平成23(ワ)26590 貸与物返還等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年7月25日 東京地方裁判所
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判決文本文9,638 文字)

- 1 -平成25年7月25日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成23年第26590号貸与物返還等請求事件口頭弁論の終結の日平成25年4月16日判決東京都文京区<以下略>原告文化シヤッター株式会社同訴訟代理人弁護士田原大三郎田隝芳則栃木県足利市<以下略>被告株式会社サンワコーポレーション同訴訟代理人弁護士鳥飼重和青戸理成野村彩中村隆夫 主文 1 被告は,原告に対し,別紙物件目録記載の動産を引き渡せ。 2 被告は,原告に対し,平成23年6月1日から前項の引渡済みまで1か月2万円の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。 - 2 - 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項と同旨 2 被告は,原告に対し,平成23年4月1日から前項の引渡済みまで1か月2万円の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告が,被告に対し,積算用パソコン等一式の貸与契約について,主位的に前提としている販売基本契約が終了したとし,予備的に貸与契約を解約したとして,貸与契約の終了に基づき,上記パソコン等一式の引渡しと貸与契約終 に対し,積算用パソコン等一式の貸与契約について,主位的に前提としている販売基本契約が終了したとし,予備的に貸与契約を解約したとして,貸与契約の終了に基づき,上記パソコン等一式の引渡しと貸与契約終了の日の翌日である平成23年4月1日からその引渡済みまで1か月2万円の割合による使用料相当損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実並びに各項末尾掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告は,シャッターの製造及び販売等を業とする株式会社であり,被告(平成7年7月3日変更前の商号三和シヤッター工業北関東販売株式会社)は,土木建築用建材の販売並びに土木建築工事の設計管理,施工及び請負等を業とする株式会社である。 (2) 原告と被告は,平成6年4月1日,原告の製品の供給と販売に関する販売基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結し,シャッター等の取引を開始した。これにつき作成された販売基本契約書(甲1)は,原告を丙とし,被告を甲として,1条(主旨)に「丙は丙の製品を甲の注文に応じて円滑に供給し,甲は丙に代ってこれを販売することについて両者は相互に信頼 - 3 -し合い,誠実に責務を全うする。」との約定,17条(契約期間)に「この契約は毎年度末(3月31日)まで有効とし,原則として自動的に翌年度に延長する。但し,甲丙何れか一方からこの契約を延長しないという申出があり,両者協議してこれを決定したときはその協議に従う。」との約定がある。 (3) 原告は,被告に対し,平成9年2月1日から原告の製品価格を積算するパソコン等一式を貸与し,平成17年7月20日から別紙物件目録記載の積算用パソコン等一式(以下「本件パソコン一式」という。)を貸与した(以下「本件貸与契約」という。)。本件パソ の製品価格を積算するパソコン等一式を貸与し,平成17年7月20日から別紙物件目録記載の積算用パソコン等一式(以下「本件パソコン一式」という。)を貸与した(以下「本件貸与契約」という。)。本件パソコン一式の貸与につき作成された平成18年11月22日付「ハードウェア・ソフトウェア貸与契約書」(甲3)は,原告を乙とし,被告を甲として,3条(契約期間)に「契約期間は2005年7月20日~2009年7月19日の48ヶ月間とします。」(1項),「前項の期間満了の1ヶ月前までに甲乙いずれからも書面による別段の意思表示のない限り,この契約は更に1年間自動的に延長されるものとし,以降も同様とします。」(2項),「本条1および2項にかかわらず,甲乙間で締結した取引基本契約書が解除・解約・終了となった場合は,甲は直ちに貸与品を乙に返却することとし,…」(3項)との約定,4条(使用料金)に「甲は,貸与品の使用料金として,別紙1に記載の料金を,毎月乙に支払うものとします。」