令和1(ワ)25152 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年3月24日 東京地方裁判所
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令和4年3月24日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和元年(ワ)第25152号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日令和3年11月5日判決原告株式会社ドワンゴ同訴訟代理人弁護士大野聖二多田宏文同訴訟代理人弁理士松野知紘被告FC、INC.(以下「被告FC2」という。)同訴訟代理人弁護士壇俊光高橋淳同訴訟復代理人弁護士宮川利彰被告株式会社ホームページシステム(以下「被告HPS」という。)同訴訟代理人弁護士濱田佳志 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは、別紙1被告ファイル目録記載のファイルを日本国内に所在するユーザ端末に配信してはならない。 2 被告らは、別紙2被告サーバ用プログラム目録記載のプログラムを抹消せよ。 3 被告らは、別紙3被告サーバ目録記載のサーバを除却せよ。 4 被告らは、原告に対し、連帯して1000万円並びにこれに対する被告FCについては令和元年10月2日から支払済みまで年5分の割合による金員及び被告HPSについては同月17日から支払済みまで同割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨 本件は、発明の名称を「コメント配信システム」とする特許第6526304号の特許(以下「本件特許」という。) 日から支払済みまで同割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨 本件は、発明の名称を「コメント配信システム」とする特許第6526304号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)の特許権者である原告が、被告FC2が運営するインターネット上のコメント付き動画配信サービスである「FC2動画」(https://以下省略。以下「被告サービス1」という。)、「FC2 SayMove!」(http://以下省略。 以下「被告サービス2」という。)及び「FC2 ひまわり動画」(http://以下省略。以下「被告サービス3」といい、被告サービス1ないし3を併せて「被告サービス」という。)に係るシステム(以下、被告サービスの番号に従って「被告システム1」ないし「被告システム3」といい、併せて「被告システム」という。)は本件特許に係る発明の技術的範囲に属するものであり、被告FC2 が別紙3被告サーバ目録記載の各サーバ(以下、併せて「被告サーバ」という。)から日本国内のユーザ端末に別紙1被告ファイル目録記載の各ファイル(以下、併せて「被告ファイル」という。)を送信することが被告システムの「生産」として本件特許権を侵害する行為に当たると主張し、また、被告HPSは被告FC2と実質的に一体のものとして上記の特許権侵害行為を行っていると主張し て、被告らに対し、特許法100条1項に基づき、被告ファイルの日本国内のユーザ端末への配信の差止めを求め、同条2項に基づき、別紙2被告サーバ用プログラム目録記載の各プログラム(以下、併せて「被告サーバ用プログラム」という。)の抹消及び被告サーバの除却を求めるとともに、特許権侵害の共同不法行為に基づく損害賠償請求として、民法709条及び719条1項前 録記載の各プログラム(以下、併せて「被告サーバ用プログラム」という。)の抹消及び被告サーバの除却を求めるとともに、特許権侵害の共同不法行為に基づく損害賠償請求として、民法709条及び719条1項前段に基 づき、特許法102条3項による実施料相当額の損害金1000万円及びこれ に対する不法行為後の日である被告らそれぞれに対する訴状送達の日の翌日(被告FC2については令和元年10月2日、被告HPSについては同月17日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実又は後掲の証拠(以下、書証番号は特 記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者ア原告は、コンピュータを利用したネットワークシステムの企画、開発、製造、販売及び賃貸等を業とする日本の株式会社である。 イ被告FC2は、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)のネバダ州法に 基づいて設立された外国法人であり、インターネット上でのブログや動画配信サイトの運営等を主な業務としている。 ウ被告HPSは、インターネットを利用した各種情報提供サービス等を業とする日本の株式会社である。 (2) 本件特許 原告は、平成19年3月2日(優先日平成18年12月11日、優先権主張国日本国)を出願日とする特許出願(特願2007-053347号(乙9)。以下「本件原出願」という。)の一部を次の経過で順次分割して特許出願を行い、平成30年10月29日に本件特許の特許出願(特願2018-202475号。以下「本件出願」という。)をして、令和元年5月17日に 本件特許権の設定登録(請求項の数13)を受けた(甲 願を行い、平成30年10月29日に本件特許の特許出願(特願2018-202475号。以下「本件出願」という。)をして、令和元年5月17日に 本件特許権の設定登録(請求項の数13)を受けた(甲1、2、14、15、乙1ないし9。以下、本件出願の願書に添付した明細書と図面(甲2)を併せて「本件明細書」という。また、明細書の発明の詳細な説明に記載された段落番号及び図面については、単に【0001】、【図1】などと記載する。)。 ① 本件原出願の一部を分割して、平成20年12月22日、特願200 8-326061号(乙8)に係る特許出願がされた。 ② ①の出願の一部を更に分割して、平成22年12月2日、特願2010-269616号(乙7)に係る特許出願がされた。 ③ ②の出願の一部を更に分割して、平成23年6月20日、特願2011-136539号(乙6)に係る特許出願がされた。 ④ ③の出願の一部を更に分割して、平成24年5月11日、特願201 2-109242号(乙5)に係る特許出願がされた。 ⑤ ④の出願の一部を更に分割して、平成26年10月20日、特願2014-213566(乙4)に係る特許出願がされた。 ⑥ ⑤の出願の一部を更に分割して、平成28年9月26日、特願2016-186619(乙3)に係る特許出願がされた。 ⑦ ⑥の出願の一部を更に分割して、平成29年12月28日、特願2017-252909(甲14、乙2)に係る特許出願がされた。 ⑧ ⑦の出願の一部を更に分割して、平成30年10月29日、本件出願がされた。 (3) 特許請求の範囲 本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び2は、以下のとおりである(これらの請求項1及び2に係る発明を、以下、順に「本件発明1」、「本件発明2」といい がされた。 (3) 特許請求の範囲 本件特許の特許請求の範囲の請求項1及び2は、以下のとおりである(これらの請求項1及び2に係る発明を、以下、順に「本件発明1」、「本件発明2」といい、併せて「本件発明」という。)。 ア 【請求項1】サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、 を備えるコメント配信システムであって、前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し、 前記コメント情報は、 前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント 付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、前記サーバが、前記動画と、前記コメント情報とを前記端末装置に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と 動画と、前記コメント情報とを前記端末装置に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される、 コメント配信システム。 イ 【請求項2】動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、 前記コメント配信サーバは、 前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、前記端末装置にコメント情報を送信し、前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、前記コメント情報は、 前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント 付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信シ 表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、前記コメント配信サーバが前記コメント情報を、前記動画配信サーバが前記動画を、それぞれ前記端末装置に送信することにより、前記端末装置 の表示装置には、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、 が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される、 コメント配信システム。 (4) 本件発明の構成要件の分説本件各発明は、それぞれ、以下のとおり、構成要件に分説することができる(以下、分説に係る各構成要件については頭書の符号に対応させて「構成要件1A」などという。)。 ア本件発明11A サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、1B 前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信 し、1C 前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し、1D 前記コメント情報は、前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画 再生時間であるコメント付与時間と、を含み、1E 前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくと 間を表す動画 再生時間であるコメント付与時間と、を含み、1E 前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、 1F 前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、1G 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、 1H 前記サーバが、前記動画と、前記コメント情報とを前記端末装置に 送信することにより、前記端末装置の表示装置には、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される、 1I コメント配信システム。 イ本件発明22A 動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、 2B 前記コメント配信サーバは、前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、2C1 前記端末装置にコメント情報を送信し、2C2 前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、 2D 前記コメント情報は、前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2 置にコメント情報を送信し、2C2 前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、 2D 前記コメント情報は、前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、2E 前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメ ント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、2F 前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 2G 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメント とが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、2H 前記コメント配信サーバが前記コメント情報を、前記動画配信サーバが前記動画を、それぞれ前記端末装置に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、前記動画と、前記コメント付与時間に対応 する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される、2I コメント配信システム。 (5) 被告サービスの運営 被告FC2は、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期において業として被告サービス1を運営しており、少なくとも同日から令和2年9月24日までは業として被告サービス2及び3を運営し 被告FC2は、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期において業として被告サービス1を運営しており、少なくとも同日から令和2年9月24日までは業として被告サービス2及び3を運営していた(乙65、66)。なお、被告HPSが令和元年5月17日以降の時期において被告FC2と共同で被告サービスを運営しているか否かは、当事者間に争 いがある。 そして、被告サービス1は、上記の令和元年5月17日以降の期間において、被告サービス2及び3は同日から令和2年9月24日までの期間において、いずれも日本語による表示、入力等が可能であり、日本における端末から利用可能であった(甲6、弁論の全趣旨)。 (6) 被告システムの構成ア被告システム1について被告システム1は、動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、本件発明1について構成要件1A、1G及び1I を、本件発明2について構成要件2A、2G及び2Iを、それぞれ充足す る。 イ被告システム2及び3について被告システム2及び3は、それぞれ、コメント配信サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって(被告システム2及び3が動画配信サーバを備えるか否 かは、当事者間に争いがある。)、本件発明1について構成要件1G及び1Iを、本件発明2について構成要件2G及び2Iを、それぞれ充足する。 (7) 国際裁判管轄被告FC2は、本件の訴えについて、日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をしているから、民訴法3条の8に より、被告FC2に対する本件の訴えについて日本の裁判所 被告FC2は、本件の訴えについて、日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をしているから、民訴法3条の8に より、被告FC2に対する本件の訴えについて日本の裁判所に管轄権が認められる。 また、被告HPSは、日本国内に主たる事務所を有するため、民訴法3条の2により、被告HPSに対する本件の訴えについても日本の裁判所に管轄権が認められる。 3 争点(1) 準拠法(争点1)(2) 被告システムが本件発明1の技術的範囲に属するか(争点2)(3) 被告システムが本件発明2の技術的範囲に属するか(争点3)(4) 被告らによる被告システムの「生産」の有無(争点4) (5) 無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否(争点5)ア特開2004-193979号公報(以下「乙17公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由1)(争点5-1)イ特開2004-297245号公報(以下「乙18公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由2)(争点5-2) ウ特開2004-15750号公報(以下「乙19公報」という。)を主引 用例とする進歩性欠如(無効理由3)(争点5-3)エ山本大介、長尾確「閲覧者によるオンラインビデオコンテンツのアノテーションとその応用」人口知能学会論文誌 Vol.20 2005年(以下「乙20文献」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由4)(争点5-4) オ特開2003-111054号公報(以下「乙21公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5)(争点5-5)カ国際公開第00/64150号(以下「乙24公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6)(争点5-6)キ米国特許出願第 を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5)(争点5-5)カ国際公開第00/64150号(以下「乙24公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6)(争点5-6)キ米国特許出願第2004/0098754号明細書(以下「乙25文献」 という。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由7)(争点5-7)ク明確性要件違反(無効理由8)(争点5-8)ケサポート要件違反(無効理由9)(争点5-9)コ実施可能要件違反(無効理由10)(争点5-10)サ先願要件違反(無効理由11)(争点5-11) シ分割要件違反による新規性、進歩性欠如(無効理由12)(争点5-12)ス優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理由13)(争点5-13)セ公序良俗違反(無効理由14)(争点5-14)(6) 原告による本件特許権の行使が権利の濫用に当たるか(争点6) (7) 損害の発生の有無及びその額(争点7)(8) 差止請求及び除却等請求の当否(争点8)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(準拠法)について(原告の主張) 本件の差止請求及び除却等請求については、日本で登録された本件特許権に 基づく請求であるから、条理上、最も密接な関係がある登録国の法律である日本法が準拠法となる。 また、本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求についても、被告らの行為は日本のユーザに向けられており、日本において特許権者たる原告が損害を受けていることは明らかであるから、加害行為の結果である損害が日本で 発生したものとして、法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)17条により、準拠法は日本法となる。 (被告らの主張)原告の主張は争う。 被告システムについて日本国 る損害が日本で 発生したものとして、法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)17条により、準拠法は日本法となる。 (被告らの主張)原告の主張は争う。 被告システムについて日本国内での本件発明の実施行為はないから、差止請 求及び除却等請求について日本法の適用はない。 また、同様に、日本において被告システムによる損害は発生していないから、不法行為に基づく損害賠償請求についても日本法の適用はない。 2 争点2(被告システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(原告の主張) (1) 被告システムの構成ア被告システムの説明(ア) 被告システム1a 被告サービス1においては、動画を再生して閲覧している各ユーザが、その動画に対してコメントを付与することができる。そして、被 告らの管理に係るサーバは、当該動画に係る動画ファイルと、当該コメントに係るコメントファイルとを保存しており、これらのファイルを、動画表示操作を行ったユーザのユーザ端末に配信し、動画ファイルとコメントファイルとを受信したユーザ端末のディスプレイに、動画と、動画上のコメントとを表示させる。なお、ユーザが動画表示操 作を行いさえすれば、操作を行った当該ユーザ端末に動画及びコメン トが表示されるのであるから、動画ファイル及びコメントファイルは、複数のユーザ端末に配信されるものである。 b このコメントファイルには、コメントと当該コメントが付与された時点の動画再生時間に係る情報が含まれ、動画再生中に、このコメントが付与された時点の再生時間になったら、そのコメントの表示が開 始される。このコメントは、動画上を右から左方向へ移動しながら表示され、途中で止まるものではない。 コメント表示時間は、被告システム 付与された時点の再生時間になったら、そのコメントの表示が開 始される。このコメントは、動画上を右から左方向へ移動しながら表示され、途中で止まるものではない。 コメント表示時間は、被告システム1においては、約4秒としてあらかじめ定められており、コメントの文字列の幅に関わらず、一定の表示時間で表示されるから、コメントの文字列の幅が大きいほど、移 動速度が速く表示される。また、後から表示されたコメント(以下、「コメント2」という。)が先に表示されたコメント(以下、「コメント1」という。)の表示終了後に表示開始される場合には、縦方向の位置は同じになるように表示されるが、コメント1の表示中にコメント2が表示開始される場合には、コメント2がコメント1に追いつくか 否かが判定され、追いつく場合には、縦方向の位置が異なるように表示される。 (イ) 被告システム2被告システム2についても、コメント表示時間が約5秒とあらかじめ定められている他は、被告システム1と同様である。 (ウ) 被告システム3被告システム3についても、コメント表示時間が約5秒とあらかじめ定められている他は、被告システム1と同様である。 (エ) FLASH版とHTML5版の違いについて被告サービスには、それぞれウェブブラウザ(以下、単に「ブラウザ」 という。)用のプラグインであるAdobe社が提供するAdobeF lashPlayerをインストールしたブラウザで表示されるFLASH版(以下、単に「FLASH版」という。)とHTML(ハイパーテキストを記述するためのマークアップ言語)のバージョンの1つであるHTML5に対応したブラウザで表示されるHTML5版(以下単に「HTML5版」という。)が存在するが、被告システムが本件発 イパーテキストを記述するためのマークアップ言語)のバージョンの1つであるHTML5に対応したブラウザで表示されるHTML5版(以下単に「HTML5版」という。)が存在するが、被告システムが本件発明の構 成要件を充足するか否かについての原告の主張は、FLASH版とHTML5版とで共通している。 イ本件発明1との関係における被告システムの構成前記アに基づいて、被告システムの構成を本件発明1との関係で整理すると、被告システムは次の構成(以下、符号に対応させて「構成1a」な どという。)を備えている。 1a サーバと、これとインターネット経由で接続された複数のユーザ端末と、を備えるコメント付き動画配信システムであって、1b 前記サーバは、前記サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信 し、1c 前記ユーザ端末に、前記動画の動画ファイルと、コメントファイルとを配信し、1d 前記コメントファイルは、前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応す る、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含み、1e 前記動画ファイル及び前記コメントファイルに基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間において、前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末 のディスプレイに表示させる表示手段と、 1f 前記コメント1及び前記コメント2を前記動画上に表示させる際に、前記コメント2が前記コメント1に追いついて重複するかどうかを判定する手段と、1g 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならな 前記動画上に表示させる際に、前記コメント2が前記コメント1に追いついて重複するかどうかを判定する手段と、1g 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならないように表示位置を縦方向に異なる位置に調整 する手段と、を備えるコメント付き動画配信システムにおいて、1h 前記サーバが、前記動画ファイルと、前記コメントファイルとを前記ユーザ端末に配信することにより、前記ユーザ端末のディスプレイには、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画上に、右から左方向に移動する前記コメント1及び 前記コメント2とが、追いついて重複しないように表示される、1i コメント付き動画配信システム。 (2) 被告システムが本件発明1の技術的範囲に属することア 「インターネット経由で接続された複数のユーザ端末」(構成1a)は「ネットワークを介して接続された複数の端末装置」(構成要件1A)に該 当し、「コメント付き動画配信システム」(構成1a)は「コメント配信システム」(構成要件1A)に該当するから、構成1aは構成要件1Aを充足する。 イ 「動画を再生閲覧中のユーザ」(構成1b)は「動画を視聴中のユーザ」(構成要件1B)に該当し、「コメント1及びコメント2」(構成1b)は 「第1コメント及び第2コメント」に該当するから、構成1bは構成要件1Bを充足する。 ウ 「前記動画の動画ファイルと、コメントファイルとを配信し」(構成1c)は「前記動画と、コメント情報とを送信し」(構成要件1C)に該当するから、構成1cは構成要件1Cを充足する。 エ 「前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間」(構成1d) は「前記動画の最初を基準とした動画の経過時間 件1C)に該当するから、構成1cは構成要件1Cを充足する。 エ 「前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間」(構成1d) は「前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間」(構成要件1D)に該当するから、構成1dは構成要件1Dを充足する。 オ 「前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示させる」(構成1e) は「前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる」(構成要件1E)に該当するから、構成1eは構成要件1Eを充足する。 カ 「前記コメント2が前記コメント1に追いついて重複するかどうかを判定する手段」(構成1f)は「前記第2コメントを前記1の動画上に表示さ せる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部」(構成要件1F)に該当するから、構成1fは構成要件1Fを充足する。 キ 「追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならないように表示位置を縦方向に異なる位置に調整する手 段」(構成1g)は「重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部」(構成要件1G)に該当するから、構成1gは構成要件1Gを充足する。 ク 「前記サーバが、前記動画ファイルと、前記コメントファイルとを前記ユーザ端末に配信することにより」(構成1h)は「前記サーバが、前記動 画と、前記コメント情報とを前記端末装置に送信することにより」(構成要件1H)に該当し、「前記ユーザ端末のディスプレイ」( ユーザ端末に配信することにより」(構成1h)は「前記サーバが、前記動 画と、前記コメント情報とを前記端末装置に送信することにより」(構成要件1H)に該当し、「前記ユーザ端末のディスプレイ」(構成1h)は「前記端末装置の表示装置」(構成要件1H)に該当し、「前記動画上に、右から左方向に移動する前記コメント1及び前記コメント2とが、追いついて重複しないように表示される」(構成1h)は「前記動画の少なくとも一部 と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント と、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される」(構成要件1H)に該当するから、構成1hは構成要件1Hを充足する。 ケ 「コメント付き動画配信システム」(構成1i)は「コメント配信システム」(構成要件1I)に該当するから、構成1iは構成要件1Iを充足する。 コよって、被告システムは、本件発明1の技術的範囲に属する。 (3) 被告らの主張に対する反論ア 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」(構成要件1Bないし1F及び1H)について 被告らは、被告サービスにおいては、動画を視聴していないユーザもコメントを付すことが可能であるから、「視聴中のユーザ」がコメントを付すことを必須の構成要素とする構成要件1Bないし1F及び1Hを充足しないと主張する。 しかしながら、本件発明1の技術的範囲に含まれるためには、コメント 配信システムが「動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信」(構成要件1B)する構成を備えれば足り、動画を視聴していないユーザがコメントを付与できるか否かは、構成要件充足性に無関係であ ーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信」(構成要件1B)する構成を備えれば足り、動画を視聴していないユーザがコメントを付与できるか否かは、構成要件充足性に無関係である。 なお、被告らは、本件発明1は、「動画を視聴中のユーザ」のみがコメン トを付すことを要件としていると主張するが、特許請求の範囲においてそのような限定はなく、被告らが主張するような限定解釈をすべき理由はない。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)について 被告らは、本件明細書の記載(【0018】)を指摘して、「動画の少なく とも一部と重なって」(構成要件1E及び1H)とは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保された領域が大きい場合を意味し、両者が完全に重なる場合を含まないと主張する。 しかしながら、構成要件1E及び1Hの「動画の少なくとも一部と重なって」とは、コメントが動画と重なっていれば足り、どの程度重なるかは 問題とならない。 被告らが指摘する本件明細書の【0018】の記載は、単に一つの実施態様を示したものにすぎず、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が、この態様に限定されるものではない。 ウ 「サーバ」及び「サーバから送信された動画」(構成要件1Aないし1F及び構成要件1H)について被告らは、被告システム2及び3の動画を配信するサーバは、他社が運営する動画共有サイト又はその他の動画配信サービスを構成するものであって、被告FC2のシステムのものではないから、動画を配信するサーバ を有することが必須である本件発明1の「サーバ」及び「 運営する動画共有サイト又はその他の動画配信サービスを構成するものであって、被告FC2のシステムのものではないから、動画を配信するサーバ を有することが必須である本件発明1の「サーバ」及び「サーバから送信された動画」(構成要件1Aないし1F及び1H)を充足しないと主張する。 しかしながら、本件発明1において、動画の配信元とコメントの配信元とが共通するという限定はなく、動画を配信するサーバの運営主体は本件発明1の構成要件充足性とは無関係である。 また、被告FC2は原告と被告らとの間の別件訴訟(東京地方裁判所平成28年(ワ)第38565号のことをいう。以下同じ)において被告サービス2及び3についても、動画ファイルがサーバから端末のブラウザに配信されていると説明しているから、被告システム2及び3においても動画を配信するサーバは存在しており、これを否認する被告らの主張は失当 である。 仮に、被告らが述べるとおり、被告サービス2及び3における動画配信用サーバが他社のものであったとしても、上記のとおり、そのことは少なくとも本件発明1の構成要件充足性とは無関係であり、被告システム2及び3は動画を配信するサーバを備えるものであるから、「サーバ」ないし「サーバから送信された動画」に関して、構成要件1Aないし1F及び1 Hの充足性が否定されるものではない。 (被告らの主張)(1) 被告システムの構成ア被告システム1被告システム1は次の構成を備える(以下、符号に対応させて「構成a’」 などという。)。 a’ 動画及びコメントを配信するサーバと、これとインターネット経由で接続された複数のユーザ端末と、を備えるコメント付き動画配信システムであって、b’ 前記サーバは、前記サーバから配信された動画 a’ 動画及びコメントを配信するサーバと、これとインターネット経由で接続された複数のユーザ端末と、を備えるコメント付き動画配信システムであって、b’ 前記サーバは、前記サーバから配信された動画を閲覧中のユーザ又 は閲覧中ではないユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信し、c’1 前記2以上のユーザ端末に、前記動画の動画ファイルと、コメントファイルとを配信し、c’2 前記動画ファイル及び前記コメントファイルは、前記複数のユー ザ端末のいずれかの動画表示操作に応じて、操作を行ったユーザ端末に配信される、d’1 前記コメントファイルは、前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間を 示す情報を含み、 d’2 前記コメント2のコメント付与時間は、前記コメント1のコメント付与時間より遅く、d’3 前記コメントは、その文字列の幅にかかわらず、一定時間をかけて前記動画の右端から左端に止まることなく移動し、e’ 前記動画ファイル及び前記コメントファイルに基づいて、前記動画 と、前記コメント付与時間において、前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示させる表示手段と、f’ 前記コメント1及び前記コメント2を前記動画上に表示させる際に、前記コメント2が前記コメント1に追いついて表示位置が重複するか どうかを判定する手段と、g’ 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならないように前記コメント2の表示位置を縦方向に下の位置に調整する手段と、を備えるコメ どうかを判定する手段と、g’ 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならないように前記コメント2の表示位置を縦方向に下の位置に調整する手段と、を備えるコメント付き動画配信システムにおいて、 h’ 前記サーバが、前記動画ファイルと、前記コメントファイルとを前記ユーザ端末に配信することにより、前記ユーザ端末のディスブレイには、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画上に、右から左方向に移動する前記コメント1及び前記コメント2とが、追いついて表示位置が重複しないように表示さ れる、i’ コメント付き動画配信システム。 イ被告システム2及び3被告システム2及び3は、いずれも次の構成を備える(以下、符号に対応させて「構成a’’」などという。)。 a’’ コメントを配信するサーバと、これとインターネット経由で接続さ れた複数のユーザ端末と、を備えるコメント配信システムであって、b’’ 前記サーバは、他のシステムにおいて配信されている動画について、動画を閲覧中のユーザ又は閲覧中ではない前記ユーザ端末を利用中のユーザから前記動画に対して付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信し、 c’’ 前記コメントファイルは、前記2以上のユーザ端末のいずれかの動画表示操作に応じて、操作を行ったユーザ端末に配信される、d’’1ないしd’’3 被告システム1の構成d’1ないしd’3と同じ。 e’’及びf’’ 被告システム1の構成e’及びf’と同じ。 g’’ 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コ メント2とが重ならないように表示位置を縦方向の下の位置に調整する手段と、を備えるコメント配信システ ’及びf’と同じ。 g’’ 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コ メント2とが重ならないように表示位置を縦方向の下の位置に調整する手段と、を備えるコメント配信システムにおいて、h’’ 前記コメントファイルを前記ユーザ端末に配信することにより、前記ユーザ端末のディスブレイには、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画上に、右から左方向に移動する前記 コメント1及び前記コメント2とが、追いついて表示位置が重複しないように表示される、i’’ コメント配信システム。 ウ FLASH版とHTML5版の違いについて被告サービスには、それぞれFLASH版とHTML5版が存在するが、 被告システムの本件発明の構成要件充足性についての被告らの主張は、FLASH版とHTML5版とで共通している。 (2) 被告システムが本件発明1の技術的範囲に属さないことア 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」(構成要件1Bないし1F及び1H)に ついて (ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」コメントの意義本件発明の目的は、「ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方法、およびプログラムを提供すること」である(本件明細書【0005】)。そして、構成要件1Bには、 「動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し」と記載されており、他にコメントを付す者が存在することについては、本件発明1の特許請求の範囲に記載されていない。本件発明1の上記目的及び構成要件の記載に照らせば 1コメント及び第2コメントを受信し」と記載されており、他にコメントを付す者が存在することについては、本件発明1の特許請求の範囲に記載されていない。本件発明1の上記目的及び構成要件の記載に照らせば、「動画を視聴中のユーザ」から付与されたもののみが「第1コメント 及び第2コメント」に該当することは明らかである。 また、仮に、動画を視聴している者以外の者がコメントを付与する場合を想定すると、動画を視聴していないユーザにより動画と無関係なコメントが投稿されてしまい、視聴者間でのリアルタイムのコミュニケーションが阻害されることになるから、本件発明1の上記目的に 反する。 したがって、本件発明1は、「動画を視聴中のユーザ」のみが「コメントを付す」ことを要件としているものであり、動画を視聴していないユーザもコメントを付与できるシステムは、本件発明1を充足しないこととなる。 (イ) 被告システムの構成へのあてはめ構成b’及び構成b’’のとおり、被告システムは、動画を閲覧中ではないユーザから付与されたコメントも受信するものであるため、少なくとも「第1コメント及び第2コメント」を受信するものではなく、また、「第1コメント及び第2コメント」に関する情報である「コメント情報」 を送信するものではない。 したがって、被告システムは、この点において、構成要件1Bないし1F及び1Hを充足しない。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コ メント及び前記第2コメント」の意義本件明細書の【0018】には、「表示欄105は、表示欄104よりも大きいサイズ (ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コ メント及び前記第2コメント」の意義本件明細書の【0018】には、「表示欄105は、表示欄104よりも大きいサイズに設定されており、オーバーレイ表示されたコメント等が、動画の画面の外側でトリミングするようになっており、コメントそのものが動画に含まれているものではなく、動画に対してユーザーによ って書き込まれたものであることが把握可能となっている。」と記載されている。この記載によれば、コメントは、ユーザによって書き込まれたものであることを把握することができるようにするとともに、読みにくさを低減するために、動画と一部が重なり合うものとして設定されるものである。 そのため、コメント表示領域と動画表示領域については、あらかじめ、前者を後者よりも大きいサイズのものと設定して、コメントの少なくとも一部をコメント表示領域の内側であるものの、動画表示領域の外側に表示され得る必要がある。 したがって、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する 前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)とは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保された領域の方が大きい場合を意味し、両者が完全に重なる場合を含まない。 (イ) 被告システムの構成への当てはめ被告サービスにおいては、動画のアスペクト比によっては、動画表示 領域のほうがコメント表示領域より大きいものとなり、コメントの少な くとも一部を動画表示領域の外側に表示させることができなくなる。 このように、被告システムにおけるコメントは、動画を表示する領域と同一の領域中に表示されるものであり、「動画の少なくとも一部と重な」ることを意図してプログラミ 外側に表示させることができなくなる。 このように、被告システムにおけるコメントは、動画を表示する領域と同一の領域中に表示されるものであり、「動画の少なくとも一部と重な」ることを意図してプログラミングされていないものであって、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する」ものではないから、被 告システムは、この点において、構成要件1E及び1Hを充足しない。 ウ 「サーバ」及び「サーバから送信された動画」(構成要件1Aないし1F及び1H)について(ア) 「サーバ」及び「サーバから送信された動画」の意義本件発明1の「サーバ」(構成要件1A等)は、動画を配信するサーバ をいい、「前記サーバから送信された動画」(構成要件1B)は、動画を配信するサーバから配信された動画をいう。 原告は、本件発明1において、動画の配信元とコメントの配信元とが共通するという限定はないと主張するが、特許請求の範囲に明示的に「共通する」と書いていなければ無限定であるという解釈にはならない。 (イ) 被告システムの構成への当てはめa 被告サービス2及び3は、他社の配信システムで配信されている動画等にコメントをオーバーレイで表示する「コメント配信・表示」サービスであり、自己のシステムとして動画配信サーバを保有しない点に特徴がある。被告サービス2及び3で動画を配信するサーバは、他 社が運営する動画共有サイト又はその他の動画配信サービスを構成するものであり、被告システム2及び3がこれを備えるものではない。 原告は、被告FC2が別件訴訟においてした説明を根拠に、被告サービス2及び3についても動画を配信するサーバが存在すると主張するが、別件訴訟の対象となった特許発明では、動画配信サーバが構成 要件で明記されていなかったので、動画 てした説明を根拠に、被告サービス2及び3についても動画を配信するサーバが存在すると主張するが、別件訴訟の対象となった特許発明では、動画配信サーバが構成 要件で明記されていなかったので、動画配信サーバが存在するかどう かを特に記載しなかっただけである。 b 被告システム2及び3は、構成要件1Aの「サーバ」を備えておらず、そのため、構成要件1Bの「前記サーバ」、「前記サーバから送信された動画」及び「前記動画」も備えていない。同様に、構成要件1Cないし1Eの「前記動画」、構成要件1Fの「前記1の動画」並びに 構成要件1Hの「前記サーバ」及び「前記動画」も備えていない。 