主文 被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中780日をその刑に算入する。 理由 (犯罪事実)被告人は、第1 平成26年4月1日以降、a水道事業上下水道課水道係主査として同事業の会計経理事務に従事するとともに、現金取扱員として同事業の現金の出納業務に従事していたものであるが、b農業協同組合c支店に開設された普通貯金口座ほか1口座を同事業のために業務上預かり保管中、別表第1(省略)記載のとおり、平成28年6月1日から平成31年3月29日までの間、103回にわたり、三重県度会郡(住所省略)b農業協同組合d支店ほか2か所において、自己の用途に費消する目的で、同口座から現金合計1929万1300円の払戻しを受けて着服し、もって横領した。(令和5年3月28日付け起訴状の公訴事実)第2 平成31年4月1日以降、e病院事務部総務係主査として同病院の会計経理事務に従事するとともに、現金取扱員として同病院の現金の出納業務に従事していたものであるが、b農業協同組合c支店に開設された同病院企業出納員名義の普通貯金口座の貯金を同病院のために業務上預かり保管中、 1 別表第2の1(省略)記載のとおり、令和2年7月10日から令和4年2月28日までの間、61回にわたり、三重県度会郡(住所省略)b農業協同組合c支店において、自己の用途に費消する目的で、同口座から現金合計3596万円の払戻しを受けて着服し、もって横領した。(令和4年10月4日付け起訴状の公訴事実) 2 別表第2の2(省略)記載のとおり、令和4年3月1日から同年5月13日までの 同口座から現金合計3596万円の払戻しを受けて着服し、もって横領した。(令和4年10月4日付け起訴状の公訴事実) 2 別表第2の2(省略)記載のとおり、令和4年3月1日から同年5月13日までの間、11回にわたり、前記b農業協同組合c支店において、自己の用途に費 消する目的で、同口座から現金合計740万円の払戻しを受けて着服し、もって横領した。(令和4年9月6日付け起訴状の公訴事実)第3 平成31年4月1日以降、e病院事務部総務係主査として同病院の会計経理事務に従事するとともに、現金取扱員として同病院の現金の出納業務に従事していたものであるが、 1 別表第3の1(省略)記載のとおり、令和元年5月17日から令和3年3月31日までの間、281回にわたり、医事係担当者から売上金合計1億1434万5624円を同病院のために業務上預かり保管中、いずれもその頃、三重県度会郡(住所省略)b農業協同組合c支店において、自己の用途に費消する目的で、そのうち現金合計5230万円を着服し、もって横領した。(令和5年3月31日付け起訴状の公訴事実) 2 別表第3の2(省略)記載のとおり、令和3年4月1日から令和4年3月30日までの間、214回にわたり、医事係担当者から売上金合計8124万5150円を同病院のために業務上預かり保管中、いずれもその頃、前記b農業協同組合c支店において、自己の用途に費消する目的で、そのうち現金合計4860万円を着服し、もって横領した。(令和5年2月15日付け起訴状の公訴事実) 3 別表第3の3(省略)記載のとおり、令和4年4月5日から同年6月2日までの間、27回にわたり、医事係担当者から売上金合計1142万0766円を同病院のために業務上預かり保管中、いずれもその頃、前記b農業協同組合c支店において、自己の用途に費 月5日から同年6月2日までの間、27回にわたり、医事係担当者から売上金合計1142万0766円を同病院のために業務上預かり保管中、いずれもその頃、前記b農業協同組合c支店において、自己の用途に費消する目的で、そのうち現金合計630万円を着服し、もって横領した。(令和4年12月21日付け起訴状の公訴事実)(事実認定の補足説明)Ⅰ 第2の1の事実の別表番号8(令和3年4月28日の横領)について弁護人は、口座から引き出した55万円のうち、5万円は5月の連休前におつり用として引き出し、連休後にそのまま振り込んで戻しておいたから、横領金額は50万円にとどまるという。 しかしながら、被告人は、①令和3年4月30日、e病院の金融機関口座から、正規の支払でなく合計60万円(❶55万円と❷5万円)を引き出したこと、②同年5月6日、5万円を前記口座に振り込んだことが認められる(甲56、弁8)。 ①の合計60万円のうち、5万円(❶の一部か❷のいずれか)はおつり用として引き出したものだとしても、その5万円(被告人はその5万円を戻したものが②という)を除く55万円は、被告人が横領したと認めるほかない(それ以外に引き出した理由を具体的に考えることができない)。犯行日は令和3年5月6日(5万円を前記口座に振り込んだ日)と認められる。 Ⅱ 第3の1から3までの事実について被告人がe病院から業務上預かり保管した現金の金額は、前記各事実の別表番号各横領に対応する現金渡票(e病院のもの)の記載金額(第3の1につき甲39、41、44、53[後記のとおり、別表番号215の金額は101万5696円と認める《甲53》]、第3の2につき甲19、48、54、第3の3につき甲19、20、55)の合計額である。 被告人は、公訴事実をおおむね認めるものの、具体的な 号215の金額は101万5696円と認める《甲53》]、第3の2につき甲19、48、54、第3の3につき甲19、20、55)の合計額である。 被告人は、公訴事実をおおむね認めるものの、具体的な横領金額は覚えていないという。弁護人の具体的な主張とそれに対する当裁判所の判断は、次のとおりである。 【第3の1の事実について】 1 別表番号19(令和元年7月16日の横領)について(弁護人の主張)令和元年7月16日の横領について横領金額算出の基礎とされた同月11日及び同月12日の現金渡票(e病院のもの、記載金額合計136万8468円)に対応する同月16日の入金(合計96万8468円)のほか、同日に3150円の入金があるから、前記現金渡票の記載金額と同日の入金額(96万8468円と3150円の合計額)との差額は39万6850円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかった。 (当裁判所の判断)(1) 弁護人のいう令和元年7月16日の3150円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、関係証拠(第3の1につきf、g供述、第3の2につきg供述、第3の3につきh供述、甲22から24まで)によれば、医事係担当者(会計業務担当職員、第3の1につきf、g、第3の2につきg、第3の3につきh)は、日計表等に基づいて現金渡票を作成し、被告人に入金を依頼する現金の金額が現金渡票の記載金額と同一であることを、現金を数えるなどして確認した上、その現金を被告人に手渡していたと認められる。したがって、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められる。(以下この段落の説示を「説示A」という)(2) そし 金を被告人に手渡していたと認められる。したがって、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められる。(以下この段落の説示を「説示A」という)(2) そして、現金渡票の記載金額(医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額と同一)は、全て入金されるはずだから、現金渡票の記載金額と入金額は同一となるはずである(第3の1につきf、g供述、第3の2につきg供述、第3の3につきh供述)。入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかない(それ以外に差額が生じた原因を具体的に考えることはできない)。(以下この段落の説示を「説示B」という)(3) また、被告人は、「第3の1から3までの横領については、5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位(クリップでとめられた札束の単位)で横領していた。