- 1 -平成26年4月16日判決言渡同日原本交付平成24年(ワ)第24317号特許権侵害差止請求事件口頭弁論終結日平成26年2月21日判決埼玉県本庄市<以下略>原告株式会社エイワイシー同訴訟代理人弁護士林 康司同 友村明弘同補佐人弁理士小林徳夫東京都中央区<以下略>被告株式会社グロービア同訴訟代理人弁護士木下慎也同加藤丈晴 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,別紙物件目録1ないし7記載の各製品を製造し,譲渡し,輸出し,又はその譲渡の申出をしてはならない。 2 被告は,前項記載の各製品又はその半製品を廃棄せよ。 3 仮執行宣言第2 事案の概要 1 前提事実(証拠を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)(1) 当事者原告は,健康食品,食品添加物,化粧品,化粧品原料,健康器具の輸入及 - 2 -び販売等を目的とする株式会社である。 被告は,健康食品事業,サプリメントの研究,開発,販売等を目的とする株式会社である。 (2) 特許権及び専用実施権の内容〔甲1,2〕ア韓国の法人である訴外サイジェニック・カンパニー・リミテッド及びバイオシナジェン・インコーポレイテッド(以下「本件特許権者」という。)は,次の内容の特許権(以下「本件特許権」といい,その特許請求の範囲請求項1記載の特許発明を「本件発 カンパニー・リミテッド及びバイオシナジェン・インコーポレイテッド(以下「本件特許権者」という。)は,次の内容の特許権(以下「本件特許権」といい,その特許請求の範囲請求項1記載の特許発明を「本件発明」という。なお,本件発明に係る明細書及び図面を「本件明細書等」という。)を共有している。 発明の名称ハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれを含むトウキ抽出物を含有する痴呆予防及び治療用の組成物特許番号第4350910号出願日平成12年4月12日出願番号特願2000-610464登録日平成21年7月31日特許請求の範囲別紙特許公報写し(甲2)の特許請求の範囲請求項1記載のとおり。 イ原告は,本件特許権者から,地域を日本全国,期間を本件特許権の存続期間中,内容を全部とする専用実施権の設定を受け,平成24年3月5日,その旨の設定登録がされた(以下「本件専用実施権」という。)。 (3) 構成要件の分説本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである。 A フェルラ酸又はイソフェルラ酸であるハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの薬学的に許容される塩を痴呆の予防及び治療に有効量で含有するB 痴呆予防及び治療用の - 3 -C 組成物(4) 被告の行為別紙物件目録1ないし7記載の各製品(以下,同目録記載の番号に従って「被告製品1」などといい,これらの製品を総称して「被告各製品」という。)は栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であり,そのうち被告製品6は粒状のものであり,その余の製品はいずれも粉末状のものである。 被告は,被告各製品を業として,製造し,譲渡し,輸出し,及びその譲渡の申出を行っている。〔甲3の1ないし4,9の1及び2,乙6の1ないし4,19,20〕 2 本件は ずれも粉末状のものである。 被告は,被告各製品を業として,製造し,譲渡し,輸出し,及びその譲渡の申出を行っている。〔甲3の1ないし4,9の1及び2,乙6の1ないし4,19,20〕 2 本件は,本件特許権につき本件専用実施権を有する原告が,被告に対し,被告が業として製造し,譲渡し,輸出し,及びその譲渡の申出を行っている被告各製品は,本件発明の技術的範囲に属しており,本件専用実施権を侵害するとして,被告各製品の製造・販売等の差止め並びに被告各製品及びその半製品の廃棄を求める事案である。 3 本件の争点被告各製品は本件発明の技術的範囲に属するか(1) 構成要件Aの充足性(2) 構成要件Bの充足性(3) 構成要件Cの充足性第3 争点に関する当事者の主張 1 争点(1)(構成要件Aの充足性)〔原告の主張〕(1) 被告各製品は,その主成分としてフェルラ酸を含有しており,当該フェルラ酸の働きにより,アルツハイマー型認知症等の発症原因であるβアミロイドの凝縮を抑制する効果を有する。上記「認知症」とは,本件発明に係る特許出願当時に「痴呆」と呼ばれていたものが,「認知症」と言い換えら - 4 -れたものであり,「認知症」と本件発明の構成要件Aの「痴呆」は同義である。そして,認知症(痴呆)の発症原因を抑制することは,認知症(痴呆)の予防及び治療に相当し,特定の症状の発症原因を抑制することは,当該症状の予防及び治療に有効であることに相当する。 したがって,被告各製品は,本件発明の構成要件Aを充足する。 (2) これに対して被告は,本件発明がアルツハイマー型認知症の中核症状のみを対象とするものであると主張するが,本件発明の構成要件Aは「痴呆」をその構成としており,かかる限定はされていない。 