主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の,当審における補助参加によって生じた訴訟費用は補助参加人の各負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は第1,2審を通じて被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要本件は,鳥取県東伯郡a町b地区の住民等によって構成される権利能力なき団体である被控訴人が,控訴人に対し,被控訴人と控訴人の前身である動力炉・核燃料開発事業団との間で平成2年8月31日に締結された協定に基づき,同地区内の土地上に存在するウラン鉱帯にかかる堆積残土の撤去を求めた事案である。 1 争いのない事実等(なお,証拠により認定した事実を含む場合は,末尾に当該証拠を掲記する。)次のとおり訂正するほかは,原判決2頁11行目から同8頁13行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決3頁22行目の「乙15の1及び2」の次に「,乙128,129」を加える。 (2) 原判決4頁3行目の「堆積されていた」の次に「(その位置関係は,原判決別紙図面1記載のとおり)」を加える。 2 争点(1) 本件協定書11項「ウラン残土の撤去は,関係自治体の協力を得て,『米』『梨』等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする。」の解釈(2) 被控訴人の撤去請求が信義則違反ないし権利の濫用として許されないか否か 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)について原判決8頁17行目から同15頁6行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 (2) 争点(2)について(控訴人)ア 本件ウラン残土は,もと 1) 争点(1)について原判決8頁17行目から同15頁6行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 (2) 争点(2)について(控訴人)ア 本件ウラン残土は,もともとb地区に天然に存在していたものが探鉱活動により掘り出された捨石であって,当初の借地契約においては土地の原状復帰は行わないことが契約書上明記されており,その所有権は附合により土地所有者に帰属すると解せられ,鉱山保安法令の改正により控訴人に立ち入り制限措置等によりこれを管理する義務が課せられたものであるところ,控訴人は,本件協定により被控訴人に対しこれを撤去することを約し,約するに当たり,「関係自治体の協力を得て」「撤去先を特定」したうえで撤去することとしたもので,控訴人が関係自治体に対して協力を要請しているにもかかわらず,撤去先も決まらないのに本件ウラン残土の撤去を無条件に訴求することは,撤去先の住民をはじめ関係自治体の同意を得ないままに強行搬入を強いるものであって,信義則に反するものである。 イ 控訴人は,本件ウラン残土について鉱山保安法並びに鳥取県及びa町との間で結んだ環境保全協定に基づいて管理等を実施しているが,環境測定の結果や検査結果で環境への安全は確認されており,また,控訴人が提示した和解案は本件ウラン残土を撤去したと同等の良好な状態を実現できるものであるにもかかわらず,被控訴人が控訴人の措置案の安全性等についてのb区住民への説明の申し入れも拒絶し,かたくなに和解案を拒絶し,撤去先も決まらないのに本件ウラン残土全量の撤去を無条件に訴求するのは,撤去先の住民をはじめ関係自治体の同意を得ないままに強行搬入を強いることになるものであって,権利の濫用である。 (被控訴人)ア 控訴人の前記主張は,控訴審の審理が終結直前に至った するのは,撤去先の住民をはじめ関係自治体の同意を得ないままに強行搬入を強いることになるものであって,権利の濫用である。 (被控訴人)ア 控訴人の前記主張は,控訴審の審理が終結直前に至った段階でなされたもので,故意又は重大な過失により明らかに時機に後れたものであり,訴訟の完結を遅延させるものであるから,民事訴訟法157条1項により却下されるべきである。 イ 仮に,主張が許されるとしても,①b捨石堆積場の設置経緯,②その管理の状況,③控訴人提案の和解案の内容のいずれにかんがみても,被控訴人の本件請求が信義則違反ないし権利の濫用となるものではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件協定書11項「ウラン残土の撤去は,関係自治体の協力を得て,『米』『梨』等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする。」の解釈)について次のとおり訂正するほかは,原判決15頁10行目から同25頁21行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決15頁13行目の「乙」の次に「1の1及び2,」を加える。 (2) 原判決20頁25行目の「締結された。」の後に,改行して次を加える。 「シ本件協定締結当時は,動燃人形峠事業所のヒープリーチング施設は稼動中であり,ウラン残土処理に関し施設の改造・補修を必要としなかったために,岡山県,c村と動燃との間で締結されていた昭和54年7月28日付け「動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所周辺環境保全等に関する協定書」(以下「環境保全協定」という。)5条(施設の新増設の計画,その変更については岡山県及びc村の了解を得るものとする旨の規定)の適用はなく,鳥取県側からのウラン残土の同事業所へのヒープリーチング目的の搬入・処理について岡 」という。)5条(施設の新増設の計画,その変更については岡山県及びc村の了解を得るものとする旨の規定)の適用はなく,鳥取県側からのウラン残土の同事業所へのヒープリーチング目的の搬入・処理について岡山県側が難色を示していたものの,上記協定の約定からは,それにつき岡山県及びc村の了解は必要としなかったものである。 しかし,その後同事業所のヒープリーチング施設の運転は休止され,同施設の再稼動には,前記協定書5条及び同協定覚書2条に基づく施設の新増設に関する協議・了解が岡山県との間で必要となった。」(3) 原判決21頁23行目から同22頁9行目までを,次のとおり改める。 「 動燃及び対策会議のこのような共通認識(その時点においては,双方がウラン残土の受入先として想定していた動燃人形峠事業所の存する岡山県が受入れに難色を示していたことから,速やかに岡山県の同意を得て,ウラン残土を撤去することは困難な状況にあるが,いずれは岡山県側との交渉によってウラン残土の搬入受入れへの同意が得られるであろうとの共通認識)と前記のとおり当時はウラン残土の動燃人形峠事業所へのヒープリーチング目的の搬入・処理について環境保全協定の約定からは岡山県等の了解は必要ではなかったこと及び本件協定書の全条項の文言からすると,本件協定書11項は,b堆積場からのウラン残土の搬入受入れについて,受入先として想定されていた動燃人形峠事業所の存する岡山県をはじめとする関係自治体の協力(同意)が得られない限り,動燃(現控訴人)の本件協定書1項に基づくウラン残土の撤去義務は生じない,すなわち,動燃のウラン残土撤去義務は関係自治体の協力(同意)が得られることを停止条件として発生するものと解することはできないし,また,関係自治体の協力(同意)が得られない限り撤去義務の履行期は ,すなわち,動燃のウラン残土撤去義務は関係自治体の協力(同意)が得られることを停止条件として発生するものと解することはできないし,また,関係自治体の協力(同意)が得られない限り撤去義務の履行期は永久に到来しないと解することもできず,被控訴人と動燃の双方ともにそのような認識のもとに本件協定を締結したとは認められない。 