昭和26(う)4476 贈賄被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和27年4月18日 東京高等裁判所 破棄差戻
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【DRY-RUN】主    文      原判決中被告人に関する部分を破棄する。      本件を東京地方裁判所に差し戻す。          理    由  本件控訴の趣旨は、末尾に添附した弁護人宮城実作成名義の控訴

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判決文本文1,425 文字)

主文 原判決中被告人に関する部分を破棄する。 本件を東京地方裁判所に差し戻す。 理由 本件控訴の趣旨は、末尾に添附した弁護人宮城実作成名義の控訴趣意書と題する書面記載のとおりである。 右控訴の趣意第二点について、公判調書は刑事訴訟法第四十八条、刑事訴訟規則第四十四条乃至第四十九条、第五十二条、第五十八条、第五十九条等の規定に従い、裁判所書記官が作成すべきものであるから、その調書の各葉には、これを作成した書記官が契印をし、又文字を挿入、削除した場合は、これに認印して、その字数を記入しなければならないこと<要旨>は勿論であるが、右刑事訴訟規則第五十八条、第五十九条は、公文書の公正を期するための訓示規定と解すべ</要旨>きであるから、たとえ公判調書に裁判所書記官の契印を一部欠如し、又は文字の挿入、削除について認印、字数の記入等を遺脱しても、その形式、内容が整然とし、調書全体を通じて脈絡、一体性の認められるものがあり、当該裁判所書記官において真正に作成したものであることが明認できる場合は、必ずしも該公判調書を無効のものということができない。しかしながら右と同種の瑕疵ある公判調書でも、その瑕疵が著しく広範囲又は重要の部分に存し、調書全体の形式、内容に照し、脈絡、一体性が認められず、当該裁判所書記官が正当に作成したものであるかどうか直ちに明認ができない場合は、その調書は、公判調書としての効力を有しないものといわなければならない。所論原審第一回公判調書を見ると、該調書は、丁数番号は第十六丁より第十九丁までであるが、紙数は第一葉より第五葉まであつて、第二葉と第三葉には、いずれも17と丁数番号を附してあり、しかも各葉には全然裁判所書記官の契印を欠如し、又第三葉欄外には文字の記入があるがこれについ までであるが、紙数は第一葉より第五葉まであつて、第二葉と第三葉には、いずれも17と丁数番号を附してあり、しかも各葉には全然裁判所書記官の契印を欠如し、又第三葉欄外には文字の記入があるがこれについての認印、字数の記載はなく、全体の内容を通読すると、第一回公判手続の経過を一貫して記載したものと認めらないこともないが、諸所に墨書の外に鉛筆書の記載もあり、殊に最終の第五葉には、単に年月日と裁判所名の記載及び裁判所書記官補と裁判官の署名押印があるのみで、前葉との脈絡は必しも明瞭とは言えないから、右調書は、全体として、当該裁判所書記官補において真正に作成した一体性ある完全な公判調書とは到底認め難く、即ち右調書は法定の公判調書としての効力を有しないものといわざるを得ない。 而して右調書は、被告人及び原審相被告人Aに対する原審第一回公判に関するものであつて、検察官の起訴状朗読、被告人等の意見の陳述証拠調書等主要な訴訟行為が記載されているが、右調書が無効のものたる以上、原審第一回公判調書を欠くこととなり、同公判において如何なる訴訟行為が行われたか不明に帰するから、右公判調書の作成に関する原審の訴訟手続の法令違反は明らかに判決に影響を及ぼすものというべきである。 然らば論旨は理由があり、原判決中被告人に関する部分はこの点において破棄を免れないものであるから、爾余の控訴の趣意に対する判断はすべてこれを省略し、刑事訴訟法第三百九十七条、第三百七十九条、第四百条本文に則り主文のとおり判決をする。 (裁判長判事下村三郎判事高野重秋判事久永正勝)

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