その点をおくとしても,被 被告は,本件発明がアルツハイマー型認知症の中核症状のみを対象とするものであると主張するが,本件発明の構成要件Aは「痴呆」をその構成としており,かかる限定はされていない。 その点をおくとしても,被告は自身が行った特許出願(特開2012-6877。甲7)において,被告各製品が上記症状についても治療効果を有すると述べていたところである。 また,被告は,構成要件Aの「有効量」がいかなる量をもってそれに当たるかを原告が明らかにしていないと主張するが,「有効量」とは,認知症すなわち痴呆の予防及び治療との関係で薬理学的に効能を発揮すれば足りる量という意味であり,さらに下位概念である具体的な量をもって限定されるべき理由はない。 よって,被告の上記主張は理由がない。 〔被告の主張〕(1) 被告各製品がフェルラ酸を含有すること,一般論としてフェルラ酸にβアミロイドの凝縮を抑制する効果があることは認め,その余は否認する。 (2) フェルラ酸により予防及び治療の効果があるのはアルツハイマー型認知症の中核症状である短期記憶障害についてであるから,本件発明は,認知症の症状のうち,アルツハイマー型認知症の中核症状である短期記憶障害のみを対象としているというべきである。また,認知症の中核症状と周辺症状には直接の因果関係がなく,その治療方法も異なるのであり,中核症状を治せば周辺症状も消えるはずという考え方は誤りであり,このことは認知症診療の - 5 -専門家が断定するところである。 したがって,本件発明の構成要件Aの「痴呆」は,アルツハイマー型認知症の中核症状である短期記憶障害をいうものと解されるべきである。これに対して,被告各製品のうち被告製品1ないし6は,フェルラ酸のほかにガーデンアンゼリカも主成分としており,その効能は,フェルラ酸に含まれるポ 状である短期記憶障害をいうものと解されるべきである。これに対して,被告各製品のうち被告製品1ないし6は,フェルラ酸のほかにガーデンアンゼリカも主成分としており,その効能は,フェルラ酸に含まれるポリフェノールの抗酸化作用とガーデンアンゼリカによる精神的安定作用が期待されるものにすぎず,アルツハイマー型認知症の中核症状に対する実証的効果はない。また,被告製品7はフェルラ酸とバコパモニエラを主要成分としており,その有効成分であるパコサイド類が新しいニューロン形成のためのキナーゼに影響を与えて,結果として損傷したニューロンの修復を助けるなどの作用があるといわれているものであるが,βアミロイドの凝縮を抑制する効果を有するかは不明なものである。 したがって,この点において,被告各製品は,本件発明の構成要件Aを充足しない。 (3) また,原告は,構成要件Aの「痴呆の予防及び治療に有効量で含有する」のうち「有効量」について,いかなる量をもってそれに当たるのかを明らかにしていないし,被告各製品が「有効量」を含有することを立証していない。 仮に被告各製品に妄想や幻覚,興奮,うつといった症状に対する効果が認められるとしても,それらの症状は認知症の周辺症状にすぎず,本件発明が対象とするものではない。 したがって,この点においても,被告各製品は,本件発明の構成要件Aを充足しない。 2 争点(2)(構成要件Bの充足性)〔原告の主張〕被告各製品は,認知症を対象とする栄養補助食品(健康食品・サプリメント)として開発,製造,販売等されているものであり,上記1のとおり,「認 - 6 -知症」と「痴呆」は同義であるから,被告各製品が本件発明の構成要件Bを充足することは明らかである。 この点に関して被告は,本件発明がアルツハイマー型認知症の中核症状 とおり,「認 - 6 -知症」と「痴呆」は同義であるから,被告各製品が本件発明の構成要件Bを充足することは明らかである。 この点に関して被告は,本件発明がアルツハイマー型認知症の中核症状のみを対象とするものであるから,構成要件Bを充足しない旨主張するが,同主張に理由がないことは,前記1〔原告の主張〕(2)のとおりである。 〔被告の主張〕被告各製品は,栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であって,特定の疾患を対象とする医薬品ではなく,認知症を対象とするものではない。前記1〔被告の主張〕のとおり,本件発明は,アルツハイマー型認知症の中核症状である短期記憶障害のみを対象とするものであるから,本件発明の構成要件B「痴呆及び治療用の」とは,「アルツハイマー型認知症の中核症状の予防及び治療用の」と解されるべきであるところ,被告各製品は,当該症状を対象とするものではない。 したがって,被告各製品は,本件発明の構成要件Bを充足しない。 3 争点(3)(構成要件Cの充足性)〔原告の主張〕(1) 被告各製品は,栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であるところ,本件明細書等の段落【0025】には,本件発明がフェルラ酸を含む痴呆予防又は治療の効果を示す食品組成物を提供し,当該食品には健康食品が含まれる旨の記載があるから,上記栄養補助食品が構成要件Cの「組成物」に該当することは明らかである。 