したがって、被告システム2及び3は、この点において、構成要件1Aないし1F及び1Hを充足しない。 3 争点3(被告システムが本件発明2の技術的範囲に属するか)について(原告の主張) (1) 被告システムの構成ア被告システムの説明被告システムの説明については、前記2(原告の主張)(1)アのとおりである。 被告FC2は、別件訴訟において、動画ファイルとコメントファイルが 同一のサーバから配信されていることを前提とする説明をしているが、一方で、動画ファイルについてはCDNサービスを利用しているが、コメントに関してはキャッシュサーバを利用していないとの説明もしている。そうすると、動画については、コメント配信用サーバとは異なる、動画配信用のサーバとしてのキャッシュサーバにデータが保管され、そこから配信 されていると把握することも可能である。したがって、本件発明2との関係においては、動画配信用のキャッシュサーバを「動画配信用サーバ」、コメントを配信しているサーバを「コメント配信用サーバ」と捉えることができる。 イ本件発明2 ある。したがって、本件発明2との関係においては、動画配信用のキャッシュサーバを「動画配信用サーバ」、コメントを配信しているサーバを「コメント配信用サーバ」と捉えることができる。 イ本件発明2との関係における被告システムの構成 前記アに基づいて、被告システムの構成を本件発明2との関係で整理す ると、被告システムは次の構成(以下、符号に対応させて「構成2a」などという。)を備えている。 2a 動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバと、これとインターネット経由で接続された複数のユーザ端末と、を備えるコメント付き動画配信システムであって、 2b 前記コメント配信用サーバは、前記動画配信用サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信し、2c1 前記ユーザ端末にコメントファイルを配信し、2c2 前記動画配信用サーバは、前記ユーザ端末に前記動画の動画ファ イルを配信し、2d 前記コメントファイルは、前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含み、 2e 前記動画ファイル及び前記コメントファイルに基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間において、前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示させる表示手段と、2f 前記コメント1及び前記コメント2を前記動画上に表示させる際に、 前記コメント2が前記コメント1に追いついて重複するかどうかを判定する手段と、2g 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならない に表示させる際に、 前記コメント2が前記コメント1に追いついて重複するかどうかを判定する手段と、2g 追いついて重複すると判定された場合に、前記コメント1と前記コメント2とが重ならないように表示位置を縦方向に異なる位置に調整する手段と、を備えるコメント付き動画配信システムにおいて、 2h 前記コメント配信用サーバが前記コメントファイルを、前記動画配 信用サーバが前記動画ファイルを、それぞれ前記ユーザ端末に配信することにより、前記ユーザ端末のディスプレイには、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画上に、右から左方向に移動する前記コメント1及び前記コメント2とが、追いついて重複しないように表示される、 2i コメント付き動画配信システム。 (2) 被告システムが本件発明2の技術的範囲に属すること本件発明2と被告システムの構成を対比すると、「動画配信用サーバ」(構成2a)は「動画配信サーバ」(構成要件2A)に該当し、「コメント配信用サーバ」(構成2a)は「コメント配信サーバ」(構成要件2A)に該当する。 その他の点について、構成2aないし2iがそれぞれ構成要件2Aないし2Iに該当することは、前記2(原告の主張)(2)の構成1aないし1iと構成要件1Aないし1Iの対比と同様である。 よって、被告システムは本件発明2の技術的範囲に属する。 (3) 被告らの主張に対する反論 ア 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」(構成要件2B、2C1、2Dないし2F及び2H)について前記2(原告の主張)(3)アと同様に、本件発明2の技術的範囲に含まれるためには、コメント配信システムが「動画を視聴中のユーザ メント情報」(構成要件2B、2C1、2Dないし2F及び2H)について前記2(原告の主張)(3)アと同様に、本件発明2の技術的範囲に含まれるためには、コメント配信システムが「動画を視聴中のユーザから付与さ れた前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信」(構成要件2B)する構成を備えれば足り、本件発明2を「動画を視聴中のユーザ」のみがコメントを付すことを要件とするように限定解釈をすべき理由はない。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)について 前記2(原告の主張)(3)イと同様に、構成要件2E及び2Hの「動画の 少なくとも一部と重なって」とは、コメントが動画と重なっていれば足り、どの程度重なるかは問題とならない。 ウ 「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」(構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2H)について前記2(原告の主張)(3)ウと同様に、本件発明2において、動画の配信 元とコメントの配信元とが共通するという限定はなく、動画配信サーバの運営主体は本件発明2の構成要件充足性とは無関係である。 また、前記2(原告の主張)(3)ウのとおり、被告システム2及び3においても動画を配信するサーバは存在している。 仮に、被告らが述べるとおり、被告サービス2及び3における動画配信 用サーバが他社のものであったとしても、上記のとおり、そのことは少なくとも本件発明2の構成要件充足性とは無関係であり、被告システム2及び3は動画を配信するサーバを備えるものであるから、「動画配信サーバ」ないし「動画配信サーバから送信された動画」に関して、構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2Hの充足性 被告システム2及び3は動画を配信するサーバを備えるものであるから、「動画配信サーバ」ないし「動画配信サーバから送信された動画」に関して、構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2Hの充足性が否定されるものではな い。 (被告らの主張)(1) 被告システムの構成被告システムの構成は、前記2(被告らの主張)(1)のとおりである。 (2) 被告システムが本件発明2の技術的範囲に属さないこと ア 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」(構成要件2B、2C1、2Dないし2F及び2H)について(ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」コメントの意義前記2(被告らの主張)(2)アと同様の理由で、構成要件2Bについて も、「動画を視聴中のユーザ」から付与されたもののみが「第1コメント 及び第2コメント」に該当し、また、本件発明2は、「動画を視聴中のユーザ」のみがコメントを付すことを要件としているものである。 (イ) 被告システムの構成へのあてはめ前記2(被告らの主張)(2)アと同様の理由で、被告システムは、少なくとも「第1コメント及び第2コメント」を受信するものではなく、ま た、「コメント情報」を送信するものではないから、この点で、構成要件2B、2C1、2Dないし2F及び2Hをいずれも充足しない。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コ メント及び前記第2コメント」の意義前記2(被告らの主張)(2)イと同様の理由で、構成要件2E及び2Hについても、「動画の少な 動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コ メント及び前記第2コメント」の意義前記2(被告らの主張)(2)イと同様の理由で、構成要件2E及び2Hについても、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」とは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保された領域の方が大きい場合を意 味し、両者が完全に重なる場合を含まない。 (イ) 被告システムの構成への当てはめ前記2(被告らの主張)(2)イと同様の理由で、被告システムにおけるコメントは、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する」ものでないから、被告システムは、この点で構成要件2E及び2Hを充 足しない。 ウ 「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」(構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2H)について(ア) 「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」の意義 本件発明2は、動画を配信するサーバである「動画配信サーバ」を構 成要素とする。 原告は、本件発明2において、動画の配信元とコメントの配信元とが共通するという限定はないと主張するが、特許請求の範囲に明示的に「共通する」と書いていなければ無限定ということにはならない。 (イ) 被告システムの構成への当てはめ 前記2(被告らの主張)(2)ウと同様の理由で、被告システム2及び3は、構成要件2Aの「動画配信サーバ」を備えておらず、そのため、構成要件2Bの「前記動画配信サーバから送信された動画」及び「前記動画」も備えていない。同様に、構成要件2C2の「前記動画配信サーバ」及び「前記動画」、構成要件2D及び2Eの「前記動画」、構成要件2F の「前記1の 配信サーバから送信された動画」及び「前記動画」も備えていない。同様に、構成要件2C2の「前記動画配信サーバ」及び「前記動画」、構成要件2D及び2Eの「前記動画」、構成要件2F の「前記1の動画」並びに構成要件2Hの「前記動画配信サーバ」及び「前記動画」も備えていない。 したがって、この点で、被告システム2及び3は、構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2Hを充足しない。 4 争点4(被告らによる被告システムの「生産」の有無)について (原告の主張)(1) 被告サービスにおいてコメント付き動画をユーザ端末に表示させる手順被告サービスについて、コメント付き動画をユーザ端末に表示させる手順をFLASH版とHTML5版を区別して整理すると次のとおりである。 ア被告サービス1 (ア) 被告サービス1のFLASH版① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをユーザ端末にインストールしておく(以下、ブラウザに追加されたAdobeFlashPlayerを「FLASH」という。)。 ②-1 ユーザが、所望の動画を表示させるためのウェブページをブラ ウザに表示させる。 ②-2 これにより、ウェブページのデータ及びSWFファイル(FLASHで実行可能な形式のプログラムのファイル)が被告サーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ③ ユーザが、ユーザ端末において、表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 ④ FLASHからブラウザへの指示及びブラウザからのリクエストに応じて、被告サーバが、SWFファイルで指定される動画ファイル及びコメントファイルを配信する。 ⑤ ユーザ端末が、被告サーバから配信された動画ファイル及びコメントファ びブラウザからのリクエストに応じて、被告サーバが、SWFファイルで指定される動画ファイル及びコメントファイルを配信する。 ⑤ ユーザ端末が、被告サーバから配信された動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、コメント付き動画を表示させる。 (イ) 被告サービス1のHTML5版①-1 ユーザが、所望の動画を表示させるためのウェブページをブラウザに表示させる。 ①-2 これにより、ウェブページのデータ及びJSファイル(ブラウザで実行可能なJavaScriptによるプログラムのファイル)が被告サーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ② ブラウザからのリクエストに応じて、被告サーバが、JSファイル で指定される動画ファイル及びコメントファイルを配信する。 ③ ユーザ端末が、被告サーバから配信された動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 ④ ユーザが、ユーザ端末において、表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントフ ァイルに基づいて、コメント付き動画を表示させる。 イ被告サービス2及び3本件発明との関係において、被告サービス2と被告サービス3の動作に差異はない。 (ア) 被告サービス2及び3のFLASH版 ① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをユーザ端末にインストールしておく。 ②-1 ユーザが、所望の動画を表示させるためのウェブページをブラウザに表示させる。 ②-2 これにより、ウェブページのデータ及びSWFファイルが被告 サーバからユーザ端末のブラウザのキャッシ -1 ユーザが、所望の動画を表示させるためのウェブページをブラウザに表示させる。 ②-2 これにより、ウェブページのデータ及びSWFファイルが被告 サーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ③ FLASHからブラウザへの指示及びブラウザからのリクエストに応じて、被告サーバ(コメント配信用サーバ)がSWFファイルで指定されるコメントファイルを配信するとともに、動画配信用サーバが SWFファイルで指定される動画ファイルを配信する。 ④ ユーザ端末が、被告サーバ(コメント配信用サーバ)から配信されたコメントファイルを受信するとともに、動画配信用サーバから配信された動画ファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントフ ァイルに基づいて、コメント付き動画を表示させる。 (イ) 被告サービス2及び3のHTML5版①-1 ユーザが、所望の動画を表示させるためのウェブページをブラウザに表示させる。 ①-2 これにより、ウェブページのデータ及びJSファイルが被告サ ーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされ る。 ② ブラウザからのリクエストに応じて、被告サーバ(コメント配信用サーバ)が、JSファイルで指定されるコメントファイルを配信するとともに、動画配信用サーバがJSファイルで指定される動画ファイルを配信する。 ③ ユーザ端末が、被告サーバ(コメント配信用サーバ)から配信されたコメントファイルを受信するとともに、動画配信用サーバから配信された動画ファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、コメント付き動画を表示させる。 (2) 被告システムを被告らが「生産 ら配信された動画ファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、コメント付き動画を表示させる。 (2) 被告システムを被告らが「生産」(特許法2条3項1号)していることア被告システム1の生産に当たる行為(ア) 被告サービス1のFLASH版前記(1)ア(ア)の手順のうち、①におけるAdobeFlashPlayerのインストールは事前に1回だけ行うものであり、コメント 付き動画を表示させる都度インストールを行うものではないから、被告システム1の生産とは無関係である。 また、②-1及び③は、ユーザが被告システム1の生産を注文する行為であり、生産には該当しない。 ②-2でウェブページのデータ及びSWFファイルが被告サーバから ユーザ端末にダウンロードされることは生産に該当する。これらの配信は被告サーバによって行われるから、その主体は被告らである。さらに、被告サーバがウェブページのデータ及びSWFファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うことなく必然的にユーザ端末がウェブページのデータ及びSWFファイルを受信することになるから、ユ ーザ端末がこれらのファイルを受信することの主体も被告らである。 また、④における動画ファイル及びコメントファイルの配信も生産に該当する。この④において、動画ファイル及びコメントファイルを配信しているのは被告サーバであるから、④の主体が被告らであるのは明らかである。 そして、⑤で動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末によっ て受信されることによって被告システム1が完成する。この⑤では、④で被告サーバが動画ファイル及びコメントファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うこ トファイルがユーザ端末によっ て受信されることによって被告システム1が完成する。この⑤では、④で被告サーバが動画ファイル及びコメントファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うことなく必然的にユーザ端末が動画ファイル及びコメントファイルを受信することになるから、⑤の主体は被告らである。 このように、被告サービス1のFLASH版においては、被告サーバがウェブページのデータ、SWFファイル、動画ファイル及びコメントファイルを配信すること、及び、ユーザ端末がこれらのファイルを受信することが、被告らによる被告システム1の生産に該当する。 (イ) 被告サービス1のHTML5版 前記(1)ア(イ)の手順のうち、①-1は、ユーザが被告システム1の生産を注文する行為であり、生産には該当しない。 ①-2でウェブページのデータ及びJSファイルが被告サーバからユーザ端末にダウンロードされることは生産に該当する。これらの配信は被告サーバによって行われるから、その主体は被告らである。さらに、 被告サーバがウェブページのデータ及びJSファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うことなく必然的にユーザ端末がウェブページのデータ及びJSファイルを受信することになるから、ユーザ端末がこれらのファイルを受信することの主体も被告らである。 また、②における動画ファイル及びコメントファイルの配信も生産に 該当する。この②において、動画ファイル及びコメントファイルを配信 しているのは被告サーバであるから、②の主体が被告らであるのは明らかである。 そして、③で動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末によって受信されることによってコメント付き動画を表示可能な状態になり、被告システム1が完成する。この 体が被告らであるのは明らかである。 そして、③で動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末によって受信されることによってコメント付き動画を表示可能な状態になり、被告システム1が完成する。この③では、②で被告サーバが動画ファイ ル及びコメントファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うことなく必然的にユーザ端末が動画ファイル及びコメントファイルを受信することになるから、③の主体は被告らである。 なお、④は、完成済の被告システム1をユーザが使用する行為であり、生産には該当しない。 このように、被告サービス1のHTML5版においては、被告サーバがウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを配信すること、及び、ユーザ端末がこれらのファイルを受信することが被告らによる被告システム1の生産に該当する。 イ被告システム2及び3の生産に当たる行為 (ア) 被告サービス2及び3のFLASH版前記(1)イ(ア)の手順のうち①は被告システム1のFLASH版と同様の理由で被告システム2及び3の生産とは無関係である。 また、②-1は、ユーザが被告システム2及び3の生産を注文する行為であり、生産には該当しない。 ②-2でウェブページのデータ及びSWFファイルが被告サーバからユーザ端末にダウンロードされることは被告システム1のFLASH版と同様の理由で被告らによる生産に該当する。 ③における動画ファイル及びコメントファイルの配信も生産行為に該当する。③のうち、被告サーバ(コメント配信用サーバ)がSWFファ イルで指定されるコメントファイルを配信することの主体が被告らであ ることは明らかである。さらに、③のうち、動画配信用サーバがSWFファイルで指定される動画ファイ バ)がSWFファ イルで指定されるコメントファイルを配信することの主体が被告らであ ることは明らかである。さらに、③のうち、動画配信用サーバがSWFファイルで指定される動画ファイルを配信することは、被告サーバ(コメント配信用サーバ)から送信されるSWFファイルに基づくものであるから、動画ファイル配信の主体も被告らである。 そして、④で動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末によっ て受信されることによって被告システム2及び3が完成する。この④では、③にて被告サーバ(コメント配信用サーバ)がコメントファイルを配信し、動画配信用サーバが動画ファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の何らの操作を伴うことなく必然的に、ユーザ端末が動画ファイル及びコメントファイルを受信することになるから、④の主体は被告ら である。 このように、被告サービス2及び3のFLASH版においては、被告サーバがウェブページのデータ、SWFファイル及びコメントファイルを配信し、動画配信用サーバが動画ファイルを配信すること、及び、ユーザ端末がこれらのファイルを受信することが被告らによる被告システ ム2及び3の生産に該当する。 (イ) 被告サービス2及び3のHTML5版前記(1)イ(イ)の手順のうち、①-1は、ユーザが被告システム2及び3の生産を注文する行為であり、生産には該当しない。 ①-2でウェブページのデータ及びJSファイルが被告サーバからユ ーザ端末にダウンロードされることは被告システム1のHTML5版と同様の理由で被告らによる生産に該当する。 また、②における動画ファイル及びコメントファイルの配信も生産行為に該当する。②のうち、被告サーバ(コメント配信用サーバ)がJSファイルで指定されるコメントファイルを配信す による生産に該当する。 また、②における動画ファイル及びコメントファイルの配信も生産行為に該当する。②のうち、被告サーバ(コメント配信用サーバ)がJSファイルで指定されるコメントファイルを配信することの主体が被告ら であることは明らかである。さらに、②のうち、動画配信用サーバがJ Sファイルで指定される動画ファイルを配信することは、被告サーバ(コメント配信用サーバ)から送信されるJSファイルに基づくものであるから、動画ファイル配信の主体も被告らである。 そして、③において動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末によって受信されることによって被告システム2及び3が完成する。こ の③では、②にて被告サーバ(コメント配信用サーバ)がコメントファイルを配信し、動画配信用サーバが動画ファイルを配信したことに伴い、ユーザ自身の操作を何ら伴うことなく必然的にユーザ端末が動画ファイル及びコメントファイルを受信することになるから、③の主体は被告らである。 このように、被告サービス2及び3のHTML5版においては、被告サーバがウェブページのデータ、JSファイル及びコメントファイルを配信し、動画配信用サーバが動画ファイルを配信すること、及び、ユーザ端末がこれらのファイルを受信することが被告らによる被告システム2及び3の生産に該当する。 ウ被告サービスのFLASH版におけるSWFファイルとHTML5版におけるJSファイル(以下、併せて「SWFファイル等」ということがある。)の配信と生産との関係についての補足説明(ア) SWFファイル等の役割前記ア及びイのとおり、被告サービスのFLASH版においてはSW Fファイルを、被告サービスのHTML5版においてはJSファイルを、それぞれ被告サーバがユーザ端 ア) SWFファイル等の役割前記ア及びイのとおり、被告サービスのFLASH版においてはSW Fファイルを、被告サービスのHTML5版においてはJSファイルを、それぞれ被告サーバがユーザ端末に配信しているが、SWFファイル等は、それぞれ動画ファイルとコメントファイルを指定する。また、SWFファイル等は、本件発明における「判定部」(構成要件1F及び2F)に該当する処理を行うための条件を規定する。 すなわち、被告サービスにおいては、ユーザ端末により受信されたS WFファイル等によって指定される動画ファイル及びコメントファイルがユーザ端末にダウンロードされる(構成要件1B及び2B)。さらに、ユーザ端末により受信されたSWFファイル等によって規定される条件に基づいて2つのコメントの表示位置が重なるかどうかの判定が行われ(構成要件1F及び2F)、重なると判定された場合には、重ならない位 置に調整されて動画上にコメントが表示される(構成要件1G及び2G)。 (イ) SWFファイル等を配信するサーバSWFファイル等を配信するサーバは、被告FC2が管理するとされるサーバ(ウェブサーバ、コメント配信サーバ及び動画配信サーバ)のうち、ウェブサーバと理解できるが、仮に、コメント配信サーバ及び動 画配信サーバが送信しているとしても、被告システムの構成要件充足性、生産の有無及び生産主体には影響しない。 なお、SWFファイル等は被告ファイルに含まれるものではなく、サーバがSWFファイル等を配信するかどうかは、当該サーバが被告サーバに該当するかどうかを左右しない。 (ウ) ユーザ端末によるSWFファイル等の受信と生産の関係「生産」とは、特許範囲に属する技術的範囲に属する物を新たに作り出す行為と解される。そして バに該当するかどうかを左右しない。 (ウ) ユーザ端末によるSWFファイル等の受信と生産の関係「生産」とは、特許範囲に属する技術的範囲に属する物を新たに作り出す行為と解される。そして、被告システムでは、ユーザ端末がSWFファイル等を受信し、少なくとも一時的に保存すること、本件発明における「判定」(構成要件1F及び2F)に該当する処理を行うための条件 がSWFファイル等に含まれていること、動画ファイル及びコメントファイルをSWFファイル等が指定していること、少なくとも一時的に保存されているSWFファイル等が参照されて、本件発明に係る「判定部」(構成要件1F及び2F)及び「表示位置制御部」(構成要件1G及び2G)の機能が被告システムにおいて現に実現されることが認められる。 そうすると、被告サーバから配信されるSWFファイル等がユーザ端末 によって受信され、少なくとも一時的に保存されて参照されることにより、本件発明の「判定部」に相当する処理が被告システムにおいて実現され、本件発明の構成要件を充足する「コメント配信システム」に相当する被告システムが新たに作り出されるから、この点で、SWFファイル等の配信及びユーザ端末による受信によって、被告システムが「生産」 されるものである。 被告らは、ユーザ端末がSWFファイル等をインストールするのではなく一時保存するにすぎないから、ユーザ端末の「生産」に該当しないとの主張をするものと理解される。しかしながら、原告は、被告らの行為がユーザ端末の「生産」に該当すると主張しているわけではなく、被 告システムの「生産」に該当すると主張しているものであり、被告らの主張は失当である。上記のとおり、一時保存であったとしても、被告サーバからSWFファイル等が配信されて ているわけではなく、被 告システムの「生産」に該当すると主張しているものであり、被告らの主張は失当である。上記のとおり、一時保存であったとしても、被告サーバからSWFファイル等が配信されてユーザ端末に保存されれば、現に被告システムが新たに作り出されているといえるから、これがユーザ端末へのインストールに当たると評価するかどうかは問題とならず、被 告らの行為は、被告システムの「生産」に該当し、本件特許権の侵害となる。 エ被告らの行為が日本国内での生産に当たることについて(ア) 前記アないしウのとおり、被告らは、被告サーバから、インターネットを経由して、ウェブページのデータ、SWFファイル等並びに被告フ ァイルであるコメントファイル及び動画ファイルを日本のユーザの端末に配信することによって、被告サービスに係るコメント付き動画配信システム(被告システム)を作り出している。 そして、被告システムは、サーバとこれらとネットワークを介して接続された多数のユーザの端末装置により構成されるが、そのうち、少な くとも多数のユーザの端末装置は日本国内に存在し、日本国内において、 被告システムが多数のユーザにより利用され、侵害が惹起される。したがって、本件訴訟の対象である被告システムの大部分は、日本国内に存在している。 (イ) 被告らは被告システムを構成するサーバが国外にあることをもって侵害行為が成立しないことを主張するものであると理解することができる。 しかしながら、特許法第2条3項1号の「生産」とは、特許範囲に属する技術的範囲に属する物を新たに作り出す行為と解されるところ、国内にあるユーザ端末に被告システムを構成するサーバが上記の各ファイルを送信することにより、本件発明の技術的範囲に属するシステムが国内 する技術的範囲に属する物を新たに作り出す行為と解されるところ、国内にあるユーザ端末に被告システムを構成するサーバが上記の各ファイルを送信することにより、本件発明の技術的範囲に属するシステムが国内で新たに作り出されるのだから、被告システムを構成するサーバが国外 に存在するとしても、それは単に、「生産」が国外の行為により開始されるということを意味しているだけで、本件訴訟の対象である被告システムの大部分が日本国内に存在している以上、被告らによる「生産」の大部分は、日本国内で行われているものである。したがって、本件においては、被告らによる「生産」の開始が単に国外で行われているだけで、 「生産」の大部分は、日本国内で行われているものということができる。 しかも、被告システムにおいては、上記の各ファイルを国内のユーザ端末に送信することにより、当該ユーザ端末のディスプレイにおいて、2つの移動するコメントが追い付いて重複しないよう動画上に表示される(構成1h及び2h)という重要な実施行為も国内で行われているか ら、侵害という結果との関連で実施行為が全体として見て我が国内で行われているのと同視し得るといえる。 すなわち、原告は、サーバ又はユーザ端末の生産を本件発明の「実施」(特許法2条3項)として主張しているわけではなく、サーバ及び日本にあるユーザ端末から構成される被告システムの生産を「実施」と捉え ているのであり、被告システムは量的に見ても、質的に見ても、その大 部分は日本国内に作り出される「物」であり、被告らによる「生産」(同項1号)は日本国内において行われていると評価することができる。 これに対して、被告らが単にサーバを国外に設置することで日本の特許権侵害を免れられるという結論が著しく妥当性を欠くのは明ら 生産」(同項1号)は日本国内において行われていると評価することができる。 これに対して、被告らが単にサーバを国外に設置することで日本の特許権侵害を免れられるという結論が著しく妥当性を欠くのは明らかである。 なお、「生産」に用いるものを生産者自身が保有あるいは使用していることは「生産」の要件ではないから、動画配信サーバやユーザ端末が被告らのものでないとしても、少なくとも上記の各ファイルの送信を被告システムを構成するサーバが行う限り、被告らの行為が「生産」に該当しない理由にはならない。 (ウ) 原告は、属地主義の原則及び現行法を前提としても、侵害被疑者がサーバを外国に設置した場合にも日本の特許権侵害が成立するよう本件発明のクレームを構成したものである。そして、前記(ア)及び(イ)のとおり、被告システムについては、被告サーバにより上記の各ファイルを配信するという被告らの「生産」行為の開始が国外から行われているものの、 上記の各ファイルの受信という「生産」行為の大部分が日本国内において行われるものである。そうすると、侵害という結果との関連において、被告システムの「生産」という実施が全体として見て日本国内で行われているものと同視することができ、このような被告らの行為は本件特許権を侵害するものということができる。 オ被告HPSによる生産行為について(ア) 被告HPSは、実質的には被告FC2と一体であり、被告FC2から委託を受け、その一部門として被告サービスを運営しており、被告サーバに被告プログラムをインストールした上で、被告サーバから、インターネットを経由して、被告ファイルを日本のユーザの端末に配信するこ とにより、被告FC2と共同して、被告システムを生産している。 (イ) 被告らは、 た上で、被告サーバから、インターネットを経由して、被告ファイルを日本のユーザの端末に配信するこ とにより、被告FC2と共同して、被告システムを生産している。 (イ) 被告らは、日本で刑事事件が問題となったことを踏まえて、平成27年3月で被告FC2から被告HPSに対する動画関連サービスに関する業務委託は終了したと主張する。 しかしながら、業務委託契約の解除を示す証拠や、被告FC2が新たな業務委託先と契約を締結したことを示す証拠はなく、むしろ、被告H PSの主張や提出された各証拠によれば、その後も被告HPSが被告FC2と一体となってFC2動画等の被告サービスを運営していたものと強く推認される。 まず、被告HPSが平成27年3月30日時点において少なくとも被告サービス2及び3の業務を継続していたことは、被告HPS自身が認 めるところである。加えて、被告HPSが提出した書証(丙6)を前提とすれば、同日時点において、被告サービス関連の業務のほとんどを継続しているのであり、被告サービスについても被告HPSが業務を継続していたと考えるのが自然である。 そして、被告FC2と被告HPS間においては、同年4月1日付で、 システム等開発業務委託契約(丙9)、システム保守業務委託基本契約(丙10)及びソフトウェア保守業務委託基本契約(丙11)が締結されており、この事実は、被告FC2が運営する被告サービスの開発及び保守等の業務を被告HPSが同日付けで受託したことを示すものである。 さらに、被告FC2から被告HPSに対し、平成29年5月30日、 ドメインに関する業務を除き、同年8月末日をもって業務委託を終了することが通知されているが、実際にそれが終了したことを示す証拠はない。また、上記の通知の内容は、少なくとも平 9年5月30日、 ドメインに関する業務を除き、同年8月末日をもって業務委託を終了することが通知されているが、実際にそれが終了したことを示す証拠はない。また、上記の通知の内容は、少なくとも平成29年5月30日時点においては被告HPSが被告FC2から業務委託を受けていたことを示すものであり、「ドメインに関する業務を除いて」とされていることから、 広範に渡る業務がその後も被告HPSに委託されていたことは明らかで あり、被告サービスの開発及び保守等を含んでいたものと推測される。 したがって、被告HPSは平成27年4月1日以降も被告FC2と一体となって被告サービスを運営していたと考えるべきである。 (被告らの主張)(1) 被告サービスにおけるシステムの概要 ア被告サービスに係るシステムの構成被告サービスに係るシステムは、被告サービス1が、ウェブサーバ、コメント配信サーバ及び動画配信サーバから成り、被告サービス2及び3が、ウェブサーバ及びコメント配信サーバから成る。 このうち被告FC2が管理するウェブサーバは、被告サービスにおける ウェブページのデータのほか、SWFファイル等をユーザ端末に送信している。 イ被告サービスに係るサーバの所在地被告サービスにおける前記アの各サーバ(ただし、被告サービス2及び3については、被告FC2から第三者への事業譲渡前のもの)は米国に存 在している。 被告サービス2及び3(ただし、被告FC2から第三者への事業譲渡前のもの)における動画配信サーバは、インターネットを通じてアクセス可能なものであれば場所は問わないので、理論上は日本国内外のいずれに存在してもよい。 ただし、被告FC2は、上記動画配信サーバの実際の所在地を知らず、被告サービス2及び3は 通じてアクセス可能なものであれば場所は問わないので、理論上は日本国内外のいずれに存在してもよい。 ただし、被告FC2は、上記動画配信サーバの実際の所在地を知らず、被告サービス2及び3は既に譲渡済みであるため、それらの現在の仕様についても知らない。 ウ被告サービスにおけるHTML5版とFLASH版の動作(ア) HTML5によって記述されたウェブページでは、一般的に、ユーザ ー端末がブラウザのリクエストによりHTMLで記述されたファイルを ダウンロードし、その端末のブラウザがHTMLの記述を解釈することで所定の動作をする。また、上記ブラウザは、JavaScriptを実行することができ、この場合、ブラウザは、テキストの形でサーバからJavaScriptのコード(JSファイル)をダウンロードして実行する。また、ウェブページの管理者は表示スタイルを設定するため のCSSで記述されたファイルを用いて表示方法を細かく指定することができる。 このように、HTML、JSファイル及びCSSを組み合わせて動画及びコメントを表示するのが、被告サービスのHTML5版である。 (イ) 他方、FLASHは、ブラウザのプラグイン(機能を拡張するソフト ウェア)であり、FLASH版においては、FLASHを追加されたブラウザがアクションスクリプトという言語で記述されたSWFファイルをダウンロードして、その記述に従って、動画ファイル及びコメントファイルをブラウザに追加されたFLASHで再生するとともに、再生結果をブラウザ上に表示する。 (ウ) 被告サービスのHTML5版とFLASH版は、ユーザの端末が、動画及びコメントファイルをダウンロードして、両者を(場合によっては重ねあわせて)ブラウザで表示するという大まかな動 。 (ウ) 被告サービスのHTML5版とFLASH版は、ユーザの端末が、動画及びコメントファイルをダウンロードして、両者を(場合によっては重ねあわせて)ブラウザで表示するという大まかな動作は共通する。 しかしながら、HTML5版では、ブラウザが、ウェブページを構成するHTML及びJSファイルの記述に従って、動画ファイルやコメン トファイルをダウンロードして、動画ファイルやコメントファイルを呼び出し、HTML、JSファイル及びCSSの記述に従って、動画やコメントを表示するものであるのに対し、FLASH版では、FLASH(プラグイン)を追加されたブラウザが、ウェブページを構成するHTMLの記述に従って、SWFファイルをダウンロードし、さらに、SW Fファイルの記述に従って、動画ファイル及びコメントファイルをダウ ンロードして、ユーザの端末にインストールされたFLASHが、動画ファイルやコメントファイルを呼び出して表示するという違いがある。 (エ) SWFファイル等の役割a 被告システムにおいて、SWFファイル等に記述されているのは、コメントの表示位置の決定方法及びコメントを移動させる場合の移動 の方向や速度の計算方法である。 構成要件1F、2F、1G及び2Gとの関係でいえば、SWFファイル等には、読み込んだコメントを表示する箇所及びタイミングとの関係で、コメントが重なり合うか否かの計算式と、重なり合うと判断された場合は、表示位置を別の表示箇所に変更する際の表示位置が記 載されており、この処理方法や条件を、ユーザがあらかじめユーザ端末にインストールしているブラウザやFLASHが解釈して、実際にコメントが重なるかを判断し、重なり合うと判定した場合は、別の表示位置に表示箇所を変更する。そして、 条件を、ユーザがあらかじめユーザ端末にインストールしているブラウザやFLASHが解釈して、実際にコメントが重なるかを判断し、重なり合うと判定した場合は、別の表示位置に表示箇所を変更する。そして、FLASH版であればFLASHが、HTML5版であればブラウザが、具体的に表示される映像 を作成し、その後、FLASH版においては、作成された映像データをブラウザに引き渡してブラウザがあらかじめ確保されている表示領域に表示し、HTML5版においては、ブラウザが映像データをブラウザが表示している表示領域に表示する。 なお、原告は、被告システムにおいて、SWFファイル等が動画フ ァイル及びコメントファイルを指定していると主張するが、直接これらのファイル名を指定しているわけではなく、SWFファイル等の情報を元に、ブラウザがウェブサーバにアクセスしてURLを取得し、そこで得られたURLにアクセスすることで動画ファイル及びコメントファイルを取得することになる。 bSWFファイル等は、HTMLファイルやスタイルシート等と同様 にウェブの情報を記述しているファイルにすぎない。また、これらのファイルは、ユーザの端末に一時的に保管されるだけで、比較的短期間で抹消されるものであり(抹消までの時間はユーザ端末の設定による)、これは、一般的なウェブサイトの閲覧の場合と何ら変わるところがない。 これに対し、プログラムのインストールとは、通常、実行ファイルの複製やレジストリの書換えなど、長期的に一定の動作を可能にすることを意味し、上記のようにブラウザによりウェブサイトを閲覧する場合にファイルをダウンロードして一時的に保管することは、インストールに該当しない。プログラムのインストールを「生産」と解する 場合には、「生産 記のようにブラウザによりウェブサイトを閲覧する場合にファイルをダウンロードして一時的に保管することは、インストールに該当しない。プログラムのインストールを「生産」と解する 場合には、「生産」についての通常の理解から、長期間同一の動作を可能な有体物を作り出すことを意味するものとしてインストールを解釈するべきであり、一時的なウェブサイトの構成データのダウンロード及びこれを一時保管領域で保管することは、「生産」には該当しない。 仮に、インストールの定義を、一時的なファイルのダウンロード等 を含む広い意味に解するとしても、「生産」とは、長期間同一の動作が可能な有体物を作り出すことを意味する以上、一時的なファイルのダウンロード等については、「インストール」に該当しても「生産」には該当しないという解釈となるだけである。 エ被告サービスの対応言語やアクセス制限について (ア) 被告サービス1には、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、インドネシア語、ベトナム語及び日本語の12言語のウェブサイトが用意されている。 被告サービス1について、特定の国からのアクセスを拒否する設定を 行うことは可能であるものの、原則として全世界からのアクセスが可能 であり、日本からのアクセスのみに制限されるものではない。 (イ) 被告サービス2の譲渡前の仕様は、英語、中国語(繁体字)、韓国語及び日本語の4言語のウェブサイトが用意されており、日本からのアクセスに限る等のアクセス制限は存在しなかった。 (ウ) 被告サービス3の譲渡前の仕様は、日本語のウェブサイトのみであっ たものの、日本からのアクセスのみに制限されるものではなかった。 (2) 被告らが日本国 アクセス制限は存在しなかった。 (ウ) 被告サービス3の譲渡前の仕様は、日本語のウェブサイトのみであっ たものの、日本からのアクセスのみに制限されるものではなかった。 (2) 被告らが日本国内において被告システムを生産していないことア 「物の生産」(特許法2条3項1号)に当たる行為がないこと原告は、被告ファイル等を日本のユーザの端末に配信することによって、本件発明の構成要件を備えた被告システムが完成するから、これが生産に 該当すると主張する。 しかしながら、実際に行われているのは、通常のウェブサイトの閲覧にすぎず、動作としては、ブラウザやブラウザに追加されたFLASHが、HTMLファイル及びJSファイル(HTML5版の場合)又はSWFファイル(FLASH版の場合)をダウンロードして参照しているにすぎず、 配信によって被告システムが新たに完成しているのではないから、生産に該当する行為はない。特に、JSファイルは、FLASHのようなプラグインの追加を要しないことから、パソコンを買ったばかりの状態でも同様の動作をするものであり、これを装置の生産と観念することはできない。 つまり、被告サービスにおいてユーザ端末らしきものがあるとしても、 それは通常のブラウザの挙動によるものにすぎず、特段の装置を構成しない。他方、ユーザによる被告サービスの視聴は、通常のブラウザによるウェブページの閲覧にすぎない。したがって、本件において一般的なブラウザと一般的なプラグインを追加したにすぎないユーザの端末を本件発明に関する装置であると考えること自体、日本における実施を認めさせるため の方便にすぎない。 これに対し、原告は、サーバ又はユーザ端末の生産ではなく、サーバ又はユーザ端末から構成される被告システムの生産が ること自体、日本における実施を認めさせるため の方便にすぎない。 