主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟の総費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求(主位的請求)東京都新宿都税事務所長が原告に対し平成20年6月2日付けでした別紙物件目録記載の家屋に係る平成20年度の固定資産税賦課決定処分のうち176万1000円を超える部分及び都市計画税賦課決定処分のうち37万7300円を超える部分を取り消す。 (予備的請求)東京都固定資産評価審査委員会が原告に対して平成21年3月6日付けでした別紙物件目録記載の家屋に係る平成20年度固定資産課税台帳の登録価格についての審査の申出に対する決定を取り消す。 第2 事案の概要等東京都新宿都税事務所長(以下「処分行政庁」という。)が,別紙物件目録記載の鉄骨造陸屋根地下1階付10階建建物(以下「本件ビル」という。)の所有者である原告に対し,本件ビルの建物内に設置されている昇降機設備(エレベーター。以下「本件昇降機設備」という。)を含めて本件ビルを評価して定めた固定資産課税台帳の登録価格に基づいて,固定資産税及び都市計画税の各賦課決定処分をしたところ,原告が,本件昇降機設備は,本件ビルとは別個の固定資産であり,原告ではなく株式会社A(以下「A」という。)が所有しているからこれを原告所有の本件ビルの評価に算入するのはおかしいと主張して,東京都固定資産評価審査委員会(以下「審査委員会」という。)に対し,本件ビルに係る固定資産課税台帳の登録価格の見直し(減額)を求めて審査の申出(地方税法432条1項)をしたところ,それは固定資産評価審査委員 資産評価審査委員会(以下「審査委員会」という。)に対し,本件ビルに係る固定資産課税台帳の登録価格の見直し(減額)を求めて審査の申出(地方税法432条1項)をしたところ,それは固定資産評価審査委員会が行う審査事項ではない として却下された。また,原告が,東京都知事に対し,上記各賦課決定処分の取消しを求めて審査請求をしたがこれが棄却された。 そこで,主位的に,上記固定資産税賦課決定処分及び都市計画税賦課決定処分は,原告以外の者が所有する本件昇降機設備について原告に賦課したものであるから違法であるなどとしてその一部の取消しを求め,予備的に,審査委員会の上記却下決定は,審査の申出ができる事項に該当するのにこれに該当しないとしたもので違法であるなどと主張して,上記却下決定の取消しを求めたという事案である。 なお,地方税法432条1項は,固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある場合においては,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができるとし,同条3項は,同条1項の規定により審査の申出ができる事項については,固定資産税の賦課処分についての不服申立てにおいて不服の理由とすることができない旨定め,同法434条1項は,固定資産評価審査委員会の決定に不服があるときは,その取消しの訴えを提起でき,同条2項は,同法432条1項の規定により固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができる事項について不服がある固定資産税の納税者は,同項及び同法434条1項の規定によってのみ争うことができる旨定めている。なお,都市計画税についても,固定資産税についての不服申立ての例によるものとされている(同法702条の8第2項)。 1 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実は末尾にその証拠を掲記した。)(1) 当事者 も,固定資産税についての不服申立ての例によるものとされている(同法702条の8第2項)。 1 争いのない事実等(証拠により容易に認められる事実は末尾にその証拠を掲記した。)(1) 当事者及び本件ビル等原告は,平成19年1月10日に,鉄骨造陸屋根地下1階付10階建て,延べ床面積約1140平方メートルの本件ビルを新築して所有し,本件ビル新築の際に本件ビル内に本件昇降機設備を設置した。(甲1,3,乙6)(2) 本件各処分の経緯ア本件ビルの平成20年度固定資産課税台帳の登録価格は,本件昇降機設備 も本件ビルと一体のものとして評価し1億3606万7600円(以下「本件登録価格」という。)とされた。 イ本件昇降機設備について,平成19年6月4日,同年5月18日の売買により原告からAに譲渡された旨の動産譲渡登記がされた。(甲2)ウ Aは,平成20年2月5日,本件昇降機設備を自ら所有する償却資産として処分行政庁に申告したが,処分行政庁は,A所有の償却資産として認めなかった。(甲4,5)エ処分行政庁は,平成20年6月2日,原告に対し,本件ビルの平成20年度の固定資産税につき,その課税標準額を1億3606万7600円,納付税額を190万4900円とする賦課決定処分,及び本件ビルの平成20年度の都市計画税につき,その課税標準額を1億3606万7600円,納付税額を40万8200円とする賦課決定処分をし(以下「本件各処分」という。),納税通知書をもって原告にその旨通知した。(乙1)(3) 本件各処分に対する不服申立ての経緯ア原告は,平成20年7月30日,審査委員会に対し,本件昇降機設備がAの所有する地方税法所定の償却資産であるのにこれを本件ビルと一体のもの (3) 本件各処分に対する不服申立ての経緯ア原告は,平成20年7月30日,審査委員会に対し,本件昇降機設備がAの所有する地方税法所定の償却資産であるのにこれを本件ビルと一体のものとして評価した誤りがあることを理由として,本件登録価格を本件昇降機設備の価格を除外した価格に減額修正するように求め,地方税法432条1項の規定に基づき審査の申出をした(以下「本件審査申出」という。)