【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 論旨第二点及び第三点について Aは公務員(衆議院議員)であるところ、公務員に対する名誉毀損の所為は、摘 示事実の真実な
主文本件控訴を棄却する。 理由論旨第二点及び第三点についてAは公務員(衆議院議員)であるところ、公務員に対する名誉毀損の所為は、摘示事実の真実なることにつき証明があるときは罪とならないことは所論のとおりであり、また、公務員に対する名誉毀損罪の成否については、摘示事実の真実性に関する証明の有無は、これを犯意の対象として考察すべく、仮りに、摘示事実の証明が十分でない場合においても、その証明十分ならさることについての認識の欠除(または、その証<要旨>明ありとの確信の存在)は犯意を阻却するものと解すべきこと、また、所論のとおりであるか、後者につき、</要旨>犯意を阻却するのは摘示事実の真実性につき証明が十分ではないが、摘示考においてこれを真実なりと信ずるにつき相当の理由がある場合に限るのであり、換言すれば、それは、摘示者の単なる善意の誤認を許容するものではなく、その証明は不十分であつたが、摘示者が摘示事実を真実なりと信じたのは無理のないところであると、健全な常識に照らし合理的に首肯し得る程度の客観的な資料乃至情況がある場合でなければならないと解するのを相当とする(大阪高等裁判所第一刑事部、昭和二五年一二月二三日判決。高等裁判所刑事判決特報一五号一〇〇頁参照)。 よつて考察するのに同証人B、同C、同Dの各供述その他一件記録並びに全証拠を精査検討するも、Aが現に共産主義思想を抱懐し、右摘示事実の如く、終戦後、共産主義運動を開始するため、たくみにE党にもぐり込んだ者であるとの事実即ち摘示事実の真実なることにつき証明かあつたと確認するに足りる証拠はなく、又、被告人か、右摘示事実を真実なりと信ずるにつき合理的にこれを首肯せしめるに足りる客観的資料乃至情況の存在を認めることもできない。被告人が資料として につき証明かあつたと確認するに足りる証拠はなく、又、被告人か、右摘示事実を真実なりと信ずるにつき合理的にこれを首肯せしめるに足りる客観的資料乃至情況の存在を認めることもできない。被告人が資料として引用する証拠(当裁判所昭和二九年領第五八一号の四)を以つてしても右認定を覆すに足りず、また原審における証人Fの供述はこれを措信し難い。果して然らば所論の各事由をもつて、被告人の刑責を阻却するに由がなく、各論旨は、いずれもその理由かない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事三宅富士郎判事河原徳治判事遠藤吉彦)
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