平成15(あ)658 強盗殺人,強盗殺人未遂,強盗致傷被告事件

裁判年月日・裁判所
平成18年6月27日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,299 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 理由 弁護人庭山英雄,同鹿野真美の上告趣意のうち,憲法13条,36条違反をいう点は,死刑制度がこれらの規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,事実誤認の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 また,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。付言すると,本件は,被告人が,7名と共謀の上,6名の被害者に対する強盗行為に及び,うち1名に傷害を負わせ,引き続き,被告人単独で,被害者のうち3名を殺害し,2名については刺突行為等に及んだが殺害の目的を遂げなかったという強盗殺人3件,強盗殺人未遂2件,強盗致傷1件の事案である。すなわち,被告人は,マンションの一室に5名の中国人と共同で生活していたが,賃料の分担などをめぐって疎まれるようになり,犯行数日前には,ささいなことで同居者の一部から暴行を受け,暴言を吐かれたことなどに強く憤慨し,5名を殺害して報復しようと考えるに至った。被告人は,仲間と強盗をしているとのうわさのあった親族に対し,事情を説明して協力を求めたが,殺人はできないと断られたため,真意を秘して,殺害はせずに被害者らを縛り上げて自分がされたような暴行を加えて金品を奪取して報復したい旨を述べ,上記親族と強盗の共謀をし,更に同人においてその仲間6名と強盗の共謀をして順次共謀を遂げた。そして,前記マンションの居室において,共犯者らが,来訪者1名を含む被害者6名を縛り上げ,来訪者に- 2 -傷害を負わせ,財物の奪取行為を終えて退出した後,被告人において,引き続き同所に残り,単独で,同居人であった被害者5名に対し,順次, 者らが,来訪者1名を含む被害者6名を縛り上げ,来訪者に- 2 -傷害を負わせ,財物の奪取行為を終えて退出した後,被告人において,引き続き同所に残り,単独で,同居人であった被害者5名に対し,順次,刃体の長さ約21. 5㎝のサバイバルナイフで,胸部,腹部,背部等を多数回にわたり力任せに刺突するなどし,なお生存の兆候の認められた者は更に刺突するなどして3名を失血性ショック死等により死亡させて殺害し,残り2名に対しては,全治約1か月間から2か月間を要する重傷を負わせたが,殺害の目的を遂げなかったものである。以上のような本件犯行の凶悪性,残虐性,執よう性,結果の重大性に加え,遺族や一命を取り留めた被害者らの被害感情,社会的影響等に照らせば,被害者の側にも被告人を疎外し暴力を加えた落ち度が認められることなどを考慮しても,被告人の罪責は極めて重大であって,被告人を死刑に処した第1審判決を維持した原判断は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官吉田統宏公判出席(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官濱田邦夫裁判官上田豊三裁判官堀籠幸男)

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