令和2(行ケ)10037 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和3年3月29日 知的財産高等裁判所 1部 判決 審決取消
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1令和3年3月29日判決言渡令和2年(行ケ)第10037号 審決取消請求事件口頭弁論終結日 令和3年2月1日判 決原 告 株式会社サンセイアールアンドディ訴訟代理人弁理士 山 田 和 寛福 嶋 亨冬 木 郁 代吉 田 元 治被 告 特許庁長官指定代理人 佐 藤 高 之瀬 津 太 朗長 崎 洋 一樋 口 宗 彦小 出 浩 子主 文1 特許庁が不服2019-10092号事件について令和2年2月26日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事 実 及 び 理 由第1 請求主文第1項と同旨第2 事案の概要1 特許庁における手続の経緯等⑴ 原告は,平成26年7月24日に出願した特許出願(特願2014-150521号)の一部を分割して,平成28年2月2日,発明の名称を「遊技2機」とする発明について,新たな特許出願(特願2016-18140号。 以下「本願」という。甲2)をした。 原告は,平成29年7月20日付けで特許請求の範囲及び明細書について手続補正(以下「 機」とする発明について,新たな特許出願(特願2016-18140号。 以下「本願」という。甲2)をした。 原告は,平成29年7月20日付けで特許請求の範囲及び明細書について手続補正(以下「第1次補正」という。甲3)をした後,平成30年4月19日付けの拒絶理由通知(甲4)を受けたため,同年5月31日付けで特許請求の範囲及び明細書について手続補正(以下「第2次補正」という。甲6)をしたが,さらに,同年9月28日付けの拒絶理由通知(以下「本件拒絶理由通知」という。甲7)を受けたため,同年11月14日付けで特許請求の範囲及び明細書について手続補正(以下「第3次補正」という。甲9)をした。 特許庁は,平成31年4月23日付けで,第3次補正を却下する決定(以下「第3次補正の却下決定」という。甲10)をするとともに,第2次補正後の請求項1に係る発明の新規性及び進歩性を否定して拒絶査定(以下「本件拒絶査定」という。甲11)をした。 ⑵ 原告は,令和元年7月31日,「原査定を取り消す。本願は特許すべきものである。」との審決を求める拒絶査定不服審判(不服2019-10092号事件。以下「本件審判」という。甲12)を請求するとともに,同日付けで,特許請求の範囲及び明細書について手続補正(以下「本件補正」という。甲13)をした。なお,本件補正は,第3次補正と同じ内容である。 特許庁は,令和2年2月26日,本件補正を却下する決定をした上で,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同年3月10日,原告に送達された。 ⑶ 原告は,令和2年3月20日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 特許請求の範囲の記載⑴ 第2次補正後のもの3第2次補正後の特許請求の範囲 原告に送達された。 ⑶ 原告は,令和2年3月20日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 特許請求の範囲の記載⑴ 第2次補正後のもの3第2次補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおりである(以下,同請求項1に係る発明を「本願発明」という。甲6)。 【請求項1】所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促す操作演出を実行する演出実行手段と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備え,前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。 ⑵ 本件補正後のもの本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおりである(以下,同請求項1に係る発明を「本件補正発明」という。下線部は,本件補正による補正箇所である。甲13)。 【請求項1】所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを4遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な 条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを4遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備え,前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。 3 本件審決の理由の要旨⑴ 本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりである。 その要旨は,①本件補正発明は,本願出願前に頒布された刊行物である特開2013-208304号公報(以下「引用文献1」という。甲1)に記載された発明(以下「引用発明」という。)と同一の発明であるから,特許法29条1項3号の規定により,特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから,本件補正は,却下すべきものである,②本願発明は,引用発明と同一の発明であるから,同号の規定により特許を受けることができないというものである。 (2) 本件審決は,次のとおり,本件補正発明を構成に分説し,引用発明を認定した上で,本件補正 明は,引用発明と同一の発明であるから,同号の規定により特許を受けることができないというものである。 (2) 本件審決は,次のとおり,本件補正発明を構成に分説し,引用発明を認定した上で,本件補正発明と引用発明を対比し,引用発明の構成aないしfは5本件補正発明の構成AないしFに相当するから,本件補正発明は,引用発明と同一のものである旨判断した。 【本件補正発明の構成の分説】A 所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,B 通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,C 前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段と,D 前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備え,E 前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とするF 遊技機。 【引用発明】a 特図1,2関連抽選処理において,特図1始動口230または特図2始動口232への入賞に基づいて,大当りとするか,小当りとするか,はずれとするかの当否判定を行うCPU304を有する主制御部300(【0 図1,2関連抽選処理において,特図1始動口230または特図2始動口232への入賞に基づいて,大当りとするか,小当りとするか,はずれとするかの当否判定を行うCPU304を有する主制御部300(【06083】,【0097】,【0131】,【0132】)と,b 遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与え,操作有効期間中にチャンスボタン136が発光状態(第1の態様)から,遊技者がその振動を触覚的に感じ取ることができる,発光+振動状態(第2の態様)に変化可能に構成されたチャンスボタン136(【0012】,【0448】,【0473】,【0532】)と,c リーチ形成中に係る通常予告演出としての「ボタン系」の予告演出を実行する第1副制御部400とを備え(【0360】,【0513】),c1,d 第1副制御部400は,特図変動遊技の開始時の予告決定処理において,リーチ形成中に係る「ボタン系」の予告演出の予告態様として,次のア~ウの態様を選択する予告決定処理を実行し(【0360】,【0511】,【0513】),ア.「操作手段」として,チャンスボタン136が第1の態様から第2の態様に変化することを示す,チャンスボタン136の態様「1-2」(【0383】~【0384】),イ.「表示」として,演出表示予告の予告態様が,表示2から表示3に変化することを示す,予告態様「2-3」(【0383】~【0384】),ウ.「予告態様の変化契機」として,チャンスボタン136の1回の操作(押下)を契機として演出表示予告が開始され,または演出表示予告の予告態様が変化することを示す「操作1回」,および,チャンスボタン136の操作を遊技者に要求する操作要求演出の開始から3秒経過することを契機としてチャンスボタン136の態様が変化すること 示予告の予告態様が変化することを示す「操作1回」,および,チャンスボタン136の操作を遊技者に要求する操作要求演出の開始から3秒経過することを契機としてチャンスボタン136の態様が変化することを示す「3秒経過」(【0385】),「ボタン系」の予告演出において,「リーチB」の演出が開始されてから所定時間経過後にチャンスボ7タン136の操作有効期間が開始されて,チャンスボタン136を表した画像と,演出表示領域208dの中央部上方に「連打せよ!」という文字画像とがそれぞれが表示されて遊技者にチャンスボタン136の押下をうながす操作要求演出を実行し(【0360】,【0521】),操作有効期間中であって装飾図柄表示装置208による操作要求演出の実行中に,チャンスボタン136を1回押下すると,リーチ形成中の演出表示予告として,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに表示2の「番長の幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて,信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医」のキャラクタ画像を表示し(【0379】,【0383】~【0384】,【0522】~【0523】,【0644】),操作有効期間中であって操作要求演出が開始されてから3秒経過すると,チャンスボタン136の態様を,発光状態(第1の態様)から,発光+振動状態(第2の態様)に発展的に変化させ(【0360】,【0448】,【0473】),e チャンスボタン136の第1の態様を実行するよりも第2の態様を実行する方が大当りに当選することを遊技者に期待させることができる(【0376】)f パチンコ機100(【0008】)。 第3 当事者の主張1 取消事由1(手続違背)⑴ 原告の主張第3次補正の却下決定の理由は,補正事項が新規事項 る(【0376】)f パチンコ機100(【0008】)。 第3 当事者の主張1 取消事由1(手続違背)⑴ 原告の主張第3次補正の却下決定の理由は,補正事項が新規事項の追加に当たるから,第3次補正は特許法17条の2第3項に違反するというものである。 原告は,本件審判の請求と同時に,第3次補正と同じ内容の本件補正をし8たところ,本件審決は,本件補正の補正事項は新規事項の追加に当たらないから,本件補正は同項に規定する要件を満たすが,本件補正後の請求項1に係る発明(本件補正発明)は,新規性を欠くので,独立特許要件を満たさないとして,本件補正を却下する決定をした上で,本件拒絶査定をした。 しかし,本件審決が,第3次補正と同じ内容の本件補正が新規事項の追加に当たらないとして,第3次補正の却下決定が誤りであることを認めた以上,本件補正発明が新規性の欠如により独立特許要件を欠くとの本件補正の却下理由は,本件拒絶査定における拒絶理由と異なる拒絶理由であるといえるから,本件審判手続において,原告に対し,新たな拒絶理由通知をし,反論の機会を与えるべきであったのに(特許法159条において準用する同法50条本文),これを怠った手続違背の違法がある。 ⑵ 被告の主張本件拒絶理由通知(甲7)記載の拒絶理由は,引用文献1に基づいて新規性又は進歩性が否定されるとする理由であるから,本件審決が本件補正発明が引用文献1により新規性が否定されると認定したことは,本件拒絶査定とと同一の拒絶理由に基づくものであり,特許法第50条を準用する同法159条2項の「拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合」に該当しない。 また,第3次補正の却下決定においても,予備的見解として同様の理由が示されているから,本件審判手 59条2項の「拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合」に該当しない。 また,第3次補正の却下決定においても,予備的見解として同様の理由が示されているから,本件審判手続で,新たな拒絶理由通知を行う必要はない。 したがって,本件審判手続に新たな拒絶理由通知の欠缺の手続違背があるとの原告の主張は,理由がない。 2 取消事由2(引用文献1を主引用例とする本件補正発明の新規性の判断の誤り)⑴ 原告の主張ア 本件補正発明の構成Cに関する判断の誤り9本件審決は,①引用発明の構成c,c1,d(以下「本件構成」という場合がある。)における「操作有効期間中であって装飾図柄表示装置208による操作要求演出の実行中に,チャンスボタン136を1回押下する」ことは,本件補正発明における「操作有効期間中に操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の操作手段の操作を契機と」することに相当する,②本件構成における「「ボタン系」の予告演出において」,「信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医」のキャラクタ画像を表示」する演出は,当り確定を表示する演出であるから,本件補正発明における「演出の結果が示される操作演出」に相当する。③したがって,引用発明の本件構成は,本件補正発明の構成Cの「前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段」に相当する旨判断した。 しかしながら,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段」に相当する旨判断した。 