主文 本件上告を棄却する。理由 弁護士人服部恭敬の上告趣意について。所論は憲法三七条三項違反をいうのであるが、記録を検討すると、原審は、昭和四四年五月二三日に、控訴趣意書提出最終日を同年七月五日とする旨の通知書ならびに弁護人選任に関する照会書を一括して被告人に発送し、右各書面は同年五月二五日被告人の許に到達したこと、これに対し被告人は、自分の方で弁護人を選任する旨の回答書を提出(同年六月五日原審受付)しておきながら、そのまま弁護人の選任をすることなく、七月五日に自己作成名義の控訴趣意書を提出したこと、本件は必要的弁護事件ではなかつたのであるが、原審はその第一回公判期日(同年七月二四日)に職権で弁護人を選任し、同弁護人が右期日に被告人作成の控訴趣意書を陳述したこと、同弁護人はその後控訴趣意補充書を作成して原審に提出し、同年九月一八日の第二回公判期日にこれを陳述したこと、以上の諸点が明らかに認められる。してみると、原裁判所が第一回公判期日に国選弁護人を選任した措置にはなんら違法ないし不当の点が認められず、むしろ原審は被告人の防禦権行使を全うならしめるため十分な配慮をしていることが認められるのであつて、被告人の弁護人選任権を侵害したものとは到底いい得ないところである。とすれば、所論違憲の主張は、その前提を欠くものであり、適法な上告理由にあたらないというべきである。また、記録を検討しても、本件について刑訴法四一一条を適用すべき事由は認められない。よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官草鹿浅之介裁判官城戸 員一致の意見で、主文のとおり決定する。最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一- 2 -
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