本件協定書11項は,動燃にウラン残土撤去義務があることを前提に,これを円満に実施するためには,当時受入先として想定していた動燃人形峠事業所の存する岡山県等関係自治体の協力(同意)を得ることが必要であるとの認識のもとに,動燃のウラン残土撤去義務の履行期を岡山県等関係自治体の協力(同意)が得られたときと定め,仮に,この協力(同意)が得られない場合には,相当の期間の経過によりウラン残土撤去義務の履行期が到来するものとする不確定期限を定めたものと解すべきである。」(4) 原判決22頁11行目の「主張する」の次に「ので,更に付言する。」を加え,同12行目の「しかし,」を削除する。 (5) 原判決22頁16行目の「(現に,」から同21行目の「である。)」までを削除する。 (6) 原判決23頁24行目の「本件協定書」から同25行目の「検討する。」までを,「ウラン残土撤去義務の履行期の到来の有無について検討する。」と改める。 (7) 原判決24頁22行目の「同月9月」を「同年9月」と改める。 (8) 原判決25頁3行目の「功を奏さず」を「効を奏さず」と改める。 (9) 原判決25頁5行目の「認められる。」の後に,改行して次を加える。 「 前記ウラン残土のh町内の県有地での保管案,a町qのiでの保管案等は,前記のとおり動燃人形峠事業所のヒープリーチング施設の運転が休止され,同施設の再稼動には,環境保全協定5条及 次を加える。 「 前記ウラン残土のh町内の県有地での保管案,a町qのiでの保管案等は,前記のとおり動燃人形峠事業所のヒープリーチング施設の運転が休止され,同施設の再稼動には,環境保全協定5条及び同協定覚書2条に基づく施設の新増設に関する協議・了解が岡山県との間で必要となり,その了解が得られないため,代替案として検討が進められたものであり,そのことは本件協定の前記解釈に影響を及ぼすものではない。 また,控訴人は,ウラン残土撤去義務を履行することができない理由として,ウラン残土はウラン鉱物(放射性物質)を含むものであり,我が国民の原子力に関する意識からして,しかるべき管理が可能な一定の敷地を必要とし,しかも,地元住民はじめ関係自治体の搬入についての同意がなければ,およそその撤去は社会通念上不可能なものである旨主張するのであるが,本件協定書11項の義務は本来動燃が本件協定に基づき負っている義務であり,ウラン残土の現時点における放射線量等からすると,ウラン残土の搬入について,これを円満に実施するためには地元住民等の同意が事実上必要であることは推認し得るところではあるが,これが法的な制約となるとまでは認めるには至らないし,撤去義務の履行が法的ないし社会通念上不能であるとまでは認めるには至らない。」(10) 原判決25頁6行目の「以上」から同19行目の「べきである。」までを次のとおり改める。 「 以上認定のとおり,動燃による働きかけにもかかわらず,結果として,岡山県等関係自治体の協力(同意)は得られておらず,これを得られる見込みがあるともいえない状況に至っており,本件協定締結時点では,動燃と被控訴人とは,撤去作業に1年以内に着手することを念頭においていたことも考慮すると,本件協定締結後10年経過した時点では,本件協定書11項に ともいえない状況に至っており,本件協定締結時点では,動燃と被控訴人とは,撤去作業に1年以内に着手することを念頭においていたことも考慮すると,本件協定締結後10年経過した時点では,本件協定書11項により定められたと解される相当期間は経過したものというほかないのであって,控訴人のウラン残土撤去義務の履行時期は既に到来しているというべきである。 また,撤去対象の特定の点については,本件協定当時において動燃と被控訴人との間では共通の理解が存しており,本件訴訟における厳密な意味での特定が原審における審理中になされたとしても,撤去義務に関する前記判断を左右するものではない。」 2 争点(2)(被控訴人の撤去請求が信義則違反ないし権利の濫用として許されないか否か)について被控訴人は,控訴人の当該主張を時機に後れたものとして却下すべきであると主張するが,同主張は訴訟の完結を遅延させるものとは認められないから,被控訴人の同主張は採用できない。 被控訴人は控訴人に対し,本件協定によるウラン残土の撤去請求権を有しているのであり,前記のとおり同請求権の履行期は既に到来しているのであるから,控訴人の主張を考慮するとしても,本件請求が信義則違反あるいは権利の濫用に該当するものではないことは明らかである。 3 よって,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 広島高等裁判所松江支部裁判長裁判官廣田聰裁判官吉波佳希裁判官植屋伸一(参考原審判決) 主文 1 被告は,原告に対し,別紙残土目録記載1ないし3のウラン残土を撤去せよ。 裁判官植屋伸一(参考原審判決) 主文 1 被告は,原告に対し,別紙残土目録記載1ないし3のウラン残土を撤去せよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,鳥取県東伯郡a町b地区の住民等によって構成される団体である原告が,被告に対し,原告と被告の前身である動力炉・核燃料開発事業団との間で平成2年8月31日に締結された協定に基づき,同地区内の土地上に存在するウラン鉱帯に係る堆積残土の撤去を求めた事案である。 1 争いのない事実等(なお,証拠により認定した事実を含む場合は,末尾に当該証拠を掲記した。)(1) 当事者等ア原告は,鳥取県東伯郡a町b地区(以下「b地区」という。)の住民等によって構成される権利能力なき社団である(甲1,弁論の全趣旨)。 イ被告は,核燃料サイクル開発機構法(旧動力炉・核燃料開発事業団法,平成10年10月1日名称変更の上施行)に基づき,昭和42年10月2日,当初,動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)として設立され,平成10年10月1日施行の法改正に伴い,動燃から移行した法人である。 被告の法律上の目的は,「原子力基本法に基づき,平和の目的に限り,高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理並びに高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発を計画的かつ効率的に行うとともに,これらの成果の普及等を行い,もって原子力の開発及び利用の促進に寄与すること」にあるとされている(核燃料サイクル開発機構法1条)。 分に関する技術の開発を計画的かつ効率的に行うとともに,これらの成果の普及等を行い,もって原子力の開発及び利用の促進に寄与すること」にあるとされている(核燃料サイクル開発機構法1条)。 被告は,岡山県苫田郡c村d番地にいわゆる人形峠環境技術センターを所有するが,同センターは,従前,動力炉・核燃料事業団人形峠事業所(以下「動燃人形峠事業所」という。)であったものが,上記法改正に伴い,「核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センター」として引き継がれたものである。 (2) 本件協定締結に至る経緯ア昭和30年代,動燃(昭和42年以前は,前身の原子燃料公社)は,人形峠周辺の鳥取県及び岡山県の地域で,ウランの探鉱のための試掘を行った(甲14)。b地区においても試掘は行われ,その結果発生したウラン鉱石以外の岩石や土砂(以下「捨石」ということがある。)