令和2年11月12日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成29年(行ウ)第450号公金支出差止等請求事件口頭弁論終結日令和2年2月20日判決主文 1 被告は,Aに対し,2億5153万9137円及びこれに対する令和元年11月26日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める請求をせよ。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求主文第1項と同旨第2 事案の概要日野市は,日野都市計画公園事業第5・4・2号北川原公園の予定地(以下,同事業を「本件都市計画事業」,同公園を「北川原公園」といい,本件都市計画 事業の対象区域を「北川原公園予定地」という。)の一部について事業認可を受け(以下,同事業認可を「本件事業認可」といい,その対象区域を「本件施行区域」という。),公園の整備をするとともに,同市のクリーンセンター(以下「日野クリーンセンター」という。)に出入りする廃棄物運搬車両が通行するための道路(以下「本件通行路」という。)を,本件施行区域を含む北川原公園予 定地内に整備することとし,本件通行路の整備に係る設計業務委託契約,工事請負契約及び工事監理業務委託契約(以下「本件各契約」という。)を締結し,本件各契約に基づく代金の支払をした。 本件は,日野市の住民である原告ら84名が,日野市長であるA(以下「A市長」という。)がした本件各契約の締結が違法であるとして,地方自治法242 条の2第1項4号に基づき,被告(日野市の執行機関である日野市長)を相手に, A市長に対して損害賠償請求をすることを求める住民訴訟である。 1 関係法令の定め本件に関係する都市計画法の定めは別紙3-1のとおりであり,都市公園法(平成29年法律第 相手に, A市長に対して損害賠償請求をすることを求める住民訴訟である。 1 関係法令の定め本件に関係する都市計画法の定めは別紙3-1のとおりであり,都市公園法(平成29年法律第26号による改正前のもの。以下同じ)の定めは別紙3--2のとおりである。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者ア原告らは,いずれも日野市の住民である。 イ被告は,日野市の執行機関である。 ウ A市長は,本件各契約(変更契約を含む。)の締結の当時,日野市長であった者である。 ⑵ 北川原公園及び周辺施設とその位置関係等(甲3,76,乙43)ア本件に関係する施設及び周辺の位置関係は別紙図面A-1,別紙図面A-2及び別紙図面B-1のとおりである。 イ北川原公園及び本件施行区域等について本件都市計画事業の対象区域である北川原公園予定地は,別紙図面A-1の白色点線で囲まれた部分で,多摩川の右岸に沿ったほぼ長方形の土地(約9.6ha)であり,国道20号線(東京八王子線)日野バイパス(以下「国道20号バイパス」という。)によって南北に分かれて いる(なお,国道20号バイパスは,北川原公園予定地にかかる部分の途中から,その一部が高架となっている。)。 本件施行区域は,北川原公園予定地のうち国道20号バイパスよりも北側〔多摩川上流側〕の部分(約1.4ha)であり,別紙図面B-1の「本件上流側土地」と表示された青色線で囲まれた部分である(駐車 場部分を含む。)。本件施行区域は,同別紙の「クリーンセンター専用 路」と表示された部分(以下「本件北側通行路」という。約0.3ha)を除き,平成30年9月1日に公園として 駐車 場部分を含む。)。本件施行区域は,同別紙の「クリーンセンター専用 路」と表示された部分(以下「本件北側通行路」という。約0.3ha)を除き,平成30年9月1日に公園としての供用が開始された(以下,本件施行区域のうち同日に公園としての供用が開始された区域を「公園供用開始区域」という。)。 なお,別紙図面B-1のうち「本件下流側土地」と表示された緑色線 で囲まれた部分(国道20号バイパスよりも南側〔多摩川下流側〕の部分。約0.68ha)は,北川原公園予定地の一部ではあるが,本件施同別紙の「北河原広場維持管理道路」と表示された部分(以下「本件南側通行路」という。)は,国道20号バイパスの高架下の通行路(以下「本件高架下通行路」 という。)を介して本件北側通行路と接続しており,これら3つを併せたものが本件通行路である。 以下,本件施行区域(本件上流側土地)と本件下流側土地を併せて「本件整備区域」という(別紙図面A-1の赤色部分)。 ウ浅川水再生センターについて 別紙図面A-1の「浅川水再生センター」は,東京都下水道局が管理運営する下水処理施設であり,「下水道,汚物処理場,ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設」(都市計画法11条1項3号)として都市計画決定された都市計画施設(同法4条6項)である。 北川原公園予定地(約9.6ha)のうち,国道20号バイパスより南 側(約8.2ha)は浅川水再生センターの敷地であり,北川原公園と浅川水再生センターの各都市施設に係る都市計画決定が二重にされており,同センターの水処理施設の設置後に,その覆蓋部(屋上)を利用して公園を整備するという構想である(乙14,32,50)。 浅川水再生センターの水処理施設が既に設置されている部分については, り,同センターの水処理施設の設置後に,その覆蓋部(屋上)を利用して公園を整備するという構想である(乙14,32,50)。 浅川水再生センターの水処理施設が既に設置されている部分については, 既に北川原公園の一部として供用が開始されている(甲3。当初は,別 紙図面A-1の「浅川水再生センター覆蓋部供用済範囲」と表示された緑色部分について供用が開始され,次いで,「浅川水再生センター覆蓋部H27工事範囲」と表示された青色部分についても平成27年の整備工事を経て供用が開始されている。以下,これらを「浅川既供用区域」という。)。 なお,北川原公園予定地のうち,浅川既供用区域及び本件施行区域を除いた区域については,本件都市計画事業に係る事業認可がまだされていない(以下,北川原公園予定地のうち,事業認可がされておらず,本件整備区域にも含まれていない区域を「本件将来整備区域」という。)。 エ日野クリーンセンターについて 日野クリーンセンターは,日野市が管理運営する一般廃棄物処理施設であり,「汚物処理場,ごみ焼却場その他の処理施設」(都市計画法11条1項3号)として都市計画決定された都市計画施設である。日野クリーンセンターは,浅川水再生センターの南側(別紙図面A-2の「クリーンセンター」と表示された部分)に設置されている。 オ国道20号バイパスについて国道20号バイパスは,国道20号(日野バイパス)として指定を受け,一般交通の用に供されている国道(道路法5条1項)であり,広域的な幹線道路(片側2車線)である。別紙図面AからCまで(枝番を含む。)のとおり,国道20号バイパスは,北川原公園予定地から北東方 面に向かえば国立市に,南西方面に向かえば八王子市に至る。 カ周辺の住宅街について ある。別紙図面AからCまで(枝番を含む。)のとおり,国道20号バイパスは,北川原公園予定地から北東方 面に向かえば国立市に,南西方面に向かえば八王子市に至る。 カ周辺の住宅街について別紙図面A-2のうち,多摩川の西側かつ浅川の北側に位置する地域(ただし,北川原公園予定地,浅川水再生センター及び日野クリーンセンターの各区域を除く。)は,日野都市計画事業万願寺土地区画整理事 業(以下「本件区画整理事業」という。)が施行され,同区域には,住 宅街(以下「本件住宅街」という。)が形成されている(甲14)。 キ本件通行路について日野クリーンセンターの建替えと廃棄物運搬路の変更決定日野クリーンセンターに係る廃棄物運搬車両の運搬経路(以下「廃棄物運搬路」という。)としては,従前は浅川左岸沿いの堤防道路が 使用されていた(以下「浅川ルート」という。)。廃棄物運搬車両は,別紙図面A-2の甲州街道高幡線から浅川ルートに入り,日野クリーンセンターに到達していた。 日野市は,後記⑶エのとおり,日野クリーンセンターの耐用年数が経過したため建替えを決定するとともに,建替え後の日野クリーンセ ンター(以下「新クリーンセンター」ということがある。)に係る廃棄物運搬路について,多摩川右岸沿いの堤防道路(市道C-2号線。 以下「多摩川ルート」という。)を採用することを決定した(以下,かかる廃棄物運搬路の変更を「本件ルート変更」という。なお,新クリーンセンターに対して建替え前の日野クリーンセンターを指す場合 に「旧クリーンセンター」ということがある。)。 そして,本件ルート変更に当たり,国道20号バイパスと多摩川ルートを連絡する廃棄物運搬路として整備されたのが,本件通行路である。 本件通行路による廃棄物運 ーンセンター」ということがある。)。 そして,本件ルート変更に当たり,国道20号バイパスと多摩川ルートを連絡する廃棄物運搬路として整備されたのが,本件通行路である。 本件通行路による廃棄物運搬の経路 上記イのとおり,本件通行路は,本件北側通行路及び本件南側通行路のほか,これらをつなぐ本件高架下通行路により構成されている(国道20号バイパスは,本件通行路との接続部分より東側が高架となっている。)。別紙図面B-1のとおり,八王子市方向(西側)から国道20号バイパスを走行してくる廃棄物運搬車両は,本件北側通行路を経て多 摩川ルート(市道C-2号線)に入り,日野クリーンセンターに到達す ることができる。そして,帰りは,多摩川ルートから本件北側通行路,次いで本件高架下通行路及び本件南側通行路を経て,国道20号バイパスに出ることができる。反対に,国立市方向(東側)から走行してくる廃棄物運搬車両は,本件南側通行路,次いで本件高架下通行路及び本件北側通行路を経て多摩川ルートへ入ることができ,帰りは多摩川ルート から本件北側通行路を経て国道20号バイパスに出ることができる。 (甲54〔写真3,6,10,13,15~17〕,乙18の2)ク本件整備区域等の概要及び利用権限について本件上流側土地につき本件上流側土地(本件施行区域。約1.4ha)は,日野市が所有す る土地であり,上記イのとおり,本件北側通行路の部分を除き,平成30年9月1日に公園としての供用が開始されている。 本件下流側土地につき本件下流側土地(約0.68ha)は,東京都が浅川水再生センターの敷地として所有する土地であり,東京都下水道局長(公営企業管理 者)が管理権限を有している。 東京都下水道局長は,平成29年2月16 流側土地(約0.68ha)は,東京都が浅川水再生センターの敷地として所有する土地であり,東京都下水道局長(公営企業管理 者)が管理権限を有している。 東京都下水道局長は,平成29年2月16日,日野市長に対し,下水道用地である本件下流側土地につき,使用期間を同月20日から平成33年(令和3年)3月31日までとして使用を許可した(以下「本件下水道用地使用許可」という。)。本件下水道用地使用許可においては, 許可の条件として,「使用者は,使用土地を広場として使用しなければならない(4条)。」「使用者は,使用土地を前条に定める目的以外の用途に使用してはならない(5条1項)。」と定められており,これらの条件の違反は許可の取消し又は変更の事由となる(6条)。 日野市は,本件下流側土地の一部に広場(以下「北川原広場」とい う。)を設置するとともに,北川原広場の維持管理のための道路とする との位置付けで,本件南側通行路を設置している(なお,北川原広場は北川原公園の一部として供用が開始されたものではなく,暫定的に広場として整備したものとされている。)。 (以上につき,乙29~33)本件高架下土地につき 国道20号バイパス及びその高架下の土地(別紙図面B-1。以下「本件高架下土地」という。)は,国有地であり,関東地方整備局長が管理している。 関東地方整備局長は,平成29年2月22日,日野市長に対し,本件高架下土地につき,占用目的を「クリーンセンター建替え工事車両の搬 入路」,占用期間を同日から平成32年(令和2年)3月31日までとする道路占用許可をした(甲51,52。以下「本件道路占用許可」という。)。同土地上に整備された本件高架下通行路は,上記イのとおり,本件北側通行路及び本件南側通行路と接 (令和2年)3月31日までとする道路占用許可をした(甲51,52。以下「本件道路占用許可」という。)。同土地上に整備された本件高架下通行路は,上記イのとおり,本件北側通行路及び本件南側通行路と接続し,これらと一体となって本件通行路を構成している。 ⑶ 本件通行路の整備に係る経緯ア本件都市計画決定東京都知事は,昭和54年1月24日,日野市の都市計画公園に北川原公園を次のとおり追加する旨の都市計画決定をした(以下「本件都市計画決定」といい,同決定に係る都市計画を「本件都 市計画」という。)。北川原公園は,本件都市計画事業が全部完了すれば,日野市内で最大の総合公園となる予定である。なお,総合公園とは,市町村の区域内に居住する者の休息,観賞,散歩,遊戯,運動等総合的な利用に供することを目的とする都市公園である(都市公園法施行令2条1項4号)。(甲6,7) 番号日野第5・4・2号 名称北川原公園 位置日野市大字下田,同新井,同万願寺,同石田の各地内 面積約9.6ha種別一般公園 備考テニスコート,野球場,広場 なお,都市計画法15条1項は,同項各号に掲げる以外の都市計画は市町村が定めるものとしているところ,都市計画法施行令の改正(平成10年政令第331号)により,同項5号の「広域の見地から決定すべき都市施設」について,公園に関しては10ha以上のものと規定されたこと(都市計画法施行令9条2項)から,上記改正後は,日野市が本件都市計 画に係る権限を有することとなった。 イ本件事業認可日野市は,北川原公園予定地のうち本件施行区域について,「地域防災計画上及び計画地周辺の 項)から,上記改正後は,日野市が本件都市計 画に係る権限を有することとなった。 イ本件事業認可日野市は,北川原公園予定地のうち本件施行区域について,「地域防災計画上及び計画地周辺の宅地化に伴い,早急に公園整備の必要が生じた」との理由で,平成17年12月26日,本件都市計画事業の施行に 係る次の内容の認可申請をし(以下「本件事業認可申請」という。),その頃,東京都知事から認可(本件事業認可)を受けた。 位置日野市万願寺2丁目地内 面積約1.4ha 施行期間事業認可の告示の日から平成22年3月31日までなお,本件事業認可申請に当たり日野市が提出した設計説明書によれば,「設計方針」は「自然的雰囲気の溢れる散策の場とするとともに,広域避難地となる都市公園として整備する。」とされ,「主な施設」は「四阿,ベンチ,パーゴラ,防火水槽,耐震性貯水槽,備蓄倉庫,集会 所,駐車場,トイレ」とされていた。 (以上につき,甲12)ウ本件施行区域に係る用地買収日野市は,平成18年頃までに,本件施行区域内の用地の買収を全て完了した。 用地購入費は合計約4億5200万円(平成17年度については約2億 2200万円,平成18年度については約2億3000万円)であり,このうち国からの補助金の額は1億4400万円であった。 エ日野クリーンセンターの建替えの決定日野市は,旧クリーンセンターが耐用年数を大きく経過していたことから,平成15年3月,これを建て替えることを決定した(乙11)。 日野市は,平成17年1月頃,上記建替えの計画について住民説明会を実施したところ,同年3月23日,地域住民で構成され たことから,平成15年3月,これを建て替えることを決定した(乙11)。 日野市は,平成17年1月頃,上記建替えの計画について住民説明会を実施したところ,同年3月23日,地域住民で構成される「日野市クリーンセンター地元環境対策委員会」(以下「本件地元環境対策委員会」という。)から,「廃棄物運搬路については,多摩川ルートを使用されたい」旨の要望書(乙8。以下「本件要望書」という。)が提出された。 オ廃棄物処理に関する3市の合意日野市は,平成26年1月16日,国分寺市及び小金井市との間で(以下,これらの市を日野市と併せて「3市」ということがある。),次の内容の「新可燃ごみ処理施設の整備及び運営に関する覚書」(以下「本件覚書」という。)に係る合意をした(乙5)。 「1項環境に十分配慮した最新鋭の施設を設置し,周辺住民にとって,安全で安心な環境を確保する。 