令和3(ワ)2352 レスキュー商法損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年1月19日 京都地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-92778.txt

判決文本文10,630 文字)

- 1 - 主 文1 被告A、被告B、被告C、被告D、被告E及び被告Fは、別紙1「原告名」欄記載の者に対し、連帯して、同「認容額」欄記載の各金額及び各金員に対する令和3年8月26日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 原告らの前項記載の被告らに対するその余の主位的請求をいずれも棄却す5る。 3 原告らの被告Gに対する主位的請求及び予備的請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用の負担は次のとおりとする。 ⑴ 被告Gに生じたもの及び原告らに生じたものの7分の1は原告らの負担とする。 10⑵ 原告らに生じたものの7分の6及び被告Gを除く被告らに生じたものは、これを5分し、その1を原告らの、その余を上記の被告らの負担とする。 5 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由第1 請求151 主位的請求被告らは、別紙1「原告名」欄記載の者に対し、連帯して、同「請求額」欄記載の各金額及び各金員に対する令和3年8月26日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 予備的請求20被告らは、別紙1「原告名」欄記載の者に対し、連帯して、同「支払額」欄記載の各金額及び各金員に対する令和3年8月26日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要原告らは、各々、自宅で発生したトイレ等の水回りのトラブルについて、被25告Cが運営するウェブサイト「水のトラブル緊急駆付隊」(以下「本件ウェブ- 2 - サイト」という。)に記載された電話番号に電話をかけて、修理業者の派遣を依頼した。被告D、被告E又は被告Fが原告らの自宅を訪れ、それぞれ水回りの修理に関する工事請負契約を締結し、原告らは代金を支払った。 本件は、原告らが、被告らに 番号に電話をかけて、修理業者の派遣を依頼した。被告D、被告E又は被告Fが原告らの自宅を訪れ、それぞれ水回りの修理に関する工事請負契約を締結し、原告らは代金を支払った。 本件は、原告らが、被告らに対し、主位的に、被告らは、過大な工事代金の支払を受けることを目的として、明確な合意をしないままに修理工事を実施し、5その後に原告らに工事請負契約を締結させて高額な代金を支払わせたと主張して、不法行為に基づき、別紙1「請求額」欄記載の各損害金及び各損害金に対する不法行為日の後の日である令和3年8月26日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の連帯支払を請求し、予備的に、クーリングオフにより上記工事請負契約を解除したと主張して、特定商取引に関する法律10(以下「特商法」という。)9条6項に基づき、各原告が工事代金として支払済みの別紙1「支払額」欄記載の各金員及び各金員に対する代金受領日の後の日である令和3年8月26日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による利息の連帯支払を請求する事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容15易に認められる事実)⑴ 当事者ア 被告A、被告B、被告G本件ウェブサイトの「会社概要」ページに、時期を異にしつつ、「運営責任者」として記載されていた者である。 20イ 被告C本件ウェブサイトを運営するアクアセーフティー及びライフライン24の経営者である。 ウ 被告D、被告E、被告F本件ウェブサイト上の電話番号に架電した顧客を訪問し、修理工事を行25う者である。 - 3 - ⑵ 本件ウェブサイトの表示(甲8~11)ア 本件ウェブサイトには、トップページに「水のトラブル即解決」「税込1000円~」と表示され、費用につ 工事を行25う者である。 - 3 - ⑵ 本件ウェブサイトの表示(甲8~11)ア 本件ウェブサイトには、トップページに「水のトラブル即解決」「税込1000円~」と表示され、費用について「安心の価格設定!作業に入る前に必ずお見積りをお出ししています。出張、調査、お見積りまでは完全無料なのでご安心ください。」「基本料金税込1000円~+部品代+作5業費」、作業費用一例として「ポンプ5000円(税込)~」「便器脱着15000円(税込)~」「高圧洗浄20000円(税込)~」などと表示されている。 イ 本件ウェブサイトの「会社概要」ページには、令和2年10月23日時点で、会社名としてアクアセーフティー、運営責任者として被告Gが記載10されていた。 令和3年3月10日時点では、会社名としてライフライン24、運営責任者として被告Aが記載されていた。 令和3年4月22日時点では、会社名としてライフライン24、運営責任者として被告Bが記載されていた。 15⑶ 工事請負契約の締結(甲A1、B1、C1、D1、E1、F1、G1、H1、I1、J1、K1、L1)原告らは、各々、その自宅等でトイレ等の水回りのトラブルが生じたため、本件ウェブサイトに記載された電話番号に電話をかけ、被告D、被告E又は被告Fが原告らを訪問した。 20別紙1のとおり、「原告名」欄記載の各原告は、「契約日」欄記載の日に、「提供事業者」欄記載の者との間で、「工事内容」欄記載の作業を実施することを内容として「代金」欄記載の金額で工事請負契約を締結した(以下、原告らを指し示すときは「原告A」などと符号を用いることとし、原告らが締結した工事請負契約をまとめて「本件各契約」という。)。本件各契約に25はそれぞれ契約書が作成されており、各契約書には作業責 原告らを指し示すときは「原告A」などと符号を用いることとし、原告らが締結した工事請負契約をまとめて「本件各契約」という。)。本件各契約に25はそれぞれ契約書が作成されており、各契約書には作業責任者として同別紙- 4 - 「作業責任者」欄記載の者が記載されている。 ⑷ 被告Fの応訴態度被告Fは、本件訴訟において、口頭弁論期日及び弁論準備手続期日のいずれにも出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しなかった。 2 争点5⑴ 工事施工者に不法行為が成立するか(争点1、主位的請求関係)⑵ 共同不法行為が成立するか(争点2、主位的請求関係)⑶ 不法行為によって生じた損害(争点3、主位的請求関係)⑷ 本件各契約についてクーリングオフによる解除をすることができるか(争点4、予備的請求関係)103 争点に関する当事者の主張⑴ 工事施工者に不法行為が成立するか(争点1、主位的請求関係)(原告らの主張)被告らが、原告らを勧誘し、本件各契約を締結させた行為は違法である。 被告らは、顧客から過大な利益を得ることを目的として、実際には高額な15料金を請求するにもかかわらず、本件ウェブサイト上に、あたかも1000円程度の低額料金で工事が可能であるかのように表示した。サービスの利用に必要な追加費用を表示せず、極めて安価な基本料金のみを表示することは、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示をして、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する有利誤20認表示にあたり、不当景品類及び不当表示防止法5条2号違反である。さらに、被告らの行為は特商法上の訪問販売にあたるところ、本件ウェブサイト上に実際の工事代金よりも低廉な料金を表示して契約の締結を勧誘したことは、重要な事実につき不実 表示防止法5条2号違反である。さらに、被告らの行為は特商法上の訪問販売にあたるところ、本件ウェブサイト上に実際の工事代金よりも低廉な料金を表示して契約の締結を勧誘したことは、重要な事実につき不実のことを告げたものとして同法6条1項2号違反であるとともに、役務の対価について故意に告げなかったものとして同条225項違反である。 - 5 - その上で、被告らは、本件ウェブサイトを見て連絡をしてきた原告らの自宅を訪れ、発生している現象の原因、その原因を除去するために必要な作業内容や費用について十分な説明をせず、原告らと明確な合意をしないまま、契約締結前に作業の一部を実施した。