が,b地区内の坑口付近に堆積していた(以下,b地区内の捨石堆積場について,「b捨石堆積場」ということがある。)。 イ動燃は,試掘を行うに際し,地権者との間で使用期間を20年間とする土地使用等の契約を締結したが,昭和53年に使用期間の満了により,捨石はそのままの状態で地権者にいったん土地を返還した。しかし,その後,動燃は,中国四国鉱山保安監督部から捨石堆積場の管理強化の指導を受け,昭和63年及び平成2年に,地権者との間で当該土地の賃貸借契約(いずれも期間3年間)を締結し,平成8年には,借地期間が満了するため,原告及び地権者に契約の更新を申し入れたところ,原告から契約の更新はできないが引き続き現状のまま動燃がb捨石堆積場の管理を行うことを認める旨の回答を受けた。このようにして,動燃は,昭和30年代以降現在に至るまで,b捨石堆積場を管理してきた(甲6の1及び2,乙15の1及び2) き続き現状のまま動燃がb捨石堆積場の管理を行うことを認める旨の回答を受けた。このようにして,動燃は,昭和30年代以降現在に至るまで,b捨石堆積場を管理してきた(甲6の1及び2,乙15の1及び2)。 ウ b捨石堆積場は,鳥取県東伯郡a町大字b字elないしm番,同n番oないしp,同q番rないしs,同tないしu番及び同字fv番に位置し,全体面積は,約3万3000平方メートルである。 本件訴訟において問題となっている,1号坑口,下1号坑口及び2号坑口は,b捨石堆積場内にあり,それぞれの坑口からの捨石は,1号坑堆積場,2号坑堆積場及び貯鉱場跡(保管場)等に堆積されていた。 エ昭和63年8月15日,岡山県g地区の捨石堆積場で高レベルの放射能が検出されたとの報道があり,中国四国鉱山保安監督部が,鉱業権者である動燃に対し,鳥取県及び岡山県内の核原料物質鉱山における捨石堆積場の総点検を指示した。 上記総点検の結果を受けて,鳥取県は,動燃に対し,平成元年5月22日,b捨石堆積場内の貯鉱場跡の捨石を全量撤去することを要請した。 動燃は,鳥取県に対し,平成元年6月27日,撤去を承諾するとともに,その実施に当たっては詳細な技術的検討を加え,地元に十分な説明を行う旨回答した。 その後,原告と動燃との協議の結果,原告の将来にわたっての不安を抜本的に解消するため,平成2年8月31日,原告と動燃との間で(ただし,原告側は,原告の通称である「a町b地区自治会」との名義を使用していた。),b捨石堆積場に堆積した捨石のうち,1号坑及び2号坑のウラン鉱帯に係る堆積残土(以下「ウラン残土」という。)を被告が全量撤去する旨の協定が成立し(以下「本件協定」という。),「ウラン残土の撤去に関する協定書」と題する文書(以下「本件協定書 び2号坑のウラン鉱帯に係る堆積残土(以下「ウラン残土」という。)を被告が全量撤去する旨の協定が成立し(以下「本件協定」という。),「ウラン残土の撤去に関する協定書」と題する文書(以下「本件協定書」という。),「ウラン残土の撤去に関する覚書」と題する文書(以下「本件覚書」という。)及び「ウラン残土の撤去に関する確認書」と題する文書(以下「本件確認書」という。)がそれぞれ作成された。 また,同日,原告と動燃との間で,本件協定に係るウラン残土の堆積量が,約3000立方メートルであることが確認された。 (3) 本件協定書等の文言等ア本件協定書(甲3の1)について本件協定書は,冒頭に,「ウラン残土の撤去に関する協議の結果,次の1項を確認し,調印する。1 本協定の調印は,関係機関の決裁処理を得た上で行うものとする。」との記載があり,この記載に続いて,「ウラン残土の撤去に関する協定書」との表題の記載がある。 上記表題に続いて,「a町b地区自治会(以下「甲」という。)と動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所(以下「乙」という。)はウラン残土の撤去に関し次の条項(覚書及び確認書を含む)に従い実施することに合意し,協定書を締結する。」との記載があり,この記載に続いて,下記1ないし17の各条項の記載がある。 記 1 乙は,b1号坑及び2号坑のウラン鉱帯にかかわる堆積残土を全量撤去する。 2 甲は,ウラン鉱帯部分の残土が適確に撤去されるため,両者了解の上,必要に応じ現場に立入り,監視及び調査のうえ問題点の指摘,助言を行う,乙はこれにより対処するものとする。 3 鉱帯部分の残土を全量撤去した段階で乙と甲はその後の残土の取扱について協議し,乙は,甲の意見を尊重の り,監視及び調査のうえ問題点の指摘,助言を行う,乙はこれにより対処するものとする。 3 鉱帯部分の残土を全量撤去した段階で乙と甲はその後の残土の取扱について協議し,乙は,甲の意見を尊重の上対処する。 4 残土撤去及び堆積場にかかわる必要な措置については乙は,甲の合意了解に基づき実施するものとする。 5 残土撤去にかかわる費用負担の一切は乙の責任とする。 6 残土撤去,運搬作業に於ける安全対策は,万全を期するものとする。 7 堆積場の土地賃貸契約については,甲が残土の撤去状況,その後の管理条件等を総合判断し,周辺の環境等において放射能による不安はひとまず改善されたものとする時点で地権者の意志を確認の上,乙と契約期間,賃貸料等話し合い決定する。 8 堆積場の管理責任の総ては乙にあり,今後法規制の改定等を含めなんらかの問題が生じた場合は改めて残土の撤去等適切に対処するものとする。 9 ウラン残土の堆積による地区住民の健康障害,環境汚染等の不安を解消するため,乙は,甲の要請に基づき,実態調査及び健康相談等実施する。 10 乙の責任に帰すべき事由により,甲に対し損害を与えたことが明らかになった場合,乙は,損害賠償を含め責任ある対応を行うものとする。 11 ウラン残土の撤去は,関係自治体の協力を得て,「米」「梨」等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする。 イ本件覚書(甲3の2)について本件覚書は,冒頭に,「a町b地区自治会(以下「甲」という。)と動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所(以下「乙」という。)はウラン残土の撤去に関する協定書に付随して,次の通り覚書を締結する。」との記載があり,この記載に続 町b地区自治会(以下「甲」という。)と動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所(以下「乙」という。)はウラン残土の撤去に関する協定書に付随して,次の通り覚書を締結する。」との記載があり,この記載に続いて,下記1ないし4の各条項の記載がある。 記 1 協定書1項のウラン鉱帯部分の堆積量は,約3,000‰と推計される。 2 協定書9項の健康相談等(健康診断含)とは,元鉱山労働者については乙が実施し,地区住民についてはa町が実施する。 3 堆積場の無契約期間に於ける賃貸料等については,乙は別途地元地権者と話し合い,円満に解決を図るものとする。 4 甲と乙は,堆積場にかかわる諸事項について誠意をもって協議し,円満に解決を図るものとする。 ウ本件確認書(甲3の3)について本件確認書は,冒頭に,「a町b地区自治会(以下「甲」という。)と動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所(以下「乙」という。)はウラン残土の撤去に関する協定書締結にかかわる経緯等について次の事を確認する。」との記載があり,この記載に続いて,本件協定締結に至る経緯等に関する内容の記載がある。 エ本件覚書において確認されたウラン残土約3000立方メートルについては,当初,「1号坑及び2号坑のウラン鉱帯に係る堆積残土(ウラン鉱帯部分の残土)」という形で特定されていたが,平成8年4月30日ころまでには,原告と動燃との間で,おおむね以下のとおりの内容であることが黙示的に合意されていた。 