであり(その費用は、1か月ごとの定額方式で決定されているが、これは、東海銀行本店に常駐する設計部隊に係る費用であって、継続的に発生するものであることや、原告、東海銀行双方の予算事情等から、そのような定め方がされたものである。)、その余の業務は、設計部隊によって確定された基本設計等に基づいて行われた、具体的なプログラム作成、単体テスト等に対応するものであること、以上の作業は、契約当初から想定された情報系システム開発の範囲内に含まれるものであること、以上の事実が認められる。 以上によれば、東海銀行システム関係業務は、東海銀行第三次オンラインシステム中の情報系システム開発業務として、その全体が本件規定 テム開発の範囲内に含まれるものであること、以上の事実が認められる。 以上によれば、東海銀行システム関係業務は、東海銀行第三次オンラインシステム中の情報系システム開発業務として、その全体が本件規定の適用対象になるかどうかを判断すべきものであるところ、原告は、システム設計から保守に至る各役務を提供し、その対価の額は、本件で対象になっているものに限っても7億円を超えており、かつ、業務委託基本契約書9条において、1年間の無償瑕疵修補義務も負っているのであるから、本件規定の適用対象になるものというべきである。 イ)被告は、①上記各業務は、当初契約に具体的に記載されていたわけではないのであるから、一括契約要件を満たしていない、②原告は、単独でシステム開発に当たったものではなく、東海銀行及びそのシステム子会社である東海バンキングソフトウェアと共同して作業を行ったものにすぎず、しかも、その業務の実際は、むしろ、東海銀行や東海バンキングソフトウェアに対する支援業務が大部分であるから、SI業務を行ったということはできない、③原告が関与したのは、東海銀行第三次オンラインシステムのうち、そのサブシステムである情報系システムだけなのであるから、全体システム要件をも満たしていないなどとして、本件規定の適用は認められないと主張するが、次に述べるとおり、これらの主張を採用することはできない。 まず、被告の主張する一括契約要件は不要であることは既に説示したとおりである。また、この主張を、「本件で問題となっている各業務が、当初契約の範囲に含まれているかどうかは不明である。」という趣旨に解するとしても、これらが、原告が開発することが予定されていた情報系システムの一部であることは明らかであって、その具体的内容が確定されていなかったとしても、当初契約の範囲内に含まれる業務 いう趣旨に解するとしても、これらが、原告が開発することが予定されていた情報系システムの一部であることは明らかであって、その具体的内容が確定されていなかったとしても、当初契約の範囲内に含まれる業務であったということができるから、いずれにせよ被告の主張は失当である(付言するに、原告はもとより、東海銀行の担当者の東京国税局担当官に対する説明(乙24の30)によれば、東海銀行側も、これらの業務が当初契約の範囲に含まれていたことは認めているものと考えられるところである。)。 また、乙第24号証の30(東海銀行担当者の説明)によれば、情報系システムの開発については、東海銀行のシステム開発部や東海バンキングソフトウェアも関与していたことが認められるものの、関与の具体的内容は、上記証拠によっても一切明らかではない上に、甲第12号証の5や証人P4の証言に照らしてみると、東海銀行システム開発部や東海バンキングソフトウェアに独自でシステム開発をする能力があったのかどうかは疑問であり、これら両者の関与は、従前のシステムの状況や問題点を説明し、新システムに対するユーザーとしての希望を述べることや、将来のシステム運用に備え、あるいは、自らのシステム開発能力を向上させるために、システム開発の一部に補助的に従事するなど、システム開発を依頼するユーザーが通常行うものと予想される範囲を超えるものではないと認められるのであって、これらの事情は、原告がシステムインテグレーターとしての役割を担ったことを否定するに足りる事情であるということはできない。したがって、この点に関する被告の主張も失当というべきである。 