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昭和41(う)382 物品税法違反被告事件

裁判所

昭和44年10月11日 東京高等裁判所

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10,538 文字

主文 本件各控訴を棄却する。当審訴訟費用は全部被告会社の負担とする。理由 本件控訴の趣意は被告会社および被告人の弁護人高橋諦、同宮本佐文各作成名義の控訴趣意書記載のとおりであるから、これらをここに引用し、これに対し一件記録を精査し、かつ当審における事実取調の結果を参酌した上次のよらに判断する。高橋弁護人の控訴趣意に対する判断所論は多岐にわたるのでこれらを原判決判示各事実に直接関係するものと、その他に分けて次に判断する。第一、 原判決判示第一の事実に関するもの原判決判示第一の事実について原判決が引用する関係証拠を綜合すれば次の各事実を認めるに足りこの認定を覆すに足りる証拠はない。即ち右関係証拠によれば、(一) 有限会社A(代表取締役B)は昭和三三年一〇月より昭和三五年末頃までの間株式会社Cよりゴルフ用シヤフトのメツキ加工の委託を受け、これがメツキ加工を為した上右製品を被告会社に納入したこと、(二) 右加工の材料である未メツキ加工のシヤフトはすべて被告会社からAに渡されていたこと、(三) 昭和三三年一〇月より昭和三四年三月末まで被告会社は右A内の製造所について物品税法第一五条の製造開始申告を所轄税務署にしていなかつたこと、(四) 右Aより被告会社に納入ざれたメツキ加工済のゴルフ用シヤフト中後に説明する所謂表分については被告会社において物品税の申告(免税の手続)をしたが、その余の原判示数量のシヤフト所謂裹分については右Aからも被告会社からもいずれも所轄税務署に対し何等物品税法上の申告が為されていなかつたこと、(五) 右被告会社において物品税の申告をする分(表分と称していたもの)については各会社の正規の帳簿に記載し、また納品書等を使用し、加工賃の支払いも手形等に 税法上の申告が為されていなかつたこと、(五) 右被告会社において物品税の申告をする分(表分と称していたもの)については各会社の正規の帳簿に記載し、また納品書等を使用し、加工賃の支払いも手形等によつたが、物品税に関する申告をしない分(裏分と称していたもの)については各会社の正規の帳簿に記載しないのは勿論、納品書その他その物品の存在を明らかにするような書類を作らず、その加工賃はすべて現金で支払われていたこと、等の事実を認めるに足り原判示第一事実は冒頭の事実を含めてその証明は十分である。 表分と称していたもの)については各会社の正規の帳簿に記載し、また納品書等を使用し、加工賃の支払いも手形等によつたが、物品税に関する申告をしない分(裏分と称していたもの)については各会社の正規の帳簿に記載しないのは勿論、納品書その他その物品の存在を明らかにするような書類を作らず、その加工賃はすべて現金で支払われていたこと、等の事実を認めるに足り原判示第一事実は冒頭の事実を含めてその証明は十分である。所論第四点の一、第五点の一、二、法令違背の主張について<要旨第一>所論に基き案ずるのに本件に関する物品税法は税の徴収という特別の目的のために同法第六条のいわゆる</要旨第一>「看做す」規定を設けたのであり、この規定の適用のある場合にあつては物品税法上その製造を委託したものが当該物品を製造したことになるのであつて、事実上何人が同物品の製造に携わつたかを問わない。そしてその製造者と看做されたものが、製造者として法の定めるところに従わなければならないのであり、これに従わない場合に通例の製造者と同様に法でこれに対する処罰を定めたからといつて何等憲法第三一条、同第三九条、同第八九条に違反するところはない。この理は右物品税法第六条の規定の性質を如何なる意味に解するかによつて異なるものでもなく、(所論にいう法第六条第四項の規定が刑罰法令でないという意味は必しも明らかでないが、それが、同法条により看做された製造業者には如何なる場合にも刑罰を科せられないという意味であればそれは法の解釈を誤つたものであつて左袒し得ない。)