。(甲18)これに対し,審査委員会は,平成21年3月6日,本件昇降機設備が家屋評価に含まれるか否かについての判断は,本件ビルの家屋としての範囲の確定,すなわち課税客体の範囲の確定によるものであり,固定資産課税台帳に登録された価格に対する不服には当たらず,地方税法432条1項の規定により固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる事項には当たらないとして,本件審査申出を却下する旨の決定をし(以下「本件決定」と いう。),原告は,同月10日,本件決定書の正本を受領した。(甲18,弁論の全趣旨)イまた,原告は,平成20年8月4日,東京都知事に対し,本件各処分は,Aが所有する本件昇降機設備に係る固定資産税及び都市計画税を原告に賦課したものであることを理由に,本件各処分の取消しを求めて審査請求をした(以下「本件審査請求」という。)。(甲6)これに対し,東京都知事は,平成21年3月3日,本件昇降機設備は,本件ビルに付合し,本件ビルの所有者である原告がその所有権を取得したものであるとして,原告の審査請求を棄却する旨の裁決をした(以下「本件裁決」という。)。(甲6)(4) 本件訴訟の経緯ア原告は,平成21年6月30日,東京地方裁判所に対し,訴状を提出し,本件各処分の取消しを求める 却する旨の裁決をした(以下「本件裁決」という。)。(甲6)(4) 本件訴訟の経緯ア原告は,平成21年6月30日,東京地方裁判所に対し,訴状を提出し,本件各処分の取消しを求める訴えを提起し(以下「甲事件」という。),さらに,平成22年2月1日,東京地方裁判所に対し,訴えの追加的併合申立書を提出し,本件決定の取消しを求める訴えを上記訴えに選択的追加的に併合して提起した(以下「乙事件」という。)。 イ東京地方裁判所は,平成22年9月29日,本件決定を取り消す旨の判決を言い渡したところ,被告は,同年10月12日,控訴した。 ウ原告は,東京高等裁判所における控訴審において,本件各処分の取消しを求める訴えを主位的請求とし,本件決定の取消しを求める訴えを追加的予備的請求とする旨述べた。 エ東京高等裁判所は,平成23年3月29日,原判決を取り消し,本件を東京地方裁判所に差し戻した。 2 関係法令の定め本件の関係法令は,別紙「関係法令の定め」に記載したとおりである。 3 本件の争点 (主位的請求について)本件各処分は,本件ビルの固定資産税及び都市計画税について,本件ビルとは別個の固定資産である本件昇降機設備を控除せずに評価したものであって違法であるか否か(以下「争点1」という。)。 (予備的請求について)(1) 乙事件に係る訴え提起は,出訴期間を徒過した不適法なものか否か(以下「争点2」という。)。 (2) 本件決定は,本件審査申出が固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる事項に当たるにもかかわらずこれに当たらないとしたものであり,違法であるか否か(以下「争点3」という。)。 4 争点に関する当事者の 査申出が固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる事項に当たるにもかかわらずこれに当たらないとしたものであり,違法であるか否か(以下「争点3」という。)。 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(本件各処分は,本件ビルの固定資産税及び都市計画税について,本件ビルとは別個の固定資産である本件昇降機設備を控除せずに評価したものであって違法であるか否か)について(原告の主張)ア地方税法341条4号は,同法にいう償却資産とは,土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で,その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるものをいうと規定しているところ,法人税法2条23号,法人税法施行令13条1号,所得税法2条1項19号,所得税法施行令6条1号等は,昇降機設備を減価償却資産として規定し,法人税法又は所得税法は,昇降機設備を建物とは別個の独立した減価償却資産として認めているのであるから,昇降機設備は,地方税法上の償却資産に当たる。 イ今日の経済取引上,昇降機設備その他の家屋設備等は,家屋の躯体と峻別され,独立した動産として取引の対象とされており,また,特定性,独立性のある動産の譲渡による物権変動については,動産及び債権の譲渡の 対抗要件に関する民法の特例等に関する法律に基づく登記による公示制度が置かれているところ,本件昇降機設備は,原告からAに譲渡されたことに伴い,上記法律に基づく動産譲渡登記がされている。そして,本件昇降機設備は,規格標準品で,専用の機械室を要しない形式のものであるから,本件ビル本体とは別に設備を更新することができ,その取付けや取外しも,本件ビルの躯体部や家屋構造体の壁に影響を与えることな 件昇降機設備は,規格標準品で,専用の機械室を要しない形式のものであるから,本件ビル本体とは別に設備を更新することができ,その取付けや取外しも,本件ビルの躯体部や家屋構造体の壁に影響を与えることなく,短期間で行うことが可能である。 したがって,本件昇降機設備は,本件ビルとは別個の独立した動産であり,独立して所有権の客体となり得るものであるから,本件ビルとは別に譲渡することができる。 ウなお,被告は,本件昇降機設備と本件ビルとの付合(民法242条)を問題とするが,付合とは,不動産の所有者以外の者が当該不動産に付加した物についての所有権の帰趨の問題であるところ,本件昇降機設備は,本件ビルの所有者である原告が設置し,その後,本件昇降機設備のみを本件ビルとは別に譲渡したものであるから,付合の問題ではない。 