更に、原告が開発に従事したのは、東海銀行第三次オンラインシステムの一部(サブシステム)のみであることは上記のとおりであるが、被告のいう全体システム要件は不要であるこ 主張も失当というべきである。 更に、原告が開発に従事したのは、東海銀行第三次オンラインシステムの一部(サブシステム)のみであることは上記のとおりであるが、被告のいう全体システム要件は不要であることは既に説示したとおりである上に、上記のとおり、情報系システムは、それ自体、独立した巨大な情報処理システムであって、システムインテグレーションの対象になり得るものであると考えられる上に、例えば、他のサブシステムとの接合や調整といった作業が大幅にユーザーである東海銀行側に委ねられているなど、原告が、全体として、システムインテグレーターとしての役割を十全に果たしていたとはいえないと認めるべき事情を見出すこともできないことからすれば、原告の開発したシステムがサブシステムであるとの理由で、SI要件の充足性が否定されるものではないというべきである。 以上のとおり、被告の主張はいずれも失当であって、他に上記認定判断を左右するに足りる証拠は存しない。 ウ)以上によれば、東海銀行システムに係る業務は、すべて本件規定の適用対象になるものというべきである。 7)リクルートコンピュータプリントシステムについて証拠(甲11の1-5、甲23、乙12、20の1-4、証人P1)によれば、リクルートコンピュータプリントは、リクルートから、同社が刊行している雑誌「週間住宅情報」に記載される物件のデータベースを再構築する作業(その対価の総額は約6億円)を受注していたところ、原告にその一部を外注することとし、平成2年2月15日、原告との間でシステム開発委託基本契約書(乙12)を作成したこと、その後、原告は、リクルートコンピュータプリントとの間で、従事すべき業務に関する個別契約として、①平成2年10月1日付けの業務受託書(物件データベース再構築に関連するシステム開発)(乙20の こと、その後、原告は、リクルートコンピュータプリントとの間で、従事すべき業務に関する個別契約として、①平成2年10月1日付けの業務受託書(物件データベース再構築に関連するシステム開発)(乙20の1)において、売買系システム関係の基本設計を1050万円で請け負い(見積書は甲11の1)、②平成3年1月7日付けの業務受託書(物件データベース再構築に伴うシステム開発)(乙20の2)において、売買系システムのオンライン系処理及びバッチ系更新処理を主としたシステム分析、システム詳細設計、プログラム製造及び単体テストを1億5000万円で請け負い(見積書は甲11の2)、③平成3年8月30日付けの業務受託書(物件データベース再構築に伴うシステム/賃貸系の開発及びシステムメンテナンス作業)(甲11の3)において、賃貸系システムの開発とシステムメンテナンスを実績精算分を除き2600万円で請け負ったこと(なお、実績精算分とは、見積書(甲11の3)の記載からすると、メンテナンスの対価を1人月85万円の割合で実績精算することであって、明示された代金2600万円は賃貸系システム開発のみの代金であると認められる。)、以上の事実が認められるところ、次に述べるとおり、この業務については、本件規定の適用を認めることはできないものといわざるを得ない。 まず、リクルートコンピュータプリント担当者の説明によれば、当初開発が予定されていた売買系システムについて、契約を①、②の2段階に分けたのは、原告の能力、技術力が不明であったところから、原告にシステムエンジニアを派遣させ、システム分析に従事させてその結果をみるところにあったというのであるから(乙20の4)、当初契約の段階において、原告がSI業務に係るすべての役務を提供する旨の合意が存在したといえるかどうかは疑問であるといわざ 析に従事させてその結果をみるところにあったというのであるから(乙20の4)、当初契約の段階において、原告がSI業務に係るすべての役務を提供する旨の合意が存在したといえるかどうかは疑問であるといわざるを得ない。この点につき、証人P1の供述及び同人の陳述書(甲23)中には、「当初から、原告がSI業務を行うことの合意が存在していたが、契約当時の技術水準では、雑誌の版下に使えるだけの精巧な図面等をプリントアウトできるかどうかが疑問であったため、それが難しい場合には、システム開発を最初からやりなおす趣旨で契約を2段階に分けた。」