また右は被告会社の法令違反自体に科せられた刑事責任であつて本件シヤフトの事実上の製造者であるBの刑事責任が被告会社等に転嫁されたものでもなく、こ それは法の解釈を誤つたものであつて左袒し得ない。)また右は被告会社の法令違反自体に科せられた刑事責任であつて本件シヤフトの事実上の製造者であるBの刑事責任が被告会社等に転嫁されたものでもなく、これを罰するのに原判決挙示の規定以外所論主張のよらな両罰規定の存在を要するものでもない。またかく解することをもつて刑事法理論を無視した解釈であるとすることもできない。この点の所論はいずれも理由がない。次に本件が物品税法第六条にいわゆる「看做す」規定の適用のある場合であるか否かにつき検討する。<要旨第二>被告会社が同法条に定める第二種の物品であるゴルフクラブ、同ゴルフクラブ用シヤフトの販売を業とする</要旨第二>者であることは証拠により明らかであり、また被告会社とAとの間には前示認定(一)(二)の関係があることが認められるのであるから同法条の適用があるといいらるためには右未メツキのシヤフトにメツキ加工をすることが右シヤフトの製造に該当することを要することは勿論である。 かにつき検討する。<要旨第二>被告会社が同法条に定める第二種の物品であるゴルフクラブ、同ゴルフクラブ用シヤフトの販売を業とする</要旨第二>者であることは証拠により明らかであり、また被告会社とAとの間には前示認定(一)(二)の関係があることが認められるのであるから同法条の適用があるといいらるためには右未メツキのシヤフトにメツキ加工をすることが右シヤフトの製造に該当することを要することは勿論である。ところで物品税は消費税であるから、製作物が消費者により使用又は消費される状態になつた時をもつて物品税法上の製造と解すべきであり、外観上は一応使用しうる程度にでき上つていても直に同法にいう製造と解すべきではないが、又一方完成品か部分品かによつても同法の精神に従い、個々の物品の性質に応じ製造ざれたものであるか否かを決することを要する。しかして漆器又は家具は装飾のため彫刻、蒔絵、又は上絵を施ざずとも一応使用しうる状態にあるが、特に同法第六条第一項が漆器又は家具に装飾のため彫刻、蒔絵又は上絵を施すときはこれをもつてその物品の製造と看做し、また同法条第二項が化粧品等の物品を容器に充填し、又は改装するときはいずれもこれをその物品の製造と看做す旨規定している同法の精神に照せば、本件の如き原材料 ときはこれをもつてその物品の製造と看做し、また同法条第二項が化粧品等の物品を容器に充填し、又は改装するときはいずれもこれをその物品の製造と看做す旨規定している同法の精神に照せば、本件の如き原材料であるメツキ前のシヤフトに物理的化学的変化を加えてメツキ加工をするときは、このことにより右シヤフトは直にゴルフ用具であるゴルフクラブの部分品として使用しらる状態になつたものと解せられるから、右ゴルフシヤフトは物品税法上の課税物件たるゴルフ用具の部分品として右の段階において製造されたものと認めるのが相当である。もつとも証拠によれば右既メツキのゴルフシヤフトはその後被告会社において更に曲げの検査、強度試験メツキの厚みの検査等各種の工程を経てラベルを貼り包装梱包されて移出されたことを認めるに足りるが、これらは単に販売の手段に過ぎず新たな課税物件を創造するものと解せられない。然らば被告会社は原材料である未メツキのゴルフシヤフトをAに供給してこれがメツキを委託し右Aにおいて右シヤフトのメツキ加工を完成したものであるから、被告会社は当然にAにおける右シヤフトの製造につき自ら製造者と看做され、物品税法第一五条により所轄税務署に対しその旨の申告をしなければならず、これを怠つた場合には特段の事情のない限り同法第一八条第一項第一号により処罰を受けなければならないことは当然で、即ち無申告製造の責任を負らものは製造者とみなされた被告人等である。 してこれがメツキを委託し右Aにおいて右シヤフトのメツキ加工を完成したものであるから、被告会社は当然にAにおける右シヤフトの製造につき自ら製造者と看做され、物品税法第一五条により所轄税務署に対しその旨の申告をしなければならず、これを怠つた場合には特段の事情のない限り同法第一八条第一項第一号により処罰を受けなければならないことは当然で、即ち無申告製造の責任を負らものは製造者とみなされた被告人等である。