との約定,5条(中途解約)に「甲または乙は,いつにても書面による1ヶ月前の予告をもって,この契約を解約することができるものといたします。」(1項)との約定があり,別紙1の【使用料金】に「月額使用料金合計=20,000円」との記載がある。 (甲3,乙1,2) - 4 -(4) 原告は,平成23年3月9日ころ,被告に対し,書面(甲4)により,本件基本契約を延長せず,同月31日をもって終了させるとの申出(以下「本件申出」という。)をした。 (5) 原告は,平成23年4月18日,被告に対し,書面(甲5の1)により,本件貸与契約を同年5月31日をもって解約するとの意思表示(以下「本件意思表示」という。)を書面でした。 2 争点及びこれについての当事者の主張本 ,被告に対し,書面(甲5の1)により,本件貸与契約を同年5月31日をもって解約するとの意思表示(以下「本件意思表示」という。)を書面でした。 2 争点及びこれについての当事者の主張本件の争点は,①本件基本契約の終了により本件貸与契約が終了したか,これが認められないとしても,②本件意思表示により本件貸与契約が終了したかである。 (1) 争点①(本件基本契約の終了により本件貸与契約が終了したか)について(原告の主張)ア本件基本契約は,17条ただし書に従い,終了した。原告と被告は,協議して本件基本契約を延長しないことを決定していないが,これは,原告が本件申出に当たり被告の申出があれば協議すると伝えたにもかかわらず,被告が協議の申出をしなかったことによるのであって,被告は,協議をすることを放棄したものである。 イ仮に本件基本契約が17条ただし書に従って終了していないとしても,被告は,次のように,原告との信頼関係を回復することができないほどに破壊したから,本件基本契約は,本件申出により終了した。 (ア) 被告は,原告との間で,販売価格について原告の了解を得てから販売する旨合意していたのに,原告の了解を得ないまま,原告が負担する - 5 -取付工事費等を安くした価格で原告の製品を販売していた。 (イ) 被告は,平成12年ころ,原告から,目立つ位置に「使用環境…粉塵…のないこと」と記載された原告のシートシャッター「大間迅」(以下「大間迅」という。)のカタログを配付されていたのに,同年12月以降,株式会社キリウ(以下「キリウ」という。)に対し,その使用環境に粉塵が多いことを確認せず,又は確認していながら大間迅を販売し,これにより故障が頻発したが,原告が平成21年11月から申し入 2月以降,株式会社キリウ(以下「キリウ」という。)に対し,その使用環境に粉塵が多いことを確認せず,又は確認していながら大間迅を販売し,これにより故障が頻発したが,原告が平成21年11月から申し入れていた他の製品に交換するためのキリウとの直接交渉を拒んだので,原告が無償の修理を繰り返さざるを得ず,その結果,原告は,被告との取引による赤字額が平成15年度以降に限っても約7745万円に上った。 (ウ) 被告は,本件パソコン一式から取得した原告の営業上の秘密である仕切り価格を用いて,原告と競合する三和シヤッター工業株式会社(以下「三和シヤッター」という。)等の製品を有利に販売した。 ウしたがって,本件貸与契約は,本件基本契約が終了したことにより,終了した。 (被告の主張)ア原告と被告は,協議して本件基本契約を延長しないという決定をしていないから,本件基本契約が17条ただし書に従って終了することはない。 被告が協議の申出をしなかったのは,原告が本件申出に当たり被告に対して,延長しないという原告の意思が固く,協議しても翻ることがないと伝えていたからであり,原告が協議することを放棄したものである。 イまた,被告は,次のとおり,原告との信頼関係を破壊していないから, - 6 -本件基本契約が終了することはない。 (ア) 被告は,原告の了解を得ずに,取付工事費等を安くした価格で原告の製品を販売したことはない。仮に取付工事費等を安くした価格で販売したことがあったとしても,原告は,栃木県足利市近辺における市場占有率を伸ばすために,このことを納得していた。 (イ) 原告は,大間迅を発売した平成10年ころには使用条件を限定していなかったし,平成12年以降も,配付したカタログに使用環境を小さ る市場占有率を伸ばすために,このことを納得していた。 (イ) 原告は,大間迅を発売した平成10年ころには使用条件を限定していなかったし,平成12年以降も,配付したカタログに使用環境を小さく記載するだけで,被告への指導もしなかったから,被告がキリウの使用環境を確認しなかったとしても,このことに落ち度はない。