2項構成団体(3市)は,新施設(新クリーンセンター)において構成団体の区域内で発生する可燃ごみの広域処理を行い,当該施設の整備及び運営は,構成団体が地方自治法284条2項に基づき設立する 一部事務組合において行う。(以下,3項まで略) 4項新施設の稼働目標年度は,平成31年度中とする。 5項新施設の設置場所は,日野市の現クリーンセンター(旧クリーンセンター)敷地内とする。 6項新施設の設置に必要な費用については,(中略)構成団体が均等に負担する。 7項新施設及び第2項の一部事務組合の運営及び管理に必要な費用は,構成団体がそれぞれ新施設において処理する可燃ごみの量に応じて負担する。 8項周辺環境整備に係る費用は,国分寺市及び小金井市が均等に負担するものとし,詳細については,日野市の意向を考慮し,構成 構成団体がそれぞれ新施設において処理する可燃ごみの量に応じて負担する。 8項周辺環境整備に係る費用は,国分寺市及び小金井市が均等に負担するものとし,詳細については,日野市の意向を考慮し,構成団体の 協議により別途定める。 9項新施設の稼働期間は,稼働後おおむね30年とする。稼働後,適切な時期より,構成団体間で共同処理について再度協議し,引き続き構成団体で施設整備及び運営する場合には,次期,新施設(以下「次期新施設」という。)の設置場所は日野市の区域外を基本とする。 10~11項(略)」カ本件ルート変更及び本件通行路の整備の決定日野市は,平成27年頃までに,新クリーンセンターの廃棄物運搬路について多摩川ルートを採用することを決定する(本件ルート変更)とともに,国道20号バイパスと多摩川ルートを連絡する本件通行路を北川 原公園予定地内に整備することを計画し,本件通行路の整備を本件施行区域における公園の整備と並行して行うこととした。 また,日野市は,本件通行路の整備の方針として,①本件通行路を「30年間の暫定道路」として整備すること(暫定的な利用の終了後は,公園として整備する。),②本件通行路は日野クリーンセンター専用道路 (廃棄物運搬車両のみが通行する通路)として整備し,一般車両の通行 は排除すること,③本件通行路の区域を除外した上で,本件上流側土地(本件施行区域)につき都市公園(北川原公園)としての供用を開始することとした。なお,本件通行路の暫定的な利用期間を30年としたのは,新クリーンセンターの焼却炉の稼働期間に合わせたものである。 (以上につき,甲3,26の1・2,乙11,41) ⑷ 本件各契約の締結及び支出ア本件設計委託契約の締結及び支出日野市は 新クリーンセンターの焼却炉の稼働期間に合わせたものである。 (以上につき,甲3,26の1・2,乙11,41) ⑷ 本件各契約の締結及び支出ア本件設計委託契約の締結及び支出日野市は,平成28年7月8日,株式会社エイト日本技術開発(以下「エイト社」という。)との間で,本件通行路の整備工事に係る実施設計に関する業務委託契約(契約金額320万7600円。以下「本件 設計委託契約」という。)を締結した。エイト社は,同月20日,前払金の受領を辞退し,契約金額(業務委託料)は全て業務完了後に支払うこととされた。また,同契約に係る契約期間は,後に変更され,平成28年7月11日から同年11月30日までとされた。(乙1~3)エイト社は,平成28年11月30日,本件設計委託契約に係る業 務を完了し,日野市は,同年12月26日,同社に対し業務委託料320万7600円を支払った。 イ北側通行路等工事請負契約の締結及び支出 日野市は,平成29年2月16日,株式会社トウトエンジニアリング(以下「トウト社」という。)との間で,工事名を「クリーンセンター 専用路整備工事」とする次の内容の工事請負契約(以下「北側通行路等工事請負契約」という。)を締結した(乙23の1)。 契約金額 6367万9382円契約期間平成29年2月17日から同年9月22日まで前払金 2547万1000円 中間前払金 1273万5000円 北側通行路等工事請負契約は,本件上流側土地(公園供用開始区域以外の区域)及び本件高架下土地を工事区域とするものであり,本件北側通行路及び本件高架下通行路の築造並びに街渠及び安全施設の設置等を目的とするものである。なお,本件橋梁 上流側土地(公園供用開始区域以外の区域)及び本件高架下土地を工事区域とするものであり,本件北側通行路及び本件高架下通行路の築造並びに街渠及び安全施設の設置等を目的とするものである。なお,本件橋梁の建設に係る工事(後記ウ)は除かれる。 日野市は,平成29年9月11日,トウト社との間で,北側通行路等工事請負契約に係る変更契約(防塵目隠しシートの増設及び路床改良のための工事を追加するもの。)を締結した。同変更契約により,契約金額は895万4938円増額され,7263万4320円となった。 (乙44の2) 日野市は,平成29年3月24日,トウト社に対し,前払金2547万1000円を支払った。なお,中間前払い金については,トウト社が受領を辞退した。(乙23の2・3,44の1)トウト社は,約定の工事を完成させ,日野市は,平成29年11月8日,同社に対し残代金4716万3320円を支払った(乙44の3・ 4)。 ウ橋梁工事請負契約の締結及び支出 日野市は,平成29年2月9日,眞生工業株式会社(以下「眞生社」という。)との間で,工事名を「根川橋梁整備工事」とする次の内容の工事請負契約(以下「橋梁工事請負契約」という。)を締結した(乙2 4の1)。 契約金額 1億1625万6660円契約期間平成29年2月10日から同年9月22日まで前払金 4650万2000円中間前払金 2325万1000円 橋梁工事請負契約は,本件上流側土地に流れている根川(別紙図面B -1)を渡るための橋梁(以下「本件橋梁」という。)を整備するものであり,これにより本件北側通行路が根川を渡ることが可能となるものである。 流側土地に流れている根川(別紙図面B -1)を渡るための橋梁(以下「本件橋梁」という。)を整備するものであり,これにより本件北側通行路が根川を渡ることが可能となるものである。 日野市は,平成29年9月11日,眞生社との間で,橋梁工事請負契約に係る変更契約(アスファルト舗装の撤去及び処分並びに重機械搬出 入用仮橋の設置及び撤去のための工事を追加するもの。)を締結した。 同変更契約により,契約金額は,220万3140円増額され,1億1845万9800円となった。(乙45の2) 日野市は,平成29年3月9日,眞生社に対し,前払金4650万2000円を支払った。なお,中間前払金については,眞生社が受領を辞 退した。(乙24の2・3,45の1)眞生社は,約定の工事を完成させ,日野市は,平成29年11月8日,同社に対し残代金7195万7800円を支払った(乙45の3・4)。 エ広場等工事請負契約の締結及び支出日野市は,平成29年2月16日,株式会社滝沢建設(以下「滝沢 社」という。)との間で,工事名を「北川原広場等整備工事」とする次の内容の工事請負契約(以下「広場等工事請負契約」といい,上記イ及びウの各工事請負契約と併せて「本件工事請負契約」という。)を締結した(乙25の1)。 契約金額 9180万円 契約期間平成29年2月17日から同年9月22日まで前払金 3672万円中間前払金 1836万円広場等工事請負契約は, 北川原広場及び本件南側通行路の整備を目的とするものである。 日野市は,広場等工事請負契約につき,予定していた工事の一部を取 りやめることとし,平成29年9月1 は, 北川原広場及び本件南側通行路の整備を目的とするものである。 日野市は,広場等工事請負契約につき,予定していた工事の一部を取 りやめることとし,平成29年9月11日,滝沢社との間で,同契約に係る変更契約を締結した。これにより,契約金額は,718万7400円減額され,8461万2600円となった。(乙46の2) 日野市は,滝沢社に対し,平成29年3月15日,前払金3672万円を支払った。なお,中間前払金については,滝沢社が受領を辞退した。 (乙25の2・3,46の1)滝沢社は,約定の工事を完成させ,日野市は,平成29年11月17日,同社に対し残代金4789万2600円を支払った。(乙46の3・4)オ本件工事監理委託契約の締結及び支出 日野市は,平成29年3月3日,エイト社との間で,次の内容の工事監理業務委託契約(以下「本件工事監理委託契約」という。)を締結した(乙26の1)。 契約金額 896万4000円契約期間平成29年3月4日から平成30年5月31日まで 前払金 268万9000円(残額については,業務完了後に支払うほか,平成29年度に予算額を限度として部分払を1回行う。)本件工事監理委託契約は,上記イからエまでの工事の施工時期が重なり,かつ,工事区域が相互に隣接することから,これらの工事の監理を 一体的に行うことを目的とするものである。 日野市は,平成30年5月22日,エイト社との間で,本件工事監理委託契約の期間を平成29年3月4日から平成30年8月31日までに変更する旨の契約をした(乙47の3)。 日野市は,エイト社に対し,平成29年4月24日,前払金268万 9000円を支払 の期間を平成29年3月4日から平成30年8月31日までに変更する旨の契約をした(乙47の3)。 日野市は,エイト社に対し,平成29年4月24日,前払金268万 9000円を支払い,平成30年5月21日,部分払金475万円を, 同年11月27日,残代金152万5000円を支払った(乙26の2・3,47の1・2,4・5)。 カ本件各契約,すなわち,上記アからオまでの本件設計委託契約,本件工事請負契約(北側通行路等工事請負契約,橋梁工事請負契約,広場等工事請負契約),本件工事監理委託契約の各締結は,変更契約に係るもの も含め,いずれも,当時の日野市長であるA市長がしたものであった。 キ本件各契約の代金と本件通行路の設置に係る費用との関係本件各契約の代金には,本件通行路の設置に係る費用に当たらないものも含まれている。そこで,これを除いた部分,すなわち本件通行路の設置に係る費用に当たるのは,①本件設計委託契約の代金全額(320万 7600円),北側通行路等工事請負契約の代金全額(7263万4320円),橋梁工事請負契約の代金全額(1億1845万9800円),広場等工事請負契約の代金額の一部(5659万1755円)及び本件工事監理委託契約の代金額の一部(64万5662円)であり,その合計額は2億5153万9137円である。これは,本件訴訟において原 告らがA市長への損害賠償請求を求める金額(令和元年11月14日付け訴えの変更申立書による一部取下げ後の金額。ただし,遅延損害金を除く。)と一致する。 ク本件通行路の使用の開始本件通行路の設置は平成29年9月22日までに完了し,同年11月 6日,本件通行路の使用が開始された。なお,本件施行区域のうち本件北側通行路を除く部分(公園 ク本件通行路の使用の開始本件通行路の設置は平成29年9月22日までに完了し,同年11月 6日,本件通行路の使用が開始された。なお,本件施行区域のうち本件北側通行路を除く部分(公園供用開始区域)については,上記イのとおり,平成30年9月1日に公園としての供用が開始された。 本件通行路は,アスファルトで舗装された2車線(片側1車線)の道路であり,幅員は7m(3.5m×2)で,両側に高さ1.5mのフェン スが設置され,その外側には,幅約3.5mの植栽帯が設けられている (甲51,54,乙18の2)。 本件通行路における廃棄物運搬車両の走行については,毎週月曜日から金曜日までの午前8時半から11時半まで,午後1時から4時半までの各時間帯において,1時間当たり36台(1分間当たり0.6台)の頻度での走行が想定されている(甲15)。 本件通行路の両側には上記のとおりフェンスが設置されているため,歩行者は本件通行路内に立ち入ることができないが,本件上流側土地において,本件下流側土地へ向かう歩道が本件北側通行路と交わる部分(別紙図面B-1の「歩道」と表示された部分。ここだけ幅員が狭くなっている。)に横断歩道が設けられており,歩行者はこの横断歩道を通って 本件北側通行路を渡ることができる。歩行者の安全を確保するため,上記横断歩道に沿って門扉が設置されるとともに,警備員が配置されている。(甲54〔写真15,17,21〕)本件下流側土地において,実際に広場として整備されているのは,西側端部分(本件南側通行路が国道20号バイパスと接続する部分の西側 〔別紙図面B-1〕,甲54〔写真1〕。以下「ポケット広場」という。)であり,本件上流側土地からつながっている歩道は本件南側通行路に沿ってポケット 路が国道20号バイパスと接続する部分の西側 〔別紙図面B-1〕,甲54〔写真1〕。以下「ポケット広場」という。)であり,本件上流側土地からつながっている歩道は本件南側通行路に沿ってポケット広場に到達するように設けられている。これらの部分と本件南側通行路以外の部分は未整備であり,歩行者は本件南側通行路を渡ってその向こうの南側部分に立ち入ることができない。(甲54 〔写真6,10,11〕)。 ⑸ 監査請求ア原告らを含む日野市の住民ら91名は,平成29年7月6日,日野市監査委員に対し,①本件設計委託契約の締結及び同契約に基づく支出により日野市に生じた320万7600円の損害につき,A市長に対する損害賠 償請求をするよう勧告することを求め,②本件通行路の設置に係る工事請 負契約その他一切の契約の締結及び支出をしないよう勧告することを求める旨の住民監査請求をしたが,同年8月29日,同監査請求は理由がない旨の通知を受けた(甲40)。 イ原告らは,平成29年9月28日,本件訴えを提起した。 ウなお,原告らの一部を含む日野市の住民ら96名は,上記アに先立つ監 査請求をし,平成28年10月3日,被告を相手に,本件通行路の設置に係る工事費用等の支出の差止めを求めるとともに,本件設計委託契約に基づく支出による損害についてA市長に対する損害賠償請求をするよう求める訴えを提起し(東京地方裁判所平成28年(行ウ)第465号),また,他の住民1名は,同年10月4日,上記訴えに共同訴訟参加し(東京地方 裁判所平成28年(行ウ)第467号),これらの訴えとその後に提起された本件訴えは,弁論を併合して審理された。 本件訴えを除く上記各訴えは,令和元年11月5日付け取下書により取り下げられ,被告はこれに同意した( 年(行ウ)第467号),これらの訴えとその後に提起された本件訴えは,弁論を併合して審理された。 本件訴えを除く上記各訴えは,令和元年11月5日付け取下書により取り下げられ,被告はこれに同意した(本件第12回口頭弁論調書)。 ⑹ 市道の認定等 日野市は,平成31年3月20日,別紙図面Cの①及び②の区域(本件北側通行路)について北川原公園の兼用工作物とする旨,及び,同別紙の②及び③の区域(本件北側通行路の一部,本件高架下通行路)について市道認定する旨の方針を決定した(甲77,乙55。以下「本件兼用等方針決定」という。)。 日野市は,令和元年12月18日,本件施行区域のうち本件北側通行路について,同日から北川原公園として供用を開始する旨の公告をした(乙68。 以下「本件供用開始公告」という。)。また,日野市長は,同月17日,道路法8条に基づいて,別紙図面Cの②及び③の区域を市道C169号線として路線認定する(以下「本件市道認定」という。)とともに,関係図面を一 般の縦覧に供した(乙65の1)。 ⑺ 新クリーンセンターの稼働の開始新クリーンセンターは,令和元年12月に試運転が開始された。 3 争点及び当事者の主張本件の争点は,本件各契約の締結が財務会計法規上違法であるか否かであり,原告らは,都市計画の変更をせずにされた本件通行路の設置は都市計画法21 条をはじめとする関係各法令に違反し,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨に鑑み,本件各契約の締結は財務会計法規上違法である旨主張しており,これに対し,被告は,本件通行路は30年間に限り暫定的に利用されるものであって都市計画の変更を要するものではなく,原告らが指摘する関係各法令の違反にも当たらないから,本件各契約の締結に財務 ており,これに対し,被告は,本件通行路は30年間に限り暫定的に利用されるものであって都市計画の変更を要するものではなく,原告らが指摘する関係各法令の違反にも当たらないから,本件各契約の締結に財務会計法規上の違法 はない旨主張している。それぞれの主張内容の要旨は,別紙4のとおりである。 なお,同別紙で定義する略称は,本文においても用いる。 