そうすることで、契約を締結しなければ実施した作業に対する費用を請求すると申し向けて原告らを勧誘し、もは5や契約を締結するしかないと思わせて、契約を締結するか否か検討できないようにした。さらに、費用については火災保険がおりるなどの虚偽の事実を申し向けた。被告らのこのような勧誘行為は、不法行為法上違法である。 契約締結経緯等に関する各原告の個別的な事情については、別紙2「原告らの主張」欄記載のとおりである。 10(被告A、被告B、被告C、被告D及び被告Eの主張。以下、この5名を合わせて「被告Aら」という。)ア 本件ウェブサイトの表示は、不当なものではない。実際に1000円から数千円程度で処理することができた事案は多くあったから、作業内容や部品の費用により工事代金が高額になることがあったからといって、本件15ウェブサイトに不実のことを記載したことにはならない。 イ 被告らは、作業内容及び費用について、あらかじめ原告らに詳細に説明しており、原告らは納得して自らの意思で契約を締結した。被告らは契約を締結した上で作業を開始しており、原告らの承諾なく勝手 い。 イ 被告らは、作業内容及び費用について、あらかじめ原告らに詳細に説明しており、原告らは納得して自らの意思で契約を締結した。被告らは契約を締結した上で作業を開始しており、原告らの承諾なく勝手に作業を開始したことはない。 20原告らに提示した作業内容は必要なもののみであり、過大なものは提案しておらず、過大な費用も請求していない。金額が通常に比較して多少高額となっているのは、時間を問わず人工が出動して直ちに作業を行うからであり、不当に高額なものではない。 被告らが、原告らに対し、修理作業につき火災保険が出ると言ったこと25はない。原告らには、トイレの水詰まりなどにより家屋に汚損が発生した- 6 - 場合には、火災保険等の保険が出る可能性があると説明していただけである。原告らの保険証書を直ちに確認できる場合には、保険が下りるかどうかの確認をしていたし、保険証書がその場で確認できない場合には原告らに保険会社に尋ねて確認するよう伝えていた。 契約締結経緯等に関する各原告の個別的な事情については、別紙2「被5告Aらの主張」欄記載のとおりである。 ⑵ 共同不法行為が成立するか(争点2、主位的請求関係)(原告らの主張)被告らの行為は、被告G、被告A、被告B及び被告Cが本件ウェブサイトを運営し、本件ウェブサイト上の低廉な料金の表示を見て電話をかけた顧客10に対して、被告D、被告E及び被告Fが実働部隊として派遣され、本件ウェブサイト上の表示とは異なる高額な料金を請求するという、一連一体で組織的に行われていたものである。被告らが、それぞれ重要な役割を果たし、相互に協力し、補完する関係であったことは明らかであり、被告らの行為には客観的関連共同性がある。 15(被告Aらの主張)被告らの行為に共同不法行為は成立し らが、それぞれ重要な役割を果たし、相互に協力し、補完する関係であったことは明らかであり、被告らの行為には客観的関連共同性がある。 15(被告Aらの主張)被告らの行為に共同不法行為は成立しない。 ア 被告Cが運営するアクアセーフティーは広告会社であり、工事担当者である被告D、被告E及び被告Fは、それぞれが独立の個人事業主として、アクアセーフティーに広告の依頼をするという関係である。同人らは被告20Cの従業員ではない。 アクアセーフティーが広告を出し、顧客が広告を見て依頼をしてきた際に、被告Cが、顧客の居住地、工事の内容やその難易度、各工事担当者の仕事量などを考慮して、工事の割り当てをする。割り当てを受けた工事担当者が顧客と契約を締結して工事を行い、契約金額の60~70%を広告25費としてアクアセーフティーに支払う仕組みになっている。 - 7 - イ 被告A及び被告Bは、いずれも被告Cに雇われていた従業員で、本件ウェブサイトの運営に関する責任者として、それぞれが該当時期に活動していたにすぎない。 (被告Gの主張)被告Gは、本件ウェブサイトの運営を含むアクアセーフティー等の事業に5全く関与していないから、被告C及び被告Aらとの間で共同不法行為は成立しない。 被告Gはかつて教師をしており、被告Cの父は教え子であった。