平成15年(行ケ)第500号特許取消決定取消請求事件平成16年9月15日口頭弁論終結判決原告株式会社三共訴訟代理人弁理士根本恵司,杉山猛,今崎一司被告特許庁長官小川洋指定代理人中村和夫,鉄豊郎,小曳満昭,大橋信彦,井出英一郎 主文 特許庁が異議2002-72514号事件について平成15年9月30日にした決定を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判主文第1項同旨の判決。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯原告は本件特許第3274408号「遊技機の回路基板ボックス」の特許権者である。本件特許は,平成5年3月19日に特許出願した特願平5-85228号を分割したもので,平成14年2月1日設定登録された。その後特許異議の申立て(異議2002-72514号)があり,取消理由通知があったのに伴い,原告は平成15年6月17日本件明細書の訂正を請求したところ,「訂正を認める。特許第3274408号の請求項1,2に係る特許を取り消す。」との決定があり,その謄本は平成15年10月14日原告に送達された。 2 後記訂正前の特許請求の範囲の記載(設定登録時の特許請求の範囲の記載。 上記訂正請求に係る特許請求の範囲の記載は,未確定のため省略)【請求項1】 遊技機に設けられる回路基板を被覆する回路基板ボックスにおいて,該回路基板ボックスは,回路基板を被覆するための構成部品に係る所定の部位を破壊しない限りその被覆状態を解除することができない固着手段を設けると共に,前記所定の部位を外部に突出して設けたことを特徴とする遊技機の回路基板ボックス。 【請求項2】 前記回路基板ボックスは,前記回路基板のハンダ面が外部から透視し得ることを特徴 固着手段を設けると共に,前記所定の部位を外部に突出して設けたことを特徴とする遊技機の回路基板ボックス。 【請求項2】 前記回路基板ボックスは,前記回路基板のハンダ面が外部から透視し得ることを特徴とする請求項1記載の遊技機の回路基板ボックス。 3 後記訂正審決による特許請求の範囲の記載(下線部分が訂正箇所)【請求項1】 遊技機に設けられる回路基板を被覆するための箱体とカバー体とからなる回路基板ボックスにおいて,該回路基板ボックスには,前記箱体に設けた固着部と前記カバー体に設けられている固着片先端の係合部位とを固着することにより,前記箱体と前記カバー体を一旦組み付けたときに外部からの操作によって回路基板ボックスにおける回路基板の被覆状態を解除できない固着手段を設け,前記固着片の前記係合部位までの途中位置の形状は,前記回路基板ボックスのカバー体より上方に突出した突出部として形成されており,当該突出部を含む固着片が弾性変形することにより前記係合部位と前記箱体の固着部とが固着されると共に,当該突出部の切断にて前記被覆状態が解除されることを特徴とする遊技機の回路基板ボックス。 【請求項2】 前記回路基板ボックスは,前記回路基板のハンダ面が外部から透視し得ることを特徴とする請求項1記載の遊技機の回路基板ボックス。 4 決定の理由の要点請求項1,2に係る発明は,特開平4-231987号公報,特開昭52-46982号公報に記載された発明及び周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定に違反してなされたものであって,取り消されるべきものである。 5 訂正審決の確定原告は,本訴提起後の平成16年6月14日,本件特許につき,特許請求の範囲の減縮等を目的として,明細書及び図面の訂正をする審判を請求した あって,取り消されるべきものである。 5 訂正審決の確定原告は,本訴提起後の平成16年6月14日,本件特許につき,特許請求の範囲の減縮等を目的として,明細書及び図面の訂正をする審判を請求したところ(訂正2004-39135号),平成16年8月5日,当該訂正を認める旨の審決があって,その謄本が原告に送達され,訂正審決は確定した。 第3 原告主張の決定取消事由決定は,訂正前の請求項に基づき請求項1,2の発明の要旨を認定し,これに基づき特開平4-231987号公報等に記載の発明との対比において請求項1,2の発明の進歩性を否定しているが,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定したことにより,決定は,結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり,違法となったものである。 第4 当裁判所の判断原告主張の事由により決定は取り消されるべきものであり,本訴請求は理由がある。よって,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所知的財産第4部裁判長裁判官塚原朋一裁判官塩月秀平裁判官髙野輝久
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