しかしながら,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」とは,「最初の前記操作手段の操作を契機」として「必ず」大当たりであることを示す「演出の結果」が示されることを意味するものと解されるところ,引用文献1の【0368】の「本実施の形態によるパチンコ機100では,予告抽選2において演出表示予告の予告態様が発展的に変化する「1-2」または「2-3」が選択された場合には,操作有効期間中にチャンスボタン136が1回押下されたことに基づいて表示1または表示2が装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに出現して演出表示予告が開始される。その後,操作有効期間中にチャンスボタン136がさらに1回押下されたことに基づいて演出表示予告の予告態様が表示2または表示3に発10展的に変化する。」との記載によれば,演出表示予告の予告態様が,表示2の「番長の幼馴染」のキャラクタ画像から表示3の「保健医」のキャラクタ画像に変化することを示す,予告態様「2-3」が選択された場合,操作有効期間中の1回目のチャンスボタン136の操作により表示2の「番長の幼馴染」のキャラクタ画像が表示され,2回目のチャンスボタン136の操作により表示3の「保健医」のキャラクタ画像が表示されるものであって,最初(1回目)のチャンスボタン136の操作を契機として大当たりであることを示す表示3の「保険医」のキャラクタ画像が必ず表示される構成とはいえないから,引用発明の本件構成は,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初のチャンスボタン136の操作を契機として表示3が表示される」構成に相当するものではない。 したがって,引用発明 から,引用発明の本件構成は,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初のチャンスボタン136の操作を契機として表示3が表示される」構成に相当するものではない。 したがって,引用発明は,本件補正発明の構成Cに相当する構成を有するものではないから,本件審決の上記判断は誤りである。 イ 本件補正発明の構成D及びEに関する判断の誤り本件審決は,引用発明の本件構成は,本件補正発明の構成Dに相当し,引用発明の構成eの「チャンスボタン136の第1の態様を実行するよりも第2の態様を実行する方が大当りに当選することを遊技者に期待させることができ」ることは,本件補正発明の構成Eの「操作手段が操作されていないにも拘わらず操作有効時間内に操作手段が第一状態から第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されている」ことに相当する旨判断した。 しかし,引用文献1の【0478】には,「本実施例によるパチンコ機100では,チャンスボタン136が操作することでのみ第2の態様に変化するので,チャンスボタンの第2の態様への変化に対する自力操作での達成感を遊技者に付与することができる場合がある。」との記載があり,上記11記載中の「操作することでのみ第2の態様に変化する」及び「自力操作での達成感を遊技者に付与する」との部分は,操作されなければ第2の態様(振動状態)に変化することはないことを述べたものと解釈するのが自然であるから,引用文献1には,本件補正発明の構成Dの「前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に操作させる場合がある」及び構成Eの「前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手 成Dの「前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に操作させる場合がある」及び構成Eの「前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化」することについての開示はない。 したがって,引用発明は,本件補正発明の構成D及びEに相当する構成を有するものではないから,本件審決の上記判断は誤りである。 ウ 被告の予備的主張について被告は,仮に本件補正発明の構成Cの「当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」にいう「最初の前記操作手段の操作を契機として」との構成は,最初の一回のボタン操作のみ行われる場合を指すと限定解釈することを前提としても,引用文献1には別の実施例(被告主張の「技術事項A」)に係る発明が記載されており,当該発明は本件補正発明の構成C,D及びEに相当する構成を有するから,引用文献1に基づいて本件補正発明の新規性を否定した本件審決の判断に誤りはない旨主張する。 しかし,被告の上記主張は,本件審決が引用文献1記載の発明として認定した引用発明とは異なる技術事項Aに係る発明に基づいて本願補正発明が新規性を欠くことを主張するものにほかならず,本件審決が示した本願の拒絶理由を変更するものであり,このような拒絶理由の変更を認めることは,実質的に審判手続における請求人の反論の機会(特許法159条2項,50条)を奪う結果につながるものであるから,許されるべきものではない。 12また,被告主張の技術事項Aは,「操作有効期間の「経過後」(終了後)」に,操作手段(チャンスボタン136)が第一状態から第二状態に変化するものであって,「操作有効時間内」に操作手段が第 また,被告主張の技術事項Aは,「操作有効期間の「経過後」(終了後)」に,操作手段(チャンスボタン136)が第一状態から第二状態に変化するものであって,「操作有効時間内」に操作手段が第一状態から第二状態に変化するものではないから,少なくとも,この点において本件補正発明と相違するから,技術事項Aに係る発明に基づいて本件補正発明の新規性は否定されるものではない。 エ 小括以上のとおり,引用発明は,本件補正発明の構成CないしEに相当する構成を有しないから,本件補正発明が引用発明と同一の発明であるということはできない。 したがって,本件補正発明の新規性を否定した本件審決の判断(独立特許要件の判断)に誤りがあり,この誤りは,本件審決の結論に影響を及ぼすというべきである。 ⑵ 被告の主張ア 本件補正発明の構成Cに関する判断の誤りの主張に対し(ア) 構成Cの「当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」操作演出の意義について本件補正発明の構成Cの「当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段」にいう「最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」とは,以下のaないしeを総合すると,操作手段の最初の「操作直後に演出の結果が示される態様」のみならず,操作手段の最初の操作を「きっかけ」として,所定時間後に演出の結果が示される態様を包含するものをいい,操作手段の1度の操作によって直ちに演出の結果が示されるものに限定して解されるべきものではない。 a 「契機」(広辞苑第六版)とは,「動因。ある事象を生じさせるきっ13かけ。」を意味する用語である。 b 遊技機の 結果が示されるものに限定して解されるべきものではない。 a 「契機」(広辞苑第六版)とは,「動因。ある事象を生じさせるきっ13かけ。」を意味する用語である。 b 遊技機の技術分野において,操作手段の操作を契機(きっかけ)とした演出を実行する際,操作が契機となる演出が実行される前に異なる演出を挟むなど,操作後直ちに演出が実行されるとは限らないことは,技術常識である(例えば,乙2の【0166】~【0170】,図14,乙3の【0343】,乙4の請求項1,【0089】,【0090】,【0270】,図8及び26)。 c 遊技機の技術分野においては,以下のi)~iii)の例のとおり,「契機」という用語を,操作手段の操作後直ちに結果が生じない場合についても用いられているのが通常である(例えば,乙2の【0168】,【0169】,乙3の【0343】,乙4の【0089】,【0090】)。 d 本願の願書に添付した明細書(第1次補正及び本件補正後のもの。 以下,図面を含めて「本願明細書」という。甲2,3,13)の【0024】には,「大当たりの抽選は,…始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する。…その他の構成等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため,説明は省略する。」との記載がある。 遊技機の技術分野では,始動入賞口に入賞(入球)した場合に,まず抽選用の乱数が取得され,入賞に伴う演出(変動)が可能になったタイミングで,当該乱数に基づく抽選が行われて,大当たり等の当否が決定される方式の遊技機が一般的であり,そのような方式の遊技機の場合,先の入賞に伴う変動中に次の入賞が起きた場合は,すぐに抽選は行われず,最大4つまで,一旦(乱数が)保留(記憶)され,先の変動が終了して次の変動が行えるタイミングま り,そのような方式の遊技機の場合,先の入賞に伴う変動中に次の入賞が起きた場合は,すぐに抽選は行われず,最大4つまで,一旦(乱数が)保留(記憶)され,先の変動が終了して次の変動が行えるタイミングまで待って,当該保存された乱数をもとに抽選が行われることになるのが技術常識であること(甲1,乙2ないし4)を踏まえると,【0024】の「大当たりの14抽選は,…始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する。」との記載における「契機」は,入賞し,最大4つの保留を経て抽選されるような場合を当然に含むといえるから,本願明細書においても,「契機」を,遊技球の入賞直後に生じる事象に限定されない意味で用いているといえる。 (イ) 引用発明が構成Cに相当する構成を有すること引用発明の構成cの「ウ」の記載は,「操作有効期間中」に「チャンスボタン136の1回の操作(押下)を契機として」生じる事象は,表示2による演出表示予告が開始され,続いて,「保健医」のキャラクタ画像を含む表示3に変化する,「予告態様「2-3」」の一連の演出が実行されることを開示するものである。 一方,引用文献1の【0465】に記載とされているように,最初のチャンスボタン136の押下がないと,変化後の演出表示予告の予告態様を表示することができないのであるから,演出表示予告の開始や,予告態様の変化の表示は,最初のチャンスボタン136の押下が契機になっているといえる。 そうすると,引用発明では,チャンスボタン136の1回の操作を契機として,表示2による演出表示予告が開始され,続いて,「保健医」のキャラクタ画像を含む表示3に変化する一連の予告演出を実行しているということができる。 加えて,引用発明における「信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医 開始され,続いて,「保健医」のキャラクタ画像を含む表示3に変化する一連の予告演出を実行しているということができる。 加えて,引用発明における「信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医」のキャラクタ画像を表示」する演出は,本件補正発明における「演出の結果が示される操作演出」に相当するものであることを総合すると,引用発明の本件構成のうち,「操作有効期間中」における,最初の「チャンスボタン136の1回の操作(押下)を契機として演出表示予告が開始され」,その「予告態様「2-3」」の一連の「演出表示15予告」の中で「信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医」のキャラクタ画像を表示」することは,本願補正発明の構成Cの「操作有効期間中に操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する」ことに相当する。 したがって,引用発明が本件補正発明の構成Cに相当する構成を有するとした本件審決の判断に誤りはない。 イ 本件補正発明の構成D及びEに関する判断の誤りの主張に対し(ア) 引用文献1の【0458】ないし【0477】の記載によれば,本実施の形態の2-3は,演出に関する予告抽選の結果が,「操作5回 3秒」,演出表示予告の態様が「2」,チャンスボタンの態様が「1-2」の場合,リーチ形成後の演出において,リーチ形成後の操作有効期間開始から3秒経過することを契機として変化しているから,チャンスボタン136を操作しなくても,操作要求演出から3秒経過することにより,第2の態様への変化が自ずと起こるものであることは明らかである。 したがって,引用文献1には,構成Dの「前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に操作さ により,第2の態様への変化が自ずと起こるものであることは明らかである。 したがって,引用文献1には,構成Dの「前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に操作させる場合がある」こと,及び構成Eの「前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化」することが開示されている。 一方,原告の指摘する引用文献1の【0478】の記載は,本実施の形態の2-3についての前段落まで(【0458】ないし【0477】)の具体的な説明と明らかに矛盾するから,当該実施の形態を【0478】の記載事項に基づいて理解すべき理由はない。 (イ) 以上によれば,引用発明が本件補正発明の構成D及びEに相当する構成を有するとした本件審決の判断に誤りはない。 16ウ 予備的主張仮に本件補正発明の構成Cの「当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」にいう「最初の前記操作手段の操作を契機として」との構成は,最初の一回のボタン操作のみ行われる場合を指すと限定解釈されるとしても,引用文献1には,以下に述べるとおり,構成CないしEを備える実施例に係る発明が記載されている。 したがって,引用文献1による新規性欠如との本件審決の判断に誤りはない。 (ア) 引用文献1の記載(【0200】ないし【0202】,【0218】,【0219】,【0227】,【0232】,【0238】,【0336】,【0340】ないし【0343】,図16,17及び24)によれば,引用文献1には,次のとおりの「技術事項A」が記載されている。 【技術事項A】「c1’ 第1副制御部400は,「リーチB当り時」に「ボタン系予告演出」として「演出J」を行う 及び24)によれば,引用文献1には,次のとおりの「技術事項A」が記載されている。 