撤去量推計3000立方メートル① 貯鉱場跡(保管場)に堆積する残土約290立方メートル② 1号 推計3000立方メートル① 貯鉱場跡(保管場)に堆積する残土約290立方メートル② 1号坑堆積場及び2号坑堆積場に堆積する残土(試験選別結果による地表面0.3マイクロシーベルト毎時以上のもの)約2100立方メートル③ 堰堤付近(1号坑かん止堤上部及びかん止堤間)に堆積する残土約550立方メートル(4) 本件訴訟に至る経緯ア原告は,平成12年8月28日付け内容証明郵便にて,被告に対し,本件協定締結から約10年が経過したが,ウラン残土の撤去が実現しておらず,依然として被告によって放置されたままであるとして,本件協定に基づきウラン残土の撤去を求める旨の申入れをした(甲6の1。以下「本件申入れ」という。)。 イ本件申入れに対し,被告は,平成12年9月25日付け内容証明郵便にて,原告に対し,本件協定書は,関係自治体の協力という条件が付記された契約であり,この条件が未だに充たされていない現状においては,ウラン残土を撤去できる状況には至っておらず,具体的な撤去時期等を明示することはできない旨の回答をした(甲6の2。以下「本件回答」という。)。 ウそこで,原告は,平成12年11月7日,本訴を提起した(当裁判所に顕著)。 (5) ウラン残土の特定本件協定に基づく被告の撤去義務の対象となっているウラン残土の範囲は,別紙残土目録記載1ないし3のとおりである。 2 争点本件協定書11項の解釈 3 争点(本件協定書11項の解釈)に関する当事者の主張(1) 原告ア(ア) 本件協定 土の範囲は,別紙残土目録記載1ないし3のとおりである。 2 争点本件協定書11項の解釈 3 争点(本件協定書11項の解釈)に関する当事者の主張(1) 原告ア(ア) 本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が,ウラン残土撤去義務履行の停止条件であることは争う。 本件協定書11項は,「ウラン残土の撤去は,一日も早く完了するものとする。」との点に眼目があるのであって,その文言上からも,動燃の努力目標,道義的な確認事項を定めたにすぎない。同協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言は,同項文末の「一日も早く完了する」にかかっているのであって,同協定書1項に記載された法的義務の効力の発生を制限する文理的関連も内容的関連もない。 (イ) 当事者間における合意等に関し,その合意内容を証する書面の記載を解釈する場合,その解釈基準となるのは,社会通念と当事者の合理的意思である。 停止条件とは,法律行為の効力発生を将来の不確実な事実の成否にかからしめるものであるから,効力の発生,未発生を画する重要な事項であり,通常,法律行為の効力と一体となって記載される。 本件協定書においても,「関係自治体の協力を得て」との文言が停止条件であるならば,この文言は,同協定書1項の「ウラン鉱帯にかかわる堆積残土を全量撤去する。」の前に,又はただし書として記載されるのが自然である。 この点,本件協定書は,1項において,動燃の法的義務を明確に規定した上で,2項以下において,残土撤去の準備,方法,費用等の細目的な事項について定めている。このように同協定書1項の法的義務を前提として,2項以下が定められる構成となっており,11項において,突然,1項の法的義務を制限する条項が記載され 備,方法,費用等の細目的な事項について定めている。このように同協定書1項の法的義務を前提として,2項以下が定められる構成となっており,11項において,突然,1項の法的義務を制限する条項が記載されているものとは解釈できない。 (ウ) 本件協定書11項は,「動燃が早急に撤去する関係で必要となるべき措置はすべて取る。」という道義的な確認条項以上の意味を与えられない。 本件協定書1項の撤去義務を停止条件にかからしめる内容の表現は,本件覚書,本件確認書にも一切記載がない。同協定書11項の文言が,1項の効力を左右する停止条件とすれば,本件協定書の中身を更に具体化したり,交渉の経過を明らかにした関係文書中に,当然「いつまでに協力を得るのか」「どの自治体に協力を得るのか」などの記載があるのが当然である。 これまで,動燃又は被告は,原告に対し,本件協定が停止条件付きであるとの説明をしたことはなく,本件回答において,初めて主張されたものである。 本件協定締結時においては,原告,原告を代表・代理して交渉に当たっていた動燃人形峠放射性廃棄物問題対策会議(以下「対策会議」という。),動燃とも,岡山県が搬入拒否の姿勢を示していることが,ウラン残土撤去の法的障害になるとは考えていなかった。もともと,動燃人形峠事業所は,人形峠周辺のウラン鉱を核燃料にするために設置運営されている事業所であって,ウラン鉱山が,たまたま岡山県と鳥取県とにまたがって存在することから,それぞれから掘り出されたウラン鉱を加工してきたのである。 同じ人形峠周辺で出たウラン鉱を,岡山県側だけ処理し,鳥取県側は処理しないというような運営は,動燃人形峠事業所を設置した目的からも許されないことであり,国の費用をかけて事業所を設置し,その補助金を 同じ人形峠周辺で出たウラン鉱を,岡山県側だけ処理し,鳥取県側は処理しないというような運営は,動燃人形峠事業所を設置した目的からも許されないことであり,国の費用をかけて事業所を設置し,その補助金を岡山県は受領しながら,鳥取県側のウラン鉱の処理を拒むことはできない。その処理のためだけに,新たに鳥取県側に施設を作れということは,理不尽な要求であることは明らかであったので,対策会議も動燃も岡山県知事の議会答弁を本気で取り上げてはいなかったのである。 被告は,動燃又は被告は,本件協定書等に従い,誠心誠意を尽くし,関係自治体の協力を得るべく,努力(義務の履行)をしたが,b地区のウラン残土については,関係自治体の協力が得られていない旨主張するが,これまでの間,動燃又は被告において,岡山県に対し,何らの搬入要請もしていない。 (エ) 以上のとおり,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言は,本件協定書の構成,記載文言等に照らすと,明らかに1項記載の撤去義務の停止条件には当たらない。 本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が,停止条件に当たるとしても,動燃又は被告は,その前提となるべき義務を履行せず,長期間を無為に経過させているのであり,被告において停止条件の存在を主張することは信義則に反し許されない。 イ仮に,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が,法律上何らかの効果のあるものであるといえるとしても,それは,関係自治体の協力を要請するのに必要な合理的期間について原告が動燃に対し期限の猶予をしたものというべきである。 そして,その合理的期間とは,本件協定書11項に「関係自治体の協力を得て,「米」「梨」等の収穫期までに着手し」とあるように,1年間を越えることは し期限の猶予をしたものというべきである。 そして,その合理的期間とは,本件協定書11項に「関係自治体の協力を得て,「米」「梨」等の収穫期までに着手し」とあるように,1年間を越えることは想定されていないところ,本件協定締結から10年以上が経過し,動燃又は被告が関係自治体の協力を得るのに必要な合理的期間は既に経過している。 よって,上記期限の猶予はなくなっており,被告は直ちにウラン残土を撤去しなければならない。 