それ以外の現金は横領しなかった」旨供述している(公判供述)ところ、この供述はそれなりに具体性、合理性がある。(以下この段落の説示を「説示C」という)(4) さらに、令和元年7月16日の入金額(3150円)は、同日の入金に対応する現金渡票(①同月11日及び②同月12日の❶e病院のもの及び❷訪問看護ステーションiのもの[甲39、44])の記載金額(①❶92万9144円、❷2万2451円、②❶43万9324円、❷6033円)のいずれとも異なる上、比較的 少額である。 第3の1から3までの横領が行われた期間(令和元年5月17日から令和4年6月2日まで)の入金状況を見ると、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在する。他方、複数の現金渡票の記載金額について1回の入金が行われる場合(例えば、令和2年4月1日のe病院と訪問看護 下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在する。他方、複数の現金渡票の記載金額について1回の入金が行われる場合(例えば、令和2年4月1日のe病院と訪問看護ステーションiの現金渡票に対応する同月3日の入金[甲41])や、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合(例えば、後記のとおり、令和元年8月27日と同月28日の入金[甲39・第3の1別表番号35]、令和4年5月6日と同月9日の入金[甲19・第3の3別表番号18]、令和4年5月9日と同月12日の入金[甲19・第3の3別表番号19])は極めてまれである(甲19、39、41、47[不同意部分を除く]、48)。(以下この段落の説示を「説示D」という)したがって、令和元年7月16日の3150円の入金が、同月11日及び同月12日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(同月16日の入金と同一金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 (5) 以上によれば、令和元年7月16日の3150円の入金は、同月11日及び同月12日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 (6) 横領金額は40万円(令和元年7月11日及び同月12日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額合計136万8468円と同月16日の入金額合計96万8468円の差額)と認められる(甲39、44)。 2 別表番号35(令和元年8月28日の横領)について(弁護人の主張)横領金額は10万円とされるが、その基礎とされた令和元年8月24日から同月26日までの現金渡票の記載金額26万8546円と同月27日の入金額16万8 126円の差額は10万0420円である。被告人は1 10万円とされるが、その基礎とされた令和元年8月24日から同月26日までの現金渡票の記載金額26万8546円と同月27日の入金額16万8 126円の差額は10万0420円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月28日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 令和元年8月27日の入金16万8126円と同月28日の入金420円は、同月24日から同月26日までの現金渡票の記載金額26万8546円について行われたと認められる(なお、被告人は前記420円の入金申込書[弁2]の筆跡が被告人のものでない、作成者が不明というけれども、前記認定を左右しない)。横領金額は10万円(前記現金渡票の記載金額26万8546円と同月27日と同月28日の入金額合計16万8546円の差額)と認められる(甲39、44)。なお、横領日は420円の入金日である同月28日と認められる。 3 別表番号68(令和元年11月12日の横領)について(弁護人の主張)令和元年11月12日の横領に関する同月2日から同月8日までの現金渡票の記載金額(25万9114円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(25万8544円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が570円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、入金額(1 はずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(25万8544円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が570円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、入金額(15万9114円)との差額は9万9430円である(弁護人の計算に誤りがあるので、このとおり理解する)。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月12日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断) 説示Aによれば、現金渡票の記載金額が、日計表等に基づいて計算される現金収支の金額と(本来同一であるはずであるが)食い違う場合であっても、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められる。(以下この段落の説示を「説示E」という)横領金額は10万円(令和元年11月2日から同月8日までの現金渡票の記載金額25万9114円と同月12日の入金額15万9114円の差額)と認められる(甲39、44)。 4 別表番号99(令和2年1月24日の横領)について(弁護人の主張)令和2年1月24日の横領に関する同月23日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額(15万9388円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(15万4988円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が4400円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、入金額(5万9388円[前記e病院の現金渡票に対応するもの])との差額は9万5600円となる。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月24日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和2年1月23日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額15万9388円と同月24日の入金額 同月24日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和2年1月23日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額15万9388円と同月24日の入金額5万9388円の差額)と認められる(甲39、44)。 5 別表番号118(令和2年3月10日の横領)について(弁護人の主張)令和2年3月10日の横領に関する同月7日から同月9日までの現金渡票(e病院のもの)の記載金額(26万0187円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(25万9967円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が220円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性 がある。