【技術事項A】「c1’ 第1副制御部400は,「リーチB当り時」に「ボタン系予告演出」として「演出J」を行うときは,演出表示領域208dに「リーチ!」という文字画像が表示されてから所定時間の経過後に,「ボタンを押せ!」という文字画像の表示がされてチャンスボタン136の操作有効期間が開始され,c2’,d’ 操作有効期間内にチャンスボタン136の1回押下である第二の操作をしたとき,又は,操作有効期間内にチャンスボタン136を遊技者が操作しない場合に,遊技結果が大当りであることを報知する「雷演出」として,演出表示領域208dに,「雷の画像」を表示するとともに,チャンスボタン136を,非押下状態の操作手段演出1の実行から,チャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によ17りチャンスボタン装飾部材706および光拡散部材708を回転させる操作手段演出6の実行に変化し,e’ チャンスボタン136の「操作無しで雷演出」が行われた演出は,100%当りとなる一方,「操作無しで雷演出」が行われなかったときには,当り確率は100%とはならない。」(イ) 引用文献1の技術事項Aにおいて,「雷演出」,「操作有効期間内」,「チャンスボタン136」,「チャンスボタン136の1回押下である第二の操作」,「操作有効期間内にチャンスボタン136を遊技者が操作しない」こと,「チャンスボタン136」が「操作手段演出1」から,「チャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によりチャンスボタン装飾部材706および光拡散部材708を回転させる操作手段演出6の実行」に変化する ャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によりチャンスボタン装飾部材706および光拡散部材708を回転させる操作手段演出6の実行」に変化することは,それぞれ本件補正発明の「対象当否判定結果を報知するための演出」,「操作有効期間中」,「操作手段」,「最初の前記操作手段の操作」,「前記有効時間内に,前記操作手段が操作されていな」いこと,「前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合」に相当する。 また,技術事項Aにおいて,「演出Jを行うときに」,「操作有効期間内にチャンスボタン136を遊技者が操作しない場合に,チャンスボタン136を,非押下状態の操作手段演出1の実行から,チャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によりチャンスボタン装飾部材706および光拡散部材708を回転させる操作手段演出6の実行に変化されるこ」とが,本願補正発明の「前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合」(以下「場合C」という場合がある。)に相当する。 さらに,技術事項Aにおいて,操作有効期間内にチャンスボタン13186が「操作無し」のときに,「雷演出」を実行しない演出AないしI」,チャンスボタン136が操作手段演出1のまま変化がないと認められるから,本件補正発明の「当該変化が発生しない場合」(以下「場合D」という場合がある。)に相当する。 そして,場合Cは,100%当りとなる報知となるが,一方で,場合Dは,当り確率は100%とはならないから,場合Cは,場合Dに比して,大当たりであることが報知される蓋然性が高くなるように設定されているといえる 合Cは,100%当りとなる報知となるが,一方で,場合Dは,当り確率は100%とはならないから,場合Cは,場合Dに比して,大当たりであることが報知される蓋然性が高くなるように設定されているといえる。 そうすると,引用文献1(甲1)には,本件補正発明の構成CないしEに相当する構成が記載されているといえるから,引用文献1の実施例に係る発明は,本件補正発明の各構成に相当する構成を有するものである。 エ 小括以上のとおり,引用発明は,本件補正発明の構成CないしEに相当する構成を有するから,本件補正発明は引用発明と同一の発明である。 したがって,本件補正発明の新規性を否定した本件審決の判断(独立特許要件の判断)に誤りはない。 第4 当裁判所の判断1 本願明細書の記載事項について⑴ 本願明細書(甲2,3及び13)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図1ないし6については別紙1を参照)。 ア 【技術分野】【0001】本発明は,遊技者が操作可能な操作手段を備えた遊技機に関する。 【背景技術】【0002】19下記特許文献1には,遊技者が操作可能な操作手段(ボタン)であって,振動可能なものが開示されている。 【発明が解決しようとする課題】【0004】この種の振動可能な操作手段を備えた遊技機では,リーチ演出等において,所定の期間内(操作有効時間内)に操作手段を操作させ,大当たりとなる場合には操作手段が振動する,というように操作手段を使用することがある。しかし,操作手段が振動するタイミングが同じ(操作手段が操作されたとき)であるため,すぐに飽きられてしまうという問題がある。 【0005】本発明は,遊技者の感覚で通常状態とは異なる状態であることが認識可能な状態に変化可能な操 グが同じ(操作手段が操作されたとき)であるため,すぐに飽きられてしまうという問題がある。 【0005】本発明は,遊技者の感覚で通常状態とは異なる状態であることが認識可能な状態に変化可能な操作手段を備えた遊技機において,当該操作手段を用いた演出の趣向性を向上させることを目的とする。 イ 【課題を解決するための手段】【0006】上記課題を解決するためになされた請求項1の発明にかかる遊技機は,所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備え,前記操作手段が操作されていな20いにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする。 ウ 【発明の効果】【0012】請求項1に記載の発明にかかる遊技機では,操作有効時間内に,操作手段が操作されていなくても操作手段が第一状態から第二状態に変化することがある演出となるから,操作手段が第二状態となるタイミングが常に同 請求項1に記載の発明にかかる遊技機では,操作有効時間内に,操作手段が操作されていなくても操作手段が第一状態から第二状態に変化することがある演出となるから,操作手段が第二状態となるタイミングが常に同じではない趣向性の高い演出とすることが可能である。 エ 【発明を実施するための形態】【0019】以下,本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず,図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお,図1では,遊技機1の枠体,遊技球を発射する発射装置,遊技球を貯留する下皿や上皿など,本発明に関係のない構成の説明は省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。 【0020】遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は,ほぼ正方形の合板により成形されており,発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。 【0021】遊技領域902には,表示装置91,始動入賞口904,大入賞口906,アウト口などが設けられている。表示装置91は,後述する報知演出や選択演出に用いられる。かかる表示装置91の表示画面は,遊技盤9021に形成された開口901を通じて視認可能である。 【0022】また,遊技領域902には,流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。 遊技領域902を流下する遊技球は,遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。 【0023】このような遊技機1では,発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が,始動入賞口904 に応じて様々な態様に変化する。 【0023】このような遊技機1では,発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が,始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると,所定の数の賞球が払出装置により払い出される。 【0024】大当たりの抽選は,図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。その他の構成等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため,説明は省略する。 【0025】本実施形態にかかる遊技機1は,上記当否判定手段による判定結果を報知するための各種演出が実行可能である。これらの演出において,演出に関与しているかのような印象を遊技者に与えるため,遊技者に操作手段10を操作させる(操作手段10の操作が有効となる)時間が設定されることがある。 オ 【0026】[操作手段の構成]本実施形態における操作手段10の構成は次の通りである。図1~図3に示すように,本実施形態における操作手段10は,遊技機前方右側に設22けられた「剣」を模した構造物である。当該「剣」は,略上下方向にスライド自在に設けられており,図示されない付勢部材によって上側に付勢されている。したがって,操作手段10に何の力も作用していないときには,当該付勢部材の付勢力により,最も上方の位置である原位置に位置する(図2参照)。遊技者が付勢部材の付勢力に抗して操作手段10に対して下向きの力を作用させると,操作手段10が下方にスライドする。具体的には,遊技者は,操作手段10である「剣」の「持ち手部分」を握り,下向きの力を加えることで操作手段10を下方にスライドさせる。操作手段10 の力を作用させると,操作手段10が下方にスライドする。具体的には,遊技者は,操作手段10である「剣」の「持ち手部分」を握り,下向きの力を加えることで操作手段10を下方にスライドさせる。操作手段10が最も下方の位置である終端位置(図3参照)に到達すると,図示されないセンサによって操作手段10が当該終端位置に到達したことが検出される。 本実施形態でいう「操作手段10が操作された」とは,当該センサによって操作手段10が所定位置に到達したことを検出されたときをいい,単に遊技者が操作手段10に触れただけ,という状態をいうものではない。本実施形態では,遊技機本体に固定された固定部材12に形成された開口121を通るように操作手段10が設けられている。 【0027】また,本実施形態における操作手段10には,バイブレーション機構11が設けられている。バイブレーション機構11は,「剣」の「持ち手部分」,すなわち,操作手段10を操作する遊技者が手で触れる部分に設けられている。バイブレーション機構11が駆動すると,「剣」の「持ち手部分」が振動するため,当該部分に触れている遊技者はその振動を感知することができる。バイブレーションを発生させるためのバイブレーション機構11の構成はどのようなものであってもよいため詳細な説明を省略する(公知のバイブレータを適用することができる)。 【0028】このように,本実施形態における操作手段10は,振動していない通常23状態(以下,第一状態と称することもある)と,バイブレーション機構11が駆動し振動している状態(以下,第二状態と称することもある)に変化可能である(このように操作手段10の状態を制御する手段,すなわち本実施形態ではバイブレーション機構11を制御する手段が本発明における状態変化手段に相当する) 下,第二状態と称することもある)に変化可能である(このように操作手段10の状態を制御する手段,すなわち本実施形態ではバイブレーション機構11を制御する手段が本発明における状態変化手段に相当する)。なお,通常状態である第一状態とそれと異なる状態である第二状態の差異を生じさせるためのものは「振動」に限られない。遊技者の感覚(触覚,視覚,聴覚等)によって,第二状態が通常状態である第一状態と異なる状態であることを認識可能とするものであればよい。例えば,第二状態となったとき,第一状態では光っていなかった操作手段10の一部が光るような構成(遊技者がその視覚によって光を視認することにより第二状態であることを認識する構成)としてもよい。ただし,第一状態と第二状態の差異を生じさせるためのものが,状態が変化していることが視覚や聴覚上分かりにくい「振動」であれば,遊技者に与えるインパクトを向上させることができるという利点がある(その理由は後述)。 【0029】[操作手段を利用した演出]以下,操作手段10を利用した演出について説明する。操作手段10を利用した演出では,操作手段10の操作が有効となる操作有効時間が設定される。操作手段10の操作が有効とは,操作手段10の操作が演出上反映される時間という意味である。つまり,操作有効時間以外の時間に操作手段10が操作されたとしても,その操作は演出上反映されない。なお,操作有効時間が設定されたときには,表示装置91に図4に示すような時間表示画像20が操作指示画像30とともに表示される。時間表示画像20は,操作手段10の操作が有効となる操作有効時間を表示する画像である。本実施形態における時間表示画像20は,だんだんと減少していくメ24ータ21を表示することで,操作有効時間が減少していくことを遊技者に 段10の操作が有効となる操作有効時間を表示する画像である。本実施形態における時間表示画像20は,だんだんと減少していくメ24ータ21を表示することで,操作有効時間が減少していくことを遊技者に示す。操作指示画像30は,操作手段10を模した画像(本実施形態では「剣」の画像)31や操作手段10を操作すべき方向を示す画像(矢印等を示した画像)32が含まれているとよい。これにより,遊技者は剣を模した操作手段10を操作すべきタイミングであることを容易に認識することが可能となる。 【0030】操作手段10を利用した演出,すなわち操作有効時間が設定される演出の一例として,当否判定結果が大当たりであるかどうかを報知するいわゆるリーチ演出が挙げられる。この種のリーチ演出において,操作有効時間が設定され,操作手段10が操作されたとき,大当たりである場合にはそれに対応した演出(画像等)が,はずれである場合にはそれに対応した演出(画像等)が実行される。