第3 当裁判所の判断当裁判所は,北川原公園に係る本件都市計画の計画区域に,都市計画の変更をしないまま,廃棄物運搬車両の専用道路である本件通行路を設置することは,都 市計画法上違法と評価すべきものであり,本件通行路を設置するためにA市長がした本件各契約の締結は財務会計法規上違法と評価すべきものであるから,日野市の住民である原告らが地方自治法242条の2第1項4号に基づきA市長に対する損害賠償請求権の行使を求める本件の請求は理由があり,これを認容すべきものと判断する。 その理由の詳細は,次のとおりである。 1 認定事実前記前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,次の事実が認められる。 ⑴ 本件都市計画等について ア日野市においては,昭和38年3月29日,日野クリーンセンター(旧 クリーンセンター)の設置に係る都市計画決定がされ(甲76),また,昭和40年,本件区画整理事業(前提事実⑵カ)に係る都市計画決定がされた。 そして,下水道計画の策定を進めるため昭和50年1月に発足した日野市下水道調査会は,昭和51年9月,下水の終末処理場を設置すべき位 置について,市域で最も標高が低い場所である浅川と多摩川との合流地点周辺の地域(多摩川右岸と浅川左岸との間の地域)が,ポンプ場の設置が不要であり処理水の放流も容易であることや,周辺の民家 き位 置について,市域で最も標高が低い場所である浅川と多摩川との合流地点周辺の地域(多摩川右岸と浅川左岸との間の地域)が,ポンプ場の設置が不要であり処理水の放流も容易であることや,周辺の民家が少なく生活環境への影響の少ない施設計画を立てやすいことから,最も適切な位置と判断される旨の答申をした。これを受け,日野市は,同地域に下 水処理施設である浅川水再生センタ-を設置することを決定した。(甲102)浅川再生センターの設置予定地の周辺地域(以下「本件周辺地域」という。)の住民らは,日野クリーンセンターに加え,浅川水再生センターが設置されることにより,いわゆる嫌悪施設を2つも受け入れざるを得 ないことに対する不満を抱き,浅川水再生センターの設置に反対の意見を表明していた。そこで,当時の日野市長であったBは,周辺住民の理解を得るために,本件周辺地域の環境を良好にするための方策を検討し,その結果,①浅川水再生センターの施設に覆蓋をし,その上に盛り土をして緑化を図り公園とすること,②公園の面積は同センターの敷地面積 (約16.4ha)の約半分とすること,③民地との間に緑地帯と外周道路(都市計画道路)を設けることなどを,昭和53年11月頃までに決定した。(甲8,103,104)東京都知事は,昭和54年1月24日,日野市の都市計画公園に北川原公園を追加する旨の本件都市計画決定をした(前提事実⑶ア,甲7,1 01)。 その後,浅川水再生センターは,平成4年11月に供用が開始された。 また,本件区画整理事業については,平成16年に換地処分の公告がされ,同事業は完了し,本件住宅街が整備された。なお,本件住宅街に係る地域は,第一種低層住宅専用地域に指定されている。(甲14,76) イ国道20 については,平成16年に換地処分の公告がされ,同事業は完了し,本件住宅街が整備された。なお,本件住宅街に係る地域は,第一種低層住宅専用地域に指定されている。(甲14,76) イ国道20号バイパスについては,本件都市計画決定がされた当時には既に都市計画決定がされていたところ,北川原公園予定地を横切る途中から高架となるため,日野クリーンセンターに至る多摩川右岸沿いの堤防道路(市道C-2号線。多摩川ルート)とは交差する構造となっておらず,国道20号バイパスの供用が開始された後も,日野クリーンセンターへの廃 棄物運搬路としては,浅川左岸沿いの堤防道路(浅川ルート)が利用されていた。(前提事実⑵オ,キ)浅川ルートは,1車線の道路であるが,廃棄物運搬車両が2台通行することができる幅員を有している。浅川ルートが設置されている浅川左岸の堤防沿いには,高等学校や本件住宅街が存在する。(甲54〔写真2 7,28,別紙1〕)⑵ 本件都市計画事業に係る経緯についてア日野市は,昭和58年8月2日,本件都市計画事業の施行に係る認可の申請をし,同年9月26日,その認可を受けた。そして,日野市は,昭和63年及び平成5年に事業執行期間の延長を内容とする事業計画変更の認 可を受け,平成9年度までに北川原公園予定地の用地買収を行ってきたが,その後,本件都市計画事業は休止となった。(甲9~11,15)日野市は,国道20号バイパスの整備事業の進捗に合わせ,平成17年12月26日,本件施行区域(本件上流側土地)を対象として再び本件都市計画事業の施行に係る認可申請(本件事業認可申請)をし,本件事 業認可を受け,平成18年度内に本件施行区域に係る用地買収を完了し た。(前提事実⑶イ,ウ,甲15,乙39)なお,日野 業の施行に係る認可申請(本件事業認可申請)をし,本件事 業認可を受け,平成18年度内に本件施行区域に係る用地買収を完了し た。(前提事実⑶イ,ウ,甲15,乙39)なお,日野市が本件上流側土地のみを対象として本件事業認可を受けたのは,北川原公園予定地のうち国道20号バイパスより南側の土地については,浅川水再生センターに係る都市計画の対象区域でもあり,同センターの水処理施設が設置された後にその覆蓋部に公園が整備される予 定となっていたこと(前提事実⑵ウ)から,水処理施設の設置を待たなければ公園を整備することができないという事情によるものであった。 イ東京都の都市公園整備方針について東京都並びに特別区及び都内の市町村は,平成18年3月,「都市計画公園・緑地の整備方針」を策定し,平成23年12月,これを改定した 「都市計画公園・緑地の整備方針(改定)」(甲39。以下「改定整備方針」という。)を策定した。 改定整備方針は,丘陵地などに残る樹林地等が減少傾向にある東京において,公園・緑地の整備による緑とオープンスペースの拡大がますます重要になっている上,平成23年3月の東日本大震災を踏まえ,防災機 能の強化を急ぐためにも,計画的かつ効率的な公園・緑地の整備を推進しなければならないという視点に基づき,今後重点的に整備すべき都市計画公園・緑地を示すものである。改定整備方針の計画期間は平成32年度(令和2年度)までの10年間とされ,この間,都市計画公園・緑地の事業化に計画的・集中的に取り組み,その後はおおむね10年ごと に見直しを行うこととされている。 改定整備方針において,北川原公園予定地(約9.6ha)のうち64200㎡(6.42ha),すなわち,平成23年当時既に公園としての供用が開始され 年ごと に見直しを行うこととされている。 改定整備方針において,北川原公園予定地(約9.6ha)のうち64200㎡(6.42ha),すなわち,平成23年当時既に公園としての供用が開始されていた浅川既供用区域(同年当時は約3.1ha)を除く北川原公園予定地のほぼ全区域が,今後10年間で優先的に整備す る公園・緑地(優先整備区域)に選定されていた。 ⑶ 日野クリーンセンターの建替えと本件ルート変更についてア建替計画と本件要望書日野市は,日野クリーンセンター(旧クリーンセンター)の焼却施設が耐用年数を大きく過ぎていたことから,これを同一敷地内で建て替えることを検討し,平成15年3月,「日野市一般廃棄物処理施設計画報 告書」(乙11)を作成した。同報告書においては,日野市が単独で新たな廃棄物処理施設(新クリーンセンター)を建設することを前提として,その廃棄物運搬路につき,従前から用いられてきた浅川ルートを引き続き使用することとされていた。 日野市は,平成17年1月頃,上記の建替計画に係る住民説明会を実施 し,上記報告書の内容について説明したところ,同年3月23日,本件地元環境対策委員会から本件要望書の提出を受けた(前提事実⑶エ)。 本件要望書には,以下の記載がある(乙8)。 「『一般廃棄物処理施設建設計画(予定)1月26日付』に関して,基本的には建替えについて了承せざるを得ないと考えます。ただし,以下の 条件についてできるだけの配慮がなされることを切望いたします。 1)~4)(略)5) 一般廃棄物の搬入・搬出路については,多摩川側道路を使用し,入口も多摩川側の入口を使用されたい。20号バイパスの完成により,市内の廃棄物収集には多摩川側道路の 1)~4)(略)5) 一般廃棄物の搬入・搬出路については,多摩川側道路を使用し,入口も多摩川側の入口を使用されたい。20号バイパスの完成により,市内の廃棄物収集には多摩川側道路の活用が合理的である。長期的な 展望から見ると,いまや浅川堤防上の道路を使用するほうが不自然となる。堤防上道路はこれまでやむなく使用していたと考えるべきで,本来の姿に戻す時である。 6)~7)(略)8)処理場周辺の環境整備 ・浅川堤防上道路は車の乗り入れは禁止し,本来の姿である遊歩道・ 日野高校生の通学道路とすること」イ平成20年の公園基本計画日野市が平成20年3月に作成した「北川原公園基本計画(その2)報告書」(乙12。以下「平成20年公園計画書」という。)では,北川原公園予定地のうち本件上流側土地に道の駅を設けるとともに,本件 下流側土地及び本件将来整備区域(前提事実⑵ウ)に,芝生広場及びこれを囲む修景池・ドッグラン・ぼうけん広場・ちびっこ広場等のスペースを設け,その周辺に防火樹林帯(散策路)や園内駐車場を設けることとされていた。また,同報告書では,園内駐車場と国道20号バイパスや市道C-2号線(多摩川ルート)をつなぐ園内道路を本件下流側土地 に設けるとともに,本件上流側土地には,道の駅と国道20号バイパスをつなぐ道路(本件下流側土地の園内道路と高架下で接続している。)を設け,さらに,これと並行する「ごみ運搬車両専用車線」(幅員7m)を設けることとされていた。 これは,日野市が,本件要望書の提出を受け,新クリーンセンターの運 営について地域住民からの理解と協力を得るため,浅川ルートに代えて多摩川ルートを採用することとしたものであり(本件ルート変更),これに伴い,国道 件要望書の提出を受け,新クリーンセンターの運 営について地域住民からの理解と協力を得るため,浅川ルートに代えて多摩川ルートを採用することとしたものであり(本件ルート変更),これに伴い,国道20号バイパスと多摩川ルートを連絡する廃棄物運搬路を本件上流土地側に設けることとしたものである。 ⑷ 兼用工作物案の採用 日野市の職員は,平成24年8月14日,東京都都市整備局都市づくり政策部緑地景観課(以下「緑地課」という。)に,北川原公園内に市道を新設することの可否について意見を求めた。これに対し,緑地課は,公園内に市道を整備する方法として,①都市公園法5条の2第1項所定の公園と道路の効用を兼ねる施設(兼用工作物)として整備する方法(以下「兼用 工作物案」という。),②新設市道部分を都市計画公園区域から除外する 方法(以下「公園区域除外案」という。)が考えられるところ,公園区域除外案による場合には,代替の公園用地を隣地に確保する必要があり,また,下水処理場(浅川水再生センター)と公園(北川原公園)が二重に都市計画決定されているため整理が必要である旨の回答をした(乙14。以下「本件都回答1」という。)。 日野市は,本件都回答1を踏まえて検討した結果,兼用工作物案を採用することとした。 ⑸ 本件覚書による3市の合意と新たな公園基本計画ア本件覚書による合意の成立日野市は,平成26年1月16日,国分寺市及び小金井市との間で, 本件覚書による合意をした。この合意により,新クリーンセンターの設置に必要な費用は3市が均等に負担することとなる一方,3市の区域内で発生する可燃ごみの処理を新クリーンセンターにおいて行うこととなり,かかる広域処理は新クリーンセンターの稼働期間(おおむね30年)にわ 必要な費用は3市が均等に負担することとなる一方,3市の区域内で発生する可燃ごみの処理を新クリーンセンターにおいて行うこととなり,かかる広域処理は新クリーンセンターの稼働期間(おおむね30年)にわたって継続することとなった。(前提事実⑶オ) イ平成26年の公園基本計画エイト社が日野市から委託を受けて平成26年2月に作成した「北川原公園基本計画(その3)策定業務報告書」(乙15。以下「平成26年公園計画書」という。)では,公園の兼用工作物として,北川原公園内に「クリーンセンター搬入路」を設置するものとされた。 すなわち,平成26年公園計画書に添付された図面(別紙図面B-2)では,平成20年公園計画書(上記⑶イ)に記載されていた本件上流側土地の道の駅(及びこれに接続した道路)並びに本件下流側土地の園内駐車場(及びこれに接続した園内道路)は姿を消す一方,本件上流側土地及び本件下流側土地の双方に「クリーンセンター搬入路」が設けられることと され,その形状は,多摩川ルートとの接続を本件下流側土地において行う 点を除き,本件通行路とほぼ同様である。 このように,平成26年公園計画書において本件上流側土地及び本件下流側土地の双方に「クリーンセンター搬入路」を設けることとしたことにより,日野市の市域から廃棄物を運搬する車両(国道20号バイパスを八王子市方面〔西側〕から走行してくる。)だけでなく,本件覚書による3 市の合意に基づき,国分寺市及び小金井市の各市域から廃棄物を運搬する車両(国道20号バイパスを国立市方面〔東側〕から多摩川を渡って走行してくる〔別紙図面A―2参照〕。)についても,多摩川ルートへの接続が容易になった。 ⑹ 兼用工作物案の断念 日野市は,平成27年1月,エイト を国立市方面〔東側〕から多摩川を渡って走行してくる〔別紙図面A―2参照〕。)についても,多摩川ルートへの接続が容易になった。 ⑹ 兼用工作物案の断念 日野市は,平成27年1月,エイト社に対し,上記⑸イの「クリーンセンター搬入路」の詳細設計に係る業務を委託し,同年3月,同社から設計図の提出を受けた(乙16)。 日野市の職員は,平成27年3月12日,上記設計図を持参し,東京都都市整備局(緑地課)及び同建設局公園建設課の見解を求めたところ,「市が 作成した議事録・協議経過資料によると,平成24年度に都から兼用工作物として整備することができるという見解があったということだが,諸々の条件が整っていない中での一般論でしかない。」「現在の公園内の道路の設計等を見た場合,兼用工作物の位置付けでの整備は一般的に考えて無理がある。」「もっぱら公園利用者のための園路とはいい難く,公園施設とするこ とについてもたいへん疑問が残る。」などの回答を受けた(乙17。以下「本件都回答2」という。)。 日野市は,本件都回答2を受け,公園内廃棄物運搬路の設置について兼用工作物案を断念し,これに代わる案を検討することとした。もっとも,公園区域除外案(上記⑷)については,北川原公園予定地の周辺に代替の 公園用地を確保することが困難であることから,本件都回答1の内容に照 らして実現困難であると判断し,それ以外の案を検討することとなった。 ⑺ 専用路案の採用ア日野市は,平成27年10月4日,住民説明会(第1回)を開催し,本件施行区域における公園の整備及び公園内廃棄物運搬路の設置について説明したところ,公園内に廃棄物運搬路を設置することについての反対 意見や,廃棄物運搬路の設置による交通量の増加を懸念する意見が出さ 施行区域における公園の整備及び公園内廃棄物運搬路の設置について説明したところ,公園内に廃棄物運搬路を設置することについての反対 意見や,廃棄物運搬路の設置による交通量の増加を懸念する意見が出された(甲3,26の1・2)。 イ日野市は,平成27年12月,公園内廃棄物運搬路に係る第3の案として,一般交通の用に供しない廃棄物運搬車両の専用道路(本件通行路)として整備するとともに,その利用を30年間の暫定的なものとし, その暫定的な利用の終了後に北川原公園として整備するとの方針を決定した(以下「専用路案」という)。また,専用路案に基づき本件通行路を設置するとともに,本件通行路の区域を除外した上で,本件上流側土地(本件施行区域)につき北川原公園としての供用を開始することとした。(前提事実⑶カ,乙41,42) 日野市による専用路案の採用は,上記アの住民説明会における交通量の増加を懸念する意見を踏まえたものであるとともに,一般交通の用に供しない廃棄物運搬車両の専用道路として暫定的に利用するのであれば,兼用工作物に当たらなくても,また,都市計画公園区域から除外しなくても,北川原公園予定地に廃棄物運搬路を設置することが可能であると の解釈に基づくものであった。 日野市が上記のように本件通行路の利用期間を30年間としたのは,新クリーンセンターの焼却炉の稼働期間に合わせたものである(前提事実⑶カ)。