エ以上によれば,本件各処分は,本件ビルとは別個の固定資産で,第三者であるAが所有する本件昇降機設備に係る固定資産税及び都市計画税について,その納税義務者である所有者のAではなく,原告に対して賦課したものであるから,本件昇降機設備の価格を控除した課税標準額(別紙「正しい評価額算定表」参照。)に基づく納付税額(固定資産税につき176万1000円,都市計画税につき37万7300円)を超える部分は違法である。 (被告の主張)ア固定資産税は,土地,家屋及び償却資産の資産価値に着目し,その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であり,これら固定資産の所有者に対して課されるものである。不動産に対する物の付合の要件と 効果について定めた民法242条は,私法上の所有権の帰属に関する規定であるところ,固定資産税の担税力の基礎は私法上の所有権の帰属という事実にほか るものである。不動産に対する物の付合の要件と 効果について定めた民法242条は,私法上の所有権の帰属に関する規定であるところ,固定資産税の担税力の基礎は私法上の所有権の帰属という事実にほかならないから,固定資産税の課税に際しても,同条の適用があることを前提に対象物の所有権の帰属及びその範囲を決すべきである。また,地方税法上,償却資産は,「土地及び家屋以外の」一定の資産をいう(同法341条4号)とされている以上,昇降機設備が償却資産として固定資産税の課税対象となるのは,あくまでもそれ自体が建物とは独立した所有権の対象となる場合であり,当該昇降機設備が建物に付合し,一体として建物所有者の所有の対象となった場合においては,もはやこれを「土地及び家屋以外の」資産ということはできないから,当該昇降機設備が償却資産として固定資産税の課税対象となる余地はない。 そうすると,昇降機設備が償却資産として固定資産税の課税客体となるか否かについては,当該昇降機設備が建物以外の独立した資産といえるか否かがまず確定されなければならないのであって,地方税法等の規定を根拠に,建物と昇降機設備とが,その設置状況いかんにかかわらず,常に別個の資産として固定資産課税の対象となるということはできない。 イ本件昇降機設備は,本件ビルの所有者である原告により本件ビルと一体として設計,設置されたものであり,本件ビルの天井,壁,床等の構成部分に組み込まれ又は接着されており,本件昇降機設備と同様の昇降機設備を設置する場合には,家屋の建築工事において,機器揚重用フックやレール取付用ファスナーの設置工事等が必要とされており,本件昇降機設備と本件ビルは一体となって建築されることにより,本件昇降機設備としての機能を発揮している。 て,機器揚重用フックやレール取付用ファスナーの設置工事等が必要とされており,本件昇降機設備と本件ビルは一体となって建築されることにより,本件昇降機設備としての機能を発揮している。 ウまた,本件昇降機設備は,人の往来,荷物等の物件の運搬等に重要な機能を営み,本件ビルと一体となって効用を果たす一方,本件ビルの構造及び形状等に応じた具体的な設計により本件ビルに固定して設置され,本件 ビルと一体となったものであることから,その撤去に困難を伴う上,本件ビルを離れて経済上独立の効用を有するものではない。 さらに,本件昇降機設備は,動産譲渡登記がされた後も,引き続き本件ビル内に固定して設置され,使用されており,本件ビル全体の効用を高めている。 エこれらによれば,本件昇降機設備は,不動産である本件ビルに従として付着し,当該不動産の構成部分又は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,当該物としての取引上の独立性を失い,本件ビルに付合しており,原告の所有であることが明らかである。 したがって,本件昇降機設備を本件ビルに含めて評価した本件各処分は適法である。 (2) 争点2(乙事件に係る訴え提起は,出訴期間を徒過した不適法なものか否か)について(原告の主張)原告は,本件登録価格には原告以外の第三者が所有する償却資産である本件昇降機設備を本件ビルと一体のものとして評価した誤りがあることを理由に,審査委員会に対し,本件登録価格の是正を求めて本件審査申出をするとともに,東京都知事に対し,本件各処分の取消しを求めて本件審査請求をしたところ,審査委員会は,審査申出事項には当たらないとして本件審査申出を却下する旨の本件決定をし,他 を求めて本件審査申出をするとともに,東京都知事に対し,本件各処分の取消しを求めて本件審査請求をしたところ,審査委員会は,審査申出事項には当たらないとして本件審査申出を却下する旨の本件決定をし,他方で,東京都知事は,本件各処分に違法はないとして本件審査請求を棄却する旨の本件裁決をしたことから,本件各処分の取消しを求めて甲事件の訴えを提起したものである。 しかしながら,甲事件係属中に,被告は,平成21年10月30日付け準備書面において,本件昇降機設備が本件ビルの評価に含まれるか否かは,審査委員会の審査事項に当たるから本件各処分の取消理由として主張することができない旨の本件決定の内容とは正反対の主張をするに至ったため, 原告は,原告が主張する上記理由による不服申立てが固定資産評価審査委員会に対する審査の申出によるべきものか,固定資産税賦課決定処分に対する審査請求によるべきものかを確定させる必要が生じたことから乙事件を提起するに至ったのであって,被告が上記主張をしたときには既に乙事件の出訴期間は経過していたのであって,乙事件の訴え提起が出訴期間を経過したことにつき,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)14条1項ただし書に規定する正当な理由がある。 (被告の主張)乙事件の訴えは,原告が本件決定の決定書正本の送付を受けてから6か月を超えた後になって提起されたものであるから,行訴法14条1項本文に規定する出訴期間を経過していることは明らかであり,また,甲事件の訴え提起とともに乙事件の訴え提起をすることも可能であったのであるから,出訴期間を経過したことに正当な理由があるともいえない。したがって,乙事件の訴えは不適法である。 (3) 争点3(本件決定は,本件審査申出が固定資産評 することも可能であったのであるから,出訴期間を経過したことに正当な理由があるともいえない。したがって,乙事件の訴えは不適法である。 (3) 争点3(本件決定は,本件審査申出が固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる事項に当たるにもかかわらずこれに当たらないとしたものであり,違法であるか否か)について(原告の主張)原告は,本件登録価格には原告以外の第三者が所有する償却資産である本件昇降機設備を本件ビルと一体のものとして評価した誤りがあることを理由に,審査委員会に対し,本件登録価格の是正を求めて本件審査申出をしたものであるところ,これは,地方税法432条1項に規定された審査申出事項,すなわち「固定資産課税台帳に登録された価格」についての不服に当たるから,本件審査申出を審査申出事項について不服がある場合に当たらず不適法であるとして却下した本件決定は違法である。 (被告の主張) 家屋に償却資産である昇降機設備が設置され,当該家屋に対する固定資産税賦課処分が当該昇降機設備を含めてなされた場合,当該処分に対する不服は家屋評価の問題ではなく,課税客体の範囲の問題であるというべきであり,本件審査申出は,「固定資産課税台帳に登録された価格」に対する不服には当たらないから,本件審査申出を審査申出事項について不服がある場合に当たらず不適法であるとして却下した本件決定は適法である。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件各処分は,本件ビルの固定資産税及び都市計画税について,本件ビルとは別個の固定資産である本件昇降機設備を控除せずに評価したものであって違法であるか否か)について(1)アまず,前提として,本件ビルの固定資産課税台帳の登録価格が,本 について,本件ビルとは別個の固定資産である本件昇降機設備を控除せずに評価したものであって違法であるか否か)について(1)アまず,前提として,本件ビルの固定資産課税台帳の登録価格が,本件昇降機設備を控除せずに定められたことに関し,それが本件各処分の取消訴訟において主張できるか否かについて検討する。 すなわち,地方税法432条1項は,固定資産税の納税者は,その納付すべき固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登録された価格(以下「登録価格」という。)について不服がある場合においては,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる旨規定しているところ,同項により審査の申出ができる事項(以下「審査申出事項」という。)について不服がある固定資産税の納税者は,同項による審査の申出及び固定資産評価審査委員会の決定の取消しの訴え(同法434条1項)によってのみ争うことができるとされている(同法432条3項,434条2項)。(なお,都市計画税の賦課徴収に関する修正の申出及び不服申立て並びに出訴についても,固定資産税の賦課徴収に関する修正の申出及び不服申立て並びに出訴の例によるものとされている(同法702条の8第2項)ので,以下,固定資産税の賦課徴収の規定について検討する。)そうすると,原告が本件各処分の違法事由として主張している内容が,審 査申出事項についての不服,すなわち,登録価格についての不服に当たるとすれば,本件各処分の取消訴訟においては主張できないことになるため,まず,この点から検討する。 イ地方税法上,固定資産税の課税標準たる固定資産の価格は,市町村長が固定資産評価員のした評価に基づいて決定し(同法410条),固定資産課税台帳に登録するものとされているが(同法411 イ地方税法上,固定資産税の課税標準たる固定資産の価格は,市町村長が固定資産評価員のした評価に基づいて決定し(同法410条),固定資産課税台帳に登録するものとされているが(同法411条1項),上記のとおり,固定資産税の納税者は,その納付すべき固定資産税に係る登録価格について不服がある場合には,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができ(同法432条1項),審査申出事項について不服がある固定資産税の納税者は,同項の規定による審査の申出及び同法434条1項の規定による固定資産評価審査委員会の決定の取消しの訴えによってのみ争うことができるとされている(同法434条2項)。 このように地方税法が固定資産の登録価格についての不服の審査を評価,課税の主体である市町村長から独立した第三者的機関である固定資産評価審査委員会に行わせることとしている趣旨は,固定資産の評価についての学識経験を有する者を含む中立的な立場にある固定資産評価審査委員会に固定資産の評価額の適否に関する審査を行わせ,これによって固定資産の評価の客観的合理性を担保し,納税者の権利を保護するとともに,固定資産税の適正な賦課を期そうとするものであると解される(最高裁判所平成2年1月18日第一小法廷判決・民集44巻1号253頁参照。)。そうすると,固定資産評価審査委員会に申し立てることができる不服は,あくまでも固定資産の評価について知識経験等を有する者らが判断するに相応しい事項であると解すべきであり,たとえば誰が納税義務者であるか,何が課税客体であるかについての法的判断などについての不服は,固定資産評価審査委員会に対する審査申出事項には当たらないと解すべきである。 