したがって,被告各製品は本件発明の構成要件Cを充足する。 (2) これに対して被告は,本件発明の構成要件Cの「組成物」から「食品」は除外されるべきであり,仮にそうでないとしても,被告が,上記「組成物」に「食品」が含まれると主張することは,包袋禁反言の原則に反すると主張する。 - 7 -しかし,まず,上記「組成物」は食品の構成を含む上 であり,仮にそうでないとしても,被告が,上記「組成物」に「食品」が含まれると主張することは,包袋禁反言の原則に反すると主張する。 - 7 -しかし,まず,上記「組成物」は食品の構成を含む上位概念であって,当然に「食品」を含むものであるから,被告が主張するように,それを薬事法上の医薬品に限る理由はない。 次に,包袋禁反言との主張について,原告が拒絶査定を受けて削除したのは平成18年12月13日提出の手続補正書による補正後の請求項7ないし12であるが,そのうち,請求項7は独立請求項で,請求項8ないし12は上記請求項7の従属項であり,上記補正後の請求項2は,上記請求項7ないし12と何ら従属関係がなく,上記拒絶査定において拒絶の対象とされたものではなかったし,原告は,上記請求項の削除をした「手続補正書(方式)」(乙16)においても,本件発明の内容から食品の構成を除外するかのような主張はしていない。この点,上記のとおり請求項の削除をしたのは,上記補正後の請求項2に係る「フェルラ酸又はイソフェルラ酸である」との限定を加えることで,より広い請求項1で権利化できることが見込まれたからである。以上のとおり,本件において,栄養補助食品が構成要件Cの「組成物」に該当するとの原告の主張に包袋禁反言の原則が適用されることはない。 したがって,被告の上記主張は失当である。 〔被告の主張〕被告各製品が栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であることは認め,その余は否認する。 構成要件Cの「組成物」とは,本件明細書等の段落【0025】の記載によれば,「痴呆予防又は治療の効果を示す食品組成物」を指すが,かかる効果を示すものであれば,それは薬事法上の医薬品でなければならないから,上記「組成物」から「食品」は除外されると解すべきである。 また 「痴呆予防又は治療の効果を示す食品組成物」を指すが,かかる効果を示すものであれば,それは薬事法上の医薬品でなければならないから,上記「組成物」から「食品」は除外されると解すべきである。 また,本件特許出願の審査過程をみると,原告は,本件特許権の出願当初明細書において,「組成物」に関する請求項とは別途に「食品組成物」に関 - 8 -する請求項を記載し,本件特許を食品の発明としても出願していたが,特許庁から,本願発明に係る食品は食品として新たな用途を提供するものとはいえないとして拒絶査定を受けたことから,当該請求項を全て削除して特許査定を得ている。この点,原告が,あえて「食品組成物」に関する請求項を立てたことや,平成18年12月13日付け「手続補正書」(乙12)による補正後の請求項7について「請求項1の組成物を食品の形態にしたもの」と主張したこと(乙11)に照らせば,原告が本件発明から「食品」の構成を除外していたことは明らかである。また,特許庁審査官も本件発明の「組成物」を医薬組成物と捉えて特許査定をしたものである。 このように,原告は,本件発明には「食品」は含まれないとして特許査定を得たのであるから,構成要件Cの「組成物」に「食品」を含むと主張することは,包袋禁反言の原則に反する。 したがって,被告各製品は,本件発明の構成要件Cを充足しない。 第4 当裁判所の判断 1 本件発明の意義(1) 本件明細書等には,次の記載がある。 (発明の背景)・「本願発明者らは,痴呆予防の薬剤の開発に努めた結果,韓国において心臓,肝臓,脾臓の疾患の治療に使用されてきたトウキの抽出物が,痴呆予防や治療についての予期しない高い活性を有することを見出した。」(段落【0005】)(発明の要旨)・「本発明の目的は,痴呆予防及び 臓,脾臓の疾患の治療に使用されてきたトウキの抽出物が,痴呆予防や治療についての予期しない高い活性を有することを見出した。」(段落【0005】)(発明の要旨)・「本発明の目的は,痴呆予防及び治療用の薬学組成物を提供することである。本発明のさらに他の目的は,痴呆予防及び治療の効果が有る機能性食品組成物を提供することである。」(段落【0006】)(発明の詳細な説明) - 9 -・「即ち,本発明のハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール又はこれらを含むトウキ抽出物は,ベータアミロイドによる神経毒性の誘発に重要な役割をする小膠細胞の活性を抑制することで脳組織を保護することができ,かつベータアミロイドによるChATの減少を防止して脳保護作用を示すことで痴呆予防及び治療の効果を示す。」(段落【0021】)・「化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール及びこれらを含むトウキ抽出物を通常の方法により適切の担体又は賦形剤と混合するか,又は稀釈剤で稀釈して痴呆治療用の薬学組成物を製造することができる。