つまり,操作手段10が操作されることを契機として,当否判定結果が大当たりかどうかを報知するものである。本実施形態では,当否判定結果が大当たりであるとき,いずれかのタイミングで操作手段10が振動することとなる。すなわち,第一状態であった操作手段10が,いずれかのタイミングで第二状態に変化することとなる。なお,本実施形態では,当否判定結果がはずれである場合には,操作有効時間内に操作手段10を操作しても操作手段10は振動しない。 【0031】本実施形態において,当否判定結果が大当たりであり,操作手段10が第一状態から第二状態に変化する,すなわち状態変化手段によってバイブレーション機構11が駆動し,操作手段10が振動するタイミングとしては,以下の三つが設定されている。 1)操作手段10が操作された 第一状態から第二状態に変化する,すなわち状態変化手段によってバイブレーション機構11が駆動し,操作手段10が振動するタイミングとしては,以下の三つが設定されている。 1)操作手段10が操作されたとき2)操作有効時間の開始と同時(図5参照)253)操作有効時間の開始から所定時間経過したとき(図5参照)【0032】基本的には,上記1)の操作手段10が操作されたとき,に操作手段10が振動する。つまり,操作手段10が操作されたときに,大当たりであることを示すような画像が表示装置91に表示されるとともに,操作手段10が振動する。これにより,遊技者は大当たりを獲得したということを理解する。 【0033】一方,上記2)の操作有効時間の開始と同時,や3)の操作有効時間の開始から所定時間経過したときは,操作手段10が操作されていないにも拘わらず,操作手段10が振動する演出態様である。2)の操作有効時間の開始と同時,は,操作有効時間が開始されると同時(多少前後してもよい)に,操作手段10が振動するため,時間表示画像20を見て操作手段10を操作しようとした遊技者は,操作手段10に触れたとき,既に操作手段10が振動していることをその触覚によって認識する。大当たりとなるときには操作手段10を操作したときに操作手段10が振動するものと認識している遊技者には,大きなインパクトを与えることが可能である。 なお,その後,操作手段10が操作されたことが検出されたときには,操作手段10の振動が継続するようにしてもよいし,振動が停止するようにしてもよい。 【0034】3)の操作有効時間の開始から所定時間経過したとき,は,操作有効時間が開始されたときに操作手段10は振動していない(第一状態)であるが,所定の時間が経過したタイミングで振動する 【0034】3)の操作有効時間の開始から所定時間経過したとき,は,操作有効時間が開始されたときに操作手段10は振動していない(第一状態)であるが,所定の時間が経過したタイミングで振動する(第二状態に変化する)ものである。このようなタイミングが設定されていると,操作手段10を操作しようとした遊技者が操作手段10に触れたときには操作手段10が26振動していないにも拘わらず,途中でいきなり振動し始めるため,遊技者に大きなインパクトを与えることが可能である。なお,操作有効時間の開始から所定時間経過する前に操作手段10が操作されたときには,操作されたことが検出されたときに操作手段10が振動するようにするとよい。 この場合,遊技者の受ける印象としては,上記1)の態様と同じになる。 また,操作有効時間の開始から所定時間経過し,操作手段10が振動した状態で操作手段10が操作されたことが検出されたときには,操作手段10の振動が継続するようにしてもよいし,振動が停止するようにしてもよい。また,操作手段10が振動を開始する「所定時間」は,複数の時間が設定されていてもよいし,タイマ等によって演出が実行される度に抽選によって決定される構成(振動を開始するタイミングが無数にある構成)としてもよい。 【0035】このように,本実施形態にかかる遊技機1では,操作有効時間内に,操作手段10が操作されていなくても操作手段10が第一状態から第二状態に変化することがある演出となるから,操作手段10が第二状態となるタイミングが常に同じではない趣向性の高い演出とすることが可能である。 つまり,従来の遊技機のように,操作手段10が第二状態となるタイミングが上記1)のタイミングだけでないから,遊技者に与えるインパクトが大きい演出とすることが可能である。 【00 ことが可能である。 つまり,従来の遊技機のように,操作手段10が第二状態となるタイミングが上記1)のタイミングだけでないから,遊技者に与えるインパクトが大きい演出とすることが可能である。 【0036】また,本実施形態では,操作手段10の第一状態と第二状態の差異は,視覚や聴覚によって判別することが困難である「振動」の有無によるものである。例えば,操作手段10が第一状態から第二状態に変化したことが視覚や聴覚によって判別することができれば,操作手段10が操作される前に操作手段10の状態が変化したことが遊技者に把握されてしまうため,27遊技者に与えるインパクトが低下してしまうおそれがあるところ,本実施形態では状態の変化を振動によって実現しているため,操作手段10が操作されていないにも拘わらず操作手段10が振動したことを遊技者が認識したときのインパクトを大きくすることが可能である。 【0037】なお,上記1)~3)のタイミングによる操作手段10の第一状態から第二状態の変化は,全てが発生する可能性がある構成としてもよいし,いずれかが発生する可能性がない構成であってもよい。また,当否判定結果が大当たりであるにも拘わらず操作手段10が操作されなかったときには,そのまま表示装置91等を用いて大当たりであることが報知される。操作有効時間の経過後,操作手段10を第一状態から第二状態に変化させてもよいし,第一状態のままとしてもよい。本実施形態では,当否判定結果が大当たりであるかどうかは操作手段10の操作の有無に拘わらず予め決まっており,操作手段10の操作の有無によって,当否判定結果が変化することはない。 【0038】[操作手段の状態が変化するタイミングの別例]操作手段10が第一状態から第二状態に変化するタイミングとして,4)遊 0の操作の有無によって,当否判定結果が変化することはない。 【0038】[操作手段の状態が変化するタイミングの別例]操作手段10が第一状態から第二状態に変化するタイミングとして,4)遊技者が操作手段10に接触または近接したことが検出されたとき,が設定されていてもよい。この場合,操作手段10には,遊技者(人体)が接触または近接したことを検出するセンサ13を設けておく(図6参照)。かかるセンサ13としては,公知の接触センサや近接センサが適用できる。 本実施形態における操作手段10であれば,操作手段10を操作する遊技者が手で触れる「剣」の「持ち手部分」に設けられる。このようにすれば,操作有効時間が設定され,操作手段10を操作しようとした遊技者が操作手段10に接触または近接した瞬間,つまり,遊技者が操作手段10に触28れた瞬間,操作手段10が第二状態に変化するため,遊技者に与えるインパクトが大きい演出とすることが可能である。 【0039】[操作手段の状態が変化したタイミングと大当たりの関係]操作手段10が操作されたときに操作手段10が第一状態から第二状態に変化した場合よりも,操作手段10が操作されていないにも拘わらず操作手段10が第一状態から第二状態に変化した場合の方が,遊技者に対しその後付与される利益が大きくなる蓋然性が高くなるように設定されているとよい。本実施形態では,当否判定結果が大当たりであるかどうかを報知する演出として操作手段10が利用されるものであるため,上記利益の差は,当該大当たりによって得られる利益の差ということである。 【0040】大当たりによって得られる利益の例としては,大当たり遊技中に獲得できる平均的な遊技球の数(いわゆる平均出玉)や,大当たり遊技終了後,遊技状態が有利なものとなるかどうか とである。 【0040】大当たりによって得られる利益の例としては,大当たり遊技中に獲得できる平均的な遊技球の数(いわゆる平均出玉)や,大当たり遊技終了後,遊技状態が有利なものとなるかどうかが例示できる。有利な遊技状態としては,大当たりに当選する確率が上昇するいわゆる確率変動状態や,遊技球の入賞を契機として当否判定を行う入賞口に遊技球が頻繁に入賞することができる状態であるいわゆる時間短縮状態等が例示できる。 【0041】つまり,操作手段10が第一状態から第二状態に変化するタイミングとして,上記1)のタイミングと,2)~4)の少なくともいずれかが設定されている場合,大当たりの種別を踏まえ,遊技者にとって利益の大きい大当たりであればあるほど,上記2)~4)のタイミングで操作手段10が第二状態となる態様が発生しやすくなるように構成されている。このように設定すれば,操作手段10が第二状態に変化したタイミングとその後の利益がリンクした趣向性の高い演出とすることが可能である。 29【0042】以上,本発明の実施の形態について詳細に説明したが,本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく,本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。 【0043】上記実施形態では,当否判定結果が大当たりであるときにいずれかのタイミングで操作手段10が振動することになることを説明したが,はずれであるときに振動する構成としてもよい。例えば,操作有効時間の開始と同時,操作有効時間の開始から所定時間経過したとき,遊技者が操作手段10に近接または接触したことが検出されたときに操作手段10が振動する場合,すなわち,操作手段10が操作されていないにも拘わらず操作手段10が振動する場合において,操作手段10の操作前に振動した場合には 近接または接触したことが検出されたときに操作手段10が振動する場合,すなわち,操作手段10が操作されていないにも拘わらず操作手段10が振動する場合において,操作手段10の操作前に振動した場合には,大当たりとなる確率が高まるものの,操作手段10が操作されたときにその振動が停止し,はずれであることが報知される,という流れの演出が実行されることがあってもよい。つまり,操作有効時間が設定されたとき,操作手段10が操作されていないにも拘わらず操作手段10が第二状態となることがある構成であればよい。 【0044】上記実施形態では,大当たりであるかどうかを報知するリーチ演出において操作手段10(操作手段10の振動)が利用されることを説明したが,それ以外の演出において利用されることがあってもよい。つまり,操作有効時間が設定されるあらゆる演出において,上記技術思想が適用可能である。 【0045】上記実施形態における操作手段10の態様は一例である。操作されたことが検出されるセンサが設けられ,遊技者の感覚で違いが認識することが30できる第一状態から第二状態に変化可能なものであればどのようなものであってもよい。 上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。 手段1の発明にかかる遊技機は,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,前記操作手段の操作が有効となる操作有効時間が設定される演出において,当該操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備えることを特徴とする。 手段2の発明は,手段1に記載の遊技機において,前記状態変化 作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,を備えることを特徴とする。 手段2の発明は,手段1に記載の遊技機において,前記状態変化手段は,前記操作有効時間の開始と同時に,前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合があることを特徴とする。 手段3の発明は,手段1または手段2に記載の遊技機において,前記状態変化手段は,前記操作有効時間の開始から所定時間経過したとき,前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合があることを特徴とする。 手段4の発明は,手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機において,前記操作手段には,当該操作手段に遊技者が接触または近接したことを検出するセンサが設けられ,前記状態変化手段は,前記操作有効時間内において,前記センサによって遊技者が前記操作手段に接触または近接したことが検出されたとき,前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合があることを特徴とする。 手段5の発明は,手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機において,前記操作手段が操作されたときに当該操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合よりも,前記操作手段が操作されていないにも拘わ31らず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合の方が,遊技者に対しその後付与される利益が大きくなる蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする。 手段6の発明は,手段1から手段5のいずれかに記載の遊技機において,前記第二状態にある前記操作手段は,遊技者の触覚によって認識可能となるように振動した状態であることを特徴とする。 手段1の発明にかかる遊技機では,操作有効時間内に,操作手段が操作されていなくても 前記第二状態にある前記操作手段は,遊技者の触覚によって認識可能となるように振動した状態であることを特徴とする。 手段1の発明にかかる遊技機では,操作有効時間内に,操作手段が操作されていなくても操作手段が第一状態から第二状態に変化することがある演出となるから,操作手段が第二状態となるタイミングが常に同じではない趣向性の高い演出とすることが可能である。 手段2の発明のように,操作有効時間の開始と同時に,操作手段が第一状態から第二状態に変化する場合があるようにすれば,遊技者が操作手段を操作しようとしたとき,操作手段が既に第二状態となっていることがあるから,意外性のある(遊技者にインパクトを与える)演出とすることが可能である。 