ウ本件において,原告は,本件各処分は,本件ビルとは別個の固定資産で についての法的判断などについての不服は,固定資産評価審査委員会に対する審査申出事項には当たらないと解すべきである。 ウ本件において,原告は,本件各処分は,本件ビルとは別個の固定資産で, 第三者であるAが所有する本件昇降機設備に係る固定資産税及び都市計画税について,その納税義務者である所有者のAではなく,原告に対して賦課したものであることを理由に,本件各処分の一部の取消しを求めている。 これは,確かに最終的には本件ビルの評価額について争うものであるものの,本件昇降機設備が償却資産(地方税法341条4号)として本件ビルとは別個の課税客体に当たること及びその所有者はAであり,原告は本件昇降機設備納税義務者ではないことを不服の理由としているものと解される。 そして,被告は,本件昇降機設備は,本件ビルに付合しているため独立の所有権の対象とならず,本件ビルと一体として原告の所有に属するものであると主張しており,このような付合の成否や独立の所有権の客体となるか否かといった事項は,法的な見地からの評価によって判断されるべきものであり,固定資産の評価についての知識経験等によって適切な判断がされる事項とはいい難い。 そうすると,本件昇降機設備が本件ビルとは別個の所有権の対象となり,別個の課税客体となるか否かの判断に対する不服は,固定資産評価審査委員会が審査することを予定している審査申出事項には該当しないというべきであって,本件各処分の取消事由として主張することが許されると解するのが相当である。 エそこで,以下では,本件昇降機設備が,「償却資産」として本件ビルとは別個の固定資産税の課税客体であり,第三者であるAが所有するものであるか否かにつき,検討する。 (2) そ エそこで,以下では,本件昇降機設備が,「償却資産」として本件ビルとは別個の固定資産税の課税客体であり,第三者であるAが所有するものであるか否かにつき,検討する。 (2) そこで,本件昇降機設備が,本件ビルとは別個の固定資産税の課税客体であるか否かについて検討する。 ア地方税法341条1号は,固定資産とは,土地,家屋及び償却資産を総称すると規定し,同条4号は,償却資産とは,土地及び家屋以外の事業の 用に供することができる一定の資産で,その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるものをいう旨規定しているところ,法人税法2条23号,同法施行令13条1号,所得税法2条1項19号,同法施行令6条1号は,減価償却資産として,昇降機その他建物に付属する設備を規定しているから,昇降機設備は,償却資産として固定資産税の課税客体となり得る。 もっとも,上記のとおり,償却資産とは,「土地及び家屋以外の」一定の資産をいうのであるから,昇降機設備その他建物の付属設備が,償却資産として固定資産税の課税客体となるのは,あくまでもそれ自体が建物とは別個の独立した所有権の対象となる場合に限られ,独立した所有権の対象とならない場合には,これを「土地及び家屋以外の」資産ということはできないから,当該付属設備が償却資産として固定資産税の課税客体となることはないというべきである。 イところで,不動産に従として付着した物が,当該不動産の構成部分又は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しない場合には,当該不動産の所有者は,民法242条本文の規定により当該付着物の所有権を取得し,また,このような場合には,当 は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しない場合には,当該不動産の所有者は,民法242条本文の規定により当該付着物の所有権を取得し,また,このような場合には,当該付着物は独立した所有権の対象とはならないというべきであって,同条ただし書の適用もないものというべきである(最高裁判所昭和35年10月4日第三小法廷判決・集民45号23頁,最高裁判所昭和44年7月25日第三小法廷判決・民集23巻8号1627頁参照。)。 そうすると,本件昇降機設備が,本件ビルの構成部分又は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しない場合には,本件昇降機設備は本件ビルから独立した所有権の対象とはならないことになるのであるから,「土地及び建物以外の」一定の資産ということはできず,建物と別個の償却資産とはならないことになるのであって, その意味において,本件ビルに付合しているか,すなわち,本件昇降機設備が,本件ビルの構成部分又は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しないか否かが問題となる。 ウそこで,本件昇降機設備が,本件ビルの構成部分又は社会通念上その不動産の一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しないか否かについて検討する。 まず,前記争いのない事実等(第2の1ア)及び証拠(甲22,25,乙10,15,16)によれば,本件ビルは,平成19年1月10日に新築された鉄骨造陸屋根地下1階付10階建て,延べ床面積約1140平方メートルの建物であるところ,本件昇降機設備は,本件ビルの南東部分の地下1階から地上10階までを貫く15人乗りの積載質量約1トンの昇降機設備であり,本件昇降 階付10階建て,延べ床面積約1140平方メートルの建物であるところ,本件昇降機設備は,本件ビルの南東部分の地下1階から地上10階までを貫く15人乗りの積載質量約1トンの昇降機設備であり,本件昇降機設備を構成する制御盤及び巻上機は,昇降路最下階付近に固定して設置され,昇降路の壁面にかごが昇降するためのガイドレールが固定して設置され,地上10階地下1階までを貫く昇降機設備の積載過重を壁や梁で支えてその安全性等を確保するために,本件ビル新築工事の際に,昇降路の最頂部に機器揚重用フックなどを設置する工事,三方枠,敷居,押しボタン,インジケータなどの固定用鋼材の設置工事,レール取付用のファスナー設置工事,各階のレール支持用形鋼設置工事などの建築工事が必要であること,また,電気工事関係としても,昇降路最下階の制御盤までの動力電源,照明電源等の引き込み工事,各種配管,配線工事などが必要であり,さらに,各階出入口周りの壁に穴を開けて各階の押しボタンや乗場表示灯の設置工事を行った上で設置後にモルタル詰め等の工事を行うことが必要とされることがそれぞれ認められる。 