昭和40(オ)1180 約束手形金等請求

裁判年月日・裁判所
昭和43年5月2日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和39(ネ)440
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【DRY-RUN】主    文      原判決中、上告人敗訴部分のうち被上告人の約束手形金およびその遅延 損害金の請求を認容した部分を破棄する。      右破棄部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻す。     

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判決文本文1,812 文字)

主    文      原判決中、上告人敗訴部分のうち被上告人の約束手形金およびその遅延 損害金の請求を認容した部分を破棄する。      右破棄部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人関藤次の上告理由について。  論旨は、部分的にはその意味の不明確な点もあるが、その要旨は、原審が被上告 人の約束手形金およびその遅延損害金の請求に関する事実認定の重要な証拠資料と した原審証人Dの証言は偽証であり、かつ、同証人はその偽証の罪について昭和四 〇年一二月二八日水戸地方検察庁日立支部において起訴猶予処分に付されたから、 原判決には民訴法四二〇条一項七号、二項後段所定の再審事由に該当する違法があ るというにある。  そこで按ずるに、原審は、本件約束手形は上告人が被上告人に対して単なる見せ 手形として振り出したものにすぎないから、上告人は右手形金およびその遅延損害 金の支払義務を負わない旨の上告人の仮定抗弁につき、その抗弁事実にそう第一審 および原審における証人Eおよび上告人本人の各供述等の証拠資料が存在すること を認めながら、それらの証拠資料は、原審証人Dの証言およびその証言により真正 に成立したことの認められる甲第四号証等の証拠資料と対比して信用することがで きないとの理由で、これを採用せず、結局、右抗弁事実を認める証拠がないとして 右抗弁を排斥し、被上告人の右手形金およびその遅延損害金の請求の大部分を認容 したものであることは、原判文に徴して明らかであり、しかも、原判決挙示の各証 拠資料を検討すると、右Dの証言およびその証言により真正に成立したと認められ た甲第四号証は、右対比に供された各証拠資料のうちできわめて重要な地位を占め るものであることが窺われる。 - 1 -  そして、上告代理人の提出した検察事務官作成の不起訴裁定書謄 に成立したと認められ た甲第四号証は、右対比に供された各証拠資料のうちできわめて重要な地位を占め るものであることが窺われる。 - 1 -  そして、上告代理人の提出した検察事務官作成の不起訴裁定書謄本によれば、水 戸地方検察庁日立支部検察官は、昭和四〇年一二月二八日前記証人Dの前記証言に 関する偽証告訴事件について、その証言が偽証であることの証明は十分であるが、 同人がその後同証言が偽証であることを自白している等の諸般の情状に照らし、同 人を起訴猶予にするのが相当であるとして、不起訴処分にしたものであることが認 められ、また、右不起訴裁定書謄本によれば、右証人の偽証は、右証言の全体にわ たり、かつ、その本質部分に関するものであることが窺われる。  してみれば、原判決には民訴法四二〇条一項七号、二項後段所定の再審事由に該 当する違法があり、そして、その違法は適法な上告理由に当たると解すべきである。 したがつて、原判決の右違法を主張する論旨は理由があり、原判決中、上告人敗訴 部分のうち被上告人の約束手形金およびその遅延損害金の請求を認容した部分(被 上告人の約束手形金二五万円およびこれに対する昭和三六年八月九日から完済まで 年六分の割合による金員の請求のうちから、第一審が認容し、上告人が控訴または 附帯控訴の申立をしなかつた約束手形金九万円およびこれに対する昭和三六年八月 九日から完済まで年六分の割合による金員の請求を控除した、残余の請求を認容し た部分)は破棄を免れない。  よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決す る。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    長   部   謹   小法廷          裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    松   田   二   郎 - 2 -  裁判官岩田誠は病気につき署名押印することができない。          裁判長裁判官    大   隅   健 一 郎 - 3 -

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