【DRY-RUN】主 文 原告の請求は、棄却する。 訴訟費用は、原告の負担とする。 この判決に対する上告のための附加期間を三月とする 事 実 第一 当事者の求めた裁判 原告訴訟代理人は、「特許庁
主 文 原告の請求は、棄却する。 訴訟費用は、原告の負担とする。 この判決に対する上告のための附加期間を三月とする 事 実 第一 当事者の求めた裁判 原告訴訟代理人は、「特許庁が、昭和四十八年三月二十七日、同庁昭和四二年審 判第七、三八九号事件についてした審決は、取り消す。訴訟費用は、被告の負担と する。」との判決を求め、被告指定代理人は、主文第一、二項同旨の判決を求め た。 第二 請求の原因 原告訴訟代理人は、請求の原因として、次のとおり述べた。 一 特許庁における手続の経緯 原告は、昭和四十一年一月七日、別紙記載のとおり、欧文字二字と数字一字とを 組み合せた「VO5」及び片仮名文字「ブイオーフワイブ」を上下二段に横書にし た構成の商標について、商標法施行令別表第一類「化学品(他の類に属するものを 除く。)、薬剤、医療補助品」を指定商品として、商標登録出願をしたところ、昭 和四十二年六月二十四日、拒絶査定を受けたので、同年十月十二日、これに対する 審判請求をし、同年審判第七、三八九号事件として審理されたが、昭和四十八年三 月二十七日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決があり、その謄本 は、同年六月二十一日、原告に送達(出訴期間として三月附加)された。 二 本件審決理由の要点 本願商標の構成は、前項掲記のとおりであるが、この「VO5」のように、欧文 字二字と数字一字とを組み合せたものは、一般に商品の種別又は型式を表示するた め、取引上普通に使用されているところであるとともに、その下に並記された「ブ イオーフワイブ」の文字も、「VO5」に相応する振仮名的附記にすぎないものと いうのが、取引の実情に照らし相当とするから、本願商標は、商標法第三条第一項 第五号に該当し、登録することができない。 三 本件審決を取り消すべき事由 本願商標の構 応する振仮名的附記にすぎないものと いうのが、取引の実情に照らし相当とするから、本願商標は、商標法第三条第一項 第五号に該当し、登録することができない。 三 本件審決を取り消すべき事由 本願商標の構成及びその指定商品が本件審決認定のとおりであることは争わない が、本件審決は、本願商標をもつて、きわめて簡単でかつありふれた標章のみから なる商標であるとした点において認定を誤つたものであり、違法として取り消され るべきである。すなわち、 (一) 「VO5」の部分は、本願商標の指定商品の種別、規格、型式を表示する 記号ではない。本願商標の指定商品の取引分野においては、本願商標のように、欧 文字二字と数字一字とを組み合せた標章が、商品の種別、規格、型式を表示する記 号として使用されるという例はない。このような組合せの中には、取引上商品の規 格、型式等を表示する記号を意味するものもないではないが、記号として使用する ときには、商標をその前後に配したりするのが取引の一般的傾向であるから、そう した配置のない本願商標においては、「VO5」の部分は商品の規格、型式の記号 そのものではない。 (二) 「ブイオーフワイブ」の部分は、「VO5」の振仮名的附記ではない。た とえ「VO5」が商品の規格、型式を表示するものであるとしても、それは「ブイ オーゴ」又は「ブイオーゴバン」と呼ばれるのが通常であり、英語的に「ブイオー フワイブ」と一連に呼ぶ称呼は、特に数字部分に着目すれば、商品の規格、型式等 としてではなく、むしろ商標としての称呼である。また、商品取引界において一般 に使用されている規格、型式は、欧文字と数字を組み合せたもののみを商標等に並 記して、その発音は表記しない傾向にあり、しかも、欧文字二字の表音を片仮名文 字であらわしたものが商標として使用される傾向にある(甲第六号証の一から五 十 、欧文字と数字を組み合せたもののみを商標等に並 記して、その発音は表記しない傾向にあり、しかも、欧文字二字の表音を片仮名文 字であらわしたものが商標として使用される傾向にある(甲第六号証の一から五 十)から、取引者、需要者としては、「VO5」の部分を規格、型式をあらわすも のと考えても、「ブイオーフワイブ」の部分をその振仮名的注釈と解釈するもので はない。 (三) 本願商標は、「VO5」の部分とこれに並書した片仮名文字「ブイオーフ ワイブ」の部分とが組み合されて構成されているものである。したがつて、「VO 5」の部分は特別顕著性がないとしても、本願商標は、全体として、きわめて簡単 でかつありふれた標章のみからなる商標ではない。 第二 被告の答弁 被告指定代理人は、請求の原因に対する答弁として次のとおり述べた。 原告主張の事実中、本件に関する特許庁における手続の経緯、本願商標の構成及 び指定商品並びに本件審決理由の要点が、いずれも原告主張のとおりであることは 認めるが、その余は争う。本件審決の認定ないし判断は正当であり、原告主張のよ うな違法の点はない。本願商標のうち「VO5」の部分は、指定商品の規格、型式 を表示するにすぎず、「ブイオーフワイブ」の部分は、これに対する振仮名的附記 にすぎないから、全体として、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商 標とみるべきものである。すなわち、 (一) ローマ字二字と数字とを結合した標章が商品の種別又は型式を表示するた め普通に使用されていることは、取引上顕著な事実であり、本願商標の指定商品に ついても例外ではないから、本願商標における「VO5」の文字は、指定商品の種 別、規格、型式を表示するにすぎない。 (二) 本願商標における「ブイオーフワイブ」の部分は、「VO5」の部分の下 に並べて記載されており、しかも、「VO5」を における「VO5」の文字は、指定商品の種 別、規格、型式を表示するにすぎない。 (二) 本願商標における「ブイオーフワイブ」の部分は、「VO5」の部分の下 に並べて記載されており、しかも、「VO5」を規格、型式を表わす品番とみた場 合の呼び名に則した振仮名である以上、その上に並記した「VO5」が規格、型式 を表示するものであることを限定的に明示し、取引者、需要者がこれを商標と誤解 しないよう念のため附記された注釈的な断り書であるとみるのが相当である。 第三 証拠関係(省略) 理 由 (争いのない事実) 一 本件に関する特許庁における手続の経緯、本願商標の構成及び指定商品並びに 本件審決理由の要点が、いずれも原告主張のとおりであることは、当事者間に争い がない。 (本件審決を取り消すべき事由の有無について) 二 原告は、本件審決が、本願商標をもつて、きわめて簡単でかつありふれた標章 のみからなる商標であるとしたのは認定を誤つたものであり、違法として取り消さ れるべきものである旨主張するが、この主張は、以下に説示するとおり、理由がな いものといわざるをえない。すなわち、本願商標のうち「VO5」の部分が商標法 第三条第一項第五号にいう「きわめて簡単」な標章に当たるとするを相当とするこ とは、当事者間に争いのない本願商標の構成に徴し明らかというべきところ、成立 に争いのない乙第二、第三号証の各二に本件口頭弁論の全趣旨を参酌すると、右 「VO5」のように、欧文字二字と数字一字とからなる標章が商品の種別、型式な どを表示するものとして取引上、本願商標の指定商品である化学品、薬剤等を含む 種々の商品部門において、普通に使用されている事実を肯認しうべく、これを左右 するに足る証拠はないから、右「VO5」の部分は、欧文字二字と数字一字とを組 み合せた標章である意味において、 、薬剤等を含む 種々の商品部門において、普通に使用されている事実を肯認しうべく、これを左右 するに足る証拠はないから、右「VO5」の部分は、欧文字二字と数字一字とを組 み合せた標章である意味において、前記法条にいう「ありふれた標章」の範疇に属 するものとみるを相当とする。原告は、右部分のように欧文字二字と数字一字を組 み合せたものの中には、取引上、商品の規格、型式等を表示する記号を意味するも ののあることを認めつつも、少なくとも本願商標の指定商品の取引分野において は、このような組合せの標章が商品の種別等を表示する記号として使用される例は ない旨主張するが、その主張が事実に添わないものであることは前認定の事実に徴 し明らかであるのみならず、前記法条にいう「ありふれた標章」に当たるかどうか は、必ずしもその指定商品と係りのないことであるから(商標法第二条第一項参 照)、原告の前示主張は、採用しうべき限りではない。また、本願商標のうち「ブ イオーフワイブ」の部分が、本願指定商品の取引者、需要者間において、その大き さ、書体に係りなく、その上部に併記された「VO5」の部分の称呼を特定する振 仮名的役割を果すものとして理解されるであろうことは、両者の構成、特にその関 係位置及び後者が欧文字を含むに対し前者が片仮名文字のみからなるものであるこ とからみて、経験則上、きわめて明らかなところというべく、これを左右するに足 る証拠資料はない。しかして、本願商標のうち「VO5」の部分が、きわめて簡単 で、かつ、ありふれた標章というべきものであること前認定のとおりである以上、 該部分とこれに対する振仮名的存在であり、したがつて、これと称呼を同じくする 片仮名部分とを前記のように併記した本願商標もまた、全体として、きわめて簡単 で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべく、もともと、きわめ 振仮名的存在であり、したがつて、これと称呼を同じくする 片仮名部分とを前記のように併記した本願商標もまた、全体として、きわめて簡単 で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべく、もともと、きわめて簡単 で、かつ、ありふれた標章である「VO5」の部分に、これと称呼を同じくする片 仮名部分を併記(附記というのは妥当ではない。)したからといつて、直ちに、き わめて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標の域を脱したものとみるの は相当ではなく、これを左右するに足る適確な証拠はない(原告の挙示援用する甲 第六号証の一から五十一、第七号証の一から三七の登録例が、本件に関する当該裁 判所の右の判断にいささかの消長を及ぼしうべきものでないことはいうまでもな い)。(ちなみに、本件審決のこの点に関する説示は、必ずしも理をつくしたもの とはいいがたいが、そのいわんとするところは、叙上の説示と趣を同じくするもの と解されないではない。) (むすび) 三 叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由 に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものといわざるをえな い。よつて、これを棄却することとし、行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八十 九条及び第百五十八条第二項の規定を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官 三宅正雄 中川哲男 橋本攻) 別紙 <11842-001>
▼ クリックして全文を表示