このように,地下1階から地上10階までを貫く15人乗りの積載質量約1トンの昇降機設備を安全に作動させるためには,昇降機設備を本件ビルの躯体部分に強固に接着させるための工事が必要であることはもとより, 電気系統の工事や押しボタンや乗場表示灯などの設置のために周辺の壁に穴を空けて設置する工事などが必要となることが認められる。 また,証拠(甲1,3,乙10,12)によれば,本件ビルの各階はテナントに賃貸され,主に飲食店等として使用されており,本件昇降機設備は,本件ビルに設置された唯一の昇降機設備であって,飲食店等を訪れる客やその従業員の往来や物品の運搬等に利用さ ,本件ビルの各階はテナントに賃貸され,主に飲食店等として使用されており,本件昇降機設備は,本件ビルに設置された唯一の昇降機設備であって,飲食店等を訪れる客やその従業員の往来や物品の運搬等に利用されていることが認められ,本件昇降機設備は,本件ビルとその機能上の一体性が確保されていることはもとより,上記の各認定事実によれば,本件ビルを取引の対象として見た場合に,社会通念上,一般に本件昇降機施設を分離して取引をすることはおよそ考え難く,本件ビルと本件昇降機施設は取引上の一体性を有していると認められる。 エそうすると,本件昇降機設備は,本件ビルに付合していると認められ,独立した所有権の対象にはならないと解すべきである。 オこの点につき,原告は,今日の経済取引上,昇降機設備は独立した動産として取引の対象とされており,本件昇降機設備は,Aに譲渡されたことに伴い,動産譲渡登記がされているから,本件ビルとは別個の独立した動産である旨主張し,証拠(甲2)によれば,本件昇降機設備について,平成19年6月4日,同年5月18日の売買により原告からAに譲渡された旨の動産譲渡登記が経由されたことが認められる。 しかしながら,そもそも動産譲渡登記制度(動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律)は,金融実務において,従来担保として活用されてこなかった企業が保有する在庫商品や機械設備等の動産を活用した譲渡担保等の資金調達の手法が広がるにつれ,それまでは必ずしも外形的には判然としない占有改定(民法183条)という公示方法により対抗要件を具備するしかなく,後日,占有改定の有無や先後をめぐって紛争を生じるおそれがあったことから,このようなおそれを極力解消 し, 然としない占有改定(民法183条)という公示方法により対抗要件を具備するしかなく,後日,占有改定の有無や先後をめぐって紛争を生じるおそれがあったことから,このようなおそれを極力解消 し,動産を活用した企業の資金調達の円滑化を図るために設けられた制度であり,まさに動産等の譲渡の対抗要件に関して民法の特例を設けたものであって,民法上の付合の成否や所有権の対象としての独立性について特例を認めたものと解することはできない。 そして,一般に,私人間で取引の対象としさえすれば付合の規定の適用が排除されることになれば,民法242条の付合の規定が公益の見地から保護しようとした利益が踏みにじられることはもとより,証拠(乙17,18)によれば,本件においては,本件昇降機設備の売買当事者とされる原告とAの代表取締役がBという同一人物であることが認められるのであって,私人の意思や思惑によって付合の成否が左右されることはおよそ民法の付合の制度が予定するところではない。 したがって,本件昇降機設備について原告とAとの間で売買がされたとして動産譲渡登記がされているからといって,付合の成否が左右されるものではなく,この点についての原告の主張は採用することができない。 カまた,原告は,本件昇降機設備は,本件ビルの本体とは別に設備を取り替えることができ,その取付けや取外しも本件ビルの躯体部や家屋構造体の壁に影響を与えることなく短期間で容易に行うことが可能であるから,本件ビルとは別個の独立した動産である旨主張する。 しかしながら,付合の成否は,本件ビルの構成部分又は社会通念上その一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しないか否かにより判断すべきものであるから,当該付着物を分離 しかしながら,付合の成否は,本件ビルの構成部分又は社会通念上その一部分と認められる状態となり,取引上の独立性を有しないか否かにより判断すべきものであるから,当該付着物を分離させることが物理的に不可能ではないからといって付合の成立が否定されるものではないことはもとより,証拠(甲22)によれば,本件昇降機設備を撤去するためには,専門のエレベーター工事業者によって本件昇降機設備の各構成部の取外し,かごの解体,壁の隙間を埋めたモルタル等の取壊し等の工事を要するというのであるから,その撤去が容易であるとは到底いい難い。 したがって,この点についての原告の主張は採用することができない。 キ以上によれば,本件昇降機設備は,「土地及び家屋以外の」独立した資産としての償却資産には当たらず,その所有者は,本件ビルの所有者である原告であることになるから,本件各処分が,本件昇降機設備に係る固定資産税及び都市計画税を原告に賦課したことに違法はない。