という趣旨の部分があるが、それ以前に作成された原告の管理部長P5の報告書(甲11の5)には、むしろ、リクルートコンピュータプリント担当者の説明に沿うかのような記載部分があることからすると、上記証拠をそのまま採用することはできないものといわざるを得ない。 また、当初開発が予定されていた売買系システムに関する①、②の業務受託書、見積書に記載された業務内容は、プログラムの単体テストまでであって、保守については、業務内容に掲げられていないことはもちろん、原告がこれを担当することをうかがわせるような記載も全くなく、かえって、リクルートコンピュータプリント担当者は、本件訴訟提起後、東京国税局の担当官に対し、保守は同社において担当したという趣旨の説明をしていること(乙20の4)からすれば、当初契約において、原告が保守作業を担当することが予定されていたのかどうかの点にも疑問があるものといわざるを得ない(なお、原告は、無償修補特約を締結しているから保守も担当していたという趣旨の主張をしているが、この主張は、瑕疵修補と保守とを混同した主張であって、採用することはできない。)。 また、原告は、エンド・ユーザーであるリクルートではなく、リクル ら保守も担当していたという趣旨の主張をしているが、この主張は、瑕疵修補と保守とを混同した主張であって、採用することはできない。)。 また、原告は、エンド・ユーザーであるリクルートではなく、リクルートコンピュータプリントとの間で契約を締結しているところ、リクルートコンピュータプリントは、リクルートのシステム子会社であるとはいえ、同社から総額約6億円のシステム開発業務を請け負い、その一部のみを原告に外注し、他の部分については、他のシステム業者等を用いて開発に当たっていたものであること(乙20の4)を考慮すると、リクルートコンピュータプリントが、実際にはシステムインテグレーターとしての機能を担っていない単なる補助者にすぎないと断定することは困難であるといわざるを得ない。他方、原告は、物件データベース作業再構築作業の一部である売買系システム開発業務の更に一部であるオンライン系処理及びバッチ系更新処理等に関するシステム開発業務に従事していたにすぎないことからすると(なお、これらのオンライン系処理やバッチ系更新処理が、システム全体の中でどのような位置を占めていたのか、それがどのような内容を持つものであって、独立したサブシステムとの評価に値するものであるのかどうかなどといった点については、何ら具体的な説明がされていない。)、同システム開発において原告が占める地位は、補助的、従属的地位にすぎなかった疑いが高いのであって、リクルートコンピュータプリントではなく、原告こそがシステムインテグレーターとしての機能を担っていたといえるかどうかも疑問である。 以上によると、リクルートコンピュータプリントシステムに係る業務は、SI要件を欠き、本件規定の適用対象とはならないものというべきである。 8)日本電気経営情報システムについて証拠(乙25の1ないし63) よると、リクルートコンピュータプリントシステムに係る業務は、SI要件を欠き、本件規定の適用対象とはならないものというべきである。 8)日本電気経営情報システムについて証拠(乙25の1ないし63)によれば、日本電気経営情報は、日本電気株式会社(以下「日本電気」という。)のシステム子会社であるが、独立して情報処理システムを開発する能力を有しており、親会社である日本電気のほか、他の会社からも情報処理システムの開発を受注していること、本件で問題になっている日本電気経営情報システムは、日本電気経営情報が、日本電気から受注した11種類のシステム開発に係るものであって、原告との間では、合計62の個別契約(乙25の1ないし62)が締結されていること、これらのシステム開発については、日本電気経営情報が、システム設計から保守に至るSI業務を行ったものであって、原告は、日本電気経営情報から、上記各個別契約に基づいて、SI業務の一部であるプログラム作成や、プログラムのテスト、運用(システムが正常に稼働しているかどうかの監視業務)等を請け負ったのにすぎず、その内容もシステムによって異なっていることが認められ、この認定に反する証拠はない。 