手段3の発明のように,操作有効時間の開始から所定時間経過したとき,操作手段が第一状態から第二状態に変化する場合があるようにすれば,遊技者が操作手段を操作する前に,操作手段が第二状態となることがあるから,意外性のある(遊技者にインパクトを与える)演出とすることが可能である。 手段4の発明のように,センサによって遊技者が操作手段に接触または近接したことが検出されたとき,操作手段が第一状態から第二状態に変化する場合があるようにすれば,遊技者が操作手段に接触または近接した瞬間,操作手段が第二状態となることがあるから,意外性のある(遊技者にインパクトを与える)演出とすることが可能である。 手段5の発明のように,操作手段が操作されたときに当該操作手段が第32一状態から第二状態に変化した場合よりも,操作手段が操作されていないにも拘わらず操作有効時間内に操作手段が第一状態から第二状態に変化した場合の方が,遊技者に対しその後付与される利益が大きくなる蓋然性が高くなるように設定されていれば,操作手段が第二状態に変化したタイ にも拘わらず操作有効時間内に操作手段が第一状態から第二状態に変化した場合の方が,遊技者に対しその後付与される利益が大きくなる蓋然性が高くなるように設定されていれば,操作手段が第二状態に変化したタイミングとその後の利益がリンクした趣向性の高い演出とすることが可能である。 手段6の発明のように,操作手段が振動するものであれば,遊技者の視覚や聴覚では振動しているかどうかを判別することが困難であるため,操作されていないにも拘わらず操作手段が振動したことを遊技者が認識したときのインパクトを大きくすることが可能である。 ⑵ 前記⑴の記載事項によれば,本願明細書には,本件補正発明に関し,次のような開示があることが認められる。 ア 遊技者の感覚で通常状態とは異なる状態であることが認識可能な状態に変化可能な操作手段を備えた遊技機には,リーチ演出等において,所定の期間内(操作有効時間内)に操作手段を操作させ,大当たりとなる場合には操作手段が振動する,振動可能な操作手段を備えた遊技機があるが,操作手段が振動するタイミングが,「操作手段が操作されたとき」という同じタイミングであるため,すぐに飽きられてしまうという問題があった(【0002】,【0004】)。 イ 「本発明」(請求項1に係る発明)は,遊技者の感覚で通常状態とは異なる状態であることが認識可能な状態に変化可能な操作手段を備えた遊技機において,当該操作手段を用いた演出の趣向性を向上させることを目的とし,その課題を解決するための手段として,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な「操作手段」と,当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための33演出の一部として,操作有効 ことを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な「操作手段」と,当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための33演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する「演出実行手段」と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある「状態変化手段」とを備え,前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されている構成を採用した(【0005】,【0006】)。 「本発明」は,状態変化手段により,操作有効時間内に,操作手段が操作されていなくても操作手段が第一状態から第二状態に変化することがある演出となるから,操作手段が第二状態となるタイミングが常に同じではない趣向性の高い演出とすることができるという効果を奏する(【0012】)。 2 取消事由2(引用文献1を主引用例とする本件補正発明の新規性の判断の誤り)について⑴ 引用文献1の記載事項引用文献1(甲1)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図1,3,9,12,14,27ないし29,31,36,40ないし42については別紙2を参照)。 ア 【0001】本発明は,弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)あるいは封入式遊技機に代表される遊技台に関する。 【0002】近年,遊技者が については別紙2を参照)。 ア 【0001】本発明は,弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)あるいは封入式遊技機に代表される遊技台に関する。 【0002】近年,遊技者が操作可能な所謂チャンスボタンと称される操作手段を搭34載した遊技台が知られている。遊技者がチャンスボタンを押して所定の演出を行うことは新鮮味に欠けつつある。 【0004】本発明の目的は,遊技の興趣を向上可能な遊技台を提供することにある。 【0006】本発明によれば,遊技の興趣を向上することができる。 イ 【0008】以下,図面を用いて,本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば,パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。 ウ 【0009】まず,図1を用いて,本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。 【0012】球貯留皿付扉108は,パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して,ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。前面枠扉106と球貯留皿付扉108とは一体的に構成されている。球貯留皿付扉108は,複数の遊技球(以下,単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と,上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と,遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と,遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称,ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と,遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンド に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称,ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と,遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と,遊技者の操作によって各種演出装置206の演35出態様に変化を与えるチャンスボタン136と,チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と,設定者(例えば,工場の作業者,遊技店員,遊技者)の操作によって遊技に関する設定(例えば,時刻の設定,演出内容の設定)を行う設定操作部139(後述)と,チャンスボタン136や設定操作部139が設けられた操作部700(後述)と,遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と,カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と,遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と,を備える。また,下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。 【0019】図3は,遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には,外レール202と内レール204とを配設し,遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には,演出装置206を配設している。演出装置206には,略中央に装飾図柄表示装置208を配設し,その周囲に,普通図柄表示装置210と,第1特別図柄表示装置212と,第2特別図柄表示装置214と,普通図柄保留ランプ216と,第1特別図柄保留ランプ218と,第2特別図柄保留ランプ220と,高確中ランプ222を配設している。演出装置206は,演出可動体224を動作して演出を行うものであり,詳細については後述する。なお,以下,普通図柄 留ランプ218と,第2特別図柄保留ランプ220と,高確中ランプ222を配設している。演出装置206は,演出可動体224を動作して演出を行うものであり,詳細については後述する。なお,以下,普通図柄を「普図」,特別図柄を「特図」,第1特別図柄を「特図1」,第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。 エ 【0083】本実施の形態によるパチンコ機100は,当否判定において大当りとするか,小当りとするか,はずれとするかの決定を行い,その後,当該当否判定の結果に基づいて,図柄変動表示後に「特図A」~「特図J」のいず36れを特図1または特図2表示装置212,214に停止表示するのかを決定するように構成されている。このため,本実施の形態によるパチンコ機100は,図柄変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)を決定することにより,大当り遊技のラウンド数や大当り遊技後の利益状態(例えば,特図確変状態の有無や電サポ状態の有無)が自動的に決定されるようになっている。 オ 【0097】次に,図9を用いて,主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお,同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は,所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており,このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。 カ 【0131】ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると,今度は,特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に,特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229),その後で,特図1につい 了すると,今度は,特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に,特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229),その後で,特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。 これらの特図関連抽選処理についても,主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで,特図2変動遊技の開始条件と,特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも,特図2変動遊技が先に変動中となるため,特図1変動遊技は変動を開始しない。また,特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には,特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による,特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は,第1副制御部400に37よって行われ,特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が,特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。 【0132】特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には,特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、取得した特図2乱数値の組のうちの当り判定用乱数値に対して図12(a)または図12(b)に示す当否判定用テーブルを参照して、大当りとするか、小当りとするか、はずれとするかの決定を行う。次いで主制御部300は、当否判定結果が大当りまたは小当りの場合は、取得した特図2乱数値記憶領域内の当り時用特図決定用乱数値に対して図12(c)に示す特図決定用テーブルを参照して特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。詳細は後述するが、当否判定結果がはずれの場合は、はずれ図柄決定用乱数値を別途取得し、当 図12(c)に示す特図決定用テーブルを参照して特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。詳細は後述するが、当否判定結果がはずれの場合は、はずれ図柄決定用乱数値を別途取得し、当該乱数値に対して図12(c)に示す特図決定用テーブルを参照して停止図柄を決定する。 キ 【0360】図27は,特図変動遊技の開始時の第1副制御部予告決定処理(詳細は後述)における予告抽選2(ステップS1105)で用いられる予告テーブル2の別の例を示している。予告テーブル2は,例えば第1副制御部400のROM406に記憶されている。予告テーブル2は,図14に示す予告テーブル1を用いた予告抽選1において「ボタン系」に当選した場合にチャンスボタン136の態様および装飾図柄表示装置208による演出表示予告の態様(所定の演出表示の表示態様)を決定するために用いられる。本実施の形態によるパチンコ機100は,通常予告演出として「ボタン系」の予告演出を実行する場合には,チャンスボタン136の態様を変38化させるとともに装飾図柄表示装置208による演出表示予告(所定の演出表示)を実行するようになっている。