・・・製剤の形状は錠剤,丸薬,粉末,におい袋(sachet),エリキシル(elixir),懸濁液,エマルジョン,溶液,シロップ,エアロゾール,軟質又は硬質のゼラチンカプセル,滅菌注射溶液,滅菌粉末等の形態でも良い。」(段落【0023】)・「本発明の薬学組成物は,経口,経皮,皮下,静脈又は筋肉を含む複数の経路を通じて投与されることができる。化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール,トウキ抽出物の通常の1日投与量はそれぞれ0.5乃至50mg/kg体重,0.3乃至30mg/kg体重,5乃至500mg/kg体重の範囲である。それらは一度に投与されてもよく,また,分割して投与されてもよい。しかし,活性成分の実際の投 ぞれ0.5乃至50mg/kg体重,0.3乃至30mg/kg体重,5乃至500mg/kg体重の範囲である。それらは一度に投与されてもよく,また,分割して投与されてもよい。しかし,活性成分の実際の投与量は投与経路,患者の年齢,性別及び体重,及び患者の重症度等の様々な関連因子に鑑みて決定されるべきであり,よって,前記の投与量が本発明の範囲を限定するものではない。」(段落【0024】)・「一方,化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール又はトウキ抽出物は,痴呆予防又は治療の目的から食品に添加されることができる。従って,本発明はさらに有効量の化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール又はトウキ抽出物を含む,痴呆予防又は治療の効果を示す食品組成物を提供する。食品は様々な食料品,飲料品,ガム類, - 10 -茶類,ビタミン複合体,及び健康食品を含む。」(段落【0025】)・「痴呆予防食品の開発のために,化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール又はトウキ抽出物を食品の製造時に原料物質に添加するか,又は調理した食品に適宜混合して痴呆予防又は治療の効果が有る食品を製造することができる。この場合,最終的に製造された食品や飲料中における化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体,デクルシノール,トウキ抽出物の含量はそれぞれ0.05乃至10%,0.05乃至10%,1乃至40%の範囲でも良い。」(段落【0026】)・「実施例3:フェルラ酸の痴呆予防の効果トウキ抽出物中の一成分であるフェルラ酸の痴呆予防の効果を次のように確認した。」(段落【0038】)・「4-5週齢のマウス(体重20-25g)50匹を各群ごとに10匹づつ5つの群に分けた。フェルラ酸を0.002%(w/v),0.004%(w/v)及び0.00 確認した。」(段落【0038】)・「4-5週齢のマウス(体重20-25g)50匹を各群ごとに10匹づつ5つの群に分けた。フェルラ酸を0.002%(w/v),0.004%(w/v)及び0.006%(w/v)の濃度で各々水に溶解した。その溶液を3つの群のマウスに水の代わりに4週間摂取させており,その結果,1匹当り毎日約8mlが投与された。他の2つの群のマウスには普通の水を4週間供給した。その後,参考例1の方法により,フェルラ酸を投与していない群中の一群(対照群)のマウスにはベータアミロイド(42-1)を,残りの4つの群のマウスにはベータアミロイド(1-42)を各々1.85μgづつ脳室内へ投与した。脳室内への注射後に参考例2と同様に受動回避実験を実施した。10匹から平均値を求めており,その結果は図3aに示されている。」(段落【0039】)・「図3aに示すように,ベータアミロイド(1-42)のみを投与した群は対照群に比べて受動回避反応時間が有意に減少した。しかし,フェルラ酸を予防的に4週間投与した実験群では,投与したフェルラ酸に容量依存的に受動回避反応時間の減少が防止された。」(段落【0040】) - 11 -・「一方,フェルラ酸溶液を0.006%(w/v)の濃度で1,2,3,4週間投与することを除いては前記と同一の実験を繰り返して図3bと同じ結果を得ており,投与期間が増加するにつれて受動回避反応に対するフェルラ酸の効果が増加した。」(段落【0041】)・「同一の動物を使用して参考例3と同様にY-迷路実験を行った結果,ベータアミロイド(1-42)のみを投与した群に比べて,フェルラ酸を投与した群で交叉行動量が投与期間に比例して増加した(図4a)。しかし,この時の自発性運動量を示す通路通過の全回数は各群でほぼ同じであった(図 イド(1-42)のみを投与した群に比べて,フェルラ酸を投与した群で交叉行動量が投与期間に比例して増加した(図4a)。しかし,この時の自発性運動量を示す通路通過の全回数は各群でほぼ同じであった(図4b)。このような結果は,フェルラ酸溶液の効果が運動に影響を与えるのではなく,記憶に影響を与えて示されるのである。」