本件ウェブサイト上にある被告Gの名前は、そのような関係性を利用して被告Cにより無断で使用されたものにすぎない。被告Gは、令和2年11月26日に名10義の無断使用について被告Cとの間で和解契約書を取り交わしており、被告Cも被告Gの名義の無断使用を認めている。 ⑶ 不法行為によって生じた損害(争点3、主位的請求関係)(原告らの主張)別紙1のとおり、各原告は「支払額」欄、「慰謝料」欄及び り交わしており、被告Cも被告Gの名義の無断使用を認めている。 ⑶ 不法行為によって生じた損害(争点3、主位的請求関係)(原告らの主張)別紙1のとおり、各原告は「支払額」欄、「慰謝料」欄及び「原告らの主15張」欄における「弁護士費用」欄記載の各金額を合計した「請求額」欄記載の損害を負った。 (被告Aらの主張)否認し、争う。 ⑷ 本件各契約についてクーリングオフによる解除をすることができるか(争20点4、予備的請求関係)(原告らの主張)ア 本件各契約は、別紙2「契約締結経緯及び締結後の事情」欄記載のとおり、被告らの訪問販売によって締結されたものである。 イ 別紙1「原告名」欄記載の各原告は、同「クーリングオフ発信日」欄記25載の年月日に、同「提供事業者」欄若しくは「作業責任者」欄記載の者又- 8 - はその両方に対し、それぞれが締結した工事請負契約についてクーリングオフによる解除をする旨の通知を発した。 ウ 被告らは、アクアセーフティー等の共同事業主であるから、別紙1の「提供事業者」欄に「Aqua Safety」と記載されている原告らに対して、連帯して原状回復義務を負う。 5上記以外の原告らは、本件ウェブサイトを閲覧して、修理の依頼をしたのであり、個々の工事を提供していない被告らは名板貸責任(商法14条)として共同して原状回復義務を負う。 (被告Aらの主張)本件各契約は、原告らの依頼により派遣された被告D、被告E又は被告F10との間に締結されたもので、来訪要請による訪問販売に該当するので、クーリングオフによる解除をすることができない。 第3 当裁判所の判断1 認定事実後掲証拠(枝番号を含む)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認めら15れる。 ⑴ 本件各契約の契約締結 リングオフによる解除をすることができない。 第3 当裁判所の判断1 認定事実後掲証拠(枝番号を含む)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認めら15れる。 ⑴ 本件各契約の契約締結経緯及びその後の事情については、別紙2「証拠」欄記載の証拠により、同別紙「契約締結経緯及び締結後の事情」欄記載のとおり認められる。 ⑵ PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム。独立行政法人20国民生活センターが、全国各地の消費生活センターに寄せられた苦情・相談を収集して整理したデータベース。)には、令和2年度から令和3年度にかけて、被告Dに対する苦情相談が20件、アクアセーフティー又はAquaSafety に対する苦情相談が55件、ライフライン24に対する苦情相談が2件受け付けられたことが記録されている。具体的な相談内容は、いずれも本25件ウェブサイトを見て業者を呼んだら、本件ウェブサイト上の表示とは異な- 9 - った高額な代金を請求されたというものである(ただし、アクアセーフティー又はAqua Safety に対する具体的な相談内容は55件中19件のみ記載されている)。(甲18)⑶ 被告Cと被告Gは、令和2年11月26日、被告Cが被告Gの承諾なく、会社運営責任者として被告Gの名義を使用したことについて、被告Cが被告5Gに20万円を支払う内容の和解契約を締結した。和解契約書には「私儀被告Cは被告G氏の承諾なく、会社運営責任者として使用しました。被告G氏は当社とは一切関係ございません。」との記載がある。 被告Gは、被告Cの父と教師と教え子という関係であるところ、被告Cの父から息子の水道の仕事の顧問になってほしいと言われたことがあり、その10後に消費生活センターからの連絡で本件ウェブサイトに自己が運営 は、被告Cの父と教師と教え子という関係であるところ、被告Cの父から息子の水道の仕事の顧問になってほしいと言われたことがあり、その10後に消費生活センターからの連絡で本件ウェブサイトに自己が運営責任者として記載されていることを知った。