これに対し、原告は、サーバ又はユーザ端末の生産ではなく、サーバ又はユーザ端末から構成される被告システムの生産が「実施」であると主張するが、上記のとおり、生産は装置についてされるものであるところ、原告が主張するシステムに含まれる装置であるユーザ端末については、被告FC2が形成するものではないから、上記の結論は変わらない。 イ被告FC2は生産の実施主体でないこと特許発明の「実施」のうち、「生産」とは、構成要件を充足しない物を組み合わせて構成要件を充足するものとする行為を指すのであるから、「生産」の実施主体といえるためには、当該組合せの全てを行う必要がある。本件発明においては、動画とコメントを「端末装置の表示装置に表示させる手 段」が構成要件とされており(構成要件1E及び2E)、それに対応する被告システムの構成は、ユーザ端末のブラウザの動作に他ならないところ、当該ユーザ端末のブラウザの動作には、被告FC2が一切関与していない。 そうすると、被告FC2は、被告システムのうち、原告が「生産」と主張する全ての行為を担っているとは評価され得ないから、「生産」の主体とは ならない。 これに対し、原告は、ユーザ端末が被告ファイル等を受信することの主体も被告らであると主張するが、ユーザ端末による視聴は、ユーザ自身による端末の用意、端末のインターネットへの接続、端末へのブラウザやFLASHのインストール、ユーザによる被告FC2がサービスを提供して いるサイトへのアクセス、ユーザによる当該サイトにおける動画やコメントを視聴するための選択やマウスのクリック等が不可欠であり、ユーザの行為としか評価できない。 ウ日本国内での生産がないこと日 いるサイトへのアクセス、ユーザによる当該サイトにおける動画やコメントを視聴するための選択やマウスのクリック等が不可欠であり、ユーザの行為としか評価できない。 ウ日本国内での生産がないこと日本の特許権が日本国内での実施に対してのみ及ぶことは、属地主義の 原則から明らかであり、実施とは特許発明の構成要件の全てを充足する行 為を意味することから、実施の一部が国外において行われている場合に、日本の特許権は当該行為に及ばない。 これに対し、原告は、被告ファイルの配信等が国外で行われるとしても、その行為は生産の開始にすぎないとし、ユーザ端末による被告ファイルの受信は日本国内で行われ、日本国内のユーザ端末により大部分が構成され る被告システムは日本国内で新たに作り出されているから、日本国内での生産が認められるべきなどと主張する。しかしながら、特許発明の実施に対して日本の特許権を行使するためには、その実施の全てが国内にて行われる必要があることは属地主義の原則から明らかであり、実施としての「生産」の一部である開始部分が国外において行われている以上、被告シ ステムに対して日本の特許権が行使される余地はない。そもそも、「生産行為の大部分が日本国内」などという極めて曖昧な評価によって属地主義の原則に反する国内特許権の行使が認められるものではなく、原告の主張は失当である。 エ被告HPSによる生産行為がないこと (ア) 被告HPSが令和元年5月17日以降に被告サービスに関する業務を行っていないこと被告HPSは、被告FC2とは別の法人であり、被告FC2と一体の関係にはなく、被告FC2の一部門でもない。 被告HPSは、かつて、被告FC2の委託を受けて、同被告が運営す るサービスに関する業務の一部を行っていた 2とは別の法人であり、被告FC2と一体の関係にはなく、被告FC2の一部門でもない。 被告HPSは、かつて、被告FC2の委託を受けて、同被告が運営す るサービスに関する業務の一部を行っていたことがあるが、遅くとも本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期においては、本件サービスに関する業務を一切行っていないから、被告システムの生産に当たる行為も行っていない。 (イ) 被告FC2から被告HPSへの業務委託が終了した経緯 a 平成26年中に京都府警が被告HPSの事務所等の強制捜査を行っ たことなどを受け、平成27年1月頃、被告HPSは、被告FC2との間で、同被告が運営する動画サービスに関連する開発業務の委託の見直しについて協議することになった。 b 前記aの協議の結果、被告FC2は、被告HPSが被告FC2の動画関連サービスに関する開発業務を継続することによる法的リスクを 減らすために、平成27年3月末日をもって被告HPSへの被告システムを含む動画関連サービスの開発業務の委託を終了することになった。 c 被告HPSと被告FC2は、平成27年4月1日以降の業務委託等について新たな契約を締結し、被告HPSは、同年3月31日をもっ て被告FC2が運営する動画関連サービスの開発業務を終了し、同年4月1日以降、動画関連サービスについては引き継ぎ業務のみを行うこととなった。 d 被告FC2は、被告HPSに対し、平成29年5月30日頃、ドメインに関する業務を除き、同年8月末日をもって業務委託を終了する ことを通知し、同日頃までにドメインに関する業務を除く業務委託は全て終了した。 e 被告HPSが動画関連サービスの開発業務を終了した平成27年3月当時、被告HPSには125名の従業員がいたが、 ことを通知し、同日頃までにドメインに関する業務を除く業務委託は全て終了した。 e 被告HPSが動画関連サービスの開発業務を終了した平成27年3月当時、被告HPSには125名の従業員がいたが、動画関連サービスの開発業務の受託終了に伴う業務の減少に伴い、従業員数も次第に 減少し、令和元年5月当時には従業員は1名のみであり、令和元年9月に最後の従業員が退職した。 したがって、原告が主張する特許権が登録された令和元年5月頃以降、被告HPSは、本件発明の技術的範囲に属するシステムの生産に関する開発業務か否かを問わず、およそプログラムの開発業務を行い 得る状況ではなかった。 5 争点5(無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否)について当事者の主張は、別紙4「無効の抗弁の成否についての当事者の主張」のとおり。 6 争点6(原告による本件特許権の行使が権利の濫用に当たるか)について(被告らの主張) 別紙4の「14 争点5-14(公序良俗違反(無効理由14))について」の(被告らの主張)のとおり、本件出願は別件訴訟の蒸し返し目的でされたものであり、また、そのような出願経過に鑑みれば、本件出願が実質的に特許法17条の2第3項及び第4項の規定を逸脱する目的で分割出願されたものであることは明らかである。 したがって、本件特許権を被告らに対して行使することは権利の濫用として許されない。 (原告の主張)被告らの主張は否認ないし争う。 7 争点7(損害の発生の有無及びその額)について (原告の主張)被告らは、遅くとも本件特許権の登録日である令和元年5月17日から、本件訴訟の提訴日の前日である同年9月17日までに、共同して本件発明の技術的範囲に含まれる被告システムを生産し、被告サービス 張)被告らは、遅くとも本件特許権の登録日である令和元年5月17日から、本件訴訟の提訴日の前日である同年9月17日までに、共同して本件発明の技術的範囲に含まれる被告システムを生産し、被告サービスを提供することによって、少なくとも1億円を売り上げている。 そして、電子計算機等に関する特許発明に関する実施料率は、イニシャル無しで平均値が33.2%である。被告らは、被告サービスを原告としては到底、容認できないわいせつ目的で使用したことがあるため、原告が被告らに対して本件発明の実施許諾をすることはあり得ず、本件発明の実施の被告サービスに係る売上げ及び利益に対する貢献度を考慮しても、相当な実施料率は10%を 下らない。 したがって、特許法102条3項によって算定される実施料相当損害額は1000万円を下らない。 (被告らの主張)原告の主張は否認ないし争う。 8 争点8(差止請求及び除却等請求の当否)について (原告の主張)(1) 前記4(原告の主張)のとおり、被告らが被告サーバから被告サービスのための被告ファイルを送信する行為は、被告システムの「生産」に該当し、本件特許権の直接侵害に該当するから、特許法100条1項による差止めの対象となる。 さらに、被告サーバ用プログラム及び被告サーバは、被告らによる侵害行為を組成したものであるから、同条2項による抹消及び除却の対象となるものである。 (2) 被告FC2は、被告サービス1について少なくともFLASH版に関しては、侵害のおそれがなく、差止請求が認められるべきでないと主張している。 しかしながら、原告は、被告システムの特定に当たり、前記2(原告の主張)(1)のとおり、FLASH版に限定せずにこれを特定しており、FLASH版であるかHT れるべきでないと主張している。 しかしながら、原告は、被告システムの特定に当たり、前記2(原告の主張)(1)のとおり、FLASH版に限定せずにこれを特定しており、FLASH版であるかHTML5版であるかによって構成要件充足性に影響はない。 また、原告が本件の請求において配信の停止を求める被告ファイル、抹消を求める被告サーバ用プログラム及び除却を求める被告サーバについても、F LASH版に限定せずに特定している。 したがって、被告FC2が、Adobe社がAdobeFlashPlayerのサポートを終了したという外的要因によりFLASH版の供給を停止し、HTML5版のみを提供することにしたとしても、これにより、侵害の成否、差止請求権の帰趨に何らの影響も及ぼさない。 (被告らの主張) (1) 被告サービス2及び3の譲渡被告FC2は、令和2年9月25日をもって被告サービス2及び3に係る事業をShweNandarCo., Ltd.に譲渡し、その旨を公表した。 したがって、被告FC2は、同日以降、被告サービス2及び3と同様のサ ービスを提供する予定がないから、被告サービス2及び3について、被告らに対する差止め及び除却等の請求は認められない。 (2) 被告サービス1におけるFLASH版の終了被告FC2は、Adobe社がAdobeFlashPlayerのサポートを終了したことから、令和2年12月28日をもってFLASH版 の動画再生プレイヤーの公開を停止し、その旨を公表した。 被告FC2は、被告サービス1について、HTML5版のみを提供し、FLASH版の公開をする予定はないから、被告サービス1のうち少なくともFLASH版に関しては、被告らに対する差止め及び除却等の請求は認められない 被告サービス1について、HTML5版のみを提供し、FLASH版の公開をする予定はないから、被告サービス1のうち少なくともFLASH版に関しては、被告らに対する差止め及び除却等の請求は認められない。 (3) 原告の差止め等を求める範囲が過大であること被告サービスは、インターネットを通じて全世界に配信可能であり、日本国内にだけ配信しないような技術は、現在のインターネットに関しては存在しない。 また、原告は日本国内の被告らの行為について特許権侵害を主張するとし ているが、被告サーバ用プログラム及び被告サーバは米国に存在している上、これらの抹消及び除却をすると、日本国内への配信だけでなく、全世界への配信が不可能になるから、原告が特許権侵害を主張する範囲を逸脱するものである。 したがって、原告の差止め及び除却等の請求はいずれも相当でない。 第4 当裁判所の判断 1 本件明細書の記載事項等(1) 本件明細書(甲2)には、以下の記載がある(下記記載中に引用する【図1】、【図2】、【図4】、【図5】、【図8】、【図9】及び【図10】については、別紙5「本件明細書の図面」参照)。 ア 【技術分野】 【0001】本発明は、動画コンテンツを再生しながら、再生中のコンテンツを利用してユーザ間のコミュニケーションを行うことができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方法、及びプログラムに関する。 イ 【背景技術】 【0002】従来から、例えば、放送されたテレビ番組などの動画に対してユーザが発言したコメントをその動画と併せて表示するシステムがある。 例えば、地域ごとに放送時間が異なるテレビ番組等に関する掲示板において、テレビ番組の1シーンに対する書き込みを、放送開始からの正味時 発言したコメントをその動画と併せて表示するシステムがある。 例えば、地域ごとに放送時間が異なるテレビ番組等に関する掲示板において、テレビ番組の1シーンに対する書き込みを、放送開始からの正味時 間に対応させて記憶しておき、掲示板を閲覧する時間が異なっていても、以前に書き込まれた内容がテレビ番組のシーンに合わせて表示させるシステムがある(例えば、特許文献1参照)。このシステムによれば、ユーザは放送時間のタイムラグを感じることがなく、テレビ番組を見ながら、コメントを閲覧して楽しむことができる。 ウ 【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、上述した従来技術におけるシステムでは、単に動画の時間(動画の再生時間)と対応付けてコメントを登録しておき、動画と合わせて再生するものであるので、ユーザ間において、リアルタイムでのコメ ントのやりとりをすることができず、コミュニケーションとしての面白み が十分とはいえなかった。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方 法、及びプログラムを提供することにある。 エ 【課題を解決するための手段】【0006】上述した課題を解決するために、本発明は、動画データを配信する動画配信サーバと、動画に対するコメントを配信するコメント配信サーバと、 複数の端末装置と、がネットワークを介して接続されたコメント配信システムであって、前記コメント配信サーバは、コメントが前記端末装置によって付与された時点における、前記動画の最初を基準として動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付 接続されたコメント配信システムであって、前記コメント配信サーバは、コメントが前記端末装置によって付与された時点における、前記動画の最初を基準として動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と前記コメントとを含むコメント情報を前記複数の端末装置のうちいずれかの端末装置から送信され る毎に受信して記憶する第1のコメント情報記憶部と、前記第1のコメント情報記憶部に記憶されたコメント情報を読み出して、前記端末装置に配信するコメント情報配信部と、を有し、前記端末装置は、前記動画配信サーバから配信される動画データを受信して再生する動画再生部と、前記再生する動画に対して入力されたコメント情報を前記コメント配信サーバか ら受信するコメント情報受信部と、前記コメント情報受信部が受信したコメント情報を記憶する第2のコメント情報記憶部と、前記動画再生部によって再生される動画を表示するとともに、再生される動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間のコメントを前記第2のコメント情報記憶部から読み出し、読み出したコメントを動画とともに表示する表示部と、を 有することを特徴する。 【0007】また、本発明は、上述のコメント配信システムにおいて、前記コメント表示部によって表示されるコメントの表示位置が他のコメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、前記判定部がコメントの表示位置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示させる 表示位置制御部と、を有することを特徴とする。 オ 【発明の効果】【0011】本発明によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメン ト情報から読み出し、読み出したコメント 【0011】本発明によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメン ト情報から読み出し、読み出したコメント内容を動画とともに表示するようにした。そして、動画に対して入力されたコメント情報のうち、消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにしたので、そのコメントが動画にふさわしくないコメントであるか否かについて、ユーザの意思を考慮した表示をすること ができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。 カ 【発明を実施するための形態】【0013】以下、本発明の一実施形態によるコメント配信システムについて図面を 参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるコメント配信システムの構成を示す概念図である。この図において、動画配信サーバ1は、端末装置3からの配信要求に応じて、動画データを配信する。この配信は、例えば、ストリーミング配信によって行われる。コメント配信サーバ2は、動画配信サーバ1が配信する動画に対するコメントを端末装置3から受信 し、その動画を閲覧する各端末装置3に配信する。端末装置3は、ネット ワーク4を介して動画配信サーバ1とコメント配信サーバ3に接続し、動画配信サーバ1から配信される動画を受信して表示するとともに、コメント配信サーバ3から配信されるコメントを受信して動画上に表示する。 【0014】次に、図1におけるコメント配信サーバ2、端末装置3について、図面 を用いて更に説明する。図2は、コメント配信サーバ2の構成を示す概略ブロック図である。この図において、コメント情報記憶部21は、コメントの内容 るコメント配信サーバ2、端末装置3について、図面 を用いて更に説明する。図2は、コメント配信サーバ2の構成を示す概略ブロック図である。この図において、コメント情報記憶部21は、コメントの内容と、このコメント内容が付与された時点における、動画の再生開始時点を基準とした動画再生時間をコメント付与時間としてコメント内容とを対応づけてコメント情報として記憶する。… 【0016】次に、端末装置3について、図面を用いて説明する。図4は、端末装置3の構成を説明する概略ブロック図である。 この図において、動画再生部31は、端末装置3のユーザによって指定された動画の配信要求を動画配信サーバ1に送信し、動画配信サーバ1か ら配信される動画を受信して再生する。コメント情報受信部32は、再生する動画に対して入力されたコメント情報をコメント配信サーバ2から受信する。コメント情報記憶部33は、コメント情報受信部32が受信したコメント情報を記憶する。このコメント情報記憶部33は、上述の第2のコメント情報記憶部に相当する。 【0017】表示装置34は、液晶表示装置やCRT(CathodeRayTube)等であり、各種情報を表示する。第1の表示部35は、動画再生部31によって再生される動画を表示するとともに、コメント情報記憶部33に記憶されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応 するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメント情報から読み 出し、読み出したコメントを動画とともに表示装置34によって表示する。 また、第1の表示部35は、コメント内容を動画上にオーバーレイ表示させる機能を有する。第2の表示部36は、コメント情報記憶部33に記憶されるコメントデータに基づいて、コメントのリストをコ 表示する。 また、第1の表示部35は、コメント内容を動画上にオーバーレイ表示させる機能を有する。第2の表示部36は、コメント情報記憶部33に記憶されるコメントデータに基づいて、コメントのリストをコメント一覧として表示装置34に表示する。ここでは、コメントデータに含まれたコメン ト投稿実時間の情報の順に従って表示する。 【0018】この表示装置34に表示される情報について、更に説明する。図5は、表示装置34に表示される情報の一例を示す図である。表示欄101には、このコメント配信サーバにアクセスした際のURL(uniformresourcelo cator)が表示される。表示欄102には、再生される動画の動画IDが表示される。表示欄103には、現在表示されている動画が閲覧要求されたのべ回数が閲覧回数として表示される。この閲覧回数は、他のユーザが動画を再生(閲覧要求)した場合には、その時点で同じ動画を閲覧中のユーザのカウント数が増加され、カウント数が更新されて表示される。表示欄 104には、第1の表示部によって表示される動画が表示される。表示欄105は、第2の表示部によって表示されるコメントが表示される領域であり、ここでは、表示欄104によって表示される動画上にコメントが表示される。また、ここでは、表示欄105は、表示欄104よりも大きいサイズに設定されており、オーバーレイ表示されたコメント等が、動画の 画面の外側でトリミングするようになっており、コメントそのものが動画に含まれているものではなく、動画に対してユーザによって書き込まれたものであることが把握可能となっている。 【0019】操作パネル106は、再生ボタン、停止ボタン、巻き戻しボタン、早送 りボタン、音量調整ボタン、動画全体のどのあたりを よって書き込まれたものであることが把握可能となっている。 【0019】操作パネル106は、再生ボタン、停止ボタン、巻き戻しボタン、早送 りボタン、音量調整ボタン、動画全体のどのあたりを再生しているのかを 示す再生状態表示欄、などが表示されており、マウスによっていずれかのボタンにカーソルを合わせてクリックされることによって、そのボタンに応じた操作の入力を受け付けする。表示欄107には、動画全体の再生時間長と、現在表示欄105に表示されている動画の動画再生時間とが表示される。入力欄108には、動画に対して発言するユーザの名前が入力部 37を介して入力される。ここで、入力欄108の近傍にチェックボックスを設けておき、このチェックボックスがチェックされたか否かに従って、メールアドレスを入力するか否かを選択させ、チェックボックスがチェックされた場合に、入力欄108を2つにし、ユーザの名前と、ユーザのメールアドレスとの入力を受け付けるようにしてもよい。入力欄109には、 コメントの表示のさせ方を指定する情報が入力される。コメントの表示のさせ方としては、例えば、コメントの動画上に表示させる位置、フォント、文字のサイズ、移動表示させる開始位置と終了位置と移動表示させる方向等を、オーバーレイ表示をさせるための指定をする情報として設定可能である。なお、ここで、コメントの表示のさせ方については、予め決めてお き、ユーザが入力しなくてもよいようにすることも可能である。 【0020】コメント欄110には、入力部37を介してユーザによってコメントが入力される。ボタン111は、クリックされることによって、コメント欄110に入力されたコメントや、入力欄108に入力されたユーザの名前 や、入力欄109に入力されたコメ ーザによってコメントが入力される。ボタン111は、クリックされることによって、コメント欄110に入力されたコメントや、入力欄108に入力されたユーザの名前 や、入力欄109に入力されたコメントの表示のさせ方の情報をコメント配信サーバ2に送信する。表示欄112は、コメントのリストであるコメント一覧が表示される領域である。このコメント一覧には、コメントに付与された発言順序を示す番号(符号112a)、コメントを入力したユーザの名前(符号112b)、コメントの書き込みをしたコメント付与時間(符 号112c)、発言されたコメントの一部(符号112d)が、投稿された 実時間情報の順に従って表示される。この表示欄112に、表示欄112を画面上に表示させるか否かを指定するチェックボックス等の入力欄を設け、この入力欄に入力された表示の可否の指示に従い、表示をさせるあるいは、表示を隠すようにすることも可能である。また、この表示欄112に表示させるコメントの一部の個数をユーザの指示に従って、変更するよ うにしてもよい。表示欄113は、表示欄112に表示されたコメント一覧のうち、ユーザのよってカーソルが合わせられたコメントの詳細が表示される。コメントの詳細としては、コメントの全文や、コメントを発言したユーザの名前、メールアドレスなどが表示される。 【0023】 送信部40は、第1の表示部35によって表示された動画に対するコメント内容のデータ入力を受け付けるとともに、コメント内容が入力された時点の動画再生時間をコメント付与時間としてコメント内容とともにコメント配信サーバに送信する。また、送信部40は、入力部37から入力された指示に従って、各種情報をコメント配信サーバ2や動画配信サーバ1 に送信する機能を有する。 してコメント内容とともにコメント配信サーバに送信する。また、送信部40は、入力部37から入力された指示に従って、各種情報をコメント配信サーバ2や動画配信サーバ1 に送信する機能を有する。 【0028】次に、端末装置3の動作について図面を用いて説明する。図8は、端末装置3の動作を説明するためのフローチャートである。 端末装置3の入力部37は、ユーザから動画再生の指示が入力されると (ステップS201)、指示された動画の動画IDを送信部40によって動画配信サーバ1に送信し、動画の配信要求をするとともに、コメント情報の配信要求をコメント配信サーバ2に送信する。そして、コメント情報受信部32は、コメント配信サーバ2から配信されるコメント情報を受信したならば(ステップS202)、コメント情報記憶部33に記憶する。 【0029】 コメント情報が受信されコメント情報記憶部33に記憶されると、動画再生部31は、動画配信サーバ1から配信される動画を受信し、受信した動画を再生し、第1の表示部35によって表示装置34に表示する(ステップS203)。動画の再生が開始されると、第1の表示部35は、現在の動画再生時間に基づいて、動画再生時間に一致するコメント付与時間が設 定されたコメントデータがあるか否かをコメント情報記憶部33を参照して、判定する(ステップS204)。動画再生時間に一致するコメント付与時間が設定されたコメントデータがある場合(ステップS205-YES)、第1の表示部35は、当該コメントデータの表示位置を算出する(ステップS206)。そして算出された表示位置に従って、動画上にコメントの表 示制御を行う(ステップS206)。 一方、動画再生部31は、再生が終了したか否かを判定し、再生が終了して する(ステップS206)。そして算出された表示位置に従って、動画上にコメントの表 示制御を行う(ステップS206)。 一方、動画再生部31は、再生が終了したか否かを判定し、再生が終了していれば処理を終了し、再生が終了して否ければ、ステップS204に移行する。 【0030】 一方、ステップS205において、表示させるコメントがなければ、配信部40は、入力部37からコメントが入力されたか否かを検出する(ステップS209)。コメントの入力があった場合には、そのコメントが入力された時点(例えば、「書く」ボタン(符号111)がクリックされた時点)における、その動画を再生しているソフトウェアのプレイヤーが指す再生 時間(動画再生時間)を読み出し、その動画再生時間をコメント付与時間とし、再生中の動画の動画IDと、閲覧中のコメントのスレッドIDと、現在の実時間情報(現在時刻の情報)と、端末装置3のユーザのユーザ名と、入力されたコメント内容と、コメント表示方法とを対応づけて、コメント情報としてコメント情報記憶部33のコメント一覧に追加保存する (ステップS210)。そして、送信部40は、追加保存したコメント情報 をコメント配信サーバ2に送信し(ステップS211)、ステップS208に移行する。 【0033】次に、コメントが画面上に表示された場合について図面を用いて説明する。ここでは、図5の「最近のコメント一覧」において、「有名シェフのオ ムライス」の動画に対応付けされた「料理の感想を言おう!」というスレッドが選択された場合について説明する。このスレッドが選択されると、「有名シェフのオムライス」の動画が例えば、図5の表示欄104の領域内に再生される。そして、動画再生時間に応じてコメントが動画上に順次表 選択された場合について説明する。このスレッドが選択されると、「有名シェフのオムライス」の動画が例えば、図5の表示欄104の領域内に再生される。そして、動画再生時間に応じてコメントが動画上に順次表示される。図5では、動画再生時間が9秒の場合の画面が示してあり、 ここでは、コメント付与時間が9秒のユーザFのコメントである「おいしそう~!」が、画面の右側から左側に移動表示される(符号115)。そして、動画の再生が進み、動画再生時間が13秒になると、図9に示すような画面が表示される。ここでは、コメント付与時間が9秒のコメントである「おいしそう~!」が、画面左側に移動しており、表示欄104の外側 であって表示欄109の内側にトリミングされた状態で「そう~!」の部分だけ表示されている(符号200)。また、コメント付与時間が10秒のユーザZのコメントである「有名シェフの作品はいいねぇ。」のコメントがユーザBのコメントの下の位置に表示されているとともに(符号201)、コメント付与時間が12秒のユーザEのコメントである「どこの卵を使っ てるの?」が画面の下方の位置に表示される(符号202)。このようにして、コメントが順次表示される。 【0034】以上、1つの端末装置3のみの動作に着目して説明したが、実際には、同じ動画であって、同じスレッドを閲覧しているユーザ間において、以下 のようにしてコメントのやりとりをすることができる。ここでは、図10 を用いて、説明をする。 例えば、あるユーザEによって、動画が再生され、動画再生時間が12秒の時点で「どこの卵を使っているの?」というコメントが発言として追加入力されると(符号a)、その追加入力されたコメントのコメント情報がコメント配信サーバ2を介して、同じ動画であって同じ 時間が12秒の時点で「どこの卵を使っているの?」というコメントが発言として追加入力されると(符号a)、その追加入力されたコメントのコメント情報がコメント配信サーバ2を介して、同じ動画であって同じスレッドを閲覧し ている端末装置3に配信される。 【0035】その配信後に、別のユーザCによって、同じ動画が再生されると(符号b)、ユーザCの端末装置3に、追加されたコメントを含めてコメント情報が配信される。そして、動画再生時間が12秒の時点で、「どこの卵を使っ ているの?」というユーザEからのコメントが表示される。そして、このコメントを閲覧したユーザCが、その回答として、ユーザCの動画再生時間が15秒の時点(ユーザEの動画再生時間では、例えば100秒の時点)で「○○県産らしいよ。」というコメントを入力してコメント配信サーバ2に送信すると(符号c)、その送信されたコメントがユーザEの端末装置3 に配信される。このとき、例えば、動画再生時間が100秒の時点において、ユーザEのコメント一覧のリストに、ユーザCのコメントの一部が実時間に従った順で表示される(符号d)。例えば、最新のコメントとして、コメント一覧の一番下(あるいは一番上)に表示される。そして、このコメント一覧を見たユーザEによって、コメントの一部がクリックされると、 再生中の動画が、動画再生時間15秒の時点に戻って再生されるとともに、ユーザEの端末装置3の画面上に「○○県産らしいよ。」のコメントが表示される(符号e)。これによって、ユーザEは、あたかも自分のコメントに返信があったかのようにして楽しむことができる。そして、このようなコメントのやりとりを繰り返すことによって、異なるタイミングで動画を閲 覧しているユーザ同士であっても、コメントを介してコミ に返信があったかのようにして楽しむことができる。そして、このようなコメントのやりとりを繰り返すことによって、異なるタイミングで動画を閲 覧しているユーザ同士であっても、コメントを介してコミュニケーション を図ることが可能となる。このように、実時間でのコメント入力順にコメントを管理し、コメント一覧として表示するようにしたので、動画の再生タイミングが一致していないユーザ同士であっても、コメントのやりとりをリアルタイムで行うことができ、コミュニケーションを図ることが可能となる。 【0040】次に、コメントの表示について説明する。 入力されたコメントは、画面上の上段、中段、下段など、表示させる位置や、コメントを移動表示させる表示時間を入力欄109に入力することによって設定することが可能である。また、表示時間を設定する場合は、 例えば、画面の上段にコメントを一定時間(例えば、4秒)表示させて消すようにすることができる。また、画面の表示領域内に現れてから領域外に移動して消えるまでの時間を指定して(例えば、4秒)、移動スピードを調整することも可能である。また、ある動画再生時間に多数のコメントが集中して入力された場合等において、それらを表示させると同じ高さのラ インで重なってしまう場合は、画面上の高さを変えて表示あるいは、移動表示させることが可能である。また、表示時間が設定されたことによって、コメントの文字列の長さに応じて移動スピードが異なる場合は、コメントが移動し終わる前に次のコメントが追いついてしまう場合もあるので、このような場合にも、次のコメントを違う高さのラインに表示または、移動 表示させるようにしてもよい。 【0043】なお、上述した実施形態において、動画配信サーバ1とコメント配信サ ので、このような場合にも、次のコメントを違う高さのラインに表示または、移動 表示させるようにしてもよい。 【0043】なお、上述した実施形態において、動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2とが別のサーバである場合について説明したが、同一のサーバで、動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2との機能を実現するようにして もよい。 また、上述した実施形態においては、本サービスにおけるコメントと動画の閲覧を行う場合に、コメント配信サーバ2にアクセスして、最近のコメント一覧のデータを受信し、表示装置34に表示された最近のコメント一覧から動画とスレッドを選択する場合について説明したが、この動画をスレッドを指定して、コメントと動画の閲覧できるURLを作成し、イン ターネット上に公開するようにしてもよい。具体的には、動画IDとスレッドIDが含まれ、クリックをするとその動画の再生とそのスレッドのコメント情報を受信することができるURLをブログやインターネットのサイト上の掲示板に書き込みをして他のユーザにクリックさせるようにしてもよい。また、このようなURLをサムネイル画像等に設定しておき、ク リックをさせるようにしてもよい。 (2) 前記(1)の記載事項及び本件発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件明細書には、本件発明に関し、次のとおりの開示があることが認められる。 ア従来から、例えば、放送されたテレビ番組などの動画に対してユーザが 発言したコメントをその動画と併せて表示するシステムがあるが、このシステムでは、単に動画の時間(動画の再生時間)と対応付けてコメントを登録しておき、動画と合わせて再生するものであるので、ユーザ間において、リアルタイムでのコメントのやりとりをすることができず、コミュニ テムでは、単に動画の時間(動画の再生時間)と対応付けてコメントを登録しておき、動画と合わせて再生するものであるので、ユーザ間において、リアルタイムでのコメントのやりとりをすることができず、コミュニケーションとしての面白みが十分とはいえなかった(【0002】、【000 4】)。 イ 「本発明」は、前記アのような事情に鑑みて、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システムを提供することを目的として(【0005】)、サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える 配信システムを採用したものであり、この配信システムは、サーバから配 信される動画を端末装置で視聴中のユーザが、動画に対するコメントを付してサーバに送信し、サーバは、受信したコメントと当該コメントが付与された時点に対応する動画再生時間であるコメント付与時間とを含むコメント情報を端末装置に配信し、端末装置は、再生する動画に対して入力されたコメント情報をサーバから受信して、再生される動画の動画再生時間 に対応するコメント付与時間のコメントを動画とともに表示するものであって、コメントを動画とともに表示する表示部によって表示されるコメントの表示位置が他のコメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、判定部がコメントの表示位置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示させる表示位置制御部とを有することを特徴 とするものである(【0006】、【0007】、【0040】、【0043】)。 「本発明」によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメント情報から読み出し、読み出し 【0040】、【0043】)。 「本発明」によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメント情報から読み出し、読み出したコメント内容を動画とともに表示することができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を 向上させることが可能となるという効果を奏する(【0011】)。 2 争点1(準拠法)について(1) 差止め及び除却等の請求について特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法は、当該特許権が登録された国の法律であると解すべきであるから(最高裁平成12年(受)第580同 14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁)、本件の差止め及び除却等の請求についても、本件特許権が登録された国の法律である日本法が準拠法となる。 (2) 損害賠償請求について特許権侵害を理由とする損害賠償請求については、特許権特有の問題では なく、財産権の侵害に対する民事上の救済の一環にほかならないから、法律 関係の性質は不法行為である(前掲最高裁平成14年9月26日第一小法廷判決)。したがって、その準拠法については、通則法17条によるべきであるから、「加害行為の結果が発生した地の法」となる。 原告の損害賠償請求は、被告らが、被告サービスにおいて日本国内の端末に向けてファイルを配信したこと等によって、日本国特許である本件特許権 を侵害したことを理由とするものであり、その主張が認められる場合には、権利侵害という結果は日本で発生したということができるから、上記損害賠償請求に係る準拠法は日本法である。 3 争点2(被告システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(1) 被告システム1の構成要件1Bないし1F及び1Hの充 うことができるから、上記損害賠償請求に係る準拠法は日本法である。 3 争点2(被告システムが本件発明1の技術的範囲に属するか)について(1) 被告システム1の構成要件1Bないし1F及び1Hの充足性について ア 「動画を視聴中のユーザから付与された」(構成要件1B)、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件1B、1Dないし1F及び1H)並びに「コメント情報」(構成要件1Cないし1E及び1H)について(ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」の意義 a 特許請求の範囲の記載について構成要件1Bは、「前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、」と規定している。 この「前記サーバ」とは、構成要件1Aにおける、「コメント配信シ ステム」を構成する「複数の端末装置」と「ネットワークを介して接続された」「サーバ」である。そして、「第1コメント」及び「第2コメント」とは、構成要件1Bの上記記載から、「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与され」たコメントであり、「前記サーバ」が受信するものであると理解できる。 また、構成要件1Dの記載から、上記の「第1コメント」及び「第 2コメント」は、「前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間」とともに、「前記コメント情報」に含まれると理解できる。 他方で、本件発明1の特許請求の範囲の記載から、「動画を視聴中の ユーザ」以外の者が「第1コメント」及び「第2コメント」を付すことが 」とともに、「前記コメント情報」に含まれると理解できる。 他方で、本件発明1の特許請求の範囲の記載から、「動画を視聴中の ユーザ」以外の者が「第1コメント」及び「第2コメント」を付すことができるか否かは明らかでない。 b 本件明細書の記載について本件明細書には、「前記コメント配信サーバは、コメントが前記端末装置によって付与された時点における、前記動画の最初を基準として 動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と前記コメントとを含むコメント情報を前記複数の端末装置のうちいずれかの端末装置から送信される毎に受信して記憶する第1のコメント情報記憶部…を有する」(【0006】)、「図2は、コメント配信サーバ2の構成を示す概略ブロック図である。この図において、コメント情報記憶 部21は、コメントの内容と、このコメント内容が付与された時点における、動画の再生開始時点を基準とした動画再生時間をコメント付与時間としてコメント内容とを対応づけてコメント情報として記憶する。」(【0014】)、「コメント欄110には、入力部37を介してユーザによってコメントが入力される。ボタン111は、クリックされ ることによって、コメント欄110に入力されたコメントや、入力欄108に入力されたユーザの名前や、入力欄109に入力されたコメントの表示のさせ方の情報をコメント配信サーバ2に送信する。」(【0020】)、「送信部40は、第1の表示部35によって表示された動画に対するコメント内容のデータ入力を受け付けるとともに、コメント 内容が入力された時点の動画再生時間をコメント付与時間としてコメ ント内容とともにコメント配信サーバに送信する。」(【0023】)、「配信部40は、入力部37からコメントが入力されたか 内容が入力された時点の動画再生時間をコメント付与時間としてコメ ント内容とともにコメント配信サーバに送信する。」(【0023】)、「配信部40は、入力部37からコメントが入力されたか否かを検出する(ステップS209)。コメントの入力があった場合には、そのコメントが入力された時点(…)における、その動画を再生しているソフトウェアのプレイヤーが指す再生時間(動画再生時間)を読み出し、 その動画再生時間をコメント付与時間とし、再生中の動画の動画IDと、閲覧中のコメントのスレッドIDと、現在の実時間情報(現在時刻の情報)と、端末装置3のユーザのユーザ名と、入力されたコメント内容と、コメント表示方法とを対応づけて、コメント情報としてコメント情報記憶部33のコメント一覧に追加保存する(ステップS2 10)。そして、送信部40は、追加保存したコメント情報をコメント配信サーバ2に送信し(ステップS211)、ステップS208に移行する。」(【0030】)との記載があり、このような端末装置の動作について説明した【図8】では、「S203」で動画再生が開始された後、「S209」でコメント入力がされた場合とされない場合とで処理が 分けられている。 これらの記載からは、動画を表示中の端末装置においてユーザが動画に対するコメントを入力した場合には、当該端末装置が、コメント配信サーバに対し、コメント内容が入力された時点の動画再生時間であるコメント付与時間とともにコメント内容を送信し、コメント配信 サーバのコメント情報記憶部が、当該コメント付与時間と当該コメント内容とを対応づけてコメント情報として記憶するものと理解できる。 他方で、本件明細書において、「動画を視聴中のユーザ」以外が動画に対してコメントを付すことができるか否か メント付与時間と当該コメント内容とを対応づけてコメント情報として記憶するものと理解できる。 他方で、本件明細書において、「動画を視聴中のユーザ」以外が動画に対してコメントを付すことができるか否かについての記載はない。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記 載を解釈すれば、構成要件1Bの「前記サーバから送信された動画を 視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメント」とは、本件発明1のコメント配信システムにおいて、サーバから送信された動画を表示中の端末装置において入力された場合に、ネットワークを介して接続されたサーバに送信されることになる、当該動画に対する2つのコメントであると解され、構成要件1Dない し1F及び1Hの「前記第1コメント」及び「前記第2コメント」も同様である。 また、構成要件1Cの「コメント情報」とは、上記の2つのコメントと、それぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と を含む情報を指すと解され、構成要件1D、1E及び1Hの「前記コメント情報」も同様である。 