(段落【0042】)・「一方,フェルラ酸とその異性質体であるイソフェルラ酸を各々0.006%(w/v)の濃度で4週間投与したことを除いては前記と同様に実施した結果,イソフェルラ酸投与群の受動回避反応時間がフェルラ酸投与群とほぼ同じに増加しているので,イソフェルラ酸がフェルラ酸と同一の痴呆予防の効果を示すことが図5から確認できた。」(段落【0043】)・「実施例5:フェルラ酸の脳細胞保護作用の確認(1)ベータアミロイド注射1日後のOX-42の免疫細胞化学染色4-5週齢のマウス(体重20-25g)を3つの群に分けてその中の一群にフェルラ酸を飲水に0.006%(w/v)の濃度で混合して4週間投与した。 他の2つの群のマウスには普通の水を4週間供給した。その後,参考例1の方法により,フェルラ酸を投与していない一群(対照群)のマウスにはベータアミロイド(42-1)を,他の2つの群のマウスにはベータアミロイド(1-42)を各々1.85μgづつ脳室内へ投与した。」(段落【0049】)・「・・・ベータアミロイド(1-42)のみを注射した群(図8b及び図8 - 12 -e)ではOX-42が対照群(図8a及び図8d)に比べて格段に増加したが,フェルラ酸の投与後にベータアミロイド(1-42)を注射した群(図8c及び図8f)では格段に減少した。」(段落【0052】)・「(2)ベータアミロイド投与5日後のChATの免疫細胞化学染色マ フェルラ酸の投与後にベータアミロイド(1-42)を注射した群(図8c及び図8f)では格段に減少した。」(段落【0052】)・「(2)ベータアミロイド投与5日後のChATの免疫細胞化学染色マウスを前記(1)と同様に3つの群に分けてフェルラ酸及び/又はベータアミロイドを投与し,5日が経過した後にコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)に対する抗体(Chemicon社)の1:750稀釈液を使用することを除いては前記(1)の方法と同一に実施してアセチルコリン神経細胞が分布する中隔核(septalnucleus)でアセチルコリン合成酵素であるChATを免疫細胞化学染色法により染色した。」(段落【0053】)・「その結果,ベータアミロイド(1-42)のみを投与した群(図9b)ではChATが対照群(図9a)に比べて減少したが,フェルラ酸の投与後にベータアミロイド(1-42)を注射した群(図9c)では減少が抑制された。」(段落【0054】)・「実施例6:フェルラ酸の神経細胞損傷防止の効果Wie等の方法(Neurosci. Lett., 225: 93-96(1997))により,マウスの大脳皮質細胞から神経膠細胞を培養した後,これを基質としてマウスの大脳神経細胞を培養した。」(段落【0055】)・「前記のように製造された神経細胞培養物を3つの群に分けた後,一群には何の処理をせず(対照群),他の2つの群にはベータアミロイド(1-42)を25μMの濃度で処理し,この中の一群にはベータアミロイドを投与する30分前にフェルラ酸を100μMの濃度で処理した。」(段落【0056】)・「神経細胞の損傷の程度は,前記Wie等の方法により,損傷及び破壊された培養細胞から細胞外の培養液中に放出乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度を測定することで確認 で処理した。」(段落【0056】)・「神経細胞の損傷の程度は,前記Wie等の方法により,損傷及び破壊された培養細胞から細胞外の培養液中に放出乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度を測定することで確認した。ベータアミロイドの投与後の24時間及び48時 - 13 -間の時点で各々細胞培養液のサンプルを取ってマイクロプレートリーダ(microplatereader)でLDHの濃度を測定した。」(段落【0057】)・「図10に示すように,ベータアミロイド投与群は対照群に比べてLDHの分泌が格段に増加したが,ベータアミロイドとフェルラ酸を投与した群ではLDHの分泌が格段に減少した。この結果から,フェルラ酸がベータアミロイド(1-42)による神経細胞の損傷を抑制することが確認できる。」(段落【0058】)(2) 上記各記載によれば,本件発明は,従来は心臓,肝臓,脾臓の疾患の治療に使用されてきたトウキの抽出物中に存在するフェルラ酸について,in-vivo試験(受動回避検査及びY-迷路試験),及びin-vitro試験(OX-42及びChATの免疫細胞化学染色,神経細胞培養)により,痴呆予防及び治療の効果があることを確認し,痴呆予防及び治療用という新たな用途に適用すべく,当該フェルラ酸,又はその異性体であるイソフェルラ酸を含有させた組成物について,特許請求の範囲請求項1に記載された構成とした発明である,と認められる。 2 争点(3)(構成要件Cの充足性)について本件の事案に鑑み,まず,被告各製品が,本件発明の構成要件Cを充足するか否かについて検討する。 (1) 「組成物」の意義構成要件Cの「組成物」とは,そのうち「組成」が,「複数の要素・成分をくみたてて成ること。また,その各要素・成分。」(広辞苑第5版)を意味することから, いて検討する。 (1) 「組成物」の意義構成要件Cの「組成物」とは,そのうち「組成」が,「複数の要素・成分をくみたてて成ること。