その場合、入金額(16万0187円[前記e病院の現金渡票に対応するもの])との差額は9万9780円となる。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月10日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和2年3月7日から同月9日までの現金渡票[e病院のもの]の記載金額26万0187円と同月10日の入金額16万0187円の差額)と認められる(甲39、44)。 6 別表番号125(令和2年3月27日の横領)について(弁護人の主張)令和2年3月27日の横領に関する同月26日の現金渡票の記載金額の基礎となる日計表の作成日付が、令和4年11月17日(横領があったとされる日から1年半以上経過後)となっているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和2年3月26日の現金渡票の記載金額31万0656円と同月27日の入金額21万0656円の差額)と認められる(甲39、44)。なお、甲49(不同意部分を除く)によれば である。横領金額は10万円(令和2年3月26日の現金渡票の記載金額31万0656円と同月27日の入金額21万0656円の差額)と認められる(甲39、44)。なお、甲49(不同意部分を除く)によれば、前記日計表の日付(右上に印字された日付[4.11.17作成])は、日計表データの印刷日(左上に印字された日付[令和2年3月27日]が対象日)であるから(甲43)不自然とはいえない。 7 別表番号126(令和2年3月30日の横領)について(弁護人の主張)令和2年3月30日の横領に関する同月27日の現金渡票の記載金額の基礎となる日計表の作成日付が、令和4年11月17日(横領があったとされる日から1年半以上経過後)となっているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和2年3月27日の現金渡票の 記載金額26万2118円と同月30日の入金額16万2118円の差額)と認められる(甲39、44)。なお、甲49(不同意部分を除く)によれば、前記日計表の日付(右上に印字された日付[4.11.17作成])は、日計表データの印刷日(左上に印字された日付[令和2年3月28日~3月30日]が対象日)であるから(甲43)不自然とはいえない。 8 別表番号138(令和2年5月28日の横領)について(弁護人の主張)令和2年5月28日の横領に関する現金渡票の記載金額の基礎となる日計表の作成日付が、令和5年1月20日(横領があったとされる日から約3年経過後)となっているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は5万円(令和2年5月27日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額8万6126円と同月28日の入金額3万6126円の差額)と認められる(甲41、53)。なお、甲49( 説示Eのとおりである。横領金額は5万円(令和2年5月27日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額8万6126円と同月28日の入金額3万6126円の差額)と認められる(甲41、53)。なお、甲49(不同意部分を除く)によれば、前記日計表の日付(右上に印字された日付[5.1.20作成])は、日計表データの印刷日(左上に印字された日付[令和2年5月27日]が対象日)であるから(甲42)不自然とはいえない。 9 別表番号141(令和2年6月3日の横領)について(弁護人の主張)令和2年6月3日の横領金額について、その算出の基礎とされた同月2日の現金渡票に対応する同月3日の13万7388円の入金のほか、同月2日に3800円の入金があるが、その入金にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和2年6月2日の3800円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載 金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和2年6月2日の入金の金額(3800円)は、同月3日の入金に対応する現金渡票(同月2日のe病院のもの[甲41、53])の記載金額(33万7388円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額 e病院のもの[甲41、53])の記載金額(33万7388円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同月2日の3800円の入金が、同日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部を入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和2年6月2日の3800円の入金は、同日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は20万円(令和2年6月2日の現金渡票の記載金額33万7388円と同月3日の入金額13万7388円の差額)と認められる(甲41、53)。 10 別表番号144(令和2年6月8日の横領)について(弁護人の主張)令和2年6月8日の横領に関する同月5日の現金渡票の記載金額(36万7970円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(36万7770円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が200円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、入金額(16万7970円)との差額は19万9800円となる。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月8日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和2年6月5日の現金渡票の記載金額36万7970円と同月8日の入金額16万7970円の差額)と認められる(甲41、53)。 11 別表番号145(令和2年6月10 りである。横領金額は20万円(令和2年6月5日の現金渡票の記載金額36万7970円と同月8日の入金額16万7970円の差額)と認められる(甲41、53)。 11 別表番号145(令和2年6月10日の横領)について(弁護人の主張)令和2年6月10日の横領に関する同月9日付け日計表について、同月10日作成のものと、令和5年1月20日作成のものが存在する(入金額の記載も異なる)のは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は40万円(令和2年6月6日から同月8日まで及び同月9日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額合計73万9654円と同月10日の入金額合計33万9654円の差額)と認められる(甲41、53)。 12 別表番号152(令和2年6月24日の横領)について(弁護人の主張)令和2年6月23日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額は41万2382円、これに対応する同月24日の入金額は21万4466円であり、その差額は19万7916円である。被告人が20万円を横領したとするなら、記載金額が41万4466円(被告人の横領金額20万円と入金額21万4466円の合計額)の現金渡票が存在する可能性がある。記載金額が41万2382円の現金渡票は信用できないから、同月24日の横領が十分に証明されたとはいえない。 (当裁判所の判断)入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおりである。横領金額は20万円(令和2年6月23日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額41万2382円と、同月24日の入金額21万2382円[同日の入金額21万4466円には、誤って入金した訪 問看護ステーションi分の2084円が含まれており《甲41》、これを差し引 載金額41万2382円と、同月24日の入金額21万2382円[同日の入金額21万4466円には、誤って入金した訪 問看護ステーションi分の2084円が含まれており《甲41》、これを差し引くと21万2382円となる]の差額)と認められる(甲41、53)。 13 別表番号161(令和2年7月20日の横領)について(弁護人の主張)令和2年7月20日の横領に関する同月17日の現金渡票(e病院のもの)について、「×」の付されたものと、それがないものが存在する。横領金額算出の基礎とされたのは「×」が付された現金渡票の記載金額29万8476円であり、不自然である。「×」のない現金渡票の記載金額は29万8936円、これに対応する入金額(同月20日2回目の入金額)は19万8476円であり、その差額は10万0460円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)g供述によれば、令和2年7月20日の横領に関する同月17日の現金渡票(e病院のもの)について、gは、「×」の付された現金渡票の記載金額の現金を被告人に手渡した(gが前記現金を被告人に手渡した時、現金渡票に「×」は付されていなかった)と認められる。「×」の付された現金渡票(e病院のもの)の記載金額29万8476円と、入金額19万8476円との差額は10万円である(甲41、53)。入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおりである。横領金額は10万円と認められる。 14 別表番号170(令和2年8月13日の横領)について(弁護人の主張)令和2年8月13日の横領(1回目の入金にかかる部分)に関する同月8日から11日までの現金渡票(e病院のもの)について 14 別表番号170(令和2年8月13日の横領)について(弁護人の主張)令和2年8月13日の横領(1回目の入金にかかる部分)に関する同月8日から11日までの現金渡票(e病院のもの)について、「修正済」の記載のあるもの(記載金額80万7378円)と、「×」の付されたもの(記載金額81万1752円)が存在するが、いずれが正しいか分からない。 また、同月13日の横領金額(1回目の入金にかかる部分)は40万4374円とされるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領(1回目の入金にかかる部分)はなかったといえる。 (当裁判所の判断)g供述によれば、令和2年8月13日の横領(同日1回目の入金にかかる部分)に関する同月8日から同月11日までの現金渡票(e病院のもの)について、gは、「×」の付された現金渡票の記載金額の現金を被告人に手渡した(gが前記現金を被告人に手渡した時、現金渡票に「×」は付されていなかった)と認められる。「×」の付された現金渡票(e病院のもの)の記載金額81万1752円と、入金額41万1752円との差額は40万円である(甲41、53)。入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおりである。同月13日1回目の入金にかかる横領金額は40万円と認められる。同日の横領金額は、同日2回目の入金にかかる横領金額20万円(甲41、53)と併せて60万円と認められる。 15 別表番号177(令和2年9月1日の横領)について(弁護人の主張)令和2年9月1日の横領に関する同年8月29日から同月31日までの日計表について、同月28日から同月30日までのものと、同月29日から同月31日までのものが存在するのは不自然である。 (当裁判所の 令和2年9月1日の横領に関する同年8月29日から同月31日までの日計表について、同月28日から同月30日までのものと、同月29日から同月31日までのものが存在するのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和2年8月29日から同月31日までの現金渡票[e病院のもの]の記載金額30万9556円と同年9月1日の入金額10万9556円の差額)と認められる(甲41、53)。 16 別表番号178(令和2年9月3日の横領)について(弁護人の主張)令和2年9月3日の横領に関する同月2日の現金渡票の記載金額の基礎となる日 計表の作成日付が、同月7日(横領があったとされる同月3日より後)となっているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和2年9月1日と同月2日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額合計57万3483円と同月3日の入金額合計37万3483円の差額)と認められる(甲41、53)。なお、甲49(不同意部分を除く)によれば、前記日計表の日付(右上に印字された日付[2.9.7作成])は、日計表データの印刷日(左上に印字された日付[令和2年9月2日]が対象日)であるから(甲42)不自然とはいえない。 17 別表番号215(令和2年11月13日の横領)について(弁護人の主張)令和2年11月12日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額は101万5696円、これに対応する同日の入金額は61万5646円であり、その差額は40万0050円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)令和2年11月12日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額101万5696円(甲53。甲41の記載金 は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)令和2年11月12日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額101万5696円(甲53。甲41の記載金額101万5646円は誤りと認められる)と、これに対応する同月13日の入金額合計61万5646円との差額は40万0050円である(甲41、53)。医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。横領金額は40万円と認められる(公訴事実の金額の限度で認める)。 18 別表番号224(令和2年12月4日の横領)について(弁護人の主張)令和2年12月4日の横領に関する同月3日の現金渡票の記載金額(30万8394円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(30万3394円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が5000円多い)。 前記現金収支の金額が被告人に手渡された可能性があり、その場合、入金額(10万8394円)との差額は19万5000円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月4日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和2年12月3日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額30万8394円と同月4日の入金額10万8394円の差額)と認められる(甲41、53)。 19 別表番号226(令和2年12月8日の横領)に 令和2年12月3日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額30万8394円と同月4日の入金額10万8394円の差額)と認められる(甲41、53)。 