そして,被告は,他の製品への交換を申し入れていたのに,原告は,これを聞き入れずに場当たり的な修理を繰り返していたのであり,被告が原告から申し入れられた他の製品に交換するためのキリウとの直接交渉を拒んだことはない。 (ウ) 被告は,原告の仕切り価格を用いて,三和シヤッター等の製品を有利に販売したこともない。 ウしたがって,本件基本契約は終了していないから,本件貸与契約が本件基本契約の終了により終了することはない。 (2) 争点②(本件意思表示により本件貸与契約が終了したか)について(被告の主張)原告の製品価格を積算するパソコン等一式の貸与は,本件貸与契約を含めて,平成9年2月から平成23年4月まで14年以上にわたって継続された契約である。シャッター業界において,栃木県足利市近辺は,三和シヤッタ - 7 -ーの市場占有率が高く,被告も,主に三和シヤッターの製品を販売していたが,平成9年ころからはほぼ原告の製品のみを販売するようになり,同市近辺における原告の市場占有率を10%程度から約50%にまで押し上げたのである。また,被告は,顧客の様々な要求に対して迅速に見積りを提示する必要があり,本件パソコン一式は営業上不可欠のものである。なお,被告は,平成20年ころから,原告以外の製品も販売するようになったが,これは,原告が平成19年に仕切り価格を急激に引き上げたためにやむを得ず行って ,本件パソコン一式は営業上不可欠のものである。なお,被告は,平成20年ころから,原告以外の製品も販売するようになったが,これは,原告が平成19年に仕切り価格を急激に引き上げたためにやむを得ず行っているものであり,平成24年度においても,売上高の約6割が原告製品の販売によるものである。そうであるから,信義則上,被告に本件貸与契約を継続し難い不信行為があるなど,やむを得ない事由がなければ,本件貸与契約を解約することができない。 原告は,栃木県足利市近辺における十分な市場占有率を獲得することができたタイミングで,被告から営業上不可欠な本件パソコン一式を取り上げようとして本件意思表示をしたのであって,被告が原告との信頼関係を破壊したことがないことは,前記(1)(被告の主張)のとおりであり,信義則上,やむを得ない事由がないから,原告は本件貸与契約を解約することができない。 したがって,本件貸与契約は,終了していない。 (原告の主張)原告の製品価格を積算するパソコン等一式の貸与は,本件貸与契約を含めて,自由な更新の拒絶を認めているから,継続的契約ではない。原告は,被告を原告専属の販売代理店にすることを検討し,原告の営業上の秘密である仕切り価格を取得し得る本件パソコン一式を特別に貸与したにすぎないし, - 8 -本件パソコン一式は,見積書を作成するための道具であり,被告は,平成20年ころから,主に原告以外の製品を販売するようになっているから,本件パソコン一式がないと見積りができなくなるというわけでもない。なお,原告が平成19年に仕切り価格を引き上げたのは,原告が,取付工事等を行わない被告に対し,当該工事費等を除いた工場仕切り価格での販売を認めず,当該工事費等を含めた営業店仕切り価格での販売のみを認めるよ 告が平成19年に仕切り価格を引き上げたのは,原告が,取付工事等を行わない被告に対し,当該工事費等を除いた工場仕切り価格での販売を認めず,当該工事費等を含めた営業店仕切り価格での販売のみを認めるようにしたからにすぎない。そうであるから,原告は,やむを得ない事由がなくても,本件貸与契約を解約することができる。 仮にやむを得ない事由がなければならないとしても,被告が原告との信頼関係を回復することができないほどに破壊したことは,前記(1)(原告の主張)のとおりであって,被告には本件貸与契約を継続し難い不信行為があり,やむを得ない事由があるから,原告は,本件貸与契約を解約することができるのである。 したがって,本件意思表示によって,本件貸与契約は終了した。 第3 当裁判所の判断 1 争点①(本件基本契約の終了により本件貸与契約が終了したか)について(1) 本件申出に対し,原告と被告が協議して本件基本契約を延長しないという決定をしていないことは,原告が自認するところであり,そうであれば,本件基本契約が,17条ただし書に従って終了したということはできない。 原告は,被告が協議の申出をせず,協議をすることを放棄したと主張するが,17条ただし書は,その文言に照らして,合意解約を定めた趣旨であると解されるから,協議して本件基本契約を延長しないという決定をしていな - 9 -い以上,本件基本契約が終了することはないのであって,原告の上記主張は,採用することができない。 (2) 証拠(甲1)によれば,本件基本契約につき作成された販売基本契約書には,契約の終了に関するものとして,14条に,当事者の一方が契約に違反して相手方に損害を与えたときに相手方が契約を一方的に破棄し,また,被告が原告に対する売買代金の支 つき作成された販売基本契約書には,契約の終了に関するものとして,14条に,当事者の一方が契約に違反して相手方に損害を与えたときに相手方が契約を一方的に破棄し,また,被告が原告に対する売買代金の支払その他の債務の履行を怠ったときなどに,相手方が直ちに契約を解除することを定めたほかは,17条の約定だけがあることが認められる。 そこで,本件において,原告が主張するように,被告が原告との信頼関係を回復することができないほどに破壊したときに,本件基本契約の延長を拒絶することができると解する余地があるとしても,以下のとおり,被告が原告との信頼関係を回復することができないほどに破壊したということはできないから,原告が本件基本契約の延長を拒絶することはできない。 ア証拠(甲1ないし3,6,7,9ないし13,14の1ないし4,15,乙1,2,11ないし15,17,証人A,同B,被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,(ア) 原告と被告は,本件基本契約の締結に付帯して覚書を取り交わしたが,これには,「価格表・納期は個別見積書によるものとする。」との記載がある,(イ) 栃木県足利市と群馬県太田市には三和シヤッターの工場があり,平成7年以前における周辺のシャッター類の市場占有率は,同社が極めて高く,原告のそれは極めて低かった,(ウ)原告は,平成9年2月から,被告に対し,原告の積算用パソコン等一式を貸与し,被告はこれを利用するようになったところ,覚書では,原告の個 - 10 -別見積書によるとされていたが,原告の見積りが遅かったので,被告は,積算用パソコンでおおよその見積りをし,大きな取引以外は原告の事前了解を得ないまま販売して,取付工事は原告に行ってもらうとともに,月末ころに足利営業所から求められる取付工事費等を含めた営業所仕切 ,積算用パソコンでおおよその見積りをし,大きな取引以外は原告の事前了解を得ないまま販売して,取付工事は原告に行ってもらうとともに,月末ころに足利営業所から求められる取付工事費等を含めた営業所仕切り価格での決済に対しては,取付工事費を除いた工場仕切り価格に近い価格での決済を求めた,(エ) 原告は,被告が求める価格では営業所単位で赤字となるものであったが,栃木県足利市周辺における三和シヤッターの独占状態を切り崩したり,早期に決済したりする必要があったので,被告が求める価格での決済を受け入れた,(オ) 原告は,被告に対する売上げが平成18年に過去最高になったものの,営業所単位での赤字も相当に拡大していたので,平成19年1月11日,被告に対し,文書で原告の見積りを経て原告が注文請書を発行しない取引は同月22日から受注しない旨を通告したところ,被告は,一方的な値上げであると反発したが,以後,原告に見積りをしてもらった上で,原告が求める営業所仕切り価格に近い価格で仕入れて販売するようになった,以上の事実が認められる。 上記認定の事実によれば,被告は,平成9年2月ころから平成19年1月まで,原告から見積書を得ることなく販売したが,その期間は,原告の見積りが遅かったので,事前に見積書を得ることは困難であったし,大きな取引については,原告の事前了解を得ていたのであり,原告も,三和シヤッターの独占状態を切り崩したり,早期に決済したりする必要性があって,これを受け入れていたのである。 イ証拠(乙3,6,7の1及び2,9,10,13,19,被告代表者) - 11 -及び弁論の全趣旨によれば,(ア) 原告は,ベルギーのダイナコ社から許諾を受け,平成10年ころ,フォークリフト等の車両が衝突してシートがレールから外れても,巻き上げ 告代表者) - 11 -及び弁論の全趣旨によれば,(ア) 原告は,ベルギーのダイナコ社から許諾を受け,平成10年ころ,フォークリフト等の車両が衝突してシートがレールから外れても,巻き上げるだけで自動的にレールに復旧する大間迅を発売したところ,平成11年ころまでは,カタログに使用条件を記載していなかったが,平成12年ころからは,カタログ内の製品写真の下に小さく「使用環境温度-30~+40℃,湿度85%RH以下粉塵,有毒ガス,結露,凍結のないこと」等と記載するようになった,(イ) 被告は,当初配付されたカタログに使用条件の記載がなく,原告からの指導もなかったので,同年12月から,キリウに対し,シャッターを設置しようとする工場内に大量の粉塵が舞っていたにもかかわらず,修理費の節減に役立つことを訴えて,多数の大間迅を順次販売した,(ウ) 平成13年12月以降,キリウの工場に設置した大間迅にジッパーが破損するなどの不具合が度々生じ,被告は,平成14年2月と平成15年11月の2度にわたり,原告の技術者に現地調査をしてもらったが,原因は明確に特定されなかった,(エ) 被告は,平成14年4月以来,原告に対し,キリウの工場に設置した大間迅を他のシートシャッターに交換するよう求めたが,原告は容易にこれを認めず,平成17年1月に粉塵が原因であると判明した後にも,修理代を請求しようとすることがあった,以上の事実が認められる。 