d 被告らは、本件明細書に、本件発明の目的は、「ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方法、お よびプログラムを提供することにある」(【0005】)との記載があることを指摘して、動画を視聴していないユーザにより動画と無関係なコメントが投稿されてしまうと、視聴者間でのリアルタイムのコミュニケーションが阻害されることになり、本件発明1の上記目的に反することになるから、本件発明1は、「動画を視聴中のユーザ」のみ と無関係なコメントが投稿されてしまうと、視聴者間でのリアルタイムのコミュニケーションが阻害されることになり、本件発明1の上記目的に反することになるから、本件発明1は、「動画を視聴中のユーザ」のみが 「コメントを付す」ことを要件としていると解すべきであり、「動画を視聴中のユーザ」に加えて、それ以外のユーザがコメントを付与できるコメント配信システムは、サーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信するものではなく、また、端末装置に「第1コメント及び第2コメント」を含む「コメント情報」を送信するものでもない から、本件発明1の構成要件1Bないし1F及び1Hを充足しないと 主張する。 しかしながら、前記a及びbのとおり、本件発明1のコメント配信システムにおいて、「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」以外の者が、動画に対するコメントを付すことができるかどうかについて、本件発明1の特許請求の範囲の記載からは明らかでなく、本件 明細書にもその点に関する記載はない。 本件明細書には、被告らが指摘する視聴者間でのリアルタイムのコミュニケーションに関し、「…実時間でのコメント入力順にコメントを管理し、コメント一覧として表示するようにしたので、動画の再生タイミングが一致していないユーザ同士であっても、コメントのやりと りをリアルタイムで行うことができ、コミュニケーションを図ることが可能となる。」(【0035】)との記載があるところ、本件発明1は、特許請求の範囲の記載から明らかなように、「実時間でのコメント入力順にコメントを管理し、コメント一覧として表示する」との構成を必須とするものではなく、「コメントのやりとりをリアルタイムで行うこ とができ」るような他の構成を備えているともいえない。また、前記 順にコメントを管理し、コメント一覧として表示する」との構成を必須とするものではなく、「コメントのやりとりをリアルタイムで行うこ とができ」るような他の構成を備えているともいえない。また、前記1(2)のとおり、本件明細書の記載からは、【0005】の「ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システム…を提供する」との目的は、動画を視聴中のユーザが、再生する動画の動画再生時間に対応す るコメント付与時間が対応付けられたコメントを付し、これが動画とともに表示されること(【0011】参照)、コメントの表示方法として、コメントの表示位置が他のコメントの表示位置と重なるか否かを判定し、コメントの表示位置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示させること(【0006】、【0007】、 【0040】、【0043】)によって実現することができるものといえ、 「コメントのやりとりをリアルタイムで行うことができ」るような構成を備えることや、動画を視聴していないユーザが動画にコメントを付さないことが、【0005】に記載された目的の実現のために必要とはいえない。 そうすると、本件発明1における「第1コメント」及び「第2コメ ント」並びに「コメント情報」に該当するためには、前記cに該当するものであれば足り、それ以上に「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されないというべきである。 したがって、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告システム1におけるサーバが、「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについてa 「第1コ って、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告システム1におけるサーバが、「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについてa 「第1コメント」及び「第2コメント」について「サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信」することは、原 告の主張する構成1bと被告らの主張する構成b’とで共通しているから、被告システム1のサーバがこの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 被告らは、被告システム1のサーバが「閲覧中ではないユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信」する (構成b’)から、被告システム1のサーバは「第1コメント及び第2コメント」を受信するものではないと主張するが、前記(ア)のとおり、本件発明1における「第1コメント」及び「第2コメント」に該当するためには、「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものではない。 したがって、被告システム1の「コメント1」及び「コメント2」 は、それぞれ、本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当し、被告システム1は、サーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信する構成を備えるものと認められる。 b 「コメント情報」についてユーザ端末に「コメントファイル」が送信されることは、原告の主 張する構成1cと被告らの主張する構成c’1とで共通しており、「コメントファイル」が「前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含」む おり、「コメントファイル」が「前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含」むことは、原告の主張する構成1dと被告らの主張する構成d’1とで共 通しているから、被告システム1がこれらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 前記aのとおり「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当するから、上記「コメントファイル」は、本件発明1の「コメント情報」に該当 し、被告システム1におけるサーバは、当該「コメント情報」を送信する構成を備えるものと認められる。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コ メント及び前記第2コメント」の意義a 特許請求の範囲の記載について本件発明1の特許請求の範囲には、「前記動画と、…前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント、を前記端末装置の表示装置に表示させる」(構成要件 1E及び1H)との記載がある。これらの記載から、動画と第1コメ ント及び第2コメントとが端末装置の表示装置に表示され、その際、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部と重なった状態で水平方向に移動することが規定されていると理解できるが、動画とコメントとの重なりの態様については、それ以上に明らかでははない。 b 本件明細書の記載について本件明細書には「読み出したコメントを動画とともに表示する表示部 いると理解できるが、動画とコメントとの重なりの態様については、それ以上に明らかでははない。 b 本件明細書の記載について本件明細書には「読み出したコメントを動画とともに表示する表示部」(【0006】)、「コメント配信サーバ3から配信されるコメントを受信して動画上に表示する。」(【0013】)、「第1の表示部35は、…動画を表示するとともに、…再生する動画の動画再生時間に対応す るコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメント情報から読み出し、読み出したコメントを動画とともに表示装置34によって表示する。また、第1の表示部35は、コメント内容を動画上にオーバーレイ表示させる機能を有する。」(【0017】)、「図5は、表示装置34に表示される情報の一例を示す図である。…表示欄104には、 第1の表示部によって表示される動画が表示される。表示欄105は、第2の表示部によって表示されるコメントが表示される領域であり、ここでは、表示欄104によって表示される動画上にコメントが表示される。」(【0018】)との記載がある。 これらの記載からは、読み出したコメントを動画とともに表示する 方法として、動画とコメントを表示装置に表示する際に、動画を表示する領域(表示欄)と、コメントを表示する領域(表示欄)を重ねて表示することで、動画上にコメントを重ねて表示できることが理解できる。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記 載を解釈すれば、構成要件1E及び1Hにおいて、「動画の少なくとも 一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が端末装置の表示装置に表示されるというのは、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び 一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が端末装置の表示装置に表示されるというのは、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び第2コメントが当該動画上に表示されること及びこれらのコメントが水平方向に移動することをいうものと解される。 d 被告らは、本件明細書の【0018】の記載を根拠として、構成要件1E及び1Hにおける「第1コメント及び前記第2コメント」が「動画の少なくとも一部と重な」るとは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保された領域の方が大きい場合を意味し、両者が完全に重なる場合を含まないと主張する。 そこで検討するに、本件明細書の【0018】には、前記bの記載に続いて、「また、ここでは、表示欄105は、表示欄104よりも大きいサイズに設定されており、オーバーレイ表示されたコメント等が、動画の画面の外側でトリミングするようになっており、コメントそのものが動画に含まれているものではなく、動画に対してユーザによっ て書き込まれたものであることが把握可能となっている。」との記載があり、【図5】では、表示欄105の方が表示欄104よりも向かって左側に少しはみ出している態様が示されている。しかしながら、本件発明1の特許請求の範囲においては、「動画の少なくとも一部と重なって」(構成要件1E及び1H)と規定されており、「少なくとも一部」 との文言から、全部重なる場合を含むものと理解することができる。 また、上記【0018】において「図5は、表示装置34に表示される情報の一例を示す図である。」と記載されていることから、上記の【0018】及び【図5】に示された表示態様は、動画上に重ねてコメントを表示させる方法の実施例の一つにすぎ 5は、表示装置34に表示される情報の一例を示す図である。」と記載されていることから、上記の【0018】及び【図5】に示された表示態様は、動画上に重ねてコメントを表示させる方法の実施例の一つにすぎないと解するのが相当 である。したがって、「動画の少なくとも一部と重な」るとは、動画表 示として確保された領域よりもコメント表示として確保された領域の方が大きい場合に限定されるとはいえず、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告システム1において、端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コ メント」が表示されるかについて「前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示」させることは、原告の主張する構成1eと被告らの主張する構成e’とで共通しているから、被告システム1が、これらの構成を有することは当事者間に争い がないといえる。 そうすると、本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に相当する被告システム1の「コメント1」及び「コメント2」は、動画上に表示されるから、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように当該動画上に表示されるといえ、かつ、右から左方向に移動 するから、水平方向に移動するといえる。したがって、被告システム1は、端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)が表示される構成を備えるものと認められる。 ウその他の構成について 前記ア及びイを前提として、被告システム1の構成を検討すると、証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、被告シス 1H)が表示される構成を備えるものと認められる。 ウその他の構成について 前記ア及びイを前提として、被告システム1の構成を検討すると、証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、被告システム1は、原告が主張する前記第3の2(原告の主張)(1)の構成1aないし1iを有するものと認められる。 そうすると、前記第3の2(原告の主張)(2)のとおり、被告システム1 は構成要件1Bないし1F及び1Hをいずれも充足するものと認められる。 (2) 被告システム2及び3の構成要件1Aないし1F及び1Hの充足性についてア 「サーバ」及び「サーバから送信された動画」(構成要件1Aないし1F及び1H)について(ア) 「サーバ」及び「サーバから送信された動画」の意義 a 特許請求の範囲の記載について構成要件1Aには、「サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、」と規定していることから、本件発明1においては、「コメント配信システム」が「サーバ」と「これとネットワークを介して接続された複数の 端末装置」によって構成されるものと理解できる。 この「サーバ」について、構成要件1Bは、「前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、」と規定しており、構成要件1Cは、「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信 し、」と規定している。これらの記載から、本件発明1の「サーバ」(構成要件1A等)は、動画を視聴中のユーザからの「第1コメント及び第2コメント」を受信する機能を有するとともに(構成要件1B)、端末装置に「動画」及び「コメント情報」を送信する機能(構成要件1C (構成要件1A等)は、動画を視聴中のユーザからの「第1コメント及び第2コメント」を受信する機能を有するとともに(構成要件1B)、端末装置に「動画」及び「コメント情報」を送信する機能(構成要件1C)を有するものと理解でき、また「サーバから送信された動画」 (構成要件1B)とは、「サーバ」から「端末装置」に送信された動画を指すものと理解できる。 他方で、本件発明1の特許請求の範囲の記載からは、上記の機能について、1つの「サーバ」で実現するのか、複数の「サーバ」で実現するのかについては、明らかではなく、同特許請求の範囲には、「サー バ」を管理運営する主体を特定するような記載もない。 b 本件明細書の記載について本件明細書には、「本発明は、動画データを配信する動画配信サーバと、動画に対するコメントを配信するコメント配信サーバと、複数の端末装置と、がネットワークを介して接続されたコメント配信システムであって」(【0006】)等の「動画データを配信する動画配信サー バ」と「動画に対するコメントを配信するコメント配信サーバ」とを区別した記載がある一方、「なお、上述した実施形態において、動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2とが別のサーバである場合について説明したが、同一のサーバで、動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2との機能を実現するようにしてもよい。」(【0043】)との記 載がある。これらの記載から、本件発明1の「サーバ」については、「動画データを配信する動画配信サーバ」の機能と「動画に対するコメントを配信するコメント配信サーバ」の機能を有するサーバを備える必要があるが、別々のサーバでそれらの機能をそれぞれ実現してもよく、また、同一のサーバでそれらの両方の機能を実現してもよいと 理解できる。 するコメント配信サーバ」の機能を有するサーバを備える必要があるが、別々のサーバでそれらの機能をそれぞれ実現してもよく、また、同一のサーバでそれらの両方の機能を実現してもよいと 理解できる。 他方で、本件明細書においても、「サーバ」を管理運営する主体を特定するような記載はない。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記載を解釈すれば、本件発明1における「サーバ」(構成要件1A等)と は、視聴中のユーザからのコメントを受信する機能を有するとともに(構成要件1B)、端末装置に「動画」及び「コメント情報」を送信する機能(構成要件1C)を有するものであり、このような機能については、動画データを送信する「動画配信サーバ」とコメント情報を送受信する「コメント配信サーバ」を設けるなどして、これらの別々の サーバによって実現しても、同一のサーバによって実現してもよいと 解される。 また、同様に「サーバから送信された動画」(構成要件1B)とは、上記のような「サーバ」から「端末装置」に送信された動画を指すものと解され、「前記動画」(構成要件1Bないし1E、1H)及び「前記1の動画」(構成要件1F)も同様である。 d 被告らは、本件発明1の動画を配信する「サーバ」の運営主体がコメント配信システムの運営主体と同一であり、「前記サーバから送信された動画」である必要がある旨を主張する。 しかしながら、前記a及びbのとおり、本件発明1の特許請求の範囲の記載にも、本件明細書にも、「サーバ」を管理運営する主体を特定 するような記載はない。そうすると、本件発明1の「サーバ」について、その運営主体がコメント配信システムの運営主体と同一である場合に限定して解釈することはできず、前記cのように本件発明1 特定 するような記載はない。そうすると、本件発明1の「サーバ」について、その運営主体がコメント配信システムの運営主体と同一である場合に限定して解釈することはできず、前記cのように本件発明1の「サーバ」を複数のサーバによって実現する場合に、それらの各サーバの運営主体が同一であることを要すると解釈することもできないと いうべきである。 したがって、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告システム2及び3が本件発明1の「サーバ」及び「サーバから送信された動画」に係る構成を備えるかについてa 証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、①被告サービス2及 び3においては、いずれも他の動画配信サービスで配信されている動画を被告サービス2及び3に登録することができること、②ユーザ端末のブラウザを用いて被告サービス2又は3のウェブページを開き、上記登録された動画を選択して当該動画の再生ページを開くと、ブラウザからのリクエストに応じて、ユーザ端末に当該動画のファイルと 当該動画についてのコメントのファイルとが配信され、再生ページ上 の動画を表示する領域に上記動画が再生され、上記動画上に上記コメントのファイルに係るコメントが移動しながら表示されること、③その際、上記動画のファイルは上記他の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信されること、上記動画に対するコメントの受信とコメントファイルのユーザ端末への送信は被告FC2が管理するサーバ から配信されることが認められる。 b 前記(ア)cのとおり、本件発明1における「サーバ」とは、視聴中のユーザからのコメントを受信する機能を有するとともに、端末装置に「動画」及び「コメント情報」を送信する機能を有するものであり、このような機能については、 、本件発明1における「サーバ」とは、視聴中のユーザからのコメントを受信する機能を有するとともに、端末装置に「動画」及び「コメント情報」を送信する機能を有するものであり、このような機能については、動画データを送信する「動画配信サーバ」 とコメント情報を送受信する「コメント配信サーバ」を設けるなどして、これらの別々のサーバによって実現しても、同一のサーバによって実現してもよいものと解され、また、前記(ア)dのとおり、このような「サーバ」の運営主体はコメント配信システムの運営主体と同一であるものに限定されない。 したがって、被告システム2及び3における前記aの③のサーバは、他の動画配信サービスのサーバ及び被告FC2が管理するサーバのいずれも、本件発明1における「サーバ」(構成要件1A、1B及び1H)に該当するものと認められ、③の他の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信される動画のファイルは「サーバから送信された動 画」(構成要件1B)、「前記動画」(構成要件1Bないし1E、1H)及び「前記1の動画」(構成要件1F)に該当するものと認められる。 イ 「動画を視聴中のユーザから付与された」(構成要件1B)、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件1B、1Dないし1F及び1H)並びに「コメント情報」(構成要件1Cないし1E及び1H)について (ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第 2コメント」並びに「コメント情報」の意義前記(1)ア(ア)のとおり、本件発明1における「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件1B等)とは、本件発明1のコメント配信システムにおいて、サーバから送信された動画 ける「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件1B等)とは、本件発明1のコメント配信システムにおいて、サーバから送信された動画を表示中の端末装置において入 力された場合に、ネットワークを介して接続されたサーバに送信されることになる、当該動画に対する2つのコメントであると解され、また、「コメント情報」(構成要件1C等)とは、これら2つのコメントと、それぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間とを含む情報を 指すと解される。 (イ) 被告システム2及び3におけるサーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについてa 「第1コメント」及び「第2コメント」について(a) 前記ア(イ)aのとおり、被告サービス2及び3においては、他の 動画配信サービスで配信されている動画のファイルが、上記他の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信され、ユーザ端末上で動画が再生されること、ユーザ端末から上記動画に対するコメントが被告FC2が管理するサーバに送信されることが認められる。 また、証拠(甲6)及び弁論の全趣旨によれば、被告サービス2及 び3においては、上記の動画の再生画面にコメント入力欄が設けられていると認められ、さらに、構成1b及び構成b’’に係る双方の主張も考慮すれば、被告サービス2及び3においては、ユーザ端末で動画を再生中のユーザが当該動画に対するコメントを付すことができるものと認められる。 そして、前記アのとおり、本件発明1は動画を配信するサーバと コメントを配信するサーバとをクレーム上区別しておらず、被告システ するコメントを付すことができるものと認められる。 そして、前記アのとおり、本件発明1は動画を配信するサーバと コメントを配信するサーバとをクレーム上区別しておらず、被告システム2及び3における前記他の動画配信サービスのサーバも被告FC2が管理するサーバも、いずれも本件発明1における「サーバ」に該当するものと認められるから、被告システム2及び3が「前記サーバは、前記サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザか ら付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信し、」(構成1b)との構成を有すると認定するのが相当である。 したがって、上記「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当し、被告システム2及び3におけるサーバは「第1コメント」及び「第 2コメント」を受信する構成を備えると認められる。 (b) 被告らは、被告システム2及び3の構成について、構成b’’のとおり、動画を閲覧中ではない前記ユーザ端末を利用中のユーザも前記動画に対するコメントを付すことができることを認定すべきであり、そのような認定を前提とすれば、被告システム2及び3にお けるサーバは、本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」を受信する構成を備えないと主張する。 しかしながら、前記(1)ア(ア)のとおり、本件発明1における「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」に該当するために、「前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」の みが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されないから、被告らの上記主張は採用することができない。 b 「コメント情報」についてユーザ端末に「コメントファイル」が送信されることは、原告の主張する るコメントを付すことを要するものとは解されないから、被告らの上記主張は採用することができない。 b 「コメント情報」についてユーザ端末に「コメントファイル」が送信されることは、原告の主張する構成1cと被告らの主張する構成c’’とで共通しており、「コ メントファイル」が「前記コメント1及びコメント2と、前記コメン ト1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含」むことは、原告の主張する構成1dと被告らの主張する構成d’’1とで共通しているから、被告システム2及び3がこれらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 前記aのとおり「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当するから、上記「コメントファイル」は、本件発明1の「コメント情報」に該当し、被告システム2及び3におけるサーバは、当該「コメント情報」を送信する構成を備えるものと認められる。 ウ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」の意義前記(1)イ(ア)のとおり、構成要件1E及び1Hにおいて、「動画の少な くとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が端末装置の表示装置に表示されるというのは、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び第2コメントが当該動画上に表示されること及びこれらのコメントが水平方向に移動することをいうものと解される。 (イ) 被 装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び第2コメントが当該動画上に表示されること及びこれらのコメントが水平方向に移動することをいうものと解される。 (イ) 被告システム2及び3において端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が表示されるかについて「前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示」させることは、 原告の主張する構成1eと被告らの主張する構成e’’とで共通している から、被告システム2及び3がこれらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 そうすると、被告システム2及び3は、被告システム1と同様に、端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件1E及び1H) が表示される構成を備えると認められる。 エその他の構成について前記アないしウを前提として、被告システム2及び3の構成を検討すると、証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、被告システム2及び3は、被告システム1と同様に、原告が主張する前記第3の2(原告の主張) (1)の構成1aないし1iを有するものと認められる。 そうすると、前記第3の2(原告の主張)(2)のとおり、被告システム2及び3は構成要件1Aないし1F及び1Hをいずれも充足するものと認められる。 (3) 小括 前記(1)のとおり、被告システム1は、構成要件1Bないし1F及び1Hを充足し、前記前提事実(6)アのとおり、被告システム1が構成要件1A、1G及び1Iを充足することは、当事者間に争いがない。 そして、 1)のとおり、被告システム1は、構成要件1Bないし1F及び1Hを充足し、前記前提事実(6)アのとおり、被告システム1が構成要件1A、1G及び1Iを充足することは、当事者間に争いがない。 そして、前記(2)のとおり、被告システム2及び3は、構成要件1Aないし1F及び1Hを充足し、前記前提事実(6)イのとおり、被告システム2及び3 が構成要件1G及び1Iを充足することは、当事者間に争いがない。 したがって、被告システムは本件発明1の技術的範囲に属するものと認められる。 4 争点3(被告システムが本件発明2の技術的範囲に属するか)について(1) 被告システム1の構成要件2Bないし2F及び2Hの充足性について ア 「動画を視聴中のユーザから付与された」(構成要件2B)、「第1コメン ト」及び「第2コメント」(構成要件2B、2Dないし2F及び2H)並びに「コメント情報」(構成要件2C1、2D、2E及び2H)について(ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」の意義a 特許請求の範囲の記載について 構成要件2Aは、「動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、」と規定し、構成要件2Bは、「前記コメント配信サーバは、前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コ メントを受信し、」と規定している。これらの記載からは、本件発明2における「第1コメント」及び「第2コメント」は「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与され」、「前記コメント配信サーバ」が受信するものであると理解で の記載からは、本件発明2における「第1コメント」及び「第2コメント」は「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与され」、「前記コメント配信サーバ」が受信するものであると理解できる。 また、構成要件2Dの記載から、上記の「第1コメント」及び「第 2コメント」は、「前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間」とともに、「前記コメント情報」に含まれると理解できる。 他方で、本件発明2の特許請求の範囲の記載から、「動画を視聴中の ユーザ」以外の者が「第1コメント」及び「第2コメント」を付すことができるか否かは明らかでない。 b 本件明細書の記載前記aの記載に対応する本件明細書の記載は、前記3(1)ア(ア)bのとおりであり、その記載からは、動画を表示中の端末装置においてユ ーザが動画に対するコメントを入力した場合には、当該端末装置が、 コメント配信サーバに対し、コメント内容が入力された時点の動画再生時間であるコメント付与時間とともにコメント内容を送信し、コメント配信サーバのコメント情報記憶部が、当該コメント付与時間と当該コメント内容とを対応づけてコメント情報として記憶するものと理解できる。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記載を解釈すれば、構成要件2Bの「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメント」とは、本件発明2のコメント配信システムにおいて、動画配信サーバから送信された動画を表示中の端末装置におい て入力された場合に、ネットワークを介して接続されたコメント配信 ト及び第2コメント」とは、本件発明2のコメント配信システムにおいて、動画配信サーバから送信された動画を表示中の端末装置におい て入力された場合に、ネットワークを介して接続されたコメント配信サーバに送信されることになる、当該動画に対する2つのコメントであると解され、構成要件2Dないし2F及び2Hの「前記第1コメント」及び「前記第2コメント」も同様である。 また、構成要件2C1の「コメント情報」とは、上記の2つのコメ ントと、それぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間とを含む情報を指すと解され、構成要件2D、2E及び2Hの「前記コメント情報」も同様である。 d 被告らは、本件発明2についても、「動画を視聴中のユーザ」のみが 「コメントを付す」ことを要件としていると解すべきであり、「動画を視聴中のユーザ」に加えて、それ以外のユーザがコメントを付与できるコメント配信システムは、コメント配信サーバが「第1コメント及び第2コメント」を受信するものではなく、また、端末装置に「第1コメント及び第2コメント」を含む「コメント情報」を送信するもの でもないから、本件発明2の構成要件2B、2C1、2Dないし2F 及び2Hを充足しないと主張する。 しかしながら、前記3(1)ア(ア)の本件発明1における検討と同様に、本件発明2における「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」に該当するためには、前記cに該当するものであれば足り、それ以上に「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴 中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されない。 したがって、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴 中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されない。 したがって、被告らの上記主張は採用することができない。 (イ) 被告システム1におけるコメント配信サーバが、「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについて a 「第1コメント」及び「第2コメント」について(a) 証拠(甲6)及び弁論の全趣旨(原告の構成2bの主張及び被告らの構成b’の主張)によれば、被告システム1のコメント配信サーバは、「動画配信用サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受 信」するものと認められる。 したがって、被告システム1の「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ、本件発明2の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当し、被告システム1は、コメント配信用サーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信する構成を備えるものと認めら れる。 (b) 被告らは、被告システム1の構成について、構成b’のとおり、動画を閲覧中ではないユーザも動画に対するコメントを付すことができることを認定すべであり、そのような認定を前提とすれば、被告システム1は、コメント配信サーバが本件発明2の「第1コメン ト」及び「第2コメント」を受信する構成を備えないと主張する。 しかしながら、前記(ア)のとおり、本件発明2における「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」に該当するために、「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されないから、被告らの上記主張は採用することができない。 報」に該当するために、「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されないから、被告らの上記主張は採用することができない。 b 「コメント情報」についてユーザ端末に「コメントファイル」が送信されることは、原告の主張する構成2c1と被告らの主張する構成c’1とで共通しており、「コメントファイル」が「前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、 前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含」むことは、原告の主張する構成2dと被告らの主張する構成d’1とで共通しているから、被告システム1がこれらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 前記aのとおり「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本 件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当するから、上記「コメントファイル」は、本件発明2の「コメント情報」に該当し、被告システム1におけるコメント配信用サーバは、当該「コメント情報」を送信する構成を備えるものと認められる。 イ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメ ント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」の意義a 特許請求の範囲の記載について本件発明2の特許請求の範囲には、「前記動画と、…前記動画の少な くとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前 記第2コメント、を前記端末装置の表示装置に表示させる」(構成要件2E及び2H)との記載があり、これらの記載から、動画と第1コメ も一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前 記第2コメント、を前記端末装置の表示装置に表示させる」(構成要件2E及び2H)との記載があり、これらの記載から、動画と第1コメント及び第2コメントとが端末装置の表示装置に表示され、その際、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部と重なった状態で水平方向に移動することが規定されていると理解できるが、動画 とコメントとの重なりの態様については、それ以上に明らかではなく、動画及びコメントが表示される各「領域」ないし「表示欄」についての記載もない。 b 本件明細書の記載前記aの記載に対応する本件明細書の記載は、前記3(1)イ(ア)bの とおりであり、その記載からは、読み出したコメントを動画とともに表示する方法として、動画とコメントを表示装置に表示する際に、動画を表示する領域(表示欄)と、コメントを表示する領域(表示欄)を重ねて表示することで、動画上にコメントを重ねて表示できることが理解できる。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記載を解釈すれば、前記3(1)イ(ア)で本件発明1について検討したところと同様に、構成要件2E及び2Hにおいて、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が端末装置の表示装置に表示されるというのは、表示装置に表 示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び第2コメントが当該動画上に表示されること及びこれらのコメントが水平方向に移動することをいうものと解され、本件明細書の【0018】の記載及び【図5】を考慮しても、「動画の少なくとも一部と重な」るとは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保 さ に移動することをいうものと解され、本件明細書の【0018】の記載及び【図5】を考慮しても、「動画の少なくとも一部と重な」るとは、動画表示として確保された領域よりもコメント表示として確保 された領域の方が大きい場合に限定されるとはいえない。 (イ) 被告システム1において、端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が表示されるかについて「前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示」させることは、 原告の主張する構成2eと被告らの主張する構成e’とで共通しているから、被告システム1が、これらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 そうすると、本件発明2の「第1コメント」及び「第2コメント」に相当する被告システム1の「コメント1」及び「コメント2」は、動画 上に表示されるから、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように当該動画上に表示されるといえ、かつ、右から左方向に移動するから、水平方向に移動するといえる。したがって、被告システム1は、端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及 び2H)が表示される構成を備えるものと認められる。 ウその他の構成について前記ア及びイを前提として、被告システム1の構成を検討すると、証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、被告システム1は、原告が主張する前記第3の3(原告の主張)(1)の構成2aないし2iを有するものと 認められる。 そうすると、前記3(1)の本件発明1についての検討と同様の理由で、被告システム1 テム1は、原告が主張する前記第3の3(原告の主張)(1)の構成2aないし2iを有するものと 認められる。 そうすると、前記3(1)の本件発明1についての検討と同様の理由で、被告システム1は構成要件2Bないし2F及び2Hをいずれも充足するものと認められる。 (2) 被告システム2及び3の構成要件2Aないし2F及び2Hの充足性につい て ア 「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」(構成要件2A、2B、2C2、2Dないし2F及び2H)について(ア) 「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」の意義a 特許請求の範囲の記載について 構成要件2Bには「前記動画配信サーバから送信された動画」との記載があり、構成要件2C2は「前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、」と規定している。これらの記載から、本件発明2の「動画配信サーバ」は、端末装置に「動画」を送信する機能(構成要件2C2)を有するサーバと理解でき、また「動画配信サー バから送信された動画」(構成要件2B)とは、「動画配信サーバ」から「端末装置」に送信された動画を指すものと理解できる。 他方、本件発明2の特許請求の範囲には、「動画配信サーバ」を管理運営する主体を特定するような記載はない。 b 本件明細書の記載 前記aの記載に対応する本件明細書の記載は、前記3(2)ア(ア)bのとおりであり、その記載から、本件発明2においては、「動画データを配信する」機能を有する「動画配信サーバ」を備える必要があると理解できる。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記 載を解釈すれば、本件発明2の「動画配信サーバ」は、端末装置に「動画」を送信する機能を有するサーバ 要があると理解できる。 c 前記bの本件明細書の記載に照らし、前記aの特許請求の範囲の記 載を解釈すれば、本件発明2の「動画配信サーバ」は、端末装置に「動画」を送信する機能を有するサーバを指すものと解され、また、「動画配信サーバから送信された動画」(構成要件2B)とは、「動画配信サーバ」から「端末装置」に送信された動画を指すものと解され、「前記動画」(構成要件2B、2C2、2D、2E及び2H)及び構成 要件2Fの「前記1の動画」も同様である。 