19 別表番号226(令和2年12月8日の横領)について(弁護人の主張)①令和2年12月8日の横領に関する同月5日から同月7日までの現金渡票の記載金額(25万0944円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(25万0684円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が260円多い)。前記現金収支の金額が被告人に手渡された可能性があり、その場合、入金額(5万0944円)との差額は19万9740円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 ②令和2年12月8日の横領について横領金額算出の基礎とされた同月5日から同月7日の現金渡票に対応する同月8日の入金のほか、同日に2820円の入金があるが、その入金にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)①説示Eのとおりである。現金渡票の記載金額の現金25万0944円が被告人に手渡されたと認められる。 ②弁護人のいう令和2年12月8日の2820円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和 ことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和2年12月8日の入金の金額(2820円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同月5日から同月7日までのe病院のもの[甲41、53])の記載金額(25万0944円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。 したがって、同月8日の2820円の入金が、同月5日から同月7日までの現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和2年12月8日の2820円の入金は、同月5日から同月7日までの現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は20万円(令和2年12月5日から同月7日までの現金渡票の記載金額25万0944円と同月8日の入金額5万0944円の差額)と認められる(甲41、53)。 20 別表番号227(令和2年12月9日の横領)について(弁護人の主張)令和2年12月9日の横領について横領金額算出の基礎とされた同月8日の現金 渡票(e病院のもの、記載金額34万2460円)に対応する同月9日の入金のほか、同日に4万1316円の入金があるが、その入金にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和2年12月 額34万2460円)に対応する同月9日の入金のほか、同日に4万1316円の入金があるが、その入金にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和2年12月9日の4万1316円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和2年12月9日の入金の金額(4万1316円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同月8日の①e病院のもの及び②訪問看護ステーションiのもの[甲41、53])の記載金額(①34万2460円及び②4473円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同月9日の4万1316円の入金が、同月8日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和2年12月9日の4万1316円の入金は、同月8日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 た現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和2年12月9日の4万1316円の入金は、同月8日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は20万円(同日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額34万2460円と同月9日の入金額14万2460円の差額)と認められる(甲41、53)。 【第3の2の事実について】 1 別表番号2(令和3年4月2日の横領)について(弁護人の主張)令和3年4月1日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額(38万0990円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(38万0770円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が220円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性があり、その場合、入金額(18万0990円)との差額は19万9780円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月2日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和3年4月1日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額38万0990円と同月2日の入金額18万0990円の差額)と認められる(甲48、54)。 2 別表番号4(令和3年4月6日の横領)について(弁護人の主張)令和3年4月3日から同月5日までの現金渡票の記載金額(37万0317円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(37万0267円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が50円多い)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性があり、その場合、入金額(17万0317円)との差額は19万9950円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月6日の横領はなかっ 前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性があり、その場合、入金額(17万0317円)との差額は19万9950円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月6日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和3年4月3日から同月5日の現金渡票の記載金額37万0317円と同月6日の入金額17万0317円の差額)と認められる(甲48、54)。 