以上によれば、上記システムに係る業務は、SI要件を欠くことが明らかであって、本件規定の適用対象になるものではないというべきである。 9)NTTデータ通信システムについて証拠(甲15の1-12(枝番を含む。)、甲18、19の各1-3、甲24、乙18の1-9、)によれば、NTTデータ通信システム関係の業務は、大別すると、①海外有価証券情報提供システム関連業務、②博報堂新情報システム関連業務、③NTT中央移動通信(新)システム関連業務に分けられることが認められる。 このうち、②、③は、NTTデータ通信が、博報堂(②システム)、 情報提供システム関連業務、②博報堂新情報システム関連業務、③NTT中央移動通信(新)システム関連業務に分けられることが認められる。 このうち、②、③は、NTTデータ通信が、博報堂(②システム)、NTT中央移動通信(③システム)から、システムの開発を受注し、多数の外注業者を利用してシステム開発に当たったものであって、原告は、外注先の1つとして、システムの一部の開発に当たったのにすぎないことが認められる(乙18の8、9)。そうすると、これらのシステム開発については、NTTデータ通信が、システムインテグレーターとしての役割を担ったものであって、原告は、システムインテグレーターであるNTTデータ通信から、システム開発の一部を請け負ったにすぎないものというべきであるから、これらの業務については、SI要件を欠き、本件規定の適用対象にはならないものといわざるを得ない。なお、②及び③のシステムは、全体としては数個のサブシステムからなるもので、原告はそのうちの一部のサブシステムについて、サブシステム開発全体を受注したことが認められるが(甲15の3、4、12、甲19の1ないし3、証人P2)、サブシステム全部を統合してシステム全体の使用を決定するなどの業務を原告が行ったとは認められず、そのような業務はシステム全体を受注したNTTデータ通信が行ったものと認められるから、全体のシステムが同時期にまとめて発注されたものである以上、直接契約要件及び全体システム要件を不要と考えるとしても、原告についてはSI要件を満たさないこととなる。 次に、①は、NTTデータ通信が自ら利用する海外有価証券情報提供システムの開発であるが、これについても、ユーザーであるNTTデータ通信自身が主導的にシステム開発を行い、その中で数社の外注先にシステムエンジニアの派遣やプログラムの製 利用する海外有価証券情報提供システムの開発であるが、これについても、ユーザーであるNTTデータ通信自身が主導的にシステム開発を行い、その中で数社の外注先にシステムエンジニアの派遣やプログラムの製造を依頼したものであって、原告も外注先の1つにすぎないことが認められる(乙18の7)。原告は、その担当部分に関しては、システム設計から保守に至る一連のSI業務を行ったものであるという趣旨の主張をし、原告の担当者の陳述書(甲18の3)中には、これに沿う部分もあるほか、原告とNTTデータ通信との打合せ議事録(甲18の2)中にも、同社も原告が一括請負をしていることを認めている記載もあるが、両者間の契約内容を示すシステムエンジニアリング・サービス注文書(乙18の1)とプログラム製造請負注文書(乙18の2)及び変更注文請書(甲18の1)から、契約の対象であるシステムエンジニアリング・サービスの対象が何であったのか明らかではなく、SI業務全体が契約の対象となっていたか否かは必ずしも明確ではない。また、仮に原告の主張がそのまま認められるとしても、原告は、全体システムの一部の開発を担当したのにすぎず、しかも、その一部が全体システムの中でどのような位置を占めるものであったのかといった具体的事情も明らかではないのであるから、原告が、システムインテグレーターとして、ユーザーに代わってシステム開発に関する統合機能を果たしたものということはできないのであり、結局、上記業務についても、SI要件を欠くものといわざるを得ない。 したがって、NTTデータ通信システムに係る業務は、本件規定の適用対象とはならないものというべきである。 