ウまた,仮に,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が,法律上何らかの効果のあるものであるといえるとしても,それは,不確定期限を定めたものというべきである。 そして,本件協定書11項に「関係自治体の協力を得て,「米」「梨」等の収穫期までに着手し」とあるように,「米」「梨」等の収穫期(平成2年9月中)までに関係自治体の協力が得られなければ,関係自治体の協力が得られないことに確定したというべきである。 あるいは,本件協定締結から既に10年間が経過した時点においては,関係自治体の協力を得るための合理的期間は既に過ぎており,その時点で協力が得られないというのであれば,もはや協力が得られないことに確定したといわざるを得ない。 よって,上記不確定期限は到来し,被告は直ちにウラン残土を撤去しなければならない。 (2) 被告ア本件協定書11項には,「関係自治体の協力を得て」との文言があり,これは停止条件に当たる。かかる停止条件が付加されているのは,日本国民の原子力に関する特別の国民感情,これを受けての関係自治体の対応からして,撤去先の住民を始め関係自治体の協力(容認)が得られなければ,ウラン残土を撤去することは不可能であるからである。 このことは,平成2年 別の国民感情,これを受けての関係自治体の対応からして,撤去先の住民を始め関係自治体の協力(容認)が得られなければ,ウラン残土を撤去することは不可能であるからである。 このことは,平成2年から平成8年までの動燃人形峠事業所への搬出,平成8年の鳥取県h町の県有地保管,平成10年の鳥取県a町のi保管及び平成12年のサイクル機構人形峠環境技術センターにおける実証試験の実施の提案が,いずれも搬出先の関係自治体の協力が得られずに実現できないまま今日に至っていることからも明らかである。 また,「関係自治体の協力」が,撤去義務履行の停止条件であることは,本件協定書11項の成立の経緯からも明らかである。 本件協定書11項成立の経緯は以下のとおりである。 (ア) 本件協定の締結に当たり,撤去時期をどのように記載するかは,動燃と対策会議の重要課題であった。 当初,平成2年1月24日,対策会議から提示された協定書原案では,撤去開始時期が,「2月中旬」とされていたが,動燃としては,平成元年9月28日に岡山県知事が,「鳥取県で危ないと思われるようなものを岡山県が受け入れることは考えられない。」と議会で答弁していることから,岡山県の了解は直ちには得られないと考え,この原案は受け入れられないとしたところ,対策会議は,平成2年2月2日,撤去開始時期を空欄とした対案を示した。 (イ) 平成2年2月7日,動燃は,「撤去作業の開始は,撤去したものの(動燃人形峠事業所でのヒープリーチング処理等の)処理方法が決まることを前提とする。甲(b地区自治会),乙(動燃)は処理方法が決まるようそれぞれ努力するものとする。」との案を提示したが,対策会議は,具体的に「3月上旬」とか「可及的速やかに」とするよう要求した。これに対し,動燃は, 甲(b地区自治会),乙(動燃)は処理方法が決まるようそれぞれ努力するものとする。」との案を提示したが,対策会議は,具体的に「3月上旬」とか「可及的速やかに」とするよう要求した。これに対し,動燃は,「期日を入れるのは地元を欺くことになる」として対立し,これ以降数回の交渉が行われたが,動燃の「撤去作業の開始は,処理方法が決まることを前提とする。」との主張と対策会議の「可及的速やかに」との主張が対立していた。 (ウ) 平成2年6月13日,動燃は,「乙(被告)は残土の撤去を可及的速やかに行うものとする。但し,撤去作業の開始は,撤去する残土の処理方法が決まることを前提とする。甲(b地区自治会)及び乙は処理方法が決まるようそれぞれ努力する。」との案を提示したが,了解には至らなかった。 (エ) このように,撤去時期をどのように協定書に記載するかが焦点となっていたところ,平成2年7月7日の交渉(報道各社に公開)において,対策会議は,本件協定の元になる仮協定の調印を迫り,この中で対策会議から,「11項については,今回新たに提示する文言である。撤去の時期をいつにするかは適当な表現がなかったが,去る6月19日の動燃人形峠事業所長が言ったことをそのまま載せることにした。」として,本件協定書11項の文言が提案された。 この際,対策会議は,「本協定の調印に当たっては,関係機関(関係する関係自治体,官庁等)の決裁処理を得た上でないと協定が発効しないことを担保することを条件」に執拗に仮協定書に押印することを迫り,仮協定として調印がなされた。 平成2年6月19日の交渉(報道各社に公開)の際の上記所長発言は,対策会議が,「いつ撤去するのか見通しを示せ。9月から11月の間に撤去せよ。」と迫ったのに対し,同所長が,「関係自治体(鳥取県・岡山県・a 年6月19日の交渉(報道各社に公開)の際の上記所長発言は,対策会議が,「いつ撤去するのか見通しを示せ。9月から11月の間に撤去せよ。」と迫ったのに対し,同所長が,「関係自治体(鳥取県・岡山県・a町・c村)の御理解が得られるよう努力する。」と述べたものである。 (オ) 以上のように,仮協定書11項の「関係自治体の協力」が,撤去の条件であり,この趣旨は,平成2年8月31日に調印された本件協定書が,同年7月7日の仮協定書と,冒頭文の2,3項を除き,同一内容で,a町長の立会いの下に私印を公印に改めて調印されていることに照らし,本件協定書にも引き継がれていることは明らかである。 イ停止条件としての「関係自治体の協力を得て」との文言のうち,「関係自治体の協力」とは,まず,ウラン残土の搬出先となる県,市町村等の協力(容認)を意味し,かかる搬出先の協力(容認)が得られた後は,b地区における撤去工事と搬出先への搬出を行うために必要となる搬出元たる鳥取県及びa町の協力を意味する。 動燃又は被告は,現在まで,この停止条件が成就されるよう,誠心誠意を尽くし,搬出先となる県,市町村等の協力(容認)を得るべく努力をしてきた。 しかし,①平成2年から平成8年にかけての岡山県内にある動燃人形峠事業所(現人形峠環境技術センター)への搬入に関しては,岡山県の協力が得られず,②平成8年から平成9年にかけての鳥取県h町の県有地保管に関しては,鳥取県の協力は得られたものの,h町の協力が得られず,③平成9年から平成11年にかけての鳥取県a町のi保管に関しては,鳥取県及びa町の協力を得て進めていたものの,i所在地区の住民の反対により,最終的にa町の協力が得られず,④現在提案している人形峠環境技術センターにおける実証試験計画(b地区に袋詰めしてあ しては,鳥取県及びa町の協力を得て進めていたものの,i所在地区の住民の反対により,最終的にa町の協力が得られず,④現在提案している人形峠環境技術センターにおける実証試験計画(b地区に袋詰めしてあるウラン残土約290立方メートルを使用)については搬出先となる岡山県の協力が得られていない(同計画においては,約3年間の実証試験終了後に,ウラン残土約3000立方メートルの措置を決めることとしているので,この措置を決めるに当たっては,鳥取県,岡山県等の協力が必要となる。)のである。 このように,現時点では,動燃又は被告の努力にもかかわらず,b地区に存在するウラン残土について関係自治体の協力が得られていないのであって,被告において停止条件の主張をすることが信義則に反するとはいえない。 ウしたがって,原告の本件協定に基づく本訴請求は,停止条件未成就により失当である。 第3 証拠本件訴訟記録中の書証目録及び証人等目録の記載を引用する。 第4 当裁判所の判断 1 まず,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言の法的意義について検討する。 (1) 上記争いのない事実等並びに証拠(甲3の1ないし3,7,8の1,9ないし12,18,22,23,27の1ないし3,乙3ないし5の各1及び2,10の1ないし3,21,31の1及び2,81ないし94,証人A,同B,同C,同D)及び弁論の全趣旨を総合すると以下の事実が認められる。 ア動燃は,昭和30年代,人形峠周辺の鳥取県及び岡山県の地域で,ウランの探鉱のための試掘を行った。b地区においても試掘は行われ,その結果発生したウラン鉱石以外の岩石や土砂(捨石)が,b地区内の坑口付近に堆積しており(全量約1万6000立方メートル),b地区内の捨石が堆積された場所の全体面積は,約3 においても試掘は行われ,その結果発生したウラン鉱石以外の岩石や土砂(捨石)が,b地区内の坑口付近に堆積しており(全量約1万6000立方メートル),b地区内の捨石が堆積された場所の全体面積は,約3万3000平方メートルにわたっていた。 イ昭和63年8月15日,岡山県g地区の捨石堆積場で高レベルの放射能が検出されたとの新聞報道がなされた。 その後,同月19日,地元住民や旧社会党鳥取県本部,労働組合関係者などによって構成される対策会議が結成され,四大闘争目標(①残土の全量撤去,②実態調査の実施,③旧鉱山労働者,周辺住民の健康対策,④環境保全協定の締結をそれぞれ求めること)が決定され,以降,基本的に,対策会議において,原告を代表し,動燃や鳥取県,岡山県等との間で,捨石撤去に関する交渉等に当たることになった。 昭和63年10月14日,中国四国鉱山保安監督部が,鉱業権者である動燃に対し,鳥取県及び岡山県内の核原料物質鉱山における捨石堆積場の総点検を指示した。 上記総点検の指示を受けて,動燃は,中国四国鉱山保安監督部にあてて,昭和63年11月22日付けで,「総点検結果に基づく指示に対する報告について」と題する文書を送付し,捨石堆積場の保安対策に関する計画を伝えた。 動燃は,昭和63年12月23日付けで,動燃所長から鳥取県企画部長にあてて,「a鉱山貯鉱場跡の対策について」と題する文書を送付し,b貯鉱場跡については,全てを除去し,修復・植栽を実施することを伝えた。 鳥取県は,動燃に対し,平成元年5月22日,b捨石堆積場内の貯鉱場跡の捨石を全量撤去することなどの要請を行った。 上記要請を受けて,動燃は,鳥取県に対し,平成元年6月27日,b捨石堆積場内の貯鉱場跡の捨石を全量撤去するなどの措置を講 捨石堆積場内の貯鉱場跡の捨石を全量撤去することなどの要請を行った。 上記要請を受けて,動燃は,鳥取県に対し,平成元年6月27日,b捨石堆積場内の貯鉱場跡の捨石を全量撤去するなどの措置を講ずる旨の回答をするとともに,動燃人形峠事業所所長から鳥取県企画部長にあてて,「核原料物質鉱山たい積場に関する具体的措置について(回答)」と題する文書を送付した。 上記文書には,捨石の撤去等に関する具体的な措置計画についての記載があり,b捨石堆積場に関しては,捨石の除去等の工事を平成元年度に実施する予定であることなどの内容が記載されていた。なお,同文書の記載上,b捨石堆積場に存在する捨石の全量撤去について,何らの条件も付されてはいなかった。 ウ平成元年8月26日,当時対策会議の事務局長であったAらが,鳥取市内の旅館において旧社会党の会議をしていたところ,当時動燃人形峠事業所の所長であったE(以下「E所長」という。)が,面会を求め,Aら会議出席者に対し,捨石の全部撤去ではなく,一部撤去の方針を申し入れ,話合いの結果,E所長と当時対策会議の議長であったFとの連署により,b捨石堆積場の捨石のうち,放射線レベルが比較的高いウラン鉱帯に係る堆積残土(ウラン残土)の撤去に関し,下記①ないし④の事項を確認する文書(甲18)が作成された。 記① 鉱帯部分推計3,000‰を撤去する。 ② 撤去した段階で相談する。 ③ 関係者の意見を尊重し,対応の上円満解決を図る。 ④ 現段階での確認事項であり部外秘とする。 上記文書による確認に際しては,b捨石堆積場に存在するウラン残土の撤去について何らの条件も付されてはいなかった。 上記文書による確認を契機として,対 の確認事項であり部外秘とする。 上記文書による確認に際しては,b捨石堆積場に存在するウラン残土の撤去について何らの条件も付されてはいなかった。 上記文書による確認を契機として,対策会議と動燃との間で,ウラン残土撤去に向けた協定書作成の作業が開始された。 エ平成元年9月28日,当時の岡山県知事G(以下「G岡山県知事」という。)が,岡山県議会平成元年9月定例会において,動燃が,鳥取県内の放射性残土(捨石)を岡山県内の動燃人形峠事業所内へ持ち込むことの許否についての質問に対し,鳥取県で危ないと思われるものを岡山県が受け入れるということは考えられないとして,岡山県としては県内への放射性残土持込みを拒否するとの趣旨の答弁をした。 オ平成2年1月24日,動燃と対策会議との打合せが行われた。対策会議側からは,動燃によるウラン残土撤去の開始時期につき,「ウラン残土の撤去作業は2月中旬から開始し,当協定書を遵守しつつ早期に完了するものとする。」と記載した協定書案が提案されたが,動燃側は,この提案を拒絶した。 そこで,対策会議側からは,同年2月2日,撤去開始時期を空欄とした協定書案が提出された。これを受けて,動燃側は,対策会議側に対し,撤去開始時期を覚書に記載することを申し入れ,その了解を得た。 同年2月7日,動燃と対策会議との打合せが行われた。動燃側からは,動燃によるウラン残土撤去の開始時期につき,「撤去作業の開始は,撤去したものの処置方法が決まることを前提とする。甲(a町b地区自治会),乙(動燃人形峠事業所)双方は処置方法が決まるようそれぞれ努力するものとする。」と記載した協定書案が提案されたが,対策会議側は,「3月上旬」又は「可及的速やかに」といった具体的な記載を入れるよう求めた。これに対し,動燃側 双方は処置方法が決まるようそれぞれ努力するものとする。」と記載した協定書案が提案されたが,対策会議側は,「3月上旬」又は「可及的速やかに」といった具体的な記載を入れるよう求めた。これに対し,動燃側は,(具体的な時期は)不明であり,期日などを入れることは,逆に地元を欺くことになると主張して反対し,この日は合意に至らなかった。 カ動燃においては,鳥取県内の捨石の一部を岡山県内に存在する動燃人形峠事業所へ搬入し,ヒープリーチング処理(捨石に希硫酸溶液を散布し,これに含まれるウランを希硫酸溶液に溶かし出して回収する方法)の試験を進めることを検討しており,平成2年3月23日,上記試験の計画について,岡山県側に説明したが,岡山県側からは鳥取県内の捨石を動燃人形峠事業所へ持ち込むことについての了解を得ることはできなかった。 キ平成2年6月13日,動燃人形峠事業所の展示館応接室において,動燃と対策会議との間での打合せが行われた。 上記打合せにおいては,動燃側と対策会議側との間のウラン残土撤去に係る協定締結に関し,ウラン残土の撤去先,撤去時期等を協定書の中にいかなる形で盛り込むかなどについて話し合われた。 話合いの過程で,E所長からは,ウラン残土撤去に係る協定を締結するためには,残土の処置方法が決まらないとできないこと,残土撤去先として想定されている動燃人形峠事業所が存在する岡山県が了解しない限りは協定を締結することはできないこと,協定書には,処置方法が決まり次第可及的速やかに残土の撤去を履行するとの趣旨の文言を盛り込むということではどうかということ,岡山県知事の判断ではウラン残土の持込みを拒否することはできないであろうということ,などの趣旨の発言がなされ,他方,対策会議側のjからは,協定書に,ウラン残土撤去の時期につ とではどうかということ,岡山県知事の判断ではウラン残土の持込みを拒否することはできないであろうということ,などの趣旨の発言がなされ,他方,対策会議側のjからは,協定書に,ウラン残土撤去の時期について明記するのであればよいが,残土の処置方法が決まり次第撤去を履行するということになると,残土の撤去が完了するまで何年かかるか分からなくなり,鳥取県としては手も足も出なくなってしまうこと,などの趣旨の発言がなされ,結局,ウラン残土の撤去先,撤去時期等の協定書への盛込み方については,結論が出ず,さらに議論が続行されることとなった。 