3 別表番号6(令和3年4月8日の横領)について (弁護人の主張)令和3年4月8日の横領金額算出の基礎とされた同月7日の現金渡票(e病院のもの、記載金額28万7010円)に対応する同月8日の8万7010円の入金のほか、同日に7400円の入金があるが、その入金額にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和3年4月8日の7400円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和3年4月8日の入金の金額(7400円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同月7日の①e病院のもの及び②訪問看護ステーションiのもの[甲48、54])の記載金額(①28万7010円及び②1万2151円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3まで 応する現金渡票(同月7日の①e病院のもの及び②訪問看護ステーションiのもの[甲48、54])の記載金額(①28万7010円及び②1万2151円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同月8日の7400円の入金が、同月7日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和3年4月8日の7400円の入金は、同月7日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は20万円(令和3年4月7日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額28万7010円と同月8日の入金額8万7010円の差額)と認められる(甲48、54)。 4 別表番号63(令和3年8月2日の横領)について(弁護人の主張)令和3年8月2日の横領金額算出の基礎とされた同年7月30日から同月31日までの現金渡票に関する同月30日と同月31日の日計表について、同月31日(土曜日)分が同月30日(金曜日)分にまとめて記載されている。通常、土曜日・日曜日分は翌月曜日に記載されるのに、金曜日(しかも同月31日より前の日)に記載されているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和3年7月30日と同月31日の現金渡票の記載金額20万3613円と同年8月2日の入金額10万3613円の差額)と認められる(甲48、54)。 説示Eのとおりである。横領金額は10万円(令和3年7月30日と同月31日の現金渡票の記載金額20万3613円と同年8月2日の入金額10万3613円の差額)と認められる(甲48、54)。 5 別表番号65(令和3年8月4日の横領)について(弁護人の主張)令和3年8月4日の横領金額算定の基礎とされた同月3日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額(28万5206円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(29万7996円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が1万2790円少ない)。前記現金収支の金額が被告人に引き継がれた可能性があり、その場合、入金額(8万5206円[前記e病院の現金渡票に対応するもの])との差額は21万2790円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月4日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和3年8月3日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額28万5206円と同月4日の入金額8万5206円の差額) と認められる(甲48、54)。 6 別表番号66(令和3年8月6日の横領)について(弁護人の主張)令和3年8月6日の横領金額算出の基礎とされた同月4日の現金渡票(e病院のもの、記載金額26万4763円)に対応する同月6日の16万4763円の入金のほか、同日に1万3827円の入金があるが、その入金額にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和3年8月6日の1万3827円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一で 27円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和3年8月6日の入金の金額(1万3827円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同月4日の①e病院のもの及び②訪問看護ステーションiのもの[甲48、54])の記載金額(①26万4763円及び②7593円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同月6日の1万3827円の入金が、同月4日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和3年8月6日の1万3827円の入金は、同月4日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は10万円(令和3年8月4日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額26万4763円と同月6日の入金額16万4763円の差額)と認められる(甲48、54)。 7 別表番号122(令和3年11月1日 額は10万円(令和3年8月4日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額26万4763円と同月6日の入金額16万4763円の差額)と認められる(甲48、54)。 7 別表番号122(令和3年11月1日の横領)について(弁護人の主張)令和3年11月1日の横領金額算出の基礎とされた同年10月29日から同月31日までの現金渡票に関する同月29日から同月31日までの日計表について、同月30日(土曜日)と同月31日(日曜日)分が同月29日(金曜日)分にまとめて記載されている。通常、土曜日・日曜日分は翌月曜日に記載されるのに、金曜日(しかも同月30日、同月31日より前の日)に記載されているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は30万円(令和3年10月29日から同月31日までの現金渡票[e病院のもの]の記載金額48万1540円と同年11月1日の入金額18万1540円の差額)と認められる(甲48、54)。 8 別表番号136(令和3年11月24日の横領)について(弁護人の主張)令和3年11月24日の横領金額算出の基礎とされた同日の14万1311円の入金のほか、同日に4万6000円の入金があるが、その入金額にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和3年11月24日の4万6000円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載 金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円 額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和3年11月24日の入金の金額(4万6000円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同月22日のe病院のもの[甲48、54])の記載金額(44万1311円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同月24日の4万6000円の入金が、同月22日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、同月24日の4万6000円の入金は、同月22日の現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は30万円(令和3年11月22日の現金渡票の記載金額44万1311円と同月24日の入金額14万1311円の差額)と認められる(甲48、54)。 