予告テーブル2は,特図1および特図2で共通して用いられるようになっている。 ク 【0376】チャンスボタン136の第1の態様の信頼度よりも第2の態様の信頼度の方が高く設定されているので,パチンコ機100は,チャンスボタン136の第1の態様を実行するよりも第2の態様を実行する方が大当りに当選することを遊技者に期待させることができる。また,チャンスボタン136の態様として第2の態様の信頼度よりも第3の態様の信頼度の方が高く設定されているので,パチンコ機100は,チャンスボタン136の態様として第2の態様を実行するよりも第3の態様を チャンスボタン136の態様として第2の態様の信頼度よりも第3の態様の信頼度の方が高く設定されているので,パチンコ機100は,チャンスボタン136の態様として第2の態様を実行するよりも第3の態様を実行する方が大当りに当選することを遊技者に期待させることができる。このようにチャンスボタン136の態様は大当りに当選することの期待の高低,すなわち期待度も示唆することができるようになっている。 【0379】図28(d)~図28(f)は,リーチ形成中の演出表示予告において例えば装飾図柄表示装置208の装飾図柄表示領域208a~208cのいずれかと重なる領域の演出表示領域208dに表示されるキャラクタ画像を示している。図28(d)は,表示1に対応する「すけ番」を表したキャラクタ画像を示し,図28(e)は,表示2に対応する「番長の幼馴染」を表したキャラクタ画像を示し,図28(c)は,表示3に対応する「保健医」を表したキャラクタ画像を示している。リーチ形成中の演出表示予告では,リーチ形成中に図28(d)~図28(f)に示すキャラクタ画像が演出表示領域208dにカットイン表示されるようになっている。 ケ 【0382】図29は,特図変動遊技の開始時の第1副制御部予告決定処理(詳細は39後述)における予告抽選3(ステップS1107)で用いられる予告テーブル3の一例を示している。予告テーブル3は,例えば第1副制御部400のROM406に記憶されている。予告テーブル3は,装飾図柄表示装置208に表示される演出表示予告の実行契機または演出表示予告の予告態様の変化契機およびチャンスボタン136の態様の変化契機をそれぞれ決定するために用いられる。予告テーブル3は,特図1および特図2で共通して用いられるようになっている。 【0383】 の予告態様の変化契機およびチャンスボタン136の態様の変化契機をそれぞれ決定するために用いられる。予告テーブル3は,特図1および特図2で共通して用いられるようになっている。 【0383】図29に示す予告テーブル3は,左列から「操作手段」,「表示」および「予告態様の変化契機」の3つに区分されている。「操作手段」は,図27に示す予告テーブル2を用いた予告抽選2において選択されたチャンスボタン136の態様を示している。「操作手段」は,チャンスボタン136の第1の態様を示す「1」,チャンスボタン136が第1の態様から第2の態様に変化することを示す「1-2」,チャンスボタン136の第2の態様を示す「2」,チャンスボタン136が第2の態様から第3の態様に変化することを示す「2-3」,チャンスボタン136の第3の態様を示す「3」の5つに区分されている。 【0384】「操作手段」の図中右隣の「表示」は,図27に示す予告テーブル2を用いた予告抽選2において選択された装飾図柄表示装置208による演出表示予告の予告態様を示している。「表示」は,「操作手段」の区分毎に対応付けて1,2または3つに区分されている。チャンスボタン136の態様「1」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示1を示す「1」,表示2を示す「2」および表示1から表示2に変化することを示す「1-2」の3つに区分されている。また,チャンスボタン136の態様「1-2」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示1から表示2に変化すること40を示す「1-2」,表示2を示す「2」および表示2から表示3に変化することを示す「2-3」の3つに区分されている。また,チャンスボタン136の態様「2」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示2を示す「2」および表示2から表示3に変化すること 2から表示3に変化することを示す「2-3」の3つに区分されている。また,チャンスボタン136の態様「2」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示2を示す「2」および表示2から表示3に変化することを示す「2-3」の2つに区分されている。また,チャンスボタン136の態様「2-3」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示2を示す「2」および表示2から表示3に変化することを示す「2-3」の2つに区分されている。さらに,チャンスボタン136の態様「3」に対応する演出表示予告の予告態様は,表示3を示す「3」が対応付けられており,複数に区分に分されていない。 【0385】図29に示すように,「予告態様の変化契機」は,「予告態様の変化契機」の欄って「表示」の図中右隣から順に,「操作1回 3秒経過」,「操作1回操作10回」,「操作1回 1回ごと1/10」,「操作5回 3秒経過」,「操作5回 操作10回」,「操作5回 1回ごと1/10」,「1回ごと1/5 3秒経過」,「1回ごと1/5 操作10回」および「1回ごと1/5 1回ごと1/10」の9個の小欄に区分されている。当該小欄内の上方には,演出表示予告の開始または演出表示予告の予告態様の変化契機の条件が示され,下方には,チャンスボタン136の態様の変化契機のための条件が示されている。当該小欄内の上段に示す「操作1回」は,チャンスボタン136の1回の操作(押下)を契機として演出表示予告が開始され,または演出表示予告の予告態様が変化することを示し,「操作5回」は,チャンスボタン136の5回の操作(押下)を契機として演出表示予告が開始され,または演出表示予告の予告態様が変化することを示し,「1回ごと1/5」は,チャンスボタン136の1回の操作(押下)毎に1/5の当選確率で抽 6の5回の操作(押下)を契機として演出表示予告が開始され,または演出表示予告の予告態様が変化することを示し,「1回ごと1/5」は,チャンスボタン136の1回の操作(押下)毎に1/5の当選確率で抽選して当選した場合に,演出表示予告が開始され,または演出表示予告の予告態様が変化することを示している。当該小欄内の下段に41示す「3秒経過」は,チャンスボタン136の操作を遊技者に要求する操作要求演出(詳細は後述)の開始から3秒経過することを契機としてチャンスボタン136の態様が変化することを示し,「操作10回」は,操作有効期間中のチャンスボタン136の10回の操作(押下)を契機としてチャンスボタン136の態様が変化することを示し,「1回ごと1/10」は,操作有効期間中のチャンスボタン136の1回の操作(押下)毎に1/10の当選確率で抽選して当選した場合にチャンスボタン136の態様が変化することを示している。当該操作有効期間は,遊技者による操作手段(例えば,チャンスボタン136や操作設定部139)の操作が,チャンスボタン136の態様を変化させたり演出表示予告を開始および変化させたりするための契機として有効な操作である判定される期間である。 【0386】本実施の形態によるパチンコ機100では,予告抽選2において演出表示予告の予告態様が発展的に変化する「1-2」または「2-3」が選択された場合には,操作有効期間中にチャンスボタン136が1回押下されたことに基づいて表示1または表示2が装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに出現して演出表示予告が開始される。その後,操作有効期間中にチャンスボタン136がさらに1回押下されたことに基づいて演出表示予告の予告態様が表示2または表示3に発展的に変化する。また,予告抽選2において演出表示 示予告が開始される。その後,操作有効期間中にチャンスボタン136がさらに1回押下されたことに基づいて演出表示予告の予告態様が表示2または表示3に発展的に変化する。また,予告抽選2において演出表示予告の予告態様が発展的に変化する表示「1-2」または「2-3」が選択されず表示「1」,「2」および「3」が選択された場合には,操作有効期間中にチャンスボタン136が1回押下されたことに基づいて表示1,表示2または表示3が装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに出現して演出表示予告が開始される。その後,操作有効期間中にチャンスボタン136がさらに1回押下されても演出表示予告の予告態様は変化せずに当初の表示が維持されて演出表示42予告が実行される。 コ 【0448】このように本実施例によるパチンコ機100は,装飾図柄表示装置208がチャンスボタン136の操作有効期間中に操作要求演出を表示可能であり,チャンスボタン136が操作有効期間中以外で変化する態様とは異なる,例えば発光状態または振動状態に変化可能であり,操作有効期間中にチャンスボタン136が発光状態から発光+振動状態に変化可能に構成されている。 【0450】また,本実施例によるパチンコ機100では,チャンスボタン136の態様は,発光状態から発光+振動状態となることで第1の態様から第2の態様に変化している。 【0451】特に,チャンスボタン136の態様に振動状態が加わって触覚的態様に変化すると,遊技者は装飾図柄表示装置208に注目しながらもチャンスボタン136の態様の変化を認識することができる場合がある。 サ 【0473】操作有効期間中であって操作要求演出が開始されてから3秒経過すると,図36(d)に示すようにチャンスボタ ンスボタン136の態様の変化を認識することができる場合がある。 サ 【0473】操作有効期間中であって操作要求演出が開始されてから3秒経過すると,図36(d)に示すようにチャンスボタン136の態様が発光+振動状態(第2の態様)に発展的に変化する。演出表示領域208dに引き続き「連打せよ!」という文字画像が表示されているので,遊技者は,当該表示に従いチャンボタン136を繰り返し押下し続けていると,チャンスボタン136の振動を触覚的に感じ取ることができる。 【0474】一方,予告抽選3において「操作5回 3秒」が選択されているので,図36(e)に示すように,操作有効期間中であって装飾図柄表示装置24308による操作要求演出の実行中に,遊技者がチャンスボタン136を1回だけ押下しても演出表示予告が実行されない。また,遊技者がチャンスボタン136を合計5回押下する前に操作要求演出の開始から3秒経過すると,図36(f)に示すように演出表示予告が実行される前にチャンスボタン136の態様が発光+振動状態(第2の態様)に発展的に変化する。 操作要求演出に促されて,遊技者がチャンスボタン136を押下している最中にチャンスボタン136の態様が変化すると,遊技者は,手を介してチャンスボタン136の振動を触覚的に感じ取ることができる。これにより遊技者は,装飾図柄表示装置208から目を逸らすことなくチャンスボタン136が信頼度の高い予告に変化したことを認識できる場合がある。 【0475】操作有効期間中であってチャンスボタン136の態様が発光+振動状態に発展的に変化した後に,遊技者によりチャンスボタン136が5回目の押下が行われると,図36(g)に示すように中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキ 発光+振動状態に発展的に変化した後に,遊技者によりチャンスボタン136が5回目の押下が行われると,図36(g)に示すように中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像が表示されてリーチ形成中の演出表示予告が実行される。 【0477】このように,本実施例によるパチンコ機100では,操作有効期間中において所定時間経過(例えば,操作要求演出から3秒経過)するとチャンスボタン136が発光状態から発光+振動状態に変化している。 【0478】本実施例によるパチンコ機100では,チャンスボタン136が操作することでのみ第2の態様に変化するので,チャンスボタンの第2の態様への変化に対する自力操作での達成感を遊技者に付与することができる場合がある。 シ 【0511】44また,主制御部300から当該コマンドを受信した第1副制御部400は,図31に示す特図変動遊技開始時の予告決定処理を実行する。例えば第1副制御部400は,予告抽選1を実行して「ボタン系」に当選し(ステップS1101),予告抽選1において「ボタン系」に当選したと判定し(ステップS1103のYes),予告抽選2を実行し(ステップS1105),予告抽選3を実行し(ステップS1107),変動時間と予告抽選1~3での抽選結果とに基づいて,「装飾図柄表示装置での演出態様」としての「リーチB当り」と通常予告演出としての「ボタン系」とを実行することを示す情報を含むコマンドを装飾図柄表示装置208に出力して(ステップS1109),特図変動遊技の開始時の予告決定処理を終了する。 【0513】また本例では,例えば,予告抽選2において,リーチ形成中に係る「ボタン系」の予告態様として,チャンスボタン136の態様「1-2」および演出表示 の開始時の予告決定処理を終了する。 【0513】また本例では,例えば,予告抽選2において,リーチ形成中に係る「ボタン系」の予告態様として,チャンスボタン136の態様「1-2」および演出表示予告の予告態様「2-3」が選択され,予告抽選3においてリーチ形成中に係る演出表示予告の実行および変化契機並びにチャンスボタン136の態様の変化契機として「1回ごと1/5 1回ごと1/10」が選択されている。 ス 【0521】「リーチB」の演出が開始されてから所定時間経過後にチャンスボタン136の操作有効期間が開始される。予告抽選2において,リーチ形成前に係るチャンスボタン136の態様「1-2」が選択されているため,図40(h)に示すように,チャンスボタン136の態様が発光状態(第1の態様)に変化するとともに,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dにチャンスボタン136を表した画像と,演出表示領域208dの中央部上方に「連打せよ!」という文字画像とがそれぞれが表示されてチャンスボタン136を遊技者に押下させるための操作要求演出が実45行される。 