なお,日野市(環境共生部緑と清流課)が平成27年12月10日に作成した文書(乙41)では,上記の理由(焼却炉の稼働期 間)と併せて「流域下水道水再生センター側の整備が長期間を要するた め」とも記載されているところ,この当時において本件下流側土地及び本件将来整備区域における浅川水再生センターの水処理施設の具体的 て「流域下水道水再生センター側の整備が長期間を要するた め」とも記載されているところ,この当時において本件下流側土地及び本件将来整備区域における浅川水再生センターの水処理施設の具体的な設置の時期は決まっていなかった一方,同施設の設置までに30年以上を要する可能性が高いといえる事情も特に存在しなかった。 ウ日野市は,平成28年2月7日,住民説明会(第2回)を開催し,第1 回の住民説明会において交通量の増加を懸念する意見があったことを踏まえ,設置する廃棄物運搬路を「クリーンセンター専用路」(本件通行路)として一般車両は通行させないこととした旨の説明をしたが,なおその設置に反対する旨の意見は多かった(甲27の1~4)。 日野市は,第2回の住民説明会において反対意見はあったものの,本件 通行路の設置につき一定の理解が得られたと評価し,平成28年5月15日及び同年6月25日,北川原公園の整備に向けた市民参加による検討会を開催し,それぞれ約15名(4つの自治会から各3名ずつ及び傍聴者)の住民が参加して,公園部分の各施設の配置等について2グループに分かれて検討した(甲28の1~4)。日野市は,これらの検討会で出された 意見や提案を整備案として取りまとめ,同年8月21日の住民説明会(第3回)において,その内容を説明した(甲29の1~3)。しかし,この時点では既に住民ら197名による住民監査請求がされており(前提事実⑸ウ),第3回の住民説明会でも本件通行路の設置自体に反対する意見が出された。 ⑻ 本件下流側土地に係る本件下水道用地使用許可ア上記⑺の専用路案に基づく本件通行路は本件下流側土地にも設置されることとなっていたところ,本件下流側土地は浅川水再生センターの敷地として東京都が所有し東京都下水道 に係る本件下水道用地使用許可ア上記⑺の専用路案に基づく本件通行路は本件下流側土地にも設置されることとなっていたところ,本件下流側土地は浅川水再生センターの敷地として東京都が所有し東京都下水道局長が管理する土地である(前提事実⑵ には,同局長の許可を受ける必要があった。 そこで,日野市長は,平成28年9月9日,東京都下水道局長に対し,本件下流側土地について,下水道用地使用許可の申請をした。その申請書に記載された使用の目的は「広場」,申請の理由は「浅川水再生センター水処理施設予定地について,日野市が将来公園予定地として暫定整備し,市民の利用を図るため」であった。(乙32) 日野市長が平成29年1月6日に東京都下水道局長に提出した「広場利用概要」と題する文書(乙34)には,北川原広場の整備目的について,「⑴ 平成28年度から当市(日野市)が整備に着手する国道20号バイパス北側の北川原公園に併せ,バイパス南側の当該下水道用地(本件下流側土地)に広場を同時に整備することで,国道20号バイパスで分 離されている周辺地域・自治会が往来可能で利活用しやすい公園・広場の整備を図る。⑵ 広場の管理用通路(本件南側通行路)を有効利用し,浅川清流環境組合が施工する新可燃ごみ処理施設(新クリーンセンター)建設工事の車両及び当該施設完成後の当該施設への可燃ごみ搬出入車両を通行させ,地域住民要望や地域環境に配慮する。⑶ 以上より, 日野市だけでなく,ごみの共同処理を行う国分寺市及び小金井市にとっても重要な公共事業である。」との記載がある。 また,上記文書には,「広場整備内容・利活用方法」として,「⑴ ポケット広場」(主に近隣住民の憩いの場であり,ベンチや水飲み場など休憩施設を整備する。),「⑵ 通路(歩道)」(本 との記載がある。 また,上記文書には,「広場整備内容・利活用方法」として,「⑴ ポケット広場」(主に近隣住民の憩いの場であり,ベンチや水飲み場など休憩施設を整備する。),「⑵ 通路(歩道)」(本件上流側土地へ安 全に往来するためのもの。),「⑶ 管理用道路」(広場内の草刈り,剪定及び清掃等維持管理のための作業を行う際の車両を通行させるために設ける舗装道路),「⑷ 芝生・植栽広場」(幼児向け芝生広場,ドッグラン等,地域ニーズを踏まえた広場利用を検討中。)との記載がある。本件南側通行路は,上記の「管理用道路」として設置されるものと された。 イ東京都下水道局長は,平成29年2月16日,日野市長に対し,本件下流側土地につき,使用期間を同月20日から平成33年(令和3年)3月31日までとし,同土地を広場として使用することなどを条件として,使用許可(本件下水道用地使用許可)を。 なお,本件下水道用地使用許可に係る許可書には,使用者が遵守すべき 事項の1つとして「管理用道路を通行する車両は,広場の維持管理を行う車両,浅川清流環境組合が施工する新可燃ごみ処理施設建設工事の車両及び当該施設完成後の当該施設への可燃ごみ搬出入車両のみとする。」と記載されていた(乙29)。 ⑼ 本件高架下土地に係る本件道路占用許可 上記⑺の専用路案に基づく本件通行路は本件高架下土地(国道20号バイパスの高架下の土地)にも設置されることとなっていたところ,本件高架下本件高架下土地に本件通行路(本件高架下通行路)を設置するには,同局長による道路占用許可を受ける必要があった。 そこで,日野市長は,平成29年2月22日,関東地方整備局長から,本件高架下土地に係る道路占用許可(本件道路占用許可)を受けたが,同許可に 同局長による道路占用許可を受ける必要があった。 そこで,日野市長は,平成29年2月22日,関東地方整備局長から,本件高架下土地に係る道路占用許可(本件道路占用許可)を受けたが,同許可において,占用目的は「クリーンセンター建替え工事車両の搬入路」とされ,占用期間は同日から平成32年(令和2年)3月31日までとされた(前提事実⑵ク)。 ⑽ 本件各契約の締結と支出,工事の完成ア日野市は,平成28年7月8日,エイト社との間で本件設計委託契約を締結し,エイト社は,同年11月30日,同契約に係る業務(本件通行路の整備工事に係る実施設計)を完了した(前提事実⑷ア)。 日野市は,平成29年2月9日から同年3月3日までの間に,エイト社, トウト社ほか2社との間で,本件工事請負契約(北側通行路等工事請負 契約,橋梁工事請負契約,広場等工事請負契約)及び本件工事監理委託契約を締結し,上記各社は,本件通行路及び本件橋梁等に係る工事を完成させた(前提事実⑷イ~オ)。 イ本件整備区域のうち公園供用開始区域(本件上流側土地から本件北側通行路を除外した区域)には,スポーツ広場,芝生広場,多目的広場,遊具 広場,健康遊具広場及び駐車場等が整備されている(別紙図面B―1)。 他方,本件下流側土地には,本件南側通行路のほか,ポケット広場及び同広場と本件上流側土地をつなぐ歩道が整備されているが,これら以外の部分は未整備となっており(前提事実⑷ク),日野市長が上記⑻アのとおり東京都下水道局長に提出した「広場利用概要」に記載されていた 「芝生・植栽広場」は整備されていない。 ⑾ 兼用工作物案の再採用(本件各契約締結後の事情)ア国土交通省の職員が参議院議員から本件通行路について質問を受けたことを契機として,状況 いた 「芝生・植栽広場」は整備されていない。 ⑾ 兼用工作物案の再採用(本件各契約締結後の事情)ア国土交通省の職員が参議院議員から本件通行路について質問を受けたことを契機として,状況確認のため,平成30年3月20日,国土交通省(都市局都市計画課,公園緑地・景観課),東京都(緑地課)及び日野市 の各担当者による打合せが行われた(乙50)。 日野市の担当者による経過説明を受け,国土交通省の職員からは,「(代替の公園用地の確保が困難であったとの説明に関し)同等面積の確保の件は国では指導していない。」「今までの話を聞いて法律上違法なのかを問われれば違法ではない。しかし,適切な処理かと問われればそうと はいえない。・・シンプルに都市計画変更でよかったのではないか。」,「国として暫定利用として承認できるのは,どんなに長くても20年まで。 30年の暫定使用は不可。国の補助金も返還すべき。」「今回の土地は全て市の財産となっており,長期未着手に対応できないわけではない。今の都市計画の考え方として30年間道路として使うなら30年間道路として 都市計画変更するべきだ。」などの指摘があった。 そのほか,国土交通省の職員が,本件覚書に基づき3市の可燃ごみの広域処理を行う廃棄物処理施設につき,「30年後に別の場所(国分寺市又は小金井市)に移転することは確実なのか。」と質問したところ,日野市の担当者は,「確実になるように3市で協議を行っている。」と回答した。また,日野市の担当者が,本件通行路が北川原公園の兼用工 作物として認められる可能性を尋ねたところ,国土交通省の職員は,「公園駐車場として利用できれば可能性はある。」と一般論として述べる一方,本件通行路に係る兼用工作物の該当可能性については明言を避けた。 物として認められる可能性を尋ねたところ,国土交通省の職員は,「公園駐車場として利用できれば可能性はある。」と一般論として述べる一方,本件通行路に係る兼用工作物の該当可能性については明言を避けた。 イ平成30年4月24日,国土交通省(都市局都市計画課,公園緑地・景 観課,関東地方整備局),東京都(緑地課),日野市の各担当者による打合せが行われた(乙52)。 この打合せにおいて,国土交通省の職員からは,「クリーンセンター専用路としてゴミ収集車のみが利用する場合は,都市公園法上の兼用工作物とは認められない。・・・都市公園内の兼用工作物は公共性の高さではな く,都市公園としての効用を兼ねるかどうかで判断される。・・以上を踏まえ,最終的な判断は管理者である日野市で責任を持って行っていただければよい。」「兼用工作物の場合,公園利用が可能な時間が長い方が望ましい。」「クリーンセンター専用路として,都市計画公園内の土地を30年間暫定供用することについては,都市計画決定権者の日野市の判断であ り,都市計画法上違法とはいえない。・・都市計画マスタープランが概ね20年後を目標として定めるものとしていることを踏まえると,それを超える期間(30年間),公園ではない使い方をすることについて,都市計画上適切かと問われれば,適切とはいい難い。」「都市計画変更に伴って都市計画公園の面積が減ることについては,法令上は問題ない。」との指 摘があった。 ウ以上の指摘を受け,日野市は,兼用工作物案の採否について改めて検討した。そして,①日野市消防団から,平成30年12月28日付け書面(乙54の1)により,ポンプ操法訓練のために本件通行路を使用したい旨の要望を受けたこと,②日野スケートボード協会から,平成31年3月12日 して,①日野市消防団から,平成30年12月28日付け書面(乙54の1)により,ポンプ操法訓練のために本件通行路を使用したい旨の要望を受けたこと,②日野スケートボード協会から,平成31年3月12日付け書面(乙54の2)により,スケートボードの練習のた めに本件通行路をスケートパークとして開放されたい旨の要望を受けたこと,③平成30年8月11日から平成31年3月10日までの間に3回にわたり実施した周辺の自治会に対する説明でも賛同を得たこと(乙56の1~4)を理由として,平成31年3月20日,本件北側通行路を北川原公園の兼用工作物とする旨の方針を決定した(本件兼用等方針 決定〔前提事実⑹〕)。 そして,本件北側通行路の一般利用については,令和元年8月23日付けの計画書(乙60)において,廃棄物運搬車両が通行しない日時(毎週月曜日から金曜日までの午後5時30分から午後8時まで,土曜日及び日曜日の午前8時から午後8時まで)とし,個人の利用について は事前手続が不要で自由に利用できるものとした(乙60)。そして,日野市は,令和元年12月18日,本件施行区域のうち本件北側通行路について,同日から北川原公園として供用を開始する旨の公告をした(本件供用開始公告,前提事実⑹)。 なお,公園としての供用が開始されて以降も,本件北側通行路の両側 にフェンスが設置され,本件施行区域の他の区域との往来が遮断されていることは,従前と異ならない。利用者は,フェンスに設けられた開口部(利用時間以外は施錠されている。)によって本件北側通行路に出入りすることとなる(乙61~64)。 エまた,本件兼用等方針決定においては,別紙図面Cの②及び③の区域 (本件北側通行路の一部,本件高架下通行路)について市道として認定 する りすることとなる(乙61~64)。 エまた,本件兼用等方針決定においては,別紙図面Cの②及び③の区域 (本件北側通行路の一部,本件高架下通行路)について市道として認定 することとされた(前提事実⑹)。 日野市長は,令和元年12月17日,道路法8条に基づき,上記各区域を市道C169号線として路線認定し(本件市道認定),上記市道は同月18日から供用が開始された。本件市道認定の理由は,本件高架下土地に整備した本件資機材置場に至る道路を公共の用に供するものとさ れている。(前提事実⑹,乙65の1・2,66)もっとも,多摩川ルート(市道C-2号線)から上記市道に一般車両が進入できないように車止めを設置するなどの対策を講じることとされたため,市道認定された後も,廃棄物運搬車両及び資機材運搬車両のほかは通行することができない状況である(乙56の3)。 2 本件通行路の設置が都市計画法上違法であるかについての検討⑴ 都市計画と異なる都市施設をその計画区域に設置することが都市計画法上違法と評価されるかア都市計画法は,都市計画について,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと等の基本理念の下で(2条),都市施設の 整備に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを一体的かつ総合的に定めなければならないとし(13条1項柱書き),都市施設について,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定めることとして いる(同項11号)ところ,このような基準に従って都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考 都市環境を保持するように定めることとして いる(同項11号)ところ,このような基準に従って都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠である。そうすると,このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量にゆだねられているというべきである(最高裁平成1 6年(行ヒ)第114号同18年11月2日第一小法廷判決・民集60 巻9号3249頁参照)。 また,都市計画法21条1項は,都道府県又は市町村は,都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく,当該都市計画を変更しなければならないと定めるところ,都市計画を変更する必要性の有無や,変更する場合の変更内容を判断するに当たっても,上記のような諸般の事情 の総合的な考慮に基づき,政策的,技術的な見地から検討すべきものである。したがって,都市計画の変更に係る判断についても,都市計画の決定に係る判断と同様に,その権限を有する行政庁の広範な裁量にゆだねられているものと解される。 イ他方,都市計画法は,都市計画の決定又は変更の手続について,次のよ うな定めを置いている。 都市計画法17条1項及び2項は,市町村は,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供 しなければならないものとし,関係市町村の住民及び利害関係人は,縦覧期間満了の日までに,縦覧に供された都市計画の案について,市町村に意見書を提出することができるものとしている。また,同法19条1項は,市町村は,市町村都市計画審 係市町村の住民及び利害関係人は,縦覧期間満了の日までに,縦覧に供された都市計画の案について,市町村に意見書を提出することができるものとしている。また,同法19条1項は,市町村は,市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは,当該市町村の存する都道府県の都道府 県都市計画審議会。以下,これらを併せて「都市計画審議会」という。)