被告らは、本件発明2の「動画配信サーバ」についてその運営主体がコメント配信システムの運営主体と同一である必要がある旨を主張するが、本件発明2の特許請求の範囲の記載にも、本件明細書にもそのような限定をする旨の記載はないから、被告らの上記主張は採用できない。 (イ) 被告システム2及び3が本件発明2の「動画配信サーバ」及び「動画配信サーバから送信された動画」に係る構成を備えるかについてa 前記3(2)ア(イ)のとおり、被告サービス2及び3においては、他の動画配信サービスで配信されている動画のファイルが、当該他の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信されることが認められる。 b 前記(ア)cのとおり、本件発明2における「動画配信サーバ」は、端末装置に「動画」を送信する機能を有するサーバであり、前記(ア)cのとおり、このような「動画配信サーバ」の運営主体はコメント配信システムの運営主体と同一であるものに限定されない。 したがって、被告システム2及び3における前記aの他の動画配信 サービスのサーバは、本件発明2における「動画配信サーバ」(構成要件2A、2B、2C2及び2H)に該当するものと認められ、当該他の動画配信サービスのサーバからユーザ端 る前記aの他の動画配信 サービスのサーバは、本件発明2における「動画配信サーバ」(構成要件2A、2B、2C2及び2H)に該当するものと認められ、当該他の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信される動画のファイルは「動画配信サーバから送信された動画」(構成要件2B)、「前記動画」(構成要件2B、2C2、2D、2E及び2H)及び「前記1の 動画」(構成要件2F)に該当するものと認められる。 イ 「動画を視聴中のユーザから付与された」(構成要件2B)、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件2B、2Dないし2F及び2H)並びに「コメント情報」(構成要件2C1、2D、2E及び2H)について(ア) 「動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第 2コメント」並びに「コメント情報」の意義 前記(1)ア(ア)のとおり、本件発明2における「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された」、「第1コメント」及び「第2コメント」(構成要件2B等)とは、本件発明2のコメント配信システムにおいて、動画配信サーバから送信された動画を表示中の端末装置において入力された場合に、ネットワークを介して接続されたコ メント配信サーバに送信されることになる、当該動画に対する2つのコメントであると解され、また、「コメント情報」(構成要件2C1等)とは、上記の2つのコメントと、それぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間とを含む情報を指すと解される。 (イ) 被告システム2及び3におけるコメント配信サーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについてa 「第1コメン を含む情報を指すと解される。 (イ) 被告システム2及び3におけるコメント配信サーバが「第1コメント」及び「第2コメント」を受信し、「コメント情報」を送信するかについてa 「第1コメント」及び「第2コメント」について(a) 前記3(2)イ(イ)aのとおり、被告サービス2及び3においては、他の動画配信サービスで配信されている動画のファイルが、上記他 の動画配信サービスのサーバからユーザ端末に送信され、ユーザ端末上で動画が再生されること、ユーザ端末で動画を再生中のユーザが、当該動画に対するコメントを付すことができ、ユーザ端末から上記動画に対するコメントが被告FC2が管理するサーバに送信されることが認められる。 そうすると、被告システム2及び3は、「前記コメント配信用サーバは、前記動画配信用サーバから配信された動画を再生閲覧中のユーザから付与された前記動画に対するコメント1及びコメント2を受信し、」(構成2b)との構成を有すると認定するのが相当である。 なお、前記アで検討したところからすれば、上記の「他の動画配信 サービスのサーバ」は構成2bの「動画配信用サーバ」に相当し、 上記の被告FC2が管理するサーバは構成2bの「コメント配信用サーバ」に相当するものと認められる。 したがって、上記の構成2bの「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本件発明2の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当し、被告システム2及び3におけるコメント配信用サーバは 「第1コメント」及び「第2コメント」を受信する構成を備えると認められる。 (b) 被告らは、被告システム2及び3の構成について、構成b’’のとおり、動画を閲覧中ではない前記ユーザ端末を利用中のユーザも前記動画に対するコメントを付すことができ 成を備えると認められる。 (b) 被告らは、被告システム2及び3の構成について、構成b’’のとおり、動画を閲覧中ではない前記ユーザ端末を利用中のユーザも前記動画に対するコメントを付すことができることを認定すべきで あり、そのような認定を前提とすれば、被告システム2及び3におけるコメント配信用サーバは、本件発明2の「第1コメント」及び「第2コメント」を受信する構成を備えないと主張する。 しかしながら、前記(1)ア(ア)のとおり、本件発明2における「第1コメント」及び「第2コメント」並びに「コメント情報」に該当 するために、「前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザ」のみが動画に対するコメントを付すことを要するものとは解されないから、被告らの上記主張は採用することができない。 b 「コメント情報」についてユーザ端末に「コメントファイル」が送信されることは、原告の主 張する構成2c1と被告らの主張する構成c’’1とで共通しており、「コメントファイル」が「前記コメント1及びコメント2と、前記コメント1及び前記コメント2のそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初からの経過時間を表すコメント付与時間と、を含」むことは、原告の主張する構成2dと被告らの主張する構成d’’1とで 共通しているから、被告システム2及び3がこれらの構成を有するこ とは当事者間に争いがないといえる。 前記aのとおり「コメント1」及び「コメント2」は、それぞれ本件発明1の「第1コメント」及び「第2コメント」に該当するから、上記「コメントファイル」は、本件発明2の「コメント情報」に該当し、被告システム2及び3におけるコメント配信用サーバは、当該 「コメント情報」を送信する構成を備えるものと認められる。 から、上記「コメントファイル」は、本件発明2の「コメント情報」に該当し、被告システム2及び3におけるコメント配信用サーバは、当該 「コメント情報」を送信する構成を備えるものと認められる。 ウ 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)について(ア) 「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」の意義 前記(1)イ(ア)のとおり、構成要件2E及び2Hにおいて、「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が端末装置の表示装置に表示されるというのは、表示装置に表示される動画の少なくとも一部に重なるように第1コメント及び第2コメントが当該動画上に表示されること及びこれらのコメントが水 平方向に移動することをいうものと解される。 (イ) 被告システム2及び3において端末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメント」が表示されるかについて「前記動画上に、右から左方向に移動するように前記コメント1及び 前記コメント2を前記ユーザ端末のディスプレイに表示」させることは、原告の主張する構成2eと被告らの主張する構成e’’とで共通しているから、被告システム2及び3がこれらの構成を有することは当事者間に争いがないといえる。 そうすると、被告システム2及び3は、被告システム1と同様に、端 末装置の表示装置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移 動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)が表示される構成を備えると認められる。 エその他の構成について 置に「動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移 動する前記第1コメント及び前記第2コメント」(構成要件2E及び2H)が表示される構成を備えると認められる。 エその他の構成について前記アないしウを前提として、被告システム2及び3の構成を検討すると、証拠(甲5、6)及び弁論の全趣旨によれば、被告システム2及び3 は、被告システム1と同様に、原告が主張する前記第3の3(原告の主張)(1)の構成2aないし2iを有するものと認められる。 そうすると、前記3(2)の本件発明1についての検討と同様の理由で、被告システム2及び3は構成要件2Aないし2F及び2Hをいずれも充足するものと認められる。 (3) 小括前記(1)のとおり、被告システム1は、構成要件2Bないし2F及び2Hを充足し、前記前提事実(6)アのとおり、被告システム1が構成要件2A、2G及び2Iを充足することは、当事者間に争いがない。 そして、前記(2)のとおり、被告システム2及び3は、構成要件2Aないし 2F及び2Hを充足し、前記前提事実(6)イのとおり、被告システム2及び3が構成要件2G及び2Iを充足することは、当事者間に争いがない。 したがって、被告システムは本件発明2の技術的範囲に属するものと認められる。 5 争点4(被告らによる被告システムの「生産」の有無)について (1) 認定事実前記第2の2の前提事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば、被告サービスの運営及び被告システムの動作等に関して、以下の事実が認められる。 ア被告FC2による被告サービスの運営状況 (ア) 被告サービス1 a 被告FC2は、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期において、業として被告サービス1を 被告FC2による被告サービスの運営状況 (ア) 被告サービス1 a 被告FC2は、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期において、業として被告サービス1を運営している。 b 被告サービス1にはFLASH版とHTML5版が存在していたが、被告FC2は、被告サービス1について、令和2年12月28日をもってFLASH版の動画再生プレイヤーの公開を停止し、その後はH TML5版のみを提供している(甲5、6、乙67、弁論の全趣旨)。 c 被告サービス1は、日本語のほか、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、インドネシア語及びベトナム語の12言語により表示、入力等されるウェブサイトが用意されている。また、被告サービス1 は、日本からのアクセスを含め、原則として全世界からのアクセスが可能であり、特定の国からのアクセスを拒否する設定を行うことは可能であるが、日本からのアクセスに限る等のアクセス制限は行われていない(甲6、16、弁論の全趣旨)。 (イ) 被告サービス2及び3 a 被告FC2は、少なくとも令和元年5月17日から令和2年9月24日までの間、業として、被告サービス2及び3を運営していたが、同月25日、被告サービス2及び3に係る事業をShweNandarCo., Ltd.に譲渡した(乙65、66。以下、被告サービス2及び3についての被告FC2の行為については、同日より前の ものをいう。)。 b 被告サービス2及び3には、いずれもFLASH版とHTML5版が存在していた(甲5、6)。 c 被告サービス2には、日本語、英語、中国語(繁体字)及び韓国語の4言語により表示、入力等されるウェブサイトが用意さ 2及び3には、いずれもFLASH版とHTML5版が存在していた(甲5、6)。 c 被告サービス2には、日本語、英語、中国語(繁体字)及び韓国語の4言語により表示、入力等されるウェブサイトが用意されており、 日本からのアクセスが可能であったが、日本からのアクセスに限る等 のアクセス制限は行われていなかった(甲6、弁論の全趣旨)。 d 被告サービス3は日本語により表示、入力等されるウェブサイトのみであり、日本からのアクセスが可能であったが、日本からのアクセスに限る等のアクセス制限は行われていなかった(甲6、弁論の全趣旨)。 イ被告サービスにおけるサーバの構成及び所在地(ア) 被告サービス1被告FC2は、被告サービス1の提供に当たり、ウェブサーバ、コメント配信用サーバ及び動画配信用サーバを設置及び管理しており、これらのサーバは、令和元年5月17日以降の時期において、いずれも米国 に存在している(乙69ないし75、弁論の全趣旨)。 (イ) 被告サービス2及び3被告FC2は、被告サービス2及び3の提供に当たり、ウェブサーバ及びコメント配信用サーバを設置及び管理していたものであり、これらのサーバは、令和元年5月17日から令和2年9月25日までの期間、 いずれも米国に存在していた(乙69ないし75、弁論の全趣旨)。 前記3(3)イ(ア)aのとおり、被告サービス2及び3においては、いずれも他の動画配信サービスで配信されている動画を被告サービス2及び3に登録することができ、登録した動画を被告サービス2又は3の再生ページで再生する際には、上記動画のファイルは上記他の動画配信サー ビスのサーバからユーザ端末に送信される。このサーバは、被告サービス2及び3以外の動画配信サービスが設置及び管理するもの 再生ページで再生する際には、上記動画のファイルは上記他の動画配信サー ビスのサーバからユーザ端末に送信される。このサーバは、被告サービス2及び3以外の動画配信サービスが設置及び管理するものであるため、日本国外にある場合もあれば日本国内に存在する場合もあった(弁論の全趣旨)。 ウ被告サービス1においてコメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表 示させる手順 被告サービス1について、コメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表示させる手順をFLASH版とHTML5版を区別して整理すると、次のとおりとなる(甲5、6、弁論の全趣旨)。 (ア) 被告サービス1のFLASH版① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをブラウ ザのプラグイン(拡張機能)としてユーザ端末にインストールしておく。 ②-1 ユーザが、ユーザ端末において、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページをブラウザに表示させる。 ②-2 ②-1により、ウェブページのデータ及びSWFファイルが被 告FC2のウェブサーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 FLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイルを読み込む。 ③ ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブペ ージにおける動画の再生ボタンを押す。 ④-1 ②-2でFLASHが読み込んだSWFファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、FLASHが、その命令に従って、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得 するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被告FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い Hが、その命令に従って、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得 するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被告FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い、被告FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行う。 上記リクエストの際、特定の動画を再生するための具体的な動 画ファイル及びコメントファイルの指定は、ブラウザがSWFフ ァイルの情報に基づき被告FC2のウェブサーバにアクセスしてウェブサーバからURLを取得することによって行われている。 ④-2 ④-1のリクエストに応じて、被告FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被告FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、ユーザ端末に配信する。 ⑤ ユーザ端末が、④-2の動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザ上にコメント付き動画を表示させる。 その表示の際に2つのコメントが重複するか否かを判定する計算式 及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、SWFファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 (イ) 被告サービス1のHTML5版①-1 ユーザが、ユーザ端末において、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページをブラウザに表示させる。 ①-2 ①-1により、ウェブページのデータ及びJSファイルが被告FC2のウェブサーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ②-1 ①-2でダウンロードされたJSファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求 する命令が格納されており、ブラ ャッシュにダウンロードされる。 ②-1 ①-2でダウンロードされたJSファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求 する命令が格納されており、ブラウザが、その命令に従って、被告FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い、被告FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行う。 上記リクエストの際、特定の動画を再生するための具体的な動 画ファイル及びコメントファイルの指定は、ブラウザがJSファ イルの情報に基づき被告FC2のウェブサーバにアクセスしてウェブサーバからURLを取得することによって行われている。 ②-2 ②-1のリクエストに応じて、被告FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被告FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、ユーザ端末に配信する。 ③ ユーザ端末が、②-2の動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 ④ ユーザが、ユーザ端末において、表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントフ ァイルに基づいて、ブラウザ上にコメント付き動画を表示させる。 その表示の際に2つのコメントが重複するか否かを判定する計算式及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、JSファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 エ被告サービス2及び3においてコメント付き動画を日本国内のユーザ端 末に表示させる手順被告サービス2及び3について、コメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表示させる手順をFLASH版とHTML5版を区別して整理すると、次のとおりとなる(甲5、6、弁論の全趣旨)。 (ア) 被告サービ サービス2及び3について、コメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表示させる手順をFLASH版とHTML5版を区別して整理すると、次のとおりとなる(甲5、6、弁論の全趣旨)。 (ア) 被告サービス2及び3のFLASH版 ① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをブラウザのプラグイン(拡張機能)としてユーザ端末にインストールしておく。 ②-1 ユーザが、ユーザ端末において、所望の動画(被告サービス2又は3に登録された他の動画配信サービスの動画)を表示させる ための被告サービス2又は3のウェブページをブラウザに表示さ せる。 ②-2 ②-1により、ウェブページのデータ及びSWFファイルが被告FC2のウェブサーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ③-1 SWFファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得を リクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、FLASHが、その命令に従って、ブラウザに動画ファイル及びコメントファイルを取得するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被告FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い、登録された動画を配信する他の動画 配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行う。 上記リクエストの際、特定の動画を再生するための具体的な動画ファイル及びコメントファイルの指定は、ブラウザがSWFファイルの情報に基づき被告FC2のウェブサーバにアクセスしてウェブサーバからURLを取得することによって行われている。 ③-2 ③-1のリクエストに従って、被告FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、上記他の動画配信用サーバが動画ファイルを、ユーザ端末に配信する。 ④ ユーザ て行われている。 ③-2 ③-1のリクエストに従って、被告FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、上記他の動画配信用サーバが動画ファイルを、ユーザ端末に配信する。 ④ ユーザ端末が、③-2のコメントファイル及び動画ファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザ上にコメント付き動画を表示させる。 その表示の際に2つのコメントが重複するか否かを判定する計算式及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、SWFファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 (イ) 被告サービス2及び3のHTML5版 ①-1 ユーザが、ユーザ端末において、所望の動画(被告サービス2又は3に登録された他の動画配信サービスの動画)を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページをブラウザに表示させる。 ①-2 ①-1により、ウェブページのデータ及びJSファイルが被告 FC2のウェブサーバからユーザ端末のブラウザのキャッシュにダウンロードされる。 ②-1 ①-2でダウンロードされたJSファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、ブラウザが、その命令に従って、被 告FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い、登録された動画を配信する他の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行う。 上記リクエストの際、特定の動画を再生するための具体的な動画ファイル及びコメントファイルの指定は、ブラウザがJSファ イルの情報に基づき被告FC2のウェブサーバにアクセスしてウェブサーバからURLを取得することによって行われてい るための具体的な動画ファイル及びコメントファイルの指定は、ブラウザがJSファ イルの情報に基づき被告FC2のウェブサーバにアクセスしてウェブサーバからURLを取得することによって行われている。 ②-2 ②-1のリクエストに応じて、被告FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、上記他の動画配信用サーバが動画ファイルを、ユーザ端末に配信する。 ③ ユーザ端末が、②-2のコメントファイル及び動画ファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザ上にコメント付き動画を表示させる。 その表示の際に2つのコメントが重複するか否かを判定する計算式 及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、JS ファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 オ被告サービスへの被告HPSの関与について(ア) 被告HPSは、平成26年当時、被告FC2の委託を受けて、被告サービスを含め、同被告が運営するサービスに関する業務を行っていたが、同年9月30日頃、京都府警察から、被告FC2が運営するウェブサイ トにおける公然わいせつ等の被疑事実によって、捜索差押え等の強制捜査を受けた(甲4、甲7)。 (イ) 被告HPSの平成29年当時の代表取締役及び元代表取締役は、被告FC2が運営する動画配信サービスにおける平成25年6月から平成26年12月にかけての動画の配信に関して、わいせつ電磁的記録記録媒 体陳列及び公然わいせつの事実で起訴され、京都地方裁判所は、平成29年3月24日、上記被告人らが、被告HPSの従業員をして被告FC2と共に被告FC2の動画配信サービスを管理させており、被告FC2の代表者らとの共謀共同正犯が成立するとして、上記 方裁判所は、平成29年3月24日、上記被告人らが、被告HPSの従業員をして被告FC2と共に被告FC2の動画配信サービスを管理させており、被告FC2の代表者らとの共謀共同正犯が成立するとして、上記の各罪について有罪判決を言い渡した(甲9、10)。 上記被告人らは、いずれも上記判決に対して控訴したが、大阪高等裁判所は、平成30年9月11日、原判決による共謀共同正犯の認定は正当であるとして、上記被告人らの控訴をいずれも棄却した(甲11)。 (ウ) 被告FC2と被告HPSは、前記(ア)及び(イ)の刑事事件を受けて、平成27年1月頃から、被告FC2の被告HPSに対する業務委託を縮小 する方向で見直しを行い、被告FC2は、平成29年5月30日頃、被告HPSに対し、同年8月末日をもってドメインに関する業務を除き業務委託を終了する旨の通知を行った(丙4ないし11、16)。 (エ) 被告HPSの従業員数は、平成26年から平成27年3月までの時期において130人前後であったが、同年4月以降は減少し、平成28年 4月時点では48人、平成29年4月時点では6人であり、平成29年 11月以降は1名となり、令和元年10月には従業員がいなくなった(丙1ないし3、12ないし15)。 (2) 被告FC2による被告システムの「生産」の有無についてア本件発明1の関係での被告システム1(被告サービス1のFLASH版)の「生産」について 本件発明1の「実施」として被告FC2による被告システム1の「生産」があるといえるかを、まず、被告サービス1のFLASH版について検討する。 (ア) 物の発明の「実施」としての「生産」(特許法2条3項1号)とは、発明の技術的範囲に属する「物」を新たに作り出す行為をいうと解され る。また ービス1のFLASH版について検討する。 (ア) 物の発明の「実施」としての「生産」(特許法2条3項1号)とは、発明の技術的範囲に属する「物」を新たに作り出す行為をいうと解され る。また、特許権の効力が当該国の領域内においてのみ認められることを意味する属地主義の原則(最高裁平成7年(オ)第1988号同9年7月1日第三小法廷判決・民集51巻6号2299頁、最高裁平成12年(受)第580号同14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁参照)からは、上記「生産」は、日本国内におけるものに 限定されると解するのが相当である。したがって、上記の「生産」に当たるためには、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、日本国内において新たに作り出されることが必要であると解すべきである。 (イ) 前記3(1)のとおり、被告システム1は、本件発明1の構成要件を全て充足し、その技術的範囲に属するものであって、被告システム1にお ける構成1aないし1iは、本件発明1の構成要件1Aないし1Iにそれぞれ相当する。 また、被告サービス1のFLASH版においてコメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表示させる手順は、前記(1)ウ(ア)のとおりであって、被告サービス1がその手順どおりに機能することによって、上記の とおり本件発明1の構成要件を全て充足するコメント配信システムであ る被告システム1が新たに作り出されるということができる。 そして、本件発明1のコメント配信システムは、「サーバ」と「これとネットワークを介して接続された複数の端末装置」をその構成要素とする物であるところ(構成要件1A)、被告システム1においては、日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画を表示させる場合、上記の「これ とネットワークを介して た複数の端末装置」をその構成要素とする物であるところ(構成要件1A)、被告システム1においては、日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画を表示させる場合、上記の「これ とネットワークを介して接続された複数の端末装置」は、日本国内に存在しているものといえる。 他方で、前記3(2)アによれば、本件発明1における「サーバ」(構成要件1A等)とは、視聴中のユーザからのコメントを受信する機能を有するとともに(構成要件1B)、端末装置に「動画」及び「コメント情報」 を送信する機能(構成要件1C)を有するものであるところ、これに該当する被告FC2が管理する前記(1)ウ(ア)の動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバは、前記(1)イ(ア)のとおり、令和元年5月17日以降の時期において、いずれも米国内に存在しており、日本国内に存在しているものとは認められない。 そうすると、被告サービス1により日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画を表示させる場合、被告サービス1が前記(1)ウ(ア)の手順どおりに機能することによって、本件発明1の構成要件を全て充足するコメント配信システムが新たに作り出されるとしても、それは、米国内に存在する動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバと日本国内に存在 するユーザ端末とを構成要素とするコメント配信システム(被告システム1)が作り出されるものである。 したがって、完成した被告システム1のうち日本国内の構成要素であるユーザ端末のみでは本件発明1の全ての構成要件を充足しないことになるから、直ちには、本件発明1の対象となる「物」である「コメント 配信システム」が日本国内において「生産」されていると認めることが できない。 (ウ) 原告は、被告システム1では、多数のユーザ端末は日本国 1の対象となる「物」である「コメント 配信システム」が日本国内において「生産」されていると認めることが できない。 (ウ) 原告は、被告システム1では、多数のユーザ端末は日本国内に存在しているから、被告システム1の大部分は日本国内に存在している、被告FC2が管理するサーバが国外に存在するとしても、「生産」行為が国外の行為により開始されるということを意味するだけで、「生産」行為の大 部分は日本国内で行われている、本件発明1において重要な構成要件1Hに対応する被告システム1の構成1hは国内で実現されている、被告システム1については「生産」という実施行為が全体として見て日本国内で行われているのと同視し得るにもかかわらず、被告らが単にサーバを国外に設置することで日本の特許権侵害を免れられるという結論とな るのは著しく妥当性を欠くなどとして、被告システム1は、量的に見ても、質的に見ても、その大部分は日本国内に作り出される「物」であり、被告らによる「生産」は日本国内において行われていると評価することができると主張する。 しかしながら、前記(ア)のとおり、特許法2条3項1号の「生産」に該 当するためには、特許発明の構成要件を全て満たす物が日本国内において作り出される必要があると解するのが相当であり、特許権による禁止権の及ぶ範囲については明確である必要性が高いといえることからも、明文の根拠なく、物の構成要素の大部分が日本国内において作り出されるといった基準をもって、物の発明の「実施」としての「生産」の範囲 を画するのは相当とはいえない。そうすると、被告システム1の構成要素の大部分が日本国内にあることを根拠として、直ちに被告システム1が日本国内で生産されていると認めることはできないというべきである。 ま するのは相当とはいえない。そうすると、被告システム1の構成要素の大部分が日本国内にあることを根拠として、直ちに被告システム1が日本国内で生産されていると認めることはできないというべきである。 また、前記(1)ウ(ア)の②-2及び⑤からすれば、被告システム1においては、被告FC2のウェブサーバがユーザ端末に配信するSWFファ イルによって規定される条件に基づいて、2つのコメントが重複するか 否かを判定する計算式及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定が行われており、構成要件1Fの「判定部」及び構成要件1Gの「表示位置制御部」に相当する構成1f及び1gの動作の実現は、日本国内に存在するユーザ端末において行われるものであるということができ、これらのユーザ端末における動作からは、原告が指摘する構成 要件1Hに対応する構成1hのうち「前記ユーザ端末のディスプレイには、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画上に、右から左方向に移動する前記コメント1及び前記コメント2とが、追いついて重複しないように表示される、」という部分に相当する動作は、日本国内に存在するユーザ端末において実現されるも のということができるものの、構成要件1Hに対応する構成1hのうち「前記サーバが、前記動画ファイルと、前記コメントファイルとを前記ユーザ端末に配信することにより、」という部分に相当する動作は、米国内に存在するコメント配信用サーバ及び動画配信用サーバによって実現されるものであり、構成1hが日本国内に存在するユーザ端末のみによ って実現されているとはいえない。前記1(2)イで検討したところからすれば、本件発明1の目的は、単に、構成要件1Fの「判定部」及び構成要件1Gの「表示位置制御部 に存在するユーザ端末のみによ って実現されているとはいえない。前記1(2)イで検討したところからすれば、本件発明1の目的は、単に、構成要件1Fの「判定部」及び構成要件1Gの「表示位置制御部」に相当する構成等を備える端末装置を提供することではなく、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システ ムを提供することであり、この目的に照らせば、動画の送信(構成要件1C及び1H)並びにコメントの受信及びコメント付与時間を含むコメント情報の送信(構成要件1B、1C及び1H)を行う「サーバ」は、この目的を実現する構成として重要な役割を担うものというべきである。 この点からしても、本件発明1に関しては、ユーザ端末のみが日本に存 在することをもって、「生産」の対象となる被告システム1の構成要素の 大部分が日本国内に存在するものと認めることはできないというべきである。 さらに、前記(1)アのとおり、被告サービスにおいては、日本語が使用可能であり、日本在住のユーザに向けたサービスが提供されていたと考えられ、同オのとおり、平成26年当時、日本法人である被告HPSが、 被告FC2の委託を受けて、被告サービスを含む同被告の運営するサービスに関する業務を行っていたという事情は認められるものの、本件全証拠によっても、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降の時期において、米国法人である被告FC2が本件特許権の侵害の責任を回避するために動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバを日本 国外に設置し、実質的には日本国内から管理していたといった、結論として著しく妥当性を欠くとの評価を基礎付けるような事情は認められない。 したがって、原告の上記主張は採用する 用サーバを日本 国外に設置し、実質的には日本国内から管理していたといった、結論として著しく妥当性を欠くとの評価を基礎付けるような事情は認められない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 (エ) 以上によれば、被告サービス1のFLASH版については、本件発明 1の関係で、被告FC2による被告システム1の日本国内での「生産」を認めることができないというべきである。 イ本件発明1の関係での被告システム1(被告サービス1のHTML5版)の「生産」について被告サービス1のHTML5版においても、前記ア(イ)と同様に、被告シ ステム1における「サーバ」は米国内の動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバであり、被告サービス1により日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画が表示される場合、被告サービス1のHTML5版が前記(1)ウ(イ)の手順どおりに機能することによって、本件発明1の構成要件を全て充足するコメント配信システムが新たに作り出されるとしても、完成した コメント配信システムのうち、日本国内の構成要素であるユーザ端末のみ では本件発明1の全ての構成要件を充足しない。そして、前記(1)ウ(イ)のコメント付き動画が日本国内のユーザ端末に表示される手順は、①-2、②-1及び④のとおり、JSファイルが、FLASH版のSWFファイルの働きと同様の働きをしている点を除けばFLASH版と同様といえるから、前記ア(ウ)で検討した点はHTML5版にも同様に当てはまり、この点 に関する原告の主張はいずれも採用することができない。 したがって、被告サービス1のHTML5版についても、本件発明1の関係で、被告FC2による被告システム1の日本国内での「生産」を認めることができないというべきである。 れも採用することができない。 したがって、被告サービス1のHTML5版についても、本件発明1の関係で、被告FC2による被告システム1の日本国内での「生産」を認めることができないというべきである。 ウ本件発明1の関係での被告システム2及び3(被告サービス2及び3の FLASH版、HTML5版)の「生産」について被告システム2及び3が本件発明1の構成要件を全て充足し、その技術的範囲に属することは前記3(2)のとおりであり、被告サービス2及び3のFLASH版及びHTML5版において、コメント付き動画を日本国内のユーザ端末に表示させる手順は前記(1)エのとおりであるが、被告システム 2及び3における「サーバ」は、少なくとも米国内のコメント配信用サーバを含むものであり、被告サービス2及び3により日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画が表示される場合、被告サービス2及び3が前記(1)エの手順どおりに機能することによって、本件発明1の構成要件を全て充足するコメント配信システムが新たに作り出されるとしても、完成したコ メント配信システムのうち、日本国内の構成要素であるユーザ端末のみでは本件発明1の全ての構成要件を充足しない。また、この点に関する原告の主張がいずれも採用できないことは、前記ア(ウ)と同様である。 したがって、被告サービス2及び3のFLASH版、HTML5版のいずれについても、本件発明1の関係で、被告FC2による被告システム2 及び3の日本国内での「生産」を認めることができないというべきである。 エ本件発明2の関係での被告システム(被告サービスのFLASH版、HTML5版)の「生産」について(ア) 被告システムが本件発明2の構成要件を全て充足し、その技術的範囲に属することは前記4(1 エ本件発明2の関係での被告システム(被告サービスのFLASH版、HTML5版)の「生産」について(ア) 被告システムが本件発明2の構成要件を全て充足し、その技術的範囲に属することは前記4(1)及び(2)のとおりであり、被告サービスのFLASH版及びHTML5版において、コメント付き動画を日本国内のユ ーザ端末に表示させる手順は前記(1)ウ及びエのとおりであるが、本件発明2の「コメント配信システム」の構成要素である「動画配信サーバ」(構成要件2A等)及び「コメント配信サーバ」(構成要件2A等)について、被告システム1においては米国内のコメント配信用サーバ及び動画配信用サーバがこれに該当し、被告システム2及び3についても、少 なくとも構成要素として米国内のコメント配信用サーバを含むものであって、被告サービスにより日本国内のユーザ端末へのコメント付き動画が表示される場合、被告サービスが前記(1)ウ及びエの手順どおりに機能することによって、本件発明2の構成要件を全て充足するコメント配信システムが新たに作り出されるとしても、完成したコメント配信システ ムのうち、日本国内の構成要素であるユーザ端末のみでは本件発明2の全ての構成要件を充足しない。 したがって、被告サービスのFLASH版、HTML5版のいずれについても、本件発明2の関係で、被告FC2による被告システムの日本国内での「生産」を認めることができないというべきである。 (イ) 原告は、本件発明2について、その重要な構成要件2Hに対応する被告システムの構成2hは日本国内で実現されていると主張するが、前記ア(ウ)の構成1hと同様に、構成2hのうち「前記コメント配信用サーバが前記コメントファイルを、前記動画配信用サーバが前記動画ファイルを、それぞれ前記ユーザ端 国内で実現されていると主張するが、前記ア(ウ)の構成1hと同様に、構成2hのうち「前記コメント配信用サーバが前記コメントファイルを、前記動画配信用サーバが前記動画ファイルを、それぞれ前記ユーザ端末に配信することにより、」という部分に相当 する動作は、コメント配信用サーバ及び動画配信用サーバによって実現 されるものであり、構成2hが日本国内のユーザ端末のみによって実現されているとはいえない。 また、本件発明2の目的は、本件発明1と同様に、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システムを提供すること(前記1(2)イ)であり、 その目的に照らして、動画の送信(構成要件2C2、2H)を行う「動画配信サーバ」並びにコメントの受信及びコメント付与時間を含むコメント情報の送信(構成要件2B、2C1、2H)を行う「コメント配信サーバ」は、この目的を実現する構成として重要な役割を担うものというべきであるから、本件発明2に関しても、ユーザ端末のみが日本国内 に存在することをもって、生産の対象となる被告システム2の構成要素の大部分が日本国内に存在するものと認めることはできないというべきである。 その他、本件発明2の関係においても、被告システムの日本国内での「生産」が認められるとの原告の主張がいずれも採用できないことは、 前記ア(ウ)と同様である。 オ小活以上のとおり、本件発明1の関係でも、本件発明2の関係でも、被告サービス(FLASH版及びHTML5版)において、被告FC2による被告システムの日本国内での「生産」を認めることはできない。 (3) 被告HPSによる被告システムの「生産」の有無について原告は、被告HPSが、実質的に被告FC において、被告FC2による被告システムの日本国内での「生産」を認めることはできない。 (3) 被告HPSによる被告システムの「生産」の有無について原告は、被告HPSが、実質的に被告FC2と一体であり、被告FC2から委託を受け、その一部門として被告サービスを運営しているものであるから、被告FC2と共同して被告システムを「生産」していると主張するところ、前記(2)のとおり、本件発明1の関係でも、本件発明2の関係でも、被告 サービスにおいて、被告FC2による被告システムの日本国内での「生産」 は認められないから、被告HPSによる被告システムの日本国内における「生産」についても、認めることができない。 また、被告サービスへの被告HPSの関与の状況は、前記(1)オのとおりであり、そのような状況に照らせば、少なくとも令和元年5月17日以降の時期においては、被告HPSが被告サービスに関する業務を行っていたとは認 められず、その他、この点を認めるに足りる証拠はないから、この点でも、被告サービスについて、被告HPSによる被告システムの「生産」は認められないというべきである。 6 結論前記3及び4のとおり、被告システムは本件発明の技術的範囲に属すると認 められるものの、前記5のとおり、本件特許が登録された令和元年5月17日以降において被告らによる被告システムの日本国内における生産は認められず、被告らが本件発明を日本国内において実施したとは認められないから、被告らによる本件特許権の侵害の事実を認めることはできない。 よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理 由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理 由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 小川暁 裁判官 矢野紀夫 別紙一覧別紙1 被告ファイル目録別紙2 被告サーバ用プログラム目録別紙3 被告サーバ目録別紙4 無効の抗弁の成否についての当事者の主張 別紙5 本件明細書の図面 別紙1 被告ファイル目録 1 「FC2動画」(https://以下省略)において、被告らがサーバからユーザ端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://以下省略)において、被告らがサーバから動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://以下省略)において、被告らがサーバから 動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画フ 「FC2 ひまわり動画」(http://以下省略)において、被告らがサーバから 動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む) 別紙2 被告サーバ用プログラム目録 1 「FC2動画」(https://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信するためのサーバ用プログラム(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信するためのサーバ用プログラム、動画 ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http:/以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイル(動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む)を配信するためのサーバ用プログラム(動画ファイル又 はコメントファイルの一方を配信するためのサーバ用プログラム、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイル(動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む)を配信するためのサーバ用プログラム(動画ファイル又は コメントファイルの一方を配信するためのサーバ用プログラム、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 別紙3 被告サーバ目録 1 「FC2動画」(https://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供して を含む) 別紙3 被告サーバ目録 1 「FC2動画」(https://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信する用に供しているサーバ、動画ファイル とコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信する用に供しているサーバ、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを 含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://以下省略)において、被告らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信する用に供しているサーバ、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを 含む) 別紙4 無効の抗弁の成否についての当事者の主張 1 争点5-1(乙17公報を主引用例とする進歩性欠如)(無効理由1))について(被告らの主張) (1) 乙17公報に記載された発明ア引用発明の認定乙17公報には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙17発明」といい、下記の(ア)ないし(キ)の構成を、符号に対応させて「構成(ア)」などという。)。 (ア) 映像を再生するとともに、当該映像に付与された単数又は複数の注釈を当該映像上に表示するビューワマシンであって、(イ) 前記注釈と、当該注釈の表示 「構成(ア)」などという。)。 (ア) 映像を再生するとともに、当該映像に付与された単数又は複数の注釈を当該映像上に表示するビューワマシンであって、(イ) 前記注釈と、当該注釈の表示を開始するタイミングとを指定するSMIL(SynchronizedMultimediaIntegrationLanguage)で記述された同期記述を記憶するメ モリ(以下「注釈記憶メモリ」)と、(ウ) 前記映像を再生して表示する映像再生部と、(エ) 前記再生される映像の映像再生時間に基づいて、前記メモリに記憶された同期記述のうち、前記映像の映像再生時間に対応するタイミングで表示を開始させるべき注釈を前記メモリから読み出し、当該読み出され た注釈を、ビューワ画面内の注釈を表示する注釈再生部と、を有し、(オ) 前記注釈が少なくとも動画の一部に重なっており、(カ) 前記注釈は水平に移動するものである(キ) ことを特徴とするビューワマシン。 イ乙17発明の認定についての補足説明 (ア) 構成(イ)について 原告は、乙17公報には、注釈と、注釈の表示を開始するタイミングとをSMILで指定する旨の記載はないと主張するが、乙17公報の特許請求の範囲においては「同期記述を作成する同期記述作成手段を有し」として、同期記述作成手段が構成要件となることが明示されており、そのうえで、従来技術としてSMILにより同期記述を作成することがで きる旨記載されている(乙17公報【0007】)から、乙17公報において同期記述の作成手段として、SMILを用いることが開示されておおり、原告の主張は失当である。 (イ) 構成(エ)について原告は、乙17公報には、単に映像と注釈とを同期させて再生させる ことの 記述の作成手段として、SMILを用いることが開示されておおり、原告の主張は失当である。 (イ) 構成(エ)について原告は、乙17公報には、単に映像と注釈とを同期させて再生させる ことの記載(【0192】)があるにすぎないと主張するが、乙17公報では、図15に示す同期記述の説明として、カメラサーバの特定の時間帯の蓄積映像について、注釈サーバから注釈データを取り出して同期再生する旨が開示されており(【0125】)、構成(エ)が開示されている。 また、原告は、乙17公報は、音声注釈についての発明であると主張 するが、乙17公報において、文字注釈の実装方法として「多くの携帯電話端末において、テキスト作成/表示機能が実装されており、これを利用してテキスト注釈の入力再生を実現することができる」(【0137】)と具体的に明示されている。 (ウ) 構成(カ)について 原告は、乙17公報には「前記注釈は水平に移動する」との記載はないと主張するが、乙17発明は、SMILで記述されるものであるから、「複数の注釈」を水平方向に移動することは予定されている。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙17発明との対比 本件発明1と乙17発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙17発明の「ビューワマシン」は、本件発明1の「端末装置」に、「複数の注釈」は「第1コメント及び第2コメント」に、それぞれ相当する。 (イ) 乙17発明は、「前記再生される映像の映像再生時間に基づいて、前記メモリに記憶された同期記述のうち、前記映像の映像再生時間に対応 するタイミングで表示を開始させるべき注釈を前記メモリから読み出し、当該読み出された注釈を、ビューワ画面内の注釈を表示する」ものであるから、当該注釈を表 述のうち、前記映像の映像再生時間に対応 するタイミングで表示を開始させるべき注釈を前記メモリから読み出し、当該読み出された注釈を、ビューワ画面内の注釈を表示する」ものであるから、当該注釈を表示するタイミングは、当該注釈が動画に付与された時間に対応するものであり、当該付与時間は、当該注釈が付与されるまでの動画の経過時間である。よって、ビューワマシンには、動画の最 初から当該注釈が付与された時点までの動画の経過時間を含む情報が送信されるものであり、この情報が「コメント情報」に相当する。 (ウ) 乙17発明は、SMILで記述されるものであるから、「複数の注釈」を水平方向に移動することは予定されている。 (エ) 複数の注釈の位置について限定はないから、動画の一部と複数の注釈 が重なることも予定されている。なお、文字列が動画の一部と重なる技術については、動画と文字列を同時に配信するシステムにおいて慣用技術である(乙21、23)。 (オ) したがって、本件発明1と乙17発明は次の相違点1で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1)本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、 乙17発明はかかる構成を備えていない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 主位的主張乙17発明は、注釈という文字列の表示位置について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在することから、かかる課題を解決するために、動画において文字情報 を表示する際、 釈という文字列の表示位置について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在することから、かかる課題を解決するために、動画において文字情報 を表示する際、文字列が重複するか否かを判定し、重複する場合には重複しないように位置を変更する公知技術(乙26ないし28。以下「本件位置変更公知技術」という。)を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 原告は、乙17公報に記載された発明では文字列同士が重複すること は想定されていないと主張するが、乙17発明は、複数の文字注釈から特定のもののみを排他的に再生することだけではなく、これらを同時に表示することも想定しているから、それによる視認性の低下という課題を内在している。 (イ) 予備的主張 仮に、乙17発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、文字列が重複するか否かを判定し、重複する場合には重複しないように位置を変更することは、動画において文字情報を表示する技術において慣用されているものであるから(乙26ないし28。以下「本件位置変更慣用技術」という。)、乙17発明 に対し、かかる慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (ウ) その他の周知技術に基づく主張コンピュータの画面表示において、異なる2つの表示物の表示位置が重なるか否かを判定する判定機能と、重なると判定された場合に、これ らが重ならない位置に表示されるよう調整する表示制御機能も周知技術 である(乙48、61、62。以下、これらの判定機能及び表示制御機能を併せて「本件位置変更周知技術2」という。)。 乙17発明と本件位置変更周知技術2は、いずれもコンピュータの画面表 である(乙48、61、62。以下、これらの判定機能及び表示制御機能を併せて「本件位置変更周知技術2」という。)。 乙17発明と本件位置変更周知技術2は、いずれもコンピュータの画面表示に関する発明であり、技術分野を共通するものであり、乙17発明に本件位置変更周知技術2を適用する動機付けは優に認められる。 コンピュータの画面上の表示物は、図形であろうと文字列であろうとデータであり、いずれについても衝突検出・回避機能を持つプログラムを組み込むことは可能であるから、衝突検出・回避の対象となるデータが、図形を表示するためのものか、文字列を表示するためのものかにおいて、有意な差異は存在しない。そのため、乙17発明に対して本件位 置変更周知技術2を適用することで、文字列同士の表示位置が重なるか否かを判定する判定部と、重なると判定された場合に両文字列が重ならない位置に表示されるよう調整する表示制御部という相違点1に当たる構成を具備させることができる。 ウ原告主張の相違点について (ア) 相違点Aについてa 原告は、本件発明1と乙17公報に記載された発明との間に相違点A(本件発明1は、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動するのに対し、乙17公報に記載された発明では、水平方向に移動するか否か不明である点)が存在すると主張するが、前記(1)イ(ウ)のと おり、乙17発明においては、SMILで記述されることにより、「注釈」は水平に移動すると認定できることから、原告主張の相違点Aは存在しない。 なお、SMILで記述・指定した文字列が、水平方向に移動することは、「SMILで魅せるストリーミングコンテンツ作成ガイド」(乙 29)の110頁においても開示されている。 b 仮に、水平移 Lで記述・指定した文字列が、水平方向に移動することは、「SMILで魅せるストリーミングコンテンツ作成ガイド」(乙 29)の110頁においても開示されている。 b 仮に、水平移動が認定できないとしても、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である(乙29ないし33)。そのため、乙17発明に対し、かかる慣用技術を適用することにより、原告が主張する相違点Aを克服することは容 易である。 原告は、かかる慣用技術を適用する動機付けがないと主張するが、乙17公報に記載された発明は、映像データとテキストデータを同期して、ネットワークを介して配信する技術であり、SMILを用いた文字列の水平移動は、映像データ表示上に文字列を重ねて表示する技 術であるから、パソコン等の画面に表示される映像に文字列を重ねるという点で、技術分野が共通するものであり、これらを組み合わせる動機付けも認められる。 また、原告は、乙17公報に記載された発明に注釈を水平方向に移動させる技術を適用すると、ふきだしが移動せずその場に留まり、注 釈だけが移動することとなって、極めて不自然な表示になるとして、この点を阻害要因であると主張する。しかしながら、乙17公報において、テキスト注釈データの表示手段として、ふきだし内に入れるという限定を付する記載は無い。そのため、乙17公報記載の図18のふきだし表示は、あくまで、テキスト注釈を付する場合の例示にすぎ ないことは、当業者において明らかであるから、原告が主張する阻害要因は存在しない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙17公報に記載された発明との間に相違点B(コメントが表示さ ないことは、当業者において明らかであるから、原告が主張する阻害要因は存在しない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙17公報に記載された発明との間に相違点B(コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメ ント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間にお いて表示されるのに対し、乙17公報に記載された発明では、そのように表示されるのか不明である点)が存在すると主張するが、乙17公報では、図15に示す同期記述の説明として、カメラサーバの特定の時間帯の蓄積映像について、注釈サーバから注釈データを取り出して同期再生する旨が開示されている(【0125】)。かかる記載から、乙17発明 においても、注釈が、その付与時間に対応する動画再生時間において表示されるといえるから、原告が主張する相違点Bは存在しない。 エ小括以上によれば、本件発明1と乙17発明との相違点に係る構成は、乙17発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に 想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメント配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙17発明から容易に想到できるも のである。 (原告の主張)(1) 乙17公報に記載された発明被告らが主張する乙17発明の認定は、少なくとも以下の点で誤っている。 ア構成(イ)について 乙17公報には「SMIL」が単なる従来技術として触れられているにすぎず(乙17の【0007】)、注釈と、注釈の表示を開始するタイミングとをSMILで指定する旨の記 ア構成(イ)について 乙17公報には「SMIL」が単なる従来技術として触れられているにすぎず(乙17の【0007】)、注釈と、注釈の表示を開始するタイミングとをSMILで指定する旨の記載はない。 したがって、乙17公報には構成(イ)は記載されていない。 イ構成(エ)について 乙17公報に構成(エ)の記載はなく、単に映像と注釈とを同期させて再生 させることの記載(【0192】)があるにすぎない。なお、乙17公報は、音声注釈についての発明であり、文字注釈については、抽象的な記載があるのみである(【0136】参照)。 被告らは、乙17公報の【0125】を根拠として、構成(エ)が記載されていると主張するが、乙17公報には、少なくとも「映像再生時間」及び 「メモリ」に相当する記載はなく、同期記述が「メモリ」に記憶されることの記載もない。 ウ構成(カ)について乙17公報に構成(カ)の「前記注釈は水平に移動する」との記載はない。 (2) 本件発明1の進歩性 ア本件発明1と乙17公報に記載された発明との対比本件発明1と乙17公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1の他に少なくとも以下の相違点が存在する。 (相違点A)本件発明1は、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動するの に対し、乙17公報に記載された発明では、水平方向に移動するか否か不明である点。 (相違点B)コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において 表示されるのに対し、乙17公報に記載された発明では、そのように表示されるのか不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1について 間に対応する動画再生時間において 表示されるのに対し、乙17公報に記載された発明では、そのように表示されるのか不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1についてa 主位的主張について 乙17公報の【0122】及び【0135】から明らかなように、 乙17公報に記載された発明は、複数の注釈がある場合には排他的に再生したり、合成して再生したりするものであり、複数の注釈が重複表示されることは想定されていない。 したがって、乙17公報に記載された発明において、「文字列の重複表示による視認性低下という課題」はないから、被告らの主張は前提 において誤っている。 被告らは、乙26号証ないし乙28号証から、「文字列が重複するか否かを判定し、重複する場合には重複しないように位置を変更する」との「本件位置変更公知技術」及び「本件位置変更慣用技術」を認定しているが、乙26号証ないし乙28号証から認定できる周知技術は、 「テレビ受信機において、テレビ放送に重畳された文字データと、テレビ映像自体に含まれる文字と、が重ならないように表示する技術」(以下「本件周知技術」という。)に留まる。 b 予備的主張について仮に、乙26号証ないし乙28号証から本件周知技術が認定される としても、これを乙17公報に記載された発明に適用する動機づけがない。なぜなら、乙17公報に記載された発明では、複数の注釈がある場合には排他的に再生する等の処理を行うものであるから、そもそも文字列の重複表示による視認性低下という課題は生じないからである。 そして、仮に本件周知技術を乙17公報に記載された発明に適用したとしても、「注釈と、動画自体に含まれる文字と、が重ならないようにする」構成に至るにすぎず、 いう課題は生じないからである。 そして、仮に本件周知技術を乙17公報に記載された発明に適用したとしても、「注釈と、動画自体に含まれる文字と、が重ならないようにする」構成に至るにすぎず、相違点1に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について 被告らが指摘する文献(乙48、61及び62)に、異なる2つの 表示物の表示位置が重なるか否かの判定を行い、判定結果に応じた表示制御を行うことの開示はなく、被告らが主張する本件位置変更周知技術2は認定できない。 仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、被告らが指摘する文献(乙48、乙61及び乙62)は文字列が重なることを 全く想定していないから、本件位置変更周知技術2を、注釈を表示する乙17公報に記載された発明に適用する動機付けはない。 d したがって、乙17公報に記載された発明において相違点1に係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (イ) 相違点Aについて被告らは、テキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術であると主張するが、そのような慣用技術がある根拠を被告らは示していない上、乙17公報に記載された発明に対して、注釈を水平方向に移動させるよ うにする動機付けはない。 また、乙17公報に記載された発明はふきだし内に注釈を表示するものであるが、仮に、この発明に、注釈を水平方向に移動させる技術を適用すると、ふきだしは移動せずその場に留まり、注釈だけが移動することとなって、極めて不自然な表示になるのは明らかであり、水平方向に 移動させる技術を適用するには、阻害要因がある。 したが 適用すると、ふきだしは移動せずその場に留まり、注釈だけが移動することとなって、極めて不自然な表示になるのは明らかであり、水平方向に 移動させる技術を適用するには、阻害要因がある。 したがって、乙17公報に記載された発明において相違点Aに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (ウ) 相違点Bについて 乙17公報に記載された発明において相違点Bに係る本件発明1の構 成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙17公報に記載された発明との相違点に係る構成は、乙17公報に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものではないから、乙17公報を主引用例とする進歩性欠如の主 張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙17公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 2 争点5-2(乙18公報を主引用例とする進歩性欠如)(無効理由2))について(被告らの主張)(1) 乙18公報に記載された発明ア引用発明の認定 乙18公報には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙18発明」といい、下記の(ア)ないし(カ)の構成を、符号に対応させて「構成(ア)」などという。)。 (ア) 動画を再生するとともに動画上にテキストを表示する表示装置であって (イ) 動画に対応付けられている単数又は複数のテキストデータを収集しログファイルに格納する格納部と(ウ) 当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記テキストデータを読み込んで単数又は (イ) 動画に対応付けられている単数又は複数のテキストデータを収集しログファイルに格納する格納部と(ウ) 当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記テキストデータを読み込んで単数又は複数のテキストデータを表示する単数又は複数のテキストデータ表示部を有し (オ) 前記単数又は複数のテキストデータを前記動画の少なくとも一部に重 畳して表示し(カ) ことを特徴とする表示装置イ乙18発明の認定についての補足説明原告は、乙18発明が乙18公報に記載されていることを争うが、「表示装置」とは、配信された動画コンテンツやテキストデータを表示する装置 のことであり、乙18公報の【0005】においても、同様の意味でかかる文言が使用されている。乙18公報の【0005】及び【0007】の文脈から、従来技術においては、動画とチャットはそれぞれ異なる表示装置により表示されていたが、乙18発明においてはこれらを併せて1つの表示装置により表示されることは明らかである。 「格納部」とは、動画に対応付けられている単数又は複数のテキストデータを収集しログファイルに格納するファイルであり、乙18公報の【0019】においても使用されている文言である。 「動画再生部」とは、表示装置における、動画を再生して表示する機能を担う部分である。 「テキストデータ表示部」とは、表示装置における、テキストデータを読み込んで単数又は複数のテキストデータを表示する機能を担う部分である。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙18発明との対比 本件発明1と乙18発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙18発明の「表示装置」が、本件発明1の「端末装置」に、「複数のテキストデータ」が、「第1コメント及 乙18発明との対比 本件発明1と乙18発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙18発明の「表示装置」が、本件発明1の「端末装置」に、「複数のテキストデータ」が、「第1コメント及び第2コメント」に、「前記単数又は複数のテキストデータを前記動画の少なくとも一部に重畳して表示し」が、「前記動画の少なくとも一部と重なって…第一コメント及び第 2コメントを前記端末装置の表示装置に表示させる」に、それぞれ相当 する。 (イ) そして、乙18発明は、「動画に対応付けられているテキストデータを動画の少なくとも一部に重畳して表示する」ものであるから、当該テキストデータを表示するタイミングは、当該テキストデータが動画に付与された時間に対応するものであり、当該付与時間は、当該テキストデ ータが付与されるまでの動画の経過時間である。よって、表示装置には、動画の最初から当該テキストデータが付与された時点までの動画の経過時間を含む情報が送信されるものであり、当該情報が「コメント情報」に相当する。 また、乙18発明は、SMILで記述されるものであるから、「複数の テキストデータ」を水平方向に移動することは予定されている(乙27及び乙1の6添付非特許文献。以下「本件水平移動技術」という。)。 (ウ) したがって、本件発明1と乙18発明は次の相違点1で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1) 本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙18発明はかかる構成を備えていない点。 イ と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙18発明はかかる構成を備えていない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 主位的主張乙18発明は、テキストデータという文字列の表示位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本 件位置変更公知技術を適用することにより、相違点1を克服することは 容易である。 原告は、表示すべきテキストデータ数が表示可能数より大きい場合には、テキストデータを同時に表示せず、各テキストデータの表示時間を短くして順繰りに表示することで、テキストデータを見やすく表示している(【0029】)として、乙18公報に記載された発明は文字列が重 複表示されることは想定されていないと主張するが、テキストデータの表示時間を短くするという手法では、テキストデータの量が多くなった場合、各テキストデータの表示時間が極めて短くなることが想定される。 そのため、乙18公報に記載された発明が、かかる手法を採用していたとしても、テキストデータの量が一定量を超えた場合、複数の文字列を 同時に表示せざるを得ず、文字列の重複表示による視認性低下の課題を内在することになるといえる。 (イ) 予備的主張仮に、乙18発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙18発明に本件位置変更慣用技術 を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (ウ) 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙18発明も、コンピュータの画面に文字列を表示する技術であることか 置変更慣用技術 を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (ウ) 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙18発明も、コンピュータの画面に文字列を表示する技術であることから、乙17発明と同様に、本件位置変更周知技術2を適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点1を容易に克服することができ る。 ウ原告主張の相違点について(ア) 相違点Aについて原告は、本件発明1と乙18公報に記載された発明との間に相違点A(本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるの に対し、乙18公報に記載された発明では、そのようになっていない点) が存在すると主張する。 しかしながら、乙18発明においても、テキストデータを動画コンテンツに同期させて、動画の内容に合わせて適切なタイミングでテキストデータが付与され、配信されることから、テキストデータにコメント付与時間が含まれているといえるから、原告主張の相違点Aは存在しない。 原告は、乙18公報には、テキストデータにコメント付与時間が含まれるとの構成の記載がないと主張するが、乙18公報の「重畳されるテキストデータの表示される時間」(【0021】)とは、再生中の動画に特定のテキストを表示させるための適切な時間(タイミング)のことであり、かかる時間(タイミング)を特定するためには、動画の最初を基準 とするほかないのであるから、かかる「重畳されるテキストデータの表示される時間」とは、「動画の最初を基準とした動画の経過時間」に相当することは明らかである。 仮に相違点Aが認められるとしても、テキストデータにコメント付与時間を含めることは、当業者にとって容易に想到できることであるから、 相違点Aがあることで本件発明1の進歩 ことは明らかである。 仮に相違点Aが認められるとしても、テキストデータにコメント付与時間を含めることは、当業者にとって容易に想到できることであるから、 相違点Aがあることで本件発明1の進歩性が認められることはない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙18公報に記載された発明との間に相違点B(本件発明1は、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動するのに対し、乙18公報に記載された発明では、水平方向に移動するか否 か不明である点)が存在すると主張する。 乙17発明と同様に、乙18発明においても、SMILで記述されることが明示されていることから(乙18公報【0012】)、乙18発明においてはテキストが水平方向に移動するといえるため、原告主張の相違点Bは存在しない。 仮に相違点Bが認められるとしても、コメントを水平方向に移動させ る技術は慣用技術であるから、相違点Bがあることで本件発明1の進歩性が認められることはない。 (ウ) 相違点Cについて原告は、本件発明1と乙18公報に記載された発明との間に相違点C(コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメ ント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙18公報に記載された発明では、コメント付与時間とは無関係に表示される点)が存在すると主張する。 しかしながら、前記(ア)と同様に、乙18発明においても、テキストデータにコメント付与時間が含まれており、テキストがコメント付与時間 と無関係に表示されるものではないから、原告主張の相違点Cは存在しない。 仮に相違点Cが認められるとしても、コメントをコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示させることは、当業者に と無関係に表示されるものではないから、原告主張の相違点Cは存在しない。 仮に相違点Cが認められるとしても、コメントをコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示させることは、当業者にとって容易に想到できることであるから、相違点Cがあることで本件発明1の進歩 性が認められることはない。 エ小括以上によれば、本件発明1と乙18発明との相違点に係る構成は、乙18発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメント配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙18発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張) (1) 乙18公報に記載された発明被告らが主張する乙18発明の認定は、少なくとも以下の点で誤っている。 被告らは、「表示装置」とは乙18公報の【0005】に記載のものである旨を主張するが、【0005】には「コンテンツが表示される表示装置」にテキストは表示されないことが明記されているから、構成(ア)の「動画を再生す るとともに動画上にテキストを表示する表示装置」を認定することはできない。 また、乙18発明の「動画再生部」及び「テキストデータ表示部」は、いずれも「表示装置」におけるものであるところ、「表示装置」を認定できない以上、「動画再生部」及び「テキストデータ表示部」も認定できない。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙18公報に記載された発明との対比本件発明1と乙18公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1 データ表示部」も認定できない。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙18公報に記載された発明との対比本件発明1と乙18公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1の他に少なくとも以下の相違点が存在する。 (相違点A) 本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙18公報に記載された発明では、そのようになっていない点。 (相違点B)本件発明1は、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動するのに対し、乙18公報に記載された発明では、水平方向に移動するか否か不 明である点。 (相違点C)コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙18公報に記載された発明では、コメント付与時 間とは無関係に表示される点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1についてa 主位的主張について乙18公報に記載された発明では、テキストデータの表示可能数をウィンドウの大きさに応じて定め(【0021】)、表示すべきテキスト データ数が表示可能数未満であればテキストデータを同時に表示するが(【0028】)、表示すべきテキストデータ数が表示可能数より大きい場合には、テキストデータを同時に表示せず、各テキストデータの表示時間を短くして順繰りに表示することで、テキストデータを見やすく表示している(【0029】)。 そうすると、乙18公報に記載された発明は文字列が重複表示されることは想定されていないのであり、被告らが主張するような課題を内在していない。 b 予備的主張について乙18公報に記載された発明では、文字列が重複表示 報に記載された発明は文字列が重複表示されることは想定されていないのであり、被告らが主張するような課題を内在していない。 b 予備的主張について乙18公報に記載された発明では、文字列が重複表示されることは 想定されておらず、文字列の重複表示による視認性低下という課題が生じないため、本件周知技術を適用する動機付けがない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙18公報に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても相違点1に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙18公報に記載された発明に適用する動機付けはない。 (イ) 相違点Aについて 被告らは、乙18発明においても、テキストデータを動画コンテンツに同期させて、動画の内容に合わせて適切なタイミングでテキストデータが付与され、配信されることから、テキストデータにコメント付与時間が含まれているといえると主張するが、被告らが主張する乙18発明はそのような構成になっておらず、乙18公報の【0021】の記載か らそのような構成を認定することもできない。 また、被告らは、仮に相違点Aが認められるとしても、テキストデータにコメント付与時間を含めることは、当業者にとって容易に想到できるとも主張するが、根拠のない主張である。 (ウ) 相違点Bについて 被告らは、乙18発明が「SMILで記述される」と主張するが、何を指すのか意味不明である。仮にSMILで記述されるとしても、そのことが水平方向に移動することを予定し ウ) 相違点Bについて 被告らは、乙18発明が「SMILで記述される」と主張するが、何を指すのか意味不明である。仮にSMILで記述されるとしても、そのことが水平方向に移動することを予定している根拠にはならないから、相違点Bは存在する。 そして、本件発明1と乙17発明との相違点Aと同様の理由で、相違 点Bは容易想到な事項ではない。 (エ) 相違点Cについて被告らは、乙18発明においても、テキストデータにコメント付与時間が含まれていると主張するが、被告らが主張する乙18発明はそのような構成になっていない。 また、被告らは、仮に相違点Cが認められるとしても、コメントをコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示させることは、当業者にとって容易に想到できるとも述べるが、根拠のない主張である。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙18公報に記載された発明との相違点に 係る構成は、乙18公報に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想 到できたものではないから、乙18公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙18公報を 主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 3 争点5-3(乙19公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由3))について(被告らの主張)(1) 乙19公報に記載された発明 乙19公報には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙19発明」といい、下記のアないしカの構成を、符号に対応させて「構成ア」などという。)。 ア複数のライブ閲覧者端末21から送信される単数又は複数のチャット 明が記載されている(以下、この発明を「乙19発明」といい、下記のアないしカの構成を、符号に対応させて「構成ア」などという。)。 ア複数のライブ閲覧者端末21から送信される単数又は複数のチャットのメッセージを受信して各ライブ閲覧者端末21へ配信するライブ配信サー バ100と、ライブ配信サーバ100に接続され動画を再生するとともに、動画上にチャットのメッセージを表示するライブ閲覧者端末21とを有するライブ配信システムにおけるライブ閲覧者端末21であって、イ単数又は複数の発言(チャットのメッセージ)と、前記発言がなされた時点におけるライブ開始からの差分時間を表す発言時間とを一時的に記憶 するメモリ(以下「差分時間メモリ」)と、ウライブ配信サーバ100がライブ閲覧者端末21からチャット入力情報を受信する毎にライブ配信サーバ100から送信されるチャット入力情報を受信し、メモリに記憶する通信装置22と、エライブ閲覧者端末21において、ライブ配信サーバ100に接続され動 画を再生させる動画再生部と、 オ再生される動画の動画再生時間に基づいて、メモリに記憶された単数又は複数のメッセージのうち、前記動画の動画再生時間に対応する発言時間(以下「発言情報」)が対応づけられたメッセージをメモリから読み出し、読み出したメッセージを動画上にスクロール表示するメディア専用プレイヤー23と、 カを有することを特徴するライブ閲覧者端末21。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙19発明との対比本件発明1と乙19発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙19発明の「チャット端末」が、本件発明1の「端末装置」に、 「複数の発言」が「第1コメント及び第2コメント」に、「読み出したメ 発明1と乙19発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙19発明の「チャット端末」が、本件発明1の「端末装置」に、 「複数の発言」が「第1コメント及び第2コメント」に、「読み出したメッセージを動画上にスクロール表示する」が、本件発明1の「水平方向に移動する」に、それぞれ相当する。 (イ) そして、乙19発明は、「動画の動画再生時間に対応する発言時間(以下「発言情報」)が対応づけられたメッセージをメモリから読み出し、 読み出したメッセージを動画上にスクロール表示する」ものであるから、この「発言情報」が「コメント情報」に相当する。 (ウ) さらに、複数の注釈の位置について限定はないから、動画の一部と複数の注釈が重なることも予定されている。なお、文字列が動画の一部と重なる技術については、動画と文字列を同時に配信するシステムにおい て慣用技術(乙21ないし23、乙1の6添付非特許文献。以下「文字動画重複慣用技術」ということがある)である。 (エ) したがって、本件発明1と乙19発明は次の相違点1で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1) 本件発明1が、「第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前 記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙19発明はかかる構成を備えていない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性 (ア) 主位的主張乙19発明は、発言(チャット又はメッセージ)という文字列の表示位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を 張乙19発明は、発言(チャット又はメッセージ)という文字列の表示位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点1 を克服することは容易である。 原告は、乙19公報から文字列が重複表示されることを把握することはできない等と主張するが、複数の文字列の相互関係に何ら限定が無ければ、必然的に文字列の重複表示という現象が起こるのであり、かかる課題に直面するといえる。また、乙19発明において、閲覧者自身が文 字の表示位置を指定できるとしても、複数の閲覧者が複数の文字列を同一の場所に設定しようとすれば、視認性が低下するのであり、文字列を指定場所から少しずらす必要が生じることは明らかである。そのため、乙19発明も、複数の文字列の重複表示による視認性低下という課題を内在しているといえるから、閲覧者自身が文字の表示位置を指定できる ことは阻害要因とはなりえない。 (イ) 予備的主張仮に、乙19発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙19発明に本件位置変更慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (ウ) 本件位置変更周知技術2に基づく主張 乙19発明も、コンピュータの画面に文字列を表示する技術であることから、乙17発明と同様に、本件位置変更周知技術2を適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点1を容易に克服することができる。 ウ原告主張の相違点Aについて 原告は、本件発明1と乙19公報に記載された発明との間に、相違点A(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが水平方向に を容易に克服することができる。 ウ原告主張の相違点Aについて 原告は、本件発明1と乙19公報に記載された発明との間に、相違点A(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動するのに対し、乙19公報に記載された発明では、移動方向が不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙19発明においては「チャット情報データベース」に 格納されるデータとして、「スクロール方法」を挙げている(乙19【0036】)。画面中の水平方向への移動は、「スクロール」の最も代表的な例であるから、かかる「スクロール」との記載により、チャットの文字が水平方向に移動することが開示されていることは明らかであるから、相違点Aは存在しない。 仮に相違点Aが認められるとしても、コメントを水平方向に移動させる技術は慣用技術であり、SMILで記述するといった慣用技術を適用すれば極めて容易に克服できることから、相違点Aがあることで本件発明1の進歩性が認められることはない。 エ小括 以上によれば、本件発明1と乙19発明との相違点に係る構成は、乙19発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発 明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙19発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張)(1) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙19公報に記載された発明との対比 被告らが主張する乙19発明を前提としても、本件発明1と乙19公報に記載された発明との間には (原告の主張)(1) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙19公報に記載された発明との対比 被告らが主張する乙19発明を前提としても、本件発明1と乙19公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1の他に少なくとも次の相違点が存在する。 (相違点A)本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動する のに対し、乙19公報に記載された発明では、移動方向が不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1についてa 主位的主張について乙19公報から文字列が重複表示されることを把握することはでき ず、乙19発明において被告らが主張するような課題が内在しているとは言えないし、仮に内在しているとしても自明な課題ではない。 さらに、乙19公報では、閲覧者自身が、文字の表示位置の指定を行うことが示されており(乙19公報の【0050】及び【図9】参照)、この指定に従った位置に文字が表示されるものであるから、閲覧 者の意思にかかわらず自動的に文字列の位置を変更することには阻害要因がある。 b 予備的主張について前記aのとおり、乙19発明においては、文字列の重複表示による視認性低下という課題が把握されないから、本件周知技術を適用する 動機付けもないうえ、さらに、これを適用するに阻害要因がある。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙19発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても相違点1に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様 に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとして 位置変更周知技術2に基づく主張について乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様 に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙19発明に適用する動機付けはない。 (イ) 相違点Aについて被告らは、画面中の水平方向への移動が「スクロール」の最も代表的 な例であると述べるが、仮に水平方向への移動がスクロールの代表的な例であったとしても、乙19公報に記載されていることにはならないのであって、乙19公報に水平方向にスクロールすることの記載がない以上、相違点Aがないとはいえない。 また、被告らは、コメントを水平方向に移動させる技術は慣用技術で あると主張するが、そのような慣用技術が存在する根拠を示していないし、乙19公報にはSMILを用いて記述する示唆すらない。 また、乙19公報の図9を根拠としてNTT発明を認定しているが、図9の記載はコメントが移動しないことを前提とした技術であり、乙19発明においてコメント(チャットメッセージ)を水平方向に移動させ るようにすることには阻害要因がある。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙19公報に記載された発明との相違点に係る構成は、乙19公報に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものではないから、乙19公報を主引用例とする進歩性欠如の主 張は理由がない。 (2) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙19公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 4 争点5-4(乙20文献を主引用例とする進歩性欠如(無効理由4))につい て(被告らの主 様の理由により、本件発明2についても、乙19公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 4 争点5-4(乙20文献を主引用例とする進歩性欠如(無効理由4))につい て(被告らの主張)(1) 乙20文献に記載された発明ア引用発明の認定乙20文献には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙2 0発明」といい、下記の(ア)ないし(オ)の構成を、符号に対応させて「構成(ア)」などという。)。 (ア) 映像を再生するとともに、当該映像に付与された単数又は複数のアノテーションを表示する表示装置であって(イ) 前記アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情 報が保存されており(ウ) 映像を再生する映像表示領域に当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記再生される映像の時間軸に基づいて、アノテーションを読み出し、当該アノテーションを動画上に表示する表示部を有する。 (オ) システムイ乙20発明の認定についての補足説明(ア) 構成(イ)について乙20文献においては、「カット検出サーバ等であらかじめ検出されているカット単位でアノテーションしたい時間範囲を選択」したり、「動画 像の時間軸に沿ったアノテーションをリアルタイムに閲覧者が評価する」 等の作用が開示されており、かかる作用から、アノテーションを表示する表示装置には、アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情報が保存されていることは明らかであるから、構成(イ)は認定できる。 (イ) 構成(エ)について 前記(ア)の作用から、アノテーションを表示する表示装置には、再生される映像の時間軸に基づいて、アノテーションを読み出し、当該アノテーションを動画上に表示す 。 (イ) 構成(エ)について 前記(ア)の作用から、アノテーションを表示する表示装置には、再生される映像の時間軸に基づいて、アノテーションを読み出し、当該アノテーションを動画上に表示する表示部が存在することは明らかであるから、構成(エ)も認定できる。 (2) 本件発明1の進歩性 ア本件発明1と乙20発明との対比本件発明1と乙20発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙20発明の「表示装置」が、本件発明1の「端末装置」に、「アノテーション」が「コメント」に、「前記アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情報」が「当該コメントが付された時点に おける、動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す再生時間であるコメント付与時間」に、それぞれ相当する。 (イ) そして、乙20発明には、複数のアノテーションであるコメントと動画の位置関係について限定はないから、動画の一部と複数のアノテーションであるコメントが重なることも予定されている。なお、文字列が動 画の一部と重なる技術については、動画と文字列を同時に配信するシステムにおいて慣用技術であることは既述のとおりである。 (ウ) したがって、本件発明1と乙20発明は次の相違点1及び2で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1) 本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向 に移動する」のに対し、乙20発明においては、この点が不明である点。 (相違点2)本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない 位置に表示されるよう調整する表示位置制御 せる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない 位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙20発明はかかる構成を備えているか否かが不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1について端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロ ール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である(乙29ないし33、乙1の6添付の非特許文献)。 よって、乙20発明に対し、かかる慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 また、原告は、乙20発明に「コメントを水平方向に移動させる技術」 を適用すると、アノテーションを水平方向に移動させることで、カット単位とは無関係にアノテーションが画面の左端あるいは右端から外れて非表示となってしまい、ユーザによる選択が無意味になってしまう点で阻害要因があると主張する。しかしながら、アノテーションを水平方向に移動させるとしても、アノテーションが画面に表示される時間は調整 可能であるから、かかる水平移動を伴う表示時間を、ユーザの選択に合わせれば、そのような問題は生じず、原告が主張する阻害要因は認められない。 (イ) 相違点2についてa 主位的主張 乙20発明は、アノテーションであるコメントという文字列の表示 位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 b 予備的主張 、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 b 予備的主張 仮に、乙20発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙20発明に本件位置変更慣用技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙20発明は、アノテーションを動画上に表示する発明であり、ア ノテーションも、本件位置変更周知技術2における図形等と同様にデータであるから、乙17発明と同様に、アノテーション同士の衝突に対して、本件位置変更周知技術2を適用する動機付けは強く認められ、これにより相違点2を容易に克服することができる。 ウ原告主張の相違点について (ア) 相違点Aについて原告は、本件発明1と乙20文献に記載された発明との間に相違点A(本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、そのようになっていない点)が存在すると主張する。 しかしながら、前記(1)イのとおり、構成(イ)について、アノテーションを表示する表示装置の、アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情報が、本件発明1の「コメント付与時間」に相当するものであるから相違点Aは存在しない。 (イ) 相違点Bについて 原告は、本件発明1と乙20文献に記載された発明との間に相違点B (コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、ユ (コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、ユーザがカット単位で選択した時間に表示される点)が存在すると主張する。 しかしながら、カット単位で時間を選択したとしても、かかる時間は 前記(ア)のとおり、「コメント付与時間」に相当する情報と対応しているから相違点Bは存在しない。 (ウ) 相違点Cについて原告は、本件発明1と乙20文献に記載された発明との間に相違点C(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも 一部と重なって表示されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、コメントと動画とが別の領域に表示される点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙20発明には、複数のアノテーションであるコメントと動画の位置関係について限定はないから、動画の一部と複数のアノテーションであるコメントが重なることも予定されており、相違点Cは 存在しない。原告が摘示する乙20文献の図4は、あくまで、アノテーションであるコメントと動画の位置関係についての一例にすぎない。 なお、仮に乙20発明におけるコメントと動画が重ならないものであり、相違点Cが存在するとしても、かかる相違点は慣用技術の適用により克服できるものである。 エ小括以上によれば、本件発明1と乙20発明との相違点に係る構成は、乙20発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性 本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであ きるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性 本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙20発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張)(1) 乙20文献に記載された発明 乙20発明の構成(イ)及び(エ)は乙20文献に記載されておらず、被告らの主張する乙20発明の認定は、少なくとも、その点で誤っている。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙20文献に記載された発明との対比本件発明1と乙20文献に記載された発明との間には、被告らが認める 相違点1及び2の他に少なくとも以下の相違点が存在する。 (相違点A)本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、そのようになっていない点。 (相違点B) コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、ユーザがカット単位で選択した時間に表示される点。 (相違点C) 本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部と重なって表示されるのに対し、乙20文献に記載された発明では、コメントと動画とが別の領域に表示される点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1について 被告らが主張するような慣用技術があるか否かは措くとして、乙20 文献に記載された発明に対して、アノテーションを水平方向に移動するようにする動機付けはない。 違点1について 被告らが主張するような慣用技術があるか否かは措くとして、乙20 文献に記載された発明に対して、アノテーションを水平方向に移動するようにする動機付けはない。 乙20文献に記載された発明は「カット単位でアノテーションしたい時間範囲を選択する」ものである。そのような乙20文献に記載された発明において、アノテーションを水平方向に移動させると、移動によっ てカット単位とは無関係にアノテーションが画面の左端あるいは右端から外れて非表示となってしまう。したがって、乙20文献に記載された発明において、当業者であれば、選択されたカット単位とは無関係にアノテーションが非表示となるような変更を行うことは考えられず、被告らが主張するような慣用技術があったとしても、これを乙20文献に記 載された発明に適用するには阻害要因がある。 よって、相違点1は容易想到な事項ではない。 (イ) 相違点2についてa 主位的主張について乙20文献から文字列が重複表示されることは把握できず、むしろ、 乙20文献の図4の青枠部分によれば、アノテーションは一律に縦に並んで配置されている。 そうすると、乙20文献に記載された発明においてはアノテーションが重複表示されることは想定されていないのであり、被告らが主張するような課題は内在していない。 b 予備的主張について前記aのとおり、乙20文献に記載された発明では、文字列が重複表示されることは想定されておらず、文字列の重複表示による視認性低下という課題がないため、本件周知技術を適用する動機付けもない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙20 文献に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても 相違点1に係る 周知技術を適用する動機付けもない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙20 文献に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても 相違点1に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙20文献に記載された発明 に適用する動機付けはない。 (ウ) 相違点Aについて被告らは、アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情報が本件発明1の「コメント付与時間」に相当すると主張するが、乙20文献には本件発明1の「コメント付与時間」に相当するものはな いし、仮にこれに相当するものがあるとしても、「サーバから端末に送信される」点の記載はない。 被告らの主張を前提にすると、「時間に関する情報」は「表示装置」そのものに保存されているのであるから、「サーバから端末に送信される」ことはあり得ず、相違点Aの存在は明らかである。 (エ) 相違点Bについて被告らは、カット単位で時間を選択したとしても、かかる時間は「コメント付与時間」に相当する情報と対応していると主張するが、本件発明1における「コメント付与時間」とは「コメントが付与された時点に対応する、動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間 である」(構成要件1D)のに対して、「カット単位」は「アノテーションしたい時間範囲」としてユーザによって選択されるものであって(乙20文献の70頁「4.2テキストアノテーション」)、アノテーションを付与した時点とは無関係であるから、乙20文献には「コメント付与時 したい時間範囲」としてユーザによって選択されるものであって(乙20文献の70頁「4.2テキストアノテーション」)、アノテーションを付与した時点とは無関係であるから、乙20文献には「コメント付与時間」に相当する開示はなく、相違点Bは存在している。 (オ) 相違点Cについて 被告らは、乙20発明にはコメントと動画の位置関係について限定はないと述べるが、乙20文献に記載された発明では、アノテーション(コメント)と動画とが別の領域に表示される、という明確な限定がある。被告らは、図4は、あくまで、アノテーションであるコメントと動画の位置関係についての一例にすぎないとも述べるが、動画上にアノテ ーションを表示する旨の開示は乙20文献には一切ないから、相違点Cは存在している。 被告らは、相違点Cは慣用技術の適用により克服できるとも主張するが、あえて動画とアノテーションとを別の領域に表示させる乙20文献において、アノテーションが動画に重なるように表示させる動機付けは ない。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙20文献に記載された発明との相違点に係る構成は、乙20文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものではないから、乙20文献を主引用例とする進歩性欠如の主 張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙20文献を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 5 争点5-5(乙21公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5))について(被告らの主張)(1) 乙21公報に記載された発明ア引用発明の認定 乙21公報には、次の発明が記 5 争点5-5(乙21公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5))について(被告らの主張)(1) 乙21公報に記載された発明ア引用発明の認定 乙21公報には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙2 1発明」といい、下記の(ア)ないし(エ)の構成を、符号に対応させて「構成(ア)」などという。)。 (ア) サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備える動画とテキストを同時に配信するシステムであって、(イ) 動画を再生するとともに、動画上に単数又は複数のテキストを、両者 が同時に見えるように表示する複数の情報端末装置200を備え、(ウ) 単数又は複数のテキストと、動画再生開始時点からの相対時刻情報(当該動画の再生中におけるテキストの再生時刻情報)とを一時的に記憶する表示メモリ272と、(エ) 動画を表示する動画エリアに当該動画を再生して表示するとともに、 再生される動画の動画再生時間に基づいて、表示メモリ272に記憶された情報のうち、動画の動画再生時間に対応する相対時刻に対応する単数又は複数のテキストを表示メモリ272から読み出し、当該読み出されたテキストを、データエリアにスクロールさせるとともに動画の少なくとも一部と重なって表示させる表示制御部270とを有する。 イ乙21発明の認定についての補足説明(ア) 構成(イ)について原告は、乙21公報には「動画上に複数のテキストを、両者が同時に見えるように表示する」ことは開示されていないと主張するが、乙21公報において、テキストが単数でなければならないとの限定はなく、複 数のテキストを表示することも想定できる。 (イ) 構成(ウ)について原告は、乙21公報に「テキストをデータエ が、乙21公報において、テキストが単数でなければならないとの限定はなく、複 数のテキストを表示することも想定できる。 (イ) 構成(ウ)について原告は、乙21公報に「テキストをデータエリアにスクロールさせる」との記載はないと主張する。 しかしながら、乙21公報の【0041】では「データ画像のスクロ ールが可能である」と記載されている。本発明において、「静止画像デー タ」と「テキストデータ」は、ともに「データコンテンツ」の例として列挙されているものであるから(乙21公報の【0003】)、TBS発明においては両データ間に有意な技術的差異は無いものとして扱われていることが明らかである。そうであれば、「データ画像のスクロールが可能」であれば、テキストをデータエリアにスクロールさせることができ ると認定できる。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙21発明との対比本件発明1と乙21発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙21発明の「動画とテキストを同時に配信するシステム」が、本件 発明1の「コメント配信システム」に、「複数のテキスト」が、「第1コメント及び第2コメント」に、「情報端末装置200」が、「端末装置」に、「相対時刻」が、「コメント付与時間」に、「相対時刻情報」が、「コメント情報」に、「表示制御部270」が、「表示させる手段」に、「スクロールさせる」が、「水平方向に移動する」に、それぞれ相当する。 (イ) したがって、本件発明1と乙21発明は次の相違点1で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1)本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると 判定された場合に前記第 それ以外は一致する。 (相違点1)本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると 判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙21発明はかかる構成を備えているか否かが不明な点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 主位的主張 乙21発明は、テキストという文字列の表示位置の相互関係について 何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (イ) 予備的主張 仮に、乙21発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙21発明に対し、本件位置変更慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 (ウ) 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙21発明も、コンピュータの画面に文字列を表示する技術であるこ とから、乙17発明と同様に、本件位置変更周知技術2を適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点1を容易に克服することができる。 ウ原告主張の相違点について(ア) 相違点Aについて 原告は、本件発明1と乙21公報に記載された発明との間に相違点A(本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与されたものであるのに対し、乙21公報に記載された発明で表示されるコメントは、動画の視聴とは無関係に予め用意されたものである点)が存在すると主張し、その根拠として、乙21公報の【0050】にて されたものであるのに対し、乙21公報に記載された発明で表示されるコメントは、動画の視聴とは無関係に予め用意されたものである点)が存在すると主張し、その根拠として、乙21公報の【0050】にて 「映画における登場人物のプロフィール」が表示されていることを指摘している。 しかしながら、かかる記載は、表示形態のごく一例にすぎず、ユーザが動画にコメントを付すことが技術常識に属する技術(周知又は慣用技術)であることに照らせば、乙21公報は、視聴中のユーザから付与さ れるコメントを表示する場合も想定しているものである。 乙21発明は、文字コードからなるデータを扱うという趣旨で「テキスト」という用語を用いているにすぎず、ユーザによって発言されたコメントを排除するものではない。インターネットで公開されるインタラクティブなサービスではテキスト情報の送受信を行う場合、ユーザが投稿したコメントの送受信に容易に拡張可能であることは当業者の常識で ある。したがって、原告が主張する相違点Aは存在しない。 また、本件発明1は、コメントを付与する主体として、ユーザに限定するものではないから、当該動画の配信者等によるコメントの付与も、その技術的範囲に含まれるといえる。 したがって、仮に、乙21発明のコメントが、ユーザにより付与され るものではないとしても、原告が主張する相違点Aは、本件発明1との相違点とはいえない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙21公報に記載された発明との間に相違点B(本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるの に対し、乙21公報に記載された発明では、そのようになっていない点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙21発明における「相対時刻情報」は「コメン ら端末にコメント付与時間が送信されるの に対し、乙21公報に記載された発明では、そのようになっていない点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙21発明における「相対時刻情報」は「コメント付与時間」に相当し、これがネットワークを介してサーバを経由して端末に送られることは開示されているから、相違点Bは存在しない。 (ウ) 相違点Cについて原告は、本件発明1と乙21公報に記載された発明との間に相違点C(コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙21公報に記載された発明では、そのよう になっているか不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙21発明においても、動画再生開始時点からの相対時刻情報が用いられ、これに対応する動画再生時間においてコメントが表示されるから、相違点Cは存在しない。 なお、乙21公報【0051】には、「動画再生開始時点からの相対時刻情報(当該動画の再生中におけるデータコンテンツの再生時刻情報)」 と明記されており、かかる記載から、「相対時刻」が「コメントが付与された時点」であることは明らかである。 (エ) 相違点D及びD’について原告は、本件発明1と乙21公報に記載された発明との間に相違点D(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動す るのに対し、乙21公報に記載された発明では、画像が移動するにすぎず、その移動方向も不明である点)あるいは相違点D’(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において水平方向に移動するのに対し、乙21公報に記載された発明では、画像が移動するにすぎず あるいは相違点D’(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において水平方向に移動するのに対し、乙21公報に記載された発明では、画像が移動するにすぎず、しかも、この移動は動画再生時間と 対応せず、その移動方向も不明である点)が存在すると主張する。 仮に、「スクロール」が「水平方向に移動」を指すか不明であるとしても、コメントを水平方向に移動させる技術は慣用技術であるから、この点をもって本件発明1の進歩性が認められることはない。 エ小括 以上によれば、本件発明1と乙21発明との相違点に係る構成は、乙21発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発 明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙21発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張)(1) 乙21公報に記載された発明被告らが主張する乙21発明の認定は、少なくとも以下の点で誤っている。 ア構成(イ)について乙21公報には、「動画上に複数のテキストを、両者が同時に見えるように表示する」ことは開示されていないから、構成(イ)は記載されていない。 イ構成(エ)について乙21公報には、「テキストを、データエリアにスクロールさせる」こと の記載はないから、構成(エ)は記載されていない。 乙21公報の【0041】に記載されるのは「データ画像」のスクロールであって、「テキスト」のスクロールではない。さらに言えば、画像がスクロールされる方向も不明である 構成(エ)は記載されていない。 乙21公報の【0041】に記載されるのは「データ画像」のスクロールであって、「テキスト」のスクロールではない。さらに言えば、画像がスクロールされる方向も不明である。なお、乙21公報の【0003】には「データコンテンツとは、テキストデータや静止画像データ等である」と の記載があり、「テキスト」と「画像」は明確に区別されているから、【0041】の「データ画像」が「テキスト」を含むと解する余地はない。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙21公報に記載された発明との対比本件発明1と乙21公報に記載された発明との間には、被告らが認める 相違点1の他に少なくとも以下の相違点AないしC及び相違点D又はD’が存在する。 (相違点A)本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与されたものであるのに対し、乙21公報に記載された発明で表示されるコメ ントは、動画の視聴とは無関係に予め用意されたものである点。 (相違点B)本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙21公報に記載された発明では、そのようになっていない点。 (相違点C)コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメン ト及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙21公報に記載された発明では、そのようになっているか不明である点。 (相違点D)本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが水平方向に移動する のに対し、乙21公報に記載された発明では、画像が移動するにすぎず、その移動方向も不明である点。 (相違点D’)本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に 移動する のに対し、乙21公報に記載された発明では、画像が移動するにすぎず、その移動方向も不明である点。 (相違点D’)本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において水平方向に移動するのに対し、乙21公報 に記載された発明では、画像が移動するにすぎず、しかも、この移動は動画再生時間と対応せず、その移動方向も不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1についてa 主位的主張について 乙21公報に記載された発明では、複数のテキストを同時に表示することは想定されていないのであり、被告FC2が主張するような課題を内在していない。 b 予備的主張について前記aのように、乙21公報に記載された発明では、テキストが重 複表示されることは想定されておらず、文字列の重複表示による視認 性低下という課題がないため、本件周知技術を適用する動機づけはない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙21公報に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても相違点1に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙21公報に記載された発明に適用する動機付けはない。 (イ) 相違点Aについて乙21公報(【0050】)において、表示されるデータコンテンツは、映画における登場人物のプロフィールである。映画を視聴中のユーザが登場人物のプロフィールを付与するとは到底考えられず、予め(例えば映画の製作者が)用意 0】)において、表示されるデータコンテンツは、映画における登場人物のプロフィールである。映画を視聴中のユーザが登場人物のプロフィールを付与するとは到底考えられず、予め(例えば映画の製作者が)用意したものと考えるのが相当であるから、相違点A は存在している。 そして、乙21公報に記載された発明において相違点Aに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (ウ) 相違点B及びCについて被告らは、乙21公報の「相対時刻情報」が本件発明1の「コメント 付与時間」に相当すると主張する。しかしながら、乙21公報では、動画を視聴中のユーザからコメントが付与されない(相違点A)から、乙21発明には本件発明1の「コメント付与時間」に対応するものはない。 仮に乙21公報の(動画とともに表示される)「データコンテンツ」が「コメント」に対応するとしても、乙21公報における「相対時刻情報」 は、「データコンテンツの再生時刻情報」(すなわち、動画におけるデー タコンテンツを再生する時点)であって、「データコンテンツが付与された時点」ではない(乙21公報で表示されるデータコンテンツは、映画における登場人物のプロフィールであるが(【0050】)、映画再生中にプロフィールが付与されるとは到底考えられない)。この点からも、乙21公報には本件発明1の「コメント付与時間」に対応するものはないか ら、相違点B及びCが存在するのは明らかである。 そして、乙21公報に記載された発明において相違点B及びCに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (エ) 相違点D及びD’について 被告らは、コメントを水平方向に移動させる技術は慣用技術であるから、この点をもって 発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (エ) 相違点D及びD’について 被告らは、コメントを水平方向に移動させる技術は慣用技術であるから、この点をもって進歩性が認められることはないと述べるが、被告らは、そのような慣用技術があることを示していない。 また、仮に慣用技術があるとしても、乙21公報に記載された発明に適用する動機付けがあることを述べていない。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙21公報に記載された発明との相違点に係る構成は、乙21公報に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものではないから、乙21公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙21公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 6 争点5-6(乙24公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6))につい て (被告らの主張)(1) 乙24公報に記載された発明乙24公報には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙24発明」といい、下記のアないしオの構成を、符号に対応させて「構成ア」などという。)。 ア動画を再生するとともに、前記動画上に単数又は複数のチャットメッセージを表示する表示装置であって、イ前記チャットメッセージを記録するチャットサーバとウ前記動画を表示する領域である第1の表示欄に当該動画を再生して表示する動画再生部と エ前記チャットメッセージを読み出し、当該チャットメッセージを、前記チャットメッセージを表示する領域である第2の表示欄に表示するチャット 表示欄に当該動画を再生して表示する動画再生部と エ前記チャットメッセージを読み出し、当該チャットメッセージを、前記チャットメッセージを表示する領域である第2の表示欄に表示するチャットメッセージ表示部を有するオことを特徴とする表示装置。 (2) 本件発明1の進歩性 ア本件発明1と乙24発明との対比本件発明1と乙24発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙24発明の「複数のチャット」が本件発明1の「第1コメント及び第2コメント」に、「チャットメッセージ」が「コメント」に、「チャットメッセージ」が「コメント情報」にそれぞれ相当する。 (イ) したがって、本件発明1と乙24発明は次の相違点1及び2で相違するが、それ以外は一致する。 (相違点1)本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に移動する」のに対し、乙24発明においては、この点が不明である点。 (相違点2) 本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙24発明は、かかる構成を備えているか否かが不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性(ア) 相違点1について端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である(乙29ないし33、乙1の6添付の非特許文献)。 よって、乙24発明に対し、かかる慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 ラミングの基本技術であり、慣用技術である(乙29ないし33、乙1の6添付の非特許文献)。 よって、乙24発明に対し、かかる慣用技術を適用することにより、相違点1を克服することは容易である。 原告は、乙24公報の図11にはスクロールバーが示されていないことから、乙24公報に記載された発明においては、コメントが移動しない」と認定すべきであると主張するが、図においてスクロールバーが表 示されていないという事情から、直ちにコメントがスクロールできないと判断することはできない。 原告は、乙24公報の図11では、会話が時系列で鉛直方向に並んでいるのだから、仮にスクロールするとしても、水平方向でなく鉛直方向であるため、乙24公報に記載された発明に、コメント水平方向に移動 させる慣用技術を適用する動機付けは無い旨も主張するが、水平方向へのスクロールという技術が、スクロールの代表的な態様であることから、スクロール方向を縦から横に置換することは、当御者において極めて容易に相当する事項であるから、このような動機付けは認められる。 (イ) 相違点2について a 主位的主張 乙24発明は、文字列の表示位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 原告は、乙24発明には上記の課題はないと主張するが、乙24発 明において、文字列を縦に隙間を空けて配置する構成を維持しようとすれば、1つの動画に対して数十人、数百人単位の視聴者がほぼ同時にコメントを付与した際、ひとつひとつのコメントの表示時間が極めて短くなってしまい、視認できなくなってしまう 配置する構成を維持しようとすれば、1つの動画に対して数十人、数百人単位の視聴者がほぼ同時にコメントを付与した際、ひとつひとつのコメントの表示時間が極めて短くなってしまい、視認できなくなってしまう。そうすると、文字列を重複表示するほかなくなることは当業者にとって明らかであるか ら、上記の課題があると当業者は認識することができる。 b 予備的主張仮に、乙24発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙24発明に本件位置変更慣用技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙24発明も、コンピュータの表示画面において、動画を再生するとともに、その動画上に単数又は複数のチャットメッセージを表示する技術であるから、乙17発明と同様に、本件位置変更周知技術2を適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点2を容易に克服 することができる。 ウ原告主張の相違点について(ア) 相違点Aについて原告は、本件発明1と乙24公報に記載された発明との間に相違点A(本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与 されたものであるのに対し、乙24公報に記載された発明で表示される コメントは、そのようになっているか不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙24発明は、ビデオの視聴と視聴者間の文字によるリアルタイムでのコミュニケーションのためのものであるから、そこでのコメントが、動画を視聴中のユーザが付与したものであることは明ら かであり、相違点Aは認められない。 また、本件発明1においては、コメントを付与する主体として、ユーザに限定するものではなく、当該動画の配信者等による 中のユーザが付与したものであることは明ら かであり、相違点Aは認められない。 また、本件発明1においては、コメントを付与する主体として、ユーザに限定するものではなく、当該動画の配信者等によるコメントの付与も、その技術的範囲に含まれるといえる。この点からも、乙24発明は、コメント付与者の観点において、本件発明1と相違しない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙24公報に記載された発明との間に相違点B(本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、そのようになっているのか不明である点)が存在すると主張する。 乙24発明は、ビデオの視聴と視聴者間の文字によるリアルタイムでのコミュニケーションのためのものであるから、かかるリアルタイム性を確保するために、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるものである。そのため、相違点Bは認められない。 (ウ) 相違点Cについて 原告は、本件発明1と乙24公報に記載された発明との間に相違点C(コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、そのようになっているか不明である点)が存在すると主張する。 乙24発明は、ビデオの視聴と視聴者間の文字によるリアルタイムで のコミュニケーションのためのものであるから、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるといえるため、相違点Cは認められない。 (エ) 相違点Dについて原告は、本件発明1と乙24公報に記載された発明との間に相違点D (本件発明1では、第1 応する動画再生時間において表示されるといえるため、相違点Cは認められない。 (エ) 相違点Dについて原告は、本件発明1と乙24公報に記載された発明との間に相違点D (本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、第1の表示欄に動画が表示され、第2の表示欄にチャットメッセージが表示され、動画とチャットメッセージが重ならない点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙24公報の図11を見れば、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されていることが明らかである。したがって、相違点Dは認められない。 エ小括以上によれば、本件発明1と乙24発明との相違点に係る構成は、乙2 4発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメント配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発 明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙24発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張)(1) 乙24公報に記載された発明被告らが主張する乙24発明が、乙24公報のいずれの記載から認定され るのか不明であり、乙24発明の認定は争う。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙24公報に記載された発明との対比本件発明1と乙24公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1及び2の他に少なくとも以下の相違点AないしDが存在する。 また、仮に乙24公報の図11を想定して引用発明を認定するのであれ ば、図 乙24公報に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1及び2の他に少なくとも以下の相違点AないしDが存在する。 また、仮に乙24公報の図11を想定して引用発明を認定するのであれ ば、図11に「スクロールバー116」は示されていないのであるから、被告らが認定する相違点1は正しくは以下の相違点1’のように認定されるべきである。 (相違点1’)本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に 移動する」のに対し、乙24公報に記載された発明においては、コメントが移動しない点。 (相違点A)本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与されたものであるのに対し、乙24公報に記載された発明で表示されるコメ ントは、そのようになっているか不明である点。 (相違点B)本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、そのようになっているのか不明である点。 (相違点C)コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、そのようになっているか不明である点。 (相違点D) 本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されるのに対し、乙24公報に記載された発明では、第1の表示欄に動画が表示され、第2の表示欄にチャットメッセージが表示され、動画とチャットメッセージが重ならない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性 (ア) 相違点1あるいは相違点1’について相違点1につき、被告らは、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平 画とチャットメッセージが重ならない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性 (ア) 相違点1あるいは相違点1’について相違点1につき、被告らは、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術であるとして容易に克服できる旨を主張する。 しかしながら、そのような慣用技術があるか否かは措くとして、乙24公報に記載された発明に対して、チャットメッセージを水平方向に移動するようにする動機付けはない。 また、乙24公報に記載された発明においてチャットメッセージが移動する方向は明記されていないものの、乙24公報に記載された発明で は「スクロールバー116を上下させる」ことによって移動させるのだから、チャットメッセージは上下(鉛直)方向に移動すると考えるのが自然である。 鉛直方向に延びているスクロールバー116を上下させることによって、チャットメッセージが水平方向に移動するのは極めて不自然となる から、当業者であればそのような不自然な画面設計を行うとは考えられず、乙24公報に記載された発明において、チャットメッセージを水平方向に移動するようにするのは阻害要因がある。 よって、相違点1あるいは相違点1’は容易想到な事項ではない。 (イ) 相違点2について a 主位的主張について 文字列が重複表示されることは乙24公報から把握できない。 また、仮に乙24公報の図11を想定して引用発明を認定するのであれば、図11では文字列は縦に隙間を空けて配置されるのであり、そもそも文字列が重複表示されることはない。 そうすると、いずれにしても乙24公報に記載された発明が、被告 らが主張するような課題を内在している では文字列は縦に隙間を空けて配置されるのであり、そもそも文字列が重複表示されることはない。 そうすると、いずれにしても乙24公報に記載された発明が、被告 らが主張するような課題を内在しているとは言えないし、仮に内在しているとしても自明な課題ではない。 被告らは、1つの動画に対して数十人、数百人単位の視聴者がほぼ同時にコメントを付与した際に上記の課題がある旨を述べるが、乙24公報に記載された発明でそのようなことは想定されていない。また、 仮にそのようなことがあったとしても、文字列を重複表示するほかなくなるとは言えない。 b 予備的主張について前記aのように、乙24公報に記載された発明において、文字列の重複表示による視認性低下という課題が把握されないため、本件周知 技術を適用する動機付けはない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙24公報に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても相違点2に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について 乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙24公報に記載された発明に適用する動機付けはない。 (ウ) 相違点AないしCについて 相違点AないしCに関し、被告らは、乙24公報に記載された発明は、 ビデオの視聴と視聴者間の文字によるリアルタイムでのコミュニケーションのためのものであると述べるが、乙24公報にそのような記載はない。 乙24公報には「本発明は、ビデオ番組の視聴者間のビデオ番組及びテキスト通信の同時視聴に関する」(乙24公報の訳文3頁4~5行)や、 のものであると述べるが、乙24公報にそのような記載はない。 乙24公報には「本発明は、ビデオ番組の視聴者間のビデオ番組及びテキスト通信の同時視聴に関する」(乙24公報の訳文3頁4~5行)や、 「特に人気を博したインターネット機能の1つには、ユーザー間のリアルタイムテキスト会話を可能とするものがある。」(同3頁13~14行)との記載があるが、これらの記載を考慮しても乙24公報に記載された発明が「ビデオの視聴と視聴者間の文字によるリアルタイムでのコミュニケーション」とは言えない。したがって、相違点AないしCは存在し ている。 そして、乙24公報に記載された発明において相違点AないしCに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (エ) 相違点Dについて 乙24公報に記載された発明において相違点Dに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙24公報に記載された発明との相違点に係る構成は、乙24公報に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想 到できたものではないから、乙24公報を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙24公報を 主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 7 争点5-7(乙25文献を主引用例とする進歩性欠如(無効理由7))について(被告らの主張)(1) 乙25文献に記載された発明ア引用発明の認定 乙25文献には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙25発明」といい、下記の 効理由7))について(被告らの主張)(1) 乙25文献に記載された発明ア引用発明の認定 乙25文献には、次の発明が記載されている(以下、この発明を「乙25発明」といい、下記の(ア)ないし(オ)の構成を、符号に対応させて「構成(ア)」などという。)。 (ア) 映像を再生するとともに、前記映像上に単数又は複数のコメントを表示する表示装置であって、 (イ) ウインドウ110の下部にあるメッセージ・サブジェクトは、視聴者が視聴しているAV製品のタイムライン・ポイントに実質的に対応する開始時刻を有しており、ストレージ・システム1230は、視聴者が入力したコメント(以下、入力された時間を「コメント入力情報」という。)とともに、AV製品のタイムラインのポイントとの関係に関する情報 (以下「CT関係情報」という)を蓄積する。 (ウ) AV製品を表示する領域であるウインドウ120(図1B)に当該AV製品を再生して表示する動画再生部と、(エ) 前記再生されるAV製品の再生時間に基づいて、ストレージ・システム1230に蓄積されたCT関係情報のうち、前記AV製品のタイムラ インに対応するコメント入力時間に対応するコメントをストレージ・システム1230から読み出し、当該読み出されたコメントを、前記コメントを表示する領域であるウインドウ110及び150に表示するコメント表示部と、を有する(オ) ことを特徴とする表示装置。 イ乙25発明の認定についての補足説明 (ア) 構成(イ)について原告は、構成(イ)において、コメント入力情報を蓄積する点は、乙25文献からは認定できないと主張するが、コメント入力情報に付随するAV製品のタイムラインのポイントとの関係に関する情報(CT関係情報)が は、構成(イ)において、コメント入力情報を蓄積する点は、乙25文献からは認定できないと主張するが、コメント入力情報に付随するAV製品のタイムラインのポイントとの関係に関する情報(CT関係情報)が蓄積されることから(乙25【0059】)、コメント入力情報も蓄積 していると考えられる。 (イ) 構成(エ)について原告は、構成(エ)において、「前記AV製品のタイムラインに対応するコメント入力時間に対応するコメントをストレージ・システム1230から読み出」して表示を行う点は、乙25文献から認定できないと主張 するが、乙25発明の作用上、かかる表示を行うことは明らかである。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙25発明との対比本件発明1と乙25発明とを対比すると、次のとおりとなる。 (ア) 乙25発明と本件発明1は、「映像」が「動画」に、「AV製品」が 「動画」に、「単複数コメント」が「第1コメント及び第2コメント」に、「タイムライン・ポイントに実質的に対応する開始時刻」が「コメント付与時間」に、「タイムラインのポイントとの関係に関する情報」が「コメント情報」に相当する。 (イ) したがって、本件発明1と乙25発明は次の相違点1及び2で相違す るが、それ以外は一致する。 (相違点1)本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に移動する」のに対し、乙25発明においては、この点が不明である点。 (相違点2) 本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が、 前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えている 前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部とを備えているのに対し、乙25発明は、かかる構成を備えているか否かが不明である点。 イ相違点に係る構成の容易想到性 (ア) 相違点1について端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である(乙29ないし33、乙1の6添付の非特許文献)。 よって、乙25発明に対し、かかる慣用技術を適用することにより、相 違点1を克服することは容易である。 (イ) 相違点2についてa 主位的主張乙25発明は、文字列の表示位置の相互関係について何らの限定もないものであるから、文字列の重複表示による視認性低下という課題 が内在する。よって、かかる課題を解決するために本件位置変更公知技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 b 予備的主張仮に、乙25発明について文字列の重複表示による視認性低下という課題が内在する点を措くとしても、乙25発明に本件位置変更慣用 技術を適用することにより、相違点2を克服することは容易である。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張乙25発明も、コンピュータの表示画面において、動画を再生するとともに、その動画上に単数又は複数のチャットメッセージを表示する技術であるから、乙17発明と同様に、本件位置変更周知技術2を 適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点2を容易に克服 することができる。 ウ原告主張の相違点について(ア) 相違点Aについて原告は、本件発明1 周知技術2を 適用する動機付けが強く認められ、これにより相違点2を容易に克服 することができる。 ウ原告主張の相違点について(ア) 相違点Aについて原告は、本件発明1と乙25文献に記載された発明との間に相違点A(本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与 されたものであるのに対し、乙25文献に記載された発明で表示されるコメントは、そのようになっているか不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙25発明において、視聴者がコメントを入力できることは明らかである(乙25文献【0045】)。そのため、相違点Aは 認められない。 また、本件発明1においては、コメントを付与する主体として、ユーザに限定するものではなく、当該動画の配信者等によるコメントの付与も、その技術的範囲に含まれるといえる。したがって、乙25発明は、コメント付与者の観点においても、本件発明1と相違しない。 (イ) 相違点Bについて原告は、本件発明1と乙25文献に記載された発明との間に相違点B(本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、そのようになっているのか不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙25発明においても、コメント付与時間が端末に送信されているから、相違点Bは存在しない。 (ウ) 相違点Cについて原告は、本件発明1と乙25文献に記載された発明との間に相違点C(コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメ ント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間にお いて表示されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、そのようになっているか不明である点 明1では、第1コメ ント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間にお いて表示されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、そのようになっているか不明である点)が存在すると主張する。 しかしながら、乙25文献の【0042】においては、「アウトライン・ウインドウ110の下部にあるメッセージ・サブジェクトは、視聴者が視聴しているAV製品のタイムライン・ポイントに実質的に対応す る開始時刻を有する」とあり、乙25発明においても、コメントが表示されるタイミングについては、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されているといえるから、相違点Cは存在しない。 (エ) 相違点Dについて 原告は、本件発明1と乙25文献に記載された発明との間に相違点D(本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、ウィンドウ120に動画が表示され、ウィンドウ110及び150にコメントが表示され、動画とコメントが重ならない点)が存在すると主張 する。 しかしながら、乙25発明においても、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されているといえるから、相違点Dは存在しない。 エ小括 以上によれば、本件発明1と乙25発明との相違点に係る構成は、乙25発明に、公知技術及び慣用技術を適用することにより、当業者が容易に想到できるので、本件発明1は進歩性を有しない。 (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発 明であるか (3) 本件発明2の進歩性本件発明2は、本件発明1の「サーバ」を「動画配信サーバ」と「コメン ト配信サーバ」に分けただけのものであり、本件発明1と実質的に同一の発 明であるから、前記(2)と同様の理由で、乙25発明から容易に想到できるものである。 (原告の主張)(1) 乙25文献に記載された発明被告らが主張する乙25発明の認定は、少なくとも以下の点で誤っている。 ア構成(イ)について構成(イ)において、コメント入力情報を蓄積する点は、乙25文献からは認定できない。 なお、乙25文献の【0059】には「音声映像作品のためのタイムラインのポイントとの関連付けと共にメッセージを記憶する。」との記載があ る(乙25の訳文13頁最終行ないし14頁1行)。しかしながら、被告らが述べる「コメント入力情報」とは視聴者がコメントを入力した時間であるところ、乙25文献の「タイムラインのポイント」は「視聴者がコメントを入力した時間」とは言えない。 イ構成(エ)について 構成(エ)において、「前記AV製品のタイムラインに対応するコメント入力時間に対応するコメントをストレージ・システム1230から読み出」して表示を行う点は、乙25文献から認定できない。 (2) 本件発明1の進歩性ア本件発明1と乙25文献に記載された発明との対比 本件発明1と乙25文献に記載された発明との間には、被告らが認める相違点1及び2の他に少なくとも次の相違点が存在する。 (相違点A)本件発明1で表示されるコメントは、動画を視聴中のユーザから付与されたものであるのに対し、乙25文献に記載された発明で表示されるコメ ントは、そのようになっているか不明である点。 (相違点B)本件発明1では 動画を視聴中のユーザから付与されたものであるのに対し、乙25文献に記載された発明で表示されるコメ ントは、そのようになっているか不明である点。 (相違点B)本件発明1では、サーバから端末にコメント付与時間が送信されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、そのようになっているのか不明である点。 (相違点C) コメントが表示されるタイミングに関し、本件発明1では、第1コメント及び第2コメントがコメント付与時間に対応する動画再生時間において表示されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、そのようになっているか不明である点。 (相違点D) 本件発明1では、第1コメント及び第2コメントが動画の少なくとも一部に重なって表示されるのに対し、乙25文献に記載された発明では、ウィンドウ120に動画が表示され、ウィンドウ110及び150にコメントが表示され、動画とコメントが重ならない点。 イ相違点に係る構成の容易想到性 (ア) 相違点1について相違点1につき、被告らは、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示することは、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術であるとして容易に克服できる旨を主張する。 しかしながら、そのような慣用技術があるか否かは措くとして、乙25文献に記載された発明に対して、ウィンドウ110及び150に表示されたテキストを水平方向に移動するようにする動機付けはない。 よって、相違点1は容易想到な事項ではない。 (イ) 相違点2について a 主位的主張について 文字列が重複表示されることは乙25文献から把握できない。むしろ、乙25文献の図1Bによれば、ウィンドウ110内にはコメントが互 相違点2について a 主位的主張について 文字列が重複表示されることは乙25文献から把握できない。むしろ、乙25文献の図1Bによれば、ウィンドウ110内にはコメントが互いに隙間を置いて配置され、ウィンドウ150には1行しかコメントが表示されない。 そうすると、乙25文献に記載された発明はコメントが重複表示さ れることは想定されていないのであり、被告らが主張するような課題を内在していない。 b 予備的主張について前記aのように、乙25文献に記載された発明では、文字列が重複表示されることは想定されておらず、文字列の重複表示による視認性 低下という課題がないため、本件周知技術を適用する動機付けはない。 また、乙17公報に記載された発明との相違点1と同様に、乙25文献に記載された発明に本件周知技術に記載された事項を適用しても相違点2に係る本件発明1の構成には至らない。 c 本件位置変更周知技術2に基づく主張について 乙17公報に記載された発明との相違点1について述べたのと同様に、本件位置変更周知技術2は認定できず、仮にそのような本件位置変更周知技術2があるとしても、これを乙25文献に記載された発明に適用する動機付けはない。 (ウ) 相違点AないしCについて 乙25文献に記載された発明において相違点AないしCに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (エ) 相違点Dについて被告らによる認定を前提にすれば、AV製品が図1Bのウィンドウ120に表示され(構成(ウ))、コメントがウィンドウ110及び150に 表示される(構成(エ))から、乙25文献に記載された発明において、コ メントと動画は別個のウィンドウに表示されるのであっ れ(構成(ウ))、コメントがウィンドウ110及び150に 表示される(構成(エ))から、乙25文献に記載された発明において、コ メントと動画は別個のウィンドウに表示されるのであって、これらが重なることはないから、相違点Dは存在している。 そして、乙25文献に記載された発明において相違点AないしCに係る本件発明1の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ小括以上によれば、本件発明1と乙25文献に記載された発明との相違点に係る構成は、乙25文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到できたものではないから、乙25文献を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 (3) 本件発明2の進歩性被告らは、本件発明2の進歩性欠如について具体的な主張を行っていないが、本件発明1と同様の理由により、本件発明2についても、乙25文献を主引用例とする進歩性欠如の主張は理由がない。 8 争点5-8(明確性要件違反(無効理由8))について (被告らの主張)本件発明1の構成要件1Bには「前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1 コメント及び第2コメントを受信し」との記載があり、構成要件1Cには「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」という記載があるが、サーバが受信した コメントを、どのタイミングで端末に送信するかが明らかになっていない。 しかしながら、動画再生時までにコメントが端末で受信出来ていなければ、動画にコメントを重ね合わせて表示することは出来ないのであるから、そのタイミングで無ければ、技術的に不備である。 また、この点、本件明細書の【0008】には、「いずれかの端末装置から前 記コメン にコメントを重ね合わせて表示することは出来ないのであるから、そのタイミングで無ければ、技術的に不備である。 また、この点、本件明細書の【0008】には、「いずれかの端末装置から前 記コメント配信サーバへ送信される毎に当該コメント情報を当該コメント配信 サーバから受信するコメント情報受信部」とあるが、本件発明に係る請求項に「コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信する」旨の記述がなければ、具体的なプログラムが発明の範囲に入るか否かを当業者が理解できない。 したがって、本件発明は、請求項の記載自体が不明確であり、または、発明 特定事項に技術的な不備がある結果、発明が不明確である場合に該当し、特許法36条6項2号の明確性要件に反している。 (原告の主張)コメント送信のタイミングを規定していなくとも、ユーザから付与されたコメントに関するコメント情報を端末に送信する点が規定されているから、発明 の外延は明確であり、明確性要件に違反することはない。 また、技術的な不備が明確性要件に関連するかという点は措くとしても、ユーザから付与されたコメントに関するコメント情報を端末に送信する点が規定されていれば、当業者は技術的にこれを理解することができるから、本件発明には何らの技術的不備もない。 なお、被告らは、本件明細書の【0008】の記載に基づいて、コメントをサーバが受信した「その都度」端末に送信しなければならないと主張しているが、【0008】には、本件出願の原出願(前記第2の2(2)の⑦の出願)の請求項の内容が記載されているにすぎず、本件発明の請求項とは無関係であって、これに従って本件発明が限定されなければならないはずがないから、被告らは 失当である。 9 争 (2)の⑦の出願)の請求項の内容が記載されているにすぎず、本件発明の請求項とは無関係であって、これに従って本件発明が限定されなければならないはずがないから、被告らは 失当である。 9 争点5-9(サポート要件違反(無効理由9))について(被告らの主張)(1) リアルタイム性についてア本件明細書の【0008】には、「また、本発明は、…コメント情報を前 記複数の端末装置のうちいずれかの端末装置から前記コメント配信サーバ へ送信される毎に当該コメント情報を当該コメント配信サーバから受信するコメント情報受信部と、…を有することを特徴する。」と記載されている。 イこれは、明らかに端末装置に関する記述であり、【0004】の「従来技術…リアルタイムでのコメントのやりとりをすることができず、コミュニケーションとしての面白みが十分とはいえなかった。」という記載とあわせ て、「コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信する」と解するべきものである。 ウしかしながら、本件発明に係る請求項をみても、端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するかについての記述がなく、「コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信 する」旨の記述がなければ、リアルタイムでのコメントのやりとりは不可能であるから、この点の記述を欠く本件発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求しており、特許法36条6項1号のサポート要件に違反する。 原告は、【0008】は本件発明とは無関係であると主張するが、本件発 明に関するものである。 (2) コメント非表示機能についてア本件明細書の【0011】には「本発明によれば、…そして、動画に 、【0008】は本件発明とは無関係であると主張するが、本件発 明に関するものである。 (2) コメント非表示機能についてア本件明細書の【0011】には「本発明によれば、…そして、動画に対して入力されたコメント情報のうち、消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにした ので、そのコメントが動画にふさわしくないコメントであるか否かについて、ユーザの意思を考慮した表示をすることができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。」という記載がある。 イしかしながら、本件発明に係る請求項には、端末装置がコメントを表示 することについては記載があっても、表示しないことについての記載はな く、この点の記述を欠く本件発明は、発明の詳細な説明に記載された発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求しており、特許法36条6項1号のサポート要件に違反する。 原告は、【0011】は本件発明とは無関係であると主張するが、【00 11】は「発明の効果」として記載されており、本件発明に関するものである。 (原告の主張)(1) リアルタイム性について被告らは、本件明細書【0008】の記載に基づいて、コメントをサーバ が受信した「その都度」端末に送信しなければならないと主張するが、【0008】には、本件出願の原出願(前記第2の2(2)の⑦の出願)の請求項が記載されているにすぎず、本件発明の請求項とは無関係であって、これに本件明細書の開示が限定されているはずはない。 (2) コメント非表示機能について 被告らは、本件発明はコメント非表示機能を有しないから にすぎず、本件発明の請求項とは無関係であって、これに本件明細書の開示が限定されているはずはない。 (2) コメント非表示機能について 被告らは、本件発明はコメント非表示機能を有しないから、本件明細書【0011】に記載された課題の一部を解決しない旨を主張しているが、これは、当初出願のクレームに対応した発明の課題の記載にすぎず、本件発明の課題とは異なる。分割出願においては、当初出願の発明の課題を解決しなければならないわけではないことは当然である。また、複数の課題の全てを 解決しなくともサポート要件を充足することも明らかである。 争点5-10(実施可能要件違反(無効理由10))について(被告らの主張)(1) リアルタイム性について本件発明に係る請求項には、端末装置が、どのタイミングでコメント情報 を受信するかについての記載がない。 当業者は、サーバと端末がコメント情報を送受信するタイミングが解らなければ、コメントを表示する機能を作成出来ないし、リアルタイム性を確保することは出来ない。 したがって、本件発明は、技術的手段相互の関係が不明確である場合に該当し、特許法36条4項1号の実施可能要件を満たさない。 (2) コメント非表示機能について本件明細書の【0011】には「消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにした」という記載があるが、本件発明に係る請求項には、端末装置がコメントを表示することについては記載があっても、表示しないことについての記載はない。 したがって、本件発明は、一の請求項から発明が把握できない場合に該当し、特許法36条4項1号の実施可能要件を満たさない。 (原告の主張)(1) リアルタイム性につい いての記載はない。 したがって、本件発明は、一の請求項から発明が把握できない場合に該当し、特許法36条4項1号の実施可能要件を満たさない。 (原告の主張)(1) リアルタイム性について前記9(原告の主張)(1)のとおり、本件明細書の【0008】には、本件 出願の原出願の請求項が記載されているにすぎず、本件発明の請求項とは無関係であって、「その都度」コメント情報を送信しなければ発明が実施できないものでないから、本件発明にこの点の実施可能要件違反はない。 (2) コメント非表示機能について前記9(原告の主張)(2)のとおり、コメント非表示機能は本件発明の課題 でなく、これを実施する必要がないから、本件発明にこの点の実施可能要件違反はない。 11 争点5-11(先願要件違反(無効理由11))について(被告らの主張)本件出願に係る発明は、殊更に請求項を分けているが、いずれも、平成18 年12月11日に出願され(特願2006-333851(乙11))、その後 に設定登録された特許第4695583号(乙15。以下「別件訴訟特許2」という。)に係る請求項1ないし3と同一又は実質的に同一であり、本件出願は、別件訴訟特許2と同一の発明についての出願である。 本件出願時に、別件訴訟特許2が登録済みであり、特許法39条2項の協議もできないことから、先に登録された別件訴訟特許2のみが有効であり、本件 特許は無効と解するべきである。 (原告の主張)本件発明は別件訴訟特許2に係る請求項1ないし3の発明とは、少なくとも以下の点で異なっており、同一ではない。したがって、本件特許が、特許法39条により無効となることはない。 ① 別件訴訟特許2に係る請求項1ないし3はいずれも「コメント情報を受信 、少なくとも以下の点で異なっており、同一ではない。したがって、本件特許が、特許法39条により無効となることはない。 ① 別件訴訟特許2に係る請求項1ないし3はいずれも「コメント情報を受信する毎に」なる要件を含むのに対し、本件発明はいずれもそのような要件を含まない点② 本件発明はいずれも第1及び第2コメントが水平方向に移動する旨の要件を含むのに対し、別件特許訴訟特許2に係る請求項1ないし3はいずれもそ のような要件を含まない点 12 争点5-12(分割要件違反による新規性、進歩性欠如(無効理由12))について(被告らの主張)分割出願については、優先権が分割元の特許の日まで遡及し(特許法44条 2項)、分割元の特許が無効となっても当然に分割された出願は影響されないという強力な効果があるため、近時、一定期間ごとに分割等を繰り返して、補正の期限(特許法17条の2第3項)の脱法として用いる濫用事案が指摘されている。 本件特許及び分割元の各特許出願日及び出願経緯は、前記第2の2(2)のとお りである。 そして、前記第2の2(2)の④ないし⑧の出願の出願時の請求項1は、同③の出願の請求項1と同一であり、同⑤ないし⑦の出願において行われた補正は、補正後の同④の出願の請求項1と同一の内容のものであった。 このような出願は、定期的に変更することを前提に、分割元の請求項と同一の分割出願をしておいて、その後の補正により優先権を確保し、時流の流れを みたうえで権利化を図るという特許分割の濫用そのものである。特に、同⑥及び⑦の出願は、上記のとおり、同③の出願1と同一の請求項で出願し、その後、同④の出願と同一の補正をしたが、同④の出願と同一であるという指摘に対しては補正すらせずに拒絶査定に至っている。 特に、同⑥及び⑦の出願は、上記のとおり、同③の出願1と同一の請求項で出願し、その後、同④の出願と同一の補正をしたが、同④の出願と同一であるという指摘に対しては補正すらせずに拒絶査定に至っている。 したがって、主位的には、上記④ないし⑦の出願は濫用的分割出願というべ きであり、予備的には上記⑥及び⑦の出願は濫用的分割出願というべきものであるから、これらの特許出願については特許法44条2項の効果は生じないというべきである。 したがって、本件では、本件出願の出願日を基準に特許法41条1項の優先権が認められるかを検討するべきところ、本件特許の出願日は平成30年10 月29日であり、主位的には上記③の出願について平成25年3月5日付け拒絶理由通知がなされてから60日、予備的には上記⑤の出願に係る特許査定日である平成29年3月28日から30日が経過しており、本件出願は特許法44条1項に定める出願期間を満たさないものである。 そして、本件特許の出願日である平成30年10月29日で判断すれば、本 件発明が、新規性及び進歩性の要件を満たさないことは明らかである。 (原告の主張)被告らが、本件出願について、特許法44条1項に反するとして「濫用的分割出願」などと述べるが、根拠がない。 本件出願は適法な分割出願であるから、本件特許の出願日は平成19年3月 2日(優先日は平成18年12月11日)に遡及する。したがって、本件出願 がされた平成30年10月29日を基準日とする新規性及び進歩性欠如の主張はいずれも理由がない。 13 争点5-13(優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理由13))について(被告らの主張) 本件出願は、特願2006-333850号に基づく優先権を主張し、平成18年12月1 13 争点5-13(優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理由13))について(被告らの主張) 本件出願は、特願2006-333850号に基づく優先権を主張し、平成18年12月11日を優先日として行われている。 しかしながら、この特願2006-333850号の出願は、補正の要件を満たしていない可能性がある。 また、本件原出願が補正の要件を満たさない場合、特許法17条の4及び特 許法施行規則11条の2の3第1号及び2号に規定する優先権主張書面の補正の期間が経過しているため、優先権主張書面の補正は許されず、その結果、本件原出願について、特許法41条1項1号に基づく優先権の主張は許されない。 優先権主張が無効となる場合、本件出願は、新規事項を追加する補正であるから無効である。また、特許に関する登録情報の信用性および画一的判断の必 要の観点から、本件出願の出願日の時点で、新規性及び進歩性が判断されるべきである。 そして、原告は、ニコニコ動画という名称で、本件発明に係る技術を用いたサービスを平成18年12月12日に公開しており、当時の運営会社であるニワンゴはサービス公開後平成19年1月以降積極的にプレスリリースを出して おり、その技術は公知のものとなっている。また、遅くとも、本件特許の出願時点では、別件訴訟特許2の特許の公開により、本件発明は完全に公知技術となっており、本件発明に進歩性は全く存在しない。 (原告の主張)特願2006-333850号の出願は国内優先権の基礎とされた出願であ るから取下擬制されているが(特許法42条1項)、これに基づいて優先権主張 がなされていることは明らかであって、当該出願に被告らの主張する補正要件違反があるか否かは優先権主張に影響しないものである(特許 れているが(特許法42条1項)、これに基づいて優先権主張 がなされていることは明らかであって、当該出願に被告らの主張する補正要件違反があるか否かは優先権主張に影響しないものである(特許法41条1項)。 また、被告らは、本件原出願について補正要件違反があったことを前提として新規性欠如及び進歩性欠如を主張するが、本件原出願について不適法な補正は行われていないから、前提が誤っている。本件出願は適法な分割出願である から、本件特許の出願日は平成19年3月2日(優先日は平成18年12月11日)に遡及する。 14 争点5-14(公序良俗違反(無効理由14))について(被告らの主張)本件出願は、平成30年9月9日に別件訴訟で原告敗訴の第一審判決がされ た後に出願されており、別件訴訟に対応するべくなされたものであることは明らかである。 別件訴訟の第一審判決では、別件訴訟特許2に係る発明は端末からコメント情報を受信する「毎に」端末にコメント情報を送信するところ、被告FC2のプログラムはこの要件を満たさない等として、特許発明の技術的範囲に属しな いと判断されている。 そこで、原告は、別件訴訟の結果を覆すことを目的として、上記の「毎に」の要件を外した本件発明を出願したものであり、本件発明は、特許法32条の「公の秩序」「を害するおそれがある発明」に該当する。 (原告の主張) 被告らの主張は争う。 なお、被告らは、本件発明が別件訴訟特許2のクレームから「毎に」という要件を外しただけだと主張しているが、本件発明は別件訴訟特許2に係る発明とは異なり、システムを規定したクレームであるから、そもそも両者は対象が異なる。また、「毎に」という要件を有しない発明についても本件明細書に開示 されており、これがサポートさ 特許2に係る発明とは異なり、システムを規定したクレームであるから、そもそも両者は対象が異なる。また、「毎に」という要件を有しない発明についても本件明細書に開示されており、これがサポートされていることも、前記9(原告の主張)のとおりである。 別紙5 本件明細書の図面 【図1】 【図2】 【図4】 【図5】 【図8】 【図9】 【図10】

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