所論は昭和三四年四月までは当該税務署より被告会社に対し、メツキ工場である前記Aを委託者である被告会社の課税物品製造場として申告せよという何等の指示も指導もしなかつたのであつて、被告会社がA工場を製造場として所定の申告をなさなかつたことについては従来の経緯に照し申告不要の確信を有していたものであり、またそのように信ずべき相当 という何等の指示も指導もしなかつたのであつて、被告会社がA工場を製造場として所定の申告をなさなかつたことについては従来の経緯に照し申告不要の確信を有していたものであり、またそのように信ずべき相当の理由があつたものである旨弁疏する。然しながら物品税法は同法第六条第四項(改正法は第三項)に該当する事実のある場合には委託者が製造者と看做されること、製造者は製造を開始しようとする場合には所轄税務署に対しその旨の開始申告をなさなければならないことを規定しているのであるから、被告会社および被告人が仮に右申告をしなければならないことを知らなかつたとしてもそれは法の不知に過ぎず、これをもつて刑責を免れる理由とはならない。また証拠によれば通例の場合所轄税務署より当該人に対しいわゆる「看做し製造」に該当することを通知し所定の手続を採らせるようにしている事実を認めることができるけれども、それはこの看做し製造の適用要件に合致するか否かの判定は原料、労務、資金等の供給の程度によつて一様でないため、委託者においてあらかじめ看做製造に該当するか否かの判断をなすことが困難な場合が多く、事後において税金追徴の問題を生ずる等実際上の適用につき混乱を招く虞のあることに鑑みてとられる事実上の運用に過ぎないところ、本件問題になつているゴルフ用シヤフトについては委託者受託者共謀の上共に製造申告をしていないのであり、かつ前記認定(五)の如く所謂裏分は正規の帳簿に記載しないのは勿論、その存在を隠蔽する方法を採つているのであつて、当初より製造申告をなす意思は認められないのであるから、仮に所論のように所轄税務署の指導が適切でなかつたとしても、(この点については証拠によれば当時の税務署において被告会社等の業態の把握が十分でなかつたものと認められる。 ヤフトについては委託者受託者共謀の上共に製造申告をしていないのであり、かつ前記認定(五)の如く所謂裏分は正規の帳簿に記載しないのは勿論、その存在を隠蔽する方法を採つているのであつて、当初より製造申告をなす意思は認められないのであるから、仮に所論のように所轄税務署の指導が適切でなかつたとしても、(この点については証拠によれば当時の税務署において被告会社等の業態の把握が十分でなかつたものと認められる。)これをもつて申告することを知らなかつ 論のように所轄税務署の指導が適切でなかつたとしても、(この点については証拠によれば当時の税務署において被告会社等の業態の把握が十分でなかつたものと認められる。)これをもつて申告することを知らなかつたことにつき相当の理由があつたものとも税務署の指導の誤りの為製造開始申告をしないことについて故意過失のなかつたものともすることはできない。これらの点の所論はすべて理由がない。第二、 原判決判示第二の一の事実に関するもの。本件発覚および捜査の経緯を原判決挙示の証拠により、更に当審事実取調の結果を参酌して案ずるのに、次の事実を各認めることができこれを覆すに足りる証拠はない。即ち右証拠によれば、(一) 税務官署において他の事件の調査に基き被告会社に物品税逋脱の事実のある疑をいだき調査をなすに至つたが会社帳簿等の調査をもつてしてはその実情が判明しなかつたこと、(二) そのうち、被告会社が新宿駅より鉄道により品物を関西方面の顧客に送つていることが判り、同駅について調査した結果被告会社は関西方面の顧客に対しD運送店の手を通じて新宿駅より鉄道によりゴルフ用シヤフトを送付していたことが判明したこと、(三) よつて右D運送店について調査したところ、D運送店は被告会社の依頼により品物の輸送を鉄道に委託するに当り、被告会社の指示により依頼品のうちある物は発送人をCとし、あるものは発送人を荷受人本人とする形式を採り、かつ同運送店においては発送人を荷受人本人とした分を登載した帳簿と、これを除外した帳簿の二種の帳簿が作製ざれている事実が判明したこと、(四) この事実に関し被告人Eについて取調べた結果、右発送に当つて発送人をCとした分は所轄税務署に対し正式に移出申告をなし、かつ未納税移出承認申告をなしたものであるが(已に説明した表分と称していたもの)、 