の議を経て,都市計画を決定するものとし,同法20条1項は,市町村は,都市計画を決定したときは,その旨を告示するものとしている。 そして,都市計画の決定に関するこれらの手続規定は,政令で定める 軽易な変更に当たる場合を除き,都市計画の変更に準用される(都市計 画法21条2項)。 また,都市計画法16条1項は,市町村は,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとしており,その趣旨は,都市計画の案が作成される段階において住民の意見を反映させ る機会を確保することにある。かかる趣旨に照らせば,都市計画を変更する場合についても,同項に定めるところと同様に,変更の案を作成するに際して必要があると認めるときは,住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずることが要請されているものと解される。 ウ以上のとおり,都市計画法は,都市計画の決定に係る判断や,都市計画 を変更する必要性の有無及び変更する場合の変更内容に係る判断について,都市計画決定権限を有する行政庁の広範な裁量にゆだねている一方,都市計画の決定又は変更に係る手続については,住民や利害関係人の意見を提出する機会を確保し,都市計画審議会の議を経るものとするなどの手続規定を置くことによって,都市計画の な裁量にゆだねている一方,都市計画の決定又は変更に係る手続については,住民や利害関係人の意見を提出する機会を確保し,都市計画審議会の議を経るものとするなどの手続規定を置くことによって,都市計画の決定又は変更に係る行政庁 の判断が,住民等の意見を尊重したものとなり,かつ,政策的,技術的な見地からも適正なものとなるような仕組みを設けているものと解される。 このような都市計画法の仕組みに鑑みると,都市計画と異なる都市施設の設置が,客観的にみて当該都市計画の実質的な変更と評価されるもの である場合に,都市計画の変更の手続を経ずにこれを行うことは,同法が定める上記の手続規定を潜脱するものというほかなく,上記アのとおり都市計画の変更の必要性の有無の判断が都市計画決定権限を有する行政庁の広範な裁量にゆだねられていることを前提としても,かかる場合において都市計画を変更する必要性がないとする行政庁の判断は,重要 な事実の基礎を欠き,あるいは,社会通念に照らし著しく妥当性を欠く ものとして,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるものといわざるを得ない。 したがって,いったん決定された都市計画につき,これを変更しないまま,当該都市計画と異なる都市施設をその計画区域に設置することは,その設置が当該都市計画の実質的な変更と評価されるものである場合に は,都市計画法上違法の評価を免れないものというべきである。 ⑵ 本件通行路の設置が,本件都市計画の実質的な変更と評価されるものであるかア本件通行路は,アスファルトで舗装された2車線(片側1車線,幅員7m)の道路である(前提事実⑷ク)。 本件通行路が設置されることとなった経緯は,①日野クリーンセンターの建替えに際し,従来の廃棄物運搬路であっ ファルトで舗装された2車線(片側1車線,幅員7m)の道路である(前提事実⑷ク)。 本件通行路が設置されることとなった経緯は,①日野クリーンセンターの建替えに際し,従来の廃棄物運搬路であった浅川ルートの周辺住民の要望により,廃棄物運搬路を浅川ルートから多摩川ルートに変更することとした(本件ルート変更)ため,国道20号バイパスと多摩川ルートを連絡する道路が必要となった(認定事実⑶),②3市(日野市,国 分寺市及び小金井市)の間で可燃ごみの広域処理に関する合意が成立したことにより,3市の各市域内で発生する可燃ごみの処理を日野クリーンセンター(新クリーンセンター)で行うこととなり,これに伴い,本件上流側土地及び本件下流側土地の双方に廃棄物運搬路を設ける必要が生じるとともに,交通量の増加を抑えるため,一般交通の用に供しない 廃棄物運搬車両の専用道路として設置することとした(認定事実⑸,⑺)というものである。このような経緯により,本件通行路は,もっぱら,3市の各市域から国道20号バイパス及び多摩川ルートを通って日野クリーンセンターに廃棄物を運搬する車両の通行に供されるものとされ,その両側にフェンスが設けられて一般車両や歩行者が進入できない 道路として設置されたものである。 そして,本件通行路には,3市の各市域で収集した廃棄物(可燃ごみ)を運搬する車両が走行するため,毎週月曜日から金曜日までの午前8時半から午後4時半まで(ただし,午前11時半から午後1時までを除く。以下同じ)の時間帯において,1時間当たり36台(1分間当たり0.6台)の頻度での走行が想定されている(前提事実⑷ク)。 イ都市公園は,本来,屋外における休息,運動等のレクリエーション活動を行う場所であり,良好な都市景観の形成, 36台(1分間当たり0.6台)の頻度での走行が想定されている(前提事実⑷ク)。 イ都市公園は,本来,屋外における休息,運動等のレクリエーション活動を行う場所であり,良好な都市景観の形成,ヒートアイランド現象の緩和等の都市環境の改善,生物多様性の確保,災害時における避難地等の機能を併せ有するものとされている(国土交通省の定める都市公園法運用指針〔甲37〕参照)。 このような都市公園の性質や機能に鑑みると,上記アのとおり3市の各市域からの廃棄物を運搬する車両が通行する専用道路であって,一般車両や歩行者が進入することができず,平日の午前8時半から午後4時半までに1分間当たり0.6台の頻度で廃棄物運搬車両が走行するという本件通行路の設置は,都市公園としての効用を有するものとはおよそ 認め難い。 ウ本件通行路が暫定的な利用に供するものといえるか被告は,本件通行路は30年間の暫定的な利用に供されるものであって,暫定的な利用の終了後は公園として整備されることが予定されているから,本件通行路の設置は本件都市計画の実質的な変更と評価さ れるものではない旨主張する。 しかし,国土交通省が定めた都市計画運用指針において,都市施設の計画の目標年次につき,おおむね20年後を目標として長期的な整備水準を検討し都市施設の都市計画を定めることが望ましいとされていること(甲35)や,東京都が平成23年12月に定めた改定整備指針に おいて,北川原公園予定地(浅川既供用区域を除く。)が今後10年間 で優先的に整備すべき公園として選定されていること(認定事実⑵イ)に照らせば,30年間という本件通行路の利用期間は,本件都市計画の実質的な変更に当たらない暫定的な利用と評価するには,長きに過ぎるといわざるを得 備すべき公園として選定されていること(認定事実⑵イ)に照らせば,30年間という本件通行路の利用期間は,本件都市計画の実質的な変更に当たらない暫定的な利用と評価するには,長きに過ぎるといわざるを得ない。 なお,北川原公園は,浅川水再生センターの水処理施設の設置後に, その覆蓋部を利用して整備することが予定されているものであるところ,本件各契約の締結当時,本件下流側土地及び本件将来整備区域における水処理施設の具体的な設置の時期は決まっていなかった反面,同施設の設置までに30年以上を要する可能性が高いといえる事情も特に存在しなかったのである(前提事実⑵ウ,認定事実⑺イ)から,水処理施設の 設置時期との関係を考慮しても,上記各区域における公園の整備を30年経過後に行うとすることに合理的理由があるとはいえない。また,本件上流側土地については,浅川水再生センターの施設の設置は予定されておらず,既に,日野市において,本件北側通行路の部分を含む全域を本件施行区域として本件事業認可を受け,平成18年頃までに本件施行 区域の用地買収を完了し,日野市の所有地としていたのであり(前提事本件各契約の締結当時において直ちにその全域について公園としての整備を行い得る状況にあったのであるから,本件施行区域のうち本件北側通行路の部分についてのみ公園の整備を遅らせる合理的理由がなかったことは明らかである。 また,そもそも,本件通行路の利用が30年間に限定されているのかという点についても,次に述べるとおり,重大な疑義がある。 すなわち,日野市が本件通行路の利用期間を30年間としたのは,新クリーンセンターの焼却炉の稼働期間(耐用年数)に合わせたものである(認定事実⑺イ)が,焼却炉等の廃棄物処理施設が耐用年数を超え て稼働する 野市が本件通行路の利用期間を30年間としたのは,新クリーンセンターの焼却炉の稼働期間(耐用年数)に合わせたものである(認定事実⑺イ)が,焼却炉等の廃棄物処理施設が耐用年数を超え て稼働する例は実際に見られるところであり,現に,旧クリーンセンタ ーは,平成15年の時点で耐用年数を大きく経過していながら,その後も新クリーンセンターが稼働するまで15年以上稼働し続けたものである(前提事実⑺,認定事実⑶ア)。本件覚書の文言を見ても,新クリーンセンターの稼働期間につき「稼働後おおむね30年とする。」とされており,30年を超えて稼働する場合があることを想定したような規定 振りとなっている(前提事実⑶オ)。 また,新クリーンセンターが稼働を終了した後の取扱いについても,本件覚書では,「稼働後,適切な時期より,構成団体(3市)間で共同処理について再度協議し,引き続き構成団体で施設整備及び運営する場合には,次期,新施設の設置場所は日野市の区域外を基本とする。」と 定められており(前提事実⑶オ),これに照らせば,本件覚書に係る合意が成立した時点では,新クリーンセンターの稼働の終了後に引き続き3市での共同処理が行われるか否か,また,共同処理が継続することとなった場合に次期新施設が国分寺市又は小金井市のいずれに設置されるのかは,いずれも未定であったものである。一般に,廃棄物処理施設の 設置については,これを受け入れる周辺住民の理解を得て計画を策定し,その用地を確保して施設を完成させるまでに,相応の期間を要し,計画の頓挫を招き得る様々な困難を伴うものであることからすれば,国分寺市又は小金井市が次期新施設の設置に向けて努力を重ねたとしても,新クリーンセンターの稼働が終了するまでの間に次期新施設の設置が実現 できな 得る様々な困難を伴うものであることからすれば,国分寺市又は小金井市が次期新施設の設置に向けて努力を重ねたとしても,新クリーンセンターの稼働が終了するまでの間に次期新施設の設置が実現 できない事態も想定し得るところであり,そのような事態が見込まれる場合には,日野クリーンセンターを再度建て替えること(同センターの敷地内に次期新施設を建設すること)も1つの選択肢となり得ることとなる。 そして,日野市は,本件覚書による3市の合意から4年以上経過した 平成30年3月20日の時点においても,国土交通省の職員からの「3 0年後に別の場所(国分寺市又は小金井市)に移転することは確実なのか。」との質問に対し,「確実になるように3市で協議を行っている。」との回答をするのみで,いずれの市で受け入れる予定かについても回答できていない(認定事実⑾)。このことに照らせば,本件各契約が締結された平成29年2月又は3月当時においても,次期新施設の設 置に関して3市間の協議は成立しておらず,新クリーンセンターの稼働が終了した後の取扱いは未定であったと認められる。 このように,新クリーンセンターが耐用年数である30年間を超えて稼働する可能性を否定することができない上,新クリーンセンターの稼働が終了した後についても,日野市が国分寺市及び小金井市との間で行 う今後の協議の結果によっては,3市での共同処理が継続されなくなる可能性や,日野クリーンセンターの敷地内に次期新施設が設置されることとなる可能性も残されているものといわざるを得ず,これらの可能性を考慮すると,本件各契約の締結当時において,本件通行路は,30年間を過ぎても廃棄物運搬路として利用されることが相当程度の確率で見 込まれていたというべきである。 以上によれば,本 可能性を考慮すると,本件各契約の締結当時において,本件通行路は,30年間を過ぎても廃棄物運搬路として利用されることが相当程度の確率で見 込まれていたというべきである。 以上によれば,本件通行路の利用期間については,被告が主張する30年間という期間自体が長いものである上,本件覚書の文言等に照らし,30年間を過ぎても廃棄物運搬路として利用されることが相当程度の確率で見込まれていたというべきであるから,本件通行路が暫定的な 利用に供されるものであるということはできず,この点に関する被告の主張は採用することができない。 ⑶ 小括以上のとおり,本件通行路は3市の各市域からの廃棄物を運搬する車両のための専用道路であり,その設置が都市公園の効用を有するものとはお よそ認め難い(上記⑵ア,イ)ところ,本件通行路が暫定的な利用に供さ れるものであるとはいえず(同ウ),本件通行路の設置は本件都市計画の実質的な変更と評価すべきものであるから,本件都市計画を変更しないまま,本件都市計画と異なる都市施設である本件通行路をその計画区域に設置することは,都市計画法上違法というべきである。 ⑷ 被告のその余の主張について ア被告は,新クリーンセンターの設置に当たり,新たな廃棄物運搬路の確保が必要不可欠であったことから,本件通行路の設置は公共目的のためにやむを得ない旨主張する。 しかし,上記⑴において説示したとおり,都市計画を変更しないまま当該都市計画と異なる都市施設をその計画区域に設置することが都市計 画法上違法と評価されるか否かは,その都市施設を設置する目的が公共性を有するか否かによってではなく,その設置が当該都市計画の実質的な変更と評価されるものであるか否かによって決せられるものというべきである 違法と評価されるか否かは,その都市施設を設置する目的が公共性を有するか否かによってではなく,その設置が当該都市計画の実質的な変更と評価されるものであるか否かによって決せられるものというべきである。日野市において,新クリーンセンターへの新たな廃棄物運搬路を確保するために北川原公園予定地内に本件通行路を設置することが 公共目的に適うものであると判断したのであれば,都市計画の変更に係る法的手続を執るべきことは当然であり,目的に公共性があるからといって,かかる手続を経ないまま本件通行路を設置することが許されるものではない。 イ被告は,本件兼用等方針決定により本件北側通行路は北川原公園の兼用 工作物とされ,公園としての供用が開始された旨を主張する。 しかし,本件兼用等方針決定は,本件各契約の締結後(本件通行路の設置後)である平成31年3月20日にされたものであり(認定事実⑾ウ),この決定がされたことによって,本件都市計画を変更しないまま本件通行路を設置したことによる都市計画法違反の違法性が,事後的に 治癒されるものではない。 また,以下に述べるように,本件北側通行路が北川原公園の兼用工作物に該当すると解することもできない。 すなわち,都市公園法5条の2は,都市公園と河川,道路,下水道その他の施設又は工作物とが相互に効用を兼ねる場合に,これらの施設又は工作物(兼用工作物)の管理方法につき公園管理者と当該施設又は工 作物の管理者の協議によって定めることができる旨を規定するところ,上記にいう「相互に効用を兼ねる場合」とは,当該施設又は工作物が,その本来の効用を果たすと同時に,都市公園としての効用をも果たしている場合をいうものと解される。 しかるに,本件通行路が3市の各市域からの廃棄 に効用を兼ねる場合」とは,当該施設又は工作物が,その本来の効用を果たすと同時に,都市公園としての効用をも果たしている場合をいうものと解される。 しかるに,本件通行路が3市の各市域からの廃棄物を運搬する車両の ための専用道路であって,その設置が都市公園としての効用を有するものとはおよそ認め難いことは,上記2⑵ア及びイに説示したとおりである。 被告は,本件兼用等方針決定により本件北側通行路の公園としての供用が開始されたとするが,その開始以降の運用を見ても,本件北側通行 路において毎週月曜日から金曜日までの午前8時半から午後4時半まで1分間当たり0.6台の頻度で廃棄物運搬車両が走行すること,本件北側通行路の両側にフェンスが設置され,他の区域との往来が遮断されていることは従前と変わらず,廃棄物運搬車両が通行しない日時(毎週月曜日から金曜日までの午後5時30分から午後8時まで,土曜日及び日 曜日の午前8時から午後8時まで)に限り,フェンスに設けられた開口部から出入りして本件北側通行路を利用できるというものにすぎない(認定事実⑾ウ)。