【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人福田耕治、同森本脩連名の上告趣意は、憲法三一条違反をいう点を含めて、 実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張で
主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人福田耕治、同森本脩連名の上告趣意は、憲法三一条違反をいう点を含めて、 実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張であり、被告人本人の上告趣意は、 憲法二二条、二七条、二九条違反をいうが、所論は原審において主張、判断を経て いない事項について違憲をいうものであつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由 にあたらない。 なお、薬事法一二条が製造業の許可を受けないで業として製造することを禁じて いる医療用具で同法二条四項、同法施行令一条別表第一の三二に定めている「医療 用吸引器」は、陰圧を発生持続させ、その吸引力により人(若しくは動物)の疾病 の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人(若しくは動物)の身体の構造 若しくは機能に影響を及ぼすことを目的とする器具器械であれば足り、必ずしも電 動力等の強力な動力装置を備えているもの又は専ら手術に用いられるものに限定さ れず、また、人の健康に害を及ぼす虞が具体的に認められるものであることを要し ないもの(昭和三八年(あ)第三一七九号同四〇年七月一四日大法廷判決・刑集一 九巻五号五五四頁参照)と解すべきである。 ところで、原判決の認定するところに照らせば、本件吸圧器は、プラスチツク製 吸角を体表に密着させ手動ポンプの力によつて右吸角内の気圧を五〇水銀柱センチ メートル以上減圧し、かつ、数分間持続することができるもので、この吸引力によ つて非観血法のみならず観血法による疾病の治療に使用し、又は人体の構造若しく は機能に影響を及ぼすことを目的とする器具であることが認められるから、同法二 条四項、同法施行令一条別表第一の三二に定める「医療用吸引器」にあたり、被告 人が、右器具を厚生大臣の許可を受けることなく業として製造した点は同法一二条 - 1 - 一項に ことが認められるから、同法二 条四項、同法施行令一条別表第一の三二に定める「医療用吸引器」にあたり、被告 人が、右器具を厚生大臣の許可を受けることなく業として製造した点は同法一二条 - 1 - 一項に違反し、これを販売した点は同法六四条、五五条二項に違反するといわなけ ればならない。 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、 主文のとおり決定する。 昭和五四年三月二二日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 中 村 治 朗 裁判官 団 藤 重 光 裁判官 藤 崎 萬 里 裁判官 本 山 亨 裁判官 戸 田 弘 - 2 -
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