この事実に関し被告人Eについて取調べた結果、右発送に当つて発送人をCとした分は所轄税務署に対し正式に移出申告をなし、かつ未納税移出承認申告をなしたものであるが(已に説明した表分と称していたもの)、発送人を荷受人本人としたものは所轄税務署に対し未納税移出承認申告をなざないのは勿論、正式の移出申告も為さず従つて納税をもしていないものであること(已に説明した裏分と称したもの)、ならびにこの事実を隠匿するため会社備付の正式帳簿には右表分のみを記載し、裏分については何等の記載をもなさず、代金の決済もできるだけ現金にするなど右裏分の存在を明らかにするものは一切残さぬよう処置したことが判明した。 もの)、発送人を荷受人本人としたものは所轄税務署に対し未納税移出承認申告をなざないのは勿論、正式の移出申告も為さず従つて納税をもしていないものであること(已に説明した裏分と称したもの)、ならびにこの事実を隠匿するため会社備付の正式帳簿には右表分のみを記載し、裏分については何等の記載をもなさず、代金の決済もできるだけ現金にするなど右裏分の存在を明らかにするものは一切残さぬよう処置したことが判明した。よつて税務当局においては判明した古新宿駅より発送された表分および表分の荷物の重量を明らかにし、これに基きEについて裏分として送られたものの本数、品種別(ウツド、アイアン、パターン)を調査する一方、送り先につきその送付された事実の有無本数(但し増子輝のみはその品種別をも含む)についてその裏付調査をしたこと、(五) 右の如く裏分として鉄道により運送したものについて尋ねられた結果、被告人Eは右裏分の荷物の重量とこれと同じ頃に発送せられた表分の重量、本数、および種別(その内容は表分であるから帳簿等により明らかと認められる。)と対比し、かつ記憶を喚起して右裹分についてもその本数種別を定める裏分の一覧表を作成したものであること、(この認定に反する原審並に当審における被告人の供述は措信しない。)(六) 税務当局は右新宿駅発送以外の分のシヤフトについても被告人の供述を求めると共に移出先相手方についてこれが裏付捜査をなし、その裏分の本数種別を明らかにしたものであること、(七) 被告会社がかかる方法を採るに至つた理由は、被告会社より正規に未納税承認申告をするときは、 と共に移出先相手方についてこれが裏付捜査をなし、その裏分の本数種別を明らかにしたものであること、(七) 被告会社がかかる方法を採るに至つた理由は、被告会社より正規に未納税承認申告をするときは、移出先である得意先において右未納税分に相当する分だけ課税せられ、延いてその製品の販売価格がそれだけ高くなり、他との販売競争において不利を蒙るといら理由で得意先から要望されたためであり、被告会社においてもこの得意先の要求を退けることにより顧客の減少することを虞れたためであること、(八) 従つて被告人等においては右裏分につき終局的には物品税の逋脱を行うものであることを十分知つていたこと、の各事実を認めることができ従つて原判示第二の一に関する事実はすべてその証明は十分である。 製品の販売価格がそれだけ高くなり、他との販売競争において不利を蒙るといら理由で得意先から要望されたためであり、被告会社においてもこの得意先の要求を退けることにより顧客の減少することを虞れたためであること、(八) 従つて被告人等においては右裏分につき終局的には物品税の逋脱を行うものであることを十分知つていたこと、の各事実を認めることができ従つて原判示第二の一に関する事実はすべてその証明は十分である。そこで所論第三点法令違背の主張について按ずるに、所論は本件シヤフトの犯則数量、品名については被告人Eの自白が唯一の証拠であつて、これを補強すべき証拠はないから、これにより判示事実を認め被告人を有罪とした原判決は憲法第三八条に違反し破棄を免れないと主張する。