被告Gは、自己の名を消すよう被告Cの父に依頼し、上記和解案の作成に至った。(弁論の全趣旨)2 争点について⑴ 工事施工者に不法行為が成立するか(争点1)15ア 本件ウェブサイトには、「安心の価格設定!」「基本料金税込1000円~+部品代+作業費」と表示されるとともに、作業費用一例として「ポンプ5000円(税込)~」「便器脱着15000円(税込)~」「高圧洗浄20000円(税込)~」などと表示されているところ(前提事実⑵ア)、これは、一般消費者において、基本料金に部品代や作業費が加算さ20れるとしても合計で数千円から数万円程度の低廉な費用で水回りの修理作業が行われるとの印象をもたらすものである。これに対して被告D、被告E又は被告Fが原告らに提示した代金は、10~165万円と高額なものであり、この代金額が合理的であると考えられるほどに原告らの自宅で生じた水回りのトラブルが複雑、困難であったとは認めるに足る証拠はない。 25また、PIO-NETに、本件ウェブサイトを運営するアクアセーフティ- 10 - ー及びライフライン24並びに被告Dに対して、本件ウェブサイト上の表示とは異なる高額な代金を請求されたという苦情相談が多数登録されていることからすれば(前提事実⑵、認定事実⑵)、顧客の具体的な事情にかかわらず、顧客に高額な代金を請求することが日常的に行われていたことがうかがえる。 5そうすると、上記被告らは、当初から高額な費用を請求することを企図しながら、あたかも低廉な費用で工事 情にかかわらず、顧客に高額な代金を請求することが日常的に行われていたことがうかがえる。 5そうすると、上記被告らは、当初から高額な費用を請求することを企図しながら、あたかも低廉な費用で工事ができると本件ウェブサイトに表示して、原告らを勧誘したと認められる。 イ 原告ら宅の工事を施工した被告D、被告E又は被告Fは、いずれも、原告らに対し、具体的な作業内容及び費用について十分な説明をしないまま10又は作業前には低廉な費用を提示しておいて、作業を開始し、作業途中に特別な機械を使用する必要があるため費用が高くなる、火災保険が適用されるなどと申し向け、作業終了後に高額な代金額を提示して工事請負契約の締結を求めた(認定事実⑴)。家庭の水回りの工事にどのような作業が必要であるか、どの程度の費用がかかるのかは一般人では判断するのが困15難であるし、家庭の水回りのトラブルは早急に修理しなければ家人に著しい不便が生じるものであり、原告らが上記被告らの説明に納得できなくても、別の修理業者に依頼することは著しく困難な状況であった。また、上記被告らは、一部でも作業を実施することで、契約を締結しなくてもその分の費用を支払う必要があると原告らに思わせ(原告らの中には、実際に、20被告Dから、契約を締結するか否かにかかわらず既に行われた作業にかかる費用を請求する旨告げられた者もいる)、契約締結を断れば、修理は中途半端に終わってしまうのに費用は一定額支払うことになるという不利益の下、原告らをして実質的に契約締結を断ることができない状態に置き、完全に修理をしてもらうには高額な代金を支払うほかないと思わせた。原25告らの一部に対して火災保険が適用されると虚偽の事実を告げたことも、- 11 - 費用の点でその原告らの判断を誤らせる行為である をしてもらうには高額な代金を支払うほかないと思わせた。原25告らの一部に対して火災保険が適用されると虚偽の事実を告げたことも、- 11 - 費用の点でその原告らの判断を誤らせる行為である。 ウ 上記被告らの原告らに対する勧誘行為が当初から高額な費用を請求することを企図した計画的なものであること(上記ア)、上記被告らが原告らにおいて修理工事の依頼を断ることが著しく困難な状況を利用し、場合によっては依頼を断ることが更に困難な状況に追い込んだこと(上記イ)に5照らすと、上記被告らは社会的相当性を超える手段及び態様で原告らに本件各契約を締結させたというべきであり、上記被告らが原告らに本件各契約を締結させたことは不法行為に当たると認められる。 ⑵ 共同不法行為が成立するか(争点2)ア 被告Gを除く被告らについて10原告らに本件各契約を締結させた行為は、本件ウェブサイト上の低廉な料金の表示を見て電話をかけた顧客に対して、修理業者として顧客宅に派遣された者が、本件ウェブサイト上の表示とは異なる高額な代金額の契約を締結させるという、一連一体で組織的に行われていた悪徳商法の一環であったと認められる。 15被告Cは、本件ウェブサイトを運営するアクアセーフティー及びライフライン24の経営者であり、被告A及び被告Bは、本件ウェブサイトに運営責任者として記載されていたのであるから(前提事実⑴)、上記商法に関与していると認められる(なお、被告A及び被告Bが本件ウェブサイトの運営責任者として記載されていた事実から、上記両被告が本件ウェブサ20イトの運営に関与していたことを推認することができるところ、上記両被告は上記推認を覆す主張をしていない)。被告D、被告E又は被告Fは、修理業者として顧客宅に派遣され、顧客に高額な代金額の契約 20イトの運営に関与していたことを推認することができるところ、上記両被告は上記推認を覆す主張をしていない)。被告D、被告E又は被告Fは、修理業者として顧客宅に派遣され、顧客に高額な代金額の契約を締結させる実働部隊であり、上記商法に関与していると認められる。 以上より、被告Gを除く被告らは、それぞれ重要な役割を果たし、相互25に協力し補完する関係にあり、同被告らの行為は関連共同して行われたも- 12 - のと認められるから、共同不法行為が成立する。 イ 被告Gについて認定事実⑶で認定したところによれば、被告Gは、そもそも本件ウェブサイトに運営責任者として記載されることを了承してはおらず、本件ウェブサイトの運営に関与したり、本件ウェブサイトから利益を得たりしてい5たとは認められない。そうすると、被告Gに、同人を除く被告らの行為について客観的関連共同性は認められず、原告らに本件各契約を締結させた行為について共同不法行為責任を認めることはできない。 ⑶ 不法行為によって生じた損害(争点3)ア 支払済みの代金10各原告において、別紙1「賠償額」欄に記載された金額の損害が発生したものと認める。 イ 慰謝料被告Gを除く被告らが、原告らに本件各契約を締結させたことの悪質性は不法行為の成立要件で評価されているので、原告らに財産的損害の填補15によっても填補されない精神的損害が生じたとまでは認められない。 ウ 弁護士費用本件事案の内容及び難易などを総合考慮すると、原告らにおいて、それぞれ別紙1「裁判所の認定」欄における「弁護士費用」欄に記載された金額について、本件と相当因果関係があると認める。 20エ まとめ各原告について、上記各損害を合計し、別紙1「認容額」記載の金額の損害が発生したものと認める ける「弁護士費用」欄に記載された金額について、本件と相当因果関係があると認める。 20エ まとめ各原告について、上記各損害を合計し、別紙1「認容額」記載の金額の損害が発生したものと認める。 ⑷ 小括以上の判断に加え、被告Fは、請求原因事実を争うことを明らかにしない25ものとして,これを自白したものとみなされる(なお、損害の算定について- 13 - は、裁判所は自白に拘束されない。)から、原告らの請求に対する帰結は次のとおりとなる。 原告らの被告Aら及び被告Fに対する主位的請求は、それぞれ別紙1「認容額」記載の各金額及び各金員に対する不法行為日の後の日である令和3年8月26日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の限5度で認められる。なお、予備的請求にかかる請求額は、主位的請求で認容された金額に包含されるから、予備的請求については判断を要しない。 原告らの被告Gに対する主位的請求は、いずれも理由がない。予備的請求についても、被告Gが本件各契約の締結に関与したと認められない以上、契約解除に基づく支払済みの工事代金の返還請求は認められず、いずれも理由10がない。 3 結論よって、原告らの請求は、いずれも主文の限度で理由があるからこれらを認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第1民事部15 裁判長裁判官松 山 昇 平 20裁判官田 中 いゑ奈 裁判官25髙 岡 寛 実 田 中 いゑ奈 裁判官25髙 岡 寛 実

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る