上記認定の事実によれば,被告は,キリウに対し,シャッターを設置しようとする工場内に大量の粉塵が舞っていたにもかかわらず,多数の大間迅を販売したが,当初配付されたカタログに使用条件の記載はなく,平成 - 12 -12年ころから配付されたカタログにはその記載がされるようになったが,記載は小さなものであり らず,多数の大間迅を販売したが,当初配付されたカタログに使用条件の記載はなく,平成 - 12 -12年ころから配付されたカタログにはその記載がされるようになったが,記載は小さなものであり,原告からの指導もなかったのである(なお,被告が原告から申し入れられていた大間迅以外の製品に交換するためのキリウとの直接交渉を拒んだことを認めるに足りる証拠はない。)。 ウ被告が原告の仕切り価格を用いて三和シヤッター等の製品を有利に販売したことについては,これを認めるに足りる証拠がない。 エ上記アないしウに照らせば,被告が原告との信頼関係を回復することができないほどに破壊したということはできない。 (3) したがって,本件基本契約が終了したとは認められず,これをもって本件貸与契約が終了したとは認められない。 2 争点②(本件意思表示により本件貸与契約が終了したか)について前記前提事実によれば,本件貸与契約は,5条1項に従い,本件意思表示により,平成23年5月31日をもって終了したと認められる。 被告は,原告の製品価格を積算するパソコン等一式の貸与が,本件貸与契約を含めて,平成9年2月から平成23年4月まで14年以上にわたって継続されたなどとして,やむを得ない事由がなければ,本件貸与契約を解約することができないと主張する。しかしながら,証拠(甲11,15,証人B)によれば,原告は,原告の製品価格を積算するパソコン等一式について,特約販売店のうち,貸与を希望し,かつ,原告との取引上貢献度が特に高いと判断したものに貸与しているところ,被告は,原告の特約販売店ではないことが認められ,この事実によれば,被告については現在も原告との間の取引が継続しているとしても,本件パソコン一式の貸与の継続が当然に期待されるもので 与しているところ,被告は,原告の特約販売店ではないことが認められ,この事実によれば,被告については現在も原告との間の取引が継続しているとしても,本件パソコン一式の貸与の継続が当然に期待されるものであるという - 13 -ことはできないのであって,原告は,やむを得ない事由がなくても,本件貸与契約を解約することができるといわなければならない。被告の上記主張は,採用することができない。 3 以上によれば,原告の請求は,本件パソコン一式の引渡しと本件貸与契約が終了した日の翌日である平成23年6月1日からその引渡済みまで1か月2万円の割合による使用料相当損害金の支払を求める限度で理由がある。 よって,原告の請求を上記の限度で認容し,その余は失当としてこれを棄却し,なお,本件パソコン一式の引渡しに係る仮執行の宣言は,相当でないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官高野輝久 裁判官志賀勝 裁判官藤田壮 - 14 -(別紙)物件目録 1 次のソフトウェアがインストールされたCPU(型名PC-MY32V。15インチ液晶モニタ,109キーボードを含む。)① MSOFFICE 2000 PROFESSIONAL(型名TP1-A00124029)② ATOKFORWindows(型名TP1-073957028)③ 見積積算システム 2 日本語ページプリンタ(型名PR-L2360N) 3 プリンタケーブル(長さ 29)② ATOKFORWindows(型名TP1-073957028)③ 見積積算システム 2 日本語ページプリンタ(型名PR-L2360N) 3 プリンタケーブル(長さ4m,型名PC-CA205) 4 3.5インチ光ディスクユニット(型名LMO-F654U2)

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