なる程原判決の挙示する関係証拠を精査しても判示違反シヤフトの種別、その数量につき被告人の供述を直接裏付ける証拠のないことは誠に所論のとおりである。然しながら自白を補強すべき証拠は必しも自白にかかる犯罪構成事実の全部にわたつて直接もれなくこれを裏付けることを要しないのであつて、自白にかかる事実の真実性を保障し得るものであれば足りるものと解すべきものである。これを本件について見るのに被告人Eが本件犯則シヤフトの種別その数量を認めるに至つた経緯は前に証拠に基き認定したとおりであるところ、本件の如く当初より物品税を逋脱する目的で、物品を移出しながら正式の帳簿にはことさらに記載せず、他に右事実を記載した何等の書類も存在せ 認めるに至つた経緯は前に証拠に基き認定したとおりであるところ、本件の如く当初より物品税を逋脱する目的で、物品を移出しながら正式の帳簿にはことさらに記載せず、他に右事実を記載した何等の書類も存在せず、かつ相手方においても同一の目的の下にいわゆる裏分についてはこれが存在を証明する帳簿類の作成をことさらにしていないような場合にあつては、右に記述したような調査方法を取る以外、他に方法は認められないのでこの方法は適切妥当な調査方法であり、右の如く新宿駅よりいわゆる表分と裏分のシヤフトが送付されていることが明白であつて、右表分については帳簿類によりその種別数量を明らにすることができるのであるがこの表分のものと対比し記憶を喚起した上被告人が裏分の数量種別を定めている以上、前記の如き事情により認めうる証拠は被告人の自白の真実性を保障するに十分であるから被告人の自白の補強証拠がないとする所論は理由がない。 の方法は適切妥当な調査方法であり、右の如く新宿駅よりいわゆる表分と裏分のシヤフトが送付されていることが明白であつて、右表分については帳簿類によりその種別数量を明らにすることができるのであるがこの表分のものと対比し記憶を喚起した上被告人が裏分の数量種別を定めている以上、前記の如き事情により認めうる証拠は被告人の自白の真実性を保障するに十分であるから被告人の自白の補強証拠がないとする所論は理由がない。所論第六点、第七点の一法令違背の主張について所論は被告人には脱税の犯意がない。従つて本件をもつて物品税法第一九条第一号の課税申告を怠り又は詐つた場合として処罰するは格別、これを同法第一八条の脱税犯に該当するものとした原判決は法の解釈適用を誤つたものであるとし、その理由を縷々陳弁する。然しながら被告会社は看做製造者として原判決判示シヤフトを移出するに当つて所定の原材料免税承認を受けない限り法の定める税を納めなければならないのであつ<要旨第三>て、本件において脱税の意思があるというためには、被告会社が右原材料免税承認を受けていないこと、しかも</要旨第三>法の定める税金を納めないことの認識、および客観的に不正と認められる右脱税になる行為そのものに対する認識の存在をもつて足り、課税価額に相当する金員を着服するとかこれを利得する等所論のような事実の存在 の定める税金を納めないことの認識、および客観的に不正と認められる右脱税になる行為そのものに対する認識の存在をもつて足り、課税価額に相当する金員を着服するとかこれを利得する等所論のような事実の存在を認識することを要するものではないところ、被告会社等に右説明の脱税の認識のあつたことは証拠上明らかであるから、この点の論旨は理由がない。また物品税法第一九条は同法第一八条の成立しない場合に適用せられる一種の秩序罰規定であるところ、本件は前に証拠により認めたように被告会社は相手方移出先と相図り脱税の目的で前示いわゆる裏分については全然帳簿に記載しない等特別の取扱いをした案件であつて、かかる場合は物品税法第一八条にいう不正の行為と解するのが相当であるから、被告人等の右行為に同法条を適用し、同法第一九条を適用しなかつた原判決は正当であつて法の解釈適用を誤る等何等法令の違背はない。所論は独自の見解であつて採用することはできない。