昭和37(オ)782 災害補償金請求

裁判年月日・裁判所
昭和41年4月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所 岡山支部 昭和35(ネ)32
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人植木昇の上告理由第一点について。  論旨は、本件訴は被上告人の請求に

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判決文本文2,153 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人植木昇の上告理由第一点について。 論旨は、本件訴は被上告人の請求に基づく労働基準監督署長並びに労働者災害補償審査会の審査または仲裁を経ないで提起されたものであるにかかわらず、原判決がこれを適法な訴と認めたことが、労働基準法(昭和三元年法律第一二六号による改正前のもの。以下同じ。)八六条二項の解釈適用を誤まり、ひいては審理不尽、理由不備の違法に陥つたものである、という。 基準法の規定によれば、災害補償に関する事項について民事訴訟を提起するには、労働基準監督署長に対して審査または仲裁を請求し、その結果に不服のある場合には、さらに労働者災害補償審査会の審査または仲裁を経なければならないことになつている(八六条二項、一項、八五条一項参照)。ところで、基準監督署長の審査または仲裁は、当事者の請求によるほか、基準監督署長が必要と認める場合には職権でこれをなし得ること、同法八五条二項の明定するところである。また、基準監督署長の審査または仲裁の結果に不服のない者が審査会の審査または仲裁を請求するに由ないことも、疑いを容れないところである。 しかして、記録によれば、本件災害補償につきD労働基準監督署長が職権で審査を行ない、被上告人においてはその結果に不服がなかつたことが明らかであり、しかも、右審査の結果に不服のある上告人からE労働者災害補償審査会の審査を請求し、それが棄却されてから本件訴が提起されたことは、上告人の認めて争わないところである。 されば、本件訴は、前記基準監督署長並びに審査会の審査が被上告人の請求に基- 1 -づくものではないけれども適法たるを失わないとした原審の判断は、相当であつて、所論の違法はなく、論 ころである。 されば、本件訴は、前記基準監督署長並びに審査会の審査が被上告人の請求に基- 1 -づくものではないけれども適法たるを失わないとした原審の判断は、相当であつて、所論の違法はなく、論旨は、理由がない。 なお、論旨は、基準監督署長の審査の結果は、基準法一〇二条の告発に基づき同法一一九条の罰則を適用することによつてその履行を期するのが法の建前であつて、かかる手段に訴えることなく、直ちに民事訴訟による救済を求める本件訴は不適法である、という。 しかし、基準法一〇二条、一一九条の規定によつて使用者が告発、処罰されるのは、同法七五条ないし七七条、七九条、八〇条の補償費または葬祭料を支払わないためであつて、審査決定の有無は、右告発および処罰とは法律上の関係がない。いいかえれば、同法八五条による審査の請求がなく、決定がない場合においても、右法条に違反すれば告発され、処罰を受け、また逆に、審査決定があり、これに従わなくても、補償金支払いの義務がなければ処罰されることはないのである。 されば、右の論旨は、独自の見解に立脚するものであつて、採用の限りでない。 同第二点について。 論旨は、上告人の消滅時効の抗弁を排斥した原審の判断に法令違背、審理不尽、理由不備の違法がある、という。 基準法八六条は、審査会に対する審査または仲裁の請求については、基準監督署長に対する審査または仲裁の請求に関する同法八五条四項のごとく、右請求を「裁判上の請求」とみなしてこれに時効中断の効力を認める旨の規定を設けていない。 しかし、審査会に対する審査または仲裁の請求についても、これと類似の性質を有する基準監督署長に対する審査または仲裁の請求に関する右の規定を類推して、時効中断の効力を認めるべきであると解するのが相当である。けだし、そのように解しないときは、審査会 ても、これと類似の性質を有する基準監督署長に対する審査または仲裁の請求に関する右の規定を類推して、時効中断の効力を認めるべきであると解するのが相当である。けだし、そのように解しないときは、審査会の審査または仲裁の請求によつては時効中断の効力が生じないためその手続中に二年の時効期間(一一五参照)が満了し、災害補償請求権その- 2 -ものが時効によつて消滅してしまうという不合理な結果が生ずることになるからである。 しかして、原判決の確定した事実によれば、前叙のごとく上告人がD労働基準監督署長の昭和二五年八月一五日付審査決定に対し岡山県労働災害補償審査会に審査の請求をしたところ、同審査会は、同年一二月二〇日付決定をもつて右請求を排斥したが、被上告人が労働者災害補償審査委員会官制六条にいう「その他の関係者」に該当するにもかかわらず、本訴の提起された昭和二九年一一月二二日にいたつても、同人に対し文書による審査の結果の通知をしていないというのであるから、本訴提起当時被上告人の災害補償請求権が時効によつて消滅していなかつたことは、明らかである。 されば、原審の判断は、正当であつて所論の違法はなく、論旨は、理由なきものとして排斥するほかはない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官長部謹吾裁判官入江俊郎裁判官松田二郎裁判官岩田誠- 3 - 裁判官岩田誠

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