また,その各要素・成分。」(広辞苑第5版)を意味することから,複数の要素・成分から組み立てて成った物と解するのが相当と認められるから,本件発明に関していえば,医薬組成物のみならず,食品組成物をも含む,これらの上位概念であると認められる。 したがって,構成要件Cの「組成物」は,その用語の意義としては,食品 - 14 -組成物が含まれると解される。 (2) 被告の包袋禁反言の主張についてアこの点に関して被告は,本件発明の出願経過に鑑みると,構成要件Cの「組成物」から食品組成物は除外されるべきであり,原告が上記「組成物」に食品を含むと主張することは包袋禁反言の原則に反して許されないところ,被告各製品は栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であるから,構成要件Cの「組成物」に該当しないと主張する。そこで,以下,この点について検討する。 イ本件特許の出願経過証拠(甲,乙4,9ないし16)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めるができ,同認定を覆すに足りる的確な証拠はない。 (ア) 本件特許権者が平成13年10月15日付けで提出した本件特許に係る国内書面における出願当初の請求項1,2及び8に係る特許請求の範囲の記載は,次のとおりであった。〔乙9〕【請求項1】下記の化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの薬学的に許容される塩を含有する痴呆予防及び治療用の組成物であって,【化1】 前記の式において,R1 はH又はCH3 であり,R2 は-CH=CHCOOH又は【化2】 - 15 -である前記組成物。 【請求項2】前記化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体がフ 記の式において,R1 はH又はCH3 であり,R2 は-CH=CHCOOH又は【化2】 - 15 -である前記組成物。 【請求項2】前記化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体がフェルラ酸又はイソフェルラ酸である請求項1に記載の組成物。 【請求項8】下記の化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの食品学的に許容される塩を含有する痴呆予防及び治療用の食品組成物であって,【化3】 前記の式において,R1 はH又はCH3 であり,R2 は-CH=CHCOOH又は【化4】 である前記食品組成物。 (イ) 特許庁審査官は,平成18年6月2日付け(起案日)で拒絶理由通知をした。その内容は,①引用文献(特開平4-210643号公報。以下「引用文献1」という。)には,クロロゲン酸が神経成長因子生合成促進作用を有し,アルツハイマー病の治療に有用である旨記載され,また,上記クロロゲン酸は食品に添加する旨記載されており,上記請求項1及び8に係る発明は上記引用文献に記載された発明である,②引用文献(乙28。特開平10-295325号公報。以下「引用文献2」という。)の請求項1には,トウキのアルコール抽出物を含有する食品が - 16 -記載されており,トウキのアルコール抽出物はフェルラ酸及びデクルシノールを含有するものと認められるところ,上記請求項8ないし10及び同12ないし14に係る発明の食品は,「痴呆予防及び治療用」の食品であって,引用文献2にはこの点について記載がないとはいえ,「痴呆予防及び治療用」なる記載を付加したことをもって,本願発明の食品と上記引用文献記載の食品を区別することはできない,などというものであった。〔乙10〕なお,引用文献2は,発明の名称を「健康食品」とするものであり,上記公開 したことをもって,本願発明の食品と上記引用文献記載の食品を区別することはできない,などというものであった。〔乙10〕なお,引用文献2は,発明の名称を「健康食品」とするものであり,上記公開特許公報の特許請求の範囲請求項1の記載は,次のとおりである。〔乙28〕「せり科のニホントウキ,ミヤマトウキ,アシタバ,ゆり科のキダチアロエ,おとぎりそう科のオトギリソウ,どくだみ科のドクダミ,くわ科クワ,つりふねそう科のホウセンカ,さといも科のセキショウ,ばら科のビワの1種類または2種類以上をアルコールで抽出した後,糖分を加え生成した沈殿物と上清とに分離することを特微とする多機能性物質(SOD)を含有する健康食品。」(ウ) 本件特許権者は,平成18年12月13日付け手続補正書(乙12)により,上記請求項1及び8(同手続補正書による補正後の請求項1及び7)等に係る特許請求の範囲を次のとおり補正した。 【請求項1】下記の化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの薬学的に許容される塩を痴呆の予防及び治療に有効量で含有する痴呆予防及び治療用の組成物であって,【化1】 - 17 - 前記の式において,R1 はH又はCH3 であり,R2 は-CH=CHCOOH又は【化2】 である前記組成物。 