所論第五点(法令違背)の三中脱税犯は成立しないとの主張について(無申告製造犯は成立しない旨の主張の理由のないことは前に説明したとおりである)所論は被告会社は本件シヤフトにつき、課税標準額の申告をしていないのであるが、右は申告懈怠犯(物品税法第一九条)を構成するのは格別、同法第一八条第一項第二号に定める逋脱犯に該当するいわれはない。 等法令の違背はない。所論は独自の見解であつて採用することはできない。所論第五点(法令違背)の三中脱税犯は成立しないとの主張について(無申告製造犯は成立しない旨の主張の理由のないことは前に説明したとおりである)所論は被告会社は本件シヤフトにつき、課税標準額の申告をしていないのであるが、右は申告懈怠犯(物品税法第一九条)を構成するのは格別、同法第一八条第一項第二号に定める逋脱犯に該当するいわれはない。殊に被告会社が判示ゴルフクラブの部分品に過ぎないシヤフトを税込み価格で販売することは不可能であり、現に被告会社は本件いわゆる裏分のシヤフトも、正式に原材料免税移出申告をしている表分のシヤフトと同価格をもつて販売していたもので、その間自己において右物品税相当額を取得したことはないのであつて、国家の徴税権を侵害していないから、国家の徴税権の侵害を前提とする逋脱犯を構成するものはないと主張する。格をもつて販売していたもので、その間自己において右物品税相当額を取得したことはないのであつて、国家の徴税権を侵害していないから、国家の徴税権の侵害を前提とする逋脱犯を構成するものはないと主張する。<要旨第四>然しながら物品税法第一九条は秩序犯であつて、同条所定の構成要件に該当する行為が更に同法第一八条第</要旨第四>一項第二号の構成要件にも該当するときは、前者は後者に吸収され逋脱犯として処罰されるものと解するのが相当であり、かつ本件が右第一八条第一項第二号の構成要件を充足するものであることは前に説明したとおりであるから前段の所論は理由なく、また原材料免税の制度は第二種または第三種の物品、およびこれを使用して更に作られた第二種または第三種の物品の各製造過程毎に課税するときは二重課税を招くこととなり、この弊を避けるために原料または材料として使用した物品に対し課せられた税額を完成品の税額から控除して課する方法は、多種多様の物品を課税対象とする物品税においては、原料または材料として使用した物品が課税済であるか否か、およびその税額の確認等に技術的困難があるため、これらを避ける方法として採られた制度であるから、原材料免税に関する一定の手続を採らなかつた場合は、原料または材料として使用された第二種または第三種の物品に対しては原則通り課税されるのであつて、たとえ右原材料等の製造者において課税額に相当する価額を利得して居らず、かつこれを使用して製造された完成品について物品税が納税されたとしても、その原材料に課せらるべき物品税については免税の適用を受けることはできないものと解すべきであり、原材料につきこれが課税を不正に免れる場合は明らかに国家の徴税権を侵害するものであるから、本件において被告会社が所論のように何等課税額に相当する利得を得ていなかつたこ たとえ右原材料等の製造者において課税額に相当する価額を利得して居らず、かつこれを使用して製造された完成品について物品税が納税されたとしても、その原材料に課せらるべき物品税については免税の適用を受けることはできないものと解すべきであり、原材料につきこれが課税を不正に免れる場合は明らかに国家の徴税権を侵害するものであるから、本件において被告会社が所論のように何等課税額に相当する利得を得ていなかつたこ できないものと解すべきであり、原材料につきこれが課税を不正に免れる場合は明らかに国家の徴税権を侵害するものであるから、本件において被告会社が所論のように何等課税額に相当する利得を得ていなかつたことが認められるにしても、原判決判示認定行為が逋脱犯を構成することは明らかであつて、後段所論も理由なく、原判決にはこの点において事実の誤認も法令の違背もない。所論は理由がない。(その余の判決理由は省略する。)(裁判長判事石井文治判事山田鷹之助判事渡辺達夫)

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