そうすると,実態としては,廃棄物運搬車両の専用道路を,同車両の走行しない平日夜間と週末に限って一般利用ができるように開放しているという以上のものではなく,これをもって本件北側 通行路が都市公園としての効用を獲得したものとは認め難い。 したがって,本件北側通行路が都市公園としての効用をも果たしているものとして都市公園法上の兼用工作物に該当するとは,認めることができない。 ウしたがって,被告の上記主張はいずれも採用することができない。 3 本件各契約の締結が財務会計法規上違法であるかについての検討 ⑴ 上記2のとおり,本件都市計画を変更しないまま,本 ウしたがって,被告の上記主張はいずれも採用することができない。 3 本件各契約の締結が財務会計法規上違法であるかについての検討 ⑴ 上記2のとおり,本件都市計画を変更しないまま,本件都市計画と異なる都市施設である本件通行路をその計画区域に設置することは,都市計画法上違法と評価されるものであるところ,日野市長(A市長)は,本件都市計画の変更をしないまま,本件通行路を設置するための本件各契約を締結したものである。 日野市は,本件都市計画事業の施行者であるとともに,本件都市計画の変更に係る権限を有しており(前提事実⑶ア),A市長は,日野市の執行機関として,本件都市計画の変更の手続を行うことにより本件通行路の設置に係る都市計画法上の違法を是正する権限を有していた。それにもかかわらず,A市長は,その権限を行使せず,上記の違法を是正しないまま,都 市計画法上許されない本件通行路の設置をするため,債務負担行為である本件各契約の締結をしたものである。このような本件各契約の締結に係るA市長の判断は,その裁量権の範囲の逸脱又はその濫用となるものであることが明らかであり,地方公共団体の事務につき不必要な経費を負担させるものとして地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反するこ ととなるから,A市長がその職務上負担する財務会計法規上の義務に違反してされた違法なものと評価されるべきである。 ⑵ 被告の主張についてア被告は,本件高架下通行路は,本件都市計画の対象区域に含まれていないし,本件下流側土地の本件南側通行路は,北川原広場を管理するため の道路であるから,これらの通行路を設置することはA市長がその職務 上負担する財務会計法規上の義務に違反するものではない旨を主張する。 しかし, は,北川原広場を管理するため の道路であるから,これらの通行路を設置することはA市長がその職務 上負担する財務会計法規上の義務に違反するものではない旨を主張する。 しかし,本件通行路は,本件北側通行路の部分に限らず,本件南側通行路及び本件高架下通行路を含む全体が,一体のものとして,国道20号バイパスと多摩川ルート(市道C-2号線)を連絡する廃棄物運搬路としての機能を果たすように設置されたものであり,これらの通行路のう ち1つを欠いてもその機能が損なわれることは,本件通行路が設置された経緯(上記2⑵ア)に照らしても明らかである。 そして,本件下流側土地については,日野市が東京都下水道局長から「広場」としての使用目的で本件下水道用地使用許可を受けている(認定事実⑻)が,これに基づいて整備された広場は国道20号バイパスに 面したポケット広場のみであり(認定事実⑽イ),広場を管理するために幅員7mの2車線の道路である本件南側通行路を設置する必要があったとは認め難く,日野市が本件南側通行路を広場の管理用道路としたのは,浅川水再生センターの敷地として東京都水道局長が管理権限を有する本件下流側土地について同局長から使用許可を受けるための方便で あったといわざるを得ない。そうすると,本件下水道用地使用許可において広場を維持管理するための道路の設置が認められていることを前提としても,現況のような構造を有し廃棄物運搬路として本件北側通行路と一体のものとして利用される本件南側通行路を設置することが許されるものとはいえない。 また,本件高架下土地については,本件都市計画の対象区域には含まれていないが,上記のとおり本件通行路は3つの通行路が一体として廃棄物運搬路としての機能を果たすように設置されたもの ない。 また,本件高架下土地については,本件都市計画の対象区域には含まれていないが,上記のとおり本件通行路は3つの通行路が一体として廃棄物運搬路としての機能を果たすように設置されたものであって,本件高架下通行路のみではこれを設置する意味はないものである。したがって,本件都市計画を変更しないまま本件上流側土地及び本件下流側土地に本 件通行路(本件北側通行路,本件南側通行路)を設置することが都市計 画法上違法である以上,本件高架下通行路の設置に係る債務負担行為(本件設計委託契約,北側通行路等工事請負契約,本件工事監理委託契約のうち本件高架下通行路に係る部分)もまた,A市長がその職務上負担する財務会計法規上の義務に違反すると評価すべきものである。 なお,本件高架下通行路は,令和元年12月に本件北側通行路の一部 とともに市道認定された(認定事実⑾エ)が,本件各契約の締結後の事情である上,市道としての供用が開始された後も一般車両が進入できないような対策が講じられていることに照らすと,そもそも一般交通の用に供されている実態がなく,道路法上の道路(同法2条)に該当するかに疑義があるといわざるを得ないから,市道認定されたことをもって上 記認定が左右されるものとはいえない。 イ被告は,本件下流側土地及び本件高架下土地は,東京都又は国が管理しており,日野市の財産管理権及び予算執行権が及ぶものではない旨主張する。 しかし,本件で問題とされているのは,A市長が本件通行路を設置す るためにした本件各契約の締結であり,これらが債務負担行為として日野市の財産管理に属するものであることは明らかである。また,日野市は,東京都の所有地である本件下流側土地については本件下水道用地使用許可を受け,国の所有地である本件 り,これらが債務負担行為として日野市の財産管理に属するものであることは明らかである。また,日野市は,東京都の所有地である本件下流側土地については本件下水道用地使用許可を受け,国の所有地である本件高架下土地については本件道路占用許可を受けているのであるから(認定事実⑼),日野市がこれらの許 可に基づき本件通行路を設置するためにした本件各契約の締結に係る権限を有する主体であることは明らかである。 ウしたがって,被告の上記主張はいずれも採用することができない。 4 損害額等以上によれば,本件各契約の締結は財務会計法規上違法であり,A市長は, 本件各契約の締結により日野市に生じた損害について損害賠償義務を負う。 そして,本件各契約の締結により日野市に生じた損害は,同契約に基づいてされた支出額のうち本件通行路の設置のために支出された金額に相当する額,すなわち,本件設計委託契約の代金全額(320万7600円),北側通行路等工事請負契約の代金全額(7263万4320円),橋梁工事請負契約の代金全額(1億1845万9800円),広場等工事請負契約の代金額の一部 (5659万1755円)及び本件工事監理委託契約の代金額の一部(64万5662円)の合計2億5153万9137円であると認められる(前提事実⑷キ)。 第4 結論以上の次第で,被告を相手にA市長に対する2億5153万9137円及びこ れに対する令和元年11月26日(同月14日付け訴えの変更申立書が送達された日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める損害賠償請求をすることを求める原告らの請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官清 延損害金の支払を求める損害賠償請求をすることを求める原告らの請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官清水知恵子 裁判官村松悠史及び裁判官松原平学は,転補につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官清水知恵子(別紙3-1) ○ 都市計画法 (目的) 第一条 この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 (都市計画の基本理念) 第二条 都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 (定義) 第四条 この法律において「都市計画」とは,都市の健全な発展と秩序ある整備 るものとする。 (定義) 第四条 この法律において「都市計画」とは,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で,次章の規定に従い定められたものをいう。 この法律において「都市施設」とは,都市計画において定められるべき第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。 この法律において「都市計画施設」とは,都市計画において定められた第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。 この法律において「都市計画事業」とは,この法律で定めるところにより第五十九条の規定による認可又は承認を受けて行なわれる都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業をいう。 この法律において「施行者」とは,都市計画事業を施行する者をいう。 (都市施設) 第十一条 都市計画区域については,都市計画に,次に掲げる施設を定めることができる。 (都市施設) 第十一条 都市計画区域については,都市計画に,次に掲げる施設を定めることができる。この場合において,特に必要があるときは,当該都市計画区域外においても,これらの施設を定めることができる。 一 道路,都市高速鉄道,駐車場,自動車ターミナルその他の交通施設 二 公園,緑地,広場,墓園その他の公共空地 三 水道,電気供給施設,ガス供給施設,下水道,汚物処理場,ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設 四~十四(略) 都市施設については,都市計画に,都市施設の種類,名称,位置及び区域を定めるものとするとともに,面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。 ~ (略) (都市計画基準) 第十三条 都市計画区域について定められる都市計画(区域外都市施設に関するものを含む。次項において同じ。)は,国土形成計画,首都圏整備計画,近畿圏整備計画,中部圏開発整備計画,北海道総 。 次項において同じ。 )は,国土形成計画,首都圏整備計画,近畿圏整備計画,中部圏開発整備計画,北海道総合開発計画,沖縄振興計画その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画を含む。 第三項において同じ。 )及び道路,河川,鉄道,港湾,空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,次に掲げるところに従つて,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関す(別紙3-1) る事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない。 この場合においては,当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。 一~十(略) 十一 都市施設は,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活 用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において,市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については,少なくとも道路,公園及び下水道を定めるものとし,第一種低層住居専用地域,第二種低層住居専用地域,第一種中高層住居専用地域,第二種中高層住居専用地域,第一種住居地域,第二種住居地域,準住居地域及び田園住居地域については,義務教育施設をも定めるものとする。 十二~十九(略) ~ (略) (都市計画を定める者) 第十五条 次に掲げる都市計画は都道府県が,その他の都市計画は市町村が定める。 一 都市計画区域の整備,開発及び保全の方針に関する都市計画 二 区域区分に関する都市計画 三 都市再開発方針等に関する都市計画 四 第八条第一項第四号の二,第九号から第十三号 関する都市計画 三 都市再開発方針等に関する都市計画 四 第八条第一項第四号の二,第九号から第十三号まで及び第十六号に掲げる地域地区(同項第四号の二に掲げる地区にあつては都市再生特別措置法第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区に,第八条第一項第九号に掲げる地区にあつては港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項の国際戦略港湾,国際拠点港湾又は重要港湾に係るものに,第八条第一項第十二号に掲げる地区にあつては都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域(二以上の市町村の区域にわたるものに限る。 ),首都圏近郊緑地保全法(昭和四十一年法律第百一号)第四条第二項第三号の近郊緑地特別保全地区及び近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)第六条第二項の近郊緑地特別保全地区に限る。 )に関する都市計画 五 一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区として政令で定め る。 )に関する都市計画 五 一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区として政令で定めるもの又は一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき都市施設若しくは根幹的都市施設として政令で定めるものに関する都市計画 六 市街地開発事業(土地区画整理事業,市街地再開発事業,住宅街区整備事業及び防災街区整備事業にあつては,政令で定める大規模なものであつて,国の機関又は都道府県が施行すると見込まれるものに限る。 )に関する都市計画 七 市街地開発事業等予定区域(第十二条の二第一項第四号から第六号までに掲げる予定区域にあつては,一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき都市施設又は根幹的都市施設の予定区域として政令で定めるものに限る。 )に関する都市計画 ~ (略) 市町村が定めた都市計画が,都道府県が定めた都市計画と抵触するときは,その限りにおいて,都道府県が定めた都市計画が た都市計画が,都道府県が定めた都市計画と抵触するときは,その限りにおいて,都道府県が定めた都市計画が優先するものとする。 (公聴会の開催等) 第十六条 都道府県又は市町村は、次項の規定による場合を除くほか、都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。 都市計画に定める地区計画等の案は、意見の提出方法その他の政令で定め(別紙3-1) る事項について条例で定めるところにより、その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成するものとする。 市町村は、前項の条例において、住民又は利害関係人から地区計画等に関する都市計画の決定若しくは変更又は地区計画等の案の内容となるべき事項を申し出る方法を定めることができる。 (都市計画の案の縦覧等) 第十七条 都道府県 容となるべき事項を申し出る方法を定めることができる。 (都市計画の案の縦覧等) 第十七条 都道府県又は市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該都市計画の案を、当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて、当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。 