- 1 -令和元年7月18日判決言渡平成31年(行コ)第23号所得税更正処分取消等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成29年(行ウ)第102号) 主 文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 A税務署長が控訴人に対し平成28年3月23日付けでした控訴人の平成25年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分のうち,総所得金額439万0159円,納付すべき税額マイナス685万9340円を超える部分を取り消す。 3 A税務署長が控訴人に対し平成28年3月23日付けでした過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要(以下,略称は,本判決において新たに付すもののほかは,原判決の表記に従う。) 1 本件は,控訴人が,平成25年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告において,同年中にしたゴルフ会員権の譲渡に関し,譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるとして,これを事業所得等と損益通算したところ,A税務署長から,平成28年3月23日付けで,原判決別表の「更正処分等」欄のとおり更正処分(本件更正処分)及び過少申告加算税賦課決定処分(本件賦課決定処分)を受けたため,被控訴人を相手方として,本件更正処分のうち上記確定申告による申告額を超える部分及び本件賦課決定処分の各取消しを求める事案である。 原審が,控訴人の請求をいずれも棄却する旨の判決をしたところ,控訴人 - 2 -が,これを不服として控訴した。 2 法令の定め等,前提となる事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1から3までに記載のとおりであるから,これを引用する(引用に て控訴した。 2 法令の定め等,前提となる事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張原判決「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の1から3までに記載のとおりであるから,これを引用する(引用に際しては,「原告」を「控訴人」と,「被告」を「被控訴人」とそれぞれ読み替える。以下同じ。)。 3 当審における控訴人の補充主張本件再生計画においては,控訴人のような新規会員権の発行を受けた者との関係では,B社との会員契約は解除されておらず,本件営業譲渡によって,預託金の額が450万円から10万円に変更された会員契約がC社に引き継がれているのであるから,控訴人が本件新会員権を譲渡した時点と本件旧会員権を取得した時点で資産の同一性が維持されており,本件旧会員権の取得に要した本件登録料等の550万円は,本件新会員権の取得価額になるというべきである。 本件再生計画においては,引き続き本件ゴルフ場を会員として利用することを希望する会員に対しては,新たな預託金の支払を求めることなく,C社から1口10万円の新規会員権を発行すること,B社は,C社に対し,C社が負担する預託金の総額に相応する精算金を支払うことなどが定められている。 上記定めによれば,C社は,450万円から10万円に減額されたB社の預託金返還債務について,債務引受をしていることとなり,旧会員契約と新会員契約の同一性が維持されていることを示している。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の請求をいずれも棄却すべきものと判断する。その理由は,以下のとおり補正し,後記2において,控訴人の当審における補充主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の1から3までに記載のとおりであるから,これを引用する。 - 3 -原判決11頁2 人の当審における補充主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の1から3までに記載のとおりであるから,これを引用する。 - 3 -原判決11頁24行目末尾に改行の上,以下のとおり加える。 「オ引き続き本件ゴルフ場を会員として利用することを希望する会員に対しては,新たな預託金の支払を求めることなく,C社から1口10万円の新規会員権を発行する。全ての会員が継続を希望した場合,預託金総額は4億0370万円となる。そのため,B社は,C社に対し,C社が負担する預託金の総額に相応する精算金を支払うこととなる(以下,この定めを「本件預託金条項」という。)。」⑵ 原判決16頁15行目の「あること等から,」の次に「前記認定のとおり」を加える。 2 当審における控訴人の補充主張に対する判断控訴人は,本件再生計画においては,新規会員権の発行を受けた者との関係では,B社との会員契約は解除されておらず,本件営業譲渡によって,その内容が変更された会員契約がC社に引き継がれているのであるから,控訴人が本件新会員権を譲渡した時点と本件旧会員権を取得した時点で資産の同一性が維持されており,本件旧会員権の取得に要した本件登録料等の550万円は,本件新会員権の取得価額になると主張する。 しかし,前記認定のとおり,本件再生計画において,本件営業譲渡では,C社が,B社の債務及びB社と旧会員との間の会員契約を承継しないこと,旧会員のうち引き続いて本件ゴルフ場の利用を希望する者は,C社との間で,新たに会員契約を締結することを要することが明記されている。 そして,本件再生計画の当事者であるB社及びC社は,本件再生計画の趣旨に沿って,旧会員に対し,C社が,旧会員契約上の地位を一切承継しないことや,B社と旧会員との間の契 を要することが明記されている。 そして,本件再生計画の当事者であるB社及びC社は,本件再生計画の趣旨に沿って,旧会員に対し,C社が,旧会員契約上の地位を一切承継しないことや,B社と旧会員との間の契約は効力を失うことなどを案内している。 そうすると,本件旧会員権は,本件再生計画により,効力を喪失したものであり,本件新会員権は,控訴人とC社との間で締結された新規会員契 - 4 -約により新たに発生したものと解するのが相当である。したがって,本件営業譲渡によって,内容が変更された会員契約がC社に引き継がれているとか,控訴人が本件新会員権を譲渡した時点と本件旧会員権を取得した時点で資産の同一性が維持されているなどとはいえず,控訴人がB社に支払った本件登録料等の550万円は,飽くまで本件旧会員権の取得に要した金額であって,本件新会員権の取得費には該当しないというほかはない。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。 また,控訴人は,本件預託金条項によれば,C社は,450万円から10万円に減額されたB社の預託金返還債務について,債務引受をしていることとなり,旧会員契約と新会員契約の同一性が維持されていることを示しているなどと主張する。 しかし,本件再生計画によれば,C社は,B社の債務及びB社と旧会員との会員契約を承継しないとされていることは前記認定のとおりであって,その規定ぶりに照らしても,当該債務に預託金返還債務が含まれていないということはできない。したがって,控訴人が主張するように,C社がB社の預託金返還債務について,債務引受をしたなどと認めることはできない。 確かに,本件預託金条項によれば,C社は,新たに会員契約を締結するに当たって,預託金の支払を求めないこととされている。しかし,これは,B社において減額後の預 受をしたなどと認めることはできない。 確かに,本件預託金条項によれば,C社は,新たに会員契約を締結するに当たって,預託金の支払を求めないこととされている。しかし,これは,B社において減額後の預託金10万円を旧会員に返還するとともに,当該会員がC社に対して預託金10万円を新たに支払うという方法によるのは,いかにもう遠であることを考慮し,当該会員に対する預託金の返還とC社に対する当該会員による預託金の支払について,B社とC社との間で精算することとしたにすぎないものと認めるのが相当である(そのため,本件預託金条項では,「精算金」という言葉を用いているものと解される。)。そうすると,本件預託金条項は,C社が,B社の預託金返還債務 - 5 -を引き受けたことを示すものとはいえない。 したがって,控訴人の上記主張も採用することができない。 3 以上の次第で,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第10民事部 裁判長裁判官志田原信三 裁判官島戸真 裁判官釜元修は転補のため,署名押印することができない。 裁判長裁判官志田原信三
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