昭和28(う)2422 たばこ専売法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和28年12月7日 福岡高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。          理    由  弁護人高良一男の控訴趣意は、記録に編綴されている同弁護人提出の控訴趣意書 記載のとおりであるから、これを引用する。  右

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判決文本文1,983 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 理由 弁護人高良一男の控訴趣意は、記録に編綴されている同弁護人提出の控訴趣意書記載のとおりであるから、これを引用する。 右控訴趣意第一点の論旨について。 たばこ専売法によるたばこ専売の制度が、他のアルコール専売や塩専売の諸制度と齋しく、結局において国家財政上の収入をその根本目的とする一種の企業独占であり、その対象たる「製造たばこ」の消費者に対する売渡価格が生産費プラス消費税として把握することは所論の通りであるけれども、他面同法は、右根本目的の下に、その企業独占の実を具体的に確保するため耕作、製造、輸入、販売、輸出等の各段階において諸種の関与を為し、特に右販売の段階においては、右企業独占の確保の外該企業の健実な運營伸長とその信用の保持向上とを期し、「製造たばこ」の販売機関を日本専売公社及びその指定小売人に限定する(たばこ専売法第二十九条第一項第二項)と共に、右公社に対しては固より小売人に対しても同公社を通じいろいろ厳重な監督統制を行うこととしているのである。即ち、先ず右小売人の指定については、その營業所の位置、設備の構造、資金状態その他の事項を考慮する立前を取り(同法第三十条第一項第二項第三十一条)、次に右販売の実施については、小売人の營業所の位置の変更、營業所以外の場所における出張販売等を公社の許可によらしめることとし(同法第三十条第三項第四項)、小売人は公社が定めた小売定価により販売せねばならぬものとし(同法第三十四条)小売人の營業所における定価表の掲示、帳簿の作成記入、業務に関する報告その他の届出義務等を定め(同法第三十五条第三十六条)小売人に対し包装若しくはその内容の改変又は包装の破損し若しくは汚染した「製造たばこ」の販売を禁止し(同法第三十八条)、小売 入、業務に関する報告その他の届出義務等を定め(同法第三十五条第三十六条)小売人に対し包装若しくはその内容の改変又は包装の破損し若しくは汚染した「製造たばこ」の販売を禁止し(同法第三十八条)、小売定価が改定された場合の小売人に関する措置を定め(同法第四十条)、その他公社は小売人又はその組織する団体若しくはその連合体に対し販売に関する事項について諸種の指示を為すことができるものとし(同法第三十九条)、而して、小売人が同法の規定或は同法による公社の指示に従わない等のことがあつたときは公社において小売人の指定を取消し或は右取消に代えて一定期間販売を差止めることができるものとし(同法第四十三条)、尚同法第五章の他の諸規定も悉く前記監督統制の措置を定めたものに外ならないと言うことができよう。 <要旨>由是之を観れば、たとえ一旦指定小売人が消費者に販売した「製造たばこ」であつても、更に之を多量に反</要旨>覆して売却するときは、所論の様にたばこ専売法の根本目的とする財政収入の面において直接の侵害を与えるものとは言い難いけれども、他面同法が、右根本目的の下に、たばこ専売企業の独占確保並びに該企業の健実な連營及びその信用の保持等を期しその販売段階において励行しようとしている諸種の監督統制を乱すことになるから、斯様な行為は正しく「公社又は小売人でなければ製造たばこを販売してはならない」旨を定めた同法第二十九条第二項の規定に違反し且実質的にもその違法性を具有するものと言わねばならない。 従つて、原判決が、第三者がパチンコ屋から景品として受け取つた「製造たばこ」を買い蒐めたものを販売した被告人の本件所為につき、同法第二十九条第二項第七十一条第五号第七十六条等の諸規定を適用処断したのはまことに正当であり、小売人が生産費プラス消費税の小売定価で消費者に販売した 買い蒐めたものを販売した被告人の本件所為につき、同法第二十九条第二項第七十一条第五号第七十六条等の諸規定を適用処断したのはまことに正当であり、小売人が生産費プラス消費税の小売定価で消費者に販売した「製造たばこ」は爾後如何なる運命を辿ろうとも同法の関知するところではないとの見解に立脚して原判決の法令適用の誤りを主張する右論旨は理由がない。 同第二点の論旨について。 原判決が証拠として挙示する被告人の検察官に対する供述調書等十項(記録第四一丁以下)中「………日本専売公社で作られた光やピース等はたばこ屋さん以外のところでは売つていないから私達がたばこ屋でもないのに斯様なたばこを勝手に売つたり等してはいかぬと思いましたが、………」との供述記載に徴すれば、所論の様に被告人が違法性の認識を有しなかつたものとは認め難いから、右論旨も亦理由がない。 そこで、刑事訴訟法第三百九十六条に則り本件控訴を棄却することとして、主文の様に判決する。 (裁判長裁判官谷本寛裁判官藤井亮裁判官吉田信孝)

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