そして,他に本件各処分が違法であることをうかがわせる事情はない。 よって,本件各処分は適法である。 2 争点2(乙事件に係る訴え提起は,出訴期間を徒過した不適法なものか否か)について(1) 上記争いのない事実によれば,原告が乙事件の訴えを提起したのは,原告が本件決定の決定書正本の送付を受けてから6か月を経過した後であることは明らかであるから,行訴法14条1項ただし書にいう「正当な理由」が認められない限り,乙事件の訴えは不適法である。 (2) ところで,行訴法20条は,同法19条1項前段の規定により,処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には,出訴 適法である。 (2) ところで,行訴法20条は,同法19条1項前段の規定により,処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には,出訴期間の遵守については,処分の取消しの訴えは,裁決の取消しの訴えを提起した時に提起したものとみなす旨定めている。これは,同法10条2項が,処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には,処分の違法は処分の取消しの訴えによってのみ争うべきものとし,裁決の取消しの訴えにおいては処分の違法を争うことはできず,裁決の固有の違法のみを争うべきものとしたが,必ずしも何が裁決の固有の瑕疵に当たるかは明確ではない場合もあり,誤って原処分の違法を理由に裁決の取消しの訴えを提起する者があることが予想され,それにより出訴期間の徒過等により救済を受ける機会が失われることを防止するために設けられた規定であると解される。 確かに,本件は,不服の内容が固定資産課税台帳に登録された価格についてのものに当たるとなれば,地方税法434条2項により,当該不服については固定資産評価審査委員会の決定の取消しの訴えの方法によってのみ争うことができ,これに当たらないとなれば,当該不服は原処分ともいうべき賦課決定処分の取消しの訴えによって争われることになる場合であり,当該不服の内容が固定資産課税台帳に登録された価格についてのものに当たるか否かにより採るべき争訟の方法が異なることになるものであるから,行訴法20条が直ちに適用される場面ではない。しかし,不服の内容が固定資産登録台帳に登録された価格についての不服に当たるか否かの判断が微妙な事案などにおいては,採るべき争訟の方法を誤る者が現れることもあり得るか が直ちに適用される場面ではない。しかし,不服の内容が固定資産登録台帳に登録された価格についての不服に当たるか否かの判断が微妙な事案などにおいては,採るべき争訟の方法を誤る者が現れることもあり得るから,そうした者が救済を受ける機会を保障する必要があることについては,行訴法20条がその趣旨とするが当てはまる場合もあると考えられる。 (3)アそこで本件について見るに,上記争いのない事実等(第2の1,)によれば,以下の事実が認められる。 (ア) 原告は,平成20年7月30日,審査委員会に対し,本件登録価格の減額修正を求めて本件審査申出をするとともに,同年8月4日,東京都知事に対し,本件各処分の取消しを求めて本件審査請求をした。 (イ) 東京都知事は,平成21年3月3日,原告に対し,本件審査請求を棄却する旨の裁決をし,審査委員会は,同月6日,原告に対し,本件審査申出は,審査申出事項に当たらないとして,本件審査申出を却下する旨の本件決定をした。 (ウ) 原告は,平成21年6月30日,本件各処分の取消しの訴えである甲事件の訴えを提起したところ,被告から,本件決定の取消しの訴えの出訴期間を経過した後である平成21年10月30日に提出された準備書面において,本件登録価格に対する不服を本件各処分の取消理由として主張していることになる旨の主張がされたことなどから,平成22年2 月1日に行訴法19条1項の規定に基づき本件決定の取消しの訴えである乙事件の訴えを甲事件に併合して提起した。(当裁判所に顕著な事実)イこのような事実経過に照らせば,原告が本件各処分の取消しの訴えである甲事件の訴えのみを提起すれば足りると考え,本件決定の取消しの訴えである乙事件の訴えを提起しなかった 著な事実)イこのような事実経過に照らせば,原告が本件各処分の取消しの訴えである甲事件の訴えのみを提起すれば足りると考え,本件決定の取消しの訴えである乙事件の訴えを提起しなかったこともやむを得ないというべきであり,その甲事件の審理過程において,被告から,本件裁決や本件決定とは異なる立場から,本件登録価格に対する不服は本件各処分の取消理由として主張できない旨の主張がされ,しかも,その時点では,既に乙事件の訴えの出訴期間が既に経過していたことからすると,上記の行訴法20条の趣旨に鑑みれば,原告に救済を受ける機会を保障する必要があるというべきである。 したがって,原告が,乙事件の訴えについて出訴期間を遵守することができなかったことにつき,行訴法14条1項ただし書にいう「正当な理由」があるものというべきであるから,乙事件の訴えの提起は適法である。 3 争点3(本件決定は,本件審査申出が固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる事項に当たるにもかかわらずこれに当たらないとしたものであり,違法であるか否か)についてこの点については,先に争点1に関して前記1で詳述したとおり,本件審査申出は,固定資産評価審査委員会が審査することを予定している審査申出事項には該当しないと解すべきであって,本件各処分の取消事由として主張することが許されると解するのが相当である。 したがって,本件審査申出を審査申出事項についての不服に当たらないとしたことは何ら違法ではない。そして,他に,本件決定が違法であることをうかがわせる事情はない。 よって,本件決定は適法である。 