前項の規定による公告があつたときは、関係市町村の住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された都市計画の案について、都道府県の作成に係るものにあつては都道府県に、市町村の作成に係るものにあつては市町村に、意見書を提出することができる。 ~ (略) (都道府県の都市計画の決定) 第十八条 都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとする。 都道府県は、前項の規定によ つ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとする。 都道府県は、前項の規定により都市計画の案を都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、第十七条第二項の規定により提出された意見書の要旨を都道府県都市計画審議会に提出しなければならない。 ~ (略) (市町村の都市計画の決定) 第十九条 市町村は、市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の議を経て、都市計画を決定するものとする。 市町村は、前項の規定により都市計画の案を市町村都市計画審議会又は都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、第十七条第二項の規定により提出された意見書の要旨を市町村都市計画審議会又は都道府県都市計画審議会に提出しなければならない。 ~ (略) (都市計画の告示等) 第二十条 都道府県又 都市計画審議会に提出しなければならない。 ~ (略) (都市計画の告示等) 第二十条 都道府県又は市町村は、都市計画を決定したときは、その旨を告示し、かつ、都道府県にあつては関係市町村長に、市町村にあつては都道府県知事に、第十四条第一項に規定する図書の写しを送付しなければならない。 都道府県知事及び市町村長は、国土交通省令で定めるところにより、前項の図書又はその写しを当該都道府県又は市町村の事務所に備え置いて一般の閲覧に供する方法その他の適切な方法により公衆の縦覧に供しなければならない。 都市計画は、第一項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる。 (都市計画の変更) 第二十一条 都道府県又は市町村は,都市計画区域又は準都市計画区域が変更されたとき,第六条第一項若しくは第二項の規定による都市計画に関する基礎調査又は第十三条第一項第十九号に規定する政府が行う調査の結果都 第二項の規定による都市計画に関する基礎調査又は第十三条第一項第十九号に規定する政府が行う調査の結果都市計画を変更する必要が明らかとなつたとき,遊休土地転換利用促進地区(別紙3-1) に関する都市計画についてその目的が達成されたと認めるとき,その他都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく,当該都市計画を変更しなければならない。 第十七条から第十八条まで及び前二条の規定は,都市計画の変更(第十七条,第十八条第二項及び第三項並びに第十九条第二項及び第三項の規定については,政令で定める軽易な変更を除く。 )について準用する。 この場合において,施行予定者を変更する都市計画の変更については,第十七条第五項中「当該施行予定者」とあるのは,「変更前後の施行予定者」と読み替えるものとする。 (建築の許可) 第五十三条 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとす 許可) 第五十三条 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし,次に掲げる行為については,この限りでない。 一 政令で定める軽易な行為 二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為 三 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為 四 第十一条第三項後段の規定により離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度が定められている都市計画施設の区域内において行う行為であって,当該離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度に適合するもの 五 第十二条の十一に規定する道路(都市計画施設であるものに限る。)の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域内において行う行為であって,当該道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で 区域内において行う行為であって、当該道路を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないものとして政令で定めるもの (略) 第一項の規定は、第六十五条第一項に規定する告示があった後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。 (施行者) 第五十九条 都市計画事業は、市町村が、都道府県知事(第一号法定受託事務として施行する場合にあっては、国土交通大臣)の認可を受けて施行する。 ~ (略) (認可等の基準) 第六十一条 国土交通大臣又は都道府県知事は、申請手続が法令に違反せず、かつ、申請に係る事業が次の各号に該当するときは、第五十九条の認可又は承認をすることができる。 一 事業の内容が都市計画に適合し、かつ、事業施行期間が適切であること。 二(略)。 (建築等の制限) 第六十五条 第六十二条第一項の規定による告示又は新たな事業地の編入に係る第六十三条第二項において準用する第 五条 第六十二条第一項の規定による告示又は新たな事業地の編入に係る第六十三条第二項において準用する第六十二条第一項の規定による告示があつた後においては,当該事業地内において,都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設を行い,又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は,都道府県知事等の許可を受けなければならない。 都道府県知事等は,前項の許可の申請があつた場合において,その許可を与えようとするときは,あらかじめ,施行者の意見を聴かなければならない。 (別紙3-1) (略) (都市計画事業のための土地等の収用又は使用) 第六十九条 都市計画事業については,これを土地収用法第三条各号の一に規定する事業に該当するものとみなし,同法の規定を適用する。 第七十条 都市計画事業については,土地収用法第二十条(同法 るものとみなし,同法の規定を適用する。 第七十条 都市計画事業については,土地収用法第二十条(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。 )の規定による事業の認定は行なわず,第五十九条の規定による認可又は承認をもつてこれに代えるものとし,第六十二条第一項の規定による告示をもつて同法第二十六条第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。 )の規定による事業の認定の告示とみなす。 (略) (別紙3-2) ○ 都市公園法(平成二九年法律第二六号による改正前のもの) (兼用工作物の管理) 第五条の二 都市公園と河川、道路、下水道その他の施設又は工作物(以下これらを「他の工作物」という。 )とが相互に効用を兼ねる場合においては、当該都市公園の公園管理者及び他の工作物の管理者は、当該都市公園及び他の工作物の管理については、第二条の三の規定にかかわらず、協議して別にその管 理者は、当該都市公園及び他の工作物の管理については、第二条の三の規定にかかわらず、協議して別にその管理の方法を定めることができる。 ただし、他の工作物の管理者が私人である場合においては、都市公園については、都市公園に関する工事及び維持以外の管理を行わせることができない。 前項の規定により協議が成立した場合においては、当該都市公園の公園管理者は、成立した協議の内容を公示しなければならない。 (都市公園の占用の許可) 第六条 都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない。 前項の許可を受けようとする者は、占用の目的、占用の期間、占用の場所、工作物その他の物件又は施設の構造その他条例(国の設置に係る都市公園にあつては、国土交通省令)で定める事項を記載した申請書を公園管理者に提出しなければならない。 園にあつては、国土交通省令)で定める事項を記載した申請書を公園管理者に提出しなければならない。 第一項の許可を受けた者は、許可を受けた事項を変更しようとするときは、当該事項を記載した申請書を公園管理者に提出してその許可を受けなければならない。 ただし、その変更が、条例(国の設置に係る都市公園にあつては、政令)で定める軽易なものであるときは、この限りでない。 第一項の規定による都市公園の占用の期間は、十年をこえない範囲内において政令で定める期間をこえることができない。 これを更新するときの期間についても、同様とする。 第七条 公園管理者は、前条第一項又は第三項の許可の申請に係る工作物その他の物件又は施設が次の各号に掲げるものに該当し、都市公園の占用が公衆のその利用に著しい支障を及ぼさず、かつ、必要やむを得ないと認められるものであつて、政令で定める技術的基準に適合する場合に限り、前条第一 かつ、必要やむを得ないと認められるものであって、政令で定める技術的基準に適合する場合に限り、前条第一項又は第三項の許可を与えることができる。 一 電柱、電線、変圧塔その他これらに類するもの 二 水道管、下水道管、ガス管その他これらに類するもの 三 通路、鉄道、軌道、公共駐車場その他これらに類する施設で地下に設けられるもの 四 郵便差出箱、信書便差出箱又は公衆電話所 五 非常災害に際し災害にかかった者を収容するため設けられる仮設工作物 六 競技会、集会、展示会、博覧会その他これらに類する催しのため設けられる仮設工作物 七 前各号に掲げるもののほか、政令で定める工作物その他の物件又は施設 (別紙4)争点に関する当事者の主張の要旨 1 原告らの主張の要旨 ⑴ 原告らは、本件訴訟において、本件各契約の締結行為(支出負担行為)が違法な財務会計行為であると主張するものである。都市計画法、都市公園法、地方自治法149条は、それ自体、財政に関する規定ではないが、日野市長が本件各契約を締結するに当たり、当然遵守すべき法規範である。 ⑵ 本件通行路 主張するものである。都市計画法,都市公園法,地 方自治法149条は,それ自体,財政に関する規定ではないが,日野市長が本件各契約を締結するに当たり,当然遵守すべき法規範である。 ⑵ 本件通行路の設置について北川原公園は,日野市民の間に格差を作らないために同市東部地域に豊かな対策と感謝をもって臨むという当時の日野市長の決意の下で,ごみとし尿 の処理場に加えて下水道の処理場まで同じ地域に持ち込まれることへの地域住民の被害感や不満感に応えるために設置が計画され,昭和54年の都市計画変更決定後,昭和57年の「緑のマスタープラン」における「総合公園」として,平成13年の「みどりの基本計画」における「緑の拠点」として,平成15年に「都市計画マスタープラン」における「公園・緑地」として位 置付けられてきたものであり,東京都の平成23年12月の「都市計画公園・緑地の整備方針」においても,今後10年間で優先的に整備する公園・緑地のうち「重点公園・緑地」として位置付けられている。このように,北川原公園は,日野市が迷惑施設の受入れに対する地域住民への感謝の気持ちを込めて,市内最大級の都市公園として計画されたものである。 このように,北川原公園及びその周辺地域には,北川原公園,国道20号バイパス及び日野クリーンセンターという3つの都市施設が,技術的見地から相互に整合性を保って配置されており,それぞれが都市計画として一定の合理性を有している。すなわち,日野クリーンセンターは,浅川水再生センターに隣接し,廃棄物処理施設の集約を図ることができる位置に区域が定め られ,周辺居住区域の外周に廃棄物運搬路となる道路を確保し,周辺環境に 配慮した緑化効果を考慮して北川原公園が設置されており,北川原公園は,国道20号バイパ る位置に区域が定め られ,周辺居住区域の外周に廃棄物運搬路となる道路を確保し,周辺環境に 配慮した緑化効果を考慮して北川原公園が設置されており,北川原公園は,国道20号バイパスと周辺居住区域との緩衝地帯にもなっており,これらの配置は合理性を有している。 ところが,本件通行路の設置は,以上の都市計画相互間の均衡に重要な影響を与えるものである。本件通行路は,都市公園法が定める公園施設にも兼 用工作物にも該当するものではない。本件北側通行路は本件施行区域約1. 4haの2割に相当する約0.3haを使用するものであり,本件通行路には廃棄物運搬車両が1分間に0.6台の頻度で通行することとされており,公園利用者の安全を確保するために本件通行路の両側にフェンスが設置されていることからすれば, 都市計画における公園計画を変更する必要が生じた ものといえるから,遅滞なく都市計画を変更しなければならない(都市計画法21条1項)。なお,都市公園法では,公園施設でない道路及び通路に関しては,地下に設けられ又は高架のものでなければ占用許可を受けることはできない(都市公園法7条3号及び7号,同法施行令12条3号)。 しかるに,日野市は,本件通行路が都市計画法上の都市施設に当たらない ことから,同法の適用を受けないと主張して,都市計画の変更の手続を行わないことを正当化しているのであり,同法の潜脱に当たるものである。 ⑶ 都市施設に係る都市計画は,公聴会の開催(都市計画法16条1項),計画案の縦覧・関係市町村の住民等による意見書の提出(同法17条),都市計画審議会(同法18条)という住民参加の手続を経て決定されるところ,このよ うな手続が定められているのは,都市施設に係る都市計画が,当該区域の土地所有権に対する制約を課す 同法17条),都市計画審議会(同法18条)という住民参加の手続を経て決定されるところ,このよ うな手続が定められているのは,都市施設に係る都市計画が,当該区域の土地所有権に対する制約を課すことを強制するものであるためである。なお,北川原公園予定地については,昭和54年に都市計画公園として決定されて以来,多額の公金(補助金等)を用いて公園事業としての用地取得等が進められてきたものであり(既に28名の地権者から用地買収を行い,その筆数は約53筆, その買収済面積は約1万3000㎡,その取得に要した費用は約19億円に上 る。),その経費のうち国からの補助金(約1億9000万円)及び東京都からの補助金(約9400万円)を除いた日野市の負担金額は,約16億1000万円となっている。 本件通行路は,北川原公園の区域内に設置され,その結果,北川原公園の面積を大幅に減少させることになるから,都市計画を変更し,その手続に住民が 参加することが必要である。都市計画法が定める上記の住民参加の手続は,都市計画法の根本原則である都市計画における住民自治を具体化するものであるところ,これを経ない本件通行路の設置は,都市計画法の根本原則である住民自治に反するものである。 ⑷ 都市計画公園は,都市計画法11条に基づいて設置及び管理される公園であ り,公園は,良好な都市環境の形成,防災等の都市の安全性向上,レクリエーション活動の場の提供,都市景観の向上を図ることなどを目的とした都市施設である。都市公園は,住民の参加手続を経て都市計画決定されると,近隣住民は,当該土地が公園として整備されることを期待するものであり,公園が供用開始されると,都市公園法が適用されるものであって,その重要性から,都市 計画の変更には慎重さが求めら されると,近隣住民は,当該土地が公園として整備されることを期待するものであり,公園が供用開始されると,都市公園法が適用されるものであって,その重要性から,都市 計画の変更には慎重さが求められる。