ク平成2年6月19日,動燃人形峠事業所の展示館応接室において,動燃と対策会議との間で打合せが行われ,対策会議側が,動燃側に対し,b捨石堆積場のウラン残土撤去に係る協定の内容に関し,撤去時期についての見通しを示すように要求をしたところ,動燃側は,ウラン残土推計3000立方メートルについて,関係自治体の協力が得られたら,梨など農作物の収穫期前である同年9月までには撤去に着手したいことなどを回答した。 ケ平成2年6月22日,G岡山県知事は,岡山県議会において,ウラン残土の岡山県内に存在する動燃人形峠事業所への持込みの問題に関し,事前に動燃から何の相談も受けておらず,鳥取県で危ないと思われるものを岡山県が受け入れるということは考えられないとする持込み拒否の姿勢は不変であるとの趣旨の発言をした。 コ平成2年7月6日から同月7日にかけて,動燃人形峠事業所の展示館応接室において,動燃と対策会議との間で打合せが行われた。 打合せにおいて,対策会議側は,同会議において作成した,「ウラン残土の撤去に関する協定について」と題する文書(以下「本件仮協定書」という。)を示し,動燃側に対し,仮調印を要求した。 。 打合せにおいて,対策会議側は,同会議において作成した,「ウラン残土の撤去に関する協定について」と題する文書(以下「本件仮協定書」という。)を示し,動燃側に対し,仮調印を要求した。 本件仮協定書には,本件協定書の1ないし11項と同様の文言が盛り込まれており,11項についても,同協定書同様,「ウラン残土の撤去は,関係自治体の協力を得て,「米」「梨」等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする。」との文言となっていた。 本件仮協定書11項の文言について,対策会議側は,同項は今回新たに提示する文言であること,ウラン残土の撤去の時期をいつにするかについては適当な表現がなかったが,平成2年6月19日のn所長の上記発言をそのまま使用し,この文言でも支障がないと考えることなどと説明した。 これに対し,動燃側は,文言等についての検討が未了であるし,仮調印のためには必要な手順を踏まなければならないなどとして,仮調印に難色を示したが,対策会議側が強硬に仮調印を要求し続けたため,「本協定の調印は,関係機関の決裁処理を得た上で行うものとする。」等の文言を挿入することなどを条件に,仮調印することもやむなしとの判断がなされ,最終的に,仮協定の締結に至った(以下「本件仮協定」という。)。また,同時に,本件覚書及び本件確認書と同内容の文書についても仮調印がなされた。なお,本件仮協定における当事者は,原告及び動燃であったが,それぞれ,本件仮協定書等には,b地区自治会区長及びn所長が私印を押捺し,対策会議議長も立会人として押印した。 サその後,平成2年8月31日,本件協定が締結された。 (2)ア上記認定の事実によると,動燃と対策会議との交渉が捨石の全部撤去から一部撤去の 押捺し,対策会議議長も立会人として押印した。 サその後,平成2年8月31日,本件協定が締結された。 (2)ア上記認定の事実によると,動燃と対策会議との交渉が捨石の全部撤去から一部撤去の方向に転じて以来,両者間の交渉の関心は,ウラン残土の撤去先と撤去時期にあったことが明らかであり,とりわけ,撤去時期については,これをどのような形で協定書に盛り込むかという点が最大の論点であったのみならず,これが何年も先になるというような事態は全く想定されていなかったことが認められる。加えて,本件協定書の条項の体裁及び文言(本件協定書の中には,ウラン残土を撤去するに際しての運搬方法や,撤去に係る費用負担等,動燃によって実際に撤去義務が履行される場合における,ある程度具体的な事項に関する記載までが盛り込まれている。また,「「米」「梨」等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする」といった具体的な着手時期に関する記載も存在している上,着手時期については,協定締結から1年以内の近い将来における時期が念頭に置かれている。)並びに上記認定の交渉経緯等を総合考慮すると,本件協定締結に至るまでの間,実質的に当事者として交渉に当たっていた動燃及び対策会議においては,最終的にはb捨石堆積場のウラン残土が動燃によって撤去されることを前提としながらも,協定締結直前に,ウラン残土の搬入先として想定されていた動燃人形峠事業所が存在する岡山県が,ウラン残土の受入れに難色を示したことにより,速やかにb捨石堆積場からウラン残土を撤去することが困難な状況に陥っていることを踏まえ,いずれは岡山県側との交渉によってウラン残土の搬入受入れへの同意が得られるであろうことを当事者間の共通の認識とした上で,本件協定書11項の文言が本件協定 ることが困難な状況に陥っていることを踏まえ,いずれは岡山県側との交渉によってウラン残土の搬入受入れへの同意が得られるであろうことを当事者間の共通の認識とした上で,本件協定書11項の文言が本件協定書に挿入されたものと認めるのが相当である。 そして,動燃及び対策会議のかかる共通認識を前提として,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言を解釈すれば,この文言は,b捨石堆積場からのウラン残土の受入れについて,岡山県を始めとする関係自治体の協力(同意)が得られない限り,動燃(現被告)のウラン残土撤去の義務の履行期が永久に到来しないという可能性を有する性質のもの,すなわち動燃(現被告)のウラン残土撤去の義務に付された停止条件に当たるということはできず,むしろ,ウラン残土の受入れに対する,岡山県等関係自治体の協力(同意)は,(その時期が具体的にいつになるかは別としても)将来的には必ず得ることができ,したがって,将来的には必ず動燃(現被告)のウラン残土撤去義務の履行期は到来するが,ただ履行期が到来する具体的な時期について確定していないという性質のもの,すなわち動燃(現被告)のウラン残土撤去の義務に付された不確定期限に当たるものと解するのが相当である。 イこの点,被告は,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言について,停止条件に当たると主張する。 しかし,停止条件であれば,「関係自治体の協力」が得られない限り,永久的にb捨石堆積場のウラン残土の撤去が実現しない結果になるところ,上にみた動燃と対策会議との交渉の経緯等に照らせば,動燃側も含めた交渉当事者が,当時そのような認識を有していたとは到底いうことはできない(現に,動燃側の証人であり,昭和63年1月に動燃人形峠事業所資源開発部長として着任後(平成2 経緯等に照らせば,動燃側も含めた交渉当事者が,当時そのような認識を有していたとは到底いうことはできない(現に,動燃側の証人であり,昭和63年1月に動燃人形峠事業所資源開発部長として着任後(平成2年4月から同事業所副所長に就任),本件協定締結に至るまでの間,動燃と対策会議とのウラン残土撤去の交渉に関与してきたlも,本件協定成立当時には,ウラン残土を動燃人形峠事業所に搬入することについて,岡山県の搬入受入れに対する了解がいずれ得られると思っていた旨を明解に供述しているところである。)。 