主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人が,屋久町とA株式会社との間で締結された原判決別紙物件目録記載の各土地についての使用貸借契約に係る契約書第3条ただし書の規定に基づく協議を行わないのは違法であることを確認する。 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2事案の概要以下,略称については,本判決において新たに定めるほかは,原判決のそれに従う。 請求,争点及び各審級における判断の各概要本件(平成18年9月29日訴え提起)は,鹿児島県熊毛郡屋久町(以下「屋久町」又は単に「町」という。)の住民である控訴人が,町がA株式会社(以下「A」という。)との間で締結した町有地(本件土地)の本件使用貸借契約について,被控訴人がこれを無償から有償に変更すべくAと本件協議を行っていないことが,違法に財産の管理を怠る事実に該当すると主張して,地方自治法242条の2第1項3号に基づき,その違法確認を求めた事案である。 なお,控訴人は,訴状において,請求の趣旨を「屋久町がAに対し,本件土地の使用収益をさせながら,同社から対価を徴収していないのは,被控訴人が違法に財産の管理を怠る行為であることを確認する。」旨としていたところ,原審第1回弁論準備手続期日において,前記控訴の趣旨2項記載のとおり訂正したものである。 争点は,(1)控訴人が請求の趣旨を訂正したことが訴えの変更に当たるか, (2)本件協議が地方自治法242条1項に規定する財産管理行為に当たるか,(3)被控訴人が本件協議を行わないことが違法かであるところ,原判決(平成19年7月4日言渡し)は,争点(1)について,訴えの変更には当たらない旨,争点(2)について,財産管理行為 為に当たるか,(3)被控訴人が本件協議を行わないことが違法かであるところ,原判決(平成19年7月4日言渡し)は,争点(1)について,訴えの変更には当たらない旨,争点(2)について,財産管理行為に当たる旨,争点(3)について,本件協議の不実施は,被控訴人の裁量の範囲を逸脱し著しく不当とはいえず,違法ではない旨の各判断をし,本件請求を棄却した。 そこで,控訴人が争点(3)の判断を不服として本件控訴に及んだものであるが,本判決は,原判決と同旨の判断をして本件控訴を棄却するものである。 基礎となる事実及び争点この点は,次のとおり付加・訂正するほかは,原判決の「第2事案の概要」欄の「2基礎となる事実」及び「3争点」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。 (1)原判決2頁4行目の「(証拠」から5行目末尾までを「(証拠を掲記したものは,当該証拠によって認められる事実,その余は,本件当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。)」と改める。 (2)原判決3頁8行目の「監査請求」の次に「(以下「本件監査請求」という。)」を加える。 (3)原判決4頁16行目から19行目までを「判決によって本件協議の不実施が違法と判断され,町が本件協議を実施し,Aに対して本件土地の使用の対価を支払うように申し入れたとしても,Aにはその申入れの諾否に関する自由があり,必ずしも本件土地の有償貸与が実現する保証はない。」と,20行目の「財産的価値」を「本件土地の財産的価値」とそれぞれ改める。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人の本件請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり訂正するほかは,原判決の「第3当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。 原判決14頁16行目 所も,控訴人の本件請求は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり訂正するほかは,原判決の「第3当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これを,ここに引用する。 原判決14頁16行目の「有償契約となる」を「有償契約に変更される」と,24行目の「証拠」を「前記基礎となる事実,証拠」と,「甲8」を「8」とそれぞれ改める。 原判決15頁9行目の「町議会」を削り,24行目の「財産を確保」を「財源を確保」と改める。 原判決20頁4行目の「旧国民宿舎」を「国民宿舎の建物」と改める。 原判決21頁1行目の「旧国民宿舎」を「国民宿舎」と改め,20行目末尾の次に「なお,控訴人は,地方自治法237条2項によれば,「適正な対価なき貸付け」すなわち減額貸付け又は無償貸付けは条例事項又は議会の議決事項とされているから,本件は,被控訴人の裁量権の問題ではなく,条例適合性や町議会の議決の妥当性の問題であると主張する。しかしながら,そもそも本件監査請求及び本件訴訟の対象である怠る事実は,争点(1)について判断したとおり,本件使用貸借契約の締結行為が違法・無効であることに基づいて発生する賃料相当損害金支払請求権の不行使ではなく,本件使用貸借契約の有効を前提として,適正な対価徴収を行うように同契約を変更すべく,同契約に基づく本件協議を実施していないことである。そうすると,本件協議を実施するか否かは正に被控訴人の裁量権の問題というべきであるから,控訴人の上記主張は,採用することができない。 原判決22頁2行目の「その解決策」を「各種委員会を設置するなどしてその解決策」と,17行目から23頁15行目までを次のとおりそれぞれ改める。 「ウ本件使用貸借契約は,前記認定の事実経過の下で,町議会における質疑及び裁決を経て,その議決に基づいて締結されたもの てその解決策」と,17行目から23頁15行目までを次のとおりそれぞれ改める。 「ウ本件使用貸借契約は,前記認定の事実経過の下で,町議会における質疑及び裁決を経て,その議決に基づいて締結されたものであり,控訴人も認めるとおり,その後に,同契約に関して,特段の事情変更は生じていない。 エそうすると,以上のような,国民宿舎の跡地である本件土地に企業誘致がされるに至った動機・経緯,当該企業としてAが選定された経緯・理由,本件ホテルの建設・開業に伴い町や町民にもたらされる経済的効果,本件使用貸借契約の締結に関する町議会での審議等の経過,同契約締結後の事情変更の有無その他の諸般の事情に照らすと,被控訴人が本件協議を行わないことがその裁量の範囲を逸脱し著しく不当であると認めることはできない。」 原判決23頁18行目の「不十分等」から19行目末尾までを「不十分さ等に加え,当審において,本件ホテルの価格設定に照らすと必ずしも町民に対する便益の提供がされているとはいえないこと,多数多様の宿泊施設が既に存在し,消費者の要望に広く応えている現状において,本件ホテルのような宿泊施設を新設する公益上の必要はないこと,地産地消への貢献やエコツーリズムの推進といった地元経済への効果についても,既存の多くの事業者が広く取り組んでいるところであって,本件ホテルの営業に特筆すべき独自性はなく,この点でも特段の公益性はないこと等を主張するが,いずれも上記エの判断を左右するものとは到底認められない。」と改める。 第4 結論 よって,当裁判所の上記判断と同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所宮崎支部裁判長裁判官横山秀憲 裁判官林潤裁判官山口和宏 主文 り,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 理由 福岡高等裁判所宮崎支部裁判長裁判官横山秀憲 裁判官林潤裁判官山口和宏
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