【0522】操作有効期間中であって装飾図柄表示装置208による操作要求演出の実行中に,図41(a)に示すように遊技者がチャンスボタン136を1回押下するごとに演出表示予告用の抽選(当選確率は1/5)とチャンスボタン136の態様変化用の抽選(当選確率は1/10)とが行われる。 本例では先に演出表示予告用の抽選に当選したので,図41(b)に示すように,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像が表示されてリーチ形成中の演出表示予告が実行される。 【0523】また,図41(b)に示すように,演出表示領域208dの中央部上方 なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像が表示されてリーチ形成中の演出表示予告が実行される。 【0523】また,図41(b)に示すように,演出表示領域208dの中央部上方には引き続き「連打せよ!」という文字画像が表示されるので,当該文字画像に促されて遊技者がさらに続けてチャンスボタン136を押下すると,チャンスボタン136に1回の押下ごとに演出表示予告用の抽選およびチャンスボタン136の態様変化用の抽選が行われる。チャンスボタン136の態様変化用の抽選に当選する前に演出表示予告用の抽選に当選したので演出表示予告の予告態様が表示2から表示3へと発展的に変化する。このため,図41(c)に示すように中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて「保健医」のキャラクタ画像が表示される。 セ 【0532】演出表示予告の開始後,図42(c)に示すように遊技者がチャンスボタン136を複数回押下し続けると,チャンスボタン136の押下ごとに演出表示予告用の抽選およびチャンスボタン136の態様変化用の抽選が行われる。例えば,乱数値7が取得されて演出表示予告用の抽選およびチ46ャンスボタン136の態様変化用の抽選に同時に当選すると,演出表示予告の予告態様が表示2から表示3へと発展的に変化するとともに,チャンスボタン136の態様が発光状態(第1の態様)から発光+振動状態(第2の態様)に発展的に変化する。このため,図42(d)に示すように,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて「保健医」のキャラクタ画像が表示され,チャンスボタン136が発光+振動状態に変化する。遊技者は,チャンスボタン136を押下し続けてチャンスボ 領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて「保健医」のキャラクタ画像が表示され,チャンスボタン136が発光+振動状態に変化する。遊技者は,チャンスボタン136を押下し続けてチャンスボタン136に触れていたので,チャンスボタン136の振動を触覚的に感じ取ることができる。 ソ 【0644】上記実施の形態によるパチンコ機100では,「ボタン系」の予告演出に基づく信頼度や期待度は,チャンスボタン136の態様が「3」または演出表示予告の予告態様が「3」である場合に相対的に高く,チャンスボタン136の態様が「1」または演出表示予告の予告態様が「1」である場合に相対的に低くなるように設定されているが,相対的高い場合には信頼度および期待度が100%であることを含み,相対的に低い場合には信頼度および期待度が0%であることを含んでいる。 ⑵ 本件補正発明の構成Cに関する判断の誤りの有無について原告は,本件審決は,引用発明の構成c,c1,d(本件構成)は,本件補正発明の構成Cの「前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段」に相当する旨判断したが,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」とは,「最初の前記操作手段の操作」を契機として「必ず」大当たり47であることを示す「演出の結果」が示されることを意味するものと解されるところ,引用発明の本件構成は,予告態様「2-3」が選択された場合,操作有効期間中の1回目のチャンスボタン136の操作に 47であることを示す「演出の結果」が示されることを意味するものと解されるところ,引用発明の本件構成は,予告態様「2-3」が選択された場合,操作有効期間中の1回目のチャンスボタン136の操作により表示2の「番長の幼馴染」のキャラクタ画像が表示され,2回目のチャンスボタン136の操作により表示3の「保健医」のキャラクタ画像が表示されるものであって,最初(1回目)のチャンスボタン136の操作を契機として大当たりであることを示す表示3の「保険医」のキャラクタ画像が必ず表示される構成とはいえず,引用発明の本件構成は,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」操作演出を実行する演出実行手段に相当しないから,本件審決の上記判断は誤りである旨主張するので,以下において判断する。 ア 構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」操作演出の意義について(ア) 本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載は,「所定条件の成立を契機として当否判定を行う当否判定手段と,通常状態である第一状態から,当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である,遊技者が操作可能な操作手段と,前記当否判定手段による当否判定の結果である対象当否判定結果を報知するための演出の一部として,操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,当該操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させ として演出の結果が示される操作演出を実行する演出実行手段と,前記操作演出において,前記操作有効時間内に,前記操作手段が操作されていなくても前記操作手段を前記第一状態から前記第二状態に変化させる場合がある状態変化手段と,48を備え,前記操作手段が操作されていないにも拘わらず前記操作有効時間内に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化した場合には,当該変化が発生しない場合に比して,前記対象当否判定結果が大当たりであることが報知されるに至る蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。」というものである。 上記記載によれば,本件補正発明の「演出実行手段」は,「当否判定の結果である対象当否判定結果」を「報知」するための演出の一部として,「操作有効期間中に前記操作手段を操作することを促し,操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される操作演出」を実行する手段(構成C)であり,「操作演出」で示される「演出の結果」は,「対象当否判定結果」であることを理解できる。 また,構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」とは,その構成中の「最初の前記操作手段の操作」との文言に照らすと,操作有効期間が開始されてから「最初」の「前記操作手段の操作」を契機として「演出の結果」が示されること意味し,操作有効期間が開始されてから「2回目以降」の「前記操作手段の操作」を契機として「演出の結果」が示されるものは含まれないと解するのが自然である。 (イ) 次に,本願明細書には,「本実施形態」(「本発明」の実施形態)に関し,①「本実施形態における操作手段10は,遊技機前方右側に設けられた「剣」を模した構造物である。当該「剣」は,略上下方向に (イ) 次に,本願明細書には,「本実施形態」(「本発明」の実施形態)に関し,①「本実施形態における操作手段10は,遊技機前方右側に設けられた「剣」を模した構造物である。当該「剣」は,略上下方向にスライド自在に設けられており,…付勢部材によって上側に付勢されている。 したがって,操作手段10に何の力も作用していないときには,当該付勢部材の付勢力により,最も上方の位置である原位置に位置する(図2参照)。遊技者が付勢部材の付勢力に抗して操作手段10に対して下向49きの力を作用させると,操作手段10が下方にスライドする。具体的には,遊技者は,操作手段10である「剣」の「持ち手部分」を握り,下向きの力を加えることで操作手段10を下方にスライドさせる。操作手段10が最も下方の位置である終端位置(図3参照)に到達すると,図示されないセンサによって操作手段10が当該終端位置に到達したことが検出される。本実施形態でいう「操作手段10が操作された」とは,当該センサによって操作手段10が所定位置に到達したことを検出されたときをいい,単に遊技者が操作手段10に触れただけ,という状態をいうものではない。本実施形態では,遊技機本体に固定された固定部材12に形成された開口121を通るように操作手段10が設けられている。」(【0026】),②「また,本実施形態における操作手段10には,バイブレーション機構11が設けられている。バイブレーション機構11は,「剣」の「持ち手部分」,すなわち,操作手段10を操作する遊技者が手で触れる部分に設けられている。バイブレーション機構11が駆動すると,「剣」の「持ち手部分」が振動するため,当該部分に触れている遊技者はその振動を感知することができる。」(【0027】),③「このように,本実施形態における操作手段10は,振動し 構11が駆動すると,「剣」の「持ち手部分」が振動するため,当該部分に触れている遊技者はその振動を感知することができる。」(【0027】),③「このように,本実施形態における操作手段10は,振動していない通常状態(以下,第一状態と称することもある)と,バイブレーション機構11が駆動し振動している状態(以下,第二状態と称することもある)に変化可能である(このように操作手段10の状態を制御する手段,すなわち本実施形態ではバイブレーション機構11を制御する手段が本発明における状態変化手段に相当する)。」(【0028】),④「本実施形態において,当否判定結果が大当たりであり,操作手段10が第一状態から第二状態に変化する,すなわち状態変化手段によってバイブレーション機構11が駆動し,操作手段10が振動するタイミングとしては,以下の三つが設定されている。1)操作手段10が操作されたとき,2)50操作有効時間の開始と同時(図5参照),3)操作有効時間の開始から所定時間経過したとき(図5参照)」(【0031】),⑤「基本的には,上記1)の操作手段10が操作されたとき,に操作手段10が振動する。つまり,操作手段10が操作されたときに,大当たりであることを示すような画像が表示装置91に表示されるとともに,操作手段10が振動する。これにより,遊技者は大当たりを獲得したということを理解する。」(【0032】)との記載がある。 上記記載から,「本実施形態」における「操作手段」は,「剣」を模した構造物である操作手段10であり,その「持ち手部分」のバイブレーション機構11の駆動により振動可能な構造であり,「操作手段」の「操作」とは,操作手段10の「持ち手部分」を握り,操作手段10を最も上方の位置である「原位置」から最も下方の位置である「終端位置」に到達 ン機構11の駆動により振動可能な構造であり,「操作手段」の「操作」とは,操作手段10の「持ち手部分」を握り,操作手段10を最も上方の位置である「原位置」から最も下方の位置である「終端位置」に到達させたことをいい,当否判定結果が大当たりである場合,「操作有効時間内」に「操作手段」が「操作されたとき」に,「操作手段」が振動し,操作手段の状態が「通常状態」(第一状態)から「第二状態」(バイブレーション機構11が駆動し振動している状態)に変化することを理解できる。 このように当否判定結果が大当たりであるときは,「操作有効時間内」に「操作手段」が「操作された」タイミングで操作手段が振動すること(操作手段の状態が変化すること)が開示されており,このことは,「操作有効時間内」の「最初」の「操作手段」の「操作」のタイミングで「操作手段」が振動することにより,当否判定結果が大当たりであることを示すものといえる。 一方で,本願明細書には,当否判定結果が大当たりである場合に,「操作有効時間内」の最初の「操作手段」が「操作された」ときには振動せずに,「2回目以降」の「操作手段」の「操作」のタイミングでは振動す51ることについての開示はない。 (ウ) 以上の本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)の記載及び本願明細書の上記開示事項を総合すると,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」操作演出とは,操作有効期間が開始されてから「最初」の「前記操作手段の操作」がされたときに「対象当否判定結果」である「演出の結果」が示される演出を意味し,操作有効期間が開始されてから「2回目以降」の「前記操作手段の操作」がされたときに「演出の結果」が示される態様のものは含まれないと解するのが相 判定結果」である「演出の結果」が示される演出を意味し,操作有効期間が開始されてから「2回目以降」の「前記操作手段の操作」がされたときに「演出の結果」が示される態様のものは含まれないと解するのが相当である。 (エ) これに対し被告は,①「契機」(広辞苑第六版)とは,「動因。ある事象を生じさせるきっかけ。」を意味する用語であること,②遊技機の技術分野において,操作手段の操作を契機(きっかけ)とした演出を実行する際,操作が契機となる演出が実行される前に異なる演出を挟むなど,操作後直ちに演出が実行されるとは限らないことは,技術常識であること(例えば,乙2の【0166】~【0170】,図14,乙3の【0343】,乙4の請求項1,【0089】,【0090】,【0270】,図8及び26),③遊技機の技術分野においては,「契機」という用語を,操作手段の操作後直ちに結果が生じない場合についても用いられているのが通常であること(例えば,乙2の【0168】,【0169】,乙3の【0343】,乙4の【0089】,【0090】),④遊技機の技術分野では,始動入賞口に入賞(入球)した場合に,まず抽選用の乱数が取得され,入賞に伴う演出(変動)が可能になったタイミングで,当該乱数に基づく抽選が行われて,大当たり等の当否が決定される方式の遊技機が一般的であり,そのような方式の遊技機の場合,先の入賞に伴う変動中に次の入賞が起きた場合は,すぐに抽選は行われず,最大4つまで,一旦(乱数が)保留(記憶)され,先の変動が終了して次の変動が行えるタイミ52ングまで待って,当該保存された乱数をもとに抽選が行われることになるのが技術常識であること(甲1,乙2ないし4)を踏まえると,本願明細書の「大当たりの抽選は,…始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行す ,当該保存された乱数をもとに抽選が行われることになるのが技術常識であること(甲1,乙2ないし4)を踏まえると,本願明細書の「大当たりの抽選は,…始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する。