10)日本移動通信システムについて証拠(甲16の1-27、甲23、乙21の1-26、証人P1)によれば、日本移動通信は、自社の業務用情報処理シ 規定の適用対象とはならないものというべきである。 10)日本移動通信システムについて証拠(甲16の1-27、甲23、乙21の1-26、証人P1)によれば、日本移動通信は、自社の業務用情報処理システム、すなわち、IDO電話の顧客の登録から料金回収までの業務を司る情報処理システムのバージョンアップを計画し、注文、料金及び課金の3システムからなる上記システムのうち、料金システム及び課金システムのバージョンアップシステムの開発を原告に依頼し、平成3年3月29日付け業務受託書(乙21の1)において、上記システム開発に関する契約を締結したこと、上記業務受託書及び原告が提出した見積書(甲16の1)によれば、原告が行うべき業務は、現行の料金システム(料金請求・回収)の機能追加、改善であって、具体的には、上記機能追加、改善システムに係る基本設計、詳細設計、プログラム作成、総合テストを行うものとされ、納期は同年9月末日、代金は4500万円とされていること、原告は、上記業務を終了した後の同年12月から平成4年9月までの間に、別紙「日本移動通信システム関係明細表」中の「平成4年9月期申告分欄」記載のとおり、合計24件のシステム追加開発、改善等の注文を受け、これらの注文に係る業務を行ったことが認められる。 原告は、当初契約に基づく業務とその後の追加契約に基づく業務を一体のものとして本件規定適用の可否を判断すべきであると主張し、証人P1も、その陳述書(甲16の27、甲23)及び証人尋問において、「日本移動通信システムは、取り敢えず、その根幹部分のシステムを完成させ、その後、必要に応じて機能の追加、改善等を行っていくことが予定されていたものであって、太平洋通信システムと同様の『スパイラル型』開発が予定されていたものであるところ、上記システム追加開発業務等は、 その後、必要に応じて機能の追加、改善等を行っていくことが予定されていたものであって、太平洋通信システムと同様の『スパイラル型』開発が予定されていたものであるところ、上記システム追加開発業務等は、すべて当初予定されていた機能の追加、改善業務の範囲内に含まれるものである。」として、同旨の記載ないし供述をしている。 しかしながら、日本移動通信システムの開発が、同証人のいう「スパイラル型」で行われたという点は、当初契約に係る業務受託書及び見積書(乙21の1、甲16の1)上は、何らうかがわれない上、そのほかにも客観的な資料は全くなく(P1証人は、「その趣旨を記載した現場の開発メモが存在した。」という趣旨の供述をしているけれども、既にそれはなくなってしまったというのであるから、上記供述をそのまま採用することは困難である。)、かえって、日本移動通信の担当者は、東京国税局の担当官に対し、追加契約に係る業務は、システム開発完成後の実際に運用して認められたシステム機能の不足や不都合な点を、その都度個別契約に基づいて追加開発若しくは変更、修正してもらったという趣旨の説明をしているのであって(乙21の26)、別紙「日本移動通信システム関係明細表」に記載の作業名や、金額に照らすと、追加契約に係る業務の中には、システムの軽微な改善、改良であって、本来保守業務に含められるべきものが少なくないと認められ、このことは、上記日本移動通信の担当者の説明とよく合致するところであって、その説明は信用することができ、これに反するP1証人の陳述書及び供述は採用できない。その上、各追加契約の内容となっているような雑多な業務が、すべて「当初契約の一環としてのシステム開発である。」としてプログラム等準備金積立ての対象になるのであれば、あるシステム開発を受注した後、ユーザーの依頼に応じ 約の内容となっているような雑多な業務が、すべて「当初契約の一環としてのシステム開発である。」としてプログラム等準備金積立ての対象になるのであれば、あるシステム開発を受注した後、ユーザーの依頼に応じて何らかの改善、改良作業を行っていれば際限なくプログラム等準備金の積立てが認められなければならないことにもなりかねず、このような事態は、本件規定が想定しているものであるとは到底いい難い(この点は、既に2)、イ)において指摘したところでもある。)