【請求項7】下記の化学式Iのハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの食品学的に許容される塩を痴呆の予防及び治療に有効量で含有する痴呆予防及び治療用の食品組成物であって,【化3】 前記の式において,R1 はH又はCH3 であり,R2 は-CH=CHCOOH又は【化4】 である前記食品組成物。 この点に関して本件特許権者は,平成18年12月13日付け意見書 - 18 -(乙4)において,上記補正後の請求項1及び 2 は-CH=CHCOOH又は【化4】 である前記食品組成物。 この点に関して本件特許権者は,平成18年12月13日付け意見書 - 18 -(乙4)において,上記補正後の請求項1及び7について,記載成分が「痴呆の予防及び治療に有効量で」含有されていることを明確にしたと主張した。ほかに,本件特許権者は,上記補正後の請求項1及び7に関して,引用文献1等がそれらの請求項におけるハイドロキシシンナム酸誘導体等の「痴呆の予防及び治療における有効量」について開示も示唆もしていない旨や,引用文献2が上記補正後の請求項7におけるハイドロキシシンナム酸誘導体等の「痴呆の予防及び治療における有効量」について開示も示唆もしていない旨等を主張した。 なお,本件特許権者は,上記補正後の請求項7について,同請求項は,上記補正後の請求項1の組成物を食品の形態にしたものであると述べた。 〔乙4〕(エ) 特許庁審査官は,平成20年7月1日付けで拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせないとして拒絶査定をした。その際,特許庁審査官は,拒絶査定の備考として,①引用文献1にクロロゲン酸がアルツハイマーの治療に有用であることが記載されているに等しく,上記補正後の請求項1及び7に係る発明は,上記引用文献に記載された発明である,②引用文献2も上記補正後の請求項7ないし12に係る発明も,ともに食品として利用されるものであり,「痴呆の治療及び予防」なる記載を付加したことをもって本願発明の食品が食品として新たな用途を提供するものとはいえない旨述べた。〔乙13〕(オ) 本件特許権者は,平成20年9月29日付け(乙14)及び同年10月29日付け(乙15)各手続補正書により,上記補正後の請求項2に記載した限定事項を上記補正後の請求項1に追加し,もって,請求項1に係る特許 許権者は,平成20年9月29日付け(乙14)及び同年10月29日付け(乙15)各手続補正書により,上記補正後の請求項2に記載した限定事項を上記補正後の請求項1に追加し,もって,請求項1に係る特許請求の範囲の記載を,「フェルラ酸又はイソフェルラ酸であるハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれの薬学的に許容される塩を痴呆の予防及び治療に有効量で含有する痴呆予防及び治療用の - 19 -組成物。」(本件発明)と補正するとともに,上記補正後の請求項7ないし12等を削除した。 この点に関して本件特許権者は,同年12月10日付け手続補正書(乙16)において,①引用文献1には,フェルラ酸又はイソフェルラ酸がアルツハイマーの治療に有用であることは記載されておらず,本件発明は引用文献1に記載された発明ではないと主張し,また,②上記請求項の削除により,上記補正後の請求項7ないし12に係る発明が引用文献2に記載された発明であるとの拒絶理由は解消された,などと主張した。その一方で本件特許権者は,上記請求項の削除をしたとはいえ,本件明細書等の段落【0006】,【0025】及び【0026】の記載を出願当初のままとし,また,本件発明の「組成物」の意義に関して何ら主張しなかった。〔乙16〕(カ) 特許庁審査官は,上記(オ)の補正に対して,平成21年5月26日付けで本件特許出願につき特許査定をした。〔乙17〕ウ上記イで認定した本件特許の出願経過,特に,本件特許権者が,前記イ(エ)の拒絶査定における拒絶理由を受けて,前記イ(オ)においていわゆる「食品組成物」クレームである出願当初の請求項8ないし13(前記イ(ウ)における補正後の請求項7ないし12)を削除した補正の経過に鑑みると,本件特許権者は,上記の「食品組成物」クレームである出願当初の請求項8ないし1 ムである出願当初の請求項8ないし13(前記イ(ウ)における補正後の請求項7ないし12)を削除した補正の経過に鑑みると,本件特許権者は,上記の「食品組成物」クレームである出願当初の請求項8ないし13(前記イ(ウ)における補正後の請求項7ないし12)を,いわゆる「組成物」クレームである前同請求項1ないし7(前同請求項1ないし6)とは別途に,かつ,この「組成物」クレームの用途である「痴呆予防及び治療用」と同じ用途の発明として出願し,前者の請求項(「食品組成物」クレーム)には「食品学的に許容される塩」と,後者の請求項(「組成物」クレーム)には「薬学的に許容される塩」と記載していたこと,本件特許権者は,出願当初の請求項8ないし13(前記イ(ウ) - 20 -における補正後の請求項7ないし12)について,特許庁審査官から,当該請求項に係る発明は,食品として新たな用途を提供するものではなく,健康食品の発明である引用文献2に対して新規性を有しないとして拒絶査定がされたことを受け,その対応として当該請求項を全て削除し,その結果,特許査定がされたものであること,以上の出願経過に鑑みると,特許庁審査官は,出願当初の請求項1ないし7(前記イ(ウ)における補正後の請求項1ないし6)記載の発明は,その文言が単なる「組成物」であってもそれが医薬組成物に係る発明であることを前提とし,また,前同請求項8ないし13(前同請求項7ないし12)記載の発明は食品組成物に係る発明であることを前提とした上で審査し,前同請求項1ないし7に係る発明について引用文献2を適用して新規性を有しないとはしない一方で,前同請求項8ないし13に係る発明については,引用文献2との関係で新規性を有しないとして拒絶査定をすると,本件特許権者が当該請求項を全て削除する補正をしたことから,本件発 有しないとはしない一方で,前同請求項8ないし13に係る発明については,引用文献2との関係で新規性を有しないとして拒絶査定をすると,本件特許権者が当該請求項を全て削除する補正をしたことから,本件発明がもはや食品組成物に係る発明を含まない医薬組成物に係る発明であることが明らかになり,さらに,前記イ(オ)の「フェルラ酸又はイソフェルラ酸である」との記載を追加する補正により,引用文献1との関係でも新規性が肯定できるとして,本件発明について特許査定をしたものと認められ,本件特許権者においては,かかる特許庁審査官の認識を前提に対応して,前記イの補正を経て本件発明の特許査定に至ったものと認められる。 また,本件発明は,痴呆「予防『及び』治療用の」組成物であると記載されるところ,食品は治療の用途で用いられるものではないから,痴呆の予防のみならず「治療用の」組成物でもあるとした上記記載の組成物は,食品組成物ではなく,医薬組成物であると解するのが自然である。 そうすると,上記出願経過を経て,特許査定がされた本件発明において,原告が,構成要件Cの「組成物」になお,食品組成物が含まれると解され - 21 -るとして,被告各製品が本件発明の技術的範囲に属すると主張することは,禁反言の原則により許されないと解するのが相当である。 したがって,被告の前記包袋禁反言の主張は理由がある。 エ原告の主張についてこれに対して原告は,本件発明は削除した請求項と何ら従属関係がなく,拒絶査定において拒絶の対象とされたものではなく,原告が本件発明の内容から食品の構成を除外するかのような主張をしたことはないから,被告各製品のような食品であっても,構成要件Cの「組成物」に含まれると主張する。 しかし,前記ウの認定判断のとおり,本件特許権者は「組成物」クレームの他に するかのような主張をしたことはないから,被告各製品のような食品であっても,構成要件Cの「組成物」に含まれると主張する。 しかし,前記ウの認定判断のとおり,本件特許権者は「組成物」クレームの他に,同じ用途の「食品組成物」クレームを出願していたところ,前記イで認定した拒絶理由及び拒絶査定における特許庁審査官の判断の内容からすれば,特許庁審査官は前者を医薬組成物に係る発明として,後者を食品組成物に係る発明として認識した上で各引用文献との対比を行って審査し,本件特許権者はかかる特許庁審査官の認識を前提に補正をし,その結果,本件発明につき特許査定を受けたものと認められるから,本件発明が削除した請求項と何ら従属関係がなくとも,原告が本件発明の内容には食品組成物は含まれないことを当然の前提として補正したことは明らかというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 そして,原告のその余の主張も上記認定判断を左右しない。 (3) 被告各製品の「組成物」充足性について以上を前提に,被告各製品が構成要件Cの「組成物」に該当するかについて検討すると,証拠(甲3の1ないし4,5,6,8,9の1及び2,乙6の1ないし4,19,20)及び弁論の全趣旨によれば,被告各製品は,いずれも栄養補助食品(健康食品・サプリメント)であり,食品組成物に当た - 22 -ることは明らかであるから,本件発明の構成要件Cの「組成物」に該当しないと認めるのが相当である。 したがって,被告各製品は,構成要件Cを充足しない。 3 まとめよって,被告各製品は,本件発明の技術的範囲に属しない。 4 結論以上のとおり,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 製品は,本件発明の技術的範囲に属しない。 4 結論以上のとおり,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 東海林保 裁判官 実本滋 裁判官 足立拓人 (別紙)物件目録 以下の各製品 1 商品名「Newフェルガード」 2 商品名「フェルガード100」 3 商品名「フェルガード100M包接体」 4 商品名「フェルガード100M包接体ハーフ」 5 商品名「NewフェルガードLA包接体」 6 商品名「NewフェルガードT」 7 商品名「フェルガードB包接体」
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