したがって,都市計画公園用地内に公園とは異なるものを建設することは許されないものであり,この点について地方公共団体の長は広範な裁量を有するものではない。 したがって,本件通行路の設置は,地方公共団体は都市計画の適切な遂行に努めなければならない旨規定する都市計画法3条1項に反するものであり,ま た,本件都市計画に反するものである。 ⑸ また,国土交通大臣が定める都市計画運用指針(甲35,乙6)は,都市計画の制度の運用に当たり,総合性及び一体性の確保を要請しているところ,これらの確保については,①都市施設相互間の調整の視点,②都市公園の機能・意義の視点,③都市計画の見直し期間の視点を総合考慮し,都市計画の総合 性・一体性を阻害し都市計画の趣旨に照らして不合理となる場合には,都市計 画を変更する必要が生じたものとして都市計画の変更の手続をとらなくてはならない。 この点,本件通行路の整備は,北川原公園予定地内に別の都市施設の附属施設を設置するものである。そして,その原因は,日野クリーンセンターへの経路となる道路という別の都市施設が欠如していることに起因するものであるか ら,本件通行路の整備は,3つの都市施設(クリーンセンター,公園,道路)相互の関係の変更を意味するものである。また,公園には,公園緑地が存在することによる都市環境にもたらされる存在効果と,公園緑地を利用する都市住民にもたらされる利用効果があるところ,このような効果の性質に鑑みれば,公園施設以外の工作物等の施設は,都市公園の効用を阻害することはあって 都市環境にもたらされる存在効果と,公園緑地を利用する都市住民にもたらされる利用効果があるところ,このような効果の性質に鑑みれば,公園施設以外の工作物等の施設は,都市公園の効用を阻害することはあっても, これを増進することはあり得ないものであるから,都市公園を,公園施設以外の施設のために利用することが許容されるのは極めて例外的な場合に限定されるというべきである。 また,災害への対応としても公共空地の重要性は増しているところ,北川原公園は,優先的に整備する公園とされている。 したがって,都市計画の変更をすることなく,本件通行路を整備することはできないというべきである。 ⑹ 被告は,本件通行路が暫定使用されるものであり,都市計画の変更は不要であると主張する。 しかし,都市計画法6条1項では,おおむね5年ごとに都市計画に関する基 礎調査を行う旨を定め,都市計画運用指針では,都市施設について,長期的に整備すべきことを前提に,その期間をおおむね20年としていることからすると,都市施設の見直しは,5年ごとの基礎調査を前提として,20年を見通してされることが予定されているというべきである。また,道路が都市公園を占用することのできる期間は10年を超えられないとされているところ(都市公 園法6条4項,同法施行令14条1項),東京都の定める「都市計画公園・緑 地の整備方針」(甲39)は,都市計画公園・緑地の事業化についておおむね10年ごとに見直しを行うとしている。 日野クリーンセンターの建替えに伴い廃棄物運搬路を新設するための本件通行路の設置は,各都市施設の相互の機能について従前の在り方を変更するものであり,その期間(30年間)に照らしても,本件通行路の整備が暫定的なも のといえないことは明らかである。 るための本件通行路の設置は,各都市施設の相互の機能について従前の在り方を変更するものであり,その期間(30年間)に照らしても,本件通行路の整備が暫定的なも のといえないことは明らかである。 ⑺ア本件上流側土地に関し,本件設計委託契約,橋梁工事請負契約,北側通行路等工事請負契約及び本件工事監理委託契約の締結は,いずれも本件通行路(本件北側通行路及び本件高架下通行路)を整備するためにされたものであり,北川原公園の価値を維持するものではなく,行政財産である公園の用途 (所有の目的)に応じたものではないから,地方自治法149条6号及び地方財政法8条に違反する違法な管理行為である。 イ本件下流側土地に関し,被告は,本件南側通行路を設置したことは東京都下水道局固定資産事務規定(以下「下水道局事務規定」という。)に違反するものではないと主張する。 しかし,下水道局事務規定26条の2が引用するように,行政財産は,地方自治法238条の4第7項に規定に基づき使用を許可することができるものであるところ,同項は,行政財産はその用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができると定め,同条9項は,行政財産の使用の許可の条件に違反する行為があるときは,普通公共団体の長はその許可を 取り消すことができる旨を定めている。 本件下流側土地は,2つの都市施設(北川原公園及び浅川水再生センター)に係る各都市計画が二重に決定されており,日野市は,東京都下水道局長から使用の目的を「広場」として本件下水道用地使用許可を受けたにもかかわらず,同土地に廃棄物運搬車両が通行するための本件南側通行路を整備 したものであり,上記目的に反するものである。本件設計委託契約,広場等 工事請負契約及び本件工事監理委託契約の締結 ず,同土地に廃棄物運搬車両が通行するための本件南側通行路を整備 したものであり,上記目的に反するものである。本件設計委託契約,広場等 工事請負契約及び本件工事監理委託契約の締結は,下水道局事務規定26条の2及び使用目的どおりに本件下流側土地を使用しなければならない旨の使用許可の条件(使用許可書5条1項)に反するものである。 ウ本件高架下土地は,日野市が,関東地方整備局長から占用目的を「クリーンセンター建替え工事車両の搬入路」として,本件道路占用許可を受けたに もかかわらず,本件専用路工事請負契約の工事内容は,廃棄物運搬路である本件高架下通行路の整備であるから,同契約の締結は,上記占用目的に反する上に,道路占用許可について定める道路法32条の趣旨に反するものである(本件設計委託契約についても同様である。)。 なお,被告は,令和元年8月になって,本件高架下土地に道路維持管理用 の資機材置場(以下「本件資機材置場」という。)を整備することとし,これに伴い,本件市道認定(前提事実⑹)をする方針である旨を主張するに至ったが,かかる主張は,国有地である本件高架下土地につき,本件道路占用許可の占用期間が令和2年3月までとなっているため,同年4月以降も本件通行路として継続使用するためであることが明らかである。 ⑻ 本件通行路は,公園利用者にとって効用を持つ施設であるとはいい難いものであり,むしろ迷惑施設であるから,兼用工作物に当たるものとはいえず,本件兼用等方針決定がされたからといって,本件通行路が適法な兼用工作物となるものではない。また,日野市は,本件通行路を兼用工作物とすることをいったん断念した経緯があるにもかかわらず,市民への説明会を実施することなく, 本件兼用等方針決定をしたものであり,手続的 なるものではない。また,日野市は,本件通行路を兼用工作物とすることをいったん断念した経緯があるにもかかわらず,市民への説明会を実施することなく, 本件兼用等方針決定をしたものであり,手続的観点からも日野市長の裁量権を逸脱したものである。 本件兼用等方針決定では,一部が本件資機材置場への資材等の搬入が目的とされているところ,これは従たる位置付けである。また,その構造上,廃棄物運搬車両及び資材等の搬入車両以外の車両が利用することは想定されていない から,一般の公共の用に供する道路であるとはいえず,道路法2条の道路とし ての性格を有しておらず,市道たり得ないというべきである。 さらに,本件兼用等方針決定以前に本件通行路は整備されたのであるから,都市計画の変更をせずに本件通行路を整備した違法が治癒されるものではない。 なお,北川原公園予定地内に,廃棄物運搬路を設けることが不可欠であるのであれば,地下に設ける以外に適法な方法はないというべきである。 ⑼ 以上によれば,本件各契約の締結は,都市計画法11条1項2号,21条,地方自治法149条6号,地方財政法8条,下水道局事務規定26条の2,道路法32条,都市公園法5条の2,6条,7条に違反するものであるところ,これらの違法を有する契約の締結は,違法な行政活動というほかないから,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨に鑑み,財務会計法規上,違 法である。 そして,A市長は,本件各契約を締結したことについて,故意又は重大な過失があるというべきである。 2 被告の主張の要旨⑴ 地方自治法242条の2第1項4号に基づき普通地方公共団体の職員に対す る損害賠償請求をすることができるのは,財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員の行為自体が財務 被告の主張の要旨⑴ 地方自治法242条の2第1項4号に基づき普通地方公共団体の職員に対す る損害賠償請求をすることができるのは,財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する場合に限定されるところ,原告らが主張する都市計画法等の違反は,財務会計行為である本件各契約の締結の違法事由となるものではない。 ⑵ 日野市は,昭和36年に北川原緑地として都市計画決定がされて以降,北川 原公園の公共空地としての必要性について,その時々で確認しており,少子高齢化による人口減少社会の到来という経済社会情勢の変化を踏まえて都市の将来像を見据えても,北川原公園を都市公園として整備する方針であって,本件通行路の整備は,北川原公園の公園としての機能を損なわないように期間を定めて暫定的にするものにすぎず,北川原公園予定地を最終的に公園として整備 する方針が変更されたものではない。 本件通行路が暫定的に設置されるものであることは,本件覚書(前提事実⑶オ)において新クリーンセンターの稼働期間をおおむね30年とし,次期新施設の設置場所を日野市以外とすることが明確に規定されており,小金井市及び国分寺市には本件覚書に基づく法的義務と履行責任があることから明らかである。 ⑶ 本件通行路の設置は,新クリーンセンターの設置に当たり,30年間3市で共同処理をすること(本件覚書)や,従前,旧クリーンセンターの廃棄物運搬路として使用されてきた浅川ルートの周辺の環境に配慮すべきであるとの地域住民からの強い要望が出されていたことを踏まえて,新たな廃棄物運搬路の確保が必要不可欠であると判断されたものであり,公共目的のために必要やむを 得ないものであり,本件通行路の設置に当たっては,周辺住民への説明会 が出されていたことを踏まえて,新たな廃棄物運搬路の確保が必要不可欠であると判断されたものであり,公共目的のために必要やむを 得ないものであり,本件通行路の設置に当たっては,周辺住民への説明会等を開催し,住民の意見を聴取している。 ⑷ 都市計画運用指針(甲35,乙6)は,都市施設に関する都市計画の見直しの考え方について,「都市内においては個々の都市施設がそれぞれ個別に機能を果たすものではなく,各施設が相互に組み合わさって総体として機能が発揮 されるものであることから,見直しに当たっては,そのような総合性,一体性の観点から施設の配置,規模等についての検討を行うことが必要である。」「長期にわたり事業が行われていない施設の問題については,…長期的にみれば都市の将来像も変わり得るものであり必要に応じ変更の検討を行うことが望ましい。」「都市施設の都市計画は都市の将来の見通しの下,長期的視点から その必要性が位置付けられているものであり,単に長期にわたって事業に着手していないという理由のみで変更することは適切ではない。都市施設の配置の変更や規模の縮小,廃止は,個別の箇所や区間のみを対象とした検討を行うのではなく,都市の将来像を踏まえ,都市全体あるいは影響する地域全体としての施設の配置や規模等の検討を行い,その必要性の変更理由を明らかにした上 で行われるべきである。」としている。 そして,日野市は,社会経済状況の変化に対応するものとして,都市の将来像を踏まえ,都市全体あるいは影響する都市圏全体としての施設の配置や規模等の検討をした上で,本件通行路を概ね30年間に限り設置することとしたものであり,最終的に北川原公園を整備すること自体は予定しているから,「長期的にみれば都市の将来像も変わり得る」場合や「都市全体 等の検討をした上で,本件通行路を概ね30年間に限り設置することとしたものであり,最終的に北川原公園を整備すること自体は予定しているから,「長期的にみれば都市の将来像も変わり得る」場合や「都市全体あるいは影響する 地域全体としての施設の配置や規模等の検討を行う」必要がある場合に該当しないから,本件通行路の設置に当たり,本件都市計画の変更は必要ではないというべきである。また,一体性の観点から施設の配置・規模等についての検討を行うことが必要な場合にも当たらないから,都市計画の変更の手続は不要である。 さらに,都市計画運用指針は,「公園等の公共空地は長期的な視点で必要な水準を確保するべく都市計画決定されている趣旨から高い継続性,安定性が要請されている」としていることからすれば,本件通行路の使用が一定期間のものにとどまり,その後は北川原公園として整備することは,むしろ上記の高い継続性,安定性に適うものというべきである。 ⑸ 都市計画法11条2項は都市施設ごとに都市計画に定めるべき事項を規定するところ,その委任を受けた同法施行令6条1項3号は,公園に係る事業目標年次について,法令上,都市計画に定めるべき事項とはしていない。そうすると,都市計画運用指針が,「都市施設の計画の目標年次については,都市計画区域マスタープランとの整合を図る上からもおおむね20年後を目標として長 期的な整備水準を検討し,都市施設の都市計画を定めることが望ましい。」と定めているからといって,それ以上の期間にわたる本件通行路の使用が違法となるものではない。 ⑹ア原告らの指摘する地方財政法8条及び地方自治法149条6号が適用されるのは,北川原公園予定地のうち日野市の公有財産に当たる本件上流側土地 のみであるところ,日野市は,本件兼用等方針 。 ⑹ア原告らの指摘する地方財政法8条及び地方自治法149条6号が適用されるのは,北川原公園予定地のうち日野市の公有財産に当たる本件上流側土地 のみであるところ,日野市は,本件兼用等方針決定及び本件供用開始公告を したことにより,本件北側通行路は市道又は兼用工作物となることから,本件通行路の整備は,本件都市計画の内容に反することにはならない。 イ本件下流側土地は,本件都市計画決定に加えて流域下水道としての都市計画決定が重ねてされており,北川原公園が実現するには,まず都市計画施設としての東京都の流域下水道施設が完成する必要があるところ,日野市は, そのような計画がされている本件下流側土地を北川原広場として使用するために使用の目的を広場として本件下水道用地使用許可を適法に受けたものである。このように,2つの都市計画が重ねて決定され,変更されることなく維持されており,かつ,いずれの都市施設についても供用が開始されていないところ,本件南側通行路は,暫定的に整備される北川原広場を管理するた めの通路であるから,本件都市計画の内容に反するものではない。 また,本件下流側土地は,東京都が所有するものであり,日野市の財産管理権や予算執行権が及ぶものではないから,同土地について日野市が行う行為について都市計画法違反等の違法はない。 ウ本件高架下土地は,本件都市計画決定がされた区域(北川原公園予定地) に含まれておらず,都市計画法及び都市公園法とは何ら関係がない。国道20号バイパスとして一般交通の用に供されている国道であり,国が管理している。したがって,本件高架下土地は,都市計画法及び都市公園法とは何ら関係がなく,日野市の財産管理権及び予算執行権が及ぶものではない。日野市は,適正に道路占用許可を受けたもので であり,国が管理している。したがって,本件高架下土地は,都市計画法及び都市公園法とは何ら関係がなく,日野市の財産管理権及び予算執行権が及ぶものではない。日野市は,適正に道路占用許可を受けたものであり,本件各契約は,道路法32 条に違反するものではない。 日野市は,本件高架下土地が浸水想定区域内にあることを前提として,水害リスクが想定される初動段階において土のう等を活用した水防の対策拠点として機能させることを目的として,本件高架下土地に本件資機材置場を整備し,本件市道認定をしたものであり,この手続に何ら違法はない。 以上
▼ クリックして全文を表示