第4 結論以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟 決定が違法であることをうかがわせる事情はない。 よって,本件決定は適法である。 第4 結論以上によれば,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行訴法7条,民事訴訟法61条,67条2項を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官定塚誠 裁判官波多江真史 裁判官渡邉哲 (別紙)関係法令の定め 1 地方税法(1) 341条固定資産税について,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 一固定資産土地,家屋及び償却資産を総称する。 (略)四償却資産土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権,漁業権,特許権その他の無形減価償却資産を除く。)でその減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。)をいう。(略)(略)(2) 432条ア 1項固定資産税の納税者は,その納付すべき当該年度の固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登録された (略)(2) 432条ア 1項固定資産税の納税者は,その納付すべき当該年度の固定資産税に係る固定資産について固定資産課税台帳に登録された価格(略)について不服がある場合においては,第411条第2項の規定による公示の日から納税通知書の交付を受けた日後60日まで若しくは第419条第3項の規定による公示の日から同日後60日(第420条の更正に基づく納税通知書の交付を受けた者にあつては,当該納税通知書の交付を受けた日後60日)までの間において,又は第417条第1項の通知を受けた日から60日以内に,文書をもつて,固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる。ただし,当該固定資産のうち第411条第3項の規定によって土地 課税台帳等又は家屋課税台帳等に登録されたものとみなされる土地又は家屋の価格については,当該土地又は家屋について第349条第2項第1号に掲げる事情があるため同条同項ただし書,第3項ただし書又は第5項ただし書の規定の適用を受けるべきものであることを申し立てる場合を除いては,審査の申出をすることができない。 イ 3項固定資産税の賦課についての不服申立てにおいては,第1項の規定により審査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができない。 (3) 434条ア 1項固定資産税の納税者は,固定資産評価審査委員会の決定に不服があるときは,その取消しの訴えを提起することができる。 イ 2項第432条第1項の規定により固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができる事項について不服がある固定資産税の納税 消しの訴えを提起することができる。 イ 2項第432条第1項の規定により固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができる事項について不服がある固定資産税の納税者は,同項及び前項の規定によることによつてのみ争うことができる。 2 法人税法等(1) 法人税法2条1項この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 (略)二十三減価償却資産建物,構築物,機械及び装置,船舶,車両及び運搬具,工具,器具及び備品,鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。 (略) (2) 法人税法施行令13条法第2条第23号(減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は,棚卸資産,有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。 一建物及びその附属設備(暖冷房設備,照明設備,通風設備,昇降機その他建物に附属する設備をいう。)(略) 3 所得税法等(1) 所得税法2条1項この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 (略)十九減価償却資産不動産所得若しくは雑所得の基因となり,又は不動産所得,事業所得,山林所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供される建物,構築物,機械及び装置,船舶,車両及び運搬具,工具,器具及び備品,鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。 (略)(2) 所得税法施行 れる建物,構築物,機械及び装置,船舶,車両及び運搬具,工具,器具及び備品,鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。 (略)(2) 所得税法施行令6条法第2条第1項第19号(減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は,棚卸資産,有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。 一建物及びその附属設備(暖冷房設備,照明設備,通風設備,昇降機その他建物に附属する設備をいう。)(略)
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