また,停止条件であれば,将来解釈上の疑義が生じることを防止するため,条件であることが明確になるような表現を使用すべきところ(例えば,平成8年4月30日付けの「bウラン残土撤去に関する議事録確認」と題する文書(甲4)においては,「鳥取県及びh町他関係者の合意を条件として」というような,それが条件であることが明確になるような表現が使用されている。),本件協定書においては,そのような明解な表現が使用されていない。 以上のような諸点を考慮すれば,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が停止条件に当たる旨の被告の主張を採用することはできない。 ウ他方,原告は,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言について,動燃の努力目標,道義的な確認事項を定めたものにすぎないなどとも主張し,証人A及び同Bは,「関係自治体の協力」とは,動燃がb捨石堆積場のウラン残土を撤去し,搬入先まで運搬する際に通過する道路の周辺に存在する地方自治体の協力のことであり,「関係自治体の協力を得る」とは,かかる道路周辺の地方自治体の協力を得ることを意味するなどと供述している。 しかし,上にみたような本件協定締結に至る経緯及び本件協定書の体 協力のことであり,「関係自治体の協力を得る」とは,かかる道路周辺の地方自治体の協力を得ることを意味するなどと供述している。 しかし,上にみたような本件協定締結に至る経緯及び本件協定書の体裁等を考慮すれば,本件協定書11項の「関係自治体の協力」とは,単に,ウラン残土を搬入先まで運搬する際に通過すべき道路の周辺の地方自治体の協力を意味するものではなく,ウラン残土搬入先として想定されていた岡山県等の地方公共団体の協力を意味するものであったことは明らかであるというべきであって,証人A及び同Bの上記供述部分は採用することができない。 そして,上記条項が,動燃と対策会議との激しい交渉過程を経た末に,盛り込まれたことをも考慮すれば,そこに何らの法的効果も含まれず,単なる動燃の努力目標,道義的な確認事項が定められたにすぎないものであると理解することも困難であるというべきである。 2 次に,本件協定書11項の「関係自治体の協力を得て」との文言が,不確定期限であることを前提とし,この期限の到来の有無について検討する。 (1) 上記争いのない事実等並びに証拠(甲3の1ないし3,4,5,6の1及び2,7,8の1ないし11,19,22,23,乙11,13,14及び15の各1及び2,16,18ないし30,31の1及び2,32ないし48,49の1及び2,50ないし80,105,110,証人A,同B,同C,同D,調査嘱託の結果)及び弁論の全趣旨を総合すると,本件協定締結以降,現在に至るまでの間,動燃又は被告において,ウラン残土の搬入先となるべき周辺自治体の協力(了解)を得るべく,岡山県を始めとして,鳥取県内のh町など多方面の地方公共団体に対し,ウラン残土の搬入を受け入れてもらえるよう働きかけてきたこと,これを具体的にみるに,例えば,岡山県に関し の協力(了解)を得るべく,岡山県を始めとして,鳥取県内のh町など多方面の地方公共団体に対し,ウラン残土の搬入を受け入れてもらえるよう働きかけてきたこと,これを具体的にみるに,例えば,岡山県に関しては,本件協定締結以降何度も岡山県知事や同副知事等に対し,ウラン残土の動燃人形峠事業所への搬入受入れを了解するように申し入れたがこれを拒否され,平成8年には,対策会議からの要請もあって,とりあえず別紙残土目録記載1のウラン残土(フレコンバッグに袋詰めされた約290立方メートル)を処理するために同事業所への搬入受入れの了解を岡山県側に求めたが,これも拒否されたこと,次に,h町に関しては,同年3月に,鳥取県と岡山県の県境にある同町内の鳥取県有地(約6000平方メートル)にウラン残土を移し,地中に設置したコンクリートピット内にこれを保管する案を対策会議に提案し,同会議の同意を得て,鳥取県に対し県有地の借地要請をするとともに,h町に対し県有地での保管受入れを了解するように申し入れたが,平成9年2月になって,同町から地元の理解が得られないとして協力を拒否されたため,結局のところ,県有地の借入れを断念せざるを得なかったこと,さらに,a町に関しては,同月9月に,同町に対しウラン残土の町内保管の協力を要請し,これを受けて同町議会に「捨石堆積物の処理調査特別委員会」が設置され,平成10年12月には,動燃,同町及び鳥取県から要請を受けていた同町jの観光梨園であるkが保管受入れを決めたが,その後,同町j地区の住民及び区長から保管受入れについて強い抗議の意思が表明されるなどしたため,動燃としても,平成11年12月,最終的に同町内での保管を断念せざるを得なくなったこと,このようにして,動燃の地方公共団体に対するウラン残土受入れの働きかけは功を奏さず,現在においてもな したため,動燃としても,平成11年12月,最終的に同町内での保管を断念せざるを得なくなったこと,このようにして,動燃の地方公共団体に対するウラン残土受入れの働きかけは功を奏さず,現在においてもなお,岡山県を始めとして,いずれの地方公共団体からもウラン残土の搬入の受入れに対する協力(了解)が得られていないことが認められる。 (2) 以上認定の事実のとおり,動燃による働きかけにもかかわらず,結果として,「関係自治体の協力を得られて」いない状況にあるところ,動燃が関係自治体の協力を得るために必要な合理的期間は既に経過しているものといえる上,本件協定書11項には,「ウラン残土の撤去は,(関係自治体の協力を得て,)「米」「梨」等の収穫期までに着手し,当協定書(覚書,確認書を含む)を遵守の上,一日も早く完了するものとする。」との文言が存在することや,上記1(1)にみたとおりの本件協定締結に至るまでの交渉過程における交渉当事者の認識等にも照らすと,本件協定書における動燃(現被告)のウラン残土撤去の義務に付された不確定期限たる「関係自治体の協力を得る」ことは,遅くとも,本件協定締結の日である平成2年8月31日から10年間が経過した時点において,最早不可能となったと考えるのが社会通念上相当であると考えられる。 したがって,被告のウラン残土撤去の義務については,既に履行期が到来したものというべきである。 3 よって,被告は,原告に対し,直ちに別紙残土目録記載1ないし3のウラン残土を撤去すべきである。 第5 結論以上の次第であって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき民訴法61条を,仮執行の宣言につき同法259条1項を,それぞれ適用して,主文のとおり判決する。 鳥取地方裁判所民事部 理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき民訴法61条を,仮執行の宣言につき同法259条1項を,それぞれ適用して,主文のとおり判決する。 鳥取地方裁判所民事部裁判長裁判官内藤紘二裁判官中村昭子裁判官下澤良太(別紙)残土目録鳥取県東伯郡a町大字b字elないしm番,同n番oないしp,同q番rないしs,同tないしu番及び同字fv番所在の 1 別紙図面1記載の青色部分(保管場)にフレコンバックに袋詰めされているウラン残土 2 別紙図面1記載の1号坑口点(イ点)を基点として,別紙放射トラバース成果表,同放射トラバース成果表(オープン)及び同2号たい積場基線測量図面によって定まる表記載の各点を基準にし,別紙図面2及び3記載の黄色部分で表示した部分の深さ1.2メートルまでのウラン残土 3 別紙図面1記載の1号かん止堤上部及びかん止堤間の赤色部分の範囲で,地表から旧地山面が現れるまでのウラン残土
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