9 別表番号173(令和4年1月24日の横領)について(弁護人の主張)令和4年1月20日の現金渡票(e病院のもの、記載金額30万6298円)には「+4円調整」との記載があるが、被告人に手渡された現金は、現金渡票の記載金額30万6298円だった可能性がある。これに対応する同月24日の入金額は 渡票(e病院のもの、記載金額30万6298円)には「+4円調整」との記載があるが、被告人に手渡された現金は、現金渡票の記載金額30万6298円だった可能性がある。これに対応する同月24日の入金額は10万6302円であり、その差額は19万9996円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断) 医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和4年1月20日の現金渡票(e病院のもの、記載金額30万6298円)の「+4円調整」との記載(甲54)は、記載金額に4円を加える趣旨と理解することも可能である。 これらを併せ考えると、gは、前記現金渡票の記載金額30万6298円に4円を加えた30万6302円を被告人に手渡したと認められる(なお、gは現金渡票の記載金額30万6298円を被告人に手渡したと思う旨供述するけれども、これまでの説示に照らし採用できない)。 横領金額は20万円(令和4年1月20日の現金渡票[e病院のもの、記載金額30万6298円]についてgが被告人に手渡した現金30万6302円と、これに対応する同月24日の入金額10万6302円との差額)と認められる(甲48、54)。 10 別表番号180(令和4年2月1日の横領)について(弁護人の主張)令和4年2月1日の横領金額算出の基礎とされた同年1月29日から同月31日 との差額)と認められる(甲48、54)。 10 別表番号180(令和4年2月1日の横領)について(弁護人の主張)令和4年2月1日の横領金額算出の基礎とされた同年1月29日から同月31日までの現金渡票に対応する同年2月1日の14万0647円の入金のほか、同日に4430円の入金があるが、その入金額にかかる現金渡票が存在しないのは不自然である。 (当裁判所の判断)弁護人のいう令和4年2月1日の4430円の入金は認められるが(弁1)、その入金金額が記載された現金渡票が存在するか否かは、証拠上明らかでない。 しかしながら、医事係担当者が被告人に手渡した現金の金額は、現金渡票の記載金額と同一であると認められることは、説示Aのとおり、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。 さらに、令和4年2月1日の入金の金額(4430円)は、同日の入金に対応する現金渡票(同年1月29日から同月31日までのe病院のもの[甲48、54])の記載金額(44万0647円)とは異なる上、比較的少額である。第3の1から3までの横領が行われた期間、数万円以下の入金が行われるときは、ほとんどの場合、それと同一金額が記載された現金渡票が存在し、1枚の現金渡票の記載金額について複数回の入金が行われる場合は極めてまれであることは、説示Dのとおりである。したがって、同年2月1日の4430円の入金が、同年1月29日から同月31日までの現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記 である。したがって、同年2月1日の4430円の入金が、同年1月29日から同月31日までの現金渡票の記載金額に対応する現金について行われた(その一部だけを入金した)とは考えにくい(その入金金額が記載された現金渡票が存在すると考えるのが自然である)。 以上によれば、令和4年2月1日の4430円の入金は、同年1月29日から同月31日までの現金渡票の記載金額に対応する現金について行われたものではないと認められる。 横領金額は30万円(令和4年1月29日から同月31日までの現金渡票の記載金額44万0647円と同年2月1日の入金額14万0647円の差額)と認められる(甲48、54)。 11 別表番号182(令和4年2月4日の2回目の横領)について(弁護人の主張)令和4年2月4日の2回目の横領金額算出の基礎とされた同月3日の現金渡票に関する日計表が存在しない(同月4日作成のものしかなく、同月3日作成のものが ない)ため、現金渡票の記載金額の正確性を検証できない。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和4年2月3日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額28万9114円と同月4日の入金額8万9114円の差額)と認められる(甲48、54)。 12 別表番号189(令和4年2月16日の横領)について(弁護人の主張)令和4年2月16日の横領金額算定の基礎とされた同月15日の現金渡票(e病院のもの)の記載金額(30万8997円)と、それと一致するはずの日計表等に基づいて計算される現金収支の金額(30万4697円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が4300円多い)。前記現金収支の金額が被告人に手渡された可能性があり、その場合、入金額(10万8997円)との差額は19万5700円となるが、被告人は1万 円)が食い違う(現金渡票の記載金額の方が4300円多い)。前記現金収支の金額が被告人に手渡された可能性があり、その場合、入金額(10万8997円)との差額は19万5700円となるが、被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同月16日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和4年2月15日の現金渡票[e病院のもの]の記載金額30万8997円と同月16日の入金額10万8997円の差額)と認められる(甲48、54)。 【第3の3の事実について】 1 別表番号2(令和4年4月6日の横領)について(弁護人の主張)令和4年4月6日の横領に関する同月5日の現金渡票の記載金額の基礎となる同日の日計表の作成日付が、同年11月15日(横領があったとされる日から7か月余経過後)となっているのは不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。横領金額は20万円(令和4年4月5日の現金渡票の記 載金額33万5570円と同月6日の入金額13万5570円の差額)と認められる(甲19、55)。なお、h供述よれば、前記日計表の日付(右上に印字された日付[4.11.15作成]、甲20)は、日計表データの印刷日(左上に印字された日付[令和4年4月5日]が対象日)であるから不自然とはいえない。 2 別表番号16(令和4年4月26日の横領)について(弁護人の主張)令和4年4月26日の横領に関する同月23日から同月25日までの現金渡票について、「×」の付されたものと、それがないものが存在する。横領金額算出の基礎とされた「×」のない現金渡票の記載金額は29万6249円であるが、「×」の付された現金渡票の記載金額29万2089円が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、同 が存在する。横領金額算出の基礎とされた「×」のない現金渡票の記載金額は29万6249円であるが、「×」の付された現金渡票の記載金額29万2089円が被告人に引き継がれた可能性がある。その場合、同月26日の入金額は9万6249円であり、その差額は19万5840円である。被告人は1万円未満の現金は横領しなかったから、同日の横領はなかったといえる。 (当裁判所の判断)h供述によれば、令和4年4月26日の横領に関する同月23日から同月25日までの現金渡票(甲55)について、hは、「×」の付されていない現金渡票の記載金額の現金を被告人に手渡したと認められる。「×」の付されていない現金渡票の記載金額29万6249円と同月26日の入金額9万6249円との差額は20万円である。入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおりである。横領金額は20万円と認められる。 3 別表番号18(令和4年5月9日の横領)について(弁護人の主張)令和4年5月9日の横領(横領額20万円)に関する同月1日及び同月2日の現金渡票の記載金額は35万2065円、これに対応する入金は同月6日の8820円と同月9日の14万3245円とされる。しかしながら、同月6日被告人は入金 をしていない(休暇をとっていた)から、同月9日被告人が受け取った現金は34万3245円(35万2065円から8820円を差し引いた金額)だったはずである。そうすると、現金渡票と被告人が引き継いだ金額が一致せず不自然である。 (当裁判所の判断)h供述によれば、hが現金渡票の記載金額の現金を手渡して入金を依頼したのは被告人だけであったこと、hは現金渡票の金額の現金を一度に全部被告人に手渡したことが認められる。(以下、こ 裁判所の判断)h供述によれば、hが現金渡票の記載金額の現金を手渡して入金を依頼したのは被告人だけであったこと、hは現金渡票の金額の現金を一度に全部被告人に手渡したことが認められる。(以下、この段落の説示を「説示F」という)したがって、令和4年5月1日から同月2日までの現金渡票の記載金額の現金35万2065円(甲55)は、一度に全部被告人に手渡され、その金額に対応する同月6日(8820円)と同月9日(14万3245円)の入金(甲19、弁2)は、被告人もしくは被告人が現金を手渡して入金を依頼した者が行ったと認めるほかない(h供述によれば、同月6日の8820円の入金に対応する同日付け入金申込書[記載金額8820円《弁2》]があるので、これに対応する同金額の現金渡票も存在するはずであるという。被告人は、同月6日は入金しなかったというけれども、それを裏付ける証拠はなく、採用できない)。加えて、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。横領金額は20万円(被告人に手渡された現金35万2065円と、被告人による入金額8820円及び14万3245円の差額)と認められる(甲19、55)。 4 別表番号19(令和4年5月12日の1回目の横領)について(弁護人の主張)令和4年5月12日の1回目の横領(横領額10万円)に関する同月3日から同月6日までの現金渡票の記載金額は20万5411円、これに対応する入金は同月9日の980円と同月12日の10万4431円とされる。しかしながら、同月9 日被告人は入金をしていない 日から同月6日までの現金渡票の記載金額は20万5411円、これに対応する入金は同月9日の980円と同月12日の10万4431円とされる。しかしながら、同月9 日被告人は入金をしていない(同日の入金申込書は被告人が作成したものでない)から、同月12日被告人が受け取った現金は20万4431円(20万5411円から980円を差し引いた金額)だったはずである。そうすると、現金渡票と被告人が引き継いだ金額が一致せず不自然である。 (当裁判所の判断)説示Fのとおりである。令和4年5月3日から同月6日までの現金渡票の記載金額の現金20万5411円(甲55)は、一度に全部被告人に手渡され、その金額に対応する同月9日(980円)と12日(10万4431円)の入金(甲19、弁2)は、被告人もしくは被告人が現金を手渡して入金を依頼した者が行ったと認めるほかない(h供述によれば、同月9日の980円の入金に対応する同日付け入金申込書[記載金額980円《弁2》]があるので、これに対応する同金額の現金渡票も存在するはずであるという。被告人は、同月9日は入金しなかったというけれども、それを裏付ける証拠はなく、採用できない)。加えて、入金額が現金渡票の記載金額より少ない場合、その差額分は被告人が横領したと認めるほかないことは、説示Bのとおり、「被告人は5万円、10万円、10万円を超える現金は10万円単位で横領していた」旨の被告人供述にそれなりの具体性、合理性があることは、説示Cのとおりである。横領金額は10万円(被告人に手渡された現金20万5411円と被告人による入金額980円及び10万4431円の差額)と認められる(甲19、55)。 5 別表番号21、22(いずれも令和4年5月12日の横領)について(弁護人の主張)令和4年5月12日の横領 による入金額980円及び10万4431円の差額)と認められる(甲19、55)。 5 別表番号21、22(いずれも令和4年5月12日の横領)について(弁護人の主張)令和4年5月12日の横領(別表番号21、22)に関する同月10日(別表番号21)、同月11日(別表番号22)の現金渡票の記載金額の基礎となる日計表(同月10日、同月11日、同月12日、同月17日のもの)について、それぞれ、「Ꮘ」の付されたものと、それがないものが存在する。①このように2種類の日計表が作成された点、②「Ꮘ」の付された日計表は、同月17日のものを除いて作成 日が当日となっており、24時締め(作成日は翌日になるはず)で作成されていない点、③「Ꮘ」が付されていない日計表は、作成日がいずれも同月19日となっている点は、いずれも不自然である。 (当裁判所の判断)説示Eのとおりである。なお、証拠(甲20[日計表は48~59、64~67頁])によれば、①は事務支援システムの処理で生じたミスを修正したため[そのために修正前のもの《「Ꮘ」の付されたもの》と、修正後のもの《「Ꮘ」のないもの》が存在する]、②③は前記ミスの発生と修正に伴うものと考えられる。いずれも不自然とはいえない。横領金額は令和4年5月12日の2つの横領(別表番号21、22)について、いずれも40万円(別表番号21について、同月10日の現金渡票の記載金額64万2190円と同月12日の入金額24万2190円の差額、別表番号22について、同月11日の現金渡票の記載金額60万8892円と同月12日の入金額20万8892円の差額)と認められる(甲19、55)。 (法令の適用)罰条 ①第1②第2の1、2、第3の1から3まで①②はそれぞれ包括して刑法253条併合罪の処理 額20万8892円の差額)と認められる(甲19、55)。 (法令の適用)罰条 ①第1②第2の1、2、第3の1から3まで①②はそれぞれ包括して刑法253条併合罪の処理刑法45条前段、47条本文、10条(犯情の重い②の業務上横領罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(刑を定めるに当たり特に考慮した事情)a役場、e病院で会計経理、出納業務に従事していた被告人が、業務として預かり保管していた預貯金口座から現金を引き出し着服して横領し(第1、第2の1、2)、あるいは、金融機関に入金するため預かった現金の一部を着服して横領した(第3の1から3まで)。平成28年6月1日から令和4年6月2日までの間の6年間余、 697回にもわたり繰り返した常習的犯行である。犯行の発覚を免れるため、会計システムのデータを改ざんして収支の帳尻を合わせるなどの偽装工作も行った。a役場やe病院で金銭管理を任された自己の業務上の立場、役割を悪用し、信頼を裏切って敢行した大胆、狡猾な犯行である。被害は合計1億6985万円余と巨額である。 被害の大部分は弁償されていない。遊興費や生活費を手っ取り早く稼ぐためにした、誠に身勝手で安易、浅はかな犯行である。厳しい非難が向けられるべきである(a役場で水道事業に従事していた際、粉飾決算を自分だけに押し付けてさせられたので、その仕返しをする気持ちもあったともいうけれども、本件各犯行を正当化し得る理由には到底なり得ない)。刑責は相当重い。 他方、おおむね事実を認めて反省の態度を示している。aに1153万円余を被害弁償した。前科前歴がない。これらの酌むべき事情も考慮した上、主文の刑を科するのが相当と判断した。 (求刑 は相当重い。 他方、おおむね事実を認めて反省の態度を示している。aに1153万円余を被害弁償した。前科前歴がない。これらの酌むべき事情も考慮した上、主文の刑を科するのが相当と判断した。 (求刑-懲役8年)令和7年5月8日津地方裁判所刑事部 裁判官出口博章
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