…その他の構成等は公知の遊技機と同様のものが適用できるため,説明は省略する。」(【0024】)との記載における「契機」は,入賞し,最大4つの保留を経て抽選されるような場合を当然に含むものであり,本願明細書においても,「契機」を,遊技球の入賞直後に生じる事象に限定されない意味で用いていることを根拠に,本件補正発明の構成Cの「最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」とは,操作手段の最初の「操作直後に演出の結果が示される態様」のみならず,操作手段の最初の操作を「きっかけ」として,所定時間後に演出の結果が示される態様を包含するものをいい,操作手段の1度の操作によって直ちに演出の結果が示されるものに限定して解すべきものではない旨主張する。 しかしながら,①については,「契機」は,一般的に,「きっかけ」を意味する用語であるからといって,そのことから直ちに,構成Cの「最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が示される」操作演出は,操作有効期間が開始されてから「最初」の「前記操作手段の操作」がされたときに「対象当否判定結果」である「演出の結果」が示されるものに限らず,「2回目以降」の「前記操作手段の操作」がされたときに「演出の結果」が示される態様を包含するとの解釈に結びつくものではない。 また,同様に,遊技機の技術分野において被告が②及び③で述べるような技術常識や「契機」の用語の使用例があるからといって直ちに上記解釈に結びつくものではなく,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)及び本願明細書の具体的な記載を踏まえた上で, ②及び③で述べるような技術常識や「契機」の用語の使用例があるからといって直ちに上記解釈に結びつくものではなく,本件補正発明の特許請求の範囲(請求項1)及び本願明細書の具体的な記載を踏まえた上で,上記技術常識や「契53機」の用語の使用例がどのように適用されるかについての論理付けがない。 さらに,④については,被告が述べるような技術常識があるとしても,本願明細書の【0024】の上記記載から上記解釈を導出することは困難である。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 イ 引用発明の本件補正発明に係る構成Cの具備の有無について(ア) 引用発明の本件構成(c,c1,d)は,「「ボタン系」の予告演出において,「リーチB」の演出が開始されてから所定時間経過後にチャンスボタン136の操作有効期間が開始されて,チャンスボタン136を表した画像と,演出表示領域208dの中央部上方に「連打せよ!」という文字画像とがそれぞれが表示されて遊技者にチャンスボタン136の押下をうながす操作要求演出を実行し(【0360】,【0521】)」,「操作有効期間中であって装飾図柄表示装置208による操作要求演出の実行中に,チャンスボタン136を1回押下すると,リーチ形成中の演出表示予告として,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに表示2の「番長の幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて,信頼度および期待度が100%である表示3の「保健医」のキャラクタ画像を表示(【0379】,【0383】,【0384】,【0522】,【0523】,【0644】)」する構成を含むものである。 しかるところ,引用文献1には,本件構成(c,c1,d)に関し,①「本実施の形態によるパチンコ機100では,予告抽選2において演出表示予告の予告態様が発展的に変 4】)」する構成を含むものである。 しかるところ,引用文献1には,本件構成(c,c1,d)に関し,①「本実施の形態によるパチンコ機100では,予告抽選2において演出表示予告の予告態様が発展的に変化する「1-2」または「2-3」が選択された場合には,操作有効期間中にチャンスボタン136が1回押下されたことに基づいて表示1または表示2が装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに出現して演出表示予告が開始される。その54後,操作有効期間中にチャンスボタン136がさらに1回押下されたことに基づいて演出表示予告の予告態様が表示2または表示3に発展的に変化する。」(【0386】),②「また本例では,例えば,予告抽選2において,リーチ形成中に係る「ボタン系」の予告態様として,チャンスボタン136の態様「1-2」および演出表示予告の予告態様「2-3」が選択され,予告抽選3においてリーチ形成中に係る演出表示予告の実行および変化契機並びにチャンスボタン136の態様の変化契機として「1回ごと1/5 1回ごと1/10」が選択されている。」(【0513】),③「「リーチB」の演出が開始されてから所定時間経過後にチャンスボタン136の操作有効期間が開始される。予告抽選2において,リーチ形成前に係るチャンスボタン136の態様「1-2」が選択されているため,図40(h)に示すように,チャンスボタン136の態様が発光状態(第1の態様)に変化するとともに,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dにチャンスボタン136を表した画像と,演出表示領域208dの中央部上方に「連打せよ!」という文字画像とがそれぞれが表示されてチャンスボタン136を遊技者に押下させるための操作要求演出が実行される。」(【0521】),④「操作有効期間中であって装飾図柄表 の中央部上方に「連打せよ!」という文字画像とがそれぞれが表示されてチャンスボタン136を遊技者に押下させるための操作要求演出が実行される。」(【0521】),④「操作有効期間中であって装飾図柄表示装置208による操作要求演出の実行中に,図41(a)に示すように遊技者がチャンスボタン136を1回押下するごとに演出表示予告用の抽選(当選確率は1/5)とチャンスボタン136の態様変化用の抽選(当選確率は1/10)とが行われる。本例では先に演出表示予告用の抽選に当選したので,図41(b)に示すように,中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像が表示されてリーチ形成中の演出表示予告が実行される。」(【0522】),⑤「また,図41(b)に示すように,演出表示領域208dの中央部上方には引き続き「連打せよ!」という文字画55像が表示されるので,当該文字画像に促されて遊技者がさらに続けてチャンスボタン136を押下すると,チャンスボタン136に1回の押下ごとに演出表示予告用の抽選およびチャンスボタン136の態様変化用の抽選が行われる。チャンスボタン136の態様変化用の抽選に当選する前に演出表示予告用の抽選に当選したので演出表示予告の予告態様が表示2から表示3へと発展的に変化する。このため,図41(c)に示すように中図柄表示領域208bと重なる演出表示領域208dに「幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて「保健医」のキャラクタ画像が表示される。」(【0523】)との記載がある。 上記記載及び図41(別紙2参照)から,図41(b)記載の「幼馴染」を表したキャラクタ画像は,図41(a)に示された状態で遊技者がチャンスボタン136を1回押下したときに表示される画像であり,図41(c)記載の「保健医」を表示 )から,図41(b)記載の「幼馴染」を表したキャラクタ画像は,図41(a)に示された状態で遊技者がチャンスボタン136を1回押下したときに表示される画像であり,図41(c)記載の「保健医」を表示したキャラクタ画像は,図41(b)に示された状態で,「連打せよ!」という文字画像に促されて遊技者がさらに続けてチャンスボタン136を押下し,抽選に当選したときに,「幼馴染」を表したキャラクタ画像に代えて表示される画像であることを理解できる。 そうすると,引用発明においては,1回目のチャンスボタン136の押下(操作)がされたときに,表示2の「番長の幼馴染」のキャラクタ画像(図41(b))が表示され,予告態様「2-3」の演出が開始されるが,2回目以降のチャンスボタン136の押下(操作)がなければ,大当たりであることを示す表示3の「保険医」のキャラクタ画像(図41(c))が表示されないのであるから,本件構成は,最初(1回目)のチャンスボタン136の操作がされたときに大当たりであることを示す表示3の「保険医」のキャラクタ画像が表示される構成であるものとは認められない。 56(イ) 以上によれば,引用発明の本件構成における演出は,操作有効期間が開始されてから「最初」の「前記操作手段の操作」がされたときに「対象当否判定結果」である「演出の結果」(表示3の「保険医」のキャラクタ画像)が示される演出ではないから,本件補正発明の構成Cの「操作有効期間が開始されてから最初の前記操作手段の操作を契機として演出の結果が表示される」操作演出に相当するものと認めることはできない。 したがって,引用発明は,本件補正発明の構成Cに相当する構成を有するものと認められないから,これと異なる本件審決の前記判断には誤りがある。 上記認定に反する被告の主張は理由 めることはできない。 したがって,引用発明は,本件補正発明の構成Cに相当する構成を有するものと認められないから,これと異なる本件審決の前記判断には誤りがある。 上記認定に反する被告の主張は理由がない。 ウ 被告の予備的主張について被告は,本件審決認定の引用発明が本件補正発明の構成Cに相当する構成を有しないとしても,①引用文献1の記載(【0200】ないし【0202】,【0218】,【0219】,【0227】,【0232】,【0238】,【0336】,【0340】ないし【0343】,図16,17及び24)によれば,引用文献1には,技術事項Aが記載されている,②技術事項Aに係る発明は,本件補正発明の構成CないしEに相当する構成を有するから,本件補正発明は,引用文献1に記載された発明と同一の発明である旨主張する。 そこで検討するに,被告が主張する技術事項Aは,「c1’ 第1副制御部400は,「リーチB当り時」に「ボタン系予告演出」として「演出J」を行うときは,演出表示領域208dに「リーチ!」という文字画像が表示されてから所定時間の経過後に,「ボタンを押せ!」という文字画像の表示がされてチャンスボタン136の操作有効期間が開始され,c2’,d’ 操作有効期間内にチャンスボタン136の1回押下である57第二の操作をしたとき,又は,操作有効期間内にチャンスボタン136を遊技者が操作しない場合に,遊技結果が大当りであることを報知する「雷演出」として,演出表示領域208dに,「雷の画像」を表示するとともに,チャンスボタン136を,非押下状態の操作手段演出1の実行から,チャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によりチャンスボタン装飾部材706および光拡散部 タン136を,非押下状態の操作手段演出1の実行から,チャンスボタンランプ138を七色発光させ振動モータ718により振動させながら,回転駆動部730によりチャンスボタン装飾部材706および光拡散部材708を回転させる操作手段演出6の実行に変化し,e’ チャンスボタン136の「操作無しで雷演出」が行われた演出は,100%当りとなる一方,「操作無しで雷演出」が行われなかったときには,当り確率は100%とはならない。」というものであるから,技術事項Aの構成は,本件審決が認定した引用発明の構成cないしeとは,異なる構成である。 また,技術事項Aは,本願の審査及び本件審判手続において,審査又は審理の対象とされなかった技術である。 そうすると,被告の上記主張は,本件審決が引用文献1記載の発明として認定した引用発明とは異なる技術事項Aに係る発明に基づいて本願補正発明が新規性を欠くことを主張するものにほかならず,本件審決が示した本願の拒絶理由を本件訴訟の段階で変更するものであり,このような拒絶理由の変更を認めることは,拒絶査定不服審判の審判手続における請求人の防御の機会(特許法159条2項,50条)を奪うものであるから,主引用例が同一であるからといって,主張自体許されるべきものではない。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 ⑶ 小括以上によれば,引用発明は,本件補正発明の構成Cに相当する構成を有するものではないから,その余の点について判断するまでもなく,本件補正発58明は,引用発明と同一の発明であると認めることはできない。 したがって,これと異なる本件審決の判断は誤りであるから,原告主張の取消事由2は理由がある。 第5 結論以上のとおり,原告主張の取消事由2は理由があるから,その余の取消事由について判断 い。 したがって,これと異なる本件審決の判断は誤りであるから,原告主張の取消事由2は理由がある。 第5 結論以上のとおり,原告主張の取消事由2は理由があるから,その余の取消事由について判断するまでもなく,本件審決は取り消されるべきである。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官 大 鷹 一 郎 裁判官 小 林 康 彦 裁判官 高 橋 彩 59(別紙1)【図1】 【図2】 【図3】 60【図4】 【図5】 61【図6】 62(別紙2)【図1】 63【図3】 64【図9】 65【図12】 66【図14】 【図27】 67【図28】 【図29】 68【図31】 69【図36】 70【図40】 71【図41】 69【図36】 70【図40】 71【図41】 72【図42】

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