。したがって、当初契約において、追加開発業務を行うべき期間が定められていたり、その対象となる業務の範囲がある程度具体的に定められているとか、当初契約に基づくシステム開発の過程で、追加開発業務の必要性が確認されているなどの事情があるのであればともかく、そのような事情も認められない本件においては、原告の主張を採用することはできないものといわざるを得ない。 そうすると、日本移動通信システムについては、当初契約の内容に基づいて本件規定適用の可否を判断するほかはないところ、その対価の額は4500万円にすぎないのであるから、その余の点について判断するまでもなく、本件規定を適用することができないことは明らかである。 3 課税標準及び税額の計算以上の検討結果によれば、被告がプログラム等準備金積立ての損金算入を否認したもののうち、第一証券システム関係の5350万円、山九システム関係の3150万円、山一証券システム関係の2164万円及び東海銀行システム関係の全金額については、損金算入の対象に含められるべきものであったことになる。 そして、第一証券、山九、山一証券各システムに係る契約金額は、すべて平成2年9月期の申告に関するものであり、東海銀行システムに係る契約金額は、別紙「申告対象契約一覧表」に記載のとおり、平成2年9 そして、第一証券、山九、山一証券各システムに係る契約金額は、すべて平成2年9月期の申告に関するものであり、東海銀行システムに係る契約金額は、別紙「申告対象契約一覧表」に記載のとおり、平成2年9月期ないし平成4年9月期の申告に配分されるべきものである(なお、別紙「東海銀行システム関係明細表」に記載された契約金額の合計は、7億3323万6600円であるのに対し、別紙「申告対象契約一覧表」に記載の東海銀行システム関係の契約合計は7億3068万6600円であって、255万円少ない。以下においては、原告の申告に従い、別紙「申告対象契約一覧表」記載の金額に基づいて計算をすることとする。)。また、乙第14号証の1ないし3によれば、これらの契約金額については、他の業者への業務委託に係る契約金額の控除をする必要はないことが認められる。そうすると、各申告期において、プログラム等準備金積立ての対象となるべき契約金額は、別紙「認容積立対象契約金額一覧表」に記載のとおり、平成2年9月期が3億0826万3600円平成3年9月期が4億0216万3000円平成4年9月期が1億2690万円となり、その10パーセント相当額(ただし、原告の申告に倣い、百万円未満は切り捨てた額とする。)、すなわち、平成2年9月期が3000万円平成3年9月期が4000万円平成4年9月期が1200万円のプログラム等準備金積立てについては損金算入が認められるべきであったことになるから、被告がした損金算入の否認は、被告による否認額から上記各金額を控除した残額(具体的な金額は、別紙「認容積立対象契約金額一覧表」の「認められるべき損金算入否認額」欄に記載のとおりである。)の限度では適法であるが、これを超える部分は違法というべきこととなる。そして、あるべき損金算入の否認額を前提として、原告 契約金額一覧表」の「認められるべき損金算入否認額」欄に記載のとおりである。)の限度では適法であるが、これを超える部分は違法というべきこととなる。そして、あるべき損金算入の否認額を前提として、原告が納付すべき税額を計算し直した結果は、別紙「税額計算一覧表」に記載のとおりとなるから、本件各処分のうち、同表記載の「法人税額」又は「税額」欄及び「過少申告加算税額」欄記載の各金額を超える部分は、違法として取り消されるべきものである。 第5 結論以上の次第で、原告の本訴請求は、主文第1項記載の限度で理由があるからこれを認容し、その余は失当として棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条、64条を適用して、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官藤山雅行裁判官鶴岡稔